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2009.04.20

「タミフルと異常行動『因果関係否定できぬ』…厚労省研究班」←過去に二回、「タミフル、異常行動との関連みられず」と発表しましたよね?

記事1:タミフルと異常行動「因果関係否定できぬ」…厚労省研究班(4月19日3時6分配信 読売新聞)

インフルエンザ治療薬タミフルを服薬した10歳以上の子どもは、服薬しなかった子どもに比べ、

飛び降りなどの深刻な異常行動をとるリスクが1・54倍高いという分析結果が18日、

厚生労働省研究班(班長=広田良夫・大阪市大教授)の最終報告書で明らかになった。

「タミフルとの因果関係は否定できず、深刻な異常行動に絞った新たな研究を実施すべきだ」と指摘しており、

現在は原則中止している10歳代への使用再開は難しくなってきた。

最終報告書は近く、厚労省薬事・食品衛生審議会安全対策調査会に報告される。

別の検証作業では、「関連は見つからなかった」とする結論が出されており、同調査会では10歳代への使用をいつ再開するかが最大の焦点だった。


記事2:タミフル:異常行動との関係、認められず--調査結果 (2007.12.17 毎日新聞 東京朝刊)

インフルエンザ治療薬「タミフル」(一般名リン酸オセルタミビル)について、厚生労働省・安全対策調査会の作業部会は16日、

昨シーズンに発生した30歳以下のインフルエンザ患者の異常行動との因果関係は認められなかったとする調査結果をまとめた。

昨シーズン(昨冬から今春)にインフルエンザにかかり、飛び降りなど重度の異常行動を起こしたと医療機関から報告があった患者のうち、

30歳以下の137件について分析。このうち、タミフルの服用率は82例で6割だった。

また、10代の服用を原則中止した3月20日を境に、シーズン中の10代の異常行動に関する報告件数を比べた。

20日以前はタミフル服用「なし」が11件、「あり」40件に対し、21日以降は「なし」が16件、「あり」が2件だった。

21日以降の服用「あり」の報告数減少は、処方が制限された影響で、服用してもしなくても、異常行動は起こっていた。


記事3:タミフル、異常行動との関連みられず…動物実験で中間発表(2007年10月24日21時31分 読売新聞)

インフルエンザ治療薬「タミフル」と、服用した患者が起こす異常行動などとの因果関係について検討している厚生労働省の作業部会は24日、

輸入・発売元の中外製薬に指示した動物実験の結果について「異常行動と関連づけられるデータは今のところない」とする中間結果を発表した。

心不全などによる突然死についても「関係している可能性は低い」とする見解を示した。

脳に運ぶ物質を選別している「血液脳関門」と呼ばれる部分が未熟な若いラットを使った実験などは、結果がまだ出ていないため、

こうしたデータが出そろった後で、年内にも結論を下したいとしている。

同部会では、血液脳関門に、タミフルの薬効成分を通さないようにする仕組みがあることや、

通常の150倍の濃度の薬効成分を使っても、脳内たんぱく質に異常が見られなかったことが報告された。

また、米国での20万人以上を対象にしたタミフルと突然死に関する大規模調査の結果、「関連はない」と示唆する報告も提出された。

◆コメント:どちらかはっきりして下さいな。

ずらりと記事を並べたが、時系列的には記事1が最も新しく、記事3が最も古い。

全部、少しずつ研究の内容というか、研究の対象、発表の仕方が異なるので分かり難いが、

大雑把に言うと、記事2にあるとおり、2007年12月16日、厚労省・安全対策調査会の作業部会は、

30歳以下のインフルエンザ患者の異常行動との因果関係は認められなかったとする調査結果をまとめた

のです。

しかし、特に、タミフルと異常行動との因果関係が問題となるのは、10代の患者に関して、であった。

そこで、この時の報告で10代の患者に関しては何と書いているか、というと、
10代のタミフル服用を原則中止した、2007年3月20日の前後を比べて、タミフルを服用してもしなくても

同じぐらい異常行動が起きていたことが明らかになった

というのである。

これはインフルエンザはもともと薬を飲む飲まないに関わらず、インフルエンザ脳症を起こすことがあるからだろう。


2007年12月が最終報告で、その前の中間報告に関するのが記事3である。

この時点では、中外製薬にやらせた動物実験の結果、
異常行動と関連づけられるデータは今のところない

との結論を述べ、更に、
米国での20万人以上を対象にしたタミフルと突然死に関する大規模調査の結果、「関連はない」と示唆する報告も提出された

これ、ちょっとズレてますね。ピントが。米国の研究は「タミフルと突然死」の因果関係に関するもの。

タミフルと突然死の因果関係は無いことは判ったけど、突然死しなくても「異常行動」を起こした人がいるのかいないのか。

いるならば、それが起きる確率はいかほどなのか、が分からない。

厚労省の研究は「タミフルと異常行動との因果関係」の解明を目的としているのだから、

「突然死」を持ってきても意味がないでしょう。


◆2007年12月の報告は、どうなるのか説明していただきたいですね。

私は記事2を読んだ当時、「これで結論は出たな」と思ったのだが、

厚労省は、その後も研究を続けていたようである。

ということは、2007年12月16日、厚生労働省・安全対策調査会の作業部会の報告は、実は確信が無いけど、

とりあえず、国民の不安を鎮めるために発表したのであろうか。

そう考えざるを得ない。なぜその後も研究が続いて、正反対の結論が出るの?

あの発表は何だったのか、説明していただきたい。


◆いずれにしても、薬を飲まなくても飲んでも異常行動が発現する「確率」を教えてくれよ。

記事1で発表されている、最新の研究結果は、

タミフルを服薬した10歳以上の子どもは、服薬しなかった子どもに比べ、飛び降りなどの深刻な異常行動をとるリスクが1・54倍高い

が結論である。それは、分かった。しかし、これだけ発表されても意味を為さない。

どうして、新聞記者って、この類の問題に関して(だけではないが)これほどバカなのかね?

深刻な異常行動を起こした子供は、タミフルを服用した10代の子供全員のうち、何パーセントなのか。

これに関しては、私は約2年前に同じような記事を書いた。

「タミフル異常行動128人、10歳未満43人・厚労省まとめ 」←何度言ったら分かるんだ。ココログはこちら)。

詳細はそちらをご覧頂きたいが、私が、統計学的・数学的にはツッコミどころ満載だろうが、

2001年にタミフルが日本で使われ初めてから、タミフルを服用して異常行動を起こした人数と年間使用者(約300万人)から計算した結果、

異常行動の原因が全てタミフルにあった、と仮定しても、確率は、0.0007%。100万分の7であった。

正確ではないだろうが、少なくともタミフルを飲んで異常行動が生じるのは、10人に1人でも、100人に1人でもない。

100万人中7人である。

この確率をマスコミは伝えるべきである。非常に低い「異常行動」を恐れて、インフルエンザに感染・発症した患者が

タミフルを飲まない方が、社会にとって迷惑なのである。偶々昨日の日記で、愚息がインフルエンザに罹った話を書いたが、

あれは、B型で、大したことはない。強毒性の鳥インフルエンザに感染した場合、早くタミフルを飲んでくれないと、

そのウイルスが患者の体内で変異を起こし、ヒト-ヒト感染する「新型インフルエンザウイルス」になるかも知れない。

それが、世界中の公衆衛生当局者が恐れている最悪の事態なのである。

結論的に繰り返すならば、

タミフルと異常行動との因果関係は有るかも知れない。しかし、いずれにせよ非常に低い確率でしか起こらない。

タミフルの副作用の異常行動で、高いところから飛び降りて死ぬ可能性よりも、インフルエンザを治療しないことによって

死ぬ確率の方が(たとえ、それが鳥インフルエンザや新型インフルエンザでなくても)高いのである。

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