« 今の世界同時不況は、並の不況ではない。まだ、序の口らしいです。 | トップページ | 「G7共同声明の要旨」←大体予想の範囲内で、特別な評価に値しない。/今日発表される日本のGDP。他。 »

2009.02.15

現実を直視することと、「マイナス思考」を混同してはいけません。

◆昨日の記事に寄せられた、或るコメント。

昨日、今の世界同時不況は、並の不況ではない。まだ、序の口らしいです。という記事を書いたら、

存じ上げない方から、コメントが寄せられました。お名前は伏せて本文だけ転載します。

すごいマイナス思考…びっくりしました。

病は気からといいますが…マイナス要素ばかりを並べてなにがおっしゃりたいの

ですか?

自分だけならまだしも周りの人をマイナス思考に陥らせて道連れにしてもしかた

ないと思うのですが。

楽しみを見つけてください。

確かに、救いのない結論ですから、このような感想を抱いた方は他にもいらっしゃるでしょうが、

多分、この方は昨日の記事「だけ」を読んで、短絡的に反応したのでしょう。

私は、昨年リーマン・ブラザーズが破綻した時から、世界経済はエラいことになるぞ、という趣旨の文章を書いており、

それを読んで下されば、昨日の記事もその延長上にあるもので、突如、この方の所謂「マイナス思考」になったわけでは有りません。


◆現実を直視することと、「マイナス思考」を混同するべきではありません。

コメントを下さった方は、「すごいマイナス思考」といいますが、多分、あまり新聞、特に経済面など、

読んだことが無い方だと思います。Yahoo!ニュースCEEK.JP NEWS などで、

試しに、「損失」、「最終赤字」、「下方修正」、「過去最低」、「過去最悪」、「人員削減」を検索してみると、良くもこれだけ、世界中どこもかしこも

景気が悪いものだ、ということが、分かると思います。これが現実だから、直視するべきです。景気が未だかつてないほど悪いのは事実で、

これを直視することを「マイナス思考」と云いたいなら、云って下さっても結構ですが、

「マイナス思考」と云う言葉を、「現実を実際よりも悪い方に歪んで認知すること」だと考えているとしたら、

私が書いたことは「マイナス思考」ではない。事実を客観的に見て、専門家の予想を書き加えたものです。


◆都合が悪いことを見て見ぬフリをすることを「プラス思考」と勘違いしてはいけません。

世界景気が急速に後退していることは、日銀総裁ですら、認めていることです。

日本銀行のサイト新着情報一覧に、

2009年 1月27日 International Bankers Association(IBA) Information Forumにおける白川総裁講演「国際金融危機の下での外国金融機関」

載っていますが、3.リーマン・ブラザーズ破綻以降の金融資本市場 で、白川日銀総裁は、次のような表現を使っています。

・・・・リーマン・ブラザーズの破綻以降、世界経済や金融市場の状況は急速に変化しました。現在、昨年第4四半期のGDPや鉱工業生産、輸出等の数字が発表されつつありますが、

崖から落ちるという比喩が正に当てはまるような急激な落ち込みが世界同時に生じました。日本銀行も先週、先行きの経済見通しを公表しましたが、

2009年度の成長率に関する政策委員会メンバーの予測の中央値は、昨年10月末時点の0.6%から-2.0%に大幅に下方改定されました。(太文字は引用者による)

私は長い間、こうした情報を読んでいますが、日銀総裁がこれほど極端な言葉を用いて景気の悪化を表現したのは、初めて読みました。

それだけ、前代未聞の景気の悪さなのでしょう。決して、私一人の認知が歪んでいるのではない。


景気が悪いより、良いに越したことは無いけれども、今は日銀総裁さえ認めるほど世界の景気は後退しているのであって、

それを考えないようにすることは、単なる「無思考」であり、「プラス思考」ではありません。

「無思考」とは文字通り「考えないこと」であり「バカ」のことです。


このことに関しては、以前、

「無思考」を「プラス思考」と称する欺瞞ココログはこちら

という文章に詳しく書いたので、お読み下さい。

この記事の初めに転載したコメントを下さった方は、正にこの文章で書いた

「無思考をプラス思考と勘違いしている人」だと思います。

私は、周りの人を「道連れ」に「マイナス思考」に陥らせようとしているのではなくて、「現実を直視しましょう」と言っているのです。

私が楽しみを見つけて楽しくなったところで、世界景気は回復しないし、問題の解決にはなりません。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

|

« 今の世界同時不況は、並の不況ではない。まだ、序の口らしいです。 | トップページ | 「G7共同声明の要旨」←大体予想の範囲内で、特別な評価に値しない。/今日発表される日本のGDP。他。 »

エッセイ」カテゴリの記事

ニュース」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

あつしさま、重ね重ね、ありがとうございます。

パイロットの方のお話は大変貴重で、「リスク・コントロール」(危機管理)の本質が端的に表現されていると思います。
危機管理の要点は、ごく大雑把に書くならば「最悪の事態を想定し、それに対処出来る手段を予め、策定すること」
だと思います。

もしも、様々な組織--政府から、企業まで---の危機管理担当者がノーテンキな楽天主義者で
「まあ、何とかなるだろ。問題が起きたら、その時考えようや。」という人物だったら、
それは最早危機管理ではなく、単なる無為無策です。

仰るように、個人、家計のレベルでも、大きな組織ほどの専門性は発揮できないとしても、最悪の状況を考えるからこそ、
皆さん、保険に入ったり、貯蓄をしているわけで、それはやは「危機管理」の一種だといえるのではないでしょうか。

とりわけ、未曾有の大不況が押し寄せつつ或る今、そのアラートのレベルを引き上げることは、大変、大切なことと思います。
従って、あつし様のお考えになっていることは、大変、理にかなっています。

それが、分かった上で、いつも悲痛な顔をしていたら、人間、参ってしまいますから、気晴らし、楽しみも必要でしょう。
(現に私も、不況の記事を載せつつ、音楽記事を書いています)。

物事の優先順位というか、事の軽重の判断を誤ってはまずいですよね。

投稿: JIRO | 2009.02.15 22:40

JIRO様こんばんは。今日の日記を読んでの私の感想です。ある路線パイロットの方からの教えなのですが、パイロットの方々は常に最悪の事態を想定して運航しておられるそうです。だからこそもし、最悪のアクシデントが起きても適切に対応できるからだと。
その話を聞いて、なるほどと思った次第です。私は今起きている不況や福祉の問題、これから自分に起きるであろう最悪の事態を想定するためにも、いま起きている「現実の問題を直視」しなければならないと思っています。最悪の事態が自分に降りかかっても、「自分を守るための対策」を立てておこうからと思うからです。それでうまくいけば痛快ですし、うまくいかなくても、自分の力が無かったからだとあきらめもつきますから。
楽しみは、自分に降りかかる最悪の火の粉を払う自信があってこそ、本当の楽しさだと思っています。ただ私もそんなに偉そうな生活を送っているわけではありませんが、そんな心がけで生活している次第です。

投稿: あつし | 2009.02.15 21:12

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/62198/44064217

この記事へのトラックバック一覧です: 現実を直視することと、「マイナス思考」を混同してはいけません。:

« 今の世界同時不況は、並の不況ではない。まだ、序の口らしいです。 | トップページ | 「G7共同声明の要旨」←大体予想の範囲内で、特別な評価に値しない。/今日発表される日本のGDP。他。 »