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2009.04.14

「3月の企業物価指数2・2%下落 6年10カ月ぶりの大きさ」←結構、ヤバい状態なんですよ。

◆記事:3月の企業物価指数2・2%下落 6年10カ月ぶりの大きさ(共同通信)(2009/04/13 09:47)

日銀が13日発表した3月の国内企業物価指数(2005年=100、速報)は104・3と前年同月と比べて2・2%下落した。

下落率は2002年5月以来、6年10カ月ぶりの大きさで、3カ月連続で前年水準を割り込んだ。

世界的な景気後退を受けた需要減退が続いていることが主な要因。

消費低迷で消費者物価の下落圧力も強まっており、日本経済のデフレ懸念が一段と強まってきた。

企業物価指数は前月比でも0・2%下落し、金融危機が深刻化した08年9月以降、7カ月連続のマイナスとなった。

08年度の企業物価指数は前年度に比べて3・3%上昇の108・4で、年度前半までの原油価格高騰が全体を押し上げた。


◆企業物価指数というのは、消費者物価指数を先取りする傾向があるので、デフレ懸念が高まった、と言うことです。

企業物価指数の定義を読むと分かりにくいのですが、一応載せますと、

企業物価指数:企業間で取引される商品の価格変動を測定する指数。

原油や鉄鋼、各種部品など原材料や中間材が含まれるため商品の需給動向を反映しやすく、消費者物価の先行指標となる。

日銀が毎月公表している。上昇が長く続いていたが、原材料価格の下落と景気後退による需要減が重なり、

ことし1月に約5年ぶりに前年同月比マイナスに転じた。(共同通信)

ということになります。昔は、卸売物価指数と呼んでいたのですが(実際、このニュースを報じたフィナンシャル・タイムズは、

「企業物価指数」を“wholesale prices”と訳しています。

日本銀行の「企業物価指数」の解説というのも、全部読むとシチメンドクサイのですが、

要点だけを引用すると、
企業物価指数は、企業間で取引される財に関する物価の変動を、測定するものである。

となります。これが、共同通信が書いているように、去年9月(リーマン・ブラザーズが破綻した月ですね)から、7ヶ月連続で、

前月比マイナスとなっています。ちょっと見難いんですが、日本銀行の企業物価指数(3月) (PDF, 98KB)

を開いて、一番左の列を見て下さい。

2008年8月は「0.1」となっています。符合が付いていないのは「前月比プラス」の意味です。

ところが

2008年9月は、-0.6、

10月は-2.1、

11月は-1.8、

12月は-1.1。

今年に入ってからも、

1月は-1.2、

2月は-0.5、

そして、今日発表された3月の速報値(後で改訂されることがあります)は、-0.2。

7ヶ月連続前月比マイナスというのは、そういうことです。


さらに、劇的なのは、前年同月比ですね。1年前の同じ月と比べてどれぐらい企業物価指数が変化しているか。

これは左から3列目の()で囲まれた数字を見るのです。すると、2008年12月は(r0.9)。rはrevised(改定値)ということです。

とにかく、12月までは昨年1年間ずっと前年同月比プラスだったのですが、今年に入ってからは(rは略します)、

1月 -0.7

2月 -1.6、と来て、今日発表された数字は、
3月 -2.2 なのです。

その3列目、一番上まで見ても2006年までしか遡れませんが、-2.2なんてただの一度もない。

一般的に景気が後退すれば、物価が下がります。それは、まず、企業間の卸売り物価が下がって、それが、

消費者物価指数に反映してくるのです。消費者物価指数は、これまた面倒くさいのですが、日本銀行ではなくて、

総務相統計局が発表します。これは、Excelシートになっていて、日経の統計データ消費者物価指数

のほうが見やすい。一番左の指数そのものは、乱暴に言えばどうでも良いです。

左から2列目が、前月比です。ご覧の通り、昨年10月から、前月比マイナスになり、今年の2月分(3月27日に発表されました)まで

マイナスが続いています。しかし、左から3列目、前年同月比は辛うじて、最悪でもゼロでしょ?


しかし、企業物価指数の動向を見ていると、消費者物価指数がマイナスに転じるのも時間の問題ではないかということです。

物価の下落が続けば、デフレです。物価が下がれば、企業の収益は減りますから、コストを削減するために、人件費を削減し

(リストラや、給与・ボーナスを減らすのです)、それは家計を圧迫し、個人消費を減少させますから、ますますモノが売れず、

モノが売れなければ、需要・供給の法則に従い、物価はさらに下がる、という「デフレ・スパイラル」に陥りかねない。

日本だけが不景気なら、まだ何とか活路はあるのです。また、金融危機の恐れがなければ、企業はいざとなれば、従業員の給料を

支払うために、一時的に銀行からおカネを借りられる。


しかし、世界の金融危機は解消されておらず、3メガバンクは、全部最終赤字になるだろうと予想されています。

そりゃ、これだけ株価が急落して評価損が出て、急激な景気後退によって不良債権が増えているのだから、

赤字にもなるでしょう。与謝野財務・金融相ですら、それは仕方ないだろうということを、言っている。

金融庁のサイトに、先週金曜日の与謝野大臣の記者会見の質疑応答が載っています。

大臣記者会見概要(平成21年4月10日)です。これを読むと、分かります。

銀行も自分が赤字なので、うっかり貸せない。だから、収益が伸びず、資金繰りに困っている会社も銀行をあてに出来ない。

八方塞がりなのです。

というわけで、世間はどう言っているかというと、日銀は景気対策と言ったって政策金利は0.1パーセントだから、

これ以上金融緩和策を金利で実施するとしたら、ゼロ金利にするしかないですが、それで果たして問題が解決するのか。

日経の「マーケット総合」というページに毎日載る「大磯小磯」という比較的まともなことを主張するコラムがあります。

先週木曜日、このコラムでは、日銀は量的緩和に戻るしかないのではないか、ということを書いています。

今日の英国経済紙、フィナンシャル・タイムズは、Japanese wholesale prices in steep decline

という記事の中で、三菱UFJ証券の「日本銀行は量的緩和に踏み切らざるを得ないのではないか」というコメントを載せています。

FT自身、4月5日付の社説、Not time to pause(最早、躊躇している場合ではない)の中で、

非常にはっきりと、

It is time for Japan to return to formal quantitative easing.(日本は正式に量的緩和策に回帰すべきだ)

と書いています。私は、

2009年04月07日(火) 「政策金利の現状維持、全員一致で決定=日銀金融政策決定会合」←量的緩和を余儀なくされるかも知れない。ココログ

で書いたとおり、それらの意見に賛成です。

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