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2009.05.21

「東京、神奈川でも感染確認=同じ高校の女子生徒2人-新型インフル」←「マスクで万全」じゃないですよ。

記事1:東京、神奈川でも感染確認=同じ高校の女子生徒2人-新型インフル(5月21日0時28分配信 時事通信)

東京都と川崎市は20日、川崎市の同じ高校に通う女子生徒2人が新型インフルエンザに感染したと発表した。

19日にほかの同級生4人とともに米ニューヨークから帰国。

現地で2人は同室に滞在していた。都などは帰国後の接触者調査を進めている。

感染者の確認は首都圏では初めてで、成田空港の検疫を除き、大阪、兵庫、滋賀、東京、神奈川の5都府県に広がった。

東京都は学校や保育所の休校措置は取らず、集会の自粛要請もしない方針。

都や市などによると、感染が確認されたのは八王子市と川崎市に住み、私立洗足学園高校(川崎市高津区)に通う

2年生の女子生徒2人=いずれも(16)=。11日から18日まで、「模擬国連」に出席するため、

ほかの同級生4人とともに、ニューヨークに滞在していた。


◆記事2:八王子の女子生徒の足取り(NHK 05月21日00時27分)

八王子市保健所によりますと、新型インフルエンザの感染が確認された八王子市の女子生徒は、

19日午後2時すぎにアメリカから成田空港に帰国しました。

成田空港からはバスに乗って東京・多摩市の多摩センター駅に行き、そこで京王相模原線に乗って橋本駅に向かったあと、

JRに乗り換えて、夜、八王子市内の自宅に到着したということです。空港を出て帰宅する間、

女子生徒はマスクを着用していて、自宅に戻ったあとは外に出ていないということです。

機内検疫の際には39度あった熱は、帰宅後、いったん37度7分まで下がったということですが、

未明になって熱が40度3分まで上がったため、20日午前10時ごろになって母親が八王子市保健所に連絡しました。

保健所は生徒の自宅に車に迎えに行き、その車で午前11時半ごろ、八王子市内の指定医療機関に到着したということです。


記事3:新型インフル 「季節性と変わらず」厚労相、新たな対策へ(5月18日21時38分配信 毎日新聞)

舛添要一厚生労働相は18日会見し、新型インフルエンザについて

「感染力や病原性などは季節性インフルエンザと変わらないとの評価が可能」と述べ、感染者の入院措置を緩和するなど、

新たな対策に切り替える方針を表明した。「全国でまん延している可能性がある」との認識も示し、

今週内に国の行動計画を第3段階(感染拡大期、まん延期)へ移行する可能性があることも明らかにした。

政府対策本部は、水際阻止以外の国内初感染が確認された16日、市町村単位を原則とする学校の休校要請や、

医療体制の整備促進などの対応策を示した。その後、感染が急拡大し、

兵庫県と大阪府が全域で中高校の1週間休校を決めるなど市民生活への影響が広がるとともに、

患者を入院させる感染症指定医療機関の病床が不足する恐れも出ている。

これを受け舛添氏は「季節性インフルエンザと同様の対応にしないと、都市機能がまひするとの(地元の)意見を踏まえて運用したい」

と述べ、弱毒性であることを考慮した対策への切り替えが必要との認識を示した。


◆記事4:「季節性と同じでない」=成人に重症例、死者も-感染拡大続く・押谷東北大教授(5月20日20時3分配信 時事通信)

世界保健機関(WHO)の新型インフルエンザ対策に携わる押谷仁東北大教授が20日、東京都内で講演し、

「通常の季節性インフルエンザと同様と言われるが、被害は全く違う形で出てくる。

想定される被害にどう対処するか、真剣に考える必要がある」と警告した。

押谷教授によると、ほとんどの感染者は軽症だが、5歳以下と20-50代を中心に重症、死亡例があり、高齢者では少ない。

持病のある人や発症後の治療が手遅れだった人以外に、一部の健康な成人も重症のウイルス性肺炎を起こしており、

「こうなると先進国でも治療が難しい」という。

その頻度が低いため、「100人、200人規模では分からないが、10万、20万になれば見えてくる」と同教授。

季節性インフルエンザによる死者の多くは高齢者か重い疾患のある人で、

「今回のは全く違う。ウイルスが直接死因になっている」とする。

重症者は集中治療室(ICU)での管理が必要だが、

「効率化で削減され、ICUがない地方もある。都会でも不足している」と日本の医療の弱点を挙げ、

被害が拡大する恐れがあるとした。


◆記事5:新型インフル死者数、世界で84人 鳥インフルの年間最多上回る(NIKKEI NET)(15:05)

豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザによる死者数が19日(日本時間20日)にメキシコで4人、

米国で2人増え、世界全体で84人になった。強毒型の鳥インフルエンザ(H5N1型)の年間死者数は、

世界保健機関(WHO)によると、最も多かった2006年で79人で、新型インフルエンザが上回った。

日本時間20日午後1時時点の世界の感染者数は1万373人(米国は感染の疑いが濃厚な人を含む)となった。

新型インフルエンザで死者が出ている国はメキシコ(74人)、米国(8人)、カナダ(1人)、コスタリカ(1人)の4カ国。

米国では19日、ミズーリ州の40代の男性、アリゾナ州で1人の死亡を連邦・州政府の保健当局が確認した。

メキシコ保健省の同日の発表によると、メキシコの死者の13%が20歳未満の若年層だった。

米保健当局の疾病対策センター(CDC)も「極めて異常なことに20歳以下で入院が必要な人が多い」と指摘、関連性を注視している。


◆コメント:あまり甘く見ない方がいいですね。

舛添厚労相もいい加減だな。WHOが4月17日にパンデミック・アラートをフェーズ3からフェーズ4に

引き上げたときは、早朝から記者会見して、「万全を期す」といっていたのに、記事3の発言は何ですか。

要するに新型インフルエンザの患者数が加速度的に増えて、特に神戸では「感染症指定医療機関」のベッド数が不足しつつある。

だから、新型インフルは大したことない。季節性インフルと同様に扱うことにする、という論理。

なんですか?それは?

記事4と記事5で明らかなとおり、専門家は「決して季節性インフルエンザと同じではない」と述べているし、

なんと弱毒性、弱毒性とすこしみんながたるみ始めたところ、気が付いたら、今回のインフルエンザによる死者数は、

84人で、強毒性の鳥インフルの死者が最多だった2006年の79人を既に上回っている。

健康な人でも死亡例がある、という。

政治家と役人がすこし、ナメていたら、今夜いきなり、記事1のとおり、東京と川崎の女子高生に

確定感染が出た。二人とも同じ川崎の高校に通っているという。

多分、明日(既に日付が変わっているから、今日、21日)以降、同じ学校で新たな感染者が確認され、

その家族、その家族の勤め先、という具合に2次感染が始まっていて、まだ症状が出ていないだけで、

首都圏の感染者は、既に100人単位、1,000人単位で有っても不思議はない。

一旦、東京で感染が拡大したら、何しろ人口密度がすごいから、その速さは近畿地区を越えるだろう。

新型インフルエンザウイルスに対しては、誰も免疫を持っていない。ワクチンの量産体制は7月まで出来ない、という話がある。

◆新型ワクチン量産、7月半ば以降=製薬各社に途上国支援訴え-WHO(5月19日19時21分配信 時事通信)

世界保健機関(WHO)は19日、新型インフルエンザワクチンの大量生産の開始時期が7月半ば以降になるとの見通しを明らかにした。

WHOなどは現在、ワクチン開発の準備作業を進めており、当初は月内にワクチン開発に必要な素材を製薬会社に提供する予定だったが、

現時点では6月にずれ込む見込みとなっている。

つまり、予防接種による、感染予防は当分、期待出来ない。

ワクチンが開発された頃には、感染拡大が収まっていた、などという皮肉な結果になりそうだ。

予防する手段は、本当はタミフルやリレンザを飲んでおく、という方法があるのだが、

予防に抗ウイルス薬を景気よく使ってしまうと、季節性インフルが流行する季節に不足する恐れがある。

但し、新型インフルエンザの患者の治療・看護にあたる医療従事者が感染して診療出来なくなったら困るので、

これらの人々には抗ウイルス薬の予防的処方が必要だろう。


◆マスクを着用すれば大丈夫、と言うわけではない。

近畿だけでなく、昨日あたりから東京ではマスクが入手できず、オークションで10倍の値段で売買されているそうだが、

マスクをしていれば安全というわけではない。感染した人がくしゃみをしたときに、

飛沫を飛ばさないようにマスクを着けるのは、理屈が通るが、予防的には、あまり意味がない。

ウイルスの直径は0.1ミクロン(1ミクロン=1,000分の1mm)。医療用のN95マスクですら、捕捉粒子は0.3ミクロン以上。

ウィルスを含む気道からの飛沫物質は0.3ミクロンだから、患者を治療・看護する人が患者の飛沫を吸入しないようにするには有効だが、

飛沫粒子の水分が空気中で蒸発した場合、乾燥して小さくなったウイルスが空気中に浮遊すると、0.1ミクロンだから、

N95マスクですら捕捉できない。

危ないのは、感染した(と認識していない)人がくしゃみをしたら、その粒子が色々な所に付着する。

その場所を手で触って、ウイルスが付着した手を口元に持っていくと感染する、という「飛沫感染」である。

ウイルスそのものを吸い込む事よりも、この経路で感染するから、手を良く洗いなさい、と言うわけである。

また、インフルエンザ・ウイルスは消毒用エタノールで非活性化できるから、手指消毒用エタノールスプレーを

携行した方が現実的である。エタノールが無くても正しく手を洗えば、かなり飛沫感染を防ぐことができる。

正しい手の洗い方は、厚労省がYouTubeにチャンネルを持っていて、

私たちにもできる新型インフルエンザの身近な予防策(←クリックすると動画再生が始まる)

で、説明している。


◆感染しても罪悪感を持たないこと、持たせないこと。

最初、寝屋川市の高校生がカナダで感染して帰国したとき、学校や市役所にすごい数の嫌がらせがあった、

という話はちょうど10日前に、

「<新型インフル>個室に10日間「停留」会話は内線・携帯で」←もう少し隔離された患者のことも考えてやったらどうです?ココログ)で書いた。

新型インフルエンザの患者は、改めて書くまでもなく、「病人」であり、「罪人」ではない。

これだけ、感染が広まれば、極端に言えば日本人誰もが感染の危険に晒されている。

感染症なのだから、治るまで学校や会社に行ってはいけない。学校や会社は、感染者を差別的に扱うべきではない。

治るまで、気にしないでゆっくり休め、と言うべきである。そうしないと、そこら中感染者だらけになって、

社会全体としての活動が停止してしまう。

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コメント

てんけいさん、いつも、コメントをありがとうございます。。

今回のインフルエンザへの対応、何しろ、世界各国初めてのことなので、

最善策が分からないですね。

日本を含む各国政府は、強毒性インフルN1H5型ウイルスのパンデミックが起きた時のことを

想定して、対策シナリオを想定し、最初はその通りにやったら、確定感染が思いの他増えてしまい、

しかし、本当は弱毒性だと。ところが「シナリオ」だと感染病対策病院でしか診てはいけない、

ということだったので、感染症指定病院の職員は過労死寸前。

ですから、確かに政府・厚労省が、「弾力的に」運営しようとするのは妥当なのかも知れませんね。

ただ、舛添厚労相の「新型インフルは季節性と同じ」という発言はミス・リーディングで、

今回の豚インフルから変異したウイルスが引き起こす症状は既存のAソ連型H1N1と同じですが、

感染力は強く、免疫を持った人はいない。1957年以前生まれの人は免疫が有るかも、との「仮説」を

CDCが発表しましたが、まだ「仮説」の域を出ていません。

病的に怖がることはなさそうですが、あまり早い時期に国民に「心配なし」の太鼓判を押すのも

ちょっと危険な気がするのです。

「落としどころ」がよく分からない。政府も国民もやりにくいですね。

投稿: JIRO | 2009.05.24 18:43

JIROさんへ こんばんは。

さて、神戸の状況ですが、ちょこっと拙ブログに記しましたが、
概ね「冷静」ともいえるし、別の面から見れば、「大騒ぎ」状態ともいえましょうし、
どうなのかなあ。

このことは、そのまま、今回の「新型インフル」の性質を反映しているのかも
しれません。
「弱毒性」かもしれないが、「免疫を有する人は誰もいない」という、決定的事実。

厚労省の言い分も、分からずではありません、
現場の医療従事者、また保健所窓口は、既に不眠不休です。
「『発熱相談センター』を開設し、電話は24時間体制で受け付けろ」と、
通達の紙切れ1枚で言われても、厚労省の役人に、現場の状態など、分かるまい。

「医師不足」は、ここ何年か、ずっと、言われてきたことではないか。
おまけに、神戸では、休校・休所にともない、幼児・児童たちが、
自宅待機になったため、看護士である母親が、職場である病院に
出勤できない,という皮肉。

知り合いは、腰椎ヘルニアで手術を前提に、再入院しましたが、病院のほうから、
「オペは延期」と言われたとか。(理由の詳細は未だ不明ですが)

なんだか、わけの分からぬグチばかりになってしまい、スミマセン。

それでも、「Happy Birthday」の歌を歌いながら、手洗いしている児童の様子を
想像すると、少しは穏やかな気分にもなるというものです。
この子たちの未来のためにも、われわれは、責任ある行動を採らないといけない
のですが。

JIROさん、みなさんも、どうかお気をつけられますよう。失礼しました。

投稿: てんけい | 2009.05.21 19:37

あつし様、コメントをありがとうございます。

>ちょっと思ったのは、将来起こるであろう強毒性の、H5N1型鳥インフルエンザパンデミックに対する
>いい教訓になるのではないかな?ということです。

おっしゃるとおりですね。不謹慎な表現かも知れませんが、強毒性ウイルスによるパンデミックの
「予行演習」的な効果はあると思います。

今回の弱毒性ですら、かなりの社会的不安を引き起こしており、あつし様がご指摘のように、
感染症指定病院、病床数、重症患者に対応できる医療機関の不足が明らかになったのですから、

これを教訓として、万が一強毒性H1N5型によるパンデミックが起きたときに備えて、体制を整備する
機会になることを、期待します。

同時に、私がやや不安に感じたのは、「大衆心理」で、「フェーズ5といってもこの程度か」、という気分になってしまわないかと。
ご承知の通り、パンデミック・アラートのフェーズは地理的広がりだけで決められており、症状の重さが全然要素になっていない
ことが、WHOでも問題視されているようです。

強毒性ウイルスによるパンデミックが起きたときに、今回と同様に「どうせ、軽症だろ?」と、一般市民が、
感染症の危険を過小評価することにならないか、というのが、若干不安です。

投稿: JIRO | 2009.05.21 19:18

新型インフルエンザ、ウィルスが直接の死因となっているとのことですから油断はできないのですが、ちょっと思ったのは、将来起こるであろう強毒性の、H5N1型鳥インフルエンザパンデミックに対するいい教訓になるのではないかな? ということです。弱毒性のウィルスと言われていますが、それでも以下のような問題が明らかになってきています。

>患者を入院させる感染症指定医療機関の病床が不足する恐れも出ている。

>要するに新型インフルエンザの患者数が加速度的に増えて、特に神戸では「感染症指定医療機関」のベッド数が不足しつつある

>重症者は集中治療室(ICU)での管理が必要だが、「効率化で削減され、ICUがない地方もある。都会でも不足している」

東京と川崎の感染例では、水際での封じ込めにも限界があることがわかり、ワクチンの製造も7月半ばにずれ込むといった問題もでてきています。今回のインフルエンザがもし、強毒性の鳥インフルエンザだったらと思うとゾッとします。ですからこれらの教訓を、将来起こるであろう強毒性の鳥インフルエンザパンデミック対策に役立つのではないかな? と思った次第です。

投稿: あつし | 2009.05.21 16:36

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