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2009年2月

2009.02.28

「ベルリン・フィルの安永徹さん、独政府が勲章授与」←安永さんは勲章が欲しくて音楽家になったのではない。しかし、私は嬉しい。

◆記事:ベルリン・フィルの安永徹さん、独政府が勲章授与(2月27日11時32分配信 読売新聞)

【ベルリン=中谷和義】世界有数の楽団、ベルリン・フィルのコンサートマスター(第1バイオリンの首席奏者)を25年以上務め、

今年3月末に退団する安永徹さん(57)が26日、ドイツ政府から「独功労勲章・功労十字小綬章」を授与された。

安永さんは福岡県生まれ。桐朋学園大を卒業後、ドイツに留学。1977年に入団し、83年、

楽団員の投票で数人いるコンサートマスターの筆頭に選ばれた。同楽団のコンサートマスターの筆頭に、東洋人が就任するのは初めてだった。

豊かな音楽性と謙虚な人柄で知られ、巨匠カラヤンや現首席指揮者のサイモン・ラトル氏ら3代の芸術監督と楽団員との橋渡し役を務めた。

退団後は拠点を日本に移し、ソロ活動や室内楽に取り組む。


◆コメント:芸術(家)の価値を正しく評価出来る国家。

ドイツという国家の何から何まで素晴らしい、という訳ではないが、今日のニュースには素直にドイツ政府に感謝したい。

ドイツ政府が勲章を授与したのは、

「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第一コンサート・マスターという重責を25年間担った偉大さを正確に理解している」

ことを端的に表している。以前にも書いたが、ヨーロッパの政治家は自ら音楽を演奏する人が多い。

元・西ドイツの首相だった、ヘルムート・シュミット氏は、以前、Newsweekのインタビューで、
ドイツのオーケストラで活躍している日本人音楽家が大勢いる。彼ら(彼女ら)は、日本のどの政治家、外交官、財界人よりも、

ヨーロッパ人の日本人に対する印象を向上させることに貢献している。

と、キッパリと言いきった。私もそう思う。勲章云々は、安永さんご自身、別に欲しくも無いであろう

(それを口に出したら独政府に対して非礼になるから、余計なことは言わないだけであろう)。

安永さんは、勲章が欲しくて、音楽家になったわけでもベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサート・マスターになったわけでもない。

音楽が好きで有ることは勿論だが、お客さんを楽しませる為に、プロの音楽家として四半世紀、全力を尽くしただけだ。

安永さんご本人は、多分、
この25年、お客さんから頂戴した拍手が、何よりの勲章だ。

と思っておられることだろう。


しかし、安永さんの思いはさておき、私は、ドイツ政府が、安永さんの功績、

ベルリンフィルのコンマスを25年という想像を絶する重責を25年も務めた、その偉大さを、間違いなく、正しく理解していることに、敬意を表したい。

安永さんがコンサート・マスターに就任したときに、
自分がすごいのではなく、東洋人を敢えてコンサート・マスターに抜擢したベルリン・フィルがすごい、とおもった。

という名言を残しているが、私はドイツ政府に対して同様の感想を抱いた。

彼の国の政府は芸術や芸術家の価値、功績を正しく評価し、国籍とは無関係に、勲章という「形」でその栄誉を讃えた。

誠に教養に満ちた、フェアな態度である。


安永さんがどのようにお感じかは想像するしかないけれども、私は、我が事のように、嬉しい。

勲章を胸にした安永さんの写真(隣は今のベルリン・フィルの音楽監督、サイモン・ラトルである)を見ていただきたい。

ダウンロード 20090227yasunagabig.jpg (42.3K)

◆安永さんの本当の晴れ姿はステージだ。小澤征爾指揮、コンサート・マスター、安永さんのベルリン・フィル悲愴全曲(YouTube)

私は普段、動画共有サイトというのをあまり使わないので、YouTubeから映像を探す、ということに、

考えが至らなかったが、今日は、たっぷりと安永さんの、ステージでの晴れ姿をご覧頂こう。全曲見なくても結構だが、

YouTubeで、小澤征爾さんがベルリン・フィルでチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」を振り、コンマスが安永さんという、

絶好の映像を発見したので、ご覧頂きたい。昨年の1月23日、「カラヤン生誕100周年コンサート」の映像。

第一楽章(1)

SEIJI OZAWA /Berlin Philharmonic Orchestra  Tchaikovsky Symphony No.6 Part1


第1楽章(2)

SEIJI OZAWA /Berlin Philharmonic Orchestra  Tchaikovsky Symphony No.6 Part2


第1楽章(3)及び第2楽章全部

SEIJI OZAWA /Berlin Philharmonic Orchestra Tchaikovsky Symphony No.6 Part3



第3楽章 (とりあえず、景気の良いマーチだから、全部聴くのが面倒な方は、せめてこれだけでも)

SEIJI OZAWA /Berlin Philharmonic Orchestra Tchaikovsky Symphony No.6 Part4



第4楽章(1)

SEIJI OZAWA /Berlin Philharmonic Orchestra  Tchaikovsky Symphony No.6 Part5



第4楽章(2)

SEIJI OZAWA /Berlin Philharmonic Orchestra  Tchaikovsky Symphony No.6 Part6



如何ですか。小澤さんも安永さんも同じ桐朋出身で、「斎藤秀雄門下」(サイトウキネン・オーケストラの「サイトウ」とは、この先生のこと)だから、

ツーカーで演りやすいと思います。こんな誇らしい映像は無いです。

世界一のオーケストラを日本人指揮者が振って、日本人がコンサート・マスターなのです!


今まで私が「安永さんが如何に偉大であるか」を語っても、なかなか分かっていただけなかったかも知れません。

勲章を貰ったから安永さんが偉大なのではなくて、偉大な音楽家だから、自然と勲章がもたらされただけのことなのですが、

勲章という分かり易い「形」になると、クラシック・ファンでは無い方にも、おぼろげに安永さんの功績が理解しやすいのではないか、

と思い、このニュースを取りあげました。

もう一曲だけ。


サイモン・ラトルの前にベルリン・フィルの音楽監督だった、クラウディオ・アバド指揮、安永さんコンマスのベルリン・フィルで、

プロコフィエフ、「ロミオとジュリエット」(「ロミオ」は色々な作曲家が音楽にしていますが、今日はプロコフィエフ。)


Claudio Abbado Prokofiew Romeo & Julia Part 1



Claudio Abbado Prokofiew Romeo & Julia Part 2



いいねえ。

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2009.02.27

「得意のはずが…麻生さんの英語、米側『聞き取れない』」(読売新聞)←下らないことを書くな。

◆記事:得意のはずが…麻生さんの英語、米側「聞き取れない」(2月25日20時12分配信 読売新聞)

麻生首相は24日の日米首脳会談の冒頭、オバマ大統領と英語で会話を交わした。日米同盟強化を呼びかけた大統領に、

首相は「数多くの課題がある。日米が共同で取り組まなければならない」などと応じた。外務省によると、首相はその後は日本語を使って会談した。

しかし、ホワイトハウスがその後、発表した公式の発言録には、「取り組まなければならない」というくだりはなく、

代わりに「聞き取れない」と書かれていた。

ホワイトハウスの発言録で、作成担当者が聞き取れずにそう表記されるのは、珍しいことではない。

実際、前日の大統領と議会関係者との会合の発言録でも、下院議員の複数の発言が同様の扱いになった。

国会などで漢字の読み間違いが多い首相も、英会話は得意と自負している。今回、「聞き取れない」とされた原因は不明だが、

最高の場面で披露した「英語力」に、けちがついた格好となった。(ワシントン 小川聡)


◆コメント:「けちがついた」のは読売新聞記者の知能と読売新聞社の見識だよ。

内閣総理大臣はまぎれもなく、日本国の政治の最高責任者であるから、その政策、政治的行動に関して、

論理的な批判をする自由は確保されるべきだが、いくら支持率が低い総理大臣だからといって、

れっきとした大新聞が、下らない記事を書くべきではない。


先日、民主党の石井一という議員が、予算委員会で首相に「漢字テスト」をして、民主党に抗議の電話やメールが殺到したのを、

読売新聞はもう忘れたのだろうか。本質的ではないことで、内閣総理大臣を個人的に貶めるような記事を書く見識を疑う。


そもそも、この記事は一読して、論理的に矛盾している。

記事の中で、小川聡記者は、

ホワイトハウスの発言録で、作成担当者が聞き取れずにそう表記されるのは、珍しいことではない。

実際、前日の大統領と議会関係者との会合の発言録でも、下院議員の複数の発言が同様の扱いになった。

と書いている。

下院議員の英語が(発音が下手で)聴き取れないということは考えられないから、

これは、ホワイトハウスが発言録で公表したくない部分を故意に「聞き取れない」と表記する場合があることを意味している。

だから、麻生首相の発言録における「聞き取れない」も本当に英語が通じなかったのか、

或いは、アメリカ側の何らかの政治的な思惑により、「聞き取れない」にされたかは、発言録からだけでは判断できない筈である。

それは、記事のなかで読売も認めているではないか。 いいですか?
今回、「聞き取れない」とされた原因は不明だが

と書いているのに、続いて、
最高の場面で披露した「英語力」に、けちがついた格好となった。

と書くのは全く矛盾している。

「聞き取れないとされた原因が不明」ならば、「首相の英語力にけちがついた」とは言いきれないではないか。


書いた小川某本人も読売本社の外信部デスクも、この記事の矛盾に気が付かないほどバカなのか。

だとすれば、「けちがついた」のは、麻生首相よりもまず、記者とデスクの「オツムの中身」(=知能)と

こういう下らない記事を新聞に載せる見識である。

今一度書くが、内閣総理大臣の政治的行動・発言に関して冷静に合理的に批判することは許されるが

(それが許されなかったら、民主主義国家ではない)、このように、事の本質からかけ離れた、

枝葉末節をあげつらった、週刊誌的な記事を書くのは、明らかに恣意的である。

こんなことを報じても国民にとってメリットはないし、報じなくてもデメリットはない。

一応「日本有数の大新聞」の「報道」としては、かなり恥ずかしい。反省していただきたい。

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2009.02.26

【音楽】バッハのフルートソナタをリコーダー(チェンバロ伴奏)で演奏した、名盤です。

◆毎日、世界景気の事を書いていると気が滅入るので美しい音楽を。

今日は、プロのリコーダー奏者として、多分世界で一番人気があり、かつ、上手いデンマーク出身の女性奏者、ミカラ・ペトリ(Michala Petri)が、

何と、ジャズ・ピアニスト、キース・ジャレット(Keith Jarrett)のチェンバロ伴奏で、バッハのフルートソナタをリコーダーで演奏したCDを

お薦めします。

バッハ:リコーダー・ソナタ集ですね。

これは、Amazonには2007年発売と書いてありますが、最初に出たのは17年前、1992年です。

フルートという楽器も素晴らしいのですが、時としてその発音原理、つまり、振動体を持たず、空気の渦巻きを作り、空気を振動させて音が出る。

一升瓶の口から息を吹き込むと「ボーッ」と音がしたり、やや乱暴に括れば、木の枝や電線に風が当たって、「ヒュー」と音がするのと同じです。

その点はリコーダーも同じ事なのですが、フルートは時として、寒々しい感じになってしまうことがありますが、リコーダーの音は大変柔らかい。

この楽器は日本の小学校・中学校の音楽の時間に使われたのが悲劇で、音大は出ているけれど、管楽器のことなど全く知らない音楽の先生が、

キチンとした吹き方を自分が知らないものだから、当然生徒にも教えられるわけがない。結果貧弱な音がする、子供のオモチャ、という誤解を受けてしまいましたが、

バッハの頃は、フルートと言えばリコーダーを指したというぐらいで、ブランデンブルク協奏曲にも使われています。

今でもヨーロッパの音大の古楽科にはリコーダー科があり、歴とした演奏会で演奏する、「まともな」楽器です。


疲れているとき、ミカラ・ペトリとキース・ジャレットのこのCDは優しく、聴く者を慰めてくれます。

まず、リコーダー(フルート)ソナタ、BWV 1030、ロ短調より第一楽章、アンダンテです。







これ、しつこいようですが、あの中学で習った(?)アルト・リコーダーで演奏しているのですよ。

勿論、ペトリはプロですから、木管の高い楽器を使っているでしょうが、樹脂製でも全音ブレッサンという楽器などは随分豊かな響きがします。

リコーダー、バカにしていた方が多いだろうと思いますが、ここまで吹けるようになるの、大変ですよ。リコーダー用の楽譜出てますから、

練習なさってみると、どんな楽器でも、このようなプロが演奏会で吹く曲を、他人に聴かせるまで上達するのが如何に難しいか、よく分かると思います。

話が逸れました。


次は、変ホ長調のBWV 1031ですが、第二楽章の「シチリアーノ」があまりに美しいので、色々な楽器で演奏されます。

それは、後ほどご紹介しますが、まずは、ペトリとキース・ジャレットの演奏をどうぞ。

原曲のこの楽章はト短調ですが、アルト・リコーダーで演奏するためにロ短調に移調しています。

バッハ、リコーダー(フルート)ソナタ、BWV 1031 より、「シチリアーノ」です。







ご参考までにフルートで吹く原曲と比べて下さい。






こちらの方が楽器としては、当然進化していて、ダイナミックレンジ(ffからppまでの音量の幅)が広く、表現力豊かですが、

なんとなく寒々とするでしょ? これは、完全に人によって好みが違って構わないのですが、

私はですね。この曲に関してはリコーダーの方で吹いた方が好きです。

因みに、オーボエで吹くとこうなります。






ピアノで弾くとこうなります。






ハープで弾くと、こうなります。






打楽器のマリンバ(木琴の一種ですね)でも演奏したCDがあります。






優しい音がします。打楽器という言葉から一般的に連想するイメージと大きく異なります。

皆さんはどれがお好みですか。楽器だけではなく、当然演奏者が異なりますから、弾き方も少しずつ違いますけど、

どの楽器で演奏しても、「シチリアーノ」の芯の部分、本質的な美しさは損なわれない。バッハには、そういうところがあります。


ちょっと遊んでしまいましたが、今日は、お薦めの中心はあくまで、ミカラ・ペトリとキース・ジャレットです。

それでは、失礼します。

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2009.02.24

「人間社会はそんなに単純でない=竹中氏の理論を一蹴-与謝野財務相」←賛成。

◆記事:人間社会はそんなに単純でない=竹中氏の理論を一蹴-与謝野財務相(2月24日12時0分配信 時事通信)

与謝野馨財務相は24日午前の衆院財務金融委員会で、竹中平蔵元総務相が小泉政権時代、市場競争の末に富が一部に集中しても、

そのおこぼれを貧困層も享受できるとする「トリクルダウン効果」を主張していたことについて、

「人間の社会はそんな簡単なモデルで律せられない」と一蹴(いっしゅう)した。階猛(しな・たけし)氏(民主)への答弁。


◆【為参考】衆議院インターネットTVから、与謝野大臣の答弁を文字に起こしたもの。

上の記事だけだと、ちょっと与謝野大臣の発言の趣旨がよく分からないので、衆議院インターネットTVからJIROが文字に起こしました。

民主党の階猛議員の質疑の部分を含めて文字にします。

階猛:今までは何が世の中の通説だったか。特に竹中(平蔵)さんが、言われていたのは、規制緩和と小さな政府、これが論理的に正しいのだということだったが、

(与謝野)大臣も仰っていたように、規制緩和で、かつ「小さな政府」ということになると、規制緩和で競争がどんどん進んでいく。そして敗者が当然出てくる。

敗者が出たときに、小さな政府だとその人が救われない。セーフティ・ネットが弱いと救われない。これだと、大変なことになる。社会がどんどん壊れて行く。

ということで、私はこの考え方には非常に問題があると思う。

ただ、これを竹中さんがどのように説明していたかというと、「規制緩和で、かつ、小さな政府で国民負担を軽くしてゆくことで、

強者がどんどんおカネを儲けていって、その恩恵が下々にも及ぶのだ」と。「トリクルダウン」なんて言い方をしていたが、

その「トリクルダウン」によって全体に恩恵が及ぶから、このあり方で良いのだ、という言い方だった。

私は今回の金融危機の一連の動きを見ていると、全く間違いであったと。「トリクルダウン効果」はなかったと判断している。

その点について、間違いだったといことを(与謝野)大臣はお認めになるか。

与謝野:人間の社会ってのはそんな簡単なモデルで律せられないと私は思う。

現にアメリカの社会で起きていることは、フリードマンのマネタリストの流れを汲むような流れで物事が動いていない。

むしろ、流れとしては、アメリカですら「弱い人を助けよう」という、例えば今回の経済危機に関しても、そういう動きである。

市場原理主義の人が幻想のように持っていた、「物事はルールですっぱり切っていくんだ」、という考え方は、アメリカ社会にすら適用されていない。

このことは、そういうこと(トリクルダウン効果)を主張された方(注:竹中のこと)は、もう一度お考えになった方が良いのではないかと思うし、

中谷巌先生(注:経済学者。元一橋大学教授)の書かれた本はやっぱり、経済を論じるときには人間的な要素、

或いは文化的な背景というものを加味してものを考えないとダメだということを主張されている。(後略)


◆コメント:久々にまともな政治家の答弁を聞いた気がする。

何しろ、内閣総理大臣は郵政民営化に反対だったのが、賛成になったり、

前の財務相は答弁どころか、単なる酔っぱらいで、バチカン市国でもヒンシュクを買っていたそうで、

答弁以前の問題。というか、問題外だったが、今日の与謝野大臣(三つも兼務しているので、「大臣」で済ませていただく)の答弁は、

久しぶりにまともな、知的な政治家の答弁を聞いた気がするし、内容に関しても賛成である。


与謝野大臣が答弁で主張していることは、数学者の藤原正彦氏が、ベストセラーとなった著書、「国家の品格」で書いていたことと同じ方向である。

要するに、アメリカの合理主義、何でもかんでも論理、ルールで割り切るやり方を日本に当てはめようとしてもダメだ、これから大切なのは、

むしろ「情緒」なのだ、というのが藤原正彦氏の主張であった。

アメリカは、世界中をアメリカにしたがるクセがあり、アメリカ式民主主義、アメリカ式市場原理主義にすれば世の中上手くいくのだ、

といっていたが、与謝野大臣の言うとおり、アメリカが今、現実に行っている、民間銀行に公的資金を注入したり、

ローンを返済出来ない人に猶予を与える、という措置は、市場原理のルール外である。あれだけ、市場原理・自由経済と言っていた

アメリカですら、それでは世の中が回らなくなっている。

ましてや、元々、論理的というより情緒的な傾向が強い日本社会に市場原理・自由主義を持ち込んでもダメなんだ、

ということで、「トリクルダウン効果」に至っては、全然机上の空論だ、という意見であるが、それには全面的に賛成である。

今の自民党で一番まともなのは与謝野氏かもしれない(だからといって自民党が何もかも良い、と言うつもりはないが)。

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「銀行資本増強の用意=経営への関与強化も-米政府が緊急声明」←シティとか、さっさと国有化したら?

◆記事:銀行資本増強の用意=経営への関与強化も-米政府が緊急声明(2月23日22時49分配信 時事通信)

米財務省や連邦準備制度理事会(FRB)など金融監督当局は23日朝、金融機関の資本増強に必要な場合、

政府が一時的に資金を供給するとの緊急声明を発表した。政府が資金供給する場合、議決権のある普通株に転換可能な優先株を取得、経営への関与を強化する。

市場では深刻な景気鈍化や金融危機を背景に金融機関の経営悪化に対する懸念が強まり、シティグループなどの株式が大きく売り込まれていた。

声明は銀行を支援する姿勢を強調、金融システム安定に全力を挙げる決意を表明した。

声明によると、財務省が先に発表した金融安定化策に盛り込まれた大手金融機関の危機への対応能力を測るストレステスト(耐性テスト)を25日から実施。

資本増強が必要と判定された場合、金融機関は当初、民間からの資本調達に努めるが、必要なら政府が資金を注入する。

政府が資金注入した場合、政府は見返りに普通株に転換可能な優先株を取得する。

また、これまでの金融機関への資本注入で政府が取得した優先株も普通株への転換を可能とする。

ただ、転換については「十分な資本を維持するために必要な場合」との条件を付けた。


◆コメント:チマチマやってるから駄目なんで、いっそ国有化したらどうですか。

米国金融当局は、大手金融機関(今日噂になったシティ・グループなど)が破綻したら、連鎖的に金融機関が破綻して、

その影響は米国全土に止まらず、全世界が本当に恐慌になるかも知れない、ということを十分に理解しているはずだが、

一方、銀行だからといって、民間企業が危なくなったら国家が救済する(今は、クルマ=ビッグスリーも救済しようとしているが)、

ということは、市場経済における、自己責任、経営責任の原則を腐食させる、「モラル・ハザード」(倫理観の喪失)を招く、という、

原則論の板挟みになり、シーソーのようにあっちに傾いたり、こっちに傾いたりしているのである。


二週間前に、ガイトナー米財務長官が、不良資産処理や個人向け融資促進を狙った2兆ドル規模の金融安定化策を発表した。

それは「具体性を欠く」などの理由で市場の失望を招いて、余計状況が悪くなった。

この金融安定化策に関して何が問題なのかは、

「米政府が金融安定化策、不良資産買い取りへ官民ファンド設立へ」←不良債権を銀行が売るかどうか、分からないでしょ? ココログ版

に書いた。

とにかく、不良債権を買い取ると言ったって、銀行側からみれば、売ることは義務ではないし、

「官民ファンド」は時価で買い取るのであり、どの銀行も簿価との差損を計上しなければならなくなる。

つまり、不良債権を売った瞬間に特別損失が発生して、それを決算に反映させなければならないから、売る訳がない。


案の定、世界のマーケットは、金融安定化策発表以降も、アメリカの金融危機は一向に改善していないと見ている。

いつ、アメリカの大銀行が潰れてもおかしくないと思っている。だから、そこに投資している日本の銀行の株も売られる(少なくとも上がらない)。

毎日のように同じ事を書くが、アメリカの金融不安が世界同時不況、同時株安の原因である。

完全に金融不安を払拭するためには、何年もかかるだろうが、とりあえず、今日、こういう噂が流れた。
◆記事:米シティ株、政府が最大40%取得か~米紙(2月23日(月) 21時47分 日本テレビ)

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn/20090223/20090223-00000057-nnn-int.html

アメリカの新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、アメリカ政府が、経営難に陥っている金融大手

「シティグループ」と株の買い取りに向けた協議に入ったと伝えた。普通株のうち、最大40%を政府が取得する可能性があるという。

しかし、オバマ政権内からも「銀行の国有化につながる」との反発があり、協議の行方は不透明となっている。(太文字は引用者による)

シティ・グループってのは、今や随分落ちぶれたけど、つい数年前まで「世界最大の銀行」って威張ってた銀行ですよ。

今は落ちぶれたと言っても、まさかシティが潰れるなんて、誰も考えていないから、

世界中の投資家がシティの株や債券に投資している訳です。シティ・グループが破綻したら、それが、

全部紙屑になるわけ。リーマン・ブラザーズの破綻に加えて、シティが潰れたらもう金融恐慌ですよ。

だから、アメリカは絶対に潰してはいけない。市場原理、自由経済も結構ですけどね。これ以上世界に迷惑かけてほしくないのね。

日本テレビの記事によると、「オバマ政権内から「銀行の国有化につながる」との反発」があるそうだが、

そういう風に原理・原則にこだわって、大手術に踏み切らないで、対症療法で、薬でチラすような事を言ってるから、

いつまで経っても、世界の金融・経済に携わる者はみんな不安なのだ。

絶対潰さない、という断固たる決意を示すためには、米国は危ない巨大金融機関をさっさと国有化するべきだ。

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2009.02.23

「景気法案早期成立を 米大統領、日本教訓に訴え」←失礼なんだよ。

◆記事:景気法案早期成立を 米大統領、日本教訓に訴え(2月10日15時46分配信 産経新聞)

オバマ米大統領は9日、就任後初めて公式の記者会見を行い、歴史的な景気後退に見舞われた米国経済がこのままでは「破局」を迎えるとの懸念を示し、

10日に上院本会議で採決される大型景気対策法案の早期成立を訴えた。安全保障政策では、

核開発問題で対立を続けてきたイランとの対話を模索していることを認め、「向こう数カ月間」に米政府が同国と外交対話に踏み出す可能性を示した。

会見の冒頭、オバマ大統領は、前月だけで約60万人が新たに職を失う雇用情勢の悪化を挙げ、

米国が約80年前の「世界恐慌」以来の危機的状況にあると指摘。速やかに有効な手立てを講じなければ「危機は破局に至る」と警告した。

その上で、大統領はバブル経済崩壊後の日本が十分な対策を取らなかった結果、「失われた10年」に陥った教訓を挙げ、

景気対策法案を速やかに成立させる必要を強調した。


◆コメント:随分前のニュースだけど、一言言いたかったのです。米大統領の初記者会見、失礼です。

先日、バーナンキFRB議長の発言に関する記事ココログ

にも書いたが、日本の新聞は、何故これほどオバマびいきなのか、と思う。

引用したのは、ずいぶん前の記事で今月(2009年2月)9日、オバマ大統領が初めての記者会見を、

ホワイトハウスで行ったことを報じた記事である。見出しには、

米大統領、日本教訓に訴え

と書かれているが、「教訓」という単語を用いるのは、ミス・リーディングである。

「教訓」と書くと、あたかもオバマ氏が「日本を見習え」とか「日本をお手本にしろ」という趣旨の

発言をしたかのような期待を抱くが、
記者会見のスクリプトを読むと、オバマは、そういうことは一切言っていない。

産経新聞の記事でも本文を読めば、書いてあるが、日本は金融危機に際して、対処が遅れたため、

いわゆる「失われた10年間」を経験した、アメリカはああなってはいけない。

だから議会は景気対策法案を速く可決しろ、という件で出てくるのである。

面倒くさいから訳さないが、ニューヨークタイムズ(でもロサンジェルス・タイムズでも、CNNでもよいが)に、

初記者会見のフル・トランスクリプト(記者会見の発言、質疑応答を全部文字に起こしたもの)が載っている。
The New York Timesならば、Obama’s Prime-Time Press Briefing

に掲載されている。問題のくだりだけ抜粋すると、
QUESTION: Thank you, Mr. President. Earlier today in Indiana you said something striking. You said that this nation could end up in a crisis, without action, that we would be unable to reverse. Can you talk about what you know or what you're hearing that would lead you to say that our recession might be permanent when others in our history have not? And do you think that you risk losing some credibility or even talking down the economy by using dire language like that?

MR. OBAMA: No, no, no, no. I think that what I've said is what other economists have said across the political spectrum, which is that if you delay acting on an economy of this severity, then you potentially create a negative spiral that becomes much more difficult for us to get out of.

We saw this happen in Japan in the 1990s, where they did not act boldly and swiftly enough, and as a consequence they suffered what was called the "lost decade," where essentially for the entire '90s, they did not see any significant economic growth.

の部分で、繰り返しになるが、趣旨は、
1990年代、日本は迅速に行動しなかったから「失われた10年」を経験するハメになった。

あれを反面教師にしなければならない、という意味である。

日本のようなドジを踏まないためにも、議会はさっさと「景気対策法案」を可決しろ、と言ったのである。


先日、クリントン国務長官が来日して、「24日に麻生首相を日米首脳会談に招待する(アメリカに来い)」と公式に発言した。

オバマが最初に招待したのが日本の首相だったのは、表向きは無論「世界で最も大切なパートナーだから」だが、

ホンネはアメリカは、現在金融危機打開、景気対策の為に巨額の財政支出を余儀なくされている。はっきり言って既に大幅に財政赤字で、

アメリカ政府にはさほどおカネがない。どうやって調達するか、といったら、米国債を発行して、これを日本と中国に無理矢理にでも

買わせるのである。その意味で米国にとって日本が世界で最もパートナー(のひとつ)なのだ。

それは、当初から新政権が考えていたに違いないことであり、要するに、自前のカネで自国の金融危機や景気対策をするには

限度があるから、日本にカネを出してくれということである。

そうなることが分かっているのに、オバマの初記者会見における発言は失礼ではないか。

これから、カネを無心する相手国だぞ。言葉を選べ、と言いたい。

それを、日本のマスコミはどこも、「失礼だ」と書かずに「米大統領は日本を教訓にしろ、と言った」と書く。

どうして、ガイジン相手だと、弱腰なのか。

日本では、何故か知らないが、大衆レベルでも「オバマ人気」が高く、CD付き「オバマ演説集」が、

飛ぶように売れたそうだ。オバマに対する批判的記事、見出しを、マスコミは避けているのだろう。


◆「オバマ演説集」買ったけど、一度も聴いてない人、多いんじゃない?

本題から話が逸れる。語学の話である。

「演説集」を買った人。最後まで聞きましたか?一回も聞かないで、本棚の何処かに置いてあるのではないですか?

一回や二回聞いても、英語の勉強の観点からは何の意味もないですよ。

それから、CD聞くときは決してテキストを見ないこと。テキストを見ながら音声を聴いたら、絶対にヒアリング能力は

向上しない。音声は、音声だけで理解出来るまで何百回でも繰り返し聞く。それが正しい勉強法だ。

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2009.02.22

「安永さんベルリン・フィルと別れ コンサートマスター25年」←、せ、先週終わってたの?/安永さんがコンマスになった頃の対談。

◆記事:「安永さんベルリン・フィルと別れ コンサートマスター25年」(共同通信)(2009年2月14日(土)10:56)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第1コンサートマスターを約25年間務めてきた安永徹さん(57)の同フィル最終公演が13日、

本拠地のベルリンで行われ、約2400人の聴衆を魅了した。

安永さんは83年に同フィルの第1コンサートマスターに日本人では初めて就任。

「帝王」カラヤンのほか、アバド、ラトルの3人の芸術監督の下で名門オケのまとめ役を担ってきた。


◆コメント:つい先日のニュースでは2月22日(今日)が最後のステージと書かれていたので驚いた。

安永さんがベルリン・フィルのコンサートマスターを定年まで8年を残して辞めて、日本に帰国する、と言う話は、

2009年02月04日(水) 「ベルリンフィルコンサートマスター 安永さんが退団へ」←ものすごいショックですが、安永さん、長い間お疲れ様でした。

ココログはこちら)に既に書いた。

但し、この時引用したニュースには、

2月22日のオーストリア・ウィーン公演をもって辞任する。

とかいてあったので、てっきり今日が安永さんの最後のコンサートだなあ、と、数日前から思っていた。

昨日偶然、冒頭の記事を発見して、安永徹さんのベルリン・フィル最後のステージは先週の金曜日に終わっていた、と知り、

愕然とした。1週間知らなかったことで、何がどう変わるわけではないのだが、13日が最終公演だと知っていたら、

私は必ずその翌日、記事を書いたであろう。まあ、仕方がない。

念のため付け加えるならば、ステージに上がるのは2月13日が最後だが、

正式には、安永さんは3月31日付でベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、第一コンサートマスターを辞するのである。


◆あまり「寂しい」と書いては、却って失礼なのは分かっているが、私はその感情を制御出来ないのである。

いずれにせよ、定年まで8年を残して退団する安永さんには、安永さんなりの熟考の末の決断があったのだろうから、

「今後のご活躍を楽しみにしています」と申し上げるべきである。そんなことは分かってるんだよ。私だって。

ベルリン・フィルに最初に入団した日本人は、ヴィオラの土屋邦雄さんで、

1957年~2001年までベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で弾き続けた方である。

定年でお辞めになった。誠に偉大である。

また、安永さんが辞めても、ベルリン・フィルには、ヴィオラの首席、清水直子さん、第一ヴァイオリンのテュッティ(総奏)奏者、町田琴和さんの二人の日本人音楽家が在籍しておられる。

土屋さん、清水さん、町田さんも、勿論、ベルリン・フィルのオーディションを通って、メンバーになったこと自体、ものすごい偉業だ。


しかし、日本人がベルリン・フィルのコンサートマスターを25年も務めた、ということは、並のものすごさではない。

こんな事は多分二度とないだろう。と、つい、思ってしまう(可能性がゼロとは断言できないが)。

あまり「寂しい、寂しい」と言っては安永さんやその他の皆さんに対しても失礼であることは理屈では分かるのだが、

自然に湧き上がる「寂しい」という感情を、私はどうしても制御出来ない。


◆安永徹対談集「音楽ってなんだろう」より、「ベルリン・フィルの試験」(作曲家、故・石井真木氏との対談の一部)抜粋引用

いくら私が「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサート・マスターを務めたことはすごいことだ」と書いても、

大部分の日本人には、ピンと来ないだろう。手元に一冊の本がある。

安永徹対談集「音楽って何だろう」(新潮社)(因みにAmazonで「カスタマーレビュー」を一人だけ書いているが、それは私である)。

(注:Amazonでは売り切れになってしまったが、インターネット古書店「日本の古本屋」には、まだ数冊ある。

「音楽って何だろう」で検索すると、すぐに見つかる。)

対談相手は四人だが、生前、安永さんと親しかった作曲家、故・石井真木氏との対談で石井さんが聞き役になり、

安永さんが、ベルリン・フィルに入団した時のこと。その後、コンサート・マスターのオーディションを受けたときのことを、

詳しく話しておられる。

ベルリン・フィルに入団しても、コンサート・マスターになるためには、別に、コンサート・マスターのオーディションを受け、

それに受かって、約1年半、試用期間があり(その間、オーケストラのメンバーとカラヤンが、安永さんを毎回観察(審査)している訳である)、

その後、もう一度オーケストラ全員による、会議が開催され、出席者の3分の2を超える得票があって、初めて「本物の」コンサート・マスターに

なることができるのである。


安永徹対談集「音楽って何だろう」(新潮社)からその部分を引用させて頂く(32ページから40ページ2行目まで)。

長いテキストだが、以下は安永さんへの敬意を表する(ことになるかどうか分からないが)ため、

私が本を見てキーボードから一文字ずつ入力したものである。

「ベルリン・フィルの試験」

石井 ところで安永さん、どうしてベルリン・フィルに入ろうと思ったんですか?

安永 土屋邦男さんが、いろいろよくしてくださいましてね。ファースト・ヴァイオリンかセカンド・ヴァイオリンの席が空くけれども、もしよかったら入って勉強してみないかとおっしゃて下さったんです。ベルリンフィルは、日本で考えられているようなオーケストラとちょっと違って、中にいて勉強になることがたくさんあるから、骨を埋めるとか大仰なことを考えずに、修業するつもりで何年間か入ってみてもいいんじゃないかと。そこでシュバルベ先生(引用者注:安永さんがベルリンの音大で習ったヴァイオリンの先生。カラヤン全盛時代に長くベルリン・フィルのコンサートマスターを務めた人)に相談したら、ああ、それはいいことだとおっしゃったので、試験を受ける気持になったんです。 77年2月でしたかね。募集があったので応募したんです。11人来ていました。その時の課題曲はモーツァルト。ドイツのオーケストラは、ヴァイオリンの場合、モーツァルトのコンチェルトの三番か四番か五番、この3つのうちのどれかを弾くことが多いんです。コンチェルトといってもピアノ伴奏で弾くんですが。それで11人弾き終わって控え室で待っていたら、二人を除いて全員帰ってよろしいといわれたんです。ぼくはその二人の中に残ったんですね。11人弾いたときにはカラヤンはいませんでしたが、残り二人になったときにやってきました。

石井 その二人というのは誰が選んだんですか。

安永 オーケストラのメンバーです。

石井 団員が全員、客席に座って聞くわけですか。

安永 そうです。ぼくのときには、いまのベルリン放送交響楽団のホール、SFB(自由ベルリン放送)ですか、あそこのホールでした。

石井 投票?

安永 挙手でいいんです。みんなでお互いに意見を言い合って、最後に、じゃあどうする、あいつをいれようか、ということになるわけ。いれるということは試用期間を始める、ということですね。

石井 プローベ・ツァイトってやつ。

安永 ええ。ぼくの場合は、77年の3月1日からすぐプローベ・ツァイトが始まって、終わったのが翌年の春ですから、1年ちょっとですね。試用とはいっても正式団員ですから当然給料は貰えます。ふつう1年契約で、その試用期間が終わると同時に、65歳までの定年までの契約になるわけです。ぼくの場合は、そのあとコンサート・マスターの試験を受けましたが。

石井 コンサート・マスターの試験を受けても65歳までの契約というのは生きてるわけですか。

安永 ええ。コンサート・マスターの試験が不首尾でも、ぼくさえOKなら団員に戻って65歳までの契約が継続されるわけです。ドイツ人は、コンサート・マスターの試験に落ちてもそのまま団員で残れるんだから、受けなきゃ損だという考え方なんですね。落ちても、あ、うまくいかなかったか、まあ、いいじゃないかと。あまり面子などにはこだわらない。

石井 ベルリン・フィルにヴァイオリン奏者として入るときはモーツァルトを弾いたということですが、コンサート・マスターになるときには特別な試験があるんですか?

安永 やはりモーツァルトを弾くんですよ。それと自分の好きなコンチェルトをひとつ。さらに、R.シュトラウスの「英雄の生涯」とか「ツァラトゥストラはかく語りき」とかいう、コンサート・マスターが実際にオーケストラの中でソロを弾かなければならない曲目があるでしょう、そういう課題が出るんです。その中のどれを弾くかというのはカラヤンが自分で指定するんです。これを弾けって。そりゃもういやなもんです。

石井 しかし、コンサート・マスターというのはヴァイオリンがうまく弾けりゃそれでいいというもんじゃないでしょう。性格とか気心とかも・・・。

安永 ええ。でもそれまでに7、8年団員としてやってきていますから、人間的なことは--。

石井 試されて、もう分かってる。

安永 あとは結局、コンサート・マスターとしての具体的な能力だけですね。コンサート・マスターにも試用期間というのがあって、ぼくの場合、83年11月から85年5月末までだったんですが、その間は、それこそまな板の上の鯉です。

石井 今度、まな板の上の鯉を川に戻してもらった、つまり第一コンサートマスターになったんですが、その時の試験というのもあるんでしょう。

安永 それまでの毎日が試験です。

石井 でも、何か特別にあるんでしょう。

安永 いいえ、特別な試験というのは何も。オーケストラ会議ってえらいものがありますが。これはね。実はオーディションに通ったときから、この会議のためにヴァイオリン・セクションだけでなく全員が見てるわけですよ。あれやこれやと。たとえば、コンサート・マスターとしての統率力はどうか。自分の言いたいことをきちんと表現できる語学力があるかどうか。指揮者の言うことをただヘイヘイ鵜呑みにするのではなく、指揮者が不適当なことを言ったときにはちゃんと対応できるかどうか。

  84年8月のザルツブルク音楽祭にカラヤンが出演することになったとき、「英雄の生涯のソロ・ヴァイオリンをぼくがやることになったんです。だれにソロをやらせるかというのは音楽監督としてのカラヤンの権限なんです。ところがそれから数ヶ月したら、御存知のように、オーケストラとカラヤンがまずくなりまして(引用者注:この頃、ザビーネ・マイヤーというクラリネット奏者をベルリンフィルに入団させるか否かで、カラヤンは入れるといったが、オーケストラは反対で、両者の間に確執が生じた。「ザビーネ・マイヤー事件」として有名)、音楽祭がお流れになったんです。結局その時は、そういうわけでソロを弾くのは実現しなかったんですが、そのあと、オーケストラとカラヤンのよりが戻ったときに、またオーケストラが安永のソロを聴かせろということになったんです。それじゃ85年2月のベルリンでの「英雄の生涯」のビデオ撮りの演奏会で安永をコンサート・マスターとして使おうと。ところが今度はぼくが病気になってしまった。医者の診断では「ワレンベルク症候群」(軽い脳血栓の一種)ではないかということだったんですが、首が痛み、肩が凝る。体が左へばかり傾く、唾が飲み込めない。あわてて入院したんですが、そのために演奏会が不可能になってしまった。で、治ってからカラヤンのところへ行きましたが、まあ焦るな、焦ったってまたぶり返すだけだからゆっくり養生した方がいいと。そういうわけでまたまた実現しなかったんだけど、カラヤンとしては自分が棒を振って一度ソロの入った大曲をやらせないと自分で納得できなかったんですね。

石井 カラヤンは完璧主義者だから・・・。

安永 ところがオーケストラにしてみれば、どっちか白黒を決めたかったんですね。もう1年もたつし、十分聴いたから、と。そこで、プフィングステン、つまり聖霊降臨祭の時にカラヤンが一回だけ棒を振ることになったんですが、その時試してみようということになったんです。そのときは小澤征爾、ジェームズ・レヴァイン、カラヤンの三人が一回ずつ演奏会をやったんですが、カラヤンのプログラムのときに安永を使ってみようということになったわけです。

石井 まな板の上にもう一度載せられた。

安永 その演奏会の1日前に練習がはじまったんですが、練習の前にカラヤンからザルツブルクのホールの自分の部屋に来るように連絡がありました。自分の部屋に来いというのは、自分の前で一人で弾いてみろということだろうと思ったんで、楽器をもってカラヤンの部屋に行きました。「やあ。こんちは。ところで君はこの曲を知ってるかい」って言うから、「それは『ツァラトゥストラはかく語りき』ですね」「よく知ってるか」「はい、よく知ってます」。そういうときに「いえ」なんて言っちゃいけないんです。カラヤンは、「ああ、知ってる?OK,OK」。そして、「この曲はシュトラウスの中でも最もむずかしい曲だ。よっぽどよく理解してないとうまくいかない」「そうでしょうね」「ところで楽譜持ってきたかい」「はい」「ちょっと弾いてごらん」。カラヤンは僕が持ってきたパート譜を取りあげて「ああ、ここ、ここを弾いて見なさい」と歌いながら棒を振るんです。ぼくは楽譜を半分むこうにとられてるんだけど、「よく知ってます」と言った手前、見せて下さいとは言えないんですからね。(笑)カラヤンは暗譜をモットーにしてますから、こっちも暗譜してる分は少しでも示さないと損する。10分ちょっとでテストは終わって「ああ、よろしい、よろしい、じゃあとでね」。6時からの練習が始まったときは、カラヤン、とてもご機嫌で。翌日の演奏会もまあまあ。カラヤンが信頼してくれた初めての演奏会という気がしました。1年半かかってようやく信頼してもらえたかという感じ。

石井 大変でしたね。

安永 でも、それだけじゃない。それはたったの一票。こんどは楽団員が・・・。

石井 120票もあるわけだから。

安永 ええ、大変でした・・・・。つまりね。ぼくのヴァイオリン演奏の技術については反対しない。ただこのポストは並の人間じゃできる仕事じゃないとみんな考えているわけです。超人的な要素が必要とされる。極端なことを言えば、ヨーロッパ人であればヨーロッパの伝統を血の中に持っているわけだけど、外国人の場合は血の中にドイツ音楽のリズムというものがない。ドイツを代表するオーケストラのリーダーになるわけだから、そのへんが問題になるんです。ましてや世界中から指揮者がたくさんやって来るなかで、いままでこのオーケストラが刻んできた歴史を継続していけるだけの勇気と決断力があるかどうか、この点がメンバーの大議論になるわけです。

石井 それは勿論欠席裁判・・・・。

安永 欠席裁判! まさにその通りですね。その会議の数日前に親しいオーケストラのメンバーがぼくのところにやってきて言うんです。「これは、お前さんのヴァイオリンがどうのとかお前さんの人間がどうのとか、そういうことじゃない。日本とベルリン・フィルとの友好関係にもかかわる問題だ。もしお前さんが不合格になった場合、その関係もまずくなるかもしれないし、第一、お前さんが一番ダメージを受けるだろう。病気になったことにして辞退すればお前さんもダメージを受けないし、オーケストラも苛酷な裁判をせずにすむ、どうだ」。

石井 厳しいね。

安永 それはほんとに良心的な意味なんですがね。しかし、ぼくは考えた。「自分はこれまで1年半ベストを尽くしてきた。指揮者はカラヤンで、オーケストラはベルリン・フィル、お客様はザルツブルクの耳の肥えた人たちだ。曲目はカラヤンが世に出たときに演奏した『ツァラトゥストラ』。相手にとって不足はない。

そして演奏をしたのが5月27日。会議は29日だったんですが、どうも1時間半ぐらい会議が行われたんですね。もういろんな意見が出たそうです。しかし、これは欠席裁判なんだからぼくが知っちゃいけないことなんですね。だからみんな説明してくれませんでした。

石井 もちろん合格。

安永 はい。実はその日、僕に賛成の人が4、5人欠席していたんです。だからファースト・ヴァイオリンのぼくの味方の人はちょっと日を遅らせようと言ったんです。欠席者はいちおう意見だけは手紙で言うことは出来るけれど、投票は出来ないんです。出席者の3分の2以上の票がないと合格出来ませんから、4、5人でも大きいんですね。投票は無記名ですから、面と向かってはいいことを言っても、書くときは何でも書けるわけです。だからそういう状況の中で3分の2をはるかに超える人が信任してくれたということは、これはもう非常な責任を感じました。

石井 嬉しかったでしょう。

安永 ううん、通ったという電話をもらった時に、「そうか」だけでおしまいだったらしい。あとであの時はどうしたんだって言われましたから。素直に喜べなかったんですね。事の重大さにわなわなとしてしまって。

お読みになって分かると思うが、コンサート・マスターのオーディションを合格してもそれからの(安永さんの場合)1年半は毎回のコンサートが、

謂わば「試験」だったわけである。その後、投票があって、侃々諤々の議論の後に、正式に「合格」となる。その1年半のプレッシャーは察するにあまりあるが、

この対談が行われたのは、本の記録によると、1985年8月9日である。丁度、正式にコンサートマスターに就任した直後の対談だから、

細部まで安永さんもはっきり記憶していて、カラヤンにいきなり呼ばれて弾かされたり、会議の前に、「もしダメだったら大変だから、辞退したらどうだ」と

本気で心配してくれた、ベルリン・フィルの同僚の話など、日本語で書かれた本で、安永さんのベルリン・フィルコンサート・マスター就任までの内幕が

ここまで生々しく記録されている本は他に無い、と思う。安永さん自身、正式にコンマスと決まったときは、あまりの事の大きさにわなわなとしてしまった、

というぐらいの重責を、四半世紀も務めたのが、安永さんであり、敬意を表するなと言われても無理で、

他の誰が何と云おうと(誰かが何かを言っている訳ではないが)私は安永徹さんを尊敬している。

それは終生変わることが無いであろう。


◆【音楽】「安永徹 ヴァイオリン演奏会」よりコレルリ・ヴァイオリン・ソナタヘ長調 作品5-4全楽章

過去に、私が何度もおすすめした安永さんのCD、デュオ・コンサート。改めてお薦めする。

今まで、冒頭に収録されたコレルリのヴァイオリン・ソナタヘ長調、作品5-4、の第一楽章だけ載せたが、

今日は、全楽章(5つの楽章)を載せさせて頂く。

コレルリ:ヴァイオリン・ソナタヘ長調 Op.5-4。第一楽章





第二楽章




第三楽章




第四楽章




第五楽章




安永さんの楽器はチェロで名器を沢山残したクレモナの弦楽器職人モンタニアーナが作ったものである。

ヴァイオリンもお聴きの通り、名器である。

本当の名人が名器を弾いた名演奏である。私は自分が持っているヴァイオリンのCDでこれが最も好きなのである。

先日と同じ言葉で締めくくります。


安永徹さん、25年もの長きにわたる、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、第一コンサートマスターとしてのお務め、

お疲れ様でした。心より誇りに思い、尊敬しています。

今後、安永さんの日本でのご活躍を改めて祈念致します。

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2009.02.21

「米FRB、リーマンを破たんさせないことを決意していた=バーナンキ議長」←バーナンキさん、気は確か?

◆記事:米FRB、リーマンを破たんさせないことを決意していた=バーナンキ議長(2月19日7時3分配信 ロイター)

米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は18日、システミックに重要な企業の存続が重要なため、

FRBはリーマン・ブラザーズを破たんさせないことを決意していた、と語った。

議長は講演後の質疑応答で「われわれはリーマン・ブラザーズを救済するため、できることをすべて行う覚悟だった。

大型でシステミックに重要な機関を破たんさせないことが不可欠と、私はこの危機の始まりから言ってきた」と述べた。


◆コメント:日本のマスコミって、外国の要人のアホな発言、失言には寛容だね。

この見出しを見たときに私は我が目を疑った。

FRBはリーマン・ブラザーズを破たんさせないことを決意していた

それでは、どうして昨年9月15日、あれほど簡単にリーマン・ブラザーズが破綻したのでしょうか?

いくら「破綻させないことを決意し」ても、破綻させてしまったのは事実であり、今更何を言っても空しいし、

見苦しい。リーマンの破綻が現在の世界不況の始まりである。

多分、バーナンキは「破綻させないことを決意していたが、結局どうしようもなかったのだ」と言いたいのであろうが、

それなら、黙っていることだ。

そもそも、以前バーナンキはこのように発言している。記録が残っている。
◆「巨額すぎて救えない」=リーマン破綻でFRB議長(10月8日9時0分配信 時事通信)

【ワシントン7日時事】バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は7日の講演で、先に破綻(はたん)した証券大手リーマン・ブラザーズについて売却、

存続いずれのケースも巨額の公的資金の投入を必要とし、数十億ドルの税金が失われる見込みだったと指摘、救済に乗り出さなかった事情を説明した。

議長は、リーマンに必要な公的資金は、3月に事実上破綻し、JPモルガン・チェースに救済合併されたベアー・スターンズよりはるかに巨額だったと指摘。

さらに、仮に資金投入が正当化されたとしても、FRBの融資には返済を保証する妥当な担保が必要であり、リーマンにはこれがなかったと強調した。

この発言から、「FRBにリーマンを破綻させない決意があった」とは到底考えられず、要するに、

私は冒頭の発言に対して、
うそつけ!

と言いたいのである。

百歩譲って、FRBの当時の「覚悟」がどのようなものであれ、リーマン・ブラザーズが破綻してしまったのは、

くどいようだが歴史的事実であり、それが世界に金融危機をもたらし、世界各国の中央銀行は、銀行が潰れて金融恐慌が起きないように、

こぞって、自国の民間銀行に公的資金を注入し、資本を増強し、潰さないように必死になった。


もう少し詳しく書くならば、証券化されたサブプライムローン関連商品に投資していた世界中の銀行が、

巨額の含み損を計上せざるを得なくなり、それがどこまで広がるか分からない。

損失を埋めるためには資本を取り崩すことになり、有価証券評価損により、

どこの銀行も業績が著しく悪化している。

そして銀行はこれ以上損失を増やしたくないから、本業の金貸し(融資)に極めて慎重になっている。

それによって、世界各国の事業会社が、必要な融資を受けられない。

非常に単純に言えば、それが今の世界不況をもたらしている。


世界不況の発端はまぎれもなくリーマン・ブラザーズの破綻であり、それを放置したアメリカが、

世界中に迷惑をかけている。アメリカの金融政策を司るFRBの最高責任者、FRB議長、いや、本当は

アメリカ合衆国大統領は、世界に対して
ご迷惑をおかけして申し訳ない。

と謝罪するべきなのに、絶対に謝らない。

日本のマスコミは日本の政治家の失言には異様なまでに敏感なのに、

バーナンキ発言批判が全くないのは不可思議である。

「よくも、いまさらいけしゃあしゃあとそんなことがいえるな」

という(趣旨の)記事が有って然るべきだ。

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2009.02.20

19日は「メヌエット」で知られるボッケリーニの誕生日。「メヌエット」「フルート・ソナタ」「コントラバス・ソナタ」「交響曲」

◆2月19日は「ボッケリーニのメヌエット」で知られるイタリアの作曲家ボッケリーニ(1743~1805)の誕生日でした。

実を言うと、私もボッケリーニというと、「ボッケリーニのメヌエット」と、

この人はチェリストで作曲家でしたから、チェロ協奏曲を書いているのですが、それぐらいしか知らなかったのです。

しかし、色々な曲を書いています。

今日はどの曲も短い(交響曲ですら全楽章演奏して7分弱)ですから、

気楽に(今日に限らずいつも気楽で結構なのですが)お聴きになって下さい。


◆ボッケリーニのメヌエット弦楽合奏版(ストコフスキー、バッハ編曲集)から。

ボッケリーニのメヌエットなんて、あまりにも良く耳にしている気がしたのですが、

意外と見つかりません。

アメリカにフィラデルフィア管弦楽団という一流オーケストラ(異論もあるでしょうが、まあまあ)

があります。これを昔作った、ストコフスキーという指揮者がいます。この人は色々な曲をオーケストラ用に編曲してます。

バッハや他の作曲家の元来オーケストラの曲ではないのを編曲して録れたCDがあります。Stokowski: Bach Transcriptions

ですね。これは、ストコフスキーが昔編曲した楽譜を使っていますが、演奏はボーンマス交響楽団、指揮はホセ・セレブリエールという人で

全然知りませんが、上手です。

最初に、やはり「ボッケリーニのメヌエット」。元来弦楽五重奏曲ですが、オーケストラ(弦楽合奏)用に編曲したものです。

弦楽五重奏曲 ホ長調 Op. 11 No. 5, G. 275 - 第3楽章 メヌエット(編曲:L. ストコフスキー)です。






やっぱり綺麗で、可愛い曲だと思います。私は好きです。晴れた日に広い野原を歩いている様な気がします。


◆ボッケリーニじゃないのですが、同じCDに収録してある、バッハのヴァイオリンソナタと平均律のオーケストラ版です。

このCDなかなか、良いのです。

お馴染みのバッハの曲もありますし、珍しい曲も収録してあります。

今日はバッハで行きます。両方とも短いですから、安心して下さい。

まず、バッハの無伴奏じゃない、チェンバロの伴奏付きのヴァイオリンソナタというのが沢山あるのですが、

その中から、ヴァイオリン・ソナタ第4番 ハ短調 BWV 1017 より「シチリアーナ」を管弦楽用にアレンジしたのを聴いていただきます。

どうぞ。






「シチリアーノ」(シシリエンヌですか。フランス語だと)ってのは常にそうですが切なく、はかなく、美しい。

もう一曲だけ。同じくバッハ。

平均律クラヴィーア曲集第1巻 - 第2番 フーガ ハ短調 BWV 847 (編曲:L. ストコフスキー)です。どうぞ






壮大ですねー。ピアノやチェンバロで聴くのも勿論良いですが、アレンジで随分印象が変わります。


◆ボッケリーニに戻ります。フルートソナタ。チェロ・ソナタ(コントラバス版)

フルートソナタ。このCDに収録されてます。ハープとフルートで、大変美しい。

ただ、元来は多分、ヴァイオリンソナタだったのではないかと思いますが、まあ、良いでしょう。

綺麗ですから。

ソナタ2番 ハ長調 Op.5 G26です。






きれいでしょ?このCDには、他に、メルカダンテ、ドニゼッティ、ロッシーニ、ニーノ・ロータ

(「ゴッドファーザー」の映画音楽を書いた人)などのフルート作品が収録されています。


さて、最初の方で書きましたが、ボッケリーニはチェリストですから、チェロ協奏曲やチェロソナタを何曲も書いています。

今日はチェロ・ソナタをコントラバスで演奏したものを聴いていただきます。

コントラバス・ポートレイツ - 音楽の展覧会というCDです。

コントラバス奏者はJeff Bradetich(読み方、よく分からない)という人です。どれぐらいのサイズのコントラバスを使っているのか不明ですが、

ひじょうに上手いです。音は良いし、音程完璧。テクニックは「腕が鳴る」という感じです。お聴き下さい。

チェロ・ソナタ第6番 イ長調 G. 4 (コントラバス編)です。1楽章アダージョ、2楽章アレグロ続けて演奏されます。






無茶苦茶上手いですね。弾く所を見てみたいです。


◆最後に、ボッケリーニの「交響曲」。安心して下さい。全曲演奏しても7分弱です。

ボッケリーニはシンフォニーも何曲も書いています。但し、後年の作曲家のそれと比べると遙かに規模は小さい。

全部で何曲あるか分からないのでしょう。通し番号は付いていないのです。

お聴きいただくのは、ボッケリーニ:交響曲全集 1に収録されています。

交響曲 ニ長調 G. 490としか書いてありません。全部で3楽章ですが、第一楽章が約3分。第二楽章が約2分。第三楽章が1分15秒ぐらいです。

ですので、続けて演奏します。明るい曲ですよ。






これを聴くと、ボッケリーニといったら、「ああ、ボッケリーニのメヌエットの人ね。」で済ませては気の毒だと思いまして。

敢えて2時半まで書けて構成いたしました。

全部のCDを一度に買うわけにもいきませんから、まず、ストコフスキー編曲のNaxosの比較的安いのなど、

宜しいのではないかと思いますが、特定の楽器に関心がある方は勿論そちらを優先なさっても良いでしょう。

それでは、失礼します。

いつも、しつこいですけど、結構手間かけてますから、是非一票お願いします。

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2009.02.19

【翻訳】「自民党はタイタニック号のようだ」(ウォール・ストリート・ジャーナル 18日付社説)及び所感。

◆(原題)Tokyo Titanic

http://online.wsj.com/article/SB123490689140703061.html#

悪い冗談だが、自民党はあたかもタイタニック号の様相を呈している。いや、それよりひどい状態かも知れない。

乗客・乗員は、皆、末期的な方向に向かいつつあることを知っている。

絶望的な景気の悪さという状況に加え、中川財務相が、とどめを刺した。


日本は1970年代以降、最悪の景気後退局面に陥っている。(月曜日に発表された)2008年第4四半期のGDPは、

前期比マイナス3.3パーセント。3四半期連続して、前期比マイナスであり、年率に換算するとマイナス12.7パーセントになる。

日本経済は既にデフレの崖っぷちにあり、失業率は上がり続けている。

この世界第2位の経済大国の景気は、今や米国の3倍の速さで後退し続けているのである。


その主たる原因は外需の落ち込みにある。それに加えて民間企業がリストラでもたついていること、雇用関係の

面倒な法体系により、日本の会社は、より厳しい経済環境に適応出来るように変わることが出来ていない。

中川財務相は、金融政策の舵取りの失敗によって罷免されることはなかったが、先週末G7後の記者会見に泥酔して現れて

醜態を晒したかどにより、その職を解かれ、後任には、消費税引き上げ派の与謝野経済担当相が中川氏の職を兼務することが決まった。


そして、これこそが、麻生政権の悲劇を端的に物語っている。麻生首相は前任の安倍晋三、福田康夫両氏を引き継いで、

昨年9月に首相に就任したばかりだが、前の二人が経済改革に失敗したのをずっと見ていた人である。

麻生首相は、従って、サプライサイドエコノミックスに大きく方針を転換する--例えば減税を通じて--ことが出来たはずである。

しかし、彼が提案したのは、「定額給付金」だった。麻生内閣支持率は、一桁台にまで落ちこむ寸前である。


今や、麻生氏の政治的存在意義は、ケインジアン風の「バラマキ方式」を含む、来年度予算を可決することだけ、といっていい。

このおかげで、野党・民主党はかつて無いほど、強い立場にある。小沢一郎代表のリーダーシップの下で、

民主党は、9月に任期満了となる衆議院の早期解散の交換条件として、予算案への同意を「取引道具」として用いることが出来る。

自由民主党は、半世紀にわたって、殆ど常に日本を支配してきた。今や自民党の勢力の衰えは見て明らかである。

しかし、民主党の景気対策は自民党のそれと殆ど違いがない。


自民党は1990年代、小泉元首相という強力なリーダーの下で、「構造改革」の旗印を掲げ、強大な勢力になったが、

今や、「小泉伝説」は後継者たちの時代に入ってから、過去のものになりつつある。その小泉はつい最近、麻生首相を痛烈に批判した。

小泉氏の再登場を真剣に希望する声もあるぐらいで、これは、日本の有権者が今の経済を大きく変化させたいと希望している証左である。

自民党も、民主党も、それが出来ないというのならば、若手の政治家による、第三の勢力=政党が出現してもおかしくない。

自民党は、タイタニック号と同じ針路を辿っているかも知れないが、日本経済を再生する勢力に委ねられるかも知れない。


◆コメント:ウォール・ストリート・ジャーナルの理解・評価は中途半端。

ウォール・ストリート・ジャーナルの社説だが、理解が中途半端である。

自民党は最早、タイタニックの如き「沈没船」だ。しかし、民主党も似たようなものだ、と。

ここまでは、当たっているが、だからといって、日本国民は小泉元首相の「改革」がとんでもないペテンだった、

ということに、とっくに気付いており、奴の所為で弱者切り捨ての格差社会が生まれた、と言うことも含めて自民党に

不満なのである。小泉路線に帰って欲しい、と願っているものはいない。

確かに、小泉の支持率は高かったが、彼は日本史上最悪の首相だった、とわたしは思う。

第三の勢力が出て、謂わば三大政党政治になるかも知れない、というのは、机上の空論で、

それだけの勢力を持つ実力のある若手国会議員が、多数存在するとは考えられない。

今は、とにかく国会は景気対策を最優先課題として話し合うべきなのに、野党は首相の中川の任命責任を追及する、

などといって、これは選挙を意識してのパフォーマンスに他ならない。


また、18日、自民党の後藤田正純衆院議員は、サミット前の麻生退陣を要求するなどとクーデターの真似事をしているが、

それは、今、麻生首相のままで総選挙が行われたら、自民大敗は必至だから、野党になるのはイヤだ。

それどころか、内閣支持率がココまで低いと、自民党員であるが故に、総選挙で再選されないかも知れない。

そんなの、絶対嫌だ。また、国会議員になって、美味しい思いをしたいのだ、という「私欲」の表れである。


今国会に限らず国会の召集は天皇の国事行為の一つで、今回も陛下からは、1月5日、

第171回通常国会の開会に際して、いつもどおりだが、

国会が、国権の最高機関としてその使命を十分に 果たし、国民の信託に応えることを切に希望します

とのお言葉があった。これが国民の総意だろう。

国会は国会議員の為に存在するのではなく、主権者たる国民の為に存在するのだ、というあまりにも当たり前の事実を、

国会議員たちは皆、忘れている。

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2009.02.17

「景気悪化で月別の自殺者数公表」←毎月公表することに自殺抑止効果があるだろうか。

◆記事:月別の自殺者数を公表へ=景気悪化考慮、1月分から-警察庁(2月17日10時17分配信 時事通信)

警察庁は17日までに、今年から、毎月の自殺者数を公表することを決めた。

これまでは1年間分の統計を翌年6月ごろにまとめて公表してきたが、昨年末から景気が急速に悪化。

自殺者が急激に増える恐れもあることから、月ごとの数字を公表することにした。

 新たに毎月公表するのは、1カ月間の全国と都道府県別の自殺者数とそれぞれの男女別内訳。

年齢別や原因・動機別は従来通り、年間のまとめ時に公表する。今年1月分は3月中にも警察庁のホームページなどで公表される。


◆コメント:逆効果を生ぜしめる恐れがある。

確かに今までおかしいな、と思っていたのは、前年の交通事故死者数は年が明けるとすぐに発表されるのに、

自殺者数は5月か6月にならないと発表されなかったことである。

警察が認知している自殺者数の集計に半年もかかるとは到底思えない。


しかし、不景気で自殺者が増えそう「だから」毎月の自殺者数や内訳を公表する、という発想は、明らかにおかしい。

警察は、忘れたのであろうか。

かつて(2003年)、ネットで知り合った見知らぬもの同士が車の中で練炭を炊いて自殺することが連続しておきた。

これは、この特異な行為を報道すること(公の知るところとなること)が同種自殺の連鎖の、少なくとも一因になったように思われた。


日本中で同じ時期に、「クルマの中で見知らぬ者同士が練炭を焚いて一酸化炭素中毒で自殺する」という

全く同一、かつ、特殊なアイディアを思いつく人が、偶然増えたとは考えづらく、「集団練炭自殺報道」が次の同種自殺を惹起した、

といっても過言ではない。

少なくとも私はそのように考え、

2003年05月24日(土)「集団自殺」と「通り魔」は報道しない方がよいのではないか。

を書いた(当時はブログは無くて、ウェブ日記エンピツだけ)。


◆「中学生がイジメを苦に自殺」も同じだった。

2006年に中学生がイジメを苦に自殺することが、立て続けに起きた。

この時も、自殺が大きく報道されることにより、自殺実行者が、自分をイジメた相手に報復できる、という錯覚に陥っている、

と私は考えた。そこで、

2006年11月15日(水) 「小中学生の自殺連鎖止まらず」←お前ら(マスコミ)がいちいち報道するのも一因だぞ。ココログ

を書いた。

図らずも、その約一ヶ月後に自殺防止を専門とする精神科医が同じ意見であることが報じられた。

2006年12月25日(月) 「いじめ自殺報道」が「自殺連鎖」を誘発した可能性あり。専門家の指摘←私は、先月同じ事を書きました。ココログ


◆自殺者数を毎月公表し、もしも、急激に増加していたら、「じゃ、俺も」となりかねない。

自殺者数を毎月公表したところで、一般人が、駅のホームで「飛び込みそうなひと」に特に注意を払い、自殺予防に貢献しよう、

と、考えるとは思われない。鉄道関係者が気をつけると言っても、急に各駅の人員を増やす訳にも行かないだろうし、増やしたからといって、

必ず、飛び込みを防げるとは限らない。また、自殺の方法は飛び込みだけではないから、自殺者が増えていくのを知ることにより、

元々希死念慮(自殺願望)を持つ人が、「じゃ、俺も・・・」と実行に移すトリガーになりかねない。

記事には、

自殺者が急激に増える恐れもあることから、月ごとの数字を公表することにした。

とあるが、それは逆効果ではないか、と思うのである。それなら、(仮定上の話だが)、

「自殺者が劇的に減少しつつある時」に、その事実を公表するべきなのである。

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【お知らせ】「エンピツ」メンテナンス

エンピツが18日(水)午前0時から、午前6時まで、読むことも書き込むことも出来なくなるそうです。以下、エンピツからの「お知らせ」。
停止サーバー : エンピツサービスに係わる全サーバ

サービス停止日 :2009年2月18日(水)

サービス停止予定時間 :午前0時からより午前6時までの6時間

停止理由 :データセンターの移転により

今回は全サーバの停止のため、閲覧、書き込み全てのサービスが一時停止となります、ご了承下さい。

図々しいお願いで恐縮ですが、この時間を避けて清き一票をお願いいたします。

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「とかくにこの世は住みにくい」ので、音楽にします。「聖なるアリアと合唱曲集」

◆時事問題は休ませていただきます。

今日は、朝、2008年第4四半期のGDP(国内総生産)の発表が、予想はされていたものの、異常な悪さで、

更に、関係ないのですが、中川財務相のあの醜態をテレビで見たら、天下国家を論ずるのがイヤになりました。

日付が変わって今頃載せても聴いていただけないのですが、朝ちょこっと30秒ぐらいどれか聴いてみて、

後は、ご帰宅後ゆっくりお聴き下さい。どれも短い曲です。5分を超える曲は殆どありません。

美しい曲ばかりです。(既出の曲もありますが、何時も書くとおり、クラシックの名曲ってのは何度聞いても良いものなので、

私は、同じ曲を何度も載せることにあまり抵抗を覚えません)。

なお、今日の曲は殆どNaxosの「聖なるアリアと合唱曲集」で聴けます。

Amazonだと690円。但し一枚しかない、と書いてあるので、若干高くなりますが、HMVの同じ商品のページにもリンクを貼っておきます。


◆バッハ:御身が共にいるならば BWV 508(ソプラノ)、ヘンデル:オンブラ・マイ・フ(テノール)

まずは、バッハ。「アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳」(この中にはバッハの作品では無い曲も混じっているらしいけど、

私は、美しければ良いのです。音楽学者じゃないから。あまりそういうこと、興味がない)の中の声楽曲、

「御身が共にいるならば BWV 508」です。このCD、皆ハンガリーの演奏家ですね。ハンガリーは結構声楽大国だそうですが、

ソプラノ・ソロはイングリット・ケルテシという人です。どうぞ。





綺麗でしょ?


次、お馴染みのヘンデルの「オンブラ・マイ・フ」ですが、元々「セルセ」というオペラのアリアです。

今日歌うのは、テノールのヨジェフ・ムック (Jozsef Mukk)という人です

(今日載せる曲のソプラノは全て、イングリット・ケルテシ。テノールはヨジェフ・ムックです)。

ヨジェフ・ムックで、「オンブラ・マイ・フ」






テノールで高音がキンキンする人がいますが、この人はとても伸びやかな良い声だし、発声だと思います。音程も良い(私の耳で分かる限りは)。


◆グノーのアヴェ・マリア(ソプラノ)、アルルの女組曲第2番「間奏曲」をテノール用に編曲したもの

1月末、シューベルトの誕生日に、アヴェマリアには、バッハの平均律クラヴィーア曲集の第1集の第1曲目を伴奏にした、「グノーのアヴェ・マリア」がある、

と書きました。今日はそれを聞いていただきます。伴奏はハープで、ソロはソプラノです。

次第に曲が高揚してゆき、クライマックスの高音がとても素晴らしい。

息子が小学生の頃、クリスマスの音楽会に、二期会のプロに来ていただいて、失礼なんですけど、

小学校の体育館でこの歌を歌っていただいたら、窓ガラスがビリビリ震えるほど共鳴しました。これは、力んでいるのではなく、

無駄な力が喉や全身から抜けているから出せる声で、本当に声楽を勉強した人でなければ、こういう声は出ません。

「グノーのアヴェ・マリア」をどうぞ。ソプラノ、イングリット・ケルテシさん。






ちょっと、声が細いかも。本当は森麻季さんでお聴かせしたいけど、そうは参りません。


次は、このCDちょっと変わっています。ビゼーのアルルの女第2組曲というのは管弦楽曲です。

これからお聴きいただく「間奏曲」でソロを演奏するのは、オーケストラでは当時まだ珍しかった、サクソフォーン(アルト)です。

それをテノールが歌っているのです。どうかな?と思いましたが、良いのです。なかなか。

再び、ヨジェフ・ムックさんのテノールでどうぞ。






立派ですね。サックスよりこっちの方が良いのでは?という印象を私は受けました。人間の声ってのは、やはり素晴らしい。


◆コーラス3曲。バッハとモーツァルト。

えー、一ヶ月ほど前に、私、杉並公会堂と云うところで、東京J.S.バッハ合唱団というアマチュア合唱団(だけど非常に上手い)による、

バッハの「クリスマス・オラトリオ」を聴きました。これは、「マタイ受難曲」、「ロ短調ミサ」と共に、バッハの3大宗教曲の一つ。

全部演ると3時間以上になる大作なのですが、全然飽きなかったですね。これは6つのオラトリオから出来上がっていて、細かく分けると64曲で

構成されています。6つのオラトリオ全て最初と最後は割と派手で、トランペットとかティンパニまで入ります。

一番最後、64曲目。一ヶ月前に聴いたとき1番のピッコロトランペットを吹いていた、神代修さんという方の演奏、

初めて拝聴しましたが、あまりの上手さに感激して、思わず十数年ぶりにブラボーを叫んだほどです。

一ヶ月たった今でもあの神代さんの輝かしい音、品の良い音楽、卓越したテクニックを良く覚えています。

それで、これだけCDが別になってしまうのですが、全曲買わなくても、ハイライトでも最初は良いと思います。

クリスマス・オラトリオ BWV 248(ハイライト) ですね。

今日は、その64曲目お聴きいただきます。コーラスもオーケストラも全員音を出しているのは、64曲の中でもこの曲だけ、

ではないと思いますが、最後ですから、非常に盛り上がります。

まあ、これぐらいにして、クリスマス・オラトリオから、第64曲(終曲)







この録音のトランペット奏者も上手ですが、神代さんはもっと上手でした。惚れ惚れするほど上手でした。

これは、断言します。

さて、またお馴染みの曲になりますが、器楽用に編曲したものばかり聴いていただくことが多い、

カンタータ「主よ、人の望みの喜びよ」です。今日は、本来のコーラスとオーケストラで聴いていただきます。

演奏は、ハンガリー放送合唱団、ファイローニ室内管弦楽団。いずれも有名ではないと思いますが、有名ではなくても

上手い人を発掘するのがナクソス、というだけのことはあります。上手い。どうぞ。






人の声、それもソロではない、コーラスには、当然ながら独特の響きがあり(そもそもハーモニーがありますから当然ですが)

人の心を癒す優しさが有ります。

最後は、人類史上最大の天才、モーツァルトが、1791年、亡くなる年に書いた、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」です。

「アヴェ・ヴェルム・コルプス」はカトリックの讃美歌で普通名詞です。「アヴェ・マリア」と同じですね。

ただし、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」は48小節の短い音楽ですが、とにかく澄み切っていて美しい。

まず、聴いて下さい。






私はね。分かったようなことを書いているけど、本当に深い所まで音楽が分からないんですよ。

凡人の感受性しか持っていない。だから月並みな表現しかできませんが、自分の中に無いものをあるようなフリを仕方がないので、

敢えていいます。

「天上の調べ」とは、こういう音楽のことを指すのだと思います。


今、2009年02月17日(火)1時34分です。これから、日記・ブログ更新しても今夜、聴いて下さる方いらっしゃらないでしょうけど、

選曲から始めて、ここまで3時間ぐらいかけてます(頼まれた訳じゃありませんが)。

最近、図々しく毎回書きますが、音楽記事の日にも清き一票をエンピツに投じてやって下さい。

それでは、失礼します。お休みなさい。

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2009.02.16

「G7共同声明の要旨」←大体予想の範囲内で、特別な評価に値しない。/今日発表される日本のGDP。他。

◆記事:世界経済・金融安定へ政策総動員=内需・雇用創出へ大規模財政出動-G7(2月15日1時22分配信 時事通信)

【ローマ14日時事】先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は14日午後(日本時間同日夜)、

世界的な金融・経済危機の克服に向けた共同声明を採択して閉幕した。

声明では、経済成長と雇用を支え、金融部門を強化するため「あらゆる政策手段を取る」と、金融・財政政策を総動員することで一致した。

金融危機が実体経済に波及しており、声明では「2009年の大半を通じ続くことが見込まれる」と世界景気の悪化が長期化することを懸念。

その上で、各国が財政政策の「前倒しおよび迅速な実施」をすることを確認。国内需要と雇用創出を刺激するため、

歳出と減税などの税制措置を組み合わせることを打ち出した。

積極的な財政出動を促す一方で、「中期的な財政の持続可能性と整合的」である必要性を指摘、今後の財政健全化策の重要性も強調した。

また、景気悪化を受け、各国で自国の産業を過度に保護する保護主義の動きが広がりつつあることから、

「保護主義的な施策を回避する」と強い反対姿勢を明記。

その上で「世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の迅速かつ野心的な妥結に向けて取り組む」と、

保護主義の排除へ協調することを確認した。

【為参考】財務省 2月14日(土曜日)7か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明のポイント(於:ローマ)[91kb,PDF]


◆コメント:予想通り、というか常識の範囲内である。

前回のG7(7か国財務大臣・中央銀行総裁会議)は、昨年9月15日にリーマン・ブラザーズが破綻した一ヶ月後、

ワシントンで、10月10日に開催された。

このときは、リーマンの破綻をきっかけに、金融危機があっと言う間に世界中に広がり、

それが何処まで広がるか分からなかったので、G7としては、異例の「行動計画」を策定したのである。

それは、

G7は本日、現下の状況は緊急かつ例外的な行動を必要としていることに同意する。

われわれは、世界経済の成長を支えるため、金融市場を安定化させ、

信用の流れを回復するために共同して作業を続けることにコミットする。われわれは以下のことに同意する。


  1. システム上の重要性を有する金融機関を支援し、その破綻を避けるため、断固たるアクションをとり、あらゆる利用可能な手段を活用をする。

  2. 信用市場および短期金融市場の機能を回復し、銀行およびその他の金融機関が流動性と資金調達に広範なアクセスを有していることを確保するため、すべての必要な手段を講じる。

  3. 銀行やその他の主要な金融仲介機関が、信認を再構築し、家計や企業への貸し出しを継続することを可能にするに十分な量で、必要に応じ、公的資金、そして民間資金の双方により、資本を増強することができるよう確保する。

  4. 預金者がその預金の安全に対する信認を引き続き保つことができるよう、各国それぞれの預金保険・保証プログラムが頑健であり、一貫していることを確保する。

  5. 必要に応じ、モーゲージその他の証券化商品の流通市場を再開させるための行動をとる。資産の正確な評価と透明性の高い開示および質の高い会計基準の一貫した実施が必要である。


これらの行動は、納税者を保護し、他国に潜在的な悪影響を与えないような方法で行われるべきである。

われわれは、必要かつ適切な場合には、マクロ経済政策上の手段を活用する。われわれは、今回の混乱により、

影響を受ける国々を支援する上で、国際通貨基金(IMF)が果たす決定的に重要な役割を強く支持する。

われわれは、金融安定化フォーラム(FSF)の提言の完全な実施を加速し、金融システムの改革の差し迫った必要性にコミットする。

われわれは、この計画を完遂するため、協力を一層強化し、他の国々と協働する。

であった。

通常G7共同声明(に限らないが、国際会議の共同声明)は、もっと漠然とした、一般論的(悪く書けば形式論的。もっと悪く云えば建て前だけ)

のものであるが、昨年10月のワシントンG7はかなり、踏み込んだ具体的内容に言及しており、世界中の金融政策担当者の危機感を端的に表していた。

その後、とりあえず、各国の財政・金融当局は緊急的に実行出来ることは実行しているので、

今回のローマG7共同声明は、非常に単純化するならば、
経済成長と雇用を支え、金融部門を強化するため「あらゆる政策手段を取る」

という一文に集約されている。しかし、それは金融危機とそれに伴う世界不況が続いているのだから当たり前で、

10月ほどの緊迫感がない。というか、各国政府いずれも、とりあえず、持ち玉を使い果たしてしまったので、

新しい、具体的な緊急策を盛り込むことが出来なかったものと思われる。

10月の「行動計画」では、金融市場における流動性資金の確保、など、かなりテクニカルなことまで書かれていたが、

今回は、「出来ることは何でもやります」と云っているだけである。

但し、今回のG7はこんなものであろう、と、市場は予想していたので、これによって、マーケットが乱高下するとは思えない。


◆今週は、今朝(16日(月))発表される、10-12月の日本のGDPと日銀金融政策決定会合(18-19日)

今週は、月曜の朝から波乱含みである。16日(月)8時50分、内閣府が昨年10月-12月期のGDP(国内総生産)を発表する。

GDPは四半期毎に発表される。前回発表された、2008年7月-9月期の実質GDPは、前期比マイナス0.5パーセント。

年率換算でマイナス1.8パーセントだった。


今朝発表される数字は、年率換算でマイナス10パーセントを超える、と予想されている。

繰り返すが、その前の四半期が年率換算マイナス1.8パーセントだったのが、

いきなり二桁台のマイナス幅になるかも知れない。このようなものすごい勢いでの景気減速は、

かつて見たことがない。

市場は、この、極度に悪いGDP予想を知っているから、株価は一旦悪材料出尽くしで買い戻しが入るかも知れないが、

経済の実体を考えたとき、GDP成長率が年率換算でマイナス二桁になる、ということは、

非常な勢いで景気が後退していることを表すことになる。中・長期的には、売り要因であることは云うまでもない。

因みに、高度成長期における日本のGDP(当時はGNPだったが)成長率は年率プラス二桁だったのである。


今日のGDPが、非常に悪い数字だったと仮定した場合、次に注目されるのは、今週の水、木(18日、19日)に開催される、

日本銀行の金融政策決定会合で、日銀がどのような手段を講じるか、である。ゼロ金利にするか。

企業から既にコマーシャル・ペーパーや社債の買取り、という、中央銀行としては異例でギリギリの選択を既に決めた日銀が、

さらに、一般企業から株式を買い取るとか、なんとか、非常手段を発表するかも知れない。

それが何かは、私には現時点では予想出来ない。

何か、新しい金融政策が発表されたとしても、日本の景気改善に寄与するか否か、の評価により、

市場は乱高下しかねない。一つ誤れば、日本の金融市場の混乱から、金融危機の悪化と、それに伴う、

更なる景気の後退を引きおこしかねない。

これらが、今週、最も注目すべき事柄である。


【速報】

第4四半期GDPは前期比マイナス3.3パーセント(年率換算マイナス12.7パーセント)だった。予想よりも更に悪い。

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2009.02.15

現実を直視することと、「マイナス思考」を混同してはいけません。

◆昨日の記事に寄せられた、或るコメント。

昨日、今の世界同時不況は、並の不況ではない。まだ、序の口らしいです。という記事を書いたら、

存じ上げない方から、コメントが寄せられました。お名前は伏せて本文だけ転載します。

すごいマイナス思考…びっくりしました。

病は気からといいますが…マイナス要素ばかりを並べてなにがおっしゃりたいの

ですか?

自分だけならまだしも周りの人をマイナス思考に陥らせて道連れにしてもしかた

ないと思うのですが。

楽しみを見つけてください。

確かに、救いのない結論ですから、このような感想を抱いた方は他にもいらっしゃるでしょうが、

多分、この方は昨日の記事「だけ」を読んで、短絡的に反応したのでしょう。

私は、昨年リーマン・ブラザーズが破綻した時から、世界経済はエラいことになるぞ、という趣旨の文章を書いており、

それを読んで下されば、昨日の記事もその延長上にあるもので、突如、この方の所謂「マイナス思考」になったわけでは有りません。


◆現実を直視することと、「マイナス思考」を混同するべきではありません。

コメントを下さった方は、「すごいマイナス思考」といいますが、多分、あまり新聞、特に経済面など、

読んだことが無い方だと思います。Yahoo!ニュースCEEK.JP NEWS などで、

試しに、「損失」、「最終赤字」、「下方修正」、「過去最低」、「過去最悪」、「人員削減」を検索してみると、良くもこれだけ、世界中どこもかしこも

景気が悪いものだ、ということが、分かると思います。これが現実だから、直視するべきです。景気が未だかつてないほど悪いのは事実で、

これを直視することを「マイナス思考」と云いたいなら、云って下さっても結構ですが、

「マイナス思考」と云う言葉を、「現実を実際よりも悪い方に歪んで認知すること」だと考えているとしたら、

私が書いたことは「マイナス思考」ではない。事実を客観的に見て、専門家の予想を書き加えたものです。


◆都合が悪いことを見て見ぬフリをすることを「プラス思考」と勘違いしてはいけません。

世界景気が急速に後退していることは、日銀総裁ですら、認めていることです。

日本銀行のサイト新着情報一覧に、

2009年 1月27日 International Bankers Association(IBA) Information Forumにおける白川総裁講演「国際金融危機の下での外国金融機関」

載っていますが、3.リーマン・ブラザーズ破綻以降の金融資本市場 で、白川日銀総裁は、次のような表現を使っています。

・・・・リーマン・ブラザーズの破綻以降、世界経済や金融市場の状況は急速に変化しました。現在、昨年第4四半期のGDPや鉱工業生産、輸出等の数字が発表されつつありますが、

崖から落ちるという比喩が正に当てはまるような急激な落ち込みが世界同時に生じました。日本銀行も先週、先行きの経済見通しを公表しましたが、

2009年度の成長率に関する政策委員会メンバーの予測の中央値は、昨年10月末時点の0.6%から-2.0%に大幅に下方改定されました。(太文字は引用者による)

私は長い間、こうした情報を読んでいますが、日銀総裁がこれほど極端な言葉を用いて景気の悪化を表現したのは、初めて読みました。

それだけ、前代未聞の景気の悪さなのでしょう。決して、私一人の認知が歪んでいるのではない。


景気が悪いより、良いに越したことは無いけれども、今は日銀総裁さえ認めるほど世界の景気は後退しているのであって、

それを考えないようにすることは、単なる「無思考」であり、「プラス思考」ではありません。

「無思考」とは文字通り「考えないこと」であり「バカ」のことです。


このことに関しては、以前、

「無思考」を「プラス思考」と称する欺瞞ココログはこちら

という文章に詳しく書いたので、お読み下さい。

この記事の初めに転載したコメントを下さった方は、正にこの文章で書いた

「無思考をプラス思考と勘違いしている人」だと思います。

私は、周りの人を「道連れ」に「マイナス思考」に陥らせようとしているのではなくて、「現実を直視しましょう」と言っているのです。

私が楽しみを見つけて楽しくなったところで、世界景気は回復しないし、問題の解決にはなりません。

【読者の皆様にお願い】

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2009.02.14

今の世界同時不況は、並の不況ではない。まだ、序の口らしいです。

◆恐ろしいほどの速さで景気が後退しているが、これからもっとひどくなる、と専門家は言う。

毎日、経済欄の見出しを見ると、恐ろしくなるほど、文字通り「景気の悪い」話ばかりが載っている。

ここ数日の経済記事から、目に付くままに見出しを拾うと、

・生損保7社、税引き後赤字…評価損が収益圧迫(2月13日22時49分配信 読売新聞)

・87行中44行が赤字=上場地銀の4―12月期決算(2月13日20時1分配信 時事通信)

・富士火災、600人削減を発表(日経 13日 21:01)

・1万人削減 再建へ背水 パイオニア、赤字1300億円に拡大(2月13日8時31分配信 フジサンケイ ビジネスアイ)

・<武富士>引当金積み増し、最終赤字に…昨年4~12月期(2月13日21時38分配信 毎日新聞)

・楽天が赤字転落(2月13日20時32分配信 読売新聞)

・<パナソニック>自社製品購入指示 管理職に10万円以上(2月13日2時50分配信 毎日新聞)

・富士電機:3月末までに3400人削減-今期700億円の最終赤字に(ブルームバーグ)(2009/02/13 18:24)

・旭テック第3四半期決算…営業赤字に転落 自動車需要不振で(2月13日21時33分配信 レスポンス)

・退職募集企業、早くも50社に 2月上旬時点(2月13日8時33分配信 フジサンケイ ビジネスアイ)

・マンション分譲のニチモ、再生法申請 負債757億円 (朝日新聞)(2009年2月13日20時15分)

・あおぞら銀、通期赤字1960億円 海外投融資で傷口広げる(2月11日8時32分配信 フジサンケイ ビジネスアイ)

・自動車 新卒採用は超氷河期 日産590→数十人 ホンダ4割減(2月13日8時33分配信 フジサンケイ ビジネスアイ)

・自動車不振で36万人失業、GDP7兆円消える…第一生命研試算(2月13日18時51分配信 読売新聞)

・ゴーン流再び 2万人減 日産、通期赤字2650億円(2月10日8時33分配信 フジサンケイ ビジネスアイ)

・自動車大手、4社が営業赤字=金融危機直撃、下期の業績悪化際立つ(2月9日20時1分配信 時事通信)

・トヨタ、営業赤字4500億円に=下期損失1兆円超-09年3月期 (時事通信)(2009/02/06-23:38)

という具合である。 

昨日、ある民間エコノミスト(経済分析の専門家)と話をしたら、まだまだ、不況の序の口だという。

ロイターのアンケートによると、アメリカの企業経営者の4割は、来年、2010年には、景気はV字型に回復する、

などと楽観的なことをいっているが、どうやら、そんなに甘いものではなく、

本当に世界的に100年に一度の大不況らしいのである。



年末、派遣切りに遭った人々に多くの人が「派遣なんかでいるから悪いのだ」と云っていたが、これからは正社員も

どんどんクビを切られる、恐ろしい不況が始まりつつあるらしい。分かっている人は分かっているが、その全貌を

公表すると、世の中パニックになるので、発表を控えているようだ。

いずれ、アメリカでリーマン・ブラザーズが破綻したように、

日本でも「まさか!」というような大企業が潰れることがあるだろう、という。



断っておくが、私が話したエコノミストは、特別に悲観主義者でも、人を驚かせて喜ぶような人ではない。

また、不況の話を「喜んで」(エコノミストの中には分析だけに夢中になり、内容の如何を問わず、嬉しそうに話す奴もいる)話すような人でもない。

ただ、淡々と、しかし、沈痛な面持ちであった。

そのエコノミスト自身「明日は我が身かもしれない」と思っているからである。



だからどうしろ、とは言えない。私も分からない。とにかくなるべく無駄遣いをしないこと。

今からじゃ遅いが、おカネを貯められる人は貯めること。最低限のおカネで何とか食っていく「訓練」を今からしておくこと、

極貧になる覚悟をしておくこと。

ぐらいしか思いつかない。

「俺の業界は、不況とは無縁だから」と思っている人。甘い。

本当に世の中全体が不況になったら、逃れられる者はいないのである。

嫌なことを書く奴だ、と思われたかも知れないが、新聞・テレビは、決してここまではっきりと

書いたり云ったりしないので、敢えて書いた。

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2009.02.12

「首相の郵政見直し発言、小泉氏『笑っちゃう』」←小泉君。貴方のことは笑って済ませられない。

◆記事:首相の郵政見直し発言、小泉氏「笑っちゃう」(2月12日21時41分配信 読売新聞)

自民党の小泉元首相は12日夕、党本部で開かれた「郵政民営化を堅持し推進する集い」であいさつし、

定額給付金事業を盛り込んだ2008年度第2次補正予算関連法案について、

「(衆院再可決を規定した憲法の)3分の2(条項)を使ってでも成立させなきゃならないとは思わない。もっと参院の意見と調整し、妥当な結論を出してほしい」

と述べ、政府・与党の再可決の方針に異議を唱えた。

また、小泉氏は麻生首相の郵政民営化見直し発言に対し、

「怒るというよりも笑っちゃうぐらい、ただただあきれてしょうがない」と述べた。

首相と10日に電話で会談した際、「首相の方針に若手が批判的な意見を出すと『後ろから鉄砲を撃つな』と抑え込みがかかるのに、

衆院選でこれから戦おうという人に前から鉄砲を撃っているじゃないか。発言には気をつけてくれと伝えた」ことを明らかにした。

また、「首相の発言に信頼がなければ、選挙が戦えない」と語った。


◆コメント:小泉君ね。あんたのやったことは笑うどころか呆れてものが言えないほどなのだよ。

小泉批判を一から始めると、私ですら、一冊の本が書けそうな気がする。

それほど、指摘したいことがあり、キリがないから、この記事に基づいて所感を書く。

定額給付金の是非は、この際、取りあげない。問題は小泉発言である。

「(衆院再可決を規定した憲法の)3分の2(条項)を使ってでも成立させなきゃならないとは思わない。もっと参院の意見と調整し、妥当な結論を出してほしい」

日本国憲法では、第五十九条に法律案の可決に関する条文がある。
第五十九条  法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。

○2  衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。

○3  前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。

○4  参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

小泉内閣の「郵政民営化法案」は、2005年7月5日、衆議院本会議で、僅か5票差ではあるが、賛成が反対を上回り、可決されたが、

同年8月8日、参議院本会議においては否決された。

憲法の規定に従うならば、同法案に関して、通常は両院協議会を開催し、意見の調整を行い、それでも意見の一致に達しなければ、

再度、「衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決する」べきだったが、当時の小泉首相はこの手続きを踏まず、

参議院本会議で法案が否決されたら、いきなり衆議院を解散したのである。この時、故・後藤田正晴氏が痛烈に批判した。
「代議制民主主義だよ、日本は。立法府で通らなかった法律案を、(衆院解散によって)実質的に国民投票に掛けるのと同じような手続きになりつつあるのは、

代議制の上からみて、行きすぎではないか。憲法改正のように、国民投票の手続きが憲法で決まっているならよいのだけどね」(8月21日の民放テレビで)

全くその通りである。民主主義政治においては、憲法に定められた手続きを無視してはいけない。しかし、小泉は無視した。

その張本人が、
「(衆院再可決を規定した憲法の)3分の2(条項)を使ってでも成立させなきゃならないとは思わない。もっと参院の意見と調整し、妥当な結論を出してほしい」

と、いけしゃあしゃあと発言したのである。

「笑っちゃう」のはこちらのセリフだ。


色々、あげつらうと本当にキリが無い。もう一点、読売の記事の中から。
「首相の発言に信頼がなければ、選挙が戦えない」

そういうこと、言う資格があるの?小泉さん。

8月8日に衆議院を解散してから、9月11日の投票日まで、小泉(当時)首相は、

「この選挙は、郵政民営化の是非だけを問う選挙だ」

と言い続けた。先日、指摘したばかりだが、実は、この選挙期間中から今に至るまで、自民党のサイトには、

自民党 政権公約2005というページがあり、120の約束が掲げられていて、「郵政民営化だけ」どころか、ありとあらゆる事が書いてある。

例えば、2007年、自民党は、所得税を引き下げ、住民税を引き上げ、定率減税が廃止され、実質増税を断行したが、

それは、この、120の約束の、009. 歳出・歳入一体の財政構造改革を実現7に、
税制の抜本的改革

引き続き聖域なき歳出改革に果断に取り組みながら、国民の合意を得つつ、新しい時代にふさわしい税体系を構築する。その中で所得税については、所得が捕捉しやすい「サラリーマン増税」を行うとの政府税調の考え方はとらない。なお、18年度において、三位一体改革の一環として、所得税から個人住民税への制度的な税源移譲を実現する。19年度を目途に、社会保障給付全般に要する費用の見通し等を踏まえつつ、あらゆる世代が広く公平に負担を分かち合う観点から、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する。(注:太文字は引用者による)

「税体系の抜本的改革」っていったら、増税に決まってますよ。減税なら、皆喜ぶからはっきり減税と書くでしょ?

だから、選挙前私は、2005年09月07日(水) 【衆院選】自民党が勝利すると、こういうことが起きる。ココログ) で、
◆「小泉首相の任期中は、消費税を上げない」2007年から上がる

と書いた。その通りになったでしょ?小泉はこういう狡い奴なのだ。

その他にも、120の約束には、
012.医療制度改革の断行(安心で質の高い医療提供体制、持続可能な医療保険制度の確立)

国民皆保険制度を堅持しつつ、効率が良く、質の高い適切な医療の提供を確保するため、医療制度の改革を断行する。

新たな高齢者医療制度の創設、地域の医療機能の適切な分化・連携を進めるための医療計画制度の見直し、小児救急をはじめとする救急医療体制の確保等について、年内に改革案をまとめ、次期通常国会に法案を提出する。(注:太文字は引用者による)

の記述があり、明らかにこの時点で、「後期高齢者医療制度」の構想を練っていたことが分かる。

また、小泉は選挙前テレビCM(キャンペーン)で
郵便局員は警察官よりも自衛官よりも多い。公務員を減らさなくて良いのですか?

と繰り返した。郵便局員の数については嘘はついていないが、日本郵政公社は独立採算で、郵便局員の給料は税金から出ているのではなく、

ハガキ・切手の売り上げなどから、自分で稼いでいる事を言わなかった。実に狡猾である。

そういう、ペテンのような事ばかりしてきて、日本を弱者イジメの格差社会にした張本人である。

郵政民営化とて、何故、あれほどムキになったかといったら、アメリカの年次改革要望書という大「内政干渉」文書に書かれていたからである。

アメリカの要望に忠実であれば、自らが首相として安泰でいられる。残念ながらそう言う構造になっている。これは憶測ではなく、

2005年7月22日付毎日新聞で、平沼赳夫元経産相がインタビューに答えてはっきり証言しているのである。私も記事にした。

それは、2005年08月28日(日) 小泉首相が、郵政民営化にあれほどムキになる理由。ココログ)をご覧頂けば、分かる。

小泉首相は、日本の郵政事業を株式会社化して、ゆくゆくはアメリカにプレゼントするつもりだったのだろう。

こういう人物が麻生首相に
「首相の発言に信頼がなければ、選挙が戦えない」

と言う。

こちらは笑えない。呆れてものが言えない。

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「米政府が金融安定化策、不良資産買い取りへ官民ファンド設立へ」←不良債権を銀行が売るかどうか、分からないでしょ?

◆記事:米政府が金融安定化策、不良資産買い取りへ官民ファンド設立へ(2月11日16時8分配信 ロイター)

ガイトナー米財務長官は10日、不良資産処理や個人向け融資促進を狙った2兆ドル規模の金融安定化策を発表した。

世界中の市場が注目していた対策だが、具体性に欠けると受け止められ、10日のニューヨーク株式市場は下落。

ダウ工業株30種指数は4.6%安と昨年12月1日以来の大幅な下落率を記録した。

ガイトナー長官は、演説や議会での証言で、昨年10月に成立した金融安定化法で設定した

7000億ドルの公的資金枠の残り3500億ドルについて、オバマ政権が計画する活用法の意義を強調。

それまでの救済策が国民の理解を得られなかったために、信用収縮が経済に打撃を与え、銀行の経営環境の悪化、

リセッション(景気後退)の深刻化という「危険なダイナミック」に歯止めをかけることが困難だった、と指摘した。

議会に対策資金の上積みを求めるかどうかは明言を避けたものの、否定はしなかった。

CNBCとのインタビューで

「事態打開に必要なリソースが時を追って確保可能になると世界に理解してもらうために、議会と慎重に協議するつもりだ」と発言。

政権が議会と協調し、問題解決に必要なことを行っているというシグナルを発信することが重要だと指摘した。

ただ、市場参加者の多くは対策が具体性に欠けると苛立っている。

シークリフ・キャピタルのエルマン社長は「投資家は明確さ、簡潔さ、解決策を求めている。この対策は複雑であいまいだ」と批判した。

一方、ICPキャピタルのプリオール社長のように、評価の難しい資産を銀行が抱えている状況で信用供与を正常化させる

という問題の難しさをガイトナー長官は率直に示した、と評価する声もある。


◆コメント:市場は何に失望したのか。

米新政権の「金融安定化策」は当初の発表予定よりも、発表時間がやや遅れる、などの追加情報があったので、

マーケットは、「何か余程の『名案』があるのかもしれない」と、かなり期待していた。


しかし、発表されたのは、前・ブッシュ政権と同じで銀行の不良債権(サブプライムローンの滞納、やカードローン未返済など)を

政府だけではなく、民間からも資金を募って、「官民ファンド」を設立し、その組織が買い取る、と言う内容で、

従来の発想の域を出ていない。

そもそも、時価で買い取る(そこのところもはっきりしないのだが)、ということは、

不良債権を抱えている銀行は、ローンを売った瞬間に、実損が発生する訳である。

米政府は「銀行から不良債権を買い取ってもいいよ」といっているのであり、銀行に不良債権の売却を強制しているわけではない。

だから、みすみす実損が出ることが分かっているのに、「官民ファンド」に不良債権を積極的に売却しようとする銀行が殺到するとは、

到底考えられない。

そして、米国の不動産価格は下がっているので、銀行は担保不動産を処分しても回収出来ない不良債権が、どこまで増えるか分からない。

こういう状態で、民間から資金を募っても、不良債権を買い取った「官民ファンド」は、いずれはその不良債権を売らなければならないが、

その時に更に、債権の価値(価格)が下がっていたら、投資した民間投資家は損をする。その可能性は、米国の不況の深刻さに鑑み、

非常に高い。

記事では、今回の「金融安定化策」が「具体性に欠ける」から失望を招いたとあるが、具体的に詰めても、

今の状況では、不良債権の買い取りは全然新しい発想ではない、というところが、

失望感を生ぜしめている、と言うことだろう。

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2009.02.11

【差替】【音楽】ポール・モーリア、モーツァルト、シューベルト。/【追加】城達也氏ナレーション with Mr.Lonely

◆ポール・モーリア 1968年2月10日「恋は水色」がビルボードで1位。

私ぐらいの年代の方、当時FM東京(現 TokyoFM)の夜12時から、城達也さんのナレーションによる、

「ジェット・ストリーム」を懐かしく思い出すでしょう。今も放送しているようですが、

とにかく、声優・城達也さんの声・ナレーションが感動的に美しかったですね。

オープニングが

遠い地平線が消えて、ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、

はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、たゆみない宇宙の営みを告げています。

満天の星をいただく、はてしない光の海をゆたかに流れゆく風に心を開けば、

きらめく星座の物語も聞こえてくる、夜の静寂の、なんと饒舌なことでしょうか。

光と影の境に消えていったはるかな地平線も瞼に浮かんでまいります。

日本航空があなたにお送りする音楽の定期便ジェットストリーム

皆様の夜間飛行のお供をするパイロットは私、城達也です

エンディングが、
夜間飛行のジェット機の翼に点滅するランプは

遠ざかるにつれ次第に星のまたたきと区別がつかなくなります

お送りしております、この音楽も美しく、あなたの夢に、溶け込んでいきますように

日本航空がお送りした音楽の定期便、ジェットストリーム

夜間飛行のお供をいたしましたパイロットは私、城達也でした

また明日、午前0時にお会いしましょう

文字では伝わらないけど、それは、見事な美声と落ちついた声でしたね。


◆【追加】城達也さんのナレーション(オープニング・エンディング)と、テーマ曲"Mr.Lonely”。

うっかりしましたが、YouTubeで探したら、簡単に見つかりました。少し、音声が悪くて、放送当時の城達也さんの声が

少し粗く聞こえるのが残念ですが。どうぞ、お聴き下さい

(終わりの2行、「日本航空~」が含まれる部分は著作権の関係か、含まれていませんが)。

ジェットストリーム(夜間飛行)城達也



エンディングです。(やはり、最後の「日本航空」以降は含まれていませんが)

城達也 ジェットストリーム (エンディング)

ナレーションの素晴らしさがお分かり頂けると思います。


◆曲:「恋は水色」「涙のトッカータ」

この番組では、専ら、イージー・リスニングを流していました。

ポール・モーリア、マント・ヴァーニー、レイモン・ルフェーブル、パーシー・フェイスなど、当時人気がありました。

フランスのポール・モーリア(1925~2006)といえば、「恋は水色」で、他にも色々ありますけど、まずこれが代表曲ですね。

41年前の2月10日、アメリカのビルボードという音楽業界誌のヒットチャートで「恋は水色」が1位になりました。

アメリカのヒットチャートで、フランスの曲が1位になったのは彼が初めてで、しかも歌ではない、インストゥルメンタルが

1位になったのは、当時5年ぶりだ、というので、大変驚かれたそうです。

イージー・リスニングにチェンバロを入れたりしてね。懐かしいですよ。どうぞ







調子に乗って、もう1曲だけ。「涙のトッカータ」(意味不明)。





このCDは、いくらでも入手可能です。恋はみずいろ~ベスト25 とかね。


たまには、良いかとおもいまして。


◆1785年2月11日。モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466 初演。

この曲は、以前、第一楽章だけ、内田光子さんの演奏で聴いた頂いたことが有りますが、

224年前の今日(2月11日)に初演されたので、また載せますが、今回はアシュケナージの演奏でお聴き頂きます。

とにかく音の美しさが素晴らしい。アシュケナージは英国のフィルハーモニア管弦楽団と、モーツァルトのピアノ協奏曲全曲を、

弾き振り(ソロと指揮と両方やること。オーケストラに向かう位置にピアノを置き、弾きながら、合間に指揮する)で録音しています。

今日は、第一楽章と第三楽章をお聴き頂きます。






以前も書きましたけど、この第一楽章でピアノソロが初めて弾くところ、ぞっとするほど美しいと思います。何度聴いても、そう思います。






文句の付けようがない、と思います。


◆シューベルト:歌曲集「美しき水車小屋の娘」より第1曲「さすらい」

1月31日、シューベルトの誕生日に特集(と言うほどでもありませんが)を組んだ時、本当はどうしてもこれをご紹介したかったのです。

シューベルトの歌には「野ばら」とか「ます」のような小品が沢山あって、それはそれで素晴らしいけれども、三大歌曲集というのを書いています。

それは、「美しき水車小屋の娘」「冬の旅」「白鳥の歌」です。この中で「美しき水車小屋の娘」が一番取っつき易いと思います。

これは、全部で20の歌曲の集まりで、全体が一つの物語になっています。話すと長いので、第一曲、さすらい。

年季奉公を終えた若者が親方に別れを告げて、さすらいの旅に出る。その喜びをうたっています。

ドイツ語でDas Wandernとは、英語にすれば"wandering"(さすらい, 放浪)でしょうね。

ちょっと話がそれますが、「美しき水車小屋の娘」ドイツ語ではもっと簡単です。

ドイツ語表示できないので、カタカナで書きますが、「ディ・シェーネ・ミューレリン」ミュールは英語で言ったらmill(水車)ですね。

日本に相当する言葉がないので長くなりますが、「美しき水車小屋の娘」といったら、

「美しき」は「娘」を修飾していると前後から判断するのが日本人には当たり前です。

「美しい水車小屋の」「汚い娘」だとは誰も思わないです。しかし、この前後関係から判断することは、

他の言葉を話す人々からは意外と難しいようです。

雑談はこの辺にします。歌は、メキシコ人のテノールですが、ザルツブルク音楽祭やら、世界の主なオペラハウスで活躍した、

フランシスコ・アライサ(カラヤンが「魔笛」をレコーディングするときに、重要な役に抜擢したほどのひとです)。

オペラだけではなく、このようなドイツ・リートも、宗教曲もこなすようです。伴奏のアーウィン・ゲージは、

世界の名だたるソリストを伴奏してきた、希代の名伴奏者です。CDはこれです

今は中古の高いのしかありませんが、暫く待っていると、たまに安いのがマーケットプレイスに出品されます。

では、どうぞ。「美しき水車小屋の娘」より「さすらい」







伸びやかなとても、良い声だと思います。随分古い録音だな。1984年です。

色々並べて統一性が全くなくて、恐縮ですが、どれか気に入っていただければ幸いです。

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2009.02.10

金融庁 平成21年2月6日「保険会社の免許申請書添付書類の一部の所在不明について 」役所の情報・文書管理の杜撰さ。

◆誰も気が付かないだろうし、何故かマスコミも殆ど報じませんが、こういう事が起きているのです。

民間企業には、それぞれの監督官庁が随時「検査」に入り、業務管理体制の不備を指摘するが、

実は、その中央官庁自身、情報・文書管理という事務の基本において、相当だらしがない。

社会保険庁は今更、書くまでも無かろう。

また、防衛省は、国家機密であるイージス艦情報を、ウィニーを介して、エロ写真と共に世界にばらまく、という大失態を演じた。

2007年04月05日(木) 「イージス艦情報、わいせつ画像交換で拡散」←「・・・・・・・」 ココログ)。)

これだけではない。相変わらず(情報内容の重大さに違いはあるが)、相変わらず役所はよく書類を紛失する。

金融庁のサイト更新情報を見たら、
平成21年2月6日 保険会社の免許申請書添付書類の一部の所在不明について

と何気なく書かれていた。

金融庁は、私の知る限り、過去少なくとも二回(しかも半年の間に)情報紛失の不祥事をしでかしている。それに関しては、
2005年05月22日(日) <金融庁>個人情報漏えい防止で みちのく銀行に是正勧告 ←たしか、金融庁もフロッピー半年で2枚紛失しましたね? ココログ

をご参照頂きたい。

更に、東京国税庁は納税者情報42万分が記録されているPCを「盗まれた」ことがある。
2005年09月24日(土) <納税者情報盗難>47万人分保存のPC2台 東京国税局 責任者は財務相ですよね?ココログ

さらにひどいのは、
2008年03月23日(日) 「日銀松江支店 内部資料が流出」ココログ

で、日本銀行松江支店の職員の自宅のパソコンから、経営が悪化した企業の財務状況などの内部資料が、

ファイル交換ソフトを通じてインターネット上に流出し、そこに記載されていた「破綻懸念先企業」が、

これによって本当に「破綻し」てしまったことがある。


最近では、何と「日本におけるIT国家戦略を技術面、人材面から支えるために設立された、独立行政法人」である、

独立行政法人 情報処理推進機構が、
1月19日 当機構職員の私物パソコンによる情報流出等について

と、発表した。「呆れてものが言えない。」とはこういう時に使う日本語だろう。


◆行政府から、経過報告も無いし、国会で野党も追及しないし、マスコミも報じない。

前段に掲げた、それぞれの役所の情報紛失、情報漏洩に関しては、フォロー・アップ、

つまりその後どうなったのか、の説明が無いか、極めて乏しい。

イージス艦情報など、情報を洩らした自衛官の処分は報じられたが、この情報漏れが、

日本国の安全保障にとってどれぐらい深刻なダメージをもたらすのか、或いは全く心配がないのか。

すべて、役所だから行政府=内閣に属し、内閣から国会に報告が有って然るべきだが、何もない。

野党も、何故か追及しない(本気で追及しているのは、社保庁の年金記録管理の言語に絶する杜撰さを、

ずっと追っている、民主党の長妻昭衆議院議員ぐらいだろう)。

また、マスコミも、これらの事態の発生を知っている癖に、全然、内閣の責任を問わない。

(2月5日の金融庁の書類紛失に関しては、朝日と日経がベタ記事で申し訳程度に報じているが、問題視していない)。

一体、皆、何を考えているだろうか。

歴史を読むと、太平洋戦争の始まりである、真珠湾攻撃の内容とスケジュールは、全て傍受、解読され、

ルーズベルト大統領は、それを知りながら、米国民の反日感情を煽る為に、故意に放置していたことが、

証明されている。

どうも、日本人には、「情報が漏洩する」「情報を紛失する」と言うことに関して、

その重大さを理解する能力が著しく欠落している様に思われる。

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2009.02.09

首相、郵政4分社体制の見直し表明」←見直すこと自体は悪くないと思います。

記事:首相、郵政4分社体制の見直し表明(2月5日21時51分配信 読売新聞)

麻生首相は5日の衆院予算委員会で、郵政民営化で発足した日本郵政グループの4分社化体制について、

「四つに分断した形が本当に効率としていいのか。もう一回見直すべき時に来ているのではないか」と述べ、

経営統合などを含め、経営形態の見直しを検討すべきだとの考えを表明した。

4分社化の見直しは、リスク回避のため郵便事業と金融を切り離すことにした民営化方針の根幹を揺るがすことにつながるため、波紋を広げそうだ。

自民党内には、郵便局網維持のため、経営が伸び悩んでいる郵便局会社を郵便事業会社など別の会社と合併させるよう求める声がある。

首相の発言は、こうした合併案を念頭に置いたものと見られる。首相は同委員会で、

「民営化された以上、もうからないシステムはダメだ。きちんと運営して黒字になってもらわないと(いけない)」とも語った。

郵政民営化担当の鳩山総務相も「郵政民営化という改革の全面的な見直しも聖域なくやっていく。

国に戻すというのでなければ、どんな見直しをしてもいいということで対処したい」と述べた。いずれも民主党の筒井信隆衆院議員の質問に答えた。

2005年10月に成立した郵政民営化法には、民営化の進捗(しんちょく)状況を検証する「見直し規定」がある。

この規定に基づき、政府の郵政民営化委員会(田中直毅委員長)は今年3月末に首相に報告を提出することになっている。

首相の発言で、同委員会が経営形態の見直しにまで踏み込むかどうかが焦点となる。

首相は衆院予算委終了後、首相官邸で記者団に、「(民営化見直しを)検討すべき時期に来ている。

(ただし、郵政民営化委員会に)『ああしろ、こうしろ』とは言わない」と語り、同委員会の議論を見守る考えを示した。


◆コメント:麻生首相発言に与野党から非難ごうごうだが、言っていることは、間違っていない、と思います。

2005年9月11日の衆議院選挙、所謂「郵政民営化選挙」において、当時の小泉首相は、

「この選挙は、郵政民営化の是非だけを問う選挙だ」

と言いました。私は、それ自体間違いだと思っていました。そんな総選挙が有って良いはずが無い。

総選挙とは国政全般に亘る政策を各党が、主張し、それに対して、有権者が「どれが最も良いのか」を判断するものだからです。

実際は、首相は、「郵政民営化の是非だけを問う」と百万遍も繰り返していましたが、当時から、今まで、自民党のウェブサイトには、

自民党 政権公約2005というページがあり、120の約束が掲げられ、そこには、2007年に増税することも、

後期高齢者医療制度に関わることも載っています。

私は、投票日の4日前、2005年09月07日(水) 【衆院選】自民党が勝利すると、こういうことが起きる。ココログ)で、

読者に注意を喚起しましたが、悲しいかな、タカが1個人のブログの影響力、伝達力は限られていました。

国民はまんまと騙されました。


話が本題からそれました。

私は郵政民営化に関しても反対でした。それに関して書いた記事は、

2005年06月03日(金) 小泉内閣の郵政民営化プランには、緊急性、必然性が認められない。ココログ) が最初だと思いますが、

それ以降も何度も不明な点、不合理な点、を指摘しています。

ウェブ日記エンピツの方が検索しやすいので、自分が「郵政民営化」にどれぐらい言及しているか検索してみました。

これが、その結果です。

単純に「郵政民営化」の単語を拾うので、必ずしもそれが主題になっていない記事もかなり含まれていますが、ご了承のほど。


◆組織を合理化するときには「統合する」のが普通であり、一つだったものを4つに分割するのは、常識的に考えて非合理的です。

麻生太郎内閣総理大臣の発言は、後で「口が滑った」とか余計なことを言うから、大騒ぎになっていますが、

記事に書かれている麻生首相の

「四つに分断した形が本当に効率としていいのか。もう一回見直すべき時に来ているのではないか」

という考え方は理にかなっています。

「郵政民営化」は、以前日本郵政公社が全部やっていた、郵便の窓口、配達、郵便貯金、簡易保険、を、

全部、別の会社に分離したのですが、普通、民営化とか、合理化というのは、バラバラだったものを一つに統合するものです。

1社で行っていたことを4社に分けたら、ややこしくなることは目に見えています。

それは、麻生さんが言ったから私が追随するのではなく、3年前に書いています。

「郵便集配廃止6割で実施 日本郵政公社」←「甘受すべき不利益」ですね。ココログ

麻生首相の5日の発言は私と同じ考えだから、彼の発言は尤もだ、と言っているのです。

麻生首相も郵政民営化全てを白紙に戻そうと言っているわけではないのですから、民意を完全に無視しているとは言えない。

如何にもドジなのは、この発言でしょう。
郵政民営化担当相は竹中平蔵氏だったことを忘れないでほしい。私は総務相だっただけで、ぬれぎぬを着せられると面白くない」と述べ、小泉純一郎元首相が郵政解散を行った17年当時、民営化に「賛成ではなかった」と説明。小泉構造改革については「改革のひずみに対応するため改革を深化させる。市場経済原理主義の決別というならその通りだ」と語った。

あまりにも本当のことを言ってしまった。麻生首相は当時、総務相で、内閣の一員だったわけです。

日本国憲法では、
第六十五条  行政権は、内閣に属する。

更に、第66条第3項には、
第六十六条 3  内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。

と規定されていますから、自分だけ「知らないよ」とは言えない。内閣の決議は全員一致が原則です。反対だったら、

その閣僚は辞表を提出し、内閣総理大臣がその閣僚を兼務して、改めて全員一致で閣議決定する。これが憲法で定められた手続きです。

だから、麻生首相は「本当は(郵政民営化)に反対だった」のなら、閣議決定のときに辞表を出すのが、本来のあり方で、今になって、

ホンネかもしれないけど、「反対だった」というのは、不味い。こういうところがドジなんですよね。麻生さんは。


但し、あの当時の小泉政治は、やや大袈裟かも知れませんが、一種の恐怖政治やファシズムに近かったように思います。

だって、衆議院で郵政民営化法案が可決され、参議院で否決されたら、可決した方の衆議院を解散して、「民意を問う」と言ったのです。

両議院の議決が異なるときは両院協議会を開き、それでも意見が調整出来ないときは、解散か、総辞職、というのが憲法で定められた手続きなのに、

それを端折って、いきなり衆議院を解散したのは、解散権の濫用なのです。

そして、小泉元首相が如何にも「粘着だなあ」と思ったのは、衆議院で郵政民営化法案に反対した与党議員を公認しなかったばかりか、

当時流行り言葉になった「刺客」を送り込んで、それでも当選した人もいたけど、多くが落選させられた。

いくら党首と言えども、党員の言論・思想の自由を奪っています。

その後、自民党に復党した、郵政民営化造反議員にも、復党の時、「反省文」をかかせてましたよね。

郵政民営化に反対といって当選したのに、自民党に復党したいが為に、それに従った議員もどうかと思いますが、

「反省文」を書かせたり「宣誓」させる自民党のあり方も、ファシズムでしょう。同じ党だって色々な意見があって当然なのに・・・。


それはさておき。


だから、麻生さん、ホンネをいっちゃったけど、当時、閣議で、当時の小泉首相に「反対」と、

面と向かって言える雰囲気ではなかったのだろうと、ちょっと同情します。


◆結論:「本当は反対だった」は失言だけど、「郵政民営化を見直す」こと自体は、構わないと思います。

「郵政民営化選挙」は4年前です。その後、実際に民営化して、旧日本郵政公社が行っていた、

郵便の窓口、配達、郵便貯金、簡易保険を4つの会社に分けて、実際に民営化が始まりました。

実際に実行してみて初めて分かる、制度上の欠陥とか不都合な点は当然出てくるはずで、それを合理的に見直そう、

という麻生首相の発想自体は、常識的かつ合理的なことだと、私は思料します。

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2009.02.08

「大阪センチュリー交響楽団存続へ 知事が補助金認める」←とりあえず良かったけど、橋下知事、分かってない。

◆記事:大阪センチュリー交響楽団存続へ 知事が補助金認める (朝日新聞)(2009年2月5日16時39分)

財政再建を進める大阪府の橋下徹知事が補助金支出に難色を示していた「大阪センチュリー交響楽団」が新年度も存続する見通しになった。

橋下知事が4日夜の幹部会で、経営改善の状況を見極めるとして、新年度予算案で楽団を運営する府文化振興財団への補助金1億1千万円を計上することを認めた。

財団への補助額は08年度予算の4分の1に減額され、事業収入や国の補助金を合わせても約1億5千万円が不足する見通し。

財団では人件費削減などで不足分を補う。府は09年度から2年間は運営補助を維持し、経営改善状況と「府民オーケストラ」としての定着度合いを見極める。

同楽団は89年に府が20億円の基本財産を出資して財団を設立した。

橋下知事は昨年6月の財政再建プログラム案で補助金の大幅縮減を表明。先月30日の部局との公開論議でも

「経営改善計画や次世代育成策が示されず、1億1千万円と言われてもオーケー出せない」としていた。


◆コメント:オーケストラは、最初から「儲からない」ものに決まっているのだ。

昨年4月就任間もない、橋下知事が、来年度から、大阪のオーケストラへの補助金をゼロにする、というニュースが流れた。

私は、「オーケストラを知事の一存で簡単に『潰す』などと言うものではない」と思い、大反対の記事を立て続けに書いた。

2008年04月09日(水) 「在阪楽団への運営補助金を大幅削減 橋下行革」←大阪府議政務調査費、年間6億5千8百万円を減らせ。ココログはこちら。)

2008年04月11日(金) 「大阪府 1100億円収支改善へPT試案 医療費助成を縮小」←大阪センチュリー交響楽団を救え!ココログ

2008年04月30日(水) 府:PT案「府民の会」が知事に要望書 /大阪センチュリー交響楽団その後。廃止反対署名9万3千件(4月28日現在)ココログ

橋下知事が簡単に大阪センチュリー交響楽団への補助金を打ち切るといったのは、

彼がオーケストラを聴く楽しみを知らないからであることは、ほぼ間違いない。司法試験に通ったのだから、

知能はある程度高いのだろうが、法律の知識だけ持っていても無教養な奴が知事になると、
オーケストラ→無くても困らない。→補助金が無駄→潰せ

という発想になる。それは、東京都交響楽団員に「能力給を導入する」といった石原慎太郎も同じだ。

音楽を知らない、ましてや、オーケストラなど聴いたこともない、東京都の人事のヤクニンが、

オーケストラのプレイヤーの「能力」を「評価」出来るわけがないし、ヴァイオリン奏者と、フルート奏者と、ティンパニ奏者の

「能力」をどうやって比較するのか、方法を教えていただきたい。


話がそれたが、昨年、橋下知事のプロジェクトチームが策定した、「大阪センチュリー交響楽団への補助金廃止」は全国の教養ある人々の

反発を招き、大阪センチュリー交響楽団を応援する会によると、
急遽立ち上げた「会」の訴えに、広範な府民や全国の支援者の皆さんがすぐさま呼応して下さり、

(2008年)5月定例府議会開催までに「補助金の継続を求める署名」が107,036筆も集まりました。

とのことである。


橋下知事は、今年1月31日までは、補助金打ち切りを明言していたが、4日の幹部会で、急に言うことが変わり、
新年度予算案で楽団を運営する府文化振興財団への補助金1億1千万円を計上することを認めた。

そうだが、そもそも大阪センチュリー交響楽団は、大阪府が音頭を取って平成元年に、設立したオーケストラである。

作ったからには責任を持て、と言いたい。オーケストラなんてものは、そもそも世の中全体から見ればクラシックファンなどごく一部のもので、

儲けたいなら、大阪府主催で、ジャニーズコンサートでも開けば良いのである。

オーケストラは、そういう運命にある。

出来た瞬間から赤字が続くことが分かっている。それは、ヨーロッパでも同じ事だが、芸術を理解する行政当局が補助金を確保している。

大阪センチュリー交響楽団は、例えば、平成19年度は年間予算約7億5000万円のうち約4億2000万円が府の補助金だったのだから、

今回存続を認めたといっても、府の補助金は従来の四分の一に減っている。後は、経費削減で何とかしろ、というが、ただでさえ安い、

オーケストラ・プレイヤーの給料を削れというのか。そんなことをしたら、上手い人は他所へ映ってしまうかも知れないし、

良い楽器を買うには、十分な予算が必要だ。

繰り返すが、オーケストラの財政を一般企業の財務・会計と同一視することが根本的に間違っている。

オーケストラは、カネが儲からない構造になっている。

カネが儲からなくても人の世には、人の心をを癒やし、慰める音楽やその他の芸術が絶対必要なのだ。

漱石が「草枕」の冒頭で書いたことはそう言うことだろう。
山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。

人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。

ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。

人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。

越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容て、束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。

ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降る。

あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。

住みにくき世から、住みにくき煩いを引き抜いて、ありがたい世界をまのあたりに写すのが詩である、画である。あるは音楽と彫刻である。

(注:太文字は引用者による)。

それが、どうしても分からない奴。カネにしか換算出来ない奴を私は「無教養な野郎」というのである。

橋下もその1人だ。
府は09年度から2年間は運営補助を維持し、経営改善状況と「府民オーケストラ」としての定着度合いを見極める

バカ。昨年、補助金打ち切りのニュースが流れてから、僅か1ヶ月で大阪府のみならず、全国から、

10万人を超える人が反対署名をしたのだ。それでもまだわからないのか。

「定着度合い」を見極めるとはどうやって「見極める」のか、その方法を教えて貰いたいものだ。


大阪センチュリー交響楽団に限らず、オーケストラは、一旦出来たら、その都道府県だけのものではない。

日本の財産である。オーケストラを潰すことは一瞬で出来るが、オーケストラを設立し、

そのオーケストラが独自のスタイルを確立するまでには長い時間を必要とする。

いい加減分かれ。橋下の馬鹿野郎。


◆引き続き、大阪センチュリー交響楽団を応援する会では、署名を募っています。

大阪センチュリー交響楽団を応援する会では、新たに、大阪府議会への請願署名を募っている。

リンク先を見れば分かるが、署名は自筆でなければならない。用紙を印刷して、自分独りでもいいから、自筆で署名して、

大阪センチュリー交響楽団を応援する会

〒540-0012 大阪市中央区谷町1-5-11-701

に、送りましょう。無論、個人の自由意思で決定することだが、是非お願いします。

最後にお断りしておくが、私個人は、大阪センチュリー交響楽団と何の利害関係もない。

ただ、オーケストラが潰されるかも知れない、のを黙ってみているわけにはいかないのである。

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2009.02.07

【翻訳】「取り返しのつかない危機に=500万人超の失業も オバマ大統領」(ワシントン・ポスト)←相変わらず感動的ですなあ。

◆記事:取り返しのつかない危機に=500万人超の失業も-オバマ大統領(2月6日1時15分配信 時事通信)

オバマ米大統領は5日付の米紙ワシントン・ポストに寄稿し、

「わが国は取り返しがつかなくなるかもしれない危機の深みにはまりこもうとしている」として米経済の現状に強い危機感を表明するとともに、

議会に対し景気対策法案の早期可決を訴えた。現職大統領自らが有力紙に寄稿するのは異例。

大統領は「米国民が必要な行動」と題した寄稿文の中で、「何も行動しなければ、景気後退は数年に及ぶ恐れがある」と指摘。

「米経済は500万人以上の雇用が失われ、失業率は2ケタに達するだろう」としている。

また大統領は、減税こそが景気回復を導くとする野党共和党などの主張は「見当違いの批判だ」として、受け入れない考えを表明した。


◆翻訳:アメリカが人必要とする行動。バラク・オバマ寄稿 (2009年2月5日(木)付 ワシントン・ポスト)

(原文のURL;http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/02/04/AR2009020403174_pf.html)

今までに明らかなとおり、我々は引き続き、大恐慌以来の深刻な経済危機に直面している。

何百万人もの人々がわずか1年前に就いていた職を失い、将来の為に貯めてきた貯蓄を取り崩している。

至る所で人々は、明日は一体何が起きるのだろうと心配している。

アメリカ国民が政府に望むことは、日々の生活で感じるせっぱ詰まった状況を打開するのに適した行動だ。

それは迅速で、大胆で、賢明で、今の危機を克服するもので無ければならない。



経済の状況が好転するのをただ毎日待っていても、更に多くの人々が失業し、貯蓄を減らし、住居さえ失うことになる。

もしも何もしなかったら、この不況は何年も長引く可能性がある。

アメリカ全体では、更に500万人の失業者が生じ、失業率は2桁(注:10%を超える、という意味)になるだろう。

我が国の経済危機は更に深刻化して、ついには取り返しが付かないところまで景気が落ちこむだろう。



私が、緊急経済対策を議会に提出するのは、その為である。この政策が実行されれば、

2年間で300万の雇用を創出することが可能である。我々政府は国民の95%に対して減税を実施する。

これによって、企業や家計の支出が増え、我々の経済を数年かけて強化するステップを踏み出すことが可能になるのだ。

この計画は、短期的なものというより、アメリカ経済が長期間に亘って、再生可能エネルギー、国民の健康増進、

そして教育、といった分野で成長することを可能ならしめる戦略であり、

これらの政策は、今までにないほどの透明性と、説明責任を伴って実行されることになろう。

それによって、米国民は、自分たちが納めた税金がどのように使われているかを、はっきりと知ることができるようになるのだ。



最近、我々政府は、この点に関して、見当違いの批判を受けてきた。

それは、減税さえすれば、全ての問題を解決出来るだろうという、誤った考え方に基づいている。

つまり、我々が、バラバラの政策を拙速に行い、エネルギーの自給や高額の医療費、を無視して、

根本的な政策を考えなくても、アメリカは繁栄するだろう、とする考え方である。



私はこうした考え方に反対である。

それは、昨年11月(の大統領選挙)において、「Change」に全面的に共鳴した人々とて、同じ意見だろう。

私に投票した人々は、あまりにも長い間、米国政府がこのような、間違った方向に向かっていたことを知っているのだ。

今、我々は、医療コストがいまだにインフレ率よりも早いスピードで増え続けていることを知っている。

我々が、他国の原油に依存することが、我々の経済と安全保障を脅かす結果を生んでいる。

我々はこのような「橋」や「堤防」が決壊したときの悲劇的結末を良く知っている。



毎日、我が国の経済は悪化しているが、今こそ救済策を発動し、失業者に職を与え、

経済を活性化し、長期的な経済成長の為に投資すべき時である。

今こそ、ヘルス・ケアによる保護を失いかけている8百万人の国民を守るときである。

全てのアメリカ国民の医療記録を5年以内にコンピュータで管理し、何十億ドルという経費を削減し、

数え切れないほどの命を救うべき時である。

今こそ、2百万戸の住宅を建設し、数十億ドルの経費を削減し、

連邦政府の建物の75%を省エネルギー構造に変え、3年以内に代替エネルギーによるエネルギー供給を倍増させるときである。

今こそ、10万にも及ぶ学校に最新鋭の教室を整備し、図書館、実験室を作り、数学や理科の教師たちを訓練することにより、

子供達に理想的な教育環境を与え、何百万人にも及ぶ子供が大学教育を受けられる夢を与えるときである。

そして、今こそ、雇用を創出し、道路や橋、堤防を作り直し、高性能の電力供給網を整備し、

国全体で高速インターネットの使用を可能にするときだ。



これらが、アメリカ国民が政府に、遅滞なく実行するのを期待していることだ

。国民は、景気が回復するまでには数ヶ月単位ではなく、数年単位の時間が必要であることを知っており、

それに耐える辛抱強さを持っている。

しかし、国民は、政党の党利により、これらの行動が阻止されるのを見逃すほど寛容ではない。



我々は選択を迫られている。

我々は、進歩を阻害する、ワシントン(の政界)の悪弊を放置することも出来る。

一方、我々は一致団結して、アメリカの歴史は、国民の為につくられるのではない。国民によって作られるのだ、

と言うことも可能なのだ。

我々は古いイデオロギーの対立や、党利・党略を超越した優れたアイディアを提案することが出来る。

我々は、共に大胆に行動し、今の危機をチャンスに変えることができる。

そして、現代の試練を克服し、歴史の次の偉大な一章を刻むことができるのだ。


◆コメント:要するに景気対策法案を、議会は早く可決しろ、と言いたいのです。

英語ってのは、面白いもので、普段の会話は、日本語と比べて言い回しが大雑把なのだが、

このように、思いっきりもったいぶった、書き方も出来る。

言っていることは、美しく、「今こそ」の言い回しを繰り返すことにより、読者の興奮を喚起するように、

計算が働いている、と意地悪く読むことも出来る。人間は同じ事の繰り返しを聴いていると(読んでいると)

興奮してくるのである。音楽で例を挙げるならば、ラベルの「ボレロ」は、その最たるものだ。

政策は間違っていないが、アメリカは銀行を潰さない様に巨額の公的資金を投入していて、財政的には

苦しいはずである。ここに書かれていることは、今すぐ実行すべきこと、とオバマ大統領は書いているが、

そんなに、おカネ、あるの?国債を発行して、日本や中国に買わせようというのではないのか?

ここに寄せられた、大統領自身の文章(ライターが書いたのだろうが)に、

ただ、感動するばかりではなく、こういうものを読むときは、「どうやって?」「何故?」と考えながら

読むことが、肝要である。

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2009.02.06

基本的なマナーなんですけどね。「会話において、他人の身体のことをみだりに口に出してはならない。」

◆ちょっとくたびれているので、手抜きをします。

今日は、どういう訳か非常に疲れているので、昨日mixi日記に書いた文章に加筆し、掲載します。

悪しからず。


◆記事:何気ない一言が心にグサリ! 異性に言われてショックだった言葉(ORICON STYLE - 02月03日 11:12)

恋人や異性の友達と話している時、何気ない一言がきっかけで険悪なムードになったあげく、ケンカに発展……。

そんな苦い経験をお持ちの方も多いのではないだろうか? そこでオリコンが、

既婚者を含む20・30代の男女を対象に『異性に言われて傷ついた言葉』についてアンケート調査を実施したところ、

日常の中でふと出た異性からのきつい一言に対して嘆きの声が寄せられた。

特に多かったのは【太った?】、【背の高い人が好きなんだよね】など“容姿”に関すること。

「太っていると自覚していただけに、面と向かって言われると何だか」(埼玉県/20代/女性)、

「身長なんて遺伝なんだからどうしようもないよ……」(愛知県/20代/男性)と自分の中でコンプレックスとなっているだけに、

悲しい気持ちになったというコメントがズラリ。 (以下略)


◆コメント:異性・同性を問わず、他人の身体に関することを口に出すのは、失礼なことなのですよ。

ソースが「オリコン」ですからね。この程度の記事になってしまうのだけど、何を今更、というところ。

最近の若い人は、これを知らないようですね。尤も、いい年した大人でも知らない人がいるけど。

私は子供の頃、親から厳しく躾けられた。

「他人様(ひとさま)の身体に関することは、みだりに口にしてはならない。」

これは非常に基本的なマナーである。

「太ってますね」「痩せてますね」(「太りましたね」「痩せましたね」)

「背が低い(高い)ですね」

「手(足)が大きい(小さい)ですね」

「足が長い(短い)ですね)」

「その『アザ』どうしたの?」

「変わったところにほくろがあるね。」

「髪、薄くなったんじゃない?」

背が高いですね、とか、痩せてますね(スマートですね)など、褒めているつもりであっても、

人それぞれ、感受性が違うし、事情も違う。他人からは想像できないことが、

本人にとっては、コンプレックスになっている場合がある。

いくら、他人が「そんなこと、気にすること、無いじゃない?」といっても、意味を為さない。

その人は、気にしているのである。何を気にしているかは、他人からは、分からない。


私はかつて、ものすごく太ってしまい、これはヤバい、というので、16キロ減量したことがある。

太ったときは、周囲の人々が一様に「どうしちゃったの?」「ブクブクだね。」といい、

痩せたら痩せたで、「随分痩せたねー」「何処か具合が悪いんじゃないの?」という。

非常に不愉快であった。「そういうことを、面と向かって言うものじゃないだろう」と腹が立った。


たかが、体重でも、言われるとこれほど腹が立つ。

ましてや何らかの障害や、見た目の特異な点、アザとか、ほくろがある、などを他人から言われたら、

腹が立つを通り越して、傷つくと思う。

だから、結論。
「たとえ親しい人との会話であっても、原則として、他人の身体に関して気が付いたことがあっても、口にしてはならない。」

但し、「原則として」、というからには「例外」がある。

明らかに、相手の身体の具合が悪そうなとき。

例えば、部下や同僚が真っ青な顔をしていたら、

「何処か具合がわるいんじゃないか?そうだったら無理しないで早く帰りなさい。」

というのは、構わない。これは、何も云わない方が不親切である。

今日書いたことを「当たり前じゃないか」と思われた方も、よーく考えて下さい。

うっかり、言ってしまったことがあるのではないですか?

お互い、気をつけましょうね。

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2009.02.05

「ベルリンフィルコンサートマスター 安永さんが退団へ」←ものすごいショックですが、安永さん、長い間お疲れ様でした。

◆記事:ベルリンフィルコンサートマスター 安永さんが退団へ(西日本新聞 2009年1月27日)

世界最高峰の管弦楽団とされるベルリン・フィル(ドイツ)の第一コンサートマスター、

安永徹さん(57)=福岡市出身=が2月22日のオーストリア・ウィーン公演をもって辞任する。

安永さんは九響永久名誉指揮者の故安永武一郎さんの長男で、バイオリニスト。桐朋学園大を卒業後、1977年にベルリン・フィルに入団。

83年に指揮者・カラヤンに認められ、東洋人初の第一コンサートマスターに就任した。一般奏者からの就任も同楽団史上初で、話題を集めた。

高い音楽センスと温かな人柄で楽団員の人望を集め、室内楽やソロ演奏にも積極的に取り組んできた。

65歳の定年まで約8年を残した辞任の理由について、安永さんは「個人的な理由」として明らかにしていないが、

今後は北海道に住まいを移し、「1年後ぐらいには何をするか、見えてくると思う」と話している。

後任は未定という。


◆コメント:99%の日本人には、分からないでしょうが、「日本人がベルリン・フィルのコンサートマスターである」ことのものすごさ。

大袈裟ではなく、今日、このニュースを読み、私は本当に具合が悪くなり、暫く横になりました。

安永さんには申し訳ないが、残念でたまりません。もう、安永さんがコンマスを務めるベルリン・フィルを見ることは無いのですね。

ベルリン・フィル、ウィーン・フィルだけがオーケストラではありません。全然無名のオーケストラでも驚くほど上手いことはいくらでもある。

そんなことは、私は百も承知です。

しかし、ベルリン・フィルが世界一のオーケストラの一つであることは、昔も今も変わりません。


凡百の音楽家は、そもそも、ベルリン・フィルのオーディションに受かりません。

普通なら、ソリストになってもおかしくないほど、上手い人が、各楽器のセクションに並んでいるのです。


◆コンサートマスターは「年功序列」で就任するのではありません。

コンサートマスターは、第一ヴァイオリンの首席奏者であり、弦楽器セクション全体のリーダーであり、オーケストラ全体のリーダーです

(実際、英語では、コンサートマスターのことを「リーダー」と言います)。

従って、自分の第一ヴァイオリンの譜面が弾けるのは当然のこととして、オーケストラ全体を指揮者と同様に、

あるいはそれ以上に分かっていなければなりません。スコア(総譜)を勉強しなければなりません。


ましてや、それが、世界一のオーケストラなのですから、そのコンサートマスターになる、ということは、欧米人でも難しい。

全く異なる文化圏である日本の人がドイツの超一流オーケストラのコンサートマスターを25年も務めたことの偉大さを、

残念ながら、日本人の100人に1人も分かっていないと思います。


私が大学生の頃、安永さんがベルリン・フィルのコンサートマスターに決まった、というニュースを聞いたときの興奮は、

今でも良く覚えています。自分のことでも、自分はプロの音楽家でもないのに、飛び上がるほど嬉しかった。

日本人であることを心底、誇りに思いました。


今まで、そのことを何度も書きました

一番、力を込めて書いた記事は、

ベルリン・フィル 第一コンサートマスターを23年間務めている日本人バイオリニストがいます。お薦めCDも。ココログはこちら)。

だと思います。

これを読んで頂くと、安永さんの偉大さが、お分かり頂けると思います。いや、分かって下さい。


◆安永徹さん、長い間、お疲れ様でした。安永さんを日本人として誇りに思う気持ちは、25年経った今も変わりません。

安永さんが定年まで8年を残し、今月22日のコンサートを最後に退団なさるとのこと。

正直に云うと、残念、いや、悲しい、といっても過言ではありません。

安永さんほどの方、日本人であるにも関わらず、四半世紀以上、天下のベルリン・フィルのコンサートマスターを務められる人は、もう現れないかも知れません。

私はロンドン駐在時、ロイヤル・フェスティバル・ホールで、安永さんがコンマス(乗り番のとき)のベルリン・フィルを、何度も聴きました。

外国に住むということは、藤原正彦さんの言葉を借りるなら、「日本を常に、そして、過剰に意識すること」です。少なくとも私はそうでした。

ステージの安永さんの「勇姿」(と言っても、ご本人は淡々としておられるのですが)をどれほど、誇らしく思ったか、ありありと思い出します。

胸がはち切れそうな、高々とした気持ちでした。

あの時も、今も、私は安永さんを誇りに思います。安永さんは謙虚な方で、

「日本人をコンサートマスターにしたベルリン・フィルが偉大なのです」

と、仰いますが、私の気持ちは永遠に変わらないでしょう。

長い間、ベルリン・フィルハーモニカーの第一コンサートマスターをお務めになり、お疲れ様でした。

帰国後のご活躍を楽しみにしております。

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2009.02.04

「日銀、1兆円の銀行保有株買い取り=4年半ぶり再開、金融システム安定で」←金融恐慌の瀬戸際、ぐらいの状態です。

◆記事:日銀、1兆円の銀行保有株買い取り=4年半ぶり再開、金融システム安定で(2月3日13時1分配信 時事通信)

日銀は3日午前の政策委員会で、銀行が保有する株式を最大1兆円買い取ることを決めた。

年度末に向けて金融システムの安定を確保するとともに、銀行が保有株の下落で評価損計上を余儀なくされ、

自己資本不足から企業への貸し出しに慎重になるのを防ぐ狙いがある。

日銀による銀行保有株の買い取りは約4年半ぶり。財務・金融相の認可を得て、月内に買い入れを始める見通し。

買い取りの対象先は、株式などの保有額が中核的自己資本の5割超または5000億円超の金融機関や、

自己資本比率規制の国際統一基準を採用している金融機関。大手行を含む30数行が該当するとみられる。

銀行の申し込みに応じ、格付けが「BBBマイナス」相当以上の上場株式を時価で買い取る。


◆コメント:非常に異例な日銀の決定が続いているということは、それだけ金融危機が深刻だ、ということです。

3日(月)の日中、まだ、株式その他の市場が開いている最中に日銀は、

2009年 2月 3日 日本銀行による金融機関保有株式買入れの再開について (PDF, 244KB)

を発表したのです。それで、一時は日経平均株価は前日終値比200円以上も上がりました(大引けは結局続落でした)。

要するに、日本の銀行はどの銀行も企業の株を大量に保有しています。これは銀行にとって資産なのですが、

日経平均株価の終値、というのを毎日見て頂くとわかるのですが、ずっと7,000円台とか8,000円台でしょ?

銀行が、今持っている株を買ったときは多分、最低でも日経平均は1万3000円台、多分1万5000円台だったわけです。

日経平均はあくまで平均ですが、個別銘柄を見ても大体同じ動きです。このままだと、多分、3月末の銀行の本決算時に、

銀行は、簿価と時価との差額(当然マイナスでしょう)を「評価損」というのを計上しなければならない。

それを埋め合わせるのに自己資本を取り崩すことになる。自己資本比率が低くなるのです。

それだけ、銀行の信用がなくなって、国際金融市場で資金を貸して貰えなくなる(調達が難しくなる)可能性が高い。

資金繰りが付かなくなったら、人間で言えば心肺停止状態で、アメリカのリーマンみたいに潰れるのです。東京三菱UFJだろうが、

三井住友だろうが、みずほだろうが。


それは、最悪のケースで、そこまでにはならないと思いますが、現時点で、既に銀行の財務上、評価損が出ている。

実際に売った訳じゃないけど、決算では利益から差し引かなければならないことは確実なのです。

銀行だけではないけど、銀行も業績予想を下方修正してます。そうしたら、これ以上損は出来ない、と銀行は考える。

おカネを貸しても返して貰えるかどうか分からない、特に中小企業にはおカネを貸したがらない。

中小企業は銀行からおカネを借りないと、原材料が買えないとか、従業員に給料を支払えない、という状態なのです。

これ以上、銀行を不安定にしておくと、日本中バタバタと企業が潰れます。

だから、日銀が、銀行が持っている株を買い取ってやろう、そうすれば、損失が無限に大きくなる心配から、銀行は解放されます。

その分、企業に融資し易くなるだろう。と言うのが日本銀行の論理です。


ただ、銀行から買い取るときは時価(今の株価)で買い取るというのですから、

銀行は、評価損が実損として確定してしまいます。業績(利益)が減ることに変わりがない。ただ、損切りできる、

「損失確定の売り」とかニュースで良く言うでしょ。持っていたら、株価はまだ何処まで下がるか分からない。

無限に損失が膨らむ可能性があるわけです。

日銀に売れば、買ったときと比べ差損は出ますが、とりあえず、損失額は決まる。無限ではなくなる、ということです。

しかし、問題は完全には消えません。

日銀が銀行から株を買ったら、銀行は株価変動による損失リスクから大分解放されます。

その分、株を持ってしまう日銀がリスクを抱えます。会計の原理は同じですから、買った株の値段が下がれば、

日銀が含み損を抱える。あまりそれが大きくなると、日本の中央銀行たる日銀の信認に関わる。

中央銀行の信用は日本国の信用。日銀の財務体質が悪化すれば、日本全体が危ない。


日銀は12月、企業からコマーシャル・ペーパー(CP)を買取ることを決めました。

年末、企業の資金繰りが危なくなるかも知れなかったからです。詳しくは、
【経済】日銀政策決定会合に関する話の続き。日銀総裁の責任の重さ/日銀がコマーシャル・ペーパーを買い取る、ということ。

をご覧下さい。これも、結構日銀としては英断なんです。

CPを発行した会社がつぶれたら、日銀が不良債権を抱えることになる。

にも関わらず、更に、銀行が保有する株を買い取ることを決めたのです。日銀の抱えるリスクが、

一層大きくなる可能性があります(銀行が日銀に株を売ることを決めた訳ではないから、「可能性」です)。

非常にきわどい。しかし、そうでもしないと、日本経済全体の動揺がますます広がる、と判断したのでしょう。

今更言っても仕方がないけど、全ては昨年9月15日にリーマン・ブラザーズが破綻したのが、発端です。

白川日銀総裁は、今現在、日本で最も重いプレッシャーを抱えている人だといっても過言ではありません。

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2009.02.03

「埼玉出身の水谷さんが3位=日本人2人入賞-ローザンヌ国際バレエ」←3年連続して取りあげます。

◆記事:埼玉出身の水谷さんが3位=日本人2人入賞-ローザンヌ国際バレエ(2月2日6時40分配信 時事通信)

【ローザンヌ(スイス)1日時事】スイス・ローザンヌの国際バレエコンクール第37回大会が1日行われ、

埼玉県出身の水谷実喜さん(15)が3位に入った。また、東京都出身の根本里菜さん(17)も6位に入賞した。

1位はニュージーランドのハンナ・オニールさん(16)。入賞者は、希望するバレエ学校などに研修生として参加する権利を与えられる。

水谷さんは授賞式後、「夢また夢のようで、本当にうれしい気持ちでいっぱいです」と喜びを語った。

前年に続き2度目の挑戦となった根本さんは、「将来につながるようなバレエ学校に行きたい」と抱負を語った。


◆コメント:このブログで取りあげるのは一昨年の河野舞衣さん、昨年の高田茜さんに続き、3年連続です。

世の中、文字通り不景気な(景気に関する)話ばかりの中で、今年も、嬉しいニュースである。

ローザンヌ国際バレエコンクールが入賞したことを私がブログで書き始めたのは一昨年からだけれども、

Wikipediaのローザンヌ国際バレエコンクール、主な日本人受賞者をご覧頂きたい。

後に英国ロイヤルバレエでプリンシパル(要するに、一番格が高いダンサー)にまで上り詰めた熊川哲也氏、吉田都氏をはじめ、

世界で名を成した、バレエ・ダンサーの多くはローザンヌで上位に入賞している。

勿論、音楽のコンクールと同じで、コンクールに優勝したからといって、必ずしも将来が保証されるということではない。

しかし、本来、西洋人の踊りであるバレエのコンクールに出て、若干15歳、17歳でファイナル(最終選考)に残り、入賞を果たすということは、

どんな芸術の分野であっても、誰でも出来ることではない。想像を絶する努力と才能の賜であろう。


心からお祝い申し上げたい。


毎年書くが、マスコミはこういうことをもっと大きく取りあげるべきだ。

そのことを私は一昨年、

2007年02月05日(月)  「バレエ:ローザンヌ国際コンクール 若手の登竜門、河野舞衣さん2位」←こういう事を大きく報じないから世の中暗くなる。ココログはこちら

昨年も、

2008年02月04日(月) 「ローザンヌ国際バレエ:東京出身の17歳高田茜さんが入賞」ココログはこちら)で、書いた。

海外で活躍している日本人で大きく取りあげられるのは、大リーグで活躍している野球選手ぐらいのものだろう。

マスコミは世の中の不幸ばかりを大きく報じるべきではない。そして「良いこと」もスポーツばかり書くべきではない。

勿論、時事通信は、冒頭に転載したとおり、ローザンヌを記事として取りあげているし、

他の全国紙も取りあげてはいるが、紙面を見ると社会面の片隅に小さくベタ記事で載っているのが常である。

どうして、野球以外の「良いこと」は大きく取りあげないのだ。スポーツ以外で大きい扱いになるのは、

ノーベル賞ぐらいだろう。

文化、学問、芸術における偉業を大きく取りあげないのは、日本のマスコミ、ひいては、情報の受け手である読者の教養、文化的素養の無さを物語っている。

いくらキザと言われようが、いけ好かない野郎だ、と思われようが私はそう書き続ける。


◆ローザンヌ国際バレエコンクール公式サイト

ローザンヌ国際バレエコンクールの公式サイトか、YouTubeの公式サイト

ファイナル(最終選考)の映像を見ることが出来る。慣例通りならば、テレビでは、多分5月頃にNHK教育テレビで放送される。


◆バレエ音楽:ドリーブ「コッペリア」から序曲とマズルカ

ドリーブ作曲の、バレエ「コッペリア」に関しては、いくらでもネットに説明があるので検索して下さい。

今日は、水谷実喜さん、根本里菜さん、1位のハンナ・オニールさん(日本人とフランス人のハーフだとか。未確認。)の入賞を祝って、

バレエの人気プログラム、「コッペリア」から「序曲とマズルカ」(序曲だからまだダンサーは出てこないけど、音楽が素晴らしい)。

この曲のCDと言ったら、定番は決まっている。

数学者から指揮者になったエルネスト・アンセルメ指揮=スイス・ロマンド管弦楽団






今一度、水谷さん、根本さんの栄光を讃えたい。

おめでとうございました。これからも勉強を続けて、大輪の花を咲かせて下さい。

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2009.02.02

「焦点:国内生産落ち込みで危機的状況、物価とのスパイラル警戒も」←減税したら?

記事:焦点:国内生産落ち込みで危機的状況、物価とのスパイラル警戒も(2月1日15時19分配信 ロイター)

[東京 30日 ロイター] 国内生産が加速度的に落ち込んでいる。このまま生産減少が継続すれば、

2008年10─12月期の国内総生産(GDP)はマイナス10%を超える見込みだ。

1─3月期はさらにマイナス幅が拡大する可能性があるなど、第2次世界大戦以降では最悪の危機事態に直面しつつある。

さらに物価下落の兆候も見え始め、生産と物価のスパイラル的な下落局面のリスクに警戒する声もマーケットでは出始めた。

<大恐慌時に迫る勢需要減退の声>

経済産業省が30日発表した12月の鉱工業生産指数速報は、11月に次いで過去最大の下落幅を記録した。

10─12月期に続き、1─3月期は前期比2ケタのマイナスが継続する可能性が高まるなど、過去に類例を見ない大幅な調整となった。

今回の数字を受けて与謝野経済財政担当相は30日の閣議後会見で

「鉱工業生産は非常に心配だ。これだけ鋭角的な落ち込みは過去経験したことがない」と懸念を示した上で

「この期の落ち込みだけでなく、今後落ち込みが続く可能性がある」と、落ち込みが一時的なものでないことを認めた。

民間エコノミストも「今回の景気後退の深さは戦後最大と見ることができる」(ニッセイ基礎研・シニアエコノミストの斎藤太郎氏)、

「現段階では(ピークから生産が)既に3割以上落ち込んでいる可能性が高い。大恐慌時は約4割低下したが、それに迫る勢いで世界的な需要減退が起きている」

(農林中金総研・主任研究員の南武志氏)など危機的な状況との見解が相次いだ。

2カ月連続で、過去最大の落ち込みとなったにもかかわらず、生産の底打ち感を指摘する声はほとんどない。

今回の生産の大幅下落は、外需の急激な委縮による輸出減が大きく影響しているが、外需の早期の立ち直りは期待できない情勢だ。

国際通貨基金(IMF)は、2009年の世界経済見通しを従来の予想より1.7%ポイント低い前年比プラス0.5%、

米国の見通しも0.9ポイント下げて同マイナス1.6%に下方修正した。

日本はマイナス2.6%となり、G7の中では英国のマイナス2.8%に次いでマイナス幅が大きくなった。

(以下略。全文はウェブキャッシュ保存サービスからご覧下さい。)


◆コメント:1月30日(金)の朝発表された、経済指標が、どれもあまりに深刻だったのです。

1月30日(金)朝8時30分から50分にかけて、日本の重要な経済指標が発表されました。

発表そのものは、毎月決まった日になされるもので、変わったことではありません。

問題は数字の悪さが極端だ、ということです。

箇条書きにすると、


  • 12月の完全失業率(総務省):4.4%。前月比0.5ポイント悪化。4.4%は06年1月以来、約3年(2年11カ月)ぶりの水準。悪化幅は1967年3月以来の大きさ。

  • 12月の有効求人倍率(厚労省):0.72倍。5年1か月ぶりの低い水準。1倍を下回るのは、13ヶ月連続。

  • 12月の鉱工業生産(経済産業省):鉱工業生産指数は84.6(前月比9.6%減)で、2か月連続で過去最大の下げ幅を更新。

  • 12月の家計調査(総務省):全世帯消費支出前年比実質4.6%減。06年9月以来の大幅減

  • 12月の全国消費者物価指数(総務省):前年同月比0.2%上昇。上昇率の低さは、1年2カ月ぶり低水準

次に、上の記事は、要するに何を言おうとしているか、簡単にまとめますと、

  • 製造業(モノを作る会社)の生産量がこれまでに見たこともない勢いで減少している。

  • 景気は、非常な勢いで後退しており、落ち込みの深さも多分、戦後最悪。

  • GDP(国内総生産の)55%を占める個人消費の落ち込みが激しい。

  • 雇用情勢が悪化しているので、この先更に個人消費が落ちこむと思われる。

  • 日本だけではなく、このままでは、2009年は全世界の経済成長率は全体としてマイナスになりそうだ、とIMFも予想している。

  • 個人消費が増えないということは、モノが売れないということだから、需要・供給の法則に従い、物価は更に下落し、デフレに戻る可能性がある。

  • モノの値段が下がればモノを作っている会社は売り上げが減るから、コストを削減しようとする。その結果、正社員もリストラされる可能性が高い。

  • そうなると、ますます個人消費が落ちこむ、という、最悪の「負のスパイラル」に日本経済も世界経済も陥りつつある。

と、多少、私個人の所見も混入してしまいましたが、記事に書いてあることは、ざっと、そう言うことです。


◆負の連鎖を断ち切る為には個人消費の回復が必要だが、給料は増えるわけないから減税すりゃいいのです。

鉱工業生産が何故落ちこむかというと、作っても売れないからです。

何故売れないからというと、物価上昇率は大したことはないのだから、個人消費が停滞している。

つまり、家計が財布の紐を締めているからです。

それは、何故かというと、どの会社も本業の利益が芳しくない上に、株式市場が低迷していますから、

持っている株(有価証券)の評価損を計上しなければならないので、儲けがどんどん減っている。

それを穴埋めするためには、最も簡単に削減するコストである、人件費を減らすことです。

その極端なのが、人員削減(クビにすること)で、マイルドなのが、従業員の給料を減らすことです。

家計の所得が減っているのに、消費が増えるわけがない。その状態が続く限り、モノは売れず、

生産は増加しません。


といっても、会社の利益は減っているので、給料を増やしたくても増えません。

しかし、繰り返しますが、個人所得が増えなければGDPの55%を占める個人消費は増えない。


このマイナスの連鎖を断ち切る為には、減税をすることです。定額給付金で一回だけ一世帯数万円貰ったって、

使うかどうか分からないし、使ったとしても一度使ったら終わりでしょ?持続的な個人消費の増加には寄与しません。

この国は2007年、増税しています。

所得税を減税しましたが、住民税を増税し、かつ小渕内閣から景気対策の為に続けていた、サラリーマンの定率減税を廃止したので

実質、増税です。

減税すれば、一時的に国庫の歳入は減るかも知れませんが、家計の可処分所得は増えます。

少なくとも定額給付金よりは、遙かに、景気刺激策となる可能性が高い、と思います。

国民がおカネをもっと使う様になれば、モノやサービスが売れる→企業の儲けが増える。

それを、なるべく従業員の給料に反映させるようにすることです。すると、更に家計の所得は増えます。

結果、個人消費が一層増加する、という「良循環」が発生します。

私は所得税、住民税を減税し、定率減税を復活させるのが、景気後退から脱却するために、

もっとも手っ取り早い方法だと思います。税率を下げても、個人の所得が増えれば、やがて、国の収入も

増えます。如何でしょうか?

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