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2009.02.16

「G7共同声明の要旨」←大体予想の範囲内で、特別な評価に値しない。/今日発表される日本のGDP。他。

◆記事:世界経済・金融安定へ政策総動員=内需・雇用創出へ大規模財政出動-G7(2月15日1時22分配信 時事通信)

【ローマ14日時事】先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は14日午後(日本時間同日夜)、

世界的な金融・経済危機の克服に向けた共同声明を採択して閉幕した。

声明では、経済成長と雇用を支え、金融部門を強化するため「あらゆる政策手段を取る」と、金融・財政政策を総動員することで一致した。

金融危機が実体経済に波及しており、声明では「2009年の大半を通じ続くことが見込まれる」と世界景気の悪化が長期化することを懸念。

その上で、各国が財政政策の「前倒しおよび迅速な実施」をすることを確認。国内需要と雇用創出を刺激するため、

歳出と減税などの税制措置を組み合わせることを打ち出した。

積極的な財政出動を促す一方で、「中期的な財政の持続可能性と整合的」である必要性を指摘、今後の財政健全化策の重要性も強調した。

また、景気悪化を受け、各国で自国の産業を過度に保護する保護主義の動きが広がりつつあることから、

「保護主義的な施策を回避する」と強い反対姿勢を明記。

その上で「世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の迅速かつ野心的な妥結に向けて取り組む」と、

保護主義の排除へ協調することを確認した。

【為参考】財務省 2月14日(土曜日)7か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明のポイント(於:ローマ)[91kb,PDF]


◆コメント:予想通り、というか常識の範囲内である。

前回のG7(7か国財務大臣・中央銀行総裁会議)は、昨年9月15日にリーマン・ブラザーズが破綻した一ヶ月後、

ワシントンで、10月10日に開催された。

このときは、リーマンの破綻をきっかけに、金融危機があっと言う間に世界中に広がり、

それが何処まで広がるか分からなかったので、G7としては、異例の「行動計画」を策定したのである。

それは、

G7は本日、現下の状況は緊急かつ例外的な行動を必要としていることに同意する。

われわれは、世界経済の成長を支えるため、金融市場を安定化させ、

信用の流れを回復するために共同して作業を続けることにコミットする。われわれは以下のことに同意する。


  1. システム上の重要性を有する金融機関を支援し、その破綻を避けるため、断固たるアクションをとり、あらゆる利用可能な手段を活用をする。

  2. 信用市場および短期金融市場の機能を回復し、銀行およびその他の金融機関が流動性と資金調達に広範なアクセスを有していることを確保するため、すべての必要な手段を講じる。

  3. 銀行やその他の主要な金融仲介機関が、信認を再構築し、家計や企業への貸し出しを継続することを可能にするに十分な量で、必要に応じ、公的資金、そして民間資金の双方により、資本を増強することができるよう確保する。

  4. 預金者がその預金の安全に対する信認を引き続き保つことができるよう、各国それぞれの預金保険・保証プログラムが頑健であり、一貫していることを確保する。

  5. 必要に応じ、モーゲージその他の証券化商品の流通市場を再開させるための行動をとる。資産の正確な評価と透明性の高い開示および質の高い会計基準の一貫した実施が必要である。


これらの行動は、納税者を保護し、他国に潜在的な悪影響を与えないような方法で行われるべきである。

われわれは、必要かつ適切な場合には、マクロ経済政策上の手段を活用する。われわれは、今回の混乱により、

影響を受ける国々を支援する上で、国際通貨基金(IMF)が果たす決定的に重要な役割を強く支持する。

われわれは、金融安定化フォーラム(FSF)の提言の完全な実施を加速し、金融システムの改革の差し迫った必要性にコミットする。

われわれは、この計画を完遂するため、協力を一層強化し、他の国々と協働する。

であった。

通常G7共同声明(に限らないが、国際会議の共同声明)は、もっと漠然とした、一般論的(悪く書けば形式論的。もっと悪く云えば建て前だけ)

のものであるが、昨年10月のワシントンG7はかなり、踏み込んだ具体的内容に言及しており、世界中の金融政策担当者の危機感を端的に表していた。

その後、とりあえず、各国の財政・金融当局は緊急的に実行出来ることは実行しているので、

今回のローマG7共同声明は、非常に単純化するならば、
経済成長と雇用を支え、金融部門を強化するため「あらゆる政策手段を取る」

という一文に集約されている。しかし、それは金融危機とそれに伴う世界不況が続いているのだから当たり前で、

10月ほどの緊迫感がない。というか、各国政府いずれも、とりあえず、持ち玉を使い果たしてしまったので、

新しい、具体的な緊急策を盛り込むことが出来なかったものと思われる。

10月の「行動計画」では、金融市場における流動性資金の確保、など、かなりテクニカルなことまで書かれていたが、

今回は、「出来ることは何でもやります」と云っているだけである。

但し、今回のG7はこんなものであろう、と、市場は予想していたので、これによって、マーケットが乱高下するとは思えない。


◆今週は、今朝(16日(月))発表される、10-12月の日本のGDPと日銀金融政策決定会合(18-19日)

今週は、月曜の朝から波乱含みである。16日(月)8時50分、内閣府が昨年10月-12月期のGDP(国内総生産)を発表する。

GDPは四半期毎に発表される。前回発表された、2008年7月-9月期の実質GDPは、前期比マイナス0.5パーセント。

年率換算でマイナス1.8パーセントだった。


今朝発表される数字は、年率換算でマイナス10パーセントを超える、と予想されている。

繰り返すが、その前の四半期が年率換算マイナス1.8パーセントだったのが、

いきなり二桁台のマイナス幅になるかも知れない。このようなものすごい勢いでの景気減速は、

かつて見たことがない。

市場は、この、極度に悪いGDP予想を知っているから、株価は一旦悪材料出尽くしで買い戻しが入るかも知れないが、

経済の実体を考えたとき、GDP成長率が年率換算でマイナス二桁になる、ということは、

非常な勢いで景気が後退していることを表すことになる。中・長期的には、売り要因であることは云うまでもない。

因みに、高度成長期における日本のGDP(当時はGNPだったが)成長率は年率プラス二桁だったのである。


今日のGDPが、非常に悪い数字だったと仮定した場合、次に注目されるのは、今週の水、木(18日、19日)に開催される、

日本銀行の金融政策決定会合で、日銀がどのような手段を講じるか、である。ゼロ金利にするか。

企業から既にコマーシャル・ペーパーや社債の買取り、という、中央銀行としては異例でギリギリの選択を既に決めた日銀が、

さらに、一般企業から株式を買い取るとか、なんとか、非常手段を発表するかも知れない。

それが何かは、私には現時点では予想出来ない。

何か、新しい金融政策が発表されたとしても、日本の景気改善に寄与するか否か、の評価により、

市場は乱高下しかねない。一つ誤れば、日本の金融市場の混乱から、金融危機の悪化と、それに伴う、

更なる景気の後退を引きおこしかねない。

これらが、今週、最も注目すべき事柄である。


【速報】

第4四半期GDPは前期比マイナス3.3パーセント(年率換算マイナス12.7パーセント)だった。予想よりも更に悪い。

【読者の皆様にお願い】

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