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2009.04.23

「金融機関損失、400兆円に=日米欧--IMF」「<世界経済>戦後初のマイナス成長…IMF09年見通し」コメント不要でしょう。

記事1:金融機関損失、400兆円に=日米欧3市場の07~10年推計-IMF報告(4月21日23時0分配信時事通信)

国際通貨基金(IMF)は21日、最新の世界金融安定性報告(GFSR)を公表し、

米国や欧州、日本の3市場で組成された融資や証券化商品に関する金融機関の損失が2007年から10年までの累計で

4兆0540億ドル(約397兆円)に上るとの推計を明らかにした。IMFが日米欧3市場全体の損失推計をまとめるのは初めて。

また、米国と欧州の銀行が健全経営を行っていた1990年代半ばの資本の厚みを確保するには、

それぞれ約5000億ドル、約7250億ドルの資本増強を要すると試算。「(銀行の)一時国有化も必要かもしれない」としている。

GFSRは24日から始まる先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)など一連の国際金融会議での議論のたたき台となる。

金融健全化の難しさを数字で示した同報告は、米政府が大手金融機関を対象に実施している特別検査の結果公表を前に注目を集めそうだ。


記事2:<世界経済>戦後初のマイナス成長…IMF09年見通し(4月22日22時21分配信毎日新聞)

国際通貨基金(IMF)は22日、最新の世界経済見通しを発表した。

昨年秋の金融危機以降、世界規模で急激な景気悪化が続いていることを受けて、

世界全体の09年国内総生産(GDP)の実質成長率見通しを、今年1月の前回予測時の0.5%から1.8ポイント引き下げ、

マイナス1.3%と大幅に下方修正した。

世界のマイナス成長予測は、第=次世界大戦後では初めて。

日本については3.6ポイント引き下げてマイナス6.2%と予測し、見通しを示した対象国の中では引き下げ幅が最も大きかった。

日本以外にドイツもマイナス5.6%とマイナスの幅が大きく、

不況による世界的な生産・貿易の急縮小の影響が、輸出依存型の経済大国を直撃した形となった。

米国はマイナス2.8%、ユ-ロ圏もマイナス4.2%とそれぞれ大幅なマイナス成長を予想。

先進国全体では前回のマイナス2.0%から1.8ポイント引き下げられマイナス3.8%と予測された。

-方、新興国もロシアが5.3ポイントの大幅引き下げでマイナス6.0%と日本並みに落ち込むとされ、

中国が6.5%、インドも4.5%とそれぞれ成長率が鈍化する見通しとなった。

IMFは、10年については世界全体で1.9%、日本は0.5%とプラス成長への回復を予測しているが、

「見通しは前例がないほど不透明」との危機感も表明した。


記事3:貿易収支28年ぶり赤字…08年度長期金利上昇懸念も(4月23日0時9分配信毎日新聞)

08年度の貿易収支が7253億円の赤字となり、28年ぶりの貿易赤字に転落したことについて、

与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は22日、「国民も政府も深刻に受け止めなければならない数字だ」と語り、強い危機感を表明した。

赤字は、国内資産の海外への流出超を意味する。国の借金が約600兆円にのぼる深刻な財政赤字の中、

貿易収支も含めた経常収支が赤字になれば、米国と同じく「双子の赤字」となり、長期金利上昇など副作用も心配される。

07年度に10兆1553億円の黒字だった貿易収支が、わずか1年で赤字に転落したのは、

昨秋以降の世界同時不況が原因だ。米国の住宅バブルがはじけて消費が急激に冷え込み、米国向け輸出が急減。

急成長を続けていた中国などの新興国経済も減速し、世界中で「急激な貿易収縮」(アナリスト)が起きた。

貿易立国である日本でも昨年11月以降、輸出額、輸入額ともに前年同月比2ケタ減が続いた。

特に輸出額は年明け以降、前年同月比で毎月、ほぼ半減の状況が続いている。

ただ、今年3月は、鉄鋼や半導体などを中心に輸出の減少ペ-スが弱まり、2月に続いて2カ月連続で小幅な貿易黒字を計上。

改善の兆しも見える。しかし、国内メ-カ-は「在庫調整は進んでいるが、先行きを楽観できる状況ではない」(鉄鋼大手)、

「底は打ちつつあるがV字回復とはいかないだろう」(自動車大手)などと慎重な見方を崩さない。

貿易収支は赤字に転落したが、旅行などのサ-ビスや金融資産の利子・配当なども含めた経常収支は黒字を維持している。

ただ同収支の黒字は、過去の貿易黒字を元手に積み上げた金融資産が源泉。貿易赤字で資産の流出超が続けば、

経常収支も赤字に転落して、経済そのものへの信認低下につながる「双子の赤字」に陥りかねない。

クレディ・スイス証券の白川浩道エコノミストは、

「日本が、財政赤字が巨額でもなんとかやり繰りできたのは貿易収支が大きな黒字だったから。

貿易赤字が続けば国内から資金が流出し、金利高騰を招きかねない」と話している。


記事4:景気判断、5期連続の下方修正=1~3月期、10地域でも-財務局長会議(4月22日11時37分配信時事通信)

財務省は22日、全国財務局長会議を開き、1~3月期の地域経済情勢について報告を受けた。

判断を据え置いた北陸を除く10地域が「一段と悪化」などと下方修正した。

世界的な景気悪化を背景に、ほとんどの地域で企業の生産活動が低下。雇用情勢の悪化も目立った。

これを受けた全国の総括判断も「悪化し、厳しさを増している」と5期連続で下方修正した。

都道府県別でも43地域が判断を下方修正しており、地方経済の厳しさが浮き彫りとなった。


◆コメント:これだけ、景気の悪い話が並んでいれば、解説不要でしょう。

本当は、まだまだ、世界と日本の景気が悪化していることを伝える記事があるのだが、多すぎてキリがない。

記事1記事2はいずれもIMFの報告書である。つまり、世界経済に関する話。

IMFのサイトには、日本語も掲載されているので、原典を確認するといい。

新聞記事で知ったのでは「伝聞」に過ぎない。

まず、「世界の金融機関の有価証券評価損その他損失が2007年~2010年の累計で、4兆ドル(400兆円)になるだろう、

との話は、21日に発表されたGlobalFinancialStabilityReportの日本語訳、

国際金融安定性報告書(GFSR)2009年4月にある。
銀行のバランスシ-ト上の不良資産を完全に浄化し、リストラを進め、必要なら資本増強を行わなければ、銀行の問題が解決せず、実体経済を圧迫し続けるリスクが残る。いくつかの前提をおいているが、我々の試算では、米国内での貸出しに伴う危機開始以降2010年までの累積損失見込みは2兆7千億ドルと、2009年1月の改訂国際金融安定報告書(GFSR)で推計した2兆2千億ドルから拡大している。この増加の大部分は経済見通しの悪化に伴うものである。今回のGFSRでは損失見込みの推計対象を他の先進市場での融資に伴うものにまで拡大した。推計のベ-スとなるシナリオはより不確実な情報を含むが、推計では総損失は4兆ドルに達し、そのうち約三分の=が銀行部門の負担になるという結果が出ている。

の部分である。400兆円の損失が出ても、公的資金を注入して金融機関の資本を増強するか、国有化して潰さないようにすれば、

世界の金融システムがパニック状態になる「システミックリスク」は防止出来るが、あまりにも額が大きすぎて、我々の想像力の

範囲を超えている。だからピンと来ないが、まだまだ、金融危機が続くということで、下手をすれば、日本のメガバンクだって、

どうなるか分かったものではない(具体的な話ではない。論理的な一般論として書いている)。


◆IMF世界経済見通し(22日発表)

これは、同じくIMFのWorld Economic Outlook (WEO)の日本語訳、

世界経済見通し 2009年4月を読む。

世界経済は、大規模な金融危機と急激な信頼喪失を背景に、深刻な景気後退に陥っている。マイナス成長のペースは 2009年第2四半期以降、鈍化するとみられるが、 2009年全体では世界の生産は 1.3%のマイナス成長となり、 2010年は約 1.9%の小幅回復にとどまると予想される。この反転が実現するかは、金融緩和と財政支援によって引き続き需要をてこ入れするとともに、金融部門の回復に向けた取り組みを強化することにかかっている。

日本語訳では抜けているが、IMFの原語(英語)のトップページからリンクしている、

Global Economy Contracts, With Slow Recovery Next Year をちょっとだけ読んでいただきたいですね。

そこは、こういうフレーズで始まっている。
In the most severe recession since World War II,(戦後最悪の不況において)

IMF(International Monetary Fund=国際通貨基金)は国連の機関である。そのIMFが公式に、
「世界は、現在、第2次世界大戦後、最悪の不況の真っ直中にある」

と認めている。ということを覚えておいて頂きたい。


◆世界中が不況なのだから貿易赤字になるのも当然。

記事3では、貿易収支が28年ぶりに赤字になったことが書かれている。

貿易赤字とは、簡単に言えば、輸出した額よりも輸入した額の方が多かった、ということ。

つまり、外国にモノを輸出して、売って、稼いだカネよりも、外国からモノを輸入して(買って)、代金として払った金額の方が多かった、

ということである。

日本は、資源を輸入して、加工して製品にして、それを国内だけでなく、世界中に売って稼いで世界2位の経済大国になった。

しかし、リーマン・ブラザーズが破綻してから、誰もここまでは予想できなかったというほどの速さで世界全体の景気が悪化している。

世界中の庶民が所得が減って苦しい。従って、日本国内でも外国でもモノは売れない。日本の所為ではない。

100年に1度の金融危機が突如発生することなんか、後からなら何とでも言えるが、昨年9月15日(リーマン・ブラザーズが破綻した日)

以前に予想できていた人など、いない。


そういう状況だから、記事4に書いてあることも不思議は無い。

日本国内でも外国でもモノが売れないのだから、日本全国の製造業は業績が悪化する。当然の帰結である。

どうしようもない。政府の景気刺激策は、ピントハズレである。先日書いたが、国が財政支出を増やし、減税をして総需要を増やす

しか、道は無いと思うのだが、誰も本気でやらない。

永田町の政治家も霞ヶ関の役人達もどんなに不況になろうが、決して(議員は選挙に落ちたらお仕舞いだが)失業しない。

国民生活を懸念するようなことを言っても、自分が食うのに困らないから、所詮他人事(ひとごと)なのだろう。

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