「自殺者、2カ月連続3000人=1日平均、初の100人超-警察庁」←毎月自殺者数を一般に公表するのは如何なものか。
◆記事:自殺者、2カ月連続3000人=1日平均、初の100人超-警察庁(5月27日19時8分配信 時事通信)
4月の自殺者は昨年同月比6.1%増の3027人で、2カ月連続で3000人を超えたことが27日、警察庁のまとめ(速報値)で分かった。
1カ月に3000人以上自殺したのは、昨年は10月だけだったが、今年は早くも上回った。
1日平均の自殺者は100.9人で、月別の統計を取り始めた昨年1月以降初めて100人を超えた。
同年12月の約81人から5カ月連続で増えており、歯止めが掛かっていない。
1~4月の累計は1万1236人。11年連続で3万人を超えた昨年同期より493人(4.6%)増えており、今年も3万人を上回る勢いだ。
4月の自殺者のうち男性は昨年同期比6.5%増の2156人、女性は4.9%増の871人。
◆コメント:警察庁が毎月自殺者数を発表することを決めた際、私は反対意見を書きました。
警察庁が毎月の自殺者数を公表する、と決定したのは今年の2月で、私はそれに対して反対である、という記事を書いた。
2009年02月17日(火) 「景気悪化で月別の自殺者数公表」←毎月公表することに自殺抑止効果があるだろうか。(ココログ)
これを読んで頂くと分かるが、警察庁が毎月、前月の自殺者数を一般に公表することを決定したのは、自殺抑止効果を期待した為である。
まだ、3月分、4月分と二回しか、月例発表は行っていないから、はっきりとした傾向や因果関係は不明だが、
とにかく、発表を始めてから、2ヶ月連続で自殺者数は月間3,000人を超えたのである。
◆「WHO による自殺予防の手引き」の「マスメディアのための手引き」には「してはならないこと」として「自殺方法を詳しく報道する」ことが挙げられている。
前回の記事を書いた後、記事を読んだ方からトラックバックを頂いたが、
その方の記事、自殺者数を頻繁に公表することの危険性を読み、大変貴重な資料の存在を知った。
政府の自殺対策サイトに掲載されている、WHO による自殺予防の手引きである。
少し話がそれる。私は以前から、昨年ならば硫化水素自殺、それ以前には中学生のイジメを苦にした自殺、
2002年~2003年にかけて多発した、「ネットで知り合った者同士が、クルマの中で練炭を焚いて一酸化炭素中毒で自殺などは、
マスメディアが、自殺方法を具体的に報じたことが、元々希死念慮(自殺願望)を持っていた人が、行動を起こすトリガーになったのではないか、
ということを何度も書いた。
2003年05月24日(土) 「集団自殺」と「通り魔」は報道しない方がよいのではないか。(この当時はエンピツのみ。)
2006年11月15日(水) 「小中学生の自殺連鎖止まらず」←お前ら(マスコミ)がいちいち報道するのも一因だぞ。(ココログ)
2006年12月25日(月) 「いじめ自殺報道」が「自殺連鎖」を誘発した可能性あり。専門家の指摘←私は、先月同じ事を書きました。(ココログ)
2008年05月11日(日) 「<硫化水素自殺>ホテル客が浴室で 従業員も病院搬送 東京」←手段だけが騒がれ、自殺の動機を誰も問題視しない。(ココログ)
2009年01月19日(月) 「ネットいじめ中3女子自殺か、遺書に同級生の名挙げ『復讐』」←報道による連鎖の怖れ。(ココログ)
私は、恥ずかしながら「WHO による自殺予防の手引き」の存在を2月に記事を書いてTBを頂くまで知らなかったが、
この文書には【マスメディアのための手引き】という項目があり、「マスメディアがしてはならないこと」として、
真っ先に挙げているのは、
特に有名人が自殺した場合には、自殺を過度にセンセーショナルに報道すべきではない。
自殺手段やその入手方法を詳しく報道するのは避ける。
である。
何年も前から私が主張していたことが、正にWHOの指針と一致している。こんな事は自慢するようなことでない。それぐらいは承知している。
ただ、市井の一般人に過ぎない私が何度書いても信頼性に欠けるが、WHOも同じ事を書いている事実をご紹介したかったのである。
◆警察庁が発表しているのは「自殺者数」であって「自殺方法」については書かれていないが、やはり危険だと思う。
警察庁の月例発表は、自殺者「数」であり、自殺手段に関して記述はない。しかし、私はそれでも危険だと思う。
自殺者数の公表は4月27日に1回目が行われ、今日(5月27日)、2回目の発表があっただけだから、
まだ、何ともいえないが、発表だけならまだしも、それを取りあげるマスコミ(転載したのは時事通信社の記事だが)の
スタンスがどうしても、センセーショナリズムに偏る。それが危険なのだ。具体的には、
4月の自殺者は昨年同月比6.1%増の3027人で、2カ月連続で3000人を超えた
とか、
1日平均の自殺者は100.9人で、月別の統計を取り始めた昨年1月以降初めて100人を超えた。
という書き方である。
私は遷延性うつ病患者だから分かるが、うつ病患者は症状の重い軽い、急性期か回復期か、慢性化したものか、
いずれにしても、程度の差こそあれ、心の何処かに「希死念慮」(自殺願望)がある。
私のように長期化するとそれは多分無意識下に抑圧されているが、決して消えてはいない。
自殺者が2ヶ月連続で月間3,000人を超え、それは即ち単純に日割り計算すると1日あたり100人を超えたとうことだ
という事実は、健康な人が読めば、「ふーん」で終わりであろうが、多少なりとも希死念慮を持つ者に対しては
危険な情報になりうる。それだけ自殺者が増えているということは、自殺が決して珍しい行為ではないことを示唆し、
自殺に対する、恐怖感・罪悪感を希薄にする。背景に自殺者が増加しているという状況があると、ふとしたことがきっかけで、
抑圧されていた希死念慮が、一挙に意識に戻り、実際の行動として、新たな自殺者を生ぜしめる遠因に成り得る。
これは、完全に私の憶測だが、大新聞もNHKも民放テレビ局の社会部記者、デスクは、WHO による自殺予防の手引きを
知らないに違いない。知っていれば、硫化水素自殺の詳細をあれほどしつこく報道しなかったであろう。
素人の私ですら知っている(教えて頂いたのだが)。
マスコミ各社は、プロのくせに勉強不足である。
同時に警察庁には、自殺者数の毎月公表は今のところ、自殺抑止力として作用していないことを指摘し、再検討を促したい。
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