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2009.04.07

「オーケストラ運営火の車…減る一方の自治体助成・企業援助」←オーケストラは無くても困らないから潰すという無教養な発想。

◆オーケストラ運営火の車…減る一方の自治体助成・企業援助(2009年4月6日00時38分 読売新聞)

日本のオーケストラが〈冬の時代〉を迎えている。

文化振興の名目で支援してきた自治体が、財政難を理由に2009年度、次々に助成金をカットしているうえ、

世界不況の影響で、企業に「文化」への支援を控える動きが相次いでいるためだ。

各地のオーケストラで芸術への理解を求める声が強まっている。

1947年創立の大阪フィルハーモニー交響楽団(大阪市)は大阪市や経済界からの支援のほか、

08年度には大阪府から6300万円助成を受けていたが、橋下徹知事の財政再建路線で打ち切られた。

府はさらに、貸付金6000万円の返還を求め、楽団は計1億2300万円の支援を失った。

小野寺昭爾事務局長は「大変なピンチの年。貯金もなく、火の車状態」と危機感を募らせる。

府はまた、出資する財団が運営している大阪センチュリー交響楽団(大阪・豊中市)に対しても、

08年度に3億9000万円あった補助金を1億1000万円に減らした。同楽団は今年、創立20周年。

海外での記念コンサートなどを想定して積み立てた基金を取り崩さざるを得ない状況だ。

愛知県は、名古屋フィルハーモニー交響楽団(名古屋市)への事業補助金を08年度比850万円カット。

県の担当者は「他団体の補助も減らしており、特別扱いできない」と話す。

企業の支援も細る。日本フィルハーモニー交響楽団(東京・杉並区)は、これまでコンサートを協賛していた2社が撤退し、

協賛金計1000万円以上を失った。東京フィルハーモニー交響楽団(東京・新宿区)も

「昨年後半から、企業側から協賛の辞退などが相次ぎ、困っている」と悲鳴を上げている。


◆コメント:世の中が不景気で殺伐としているときこそ、芸術が大切なのだ。

「冬の時代を迎えている」って、今まで「春」でも「夏」でもなかったのである。

西洋音楽の本場ですら、オーケストラは自治体や企業の援助で成り立っている。オーケストラは元来そういう運命にある。

本物の芸術は大衆の理解を得にくい。儲からないのが当たり前。そこを保持するか否かで、国家や自治体の教養が問われる。


自治体や企業からの援助がカットされている、ということは今までポーズで援助していた、という事だ。

自治体の「文化事業担当者」も企業の「社会貢献室」の担当者も「観念的に」理解していただけなのだろう。

つまり、「芸術に理解を示しているフリ」をしていただけなのだろう。


橋下知事は大阪センチュリーだけじゃなくて大フィルへの援助も打ち切ったのか。無教養な奴だ。

橋下知事も、役人も企業の担当者も、多分、オーケストラなど聴いたことがない。音楽を聴いて感動したこと無いから、

簡単に援助を打ち切る、又は減額するというのであろう。それを決める前に、とにかくオーケストラを聴いてご覧なさい。

それなりの感受性があれば、オーケストラという貴重な文化的財産を鶴の一声で潰して良いかどうか分かるだろう。

分からない奴は、バカだ。


この連中は、安永徹さんが、ベルリン・フィル(も知らないだろう)のコンサート・マスター(も知らないだろう)を25年務め、

先日退団したことなど、勿論知らないだろうし、独政府から勲章を授与されたことも知らないのだろう。

芸術の価値を理解出来ないのである。

前にも引用したが、せめて漱石の草枕の冒頭を読んでみるが良い。

山路を登りながら、こう考えた。

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。

人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。

ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。

人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。

越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容て、

束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。

ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降る。

あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。

住みにくき世から、住みにくき煩いを引き抜いて、

ありがたい世界をまのあたりに写すのが詩である、画である。あるは音楽と彫刻である。

今は、世界同時不況のまっただ中で、ただでさえ「棲みにくい」世の中が一層棲みにくくなっているときである。

こういう時に、直接、景気回復に役に立たないどころか、カネがかかるから、という理由でオーケストラへの助成金を

無くしたり、削減したり、「オーケストラなど、要らない」という発想に傾く橋下知事、その他、政治家や役人は、

「草枕」を読んだこともなければ、音楽を聴いたこともないのだろう。気の毒な人たちだ。


もう一度書く。オーケストラが、芸術が、直接、生活に必要でないからと言って、潰してしまっていいものか。

それを判断する前に、とにかく、オーケストラを聴いてごらんなさい。

それでも、何も感じないなら、そんな鈍感な感受性の乏しい奴は、所詮、人情も分からないバカだろう。

さっさと辞めるが良い。

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