« 「経済回復へ追加措置=「財政重要」も数値目標見送り-G20共同声明」←意外感が無いので、また明日から株は下がると思います。 | トップページ | 「日銀 銀行の資本増強支援決定」←やることも、発表のタイミングも、ものすごく異例です。 »

2009.03.17

「景気判断、半年ぶり据え置き=厳しさ自体は変わらず-月例経済報告」←「据置き」って、これ以上悪くなりようが無いのですよ。

◆記事:景気「厳しい状況」、6カ月ぶり判断据え置き=3月月例報告(3月16日20時3分配信 ロイター)

政府は16日に発表した3月の月例経済報告で、輸出や生産、企業収益の大幅な減少を背景に、

基調判断を「景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状況にある」で据え置いた。判断の据え置きは6カ月ぶりとなる。

基調判断について内閣府幹部は「これまでと同様のペースで、急速な悪化が続いているという厳しい認識を示したもの」と説明し、

「決して良くなっているとか、下げ止まっているという認識ではない」とした。

先行きについては「当面、悪化が続くとみられ、急速な減産の動きなどが雇用の大幅な調整につながることが懸念される」

とのこれまでの表現を踏襲した。世界的な金融危機の深刻化や世界景気の一層の下振れ懸念、

株式市場の変動の影響など、景気をさらに下押しするリスクが存在することに留意する必要があるとした。


◆コメント:記事の見出しがミス・リーディングである。

日本経済に対する政府の公式見解は毎月、内閣府から発表される「月例経済報告」に示される。

全文を読むのは大変だが、冒頭に結論ともいうべき「基調判断」が書かれている。

ここだけみれば、政府の経済現状判断がわかる。今日発表された3月分の月例経済報告の基調判断は

景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状況にある。

だった。記事にある「据置き」とは、この文言が2月と全く同じである、ということを述べているに過ぎない。

それは、記事の内容までよく読めば、ちゃんと説明してあるが、見出しの
「6カ月ぶり判断据え置き」

という言葉は、意味を為さない。

過去の基調判断がどのように変化したか、ロイターがまとめている(最上段が一番新しく、下に行くほど過去に溯る)。

〔表〕月例経済報告基調判断一覧(ロイター)(2009年 03月 16日 18:39 ) を見れば一目瞭然である。

昨年(2008年)1月からの「基調判断」は
3月(→)景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状況にある。

2月(↓)景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状況にある。

1月(↓)景気は、急速に悪化している。 

2009年 



12月(↓)景気は、悪化している。

11月(↓)景気は、弱まっている。さらに、世界経済が一段と減速するなかで、下押し圧力が急速に高まっている

10月(↓)景気は、弱まっている

9月(→)景気はこのところ、弱含んでいる

8月(↓)景気はこのところ、弱含んでいる

7月(→)景気回復は足踏み状態にあるが、このところ一部に弱い動きがみられる

6月(↓)景気回復は足踏み状態にあるが、このところ一部に弱い動きがみられる

5月(→)景気回復は、このところ足踏み状態にある

4月(→)景気回復は、このところ足踏み状態にある

3月(↓)景気回復は、このところ足踏み状態にある

2月(↓)景気は、このところ回復が緩やかになっている

2008年 1月(→)景気は、一部に弱さが見られるものの、回復している

2008年1月には「景気は(中略)回復している」だったのが、同年3月から「足踏み状態にある」に変わり、

6月には「足踏み状態にあるが、一部に弱い動きが見られる」となり、

8月には「弱含んでいる」と、マイルドなマイナス表現に変わり、10月には「弱まっている」とさらにマイナス度が高まり、

ついに、昨年12月には、「景気は悪化している」と数年ぶりにはっきりと「悪化している」という表現が用いられた。

勿論、リーマン・ブラザーズが破綻した影響である。

そして、非常に例外的なのは、一旦表現を変えたら数ヶ月は何とかその表現を維持するのだが、

今年の1月には早くも、「景気は、急速に悪化している」と、単なる「悪化」がさらに悪くなっていることを示し、

先月、2月には、今までに無いほどはっきりと、
「景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状況にある。」

と書かれたことである。


記事が見出しで「6ヶ月振りに判断を据え置いた」、と書いたのは、昨年9月から今年の2月までは、

毎月、基調判断をマイナス方向に変更していたが、今月は先月と同じ表現(文言=もんごん)だった、というだけのことである。

それは、「急速な悪化が続いており、厳しい状況にある」、よりも更にマイナス表現が殆ど無いからであり、

基調判断を据え置いたことは、景気の悪化がやや落ちついたことを意味するのではない。

景気の急速な悪化が続いている、という深刻な状況に変化はない、と述べているのである。

記事の見出し、「6ヶ月ぶりに据置き」は、ウソではないが、見出しは本文の要約である。

見出しだけ読んだ場合、景気の悪化のスピードが緩和したかの如き誤解を読者に与える。

細かいことを指摘するようだが、その意味で、ロイターの見出しはミス・リーディング(誤解を招く)である。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

|

« 「経済回復へ追加措置=「財政重要」も数値目標見送り-G20共同声明」←意外感が無いので、また明日から株は下がると思います。 | トップページ | 「日銀 銀行の資本増強支援決定」←やることも、発表のタイミングも、ものすごく異例です。 »

ニュース」カテゴリの記事

マスコミ批評」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/62198/44372556

この記事へのトラックバック一覧です: 「景気判断、半年ぶり据え置き=厳しさ自体は変わらず-月例経済報告」←「据置き」って、これ以上悪くなりようが無いのですよ。:

« 「経済回復へ追加措置=「財政重要」も数値目標見送り-G20共同声明」←意外感が無いので、また明日から株は下がると思います。 | トップページ | 「日銀 銀行の資本増強支援決定」←やることも、発表のタイミングも、ものすごく異例です。 »