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2009.05.08

「任天堂、今期は営業減益見通し DS曲がり角Wii横ばい」「任天堂、6期連続で最高益更新」←記事の書き方で印象はこれほど違う。

記事1:任天堂、今期は営業減益見通し DS曲がり角、Wii横ばい(5月7日17時35分配信 ITmediaニュース)

任天堂は5月7日、2010年3月期(2009年度)の連結営業利益が前期比で11.8%減の4900億円になる見通しだと発表した。

前期決算は売上高・利益とも過去最高を更新したが、今期はニンテンドーDSの販売が本体・ソフトとも減少に転じると見込む。

今期のニンテンドーDS本体の販売台数予想は3000万台。前期(08年度)の3118万台から3.8%減を見込む。

前期は米国や欧州で販売が拡大したものの、普及が一巡した国内は401万台(うちニンテンドーDSiは222万台)にとどまり、

その前の期(07年度)の636万台から37%減となった(国内累計は2639万台)。

ニンテンドーDS用ソフトの販売本数は、前期の1億9731万本から8.8%減となる1億8000万本を見込んでいる。

Wii本体は、前期の2595万台から横ばいの2600万台にとどまると予想。前期の国内販売は206万台で、

その前の期の390万台から約43%減に落ち込んだ(国内累計は796万台)。一方、ソフトは7.5%増の2億2000万本への拡大を見込む。

●09年3月期決算は過去最高に

2009年度3月期の連結決算は、営業利益が前期比14.0%増の5552億円になるなど、売上高・利益とも過去最高を更新した。

売上高は9.9%増の1兆8386億円。ニンテンドーDSとWiiが海外で堅調に拡大し、海外売上高比率は87.5%に達した。

円高の影響で計上した為替差損1339億円もカバーし、経常利益は1.8%増の4486億円、純利益は8.5%増の2790億円だった。


記事2:任天堂の09年3月期、純利益8%増で過去最高(NIKKEI NET)(07日 22:16)

任天堂が7日発表した2009年3月期の連結決算は、最終的なもうけを示す純利益が前の期比8%増の2790億円と過去最高となった。

競争力のあるゲームソフトを相次いで投入、景気後退下でも欧米を中心に据え置き型ゲーム機

「Wii(ウィー)」や携帯型の「ニンテンドーDS」の販売が伸びた。年間配当は180円増の1440円にする。

売上高は10%増の1兆8386億円。Wiiの販売台数は39%増の2595万台、DSは3%増の3118万台だった。

国内の販売台数は減少したが、欧米ではゲーム市場全体の拡大もあり、ともに2ケタ伸びた。

海外売上高比率は約7ポイント上昇して87.5%となり、国内の失速を海外の好調で補った格好だ


◆コメント:日本の主要企業が軒並み大赤字なのに任天堂は過去最高益を更新している。

記事1、記事2、共に、任天堂の2009年3月期決算について書いている。

要するに、今年3月の決算では、任天堂の当期利益(最終利益)は前期比(1年前と比べて)8.5%プラスの2790億円。

当期利益増益は5期連続。過去最高益を3期連続して更新している。

これは、すごいことである。

世界に誇る日本の自動車メーカー、トヨタ、日産、ホンダ。電気関連では、東芝、NEC、パナソニック。ソニー、いずれも最終赤字だ。

今日決算発表した日立製作所は7000億円の赤字で「製造業の赤字としては過去最大」なのである。

日本経済を牽引してきたこれら主要産業が軒並み赤字なのである。


任天堂は過去最高益を更新している。要するにDSにしてもWiiにしても「オモチャ」でしょ?

不況なのだから、本来、消費者の選択としては購入を一番後回しにしても不思議ではない商品でしょ?

世界中が不況なのである。

くどいようだが、日本の基幹産業の決算予想・発表が、「初めての営業赤字」とか「過去最悪の赤字」。

殆ど壊滅状態の時に、増益というのはすさまじい。

商品開発力、宣伝力、販売力が優れているからだろう。


◆マスコミの「サジ加減」で読者に与える印象はこれほどちがう。

記事2の日経は経済専門紙だからその辺はさすがに心得ていて、「純利益過去最高」を強調している。

ところが、記事1の「ITmediaニュース」は、2009年3月期決算が過去最高だったことは後回しにして、

最初に、2010年、つまり来年3月末の決算予想を書いている。

10年3月期は今年より営業利益がマイナスになるだろう。DSは本体、ソフトともに売り上げが落ちるだろう、という。

Wiiは本体販売台数は横ばいで、ソフトの売り上げが拡大するだろう、という。

最初のこのように書かれると、なにやら、任天堂も命運尽きたか、という印象になる。


営業利益というのは、会社の本業の利益で、売上から、商品を製造するための費用や従業員の給料、広告宣伝費を差し引いたものだ。

これがマイナス(赤字)になったらヤバいが、そうではなくて、「今年よりは減るだろう」ということだ。

しかし、これは中途半端な報道で、問題は最終的な利益、「純利益」がどうなるか、である。

日経の他の記事によると、任天堂の純利益は来年も今年より増えるだろう、

という予想が発表されている。

◆記事:任天堂の今期、純利益7%増 6期連続で最高益更新へ(NIKKEI NET)(14:57)

任天堂は7日、2010年3月期の連結純利益が前期比7%増の3000億円と、6期連続で過去最高になりそうだと発表した。

欧米を中心に携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」や据え置き型ゲーム機「Wii(ウィー)」が好調。

円相場が通期で前期よりも高い水準で推移する見込みで売上高は減少するが、

前期に収益を圧迫した為替差損の計上を見込まないため利益は増加する。

予想の前提となる想定為替レートは1ドル=100円、1ユーロ=130円をそれぞれ見込んでいる。

売上高は2%減の1兆8000億円を見込む。Wiiは2600万台、ソフトは2億2000万本を予想。

ニンテンドーDSの販売台数は3000万台、ソフトは1億8000万本を見込む。DSの販売台数は減少するが

「新機種の投入で販売単価は上昇しており、金額ではほぼ前期並みになりそう」(広報部)という。

「営業利益」は会社の本業による利益。

次に見るのが、「経常利益」。本業+副業の利益。土地を貸した収益や、(今は金利が低いから殆ど無いが)

銀行預金の利息。有価証券の評価益などを加えたもの。

最後に見るのが、「純利益」(当期利益)。本業+副業の利益に何か特殊要因で得た利益(不動産売却益等々)も

加えたもの。とにかく最終的な利益。

任天堂は、純利益は来年も更に最高益を更新するだろうと予想している。

日経は書いているが、ITmediaニュースは純利益の増加予想について、書いていない。

ITmediaニュースは「ウソ」は書いていないが、記事(文章)の組み立て方によっては、

これほど、悲観的な印象になってしまう。


同じ決算発表を聞いても、新聞記者の思惑で、読者の印象は、簡単に変えることが出来るのだ。

だから、企業の決算・財務状況に限らず、何か事実を調べようとするときには、複数の情報ソース

(出来ることなら、なるべく多く)を参照することが肝要である。

(念の為、お断りしておきますが、私は任天堂とは何の利害関係もありません。株も持っておりません。)
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