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2009.05.11

首相へのメール「麻生太郎内閣総理大臣。世界一のオーケストラのコンサートマスターを25年務めた日本人がいることを御存知ですか。」

◆きっかけとなった出来事は「森光子 国民栄誉賞」です。

それが、別にいけない、という理由はないのですけれど。

◆記事:<森光子さん>国民栄誉賞受賞へ 17人目(5月11日19時34分配信 毎日新聞)

河村建夫官房長官は11日の記者会見で、女優の森光子さん(89)に国民栄誉賞を授与すると発表した。

今月下旬に正式決定する。森さんは9日、主演する舞台「放浪記」(菊田一夫作、三木のり平潤色・演出、北村文典演出)で、

上演回数2000回を達成した。

授与理由について河村長官は「2000回の大変な金字塔を立て、他人ではまねができない大事業、

前人未到の業績だ。麻生太郎首相も国民栄誉賞に十分値すると判断した」と述べた。(注:以下、略)

森光子さんに国民栄誉賞ねえ。まあ、大衆の支持を得る為にはこの方が「効果的」だろうが、

私は黙っていられなくなった。ベルリン・フィルのコンサート・マスターを25年務めた安永徹さんは、

独政府から、「独功労勲章・功労十字小綬章」を授与された。

つい先日、5月5日、首相は訪独し、メルケル独首相と首脳会談を行った。

その後の記者会見の一問一答は首相官邸ホームページに載っているが、

ベルリン・フィルの「ベ」の字も安永徹さんの「や」の字も出てこない。


独政府側から何も言わないのは、
「貴方の国の音楽家に先日、勲章を授与したのですが?」

と言ったら恩着せがましくなり、かつその事実を知らなかった麻生首相に恥をかかせることになるからである。

これは、日本人として、又、日本国として、恥ずかしい。

そこで私は、首相官邸の「ご意見フォーム」にメッセージを書いた。私の実名は伏せるが、全文をここに載せる。


◆首相宛メッセージ:「麻生太郎内閣総理大臣。世界一のオーケストラのコンサートマスターを25年務めた日本人がいることを御存知ですか。」

麻生太郎内閣総理大臣殿

私は、東京都○○区に住む、○○○○と申します。48歳で妻と1人の息子がいる平凡な音楽好きのサラリーマンです。

本日11日、官房長官が記者会見で女優の森光子さんに「国民栄誉賞」を授与なさるとの発表に接しました。

森光子さんの女優としての業績は無論、偉大であります。



しかしながら、総理は、ドイツのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団という世界一のオーケストラで、

第一コンサートマスターを25年もの長きにわたり務めあげ、ドイツ政府から勲章(「独功労勲章・功労十字小綬章」)まで授与された、

日本人ヴァイオリニスト、安永徹さんを御存知でしょうか。



ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とは、故・ヘルベルト・フォン・カラヤンが長く音楽監督を務めていた、

紛れもなく世界超一流の管弦楽団です。そのコンサートマスターになる、ということが如何に大変か。

これは大変僭越ではございますが、私の個人的な「ブログ」に書いた文章をお読みいただいた方が早いと存じます。

2009.02.05

「ベルリンフィルコンサートマスター 安永さんが退団へ」←ものすごいショックですが、安永さん、長い間お疲れ様でした。

http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2009/02/post-6dfe.html



2009.02.22

「安永さんベルリン・フィルと別れ コンサートマスター25年」←、せ、先週終わってたの?/安永さんがコンマスになった頃の対談。

http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2009/02/post-4029.html



2009.02.28

「ベルリン・フィルの安永徹さん、独政府が勲章授与」←安永さんは勲章が欲しくて音楽家になったのではない。しかし、私は嬉しい。

http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2009/02/post-2a24.html



総理が音楽をお聴きになるかどうかは存じ上げませんが、この、伝統ある、由緒正しい、

世界一のオーケストラの入団オーディションに合格する、ということだけでも、大変なことなのです。

そして、コンサート・マスターになるためには、また別のオーディションに合格し、それから1年半の試用期間を経て、

更にドイツ人の楽員達が話し合い、3分の2以上の賛成を得られなければなりません。



コンサート・マスターはヴァイオリンの首席奏者であるだけではなく、弦楽器群の総リーダーであり、

さらに全オーケストラと指揮者の意思疎通を円滑にする重責を担っています。

極端に言えば、指揮者が少々下手でもコンサート・マスターが一流ならば、オーケストラはコンサート・マスターを見て演奏します。

安永さんはその重責を四半世紀にわたり続けてこられた方で、日本の誇りと言っても決して過言ではありません。

安永徹さんご本人は、あくまで、真摯で謙虚な方なので、勲章とか国民栄誉賞を欲しておられないでしょうが、

これを日本政府が「知らない」のは、問題だと存じます。



安永徹さんは、3月31日付で退団なさいました。

先日、総理は訪独され、メルケル首相と会談なさったそうですが、大変失礼ながら、

彼の国が日本人音楽家の功績を讃え勲章を与えて下さったことに対して、日本政府として返礼はなさっていないのではないでしょうか?



外交儀礼上の問題に関してはかつて外相をお務めになった麻生総理の方がお詳しいでしょうから、

私は何とも申せませんが、少なくとも文化的見地から、日本政府がこの件を全く認識していない、ということは、

はっきり書かせていただきますが、甚だ無教養、非文化的であると存じます。独政府がそう感じても不思議はない、と思います。



森光子さんを讃えるな、とは申しませんが、総理の御著書「とてつもない日本」にまさに当てはまる、

「とてつもない」偉業を成し遂げた日本人音楽家の存在を、麻生太郎内閣総理大臣に知っていただきたく、

一筆差し上げた次第でございます。



甚だ、突然かつ非礼な言辞を弄し、また、乱文かつ長文になったことをお詫びいたしますが、

このメッセージが麻生太郎内閣総理大臣に届くことを願って止みません。

失礼申し上げました。

平成21年5月11日 ○○○○

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コメント

seikoさん、こんにちは。コメントをありがとうございます。

ご賛同頂き、ありがとうございます。同じ事を思っている人は他にもいるでしょうが、
日本の政治家に、「ベルリン・フィルとは何か」「コンサート・マスターとは何か」をいくら説明しても
所詮無駄だろう、と思ってしまいますよね。私も思ったのですが、どうしても書かざるを得ませんでした。

国民栄誉賞はおっしゃるとおり、大衆の人気取りの為に政治家が考えそうな「賞」で、最初の受賞者は
「福田赳夫総理」時代の「王貞治選手」でした。

seikoさんがおっしゃるとおり、王さんや、森さん、イチロー選手になんら悪意はありませんが、
安永さんを一緒にして欲しくはないです。

>安永さんには『文化勲章』を天皇陛下から授与されることを願っています。

全くその通りです。それこそが相応しい。安永さんはそんなもの要らないでしょうけど。

投稿: JIRO | 2009.05.14 03:05

こんにちは。私も総理大臣とマスコミに物申したい!!と思い悶々としていたところです。ドイツ政府の安永さんへの勲章授与にくらべ、日本政府のやることは・・・森光子さんには申し訳ないですが毎回同じ公演を国内で2000回続けるのと、内容の違う演奏で世界中の芸術愛好家を満足させるのとでは比べものになりませんよね。イチローも2回候補になりましたし(辞退していますが)、イチローさんにも申し訳ないですが、国民栄誉賞というのはその程度の賞なのかもしれませんね。安永さんには『文化勲章』を天皇陛下から授与されることを願っています。

投稿: seiko | 2009.05.13 01:08

あつし様、いつもコメントをありがとうございます。

私もあつし様と同じように考えております。

私は、安永徹さんに国民栄誉賞を贈って欲しい、と内閣総理大臣に頼んだつもりではなく、
ただ、「これだけの偉業を成し遂げた日本人芸術家がいることを、日本政府が認識していないのは、
いくら何でも恥ずかしいですよ」、というメッセージを送りたかったのです(首相本人が読む可能性は低いと知りつつ)。

あつし様がおっしゃるとおりで、安永徹のお人柄とこれまでのエピソードからして、たとえ政府が国民栄誉賞を
提案しても辞退なさるのではないか、と思います。

私もこのメッセージを書くにあたり、麻生さんは比較的その辺はマシな方だと思いますが、政治家は狡いですから、
今度は急に安永さんを持ち上げて、「日独親善大使」の肩書きなどを与えたら、折角、ご自分の演りたい音楽に専念できる、
と思っておられる安永さんのご迷惑になるのではないか、と考え、少々迷いました。

がやはり、日独首脳会談で全くこの話が出なかったことが分かり、誰かが首相(政府)に認識させるべきだと思った次第です。
願わくば、首相官邸の事務方が、多少なりとも「文化」に理解がある人物で、このメールを首相に見せて欲しいと思っております。

投稿: JIRO | 2009.05.12 18:06

こんにちは。安永徹さんの国民栄誉賞、私も森光子さんのニュースを聞いたとき、安永徹さんも受賞の資格が充分あるのに、と思いました。これは何も森光子さんと比べてという意味ではなく、純粋に安永徹さんの業績に対してそう思った次第です。
ただ、もし安永さんに国民栄誉賞の打診があっても、「私はまだまだ発展途上の人間で、これからもやらなければならないことがたくさんあります。私にはまだ国民栄誉賞を貰うだけの業績はありません。」と仰って固辞されるかもしれませんね。あっ、でもこれは私の勝手な推測ですから。
ただ日本国の総理大臣として、日本人がベルリンフィルでコンマスを25年間も務め、オーケストラを通して社会に感動や明るい希望を与えることに寄与しておられたということを、わかっていて貰いたいですね。そのためにもJIRO様が送られたメッセージが役立つことを願っています。

投稿: あつし | 2009.05.12 16:59

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