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2009.01.09

「<オバマ次期大統領>演説で景気対策説明 就任前に決意示す」←あまりにも大規模なので、どうなるか分からないのです。

◆記事:<オバマ次期大統領>演説で景気対策説明 就任前に決意示す(1月8日20時29分配信 毎日新聞)

オバマ次期米大統領は8日(日本時間9日)、経済問題について演説し、低迷脱却に向けた総合景気対策の詳細を説明、支持を訴える。

大統領選勝利後初の政策演説で、20日の就任式に先立ち景気浮揚への決意を示すことで新政権の求心力を高める狙いがある。

オバマ氏が掲げる景気対策は「アメリカの再生と再活性化プラン」と名付けられ、今後2年間で300万人超の雇用を確保・創出するのが目標。

悪化を続ける失業率をにらみ、「迅速な行動が必要」と訴える。

景気対策の総額についてオバマ氏は約8000億ドル(約70兆円)規模になることを認めているが、

今後の議会内の調整で増額される可能性にも含みを残している。ただ、1兆ドルの大台に乗せることには財政規律維持の観点から慎重だ。

景気対策の柱は大規模公共事業と3000億ドル規模の中産層や中小企業向けの減税措置。

橋や道路建設、省エネ化のための全連邦政府ビル改修などのほか教育、環境やエネルギーなどへの公共投資で雇用機会を広げる。

米国の09会計年度(08年10月~09年9月)の財政赤字はオバマ氏の景気対策を含めずに過去最大の約1.2兆ドルに達すると予想されている。

オバマ氏は「経済状況は深刻だ」として景気対策による経済活性化を最優先させる考えを示す一方、

財政赤字拡大を警戒し、議員による地元利益誘導型の歳出項目を一切排除する方針も示すとみられる。


◆コメント:景気対策に公共事業は分かるのですが、失敗したら、米国だけの問題じゃ、済まないのです。

日本時間の明日(9日)、22時30分に、12月の米国雇用統計が発表されます。

12月5日に発表された11月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が、前月比マイナス53万3000人で、

これは、1974年12月以来、34年ぶりの大幅な減少で、世界中が真っ青になりました。

明日も既に、相当、ひどい数字が発表されることは織り込み済みです。


だから、オバマ次期大統領が「とにかく雇用対策だ。その為には公共事業を増やすのだ」という方針を、

明日、発表するらしいのですが、記事にあるとおり、その規模がかつて経験したことの無いほど、巨額の財政支出を要するので、

現在、既に巨額の財政赤字を抱える米国としては、ちょっと、イチかバチか、ということになります。

アメリカの金融危機が原因で世界不況が起きていますが、その根源はサブプライムローンという住宅ローンが不良債権化したことです。

アメリカの不動産価格の下落は続いています。つまり、貸出を実行したアメリカの銀行が担保に取っている土地や住宅の価格が下がっている。

ということは、債務者がローンを返済出来ないとき、担保を差し押さえて、売って、債権を回収しようとしても、回収しきれず、

米国の金融機関が抱える不良債権の額は膨張する、と考えられます。そうなると、必要な貸出が出来なくなり、民間企業は銀行から、

おカネを借りたくても貸して貰えず、倒産する企業が増えるでしょう。その状態が続いていて、大変危険なのです。


現在ドル安が続いています。世界のアメリカに対する信認が薄くなっています。

すると、米国債の「格付け」が下がるかも知れません。

米国債は、かつては世界で最も信頼性のある投資対象でしたが、格付けが下がるようでは、価値が減少することは明らかなので、

米国債に投資していた世界中の投資家が、米国債を売ると思われます。当然、米国債の価格がマーケットで下落します。

ここからは説明が長くなるので割愛しますが(「債券価格と利回り」で検索してみて下さい。易しく説明しているサイトが沢山あります)、

債券価格が下がると、利回り(金利)は上昇するのです。金利が上昇すると、一層、市場からおカネを調達しにくくなります。

今、連邦準備銀行(FRB)が利下げを重ね、更に、先日公開された、12月のFOMC(Federal Open Market Committee:連邦公開市場委員会)議事録を

読むと、日本がバブル崩壊後に行っていた「量的緩和」を導入しようか、という話すら出たことが分かります。

米国金融当局は、そこまでして、米国内のおカネの流れが滞らないように必死に「金融緩和」を行っているのですが、

金利が上昇したら、その効果が減衰してしまいます。


繰り返しになりますが、ドル安というのは、ドルの価値が下がることです。

アメリカは輸出より、輸入する方が多いのです。ドル安になると、アメリカから見た「輸入品」の価格が上昇します。

下手をすると、インフレになります。今はまだ、資産価格が下落を続けているから大丈夫だと思いますが。将来の予想は付きません。

オバマ次期大統領は、財政支出により公共事業を増やして雇用を創出しようとしているわけですが、

アメリカ国民がおカネを使わなければ、即ち個人消費が増えなければ、米国の景気は改善しません。

財政支出を増やし、財政赤字が膨らんでも、アメリカの景気が回復しなければ、

ますますアメリカからおカネを引き上げる投資家が増えるでしょう。ますます金利が上がる→景気回復にブレーキ、

という悪循環に陥ります。

ドル安は、アメリカ国内だけの問題ではありません。今までドルは基軸通貨でした。

ドルに対する信認がなくなれば、基軸通貨が無くなってしまい、世界がパニックに陥ります。


◆結論

オバマ氏の景気対策は、規模が極めて大きく、話としては「景気が良い」のですが、上手く作用するか分からない。

失敗したら、ドル資産が信認を失い、債券も株も通貨(ドル)も全部売られるでしょう。

それは、今まで絶対安全だった投資先を失うことを意味し、世界中のおカネが行き場を失い、

国際経済の混乱が進行する怖れが、あるのです。本当に世界恐慌になるかも知れませんね。

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コメント

ニューディールの焼直しでは、あまりに安直ですね。
民間企業に収益が転嫁できる有効な事業を練りだすだけの時間くらいあったと思うのですが。

日本がやっちゃうとドル安に拍車がかかる懸念もあるし、まあ、頭脳もないからアメリカに期待したんだけど・・・あちらも頭脳払底ですか。weep

投稿: ken | 2009.01.11 13:54

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