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2009年5月

2009.05.31

【音楽】今日(2009年5月31日)はハイドン(1732~1809)没後200年。メインはオラトリオ「天地創造」(聴きやすいです)。

◆今年はフランス・ヨーゼフ・ハイドン没後200年なのですが、正に31日が命日なのです。

私は、音楽記事をしばしば書きます。今までに、「クラシックを30年以上も聴いてきましたが・・・」

と偉そうなことを何度も書いてしまいましたが、最近、このハイドンという大作曲家について、

殆ど何も知らないことに改めて気が付きました。恥ずかしいけど、ホントです(トランペット協奏曲は何百回も聴いていますが)。

「交響曲の父」とか言われているけれども、実際に聴いた曲の数などほんの少しだし、

ハイドンは「弦楽四重奏の父」でもあるのですが、これも殆ど聴いたことがない。

宗教曲など全然聴いたことがなかったので、こりゃいかん、と思いました。


◆ちょっとだけ、能書き。ハイドンの作品番号はホーボーケン番号といいますが、知っていると便利なことがあります。

バッハの作品番号をBWV(ベーヴェーファウ)と言ったり、モーツァルトの作品は、総目録を作った人の名前に因んで、

ケッヘル(K.)を付けますが、ハイドンのそれに相当するのがホーボーケン番号です。

詳しい説明がWikipediaにあります。

これを読むと大変わかりやすくかいてあるとおり、ホーボーケン、Hobの後につくローマ数字(Ⅰ、Ⅷ、Ⅹの類)は音楽のジャンルを表しています。

交響曲はⅠ、弦楽四重奏曲はⅢ、ピアノ協奏曲はXVIII、その他の楽器の協奏曲はVII、オラトリオはXXI、です。

慣れてくると結構便利です。ご参考になれば、と思い、記しました。


◆にわか勉強ですが、色々と取りあげてみました。

ハイドンは交響曲だけで、100曲以上も書いていますが、その他にも色々な分野で傑作を残しています。

まず、室内楽。弦楽四重奏曲で、「ハイドンのセレナーデ」の愛称で知られている曲を聴いて下さい。

弦楽四重奏だから、HobⅢです。CDはハイドン:弦楽四重奏曲 Op. 3, 第3番 - 第6番です。

ハイドン:弦楽四重奏曲 Op.3 第5番 第2楽章。俗に「ハイドンのセレナーデ」などと呼ばれますが、

オーケストラ曲ではありません。






全然関係ないのですが、私はこれを聴くと「ボッケリーニのメヌエット」を思い出します。

この楽章だけだと弦楽四重奏っぽく無いので、同じ曲の第四楽章(終楽章)もお聴き下さい。

ハイドン:弦楽四重奏曲 Op.3 第5番 第4楽章です。






引き締まった、良い作品だと思います。


◆ピアノ協奏曲とホルン協奏曲。

ハイドン→協奏曲、というと今まで、あまりにもトランペット協奏曲ばかりをお聴かせしましたが、

彼はピアノ協奏曲(当時はチェンバロだったでしょうが)や、ヴァイオリン協奏曲など他の楽器の協奏曲を

色々書いています。ピアノ協奏曲(ジャンル番号XVIII)は躍動的です。ハイドン:ピアノ協奏曲集(Hob XVIII: 3,4,9,11)

CDはハイドン:ピアノ協奏曲集(Hob XVIII: 3,4,9,11)をお薦めします。

最も有名な、ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob.XVIII:11から第3楽章をお聴き下さい。






度々跳躍する音型が非常に印象的で、かつ、可愛らしく感じられます。

気分が軽くなるような音楽です。



次は、殆どの方はご存じないでしょうね。ホルン協奏曲です。

これは、ヘンデル/テレマン/ハイドン/J.S. バッハ:ドイツの管弦楽作品集に収録されています。



ハイドン ホルン協奏曲 第2番 ニ長調 Hob.VIId:4 より第3楽章です。






難しいと思います。モーツァルトのホルン協奏曲より難しいかも知れません。


◆本日の目玉。オラトリオ「天地創造」から抜萃(一つ一つは短いです)。

オラトリオとは何か?自問自答したら、恥ずかしながら答えられませんでした。

要するに知らなかったのです。

調べても、今ひとつスパッと気持ちの良い定義は見つからないので、辞典をそのまま載せます。

まず、「広辞苑」
(祈祷所の意) 宗教的音楽劇。通常聖書に取材し、語り手が進行役を務め、独唱・合唱・管弦楽などで演奏される。

原則として演奏会形式で上演される。17世紀にオペラとともに発展し、ヘンデルが大成。聖譚曲。

何となくわかったような気分になりますが、やはりよく分からない。

次。「平凡社世界大百科事典」
宗教的な題材による歌詞をもち,独唱,重唱,合唱,管弦楽のための総合的で大規模な音楽作品。

オペラと違って所作,衣装,舞台装置を伴わない。この名称は,16世紀後半にローマでフィリッポ・ネリ〔1515-1595〕が

祈祷(きとう)のための場所(オラトリオ)での礼拝にこの種の音楽を用いたことによる。

バロック時代のカリッシミ,J.S.バッハ,ヘンデル,J.ハイドンなどの作品以来,古典派,ロマン派を経て,

20世紀ではストラビンスキー,コダイ,マルタン,オネゲルらの作品が知られる。

最後に、本来最も詳しく、分かり易い説明が載っているはずの、

音楽之友社「新編音楽中辞典」
宗教的,道徳的題材を劇的に扱った大規模声楽曲。演奏会形式で上演されることと,

合唱に比較的高い比重がおかれていることを除けば,内容的にはほとんどオペラと変らない。

聖句をそのまま使用せず,劇場で演奏される点において,ミサ曲,レクイエム,受難曲などと異なる。

困ったことに、音楽辞典が一番不正確な気がします。
内容的にはほとんどオペラと変らない。

そうかなあ。実際に聴いてご判断頂きたい。ハイドンのオラトリオ、「天地創造」

CDは、ヘルムート・リリング指揮、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウムがお薦めです。

「天地創造」に関しては、私も知らないので、ウィキペディアにリンクを貼ります。

これは、CDを見るとトラックが分かれていますが、実際には続けて演奏されます。

第1部の2曲目から4曲目まで続けてどうぞ。


第2曲 アリアと合唱 いまや聖なる光の前に、暗黒の闇の灰色の影は消えうせ (3分47秒)

第2日 第3曲 レチタティーヴォ 神は大空を造り              (2分8秒)

第4曲 ソプラノ独唱付き合唱 喜ばしき天使たちの群れは驚きをもって    (1分59秒)






第13曲(第一部の終曲) 独唱付き合唱 もろもろの天は神の栄光をあらわし (3分55秒)







全曲の最後。第34曲。終結合唱 全ての声よ、主に向かって歌え! (3分35秒)







宗教曲というと、何だか抹香臭いのでは、というのはあまりにも短絡的な発想で、特にオラトリオなんてのは、神や

救世主(イエス・キリスト)の栄光を賛美しているから、景気のいい終わり方をするのです。本当に理解しようと思ったら、

「天地創造」ならば旧約聖書をドイツ語で読めなければいけないことになりますが、そこまでする「必要」は全くなくて、

信仰など無くても音楽としてその素晴らしさに感銘を受けます。


◆【おまけ】J.S.バッハの「クリスマス・オラトリオ」全64曲の一番最後の曲。

私事で恐縮ながら、今年の一月、JIROの独断的日記ココログ版で相互リンクを貼らせて頂いている、

プロのヴィオラ奏者、ふっこ様が、杉並公会堂での「クリスマス・オラトリオ」のステージに乗られる、

ということで、聴かせて頂きました。3時間を超える大作ですが、全然飽きなかったですね。

曲もオーケストラも合唱も素晴らしい。コーラスは東京J.S.バッハ合唱団というアマチュアなのですが、

この時代の宗教曲のコーラスやソリストには必ず求められる、高度な、器楽的な音型を見事に歌っておられました。

アレグロの16分音符を人間が歌う、ということは、一音ずつ、横隔膜で息を切っているわけです。

そうしないと、段階的に音程が変化せず、ただのグリッサンド(というか、うめき声というか、サイレンというか)になってしまいます。


私にはオペラより、宗教曲が好みに合います。

オペラは嫌いなんです。私が愛する「オーケストラ」を、オーケストラ・ピットという

「穴蔵」に入れてしまって、喝采を浴びるのは歌手ばかりだから。


それはさておき、クリスマス・オラトリオでは、トランペットが活躍する箇所がいくつもありますが、

特に、この一番最後、第64曲のトランペットの輝かしい音が今でも忘れられません。


バッハ「クリスマス・オラトリオ」終曲です。






私が生で聴いた演奏では、ふっこ様の学校時代の同級生でいらっしゃる、

神代修さんがピッコロトランペットを吹いておられましたが、驚嘆するほど素晴らしい演奏でした。

その輝かしい音色、見事なテクニック、音楽が、今だに忘れられません。

私は、あのコンサートがきっかけで、オラトリオその他宗教曲に、俄然興味が湧いたのです。

ふっこ様にはこの場をお借りして、あのコンサートを教えて下さったことに御礼申し上げます。

ありがとうございました。

宗教曲を聴くからと言って、テキスト(聖書の言葉が書いてあるわけですな)と睨めっこしながら

聴かなければいけない訳では全くありませんから、たまにはこういう曲を部屋に流してみては如何でしょう。

何だか、空間の雰囲気が変わりますよ。

それでは。

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2009.05.30

先週末から今日までの経済関連の話題。日銀金融経済月報、月例経済報告、29日に発表された経済指標を見た所感。

◆記事1:日銀月報:景気判断を2年10カ月ぶり上方修正-次第に下げ止まり(ブルームバーグ)(2009/05/25 15:19)

日本銀行は25日午後、5月の金融経済月報を公表し、日本の景気について「悪化を続けているが、輸出や生産は下げ止まりつつある」として、

前月の「大幅に悪化している」から判断を引き上げた。上方修正は、ゼロ金利を解除した2006年7月以来2年10カ月ぶり。

先行きについても「当面、悪化のテンポが徐々に和らぎ、次第に下げ止まっていく可能性が高い」として判断を上方修正した。


◆コメント1:「悪化を続けている」ことに違いはない。

日銀は先週木曜と金曜(5月21日、22日)に月例の金融政策決定会合を開き、金融政策の現状維持を決定した。

2009年 5月22日 当面の金融政策運営について(現状維持、12時33分公表) (PDF, 106KB)

金融政策決定会合の翌営業日、日銀は金融経済月報を発表する。

25日(月)、今月分の金融経済月報が公表された。2009年 5月25日 金融経済月報(5月) (PDF, 856KB)

PDFファイルで60ページ近い、大部のレポートだから全部読むのは無理だが、幸い結論(基本的見解)が、いつも冒頭に書かれている。

今月は、
わが国の景気は悪化を続けているが、輸出や生産は下げ止まりつつある。

だった。ブルームバーグが、過去の「基本的見解」を一覧表にしている。日銀:金融経済月報-過去の基本的見解(表)である。

そのごく一部、昨年12月から、今月までを抜萃する。
(2008年)

12月   わが国の景気は悪化している。

(2009年)

1月 わが国の景気は大幅に悪化している。

2月 わが国の景気は大幅に悪化している。

3月 わが国の景気は大幅に悪化している。

4月 わが国の景気は大幅に悪化している。

5月 わが国の景気は悪化を続けているが、輸出や生産は下げ止まりつつある。

「上方修正」という言葉はウソではないとしても、如何にもミスリーディングだ。

読めば一目瞭然だが、日本の景気は好転していない。悪化を続けているが、悪化のスピードに、

ごくわずかにブレーキがかかったかも知れない、ということだ。


◆記事2:「悪化のテンポが緩やかになっている」に上方修正=月例経済報告(5月25日18時57分配信 ロイター)

政府は25日に発表した5月の月例経済報告で、輸出や生産が下げ止まりつつあるとして、

基調判断を「景気は、厳しい状況にあるものの、このところ悪化のテンポが緩やかになっている」に上方修正した。

判断の上方修正は2006年2月以来3年3カ月ぶりとなる。

先行きについては「当面、雇用情勢が悪化するなかで、厳しい状況が続くとみられる」としながら、

「対外経済環境における改善の動きや在庫調整圧力の低下、経済対策の効果が景気を下支えすることが期待される」と判断。

加えて、世界的な金融危機の影響や世界景気の下振れ懸念など、景気をさらに下押しするリスクが存在することに留意する必要があるとした。


◆コメント:日銀がマクロ経済をウォッチしているのに、内閣府が別途「月例経済報告」を発表する必要があるのか。

日銀が金融経済月報を発表するのは、我が国の中央銀行がマクロ経済(国全体の経済)をどのように認識しているか、

を国民に知らせるためだが、奇妙な事に同じ日、もしくは極めて隣接した日に、内閣府が独自の景気判断を示す。

内閣府のサイト月例経済報告関係資料のページ。

平成21年5月を開く。

この報告も冒頭に結論(「基調判断」という)が書かれている。今月は、
景気は、厳しい状況にあるものの、このところ悪化のテンポが緩やかになっている。

だった。月例経済報告の基調判断に関しても、ブルームバーグが一覧表にしている。月例経済報告:過去の基調判断

こちらも昨年12月から6ヶ月分を抜萃引用する。次の通り。
12月 景気は、悪化している。

1月 景気は、急速に悪化している。

2月 景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状況にある。

3月 景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状況にある。

4月 景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状況にある。

5月 景気は、厳しい状況にあるものの、このところ悪化のテンポが穏やかになっている。

流れとしては日銀金融経済月報と全く同じ。日銀が「大幅に」で内閣府が「急速に」

違いはそれだけ。日銀と内閣府が全く反対のことをいったら、国民はどちらを信じれば良いのか分からなくなる。

従って、大抵の場合、同じ判断を繰り返すだけになる。日銀と別に月例経済報告を発表する意味があるのかどうか。

◆記事3:29日に発表された、経済指標、その他。鉱工業生産以外は全て、惨憺たる有り様。

今日は重要な経済指標や民間が発表する統計が集中した。見出しだけで十分なので、列記する。

4月完全失業率、2003年11月以来初の5%台(総務省)。

4月有効求人倍率は0.46倍、1999年6月以来の低水準 (厚労省)。

家計調査、4月全世帯消費支出、過去最長の14カ月連続マイナス(総務省)

消費者物価0.1%下落=2カ月連続マイナス-4月 (総務省)

4月鉱工業生産速報は前月比+5.2%、予想を大幅に上回る (経済産業省)

4月の自動車生産台数 前年同月比47%減 下落率が過去最大 (日本自動車工業会)

4月の住宅着工、6万6,198戸で65年以来の最低値に (国交省)


◆結論:日銀の金融経済月報も、内閣府の月例経済報告も「上方修正」は早すぎた。

29日(金)に発表された数字だけ見ても、雇用情勢は悪化を続けており、個人消費は減り続けているから、

企業収益の改善は見込めない。更に、人々がモノやサービスを買わないから、消費者物価は下がり続け、

デフレになりつつある。物価が下がれば、企業の収益は悪化し、更にリストラで雇用が悪化する可能性が高い。

また、儲かっていないのだから、従業員の給与・ボーナスを下げてコストを減らさざるを得ない。

家計は所得が減るから、一層消費を抑制する。

どう考えても負のスパイラルが続く。景気判断を「上方修正」する根拠に鉱工業生産だけでは不十分だ。

日銀も内閣府も見通しが甘い。

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2009.05.29

初の党首討論所感。

◆記事:党首討論:詳報(注:冒頭部分のみ)(毎日新聞 2009年5月28日 東京朝刊)

【為参考】

URL:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090528ddm005010074000c.html

(暫くすれば衆議院会議録に掲載される。)

画像・音声を視聴するには、衆議院インターネット審議中継のトップページにカレンダーがあるから、

2009年5月27日を選ぶ。すると、

2009年 5月27日 国家基本政策委員会合同審査会(党首討論)があるから、そのリンクをクリックする。

初めて見るときには、視聴方法でWindows Media Playerか、Real Playerか。ブロードバンドかナローバンドか選択する。

WMPでブロードバンドを選択し、鳩山由紀夫(民主党・無所属クラブ)をクリックすると再生が始まる。

上手くリンクできるか分からないが、一応。

鳩山由紀夫(民主党・無所属クラブ)



上手く再生出来ない方もおられるだろうから、最初の部分、毎日新聞が文字に起こしているので、少しだけだが転載する。

◆北朝鮮問題(省略)

◆国のあり方

鳩山 時の総理がこの国をどのようにしたいか、ビジョン、理念がまずあり、

それに基づいて具体的な政策を作り上げていくことが極めて大事だ。今までの自民党は、総裁総理になることが目的で、

何をやるかが決まっていない。だから結果として、官僚任せの政治になってしまっているのではないか。

先日の党代表選で申し上げたのは「友愛社会の建設」。この国では社会におけるきずながずたずたに切れている。

人の幸せを自分の幸せと思える世の中にしたいと思っている。

今の日本の政治はまったくそうなっていない。なぜそのようになってしまったか。

麻生 人に対する情愛を掲げられることに異論はない。

ただ問題は、理念、抽象論ではなく、現実問題として我々は100年に1度という経済危機に直面している。

数え上げれば切りがない現実論を抱えており、それへの対応は時の政権に最も重要な案件だ。

私どもは「小さくても温かい政府」を(就任直後の)7カ月ほど前に申し上げた。

ほころんできている福祉面に関し、きちんとやっていかねばならないと申し上げている。

私どもこそきちんとした理念をそれなりに申し上げている。「政権交代」と言うが、政権交代は目的ではない。

我々から見ると民主党は、社会保障問題も、安全保障問題も、極めて不安を抱かざるを得ない。

鳩山 理念的なことは聞かれなかった。残念だ。政権交代は目的ではない。

スタートラインだ。そこから新しい日本が生まれる。

一つ具体例を申しあげたい。それは三鷹第四小学校の例だ。教師のほかに200名のボランティア教師がエントリーされ、

20人のクラスに1人の先生と3、4人のボランティアがつき、子供たちに個人指導して落ちこぼれがなくなっている。

子供も満足し、ボランティアも子供に幸せを与えて幸せを感じている。

みんなが人の幸せを自分の幸せに感じることができる、社会のきずな。これからの日本を築き上げていく原動力だ。

こうした社会を作り上げるには、冷笑するような人たちに去っていただかなくてはならない。

今の麻生政権、自公連立政権は官僚主導の政権だ。私たちは国民、市民、生活者に視点を当てた政権を作りたい。

中央集権的な発想をやめ、地域のことは地域に任せる、地域主権の国づくりに変えていく。

業界中心の縦国家に対し、我々は市民の連帯を大事にする横社会を作り上げていきたい。

新しい政治を作る発想にどうして麻生政権はならないのか。

麻生 例の全体像がよく見えない。それを全国でやる場合に、具体的に政策にしていかないと見えてこない。

「それぞれの居場所」との話も極めて抽象的だ。政策として具体化していくのが最も大切だ。

我々は学者や評論家をしているわけではない。また「官僚目線」というが、公務員が誇りを持って公、

国家のために尽くすようにしてやるのが基本。官僚バッシングだけやってもうまくいかない。

鳩山 極めて上から目線の麻生首相らしい答えだ。政府による解決は、金がかかりすぎ、ある意味での悪平等という弊害に陥る。

市場原理にすべてを委ねると、弱肉強食の世界に入ってしまう。だから今、第3の道を模索しなければならない。

今までボランティアとかNPOなど、政治の光が与えられてこなかった分野に光をあてる。コストもかからない。


◆コメント:全部を聴いていないので、最終的な評価はまだ出来ないが、この部分だけを読むと鳩山は抽象論が多すぎる。

最初に断っておくが、私は現在、支持する政党はない。この討論と、過去の経験を元に所感を書く。


鳩山民主党代表が「国のあり方」で述べたことは、原理的には正しい。

国家の政治の最高責任者は、「日本をどのような国にしたいか」という思想を有するべきである。当然である。

しかし、民主党は「友愛社会の建設」。これがどうにも頂けない。訳の分からない新興宗教じゃないのだから。

間違っていないけど、当たり前すぎる。こういう事ばかり言っているから、ピンと来ない。

そして現実性に乏しい。

人の幸せを自分の幸せと思える世の中にしたいと思っている。

ほぼ断言するが、未来永劫、そんな世の中は出来ない。人の幸せは妬ましく、他人の不幸が蜜の味であるのが、

残念ながら人間の本性である。政治によって、人間の本性を簡単に変化させることは、不可能である。

そもそも、「何が幸福か」は人それぞれ違う。全体に共通する「幸福」を極大化することは極めて困難である。

抽象論でもどうせ、何か云うなら、
不幸な人、気の毒な人が少しでも少なくなる社会

の方が、適切である。即ち、突然の病気、災害、家族の死、犯罪の被害に遭う、など、本人の責任に帰さない原因により、

経済的に困窮し、社会的に弱い立場に置かれる人がいつの時代にも、必ずいる。こういう人々にどのように

政治の光を当てるか、は、政治を担当する者が考えるべき大きな責任である。


◆自民党も何が目標だか分からない。

民主党が「友愛社会」の建設を目標とする一方、自民党のスローガンは「小さくても暖かい政府」だそうだ。

それは、一体何をどうするのか?小泉政権の時代に社会保障、セーフティ・ネットがズタズタに壊された。

医療費の国庫負担を少なくするため、治る見込みの無い末期ガン患者は無理矢理退院させられ、自宅で死んで下さい、

という世の中である。末期ガン患者特有の疼痛が患者を襲っても直ぐに医療従事者が駆けつけられるわけがない。

医師、看護師など医療従事者は、外来と病棟で手一杯。過労死寸前である。その合間に「往診」出来る訳がない。

末期ガン患者は、自宅で長い間激痛に苦しむ。家族は見ているしかない。残酷な世の中にしたのは小泉自民党である。

今更「暖かい政府」は無いだろう。

そう言えば「宙に浮いた年金」5千万件の照合を1年で終わらせると安倍晋三が宣言したのが2年前である。

あれはどうなったのだ?今だに照合出来ていないだろう。全然。

新型インフルが起きて、厚労省は「ラッキー」と思ったかも知れない。

社会保険庁の作業の進展を報告して欲しい。国民から預かった金がどこに言ったか分からない、では許されない。

税金は取り忘れない癖に。


◆どの政党が政権を取ろうが国民に取ってはどうでも良いことなのだ。

党首討論で、鳩山も麻生も政権を取ることが目的ではない、とうそぶいている。

まあいい。どちらの政党も、山積する経済、社会保障、教育、安全保障などについて、何をどうするつもりなのか。

分かり易くはっきり、箇条書きにしてサイトに掲載して下さい。話はそれからだ。

国民としては、景気が持ち直し、社会保障が修復され、教育が少しはマシになり、安心な生活が送れるのならば、

どの政党が政権を取ろうが、誰が内閣総理大臣になろうが、知ったことではないのである。


民主党に肩入れするつもりはないが、鳩山代表を見ていて、2005年9月の郵政民営化選挙の時の経験から全然何も教訓を得ていない、

と思った。あの時、小泉は、

この選挙は、「郵政民営化」の是非だけを問う選挙だ。

とうそぶいていたが、実際には、自民党のサイトには選挙期間中から自民党 政権公約2005 120の約束

が、掲載されていた。この中に、2007年に「税制の抜本的見直し」(といったら増税に決まっている)を行う、と書いてあった。

だから、私は2005年9月の選挙前に、

2005年09月07日(水) 【衆院選】自民党が勝利すると、こういうことが起きる。ココログ) を書いた。

しかし、所詮、市井の一般人がブログで何を書こうが読む人の数は知れている。

あの郵政民営化選挙の際、代表は岡田だったが、私は、「どうして『自民党が勝ったら、こういうことが起こりますよ』と言わないのか」と、

不思議で仕方がなかった。民主党はまだあのとき負けた原因が分かっていないように見える。



鳩山代表は、いきなり「友愛社会の建設」が目標だといい、自民党にもそれに相当するものを示せと言った結果、

「小さくても暖かい政府」が麻生の答えだった。こういう抽象論をいくら言い合っても、学者や評論家じゃないのだから、意味がない。

民主党の意味する「友愛社会」は如何なる政策、法制度の改革を考えているのか。そしてそれは、どのようなメリットをもたらすのか。

自民党の「小さくても暖かい政府」は毎日100人も自殺者が出るほどの末期的不況にこれ以上対処しようがないのか、新たな施策はあるのか。

北朝鮮で首領様が死んで軍がヤケクソになって、核弾頭を搭載したミサイルをぶっぱなしそうになったらどのように対処するのか。

今回は弱毒性だったが、強毒性のH1N5型インフルエンザウイルスによる、本格的なパンデミックが起きたときに備えて、医療体制をどうするのか。

「友愛」や「暖かさ」だけでは、何も分からない。分かるように提示してくれ。

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2009.05.28

「自殺者、2カ月連続3000人=1日平均、初の100人超-警察庁」←毎月自殺者数を一般に公表するのは如何なものか。

◆記事:自殺者、2カ月連続3000人=1日平均、初の100人超-警察庁(5月27日19時8分配信 時事通信)

4月の自殺者は昨年同月比6.1%増の3027人で、2カ月連続で3000人を超えたことが27日、警察庁のまとめ(速報値)で分かった。

1カ月に3000人以上自殺したのは、昨年は10月だけだったが、今年は早くも上回った。

1日平均の自殺者は100.9人で、月別の統計を取り始めた昨年1月以降初めて100人を超えた。

同年12月の約81人から5カ月連続で増えており、歯止めが掛かっていない。

1~4月の累計は1万1236人。11年連続で3万人を超えた昨年同期より493人(4.6%)増えており、今年も3万人を上回る勢いだ。

4月の自殺者のうち男性は昨年同期比6.5%増の2156人、女性は4.9%増の871人。


◆コメント:警察庁が毎月自殺者数を発表することを決めた際、私は反対意見を書きました。

警察庁が毎月の自殺者数を公表する、と決定したのは今年の2月で、私はそれに対して反対である、という記事を書いた。

2009年02月17日(火) 「景気悪化で月別の自殺者数公表」←毎月公表することに自殺抑止効果があるだろうか。ココログ

これを読んで頂くと分かるが、警察庁が毎月、前月の自殺者数を一般に公表することを決定したのは、自殺抑止効果を期待した為である。

まだ、3月分、4月分と二回しか、月例発表は行っていないから、はっきりとした傾向や因果関係は不明だが、

とにかく、発表を始めてから、2ヶ月連続で自殺者数は月間3,000人を超えたのである。


◆「WHO による自殺予防の手引き」の「マスメディアのための手引き」には「してはならないこと」として「自殺方法を詳しく報道する」ことが挙げられている。

前回の記事を書いた後、記事を読んだ方からトラックバックを頂いたが、

その方の記事、自殺者数を頻繁に公表することの危険性を読み、大変貴重な資料の存在を知った。

政府の自殺対策サイトに掲載されている、WHO による自殺予防の手引きである。




少し話がそれる。私は以前から、昨年ならば硫化水素自殺、それ以前には中学生のイジメを苦にした自殺、

2002年~2003年にかけて多発した、「ネットで知り合った者同士が、クルマの中で練炭を焚いて一酸化炭素中毒で自殺などは、

マスメディアが、自殺方法を具体的に報じたことが、元々希死念慮(自殺願望)を持っていた人が、行動を起こすトリガーになったのではないか、

ということを何度も書いた。


2003年05月24日(土) 「集団自殺」と「通り魔」は報道しない方がよいのではないか。(この当時はエンピツのみ。)

2006年11月15日(水) 「小中学生の自殺連鎖止まらず」←お前ら(マスコミ)がいちいち報道するのも一因だぞ。ココログ

2006年12月25日(月) 「いじめ自殺報道」が「自殺連鎖」を誘発した可能性あり。専門家の指摘←私は、先月同じ事を書きました。ココログ

2008年05月11日(日) 「<硫化水素自殺>ホテル客が浴室で 従業員も病院搬送 東京」←手段だけが騒がれ、自殺の動機を誰も問題視しない。ココログ

2009年01月19日(月) 「ネットいじめ中3女子自殺か、遺書に同級生の名挙げ『復讐』」←報道による連鎖の怖れ。ココログ


私は、恥ずかしながら「WHO による自殺予防の手引き」の存在を2月に記事を書いてTBを頂くまで知らなかったが、

この文書には【マスメディアのための手引き】という項目があり、「マスメディアがしてはならないこと」として、

真っ先に挙げているのは、

特に有名人が自殺した場合には、自殺を過度にセンセーショナルに報道すべきではない。

自殺手段やその入手方法を詳しく報道するのは避ける。

である。

何年も前から私が主張していたことが、正にWHOの指針と一致している。こんな事は自慢するようなことでない。それぐらいは承知している。

ただ、市井の一般人に過ぎない私が何度書いても信頼性に欠けるが、WHOも同じ事を書いている事実をご紹介したかったのである。


◆警察庁が発表しているのは「自殺者数」であって「自殺方法」については書かれていないが、やはり危険だと思う。

警察庁の月例発表は、自殺者「数」であり、自殺手段に関して記述はない。しかし、私はそれでも危険だと思う。

自殺者数の公表は4月27日に1回目が行われ、今日(5月27日)、2回目の発表があっただけだから、

まだ、何ともいえないが、発表だけならまだしも、それを取りあげるマスコミ(転載したのは時事通信社の記事だが)の

スタンスがどうしても、センセーショナリズムに偏る。それが危険なのだ。具体的には、

4月の自殺者は昨年同月比6.1%増の3027人で、2カ月連続で3000人を超えた

とか、
1日平均の自殺者は100.9人で、月別の統計を取り始めた昨年1月以降初めて100人を超えた。

という書き方である。

私は遷延性うつ病患者だから分かるが、うつ病患者は症状の重い軽い、急性期か回復期か、慢性化したものか、

いずれにしても、程度の差こそあれ、心の何処かに「希死念慮」(自殺願望)がある。

私のように長期化するとそれは多分無意識下に抑圧されているが、決して消えてはいない。


自殺者が2ヶ月連続で月間3,000人を超え、それは即ち単純に日割り計算すると1日あたり100人を超えたとうことだ

という事実は、健康な人が読めば、「ふーん」で終わりであろうが、多少なりとも希死念慮を持つ者に対しては

危険な情報になりうる。それだけ自殺者が増えているということは、自殺が決して珍しい行為ではないことを示唆し、

自殺に対する、恐怖感・罪悪感を希薄にする。背景に自殺者が増加しているという状況があると、ふとしたことがきっかけで、

抑圧されていた希死念慮が、一挙に意識に戻り、実際の行動として、新たな自殺者を生ぜしめる遠因に成り得る。


これは、完全に私の憶測だが、大新聞もNHKも民放テレビ局の社会部記者、デスクは、WHO による自殺予防の手引き

知らないに違いない。知っていれば、硫化水素自殺の詳細をあれほどしつこく報道しなかったであろう。

素人の私ですら知っている(教えて頂いたのだが)。

マスコミ各社は、プロのくせに勉強不足である。

同時に警察庁には、自殺者数の毎月公表は今のところ、自殺抑止力として作用していないことを指摘し、再検討を促したい。

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2009.05.27

【音楽】27日は、パガニーニ(1782~1840)の命日でございます。

◆この人がいたから、ヴァイオリンの技術が飛躍的に向上したのでしょうね。

音楽はテクニックではない、精神の所産だ、何て云っても、やっぱりヘタクソじゃ、表現したいことが表現出来ないわけですね。

テクニックだけを誇示しては、ダメなんですけど、テクニックが無いとプロの演奏家になれません。

ヴァイオリンのプロになろうという人なら避けて通れないのがパガニーニの24のカプリースという、

よくぞ、これほど難しそうなのばかり書いたものだと思いますが、一番最後の24番は大変有名です。

変奏曲になっていますが、最初に演奏される主題に触発された作曲家が多く、

有名どころでは、ブラームス、リスト、ラフマニノフが「パガニーニの主題による変奏曲」とか「狂詩曲」とか書いています。


◆24のカプリースから第24番:古今の名人の演奏をご覧下さい。

この曲は不思議で、「超絶技巧のてんこ盛り」なのですが、聴いていると決してテクニックだけではなく、胸を打たれる響きが、

確かにあります(超絶技巧曲は、演奏者のテクニック誇示に終わってしまうことが多いのですが、この曲はそれではダメなんです)。

まずは、現代最も上手い人の1人でしょうね。ヒラリー・ハーンでどうぞ。






これぐらい難しいと、私には本当には分かりません。見当は付きますけど。非常に早いアルペジオ(分散和音)、オクターブの重音、

(オクターブですから、上下どちらかの音程が少しでも狂うと、直ぐに分かります)、左手によるピチカート、

超高音での半音階的な音型、どれをとっても目が回りそうな難しさでしょう。


次は、「ヴァイオリンの神様」ヤシャ・ハイフェッツですが、この24番にはシューマンがピアノ伴奏を書いた編曲版がありまして、

それを弾いていますが、難しさに変わりはないというか、わざと難しくしているように見えます。






「ヴァイオリンの神様」ですから当たり前ですが、文字通り「神業」なんですが、サラッと弾いてしまって、

何だか、ハイフェッツは「もっと、むずかしい曲、ないの?」と言いたげに見えてしまいます。


最後はこの人も天才であることに議論の余地はないですね。イツァーク・パールマンの演奏です。

残念ながら、音だけなのですが、技巧のすさまじさは欲お分かり頂けると思います。

24のカプリースから、1番、5番、24番を弾いています。24番は再生開始後4分あたりから始まります。


Paganini - Caprices 01/ 05/ 24 (Itzhak Perlman / Violin)





チェロで弾いてしまったヨーヨーマ


この人も今更言わずと知れた大天才です。天才は分かってましたけど、チェロでヴァイオリンのカプリース24番を弾いています。

これも残念ながら音だけですが、十分素晴らしい。


Yo Yo Ma plays paganini caprice 24 on cello







この人の手、一体どうなってんの?と言いたくなります。


◆無窮動

ずーっと16分音符で弾き続ける曲です。一回、つまづいたら、ガタガタっとなりそうです。

非常な集中力で弾かなければならないと思います。以前に載せた演奏ですが、大分前ですから、

もう一度載せても良いでしょう。

古い録音ですが、ユリアン・シトコヴェツキーというヴァイオリニストです。今もシトコヴィツキーという人いますが、

そのオヤジさんです。バガニーニ「無窮動」







目が回るほど、上手い。CDありますよ。The Art of Yulian Sitkovetsky, Vol. 4



最後にこれを、オーケストラの第1ヴァイオリン全員で弾いたもの。トスカニーニといいう有名な指揮者が

手兵、NBC交響楽団の為に編曲したのです。







ひとりでも間違えたらお仕舞いです。このテンポで最初から最後まで、ピタリと合っている。すごい名手を集めたものです。

これは、ハイドンとか、モーツァルトと同じアルバムに入っています。

ハイドン:交響曲第88番/モーツァルト:交響曲第40番(トスカニーニ)(1938-1939)



おっかなそうな、オッサンですねー。顔に出てますね。しかし、元々上手い人を集めたNBC交響楽団は、トスカニーニの訓練で、

ますます上手くなりました。因みに故・カラヤンは、若い頃からトスカニーニを尊敬し、トスカニーニを目指していた、と、

こちらも既に故人ですが岩城宏之さんが書いておられました。


結局2曲しかのせられませんでしたが、以前にもパガニーニは紹介しております。

リストのラ・カンパネラは、パガニーニのヴァイオリン協奏曲の2番の主題をそのまま使ったモノです。

リストはパガニーニの演奏を聴いて、音楽家になろうと決心したと言われています。

それでは今日はこの辺で。

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2009.05.26

医薬品ネット販売規制取り消し求め行政訴訟←パブリックコメント8割は「規制反対」だが、押し切った厚労省

記事1:「ドラッグストアは安全なのか」 医薬品ネット販売規制取り消し求め行政訴訟(5月25日16時12分配信 ITmediaニュース)

医薬品のネット販売規制には明確な理由がなく、営業権の自由を保障した憲法に違反するとして、

ネットで医薬品を販売するケンコーコムとウェルネットは5月25日、ネット販売などを規制する

厚生労働省令の取り消しなどを求める行政訴訟を東京地裁に起こした。

厚労省はネット販売規制を見直さず、離島などを対象に2年間の経過措置を盛り込んだ上で省令を交付する方針だ。

会見したケンコーコムの後藤玄利社長は「ネット販売にこだわるのは、ドラッグストアなどの販売方法が

とうてい安全とは言えないと感じているからだ。客が自分で薬をレジに運び、バイト店員が売るドラッグストアは『対面販売』と言えるのか。」と批判。

コンビニエンスストアが薬剤師不在でも医薬品販売ができるのに対し、ネットでは薬剤師がいても販売できないのは不公平であり、

「省令が安全を基準としたものではないことを露呈している」などとして、販売継続を法廷で訴えていく。


◆記事2:「このままではPSE法の二の舞」 医薬品ネット販売継続求め国会議員と有識者らアピール(5月22日11時45分配信 ITmediaニュース)

「医薬品ネット販売規制は過剰。通販継続に向け、国会で改めて議論を」――6月1日施行予定の改正薬事法に伴う省令で、

一般用医薬品(大衆薬)の通信販売が規制される問題で、与野党の若手議員と浅野史郎・元宮城県知事など有識者、消費者が5月21日、

衆院議員会館に集まりネット販売継続を強く訴え、国の姿勢を批判した。

厚生労働省は「対面販売でなければ安全性が確保できない」として、ネットや電話などによる大衆薬の通信販売を省令で規制する。

ネット業界や消費者などからの反発を受けて検討会を開いたが、議論はまとまっていない。

厚労省は経過措置として、離島の居住者などに限って2年間、通販の利用を認めるよう提案しているが、

このままでは大半の人がネットで大衆薬を購入できなくなる。

「この省令には与党でも疑義を持っている」――呼び掛け人・自民党の世耕弘成・参院議員はこう口火を切った。

省令施行まで時間がないが、まずは現行のままネット通販が継続できるよう訴えながら、国会で議論の俎上(そじょう)に載せたい考えだ。

ただ与野党とも、「党内に業界の権益を守ろうとする人やネットに偏見を持つ人がかなりいる」(民主党の田村謙治・衆院議員)ことや、

衆院選挙前というタイミングもあって党として一枚岩にはなれず、超党派で活動することを決めたという。

呼び掛けに応じて集まった議員は、2人のほか、自民党から山内康一・衆院議員、

民主党から鈴木寛・参院議員、市村浩一郎・衆院議員、鷲尾英一郎・衆院議員の計6人。

「国会などで、きちんと議論する期間を設けるべき。このまま突然ネットで買えなくなれば、

PSE法(電気用品安全法)の二の舞になる」と市村議員は懸念。鈴木議員は「役人の暴走を止めたい」と話す。

●「国内の通販で買えないなら、海外サイトで個人輸入する」 障害者の声

ネット通販は外出しなくても薬が購入できるため、四肢や視覚などに障害を持つ人には特に便利だ。

新型インフルエンザの流行で外出を控えている消費者も通販なら安心して利用できる。

薬品パッケージだけでは分かりにくい副作用もチェック可能だ。

足に障害があり、歩行ができないという岡野圭さんは「規制は障害者の生活クオリティを下げる」と訴える。

「わたしが店舗に薬を買いに行こうとすれば、車に乗って駐車場のあるドラッグストアに行き、

障害者用駐車場が空くまで待ち、車いすで店に入り、と1日仕事になる。ネットの薬局ならその苦労なく購入でき、

効能や副作用も自分で確かめられる」。岡野さんは、国内でネット通販が禁止されれば海外のECサイトで個人輸入すると話した。

視覚障害者の志摩撤郎さんも、「薬局でものを買うのは困難だし、誰かに購入をサポートしてもらうとプライバシーが失われる。

ネットとPCを使えば自力で情報を得られ、失った機能を取り戻せる。ネット通販の禁止は障害者の尊厳を踏みにじっている」と訴える。

●新型インフル流行でネット通販が本領発揮

厚労省検討会のメンバーで、オブザーバーとして参加した楽天の三木谷浩史社長によると、

新型インフルエンザの流行に伴い、楽天市場で神戸地域からの購入が倍増したという。

「新型インフルエンザのような問題が起きた時、薬局に買いに来なさいというのは逆効果ではないか」(三木谷社長)

(中略)

●消費者も反対した「おかしな」省令がなぜ 「与党に見えないプレッシャー」

参加した全員が、「ネット通販にも確かにリスクはあるが、そのリスクは対面販売と大きく変わらず、

利便性の方が大きい。『通販は危険』という厚労省の説明は納得できない」という意見で一致。

反論材料は見当たらず、浅野さんは「どう考えても理屈に合わない」と首をひねる。

それでも強行されつつあるのはなぜか。明らかにおかしなロジックの省令に対して、与党が一枚岩で反対できないのはなぜか。

呼び掛け人の世耕議員が「参加を議員に呼び掛けるのに苦労した。ここに来るには与党的には覚悟がいる」

と話したのはなぜか――浅野さんが世耕議員に詰め寄るひと幕もあった。

世耕議員は「見えないプレッシャーがあった」と話すにとどめ、具体的な説明は避けた。

代わって三木谷社長が「ネット通販禁止は、ネットを知らない人たちが4年前から決めちゃった。

決めた人たちや、決めた時に後ろにいた人たちが対面販売にこだわっている」ことが背景にあると解説。

衆院選が近いという時期の問題もあり、三木谷社長が協力を呼び掛けた議員の中には「選挙が近いから動けない」と断った人もいたという。


◆コメント:厚労省がパブリックコメントを募集したら、8割は「規制反対」だったのです。

この話は、最初は舛添厚労相も疑問を持っていて、審議会でよく話し合うように指示していたが、

いつのまにか、舛添は、インフルエンザ騒ぎに忙しく、或いはそれを隠れ蓑にして、この話に登場しなくなった。

厚労省は、世論の反発が強いので、一応、「公平さ」を装うために、5月12日~18日まで、一般からパブリックコメントを募集した。

9824件の意見が寄せられた。85%が「規制に反対」だったが、結局、厚労省は6月1日からの改正薬事法の施行を決定した。

記事2に書かれているとおり、厚労省がネットによる医薬品の販売を規制する理由は、

対面販売でなければ安全性が確保できない

というものだが、何を今更、と言いたい。

街の薬局、特に最近の大規模ドラッグストアで、私は風邪薬や鎮痛解熱剤、口内炎用のステロイド軟膏、

などを買ったことが何度もある。確かに対面販売だったが、薬の副作用の説明を受けたことはない。

薬にアレルギーがないか?と質問された事もない。他に飲んでいる薬はないかどうか聞かれたこともない。

あなた、市販薬を買ったときに薬剤師からそんな厳密な応対をされたことあります?ないでしょう?

確かに市販薬だって、極端にオーバードースすれば肝障害を起こして死亡するかも知れないが、普通に服用して、

深刻な副作用の心配がないから、処方箋が要らない「市販薬」として売られているのである。

だから、消費者の安全確保の為に対面販売が必要で、インターネットや、電話注文はダメだ、という厚労省の論理は、

如何にも官僚的形式主義だ。


◆ネット販売規制は1類、2類、だけだが、多くのネット・ドラッグショップはサイトを丸ごと閉鎖しようとしている。

改正薬事法では市販薬を危険性の高い方から、1類、2類、3類に区分している、7割方(風邪薬や、胃腸薬、鎮痛剤など)は、

1類か2類で、これらがネット販売禁止となる。

ところが今、インフルエンザが流行っている。手指消毒剤のエタノール(消毒用アルコール)や塩化ベンザルコニウム(逆性石鹸)は

第3類で、引き続きネット販売可能なはずである。しかし、ネット・ドラッグショップを見ると分かるが、多くの店は、3類だけ売っても仕方がない

と考えているようで、店のサイトを丸ごと閉鎖しようとしている。

閉鎖になる前に買っておこうという人が殺到したのだろう。ベンザルコニウムのエタノール溶液(手指消毒剤)の

ラビネットウェルパスはどこでも売り切れだ。

これらは、街の薬屋へ行けば分かるが、殆ど売っていない。

病院を取引先に持つ、消毒液専門の製薬会社にコネでもないと入手出来ない。街で売っていたとしても何しろ液体だから、

まとめて大瓶を買ったら重い。ネットで買うのにぴったりなのだ。

本来6月1日以降も買える、しかも、今のようにインフルエンザが問題となっているときに消毒薬が買えなくなる。

インフル騒ぎが一段落すれば、買えるようになるかもしれないが、一段落してから買えるようになっても、あまり意味が無い。

何故、よりによって今、このような非常事態に、杓子定規に従来の決定通りに改正薬事法を施行するのか。


記事1における、ケンコーコム社長の意見も筋が通っている。今、国はコンビニで薬剤師がいなくても、

市販薬の販売を許可しようとしている。「対面販売」でありさえすれば、コンビニの薬学の知識の無い兄ちゃんが売っても、

ネットで売るよりは安全だというのか?そんな馬鹿なことがあるはずがない。

とにかく厚労省がパブリックコメントを受け付けたのもポーズで、どうやら、記事2の最後のあたりが、

真実の核心を突いているようだ。

世耕議員は「見えないプレッシャーがあった」と話すにとどめ、具体的な説明は避けた。

この国は主権者たる国民のためにではなく、ヤクニンや政治家のセンセーたちが美味しい思いをすることを至上課題として、

運営されているのである。

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2009.05.24

「新型インフル マスク過信禁物 症状ない人には予防効果なし」←私、そう書いたでしょ?

◆記事1:新型インフル マスク過信禁物 症状ない人には予防効果なし(5月24日9時35分配信 琉球新報)

新型インフルエンザの患者が各地で報告される中、県内の薬局・薬店でも全国同様、マスクが売り切れる店舗が続出している。

「予防のため」と買っていく客が多いが、県は「症状の出ていない人がマスクを着けても意味がない。感染の疑いがある人に行き渡るようにしてほしい」

と冷静な対応を呼び掛けている。

国内初の感染が確認された16日以降、県内の薬局・薬店でマスクの売り上げが急激に伸びた。

多くの店舗で在庫が尽き、入荷のめども立たない状態が続いている。ヴァインドラッグ末吉店(那覇市)では

22日昼に約250枚を入荷。「1人5枚まで」という制約を付けたが、その日のうちに売り切れた。

田中粂之薬剤師は「『予約したい』という問い合わせも多いが断っている」と話す。

 宇江城香さん(45)=那覇市=は23日、家族の感染予防にマスクを求めて同店を訪れたが売り切れ。

「心配。マスクで備えたい」と話した。田中薬剤師によると「関西に住む親類に送る」という人や

県内に支社を持つ企業が本土の支社に送るために大量購入するケースもあったという。

那覇市の別の薬店では先週末からマスクを入荷できず、在庫を少しずつ店頭に出していたが、

開店と同時に売り切れる状態が続いた。23日で在庫も尽き、入荷も未定。

ドラッグイレブン一日橋店は同日午後8時現在、在庫が約20セットあるが、

担当者は「売れ行きから考えるときょう中に売り切れる」という。

こうした動きに、県福祉保健部の宮里達也保健衛生統括監は「買いだめはやめて」と呼び掛ける。

インフルエンザの疑いがある人が病院などに向かう場合、飛沫(ひまつ)感染を防ぐためマスクを着用する必要があるが

「症状が出ていない人が予防のために着けるのは意味がない」と説明。

「かぜの症状があるなど、マスクが必要な人に行き渡らないのは本末転倒だ」と懸念を示す。

症状があってもマスクがない場合は、ハンカチを口に当てたり、

ペーパータオルを折りたたんで作った簡易マスクでもマスク同様の効果が得られるという。


◆コメント1:私、マスコミが書く前から書いていますよね。

新聞が書いたあとで、後付けで、「私もそう思っていた」と書くのは狡いが、私は先週書きましたよ。

「東京、神奈川でも感染確認=同じ高校の女子生徒2人-新型インフル」←「マスクで万全」じゃないですよ。ココログ

リンク先をお読みいただくと分かるが、私は、

感染者が飛沫を飛ばさないようにマスクを着けるのは、理屈が通るが、予防的には、あまり意味がない。

と書いた。感染者以外でマスクが意味を持つのは、家族に感染者が出た場合、あるいは感染者を診療する医療従事者だ、と。

それより、飛沫感染を防止するためには、正しい手の洗い方を覚える方が大切だ、と。

言った通りでしょう?


◆記事2:「大地震の時のお礼にマスク」台湾から兵庫・大阪へ(朝日新聞)(2009年5月21日5時34分)

新型インフルエンザの感染が広がる兵庫県と大阪府に20日、台湾当局がマスク計20万枚を贈った。

99年の台湾大地震の際、兵庫県から職員の派遣や義援金約2億8千万円を受けたことへの「お返し」という。

計200万枚が届くことになっており、両府県は配布先を検討する。

神戸市中央区の県災害対策センターには20日夕、マスクの入った段ボール箱100個が到着した。

台北駐大阪経済文化弁事所の黄諸候所長は「台湾は新型肺炎でとても苦しい経験をしたので、いち早く届けたかった」と話した。


◆コメント2:マスクの有効性うんぬんとは別に台湾にはお礼を言わなければならない。

マスクだけでは意味がない、と書きながら、矛盾しているかもしれないが、それはそれ、これはこれ、である。

他にこんな事をしてくれた国は無い。

しかもこれは、

99年の台湾大地震の際、兵庫県から職員の派遣や義援金約2億8千万円を受けたことへの「お返し」

10年も前の恩義を忘れずにマスクを送ってくれたことを知り、この記事を読んで、私は素直に有り難いと思った。

これは、マスクの有効性云々とは別。 兎にも角にも、台湾の好意に、日本国として素直に謝意を表するべきである。

麻生さん、ちゃんとお礼を言いましたか?

台湾は、日本が国際法上、国家として承認していない国の一つだが、

それとこれとは別。繰り返すが、日本国として公式に謝意を表するべきだ。

そうしなければ、日本は他国の好意を無視する非礼な国となってしまう。

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2009.05.23

【音楽・映像】上手いトランペット吹き色々。/【番外】非常に上手い謎の女性ホルン奏者。

◆フィリップ・スミス(ニューヨークフィルハーモニック首席)

この人は、有名ですね。Philip Smithですが、Phil Smithと略して呼ばれることが多い。

自分のウェブサイトまで持っています。

1978年、副首席トランペット奏者として入団し、10年後1988年、首席奏者となり21年を経てなお活躍しています。

彼が、首席になって間も無いころ、仲間(NYフィル)の伴奏で、ハイドンのトランペット協奏曲を吹いた映像が残っています。

この人、いつも冷静で、絶対に間違えない。非常に卓越した奏者です。埋め込み不可なので、リンクを貼ります。

ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調より、第一楽章。



Phil Smith Plays Haydn Concerto 1/NYPO/Mehta



第二楽章



Phil Smith Plays Haydn Concerto 2/NYPO/Mehta



第三楽章



Phil Smith Plays Haydn Concerto 3/NYPO/Mehta



演奏後もケロッとしてます。ステージでも音楽には集中していますが、全然アガっていない。


因みに今年の一月、1981年に故・ダニー・ケイがニューヨークフィルハーモニックを指揮した映像を紹介しました。

あまりにも楽しいクラシックの映像なので、1人でも多くの方に見て頂きたいのです



その中で、ヴェルディのアイーダの有名な「凱旋行進曲」のトランペットをわざと無茶苦茶ヘタクソに吹いている場面があります。

An Evening with Danny Kaye -1981 (part 8 / 17)ですが、この超ヘタクソをわざと吹いているのがPhil Smithです。

1分50秒あたりから、始まります。






上手い人が、こういう風に吹くのは、逆に難しいと思います。Phil Smithさん、けっこうサービス精神旺盛です。


◆イギリスの女性トランペット奏者、アリソン・バルサム(Alison Balsom)

この人は、最初に録音したCDが、Bach: Works for Trumpet なのですが、

この写真だけ見せられたら、まさかプロのトランペット吹きとは思いませんよね。

ものすごく上手いか?というと、今は全体のレベルが高いので、細かい所で少し粗さが目立ってしまいますが、

上手いですよ。私の年代の人間から見ると、こんな上手な女の子が出てくるとは想像も出来なかった。

フンメルのコンチェルト第3楽章を聴いて、見ていただきます。







こういう「セクシー路線のトランペット奏者」って、(別に嫌味でも皮肉でもなくて)初めて見ました。

しかし、くどいようですが、クラシックの世界はセクシーだけで食えるほど甘くない。

上手いからそれなりに評価されているのです。バルサムのハイドンとフンメルは、

Haydn, Hummel: Trumpet Concertosで聴けます。


◆クラシックも吹けるジャズ・トランペッター、ウィントン・マルサリス。

アメリカのウィントン・マルサリスは自分はジャズのトランペット吹きだという意識なのです。

ジャズの世界でも評価が高いらしいですが、これは私は正直言って良く知りません。

ジャズだろうが何だろうが、トランペットを吹く基礎は同じです。ジュリアードを出ているそうで、

演奏を聴くと、なるほど、と思います。まともに勉強した人であることが分かります。

ウィントン・マルサリスによる、フンメルのトランペット協奏曲から、第三楽章をどうぞ。

埋め込み不可なので、リンクでご了承下さい。


Wynton Marsalis Hummel Trumpet Concero in E 3rd Mov.



素晴らしいテクニックを持っているのみならず、クラシックを吹くときには、ちゃんとその流儀に従っています。

これは、文句の付けようがないですね(音色は人それぞれ好みが分かれるかも知れませんが)。

彼のハイドン・フンメルを録れたCDは、トランペット協奏曲集です。


ノルウェーの女性奏者、Tine Thing Helseth(ティーネ・シング・ヘルセス)。

このトランペット奏者は、ことし1月にご紹介しました。

【音楽】新しい才能の発見。女性トランペット奏者、Tine Thing Helseth(ティーネ・シング・ヘルセス)。

このときには、ハイドンの協奏曲から終楽章を演奏している映像にリンクしました。

今回見つけたのは、まず、フンメルの終楽章。同じ曲で聞きくらべるとそれぞれの奏者の違いがよく分かります。


Tine Thing Helseth: Hummel trumpet concerto, 3rd mvt



非常に正確なのです。それぞれの音の始め、発音が明瞭で、タンギングが綺麗です。

音程が良く、音質にムラがない。高音になっても音に緊張が生じないには、身体の力が抜けている証拠です。


この人、気に入ったので探したら、もう1曲、マルチェルロのオーボエ協奏曲、「ベニスの愛」という映画で第二楽章が使われて

有名になった曲ですが、これをトランペットで吹いています(それ自体は、モーリス・アンドレを含む多くのトランペット奏者が、

やっていることです)。単純にテクニックの難易度という観点からはフンメルの3楽章よりも易しいでしょうが、

非常に卓越した演奏です。


Tine Thing Helseth: Marcello trumpet concerto, 1st mvt.





この人、上手いと思うなあ。性別と無関係に。CDは前回紹介したときから変わらず、1枚しかありません。

トランペット協奏曲集 ヘルセス(tp)ノルウェー室内管弦楽団

ハイドン、アルビノーニ、ネルーダ、フンメルの協奏曲が収録されています。どれも良いです。


◆ロシアの天才「少年」も大分オッサン風になりましたが、とにかく上手い。セルゲイ・ナカリャコフ。

この人は14歳ぐらいで既にテクニック面は完全に出来上がっていて、滅茶苦茶上手いのです。

1977年生まれですから今はすでに30を過ぎていますが、日本中のラッパ好きが驚嘆した、ヴェニスの謝肉祭~ミラクル・トランペット

を録音したときには15歳の美少年でしたね。

このCDにも収録されている、アーバンの「ヴェニスの謝肉祭」の主題による変奏曲を大人になってから吹いている映像があります。

すっかり大人ですが、目の回るようなテクニックは相変わらずです。まず、それを。


いつでしょうね。明らかにサントリーホール。来日公演のテレビ放送の画像です。

画質音色ともに良くないけど、一度はご覧になるといいです。

Sergei Nakariakov,Carnival of Venice





あまりにも上手いので、テクニックだけに注意が向いてしまいます。

彼がフンメルの第三楽章を吹くと、どうなるか。


Sergei Nakariakov en Rosario, Argentina - 3 Mov. Hummel





これだけでは、断定できないのですが、どうも、テクニックは申し分がありませんが、

音がやや粗く聞こえるのと、フレーズの終わり方の処理などにややデリカシーが欠けるような気がしないでもない。

まだ若いので、音楽的に円熟することを祈ります。


◆【番外編】異常に上手い、スウェーデンのホルン奏者。ワーグナー「ジークフリート」のソロ。

5月22日はワーグナー(1813~1883)の誕生日でもあります。

ワーグナーの代表作にして超大作、「ニーベルングの指環」は、全て上演するのに四夜(上演時間約15時間)かかります。


  • 序夜(第一日とは言わないのです):「ラインの黄金」

  • 第1日 :「ワルキューレ」

  • 第2日 :「ジークフリート」

  • 第3日 :「神々の黄昏」

この第2日「ジークフリート」第2幕で演奏される「ジークフリートの角笛」通称「ジークフリート・シグナル」

という大変有名で、難しいホルン・ソロがあります。

ドイツの「バイロイト音楽祭」で「指輪」を上演しますが、ヨーロッパのホルン吹きにとって、

「バイロイト音楽祭」で「ジークフリート・シグナル」を吹かせて貰える、ということは大変な名誉だそうです。



背景説明はこの辺にします。偶然見つけた、ものすごく上手い女性ホルン奏者がいて、この「ジークフリート・シグナル」を

演奏しているYouTubeの画像があるのです。

ストックホルム歌劇場管弦楽団のアンナミア・エリクソン(Annamia Eriksson)という人であることは判明しましたが、

CDも無い。この映像は、何かのプロモーション・ビデオのようなのですが、これ以外何も無いのです。

ただ、演奏が卓越して上手いので、世界中からこの動画にリンクが貼られていて、

「な、何なんだ?この人は?」という状況です。まあ、お聴き下さい。


Annamia Eriksson plays Siegfried's Horn Call by Wagner



他の演奏も聴かないと比べられませんけど、男性でもなかなかこれだけの太い安定した音を出すのは難しいのではないかと

思いますし、テクニックが完璧で、ヒヤリとさせられるところ(がホルンは多いです)が全く有りません。

驚嘆すべき上手さで、何故、もっと有名にならないのか、と思います。元々西洋音楽ですから、西洋には

これぐらいの人がいくらでもいるのでしょうか。特に北欧には知られざる金管の名人が多いのでしょうか。

先ほどのトランペットのティーネ・シング・ヘルセスはノルウェー、アンナミア・エリクソンはスウェーデン。

トロンボーンで「熊ん蜂の飛行」を吹く、クリスティアン・リンドベルイもスウェーデン。リンドベルイは有名ですが。

前述のとおり、この映像、謎でして、エンドロールまで付いていて、プロが撮影、録音したものらしいのですが、

商品化されているわけでもなさそうです。最初、駅の中で1人ポツンとホルンを持って立っているという演出も意味不明。

ジーパンにハイヒールで、ツカツカと何処かの宮殿(ヨーロッパはこういう場所沢山あります)のサロンに入ってきて、

いきなり、すごい上手さで「ジークフリート・シグナル」を吹くので、世界中のラッパ吹きがたまげて、ひっくり返っているようなのです。

詳しいことはよく分かりませんが、スウェーデン・ホルン協会のサイトに名前が載っていて、Stockholm Operaで吹いている、という

説明が有るだけなのです。

これほど上手いなら、協奏曲でも何でもよいのでCDを出して欲しいと思います。

番外編でした。

2日続けて音楽になってしまいました。

金曜の夜の間に更新する予定でしたが、疲れて寝てしまいました。悪しからず。

それでは、皆様良い週末をお過ごし下さい。

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2009.05.22

【音楽】5月21日は、トランペット奏者モーリス・アンドレ(1933~)の誕生日です。

◆今日は、どんな大事件が起きようが、モーリスアンドレ、と決めていました。

7年以上日記を書いていて、毎年のように、フランスのトランペット奏者、モーリスアンドレを取りあげています。

最近のラッパを吹く若い人の中には、「もう、モーリス・アンドレは古い。」見たいな風潮があるようですが、

それは、確かに、もう引退していますが、トランペットを吹いていて、モーリス・アンドレの偉大さが分からない奴がいたら、

そいつは間違いなく、大馬鹿野郎です。好むか好まざるか、に関わらず、モーリス・アンドレは不世出のトランペットの名手です。

天才としか言えません。クラシックのソロ・トランペットで食える人が今ではさほど不思議ではありませんが、これは、

モーリス・アンドレが開拓した分野なのです。


楽器を演奏する人の中には、あまり上手い人を聴くと、「到底自分はあの領域に達することはできない」ことを悟り、

嫌になってしまうという人がいます。それは、本気で練習しているからこそそうなるのかもしれません。

私のようにプロになりたいと思っていたのにあっさり諦め、止めた人間にはこういう発言をする資格はないかもしれませんが、

自分がラッパを吹いていた頃、「たとえ、自分がどれほど練習してもモーリス・アンドレのようにはなれない」ことははっきり分かりましたが、

私はそれでラッパを吹くのが嫌になることはありませんでした。あまりにもずば抜けて優れた才能に対しては畏敬の念を抱くだけです。


◆はじめに、映像を載せます。テレマン:トランペットと弦楽合奏のための合奏ソナタ ニ長調

今まで音は散々載せましたが、モーリスアンドレの動画を載せるのは初めてです。

テレマンのトランペット「ソナタ」と画面に表示されますが、実質、コンチェルトです。この画像を見るまで

知りませんでした。

1989年、ブタペストでの演奏、と書かれています。全盛期は過ぎているのに、驚くほどのテクニックと輝かしい音。

ものすごく難しいのに、余裕で吹いています。最後の高音だけでも素晴らしい。



簡単そうに聞こえるのが、如何なる音楽の分野でも名人の証拠です。文句の付けようが有りません。

この曲は、バロック・トランペット協奏曲集に収録されています。


◆カラヤン・ベルリンフィルとの共演CDから

昔は、モーリス・アンドレのCD、山ほどあって、簡単に買えたのですが今では随分絶盤になってます。

しかし、これは、今でも容易に買えます。モーリス・アンドレ/トランペット協奏曲集

これは丸ごと載せたいぐらいですが、そうもいかないので、まず、

フンメル:トランペット協奏曲変ホ長調から第3楽章です。






唖然とします。

次に、同じCDに収録されている、ヴィヴァルディの協奏曲変ロ長調から第一楽章。






普通のトランペットよりオクターブ高い。私はこの音域の音を出すことすら、出来ませんでした。

このCDの最後。何度も載せましたが、テレマンのトランペット協奏曲ニ長調から。

第一楽章。私は初めてこの演奏を聴いたとき、あまりの美しさに暫く、動けなくなりました。






第四楽章。完璧な音のコントロール!最後の高音の輝き!






何百回聴いても素晴らしい。私はこの演奏を、アナログ・レコードの時代から30年間、聴いています。


◆トランペット・ヴォランタリー(トランペットとオルガンのための音楽)

これは、編曲ものばかりですが、絶対良いです。過去何度もお薦めして、「とても良かった」とのメールを読者の方から頂戴しました。

CDはトランペット・ヴォランタリー(トランペットとオルガンのための音楽) です。

まず、イギリスのオルガン奏者兼作曲家、全然有名じゃないですがスタンリーという人が書いた、

トランペット・テューン。






爽やかで、明るくて、品格があって、輝かしい。曲も演奏も素晴らしい。このCDお薦めです。

もう一曲。何とバッハの無伴奏チェロ組曲第5番、BWV1011からブーレをトランペットで吹きました。





こっちがオリジナルみたい。


◆バッハ管弦楽組曲2番トランペット版

これは、雅子妃殿下とトランペット(ココログのみ)という記事で取りあげ、ご好評でした。

日本ではCDは入手出来ず、アメリカのAmazonで漸く見つけました。Trumpet Concertos

ブーレI、IIです。






ポロネーズです。中間部、チェロが主旋律を弾き、トランペットはオブリガートです。

普通なら、ものすごく「きつい」音域で、ブレスも長い。しかし、鮮やかです。






メヌエットです。もの悲しく、美しい。





速い、バディネリです。最初にご紹介したときに、冒頭の音型が

「とってもとっても大変だ」

に聞こえると、書きました。全然余裕で吹いています。






本当はもっとご紹介したいのですが。週末にかけてゆっくりお聴き下さい。

モーリスアンドレのトランペット演奏は、永遠の輝きを放っています。

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2009.05.21

「東京、神奈川でも感染確認=同じ高校の女子生徒2人-新型インフル」←「マスクで万全」じゃないですよ。

記事1:東京、神奈川でも感染確認=同じ高校の女子生徒2人-新型インフル(5月21日0時28分配信 時事通信)

東京都と川崎市は20日、川崎市の同じ高校に通う女子生徒2人が新型インフルエンザに感染したと発表した。

19日にほかの同級生4人とともに米ニューヨークから帰国。

現地で2人は同室に滞在していた。都などは帰国後の接触者調査を進めている。

感染者の確認は首都圏では初めてで、成田空港の検疫を除き、大阪、兵庫、滋賀、東京、神奈川の5都府県に広がった。

東京都は学校や保育所の休校措置は取らず、集会の自粛要請もしない方針。

都や市などによると、感染が確認されたのは八王子市と川崎市に住み、私立洗足学園高校(川崎市高津区)に通う

2年生の女子生徒2人=いずれも(16)=。11日から18日まで、「模擬国連」に出席するため、

ほかの同級生4人とともに、ニューヨークに滞在していた。


◆記事2:八王子の女子生徒の足取り(NHK 05月21日00時27分)

八王子市保健所によりますと、新型インフルエンザの感染が確認された八王子市の女子生徒は、

19日午後2時すぎにアメリカから成田空港に帰国しました。

成田空港からはバスに乗って東京・多摩市の多摩センター駅に行き、そこで京王相模原線に乗って橋本駅に向かったあと、

JRに乗り換えて、夜、八王子市内の自宅に到着したということです。空港を出て帰宅する間、

女子生徒はマスクを着用していて、自宅に戻ったあとは外に出ていないということです。

機内検疫の際には39度あった熱は、帰宅後、いったん37度7分まで下がったということですが、

未明になって熱が40度3分まで上がったため、20日午前10時ごろになって母親が八王子市保健所に連絡しました。

保健所は生徒の自宅に車に迎えに行き、その車で午前11時半ごろ、八王子市内の指定医療機関に到着したということです。


記事3:新型インフル 「季節性と変わらず」厚労相、新たな対策へ(5月18日21時38分配信 毎日新聞)

舛添要一厚生労働相は18日会見し、新型インフルエンザについて

「感染力や病原性などは季節性インフルエンザと変わらないとの評価が可能」と述べ、感染者の入院措置を緩和するなど、

新たな対策に切り替える方針を表明した。「全国でまん延している可能性がある」との認識も示し、

今週内に国の行動計画を第3段階(感染拡大期、まん延期)へ移行する可能性があることも明らかにした。

政府対策本部は、水際阻止以外の国内初感染が確認された16日、市町村単位を原則とする学校の休校要請や、

医療体制の整備促進などの対応策を示した。その後、感染が急拡大し、

兵庫県と大阪府が全域で中高校の1週間休校を決めるなど市民生活への影響が広がるとともに、

患者を入院させる感染症指定医療機関の病床が不足する恐れも出ている。

これを受け舛添氏は「季節性インフルエンザと同様の対応にしないと、都市機能がまひするとの(地元の)意見を踏まえて運用したい」

と述べ、弱毒性であることを考慮した対策への切り替えが必要との認識を示した。


◆記事4:「季節性と同じでない」=成人に重症例、死者も-感染拡大続く・押谷東北大教授(5月20日20時3分配信 時事通信)

世界保健機関(WHO)の新型インフルエンザ対策に携わる押谷仁東北大教授が20日、東京都内で講演し、

「通常の季節性インフルエンザと同様と言われるが、被害は全く違う形で出てくる。

想定される被害にどう対処するか、真剣に考える必要がある」と警告した。

押谷教授によると、ほとんどの感染者は軽症だが、5歳以下と20-50代を中心に重症、死亡例があり、高齢者では少ない。

持病のある人や発症後の治療が手遅れだった人以外に、一部の健康な成人も重症のウイルス性肺炎を起こしており、

「こうなると先進国でも治療が難しい」という。

その頻度が低いため、「100人、200人規模では分からないが、10万、20万になれば見えてくる」と同教授。

季節性インフルエンザによる死者の多くは高齢者か重い疾患のある人で、

「今回のは全く違う。ウイルスが直接死因になっている」とする。

重症者は集中治療室(ICU)での管理が必要だが、

「効率化で削減され、ICUがない地方もある。都会でも不足している」と日本の医療の弱点を挙げ、

被害が拡大する恐れがあるとした。


◆記事5:新型インフル死者数、世界で84人 鳥インフルの年間最多上回る(NIKKEI NET)(15:05)

豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザによる死者数が19日(日本時間20日)にメキシコで4人、

米国で2人増え、世界全体で84人になった。強毒型の鳥インフルエンザ(H5N1型)の年間死者数は、

世界保健機関(WHO)によると、最も多かった2006年で79人で、新型インフルエンザが上回った。

日本時間20日午後1時時点の世界の感染者数は1万373人(米国は感染の疑いが濃厚な人を含む)となった。

新型インフルエンザで死者が出ている国はメキシコ(74人)、米国(8人)、カナダ(1人)、コスタリカ(1人)の4カ国。

米国では19日、ミズーリ州の40代の男性、アリゾナ州で1人の死亡を連邦・州政府の保健当局が確認した。

メキシコ保健省の同日の発表によると、メキシコの死者の13%が20歳未満の若年層だった。

米保健当局の疾病対策センター(CDC)も「極めて異常なことに20歳以下で入院が必要な人が多い」と指摘、関連性を注視している。


◆コメント:あまり甘く見ない方がいいですね。

舛添厚労相もいい加減だな。WHOが4月17日にパンデミック・アラートをフェーズ3からフェーズ4に

引き上げたときは、早朝から記者会見して、「万全を期す」といっていたのに、記事3の発言は何ですか。

要するに新型インフルエンザの患者数が加速度的に増えて、特に神戸では「感染症指定医療機関」のベッド数が不足しつつある。

だから、新型インフルは大したことない。季節性インフルと同様に扱うことにする、という論理。

なんですか?それは?

記事4と記事5で明らかなとおり、専門家は「決して季節性インフルエンザと同じではない」と述べているし、

なんと弱毒性、弱毒性とすこしみんながたるみ始めたところ、気が付いたら、今回のインフルエンザによる死者数は、

84人で、強毒性の鳥インフルの死者が最多だった2006年の79人を既に上回っている。

健康な人でも死亡例がある、という。

政治家と役人がすこし、ナメていたら、今夜いきなり、記事1のとおり、東京と川崎の女子高生に

確定感染が出た。二人とも同じ川崎の高校に通っているという。

多分、明日(既に日付が変わっているから、今日、21日)以降、同じ学校で新たな感染者が確認され、

その家族、その家族の勤め先、という具合に2次感染が始まっていて、まだ症状が出ていないだけで、

首都圏の感染者は、既に100人単位、1,000人単位で有っても不思議はない。

一旦、東京で感染が拡大したら、何しろ人口密度がすごいから、その速さは近畿地区を越えるだろう。

新型インフルエンザウイルスに対しては、誰も免疫を持っていない。ワクチンの量産体制は7月まで出来ない、という話がある。

◆新型ワクチン量産、7月半ば以降=製薬各社に途上国支援訴え-WHO(5月19日19時21分配信 時事通信)

世界保健機関(WHO)は19日、新型インフルエンザワクチンの大量生産の開始時期が7月半ば以降になるとの見通しを明らかにした。

WHOなどは現在、ワクチン開発の準備作業を進めており、当初は月内にワクチン開発に必要な素材を製薬会社に提供する予定だったが、

現時点では6月にずれ込む見込みとなっている。

つまり、予防接種による、感染予防は当分、期待出来ない。

ワクチンが開発された頃には、感染拡大が収まっていた、などという皮肉な結果になりそうだ。

予防する手段は、本当はタミフルやリレンザを飲んでおく、という方法があるのだが、

予防に抗ウイルス薬を景気よく使ってしまうと、季節性インフルが流行する季節に不足する恐れがある。

但し、新型インフルエンザの患者の治療・看護にあたる医療従事者が感染して診療出来なくなったら困るので、

これらの人々には抗ウイルス薬の予防的処方が必要だろう。


◆マスクを着用すれば大丈夫、と言うわけではない。

近畿だけでなく、昨日あたりから東京ではマスクが入手できず、オークションで10倍の値段で売買されているそうだが、

マスクをしていれば安全というわけではない。感染した人がくしゃみをしたときに、

飛沫を飛ばさないようにマスクを着けるのは、理屈が通るが、予防的には、あまり意味がない。

ウイルスの直径は0.1ミクロン(1ミクロン=1,000分の1mm)。医療用のN95マスクですら、捕捉粒子は0.3ミクロン以上。

ウィルスを含む気道からの飛沫物質は0.3ミクロンだから、患者を治療・看護する人が患者の飛沫を吸入しないようにするには有効だが、

飛沫粒子の水分が空気中で蒸発した場合、乾燥して小さくなったウイルスが空気中に浮遊すると、0.1ミクロンだから、

N95マスクですら捕捉できない。

危ないのは、感染した(と認識していない)人がくしゃみをしたら、その粒子が色々な所に付着する。

その場所を手で触って、ウイルスが付着した手を口元に持っていくと感染する、という「飛沫感染」である。

ウイルスそのものを吸い込む事よりも、この経路で感染するから、手を良く洗いなさい、と言うわけである。

また、インフルエンザ・ウイルスは消毒用エタノールで非活性化できるから、手指消毒用エタノールスプレーを

携行した方が現実的である。エタノールが無くても正しく手を洗えば、かなり飛沫感染を防ぐことができる。

正しい手の洗い方は、厚労省がYouTubeにチャンネルを持っていて、

私たちにもできる新型インフルエンザの身近な予防策(←クリックすると動画再生が始まる)

で、説明している。


◆感染しても罪悪感を持たないこと、持たせないこと。

最初、寝屋川市の高校生がカナダで感染して帰国したとき、学校や市役所にすごい数の嫌がらせがあった、

という話はちょうど10日前に、

「<新型インフル>個室に10日間「停留」会話は内線・携帯で」←もう少し隔離された患者のことも考えてやったらどうです?ココログ)で書いた。

新型インフルエンザの患者は、改めて書くまでもなく、「病人」であり、「罪人」ではない。

これだけ、感染が広まれば、極端に言えば日本人誰もが感染の危険に晒されている。

感染症なのだから、治るまで学校や会社に行ってはいけない。学校や会社は、感染者を差別的に扱うべきではない。

治るまで、気にしないでゆっくり休め、と言うべきである。そうしないと、そこら中感染者だらけになって、

社会全体としての活動が停止してしまう。

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2009.05.20

5月18日はマーラー(1860-1911)の命日でした。「さすらう若人の歌」、交響曲1番3楽章、5番「第1楽章」「第四楽章アダージェット」

◆マーラーは歌も書いていて、それが交響曲に使われているんです。

最初に白状してしまうと、私はマーラーは詳しくないのです。全然。彼の交響曲を全部聴いていません。

マーラーの交響曲では、大抵、私の好きなトランペットが活躍しますが、

今までは、その中でも特にトランペットが大活躍する交響曲第5番ばかり取りあげました。

今日も取りあげるのですが(笑)、それだけではいくら何でも、何とかの一つ覚えなので、

交響曲第1番から第三楽章を聴いて頂きます。非常に切なく、美しいのです。

ただ、マーラーは交響曲ばかりではなく、歌も書いていまして、その旋律を交響曲に使っているのです。

だから、本当は、彼の歌も聴いておくと、交響曲を聴いたときにも面白いのですが、全部アップしたら大変です。


彼が最初に書いた交響曲、第一番「巨人」は名前からは想像し難いのですが、第3楽章が大変美しいのです。

そこでも歌曲集「さすらう若人の歌」 の第4曲「恋人の青い瞳」が使われています。ちょっと暗いですけど、

まあ、マーラーは大抵暗いです(笑)。

それでは、歌曲集「さすらう若人の歌」 の第4曲「恋人の青い瞳」をまずお聴き下さい。


歌は、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウという名バリトンで、もしクラシック通を自称するけど怪しい人がいたら、

「フィッシャー・ディースカウ知ってるよね?」と訊いてみてください。知らなかったら、モグリです。

CDは、マーラー&シューマン:歌曲集です。録音は古いですが、

何しろ、伴奏の指揮をしているのがフルトヴェングラーって、カラヤンの前のベルリンフィルの音楽監督だった人で、

1950年代の録音ですから、これでも大分聴きやすくしてるんです。辛抱して下さいませ。

とにかく、これは上手い演奏なのです。

しかし、ずーっと暗いですからね。飽きたら無理して最後まで聴かないでも良いです。



◆交響曲第一番「巨人」第三楽章。切ない・・・・。

さて、この歌がそのまま、丸ごと使われている訳じゃないのですが、一部使っているのが同じ時期に作曲された、

マーラーの交響曲第1番です。その第3楽章に使われています。こちらは最初コントラバスのソロが出てきます。

珍しい。そして、再生開始後2分半を過ぎたあたりから、オーボエが切ない旋律を吹き、トランペットが重なります。

オーボエの旋律はヴァイオリンに引き継がれます。これがたまらなく切ない。泣ける。これを聴いて頂きたい。


マーラー作曲:交響曲第1番「巨人」より第3楽章。演奏は、オトマール・スイトナー 指揮、シュターツカペレ・ドレスデン

(ドレスデン歌劇場管弦楽団。超一流です)。







地味ですけど、最初から一定のリズムを刻んでいるティンパニ。これ、神経使うと思いますよ。

こんな簡単なの、と思われるかも知れませんが、そうじゃないの。上手い人は音が違うのです。

そしてティンパニでも「歌っ」ているんですよ。


因みにこれは交響曲1番の第三楽章ですけど、出来たら一度、生かテレビで終楽章まで見て下さい。

音楽も壮大ですが、終わり近くになると、ステージ上で、視覚的に「アッ!」と驚くような演出があります。

それはネタバレしたら面白くないから書きませんけど、プレーヤー、指揮者が勝手に行うことではなくて、

マーラーがスコアに指示しているのです。クラシックで普通、こういうのはありません。


◆毎年恒例、交響曲第5番の第一楽章と、第四楽章「アダージェット」ですが、今年は映像です。

古今東西、数え切れないほどの作曲家が交響曲を書きましたが、マーラーの5番は大変エキサイティングです。

冒頭の12小節、音をだすのは、1人のトランペット奏者だけです。音域的、技術的にはプロならそんなに難しくないけど、

何しろ、曲の冒頭ですから、ここで音がひっくり返ったら、酷なことを言えば、

はい、今日のマーラーの5番はお仕舞い。

といっても過言ではない。そういう物なのです。本当にプロというのは大変だと思います。

そういうプレッシャーに耐え続けられる人だけがプロになれ、首席奏者になることができるのです。

私はロンドン駐在時代に、ロイヤル・フェルティバル・ホールで、

フィルハーモニア管弦楽団、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロンドン・フィルの4つのオーケストラで4回この曲を

聴きました。どのオケも一流なのに、なんと4人のうち、二人は冒頭のソロに失敗しました。

この曲を聴きに行くときは、自分が演奏する訳じゃないのに、私は極度の緊張状態に陥ります。

スイマセン。毎年同じ事を書いています。分かっているけど書きたくなってしまうんです。

それでは、マーラー作曲、交響曲第5番 嬰ハ短調 より、まず、第一楽章をお聴き下さい。

演奏は、今年は、音質は落ちますが映像と共に。かなり前のものですが、バーンスタインが、ウィーン・フィルを指揮したものです。

トランペット・ソロは長年、ウィーン・フィルの首席を務めたアドルフ・ホラー先生です。


第一楽章(1/2)





第一楽章(2/2)




冒頭も緊張しますが、楽章終わり近くのギリギリのピアニッシモも、息が止まりそうです。


次は、これまでに何度も聴いて頂きました。マーラーの全ての交響曲の中で最も有名な楽章かも知れません。


第四楽章、アダージェット(1/2)





第四楽章、アダージェット(2/2)





これも、毎年、馬鹿の一つ覚えのように同じ事を書きますが、ぞっとするほど美しい。弦楽器の表現力の

奥深さがよく分かります。神経を使うだろうと思います。弦楽器奏者達が楽器を弾くときの弓の動きの遅さ、に注目して下さい。

遅いほど難しい。音が揺れやすい。音質にムラが出たり、下手なら音がかすれたりしやすい。

勿論天下のウィーン・フィルですからそんなことは有りませんが、最後、消えるようにディミヌエンドするところ。

バーンスタインは音を切ってないでしょ?限りなく無音に近づく極限の弱音まで音量が下がり、自然に終わる。

生で聴いていると、息をするのも憚られる。こちらの心臓の鼓動が他の人に聞こえて、音楽を邪魔するのではないか

という錯覚に陥ります。

終楽章の冒頭がちょっと入っちゃってますが、これは無音のところで、切って欲しかったです。

しかし、他人様がアップしてくれた映像だから、文句言えません。

今日は完全に自己満足のブログでした。ご容赦のほど。

それでは。

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2009.05.19

「MOX燃料凍結を 420の市民団体が経産相に申し入れ」←何が問題なのか、説明します。

◆記事1:MOX燃料 仏から到着 11月に国内初プルサーマル(5月18日16時7分配信 産経新聞)

フランスで製造したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を載せた輸送船が18日、

静岡県御前崎市の中部電力浜岡原発近くの御前崎港に到着した。

普通の原発(軽水炉)でMOX燃料を燃やすプルサーマル用で、フランスから約2カ月半かけて運搬。

陸揚げした後、船は九州電力玄海原発(佐賀県)と四国電力伊方原発(愛媛県)に向かう。

3社が共同輸送した。順調なら九州電力が玄海3号機で8月に始まる定期検査でMOX燃料を入れ、

11月に国内初のプルサーマルを始める。四国電力は来年1月に始まる定検で、中部電力は来年夏以降の定検でMOX燃料を入れる予定。


◆記事2:<MOX燃料>使用不許可求め要望書 420市民団体が提出(5月18日19時51分配信 毎日新聞)

プルサーマル発電用のMOX(ウランとプルトニウムの混合酸化物)燃料が18日、

中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)に搬入されたのを受け、47都道府県の420市民団体が同日、

MOX燃料の使用不許可を求める要望書を二階俊博経済産業相に提出した。

要望書は、今の国の政策では使用済みMOX燃料の処分方法が未定で、核燃料サイクル技術の開発も遅れている現状を指摘。

「危険度が高く、搬出先もない使用済み燃料が生み出される」とし、今回輸送された浜岡など3原発分の使用不許可や

プルサーマル計画の凍結を求めた。受け取った経産省資源エネルギー庁の担当者は「安全性確保を大前提に計画を進めたい」と答えた。


◆解説及びコメント:プルサーマル、再処理、MOX燃料とはなにか。

原発では、原子炉の燃料としてウラン-235を燃やすのですが、実際に「燃える」のは核燃料のわずかな部分なのです。

使用済み核燃料の燃えていない部分には、ウランとプルトニウムが含まれています。

使用済み核燃料を燃えた部分と燃えていない部分に分けて、更に燃えていない部分から

ウランとプルトニウムを取り出すプロセスを「再処理」と言います。

この燃えなかったプルトニウムと、燃えなかったウランを混ぜて作った新しい核燃料をMOX燃料と言います。

このMOX燃料は、皆さんも名前は聞いたことがあるでしょう「高速増殖炉」で使う為の物なのですが、

日本で稼働する予定だった高速増殖炉「もんじゅ」は1995年12月、試験運転を始めた直後に冷却剤であるナトリウムの

漏洩事故(普通の原子炉の冷却剤は水ですが、いずれにせよ、冷却剤は放射能を含んでいますから、これが漏れたのは大事故なのです)を

起こし、実質、使い物にならなくなりました。プルトニウムを含むMOX燃料の使い道がなくなりました。


そこで、高速増殖炉ではなくて、普通の軽水炉(冷却剤に水を使う)の燃料にMOX燃料を使おう、というのが、

「プルサーマル」計画です。「プル」は「プルトニウム」の「プル」、「サーマル」は、

「サーマルリアクター」(軽水炉。普通の原子炉)のこと。和製英語です。


技術的に高度なことは私も分かりませんが、日本には六ヶ所村に「再処理工場が」あるにも関わらず、

日本では到底、MOX燃料を作ることができません。プルトニウムは天然には存在しない元素で、

非常に強い放射線を放出し、100万分の1グラムでも吸い込んでしまったら、

肺ガンを発生させ、体内から排出されない危険なものです。

ですからプルトニウムの扱いには、高度な技術が必要となります。

六ヶ所村の再処理工場では、とうていMOX燃料を作ることなど無理なので、フランスに再処理を委託していたのです。

そしてそのフランスで作られたMOX燃料が、今日、「中部電力浜岡原発近くの御前崎港に到着した」のです。

MOX燃料が日本に持ち込まれるのは初めてです。


◆何が問題なのか。

何故、日本はMOX燃料を使ったプルサーマル計画にこだわるかというと、

使用済み核燃料が溜まって行くと、プルトニウムも含有されているわけですが、

プルトニウムから核兵器が作れるのです。危険な物質なのです。そして日本は、

1997年に合意された「国際プルトニウム指針」に従って、同時に、

「我が国のプルトニウム利用計画について」をIAEA(国際原子力機関)に提出し、その中で、

我が国は、原子力基本法に基づき、厳に平和目的に限り原子力開発利用を推進してきており、

核燃料サイクルを推進するに当たっては、核拡散に係る国際的な疑念を生じないよう核物質管理に厳重を期すことはもとより、

我が国において計画遂行に必要な量以上のプルトニウム、すなわち、余剰プルトニウムを持たないとの原則を堅持しつつ、

プルトニウム利用計画の透明性の確保に努めている。

と国際公約を発表しているのです。ですから、「平和利用に必要な量」以上の余剰なプルトニウムを保有しては、まずい。

極端に言えば、IAEAから「日本は実は核兵器の製造を目論んでいるのではないか?」と疑われます。

一定量以上のプルトニウムを貯めてはまずいのです。ですからMOX燃料として軽水炉(普通の原子炉)の燃料にして、

使ってしまおう、ということです。


ならいいじゃないか、といいたいところですが、

まず、本来、高速増殖炉で使うべきMOX燃料を軽水炉で使って、本当に安全なのか。と言う問題。

国や電力会社は、勿論、「大丈夫だ」と言うでしょうが、はっきり言って、本当の所は、

実際にMOX燃料を軽水炉で使ってみないと分からない、というところだと思われます。


更に厄介なのは、MOX燃料とて、燃やしても「使用済み核燃料」というゴミが残ります。これをどうするかが、

決まっていないのです。プルトニウムの半減期(放射性物質の中の放射性原子の数が、ある特定の時から半分になるまでの時間)は

2万4000年です。そこら辺に生ゴミのように捨てるわけにはいかない。近寄っただけで人間が直ぐに死んでしまうほどの放射能を

発し続けるのですから。


確かに、地球温暖化を遅らせるためには、石油や石炭のような化石燃料を燃やさない原子力は有効なのでしょうが、

度重なる事故を見ていると、MOX燃料を使用して、万が一冷却水が漏れるなどの事故が起きたら、と思うと、近くの住民は、

嫌ですね。


以前、書いたことがありますが、地球温暖化を防ぐ為に電気を使わないようにしよう、という短絡反応がありますが、

電気自体、つまり、あなたの目の前のパソコンや部屋の電気や、テレビその他家電自体からCO2が排出されるわけではない。

その電気を発生させる過程で化石燃料を燃やすのが問題なのです。

原子力は、CO2を出しませんが、その他のリスクがあまりにも怖い。

風力発電、太陽発電、潮汐発電、そして火山国日本なんですから、地熱発電などを組み合わせれば、

原子力に頼らなくても、十分我々が必要とする電力を供給出来る、とする説もあります。

残念ながら私にはそれは証明出来ませんが。

今すぐに、と言うわけには行かないでしょうが、日本の電力会社と政府は、原子力発電にばかり、

やたらと熱心で、上述したような代替エネルギーに本腰を入れないのは、何かおかしい。

繰り返しますが、電気を使うこと=地球温暖化を速める、ということではないのです。

これらの「新エネルギー」で、十分な電力を供給できるならば、電気をいくら使っても構わないのです。

そこら辺、政府の口車に乗せられてはいけません。

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2009.05.18

【音楽】ファゴットの新星(?)発見。20歳のイギリス人女性ファゴット奏者。

◆ファゴットという楽器。

オーケストラや吹奏楽に馴染みの深い方なら御存知でしょうが、木管楽器で最も低い音域を持つ

ファゴット(fagot←元来、薪という意味だそうで)という楽器があります。英語でいうとバスーン(bassoon)です。

これです。

Fagotto

オーケストラでファゴットの音が前面に出ることはあまり有りませんが、いくつか例を。抜粋ですが、

ビゼーの「カルメン」から「アルカラの竜騎兵」。






これは、最初から長くファゴットが主旋律を吹く、数少ない例ですね。

目立たないことが多くても、ファゴット無しには、始まらない曲もいくつもあります。

チャイコフスキーの「悲愴」がそうですね。

チャイコフスキー:交響曲第6番 「悲愴」冒頭






地の底から響いてくるような、重厚な低音です。一方、ファゴットは音域が約3オクターブ半と広いので、最高音域は、

ト音記号で書かねばならないほどです。ストラヴィンスキーの「春の祭典」はファゴットの最高音域のソロで始まります。

ピアノでいうなら、真ん中の「ド」のオクターブ上の「ド」です。

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」冒頭






このように、音域によって音色も印象も随分変わる。でも、あまりオーケストラで、

華やかなソロは無い。しかし、大切が楽器です。今日はファゴットのコンチェルトやそれに準ずる、

つまり、ファゴットがソロを華やかに演奏する曲を集めました。


◆ファゴットのための協奏曲集 カレン・ジョーヒガン(fg)というCDを発見しました。

ファゴットを特集しようと思ったのは、非常に上手いファゴット奏者を見つけたからです。

ファゴットのための協奏曲集 カレン・ジョーヒガン(fg.)というCDを発見しました。

カレン・ジョーヒガン(Karen Geoghegan)は英国の新進女性ファゴット奏者で、今回私も初めて知りました。

英語でインタビューを受けているサイトを見つけましたが、2008年、つまり去年19歳、今年、二十歳。

5歳から7年間ヴァイオリンを習ったけど、あまり上達せず、ある時たまたま学校で、ファゴットを見かけ、

今まで何か楽器をやっている人なら誰でも良いからファゴット奏者募集、と書いてあったので、始めることにした、

と、何だかあっけらかんとしていますが、習い始めて7年という割には非常に上手い。

自分でもヴァイオリンを弾いていたときより、ファゴットを吹いたときの方が"comfortable and natural to play"だそうです。

要するに、相性がよく才能があったのでしょう。


ファゴットのための協奏曲集から短いのを3曲お聴き頂きます。

今日は、どれも演奏時間が短いですから、朝、ちょこっと聴いて、

ご帰宅後、ゆっくり聴いて頂ければ、と思います。


さて、まず、ウェーバー。あの「魔弾の射手」「オベロン」のカルロ・マリア・フォン・ウェーバーの、

アンダンテとハンガリー風ロンド Op. 35から「ロンド」をどうぞ。

少しボリュームが大きいかもしれません。






ファゴットソロも見事ですが、伴奏するオーケストラの音楽も如何にもウェーバーらしい重厚な響きです。

2曲目は私は、全然知らなかったスウェーデン作曲家、フランツ・アドルフ・ベルワルド(Franz Adolf Berwald)(1796-1868)の作品です。

フランツ・アドルフ・ベルワルド:ファゴットと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥックから第3楽章。






ベルワルドはウィキペディアの説明によればヴァイオリニストだそうですが、ファゴットの特性が

大変よく分かっていると思います。

カレン・ジョーヒガン演奏も実に上手いですね。指は回るし、音域によって音質にムラがなく、

一つ一つの音の粒がはっきりしていますね。発音が明瞭で、楽器をよく鳴らしています。



最後に編曲もの。御存知ガーシュウィンの歌劇「ポーギーとベス」から有名な「サマータイム」

ジョーヒガンは、早い曲でテクニックを披露するだけではなく、「ちゃんと歌えるのよ」と言いたそうです。

ファゴットで「サマータイム」?と思ったのですが、まあ聴いて下さい。

ジョージ・ガーシュウィン(1898-1937)歌劇「ポーギーとベス」 - 第1幕 サマータイム(ファゴットと管弦楽編)







ちょっと、私の編集の所為で音が割れているように聞こえるかもしれませんが、

元の録音だと、もっと美しい音です。そして、この曲、ただ真面目に吹いたのでは、「歌」になりませんが、

その辺をこの女の子、よく分かっていて、とても音楽的だと思います。

ソロ・ファゴット奏者、しかも女性は、非常に少ないですが、かなり卓越した才能の持ち主だと思い、

ご紹介しました。

それでは、

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2009.05.17

「国内感染、高校生8人に=神戸2校で、大阪9人濃厚-拡大の恐れ・厚労省」←感染拡大を防ぐために抗ウイルス薬の使用を躊躇うな。

◆記事1:国内感染、高校生8人に=神戸2校で、大阪9人濃厚-拡大の恐れ・厚労省(5月17日0時37分配信 時事通信)

厚生労働省は16日、新型インフルエンザ感染が確認された男子生徒が通う兵庫県立神戸高校を含む

2校の高校生7人の感染を新たに確認したと発表した。国内感染はこれで計8人。

大阪府でも高校生ら9人が感染した可能性が濃厚で、同省は関西地方で人から人にうつる

集団感染が始まったとの見方を強め、感染ルートの解明を急いでいる。


◆コメント:1感染ルートも大事だが、拡大を防ぐこと。

新型インフルエンザの感染者が何故、神戸で突如現れたか?

新型インフルエンザ対策の政府の諮問委員会のメンバーで、防衛医科大学校の川名明彦教授によると、

海外への渡航歴のない高校生が新型インフルエンザに感染していたことについて、

「今回の新型インフルエンザは比較的症状が軽く、一般のインフルエンザと区別がつかないため、

地域である程度感染が広がった段階で見つかることになってしまったのではないか

と言っている。日本に新型インフルエンザウイルスが入り込んだ時期については
患者が今月11日に発症していることから考えると、大型連休が明けたころには患者の周辺で

局地的な流行が始まっていたのかもしれない。今後、詳しい調査が必要だが、

ウイルスはそれ以前に検疫をすり抜けて国内に入っていたと考えられる。

と述べている。今更言っても仕方がないが、ちょうど新型インフルエンザの患者が増え、

WHOがパンデミック・アラートをフェーズ4に引き上げた(現在はフェーズ5)直後から日本のGWが始まった訳で、

偶然だけれども、日本にとっては最悪のタイミングだった。

神戸、大阪で渡航歴の無い高校生が新型ウイルスに感染したということは、

世界中に出かけていった人がウイルスに感染して帰国したのだろう。

そうだとすれば、今後近畿地区だけではなく、日本中に感染者がいる可能性は否定できず、

大規模感染になるだろう。

感染経路を調査するのも重要だが、国内での新型インフルのヒトーヒト感染がほぼ明らかになった以上、

国内での感染拡大を防ぐことを優先するべきである。といっても、今回の新型インフルエンザウイルスのワクチンが

開発され、製造されるまでにはまだ時間がかかる。このウイルスは季節性インフルエンザと同じH1N1型だが、

WHOに言わせると、豚インフルが変異した、新型のH1N1型は従来よりも感染力が強く、

文字通り、「新型」ウイルスで世界の誰も免疫を持っていないだろう、という。

免疫はない。ワクチンもない。感染を予防するには、手洗い、マスクも良いが、

一番まずいのは、新型インフルエンザの治療にあたる医療従事者自身が感染し、隔離されてしまうことである。

これが頻発するようだと、治療する人がいなくなる、という最悪の事態になる。

ワクチンが無い状態でH1N1型(変異型であっても)の感染を予防するためには、

予め抗ウイルス薬を飲んでおくほかに手はない。

安易に使うと抗ウイルス薬に耐性を持ったウイルスが出現する恐れがあるというが、

医療従事者は、薬を服用するべきである。

なお、タミフルは普通のカプセルで、経口投与だが、リレンザは特別の吸引器を用いて、

錠剤を粉にして吸引するのである。息子が数週間前、季節性インフルエンザに感染・発症し、

内科でリレンザを処方されて、初めて見たが、最初使い方がよく分からない。

この薬を製造・販売しているグラクソが、ウェブサイトで、使用方法をビデオで説明しているので、

自分や周りの人が感染し、リレンザを処方されてからあわてないように、

GlaxoSmithKline くすりの情報 リレンザで予め知っておいた方が良い。


◆記事2:新型インフル 学校や市に中傷殺到 隔離・停留きょう解除

■「帰ってくるな」「謝れ」

新型インフルエンザで、国内初の感染が確認された高校生ら4人に対する「隔離」と、

周囲にいた人たち48人の「停留」措置が、15日夕から次々と解かれる。

これまでの厳しい行動制限がなくなり、日常生活が可能になる。

だが、生徒らの高校がある大阪府寝屋川市などには、誤解にもとづく誹謗(ひぼう)や中傷が殺到。

関係者らは、いわれのない偏見などを危惧(きぐ)している。

隔離の4人と停留の48人のうち32人が、短期留学の関係者。寝屋川市によると、生徒らが帰国した8日以降、

52件の電話が全国から寄せられた。府や学校にも計100件超の電話が寄せられ、多くが行政や生徒らを批判する内容だったという。

「成田から帰ってくるな」「どうしてあんな学校がカナダ留学にいくのか」といった理不尽な電話や、

「なぜマスクをしなかったのか」「早く帰国させるべきだった」といった留学中の行動にも批判が寄せられた。

「謝れ」「賠償しろ」「バカヤロー」といった罵声(ばせい)を一方的に浴びせるものや、

生徒や教員を個人的に中傷する内容の電話もかかっているという。

寝屋川市の危機管理担当者は「人権を傷つけるような電話もある」と相次ぐ心ない電話に困惑。

その上で「根拠のない批判に対しては、きっちりと正しい情報を伝えて反論するようにしている」と話している。

インターネットの掲示板でも、書き込みが殺到する“おまつり”状態。その多くが「税金使ってウイルス輸入。何やってんの?」

「他人に迷惑かけてるんだ。たかが風邪ひいた問題じゃない」という心ない表現になっている。


◆コメント2:どうして、病人を誹謗するのか。

記事2に書かれていることは、あまりにもひどい。

政府の対応が、とにかく「水際作戦」で感染者を「隔離」することだけにムキになり、

感染者への配慮が足りなかったことも一因であろう。それについては、

「<新型インフル>個室に10日間「停留」会話は内線・携帯で」←もう少し隔離された患者のことも考えてやったらどうです?ココログ)で書いた。

隔離者は、ただ部屋に閉じこめられ、着替えも暫くは与えられず、テレビを見ているしかなかったという。

ハンセン病患者を隔離した「らい予防法」時代を想起させる。「感染した、汚い奴はとにかく閉じこめろ」

という態度である。リンク先の記事で書いたが、新型インフルエンザに感染した生徒は「犯罪者」ではない。

「病人」である。しかもテレビを見るぐらいしか時間を潰す方法がなかったというから、散々自分たちに関する、

過剰な報道を繰り返し見たことにより、ただでさえ精神的ダメージを受けているに違いない。

寝屋川市や学校に寄せられたいわれなき誹謗・中傷を知ったら、どれほど傷つくか。

寝屋川市によると、生徒らが帰国した8日以降、52件の電話が全国から寄せられた。府や学校にも計100件超の電話が寄せられ、

多くが行政や生徒らを批判する内容だったという。「成田から帰ってくるな」

「どうしてあんな学校がカナダ留学にいくのか」といった理不尽な電話や、

「なぜマスクをしなかったのか」「早く帰国させるべきだった」といった留学中の行動にも批判が寄せられた。

「謝れ」「賠償しろ」「バカヤロー」といった罵声(ばせい)を一方的に浴びせるものや、

生徒や教員を個人的に中傷する内容の電話もかかっているという。

「成田から帰ってくるな」インフルエンザウイルスが体内から無くなれば、他人を感染させる危険はない。

「どうしてあんな学校がカナダ留学にいくのか」大きなお世話である。何処へ行こうが自由だ。

「なぜマスクをしなかったのか」マスクをしていれば、感染しなかった事が証明できるか。

「謝れ」「賠償しろ」「バカヤロー」に至っては、馬鹿過ぎて話にならない。

集団感染が国内で起きた以上、自分も感染し、「隔離」されるかもしれないのだ。

海外へ行ったことが「悪い」のならば、GWに、既に新型インフルエンザ感染者がいることが

判明していた国へわざわざ旅行した、全ての日本人が非難されるべきである。

日本人の悪い癖で、弱者を更に痛めつける。匿名のネットが発達してから余計ひどくなった。

統制されないと、人間のメンタリティとは、この程度のものなのだろうか。

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2009.05.15

「<日銀>景気判断の上方修正を検討」←4月30日の展望レポートで今年の経済成長予想大幅下方修正したばかりなのに?

記事1:<日銀>景気判断の上方修正を検討(5月15日18時50分配信 毎日新聞)

日銀は15日、景気の現状判断について、従来の「大幅に悪化している」との表現を上方修正する検討に入った。

輸出や生産をめぐる経済指標で下げ止まりの兆しが見えてきたためで、21、22日に開催する金融政策決定会合で議論する。

上方修正すれば、ゼロ金利政策を解除した06年7月以来、2年10カ月ぶり。

日銀は1月から「景気は大幅に悪化し、先行きも当面悪化を続ける可能性が高い」との厳しい認識を示してきた。

ただ、3月の鉱工業生産が6カ月ぶりに改善するなど、昨秋以降の急激な景気の落ち込みが鈍りつつあることから、

日銀の白川方明総裁は13日の講演で「悪化は徐々に緩やかになり、年末にかけて安定する」との認識を示していた。


◆記事2:街角景気、4カ月連続改善=「悪化に歯止め」と判断-内閣府(5月13日17時0分配信 時事通信)

内閣府は13日、4月の景気ウオッチャー調査を発表した。

3カ月前と比べた街角の景況感を示す現状判断DI(指数)は前月比5.8ポイント上昇の34.2と4カ月連続で改善した。

高速道路料金引き下げなど景気対策の効果や一部企業での受注回復などが寄与した。

内閣府は総合判断を3カ月連続で上方修正し、「景気の現状は厳しいものの、このところ悪化に歯止めが掛かりつつある」とした。

現状DIは、前月(9.0ポイント上昇)に次ぐ過去3番目の上昇幅で、2008年5月(32.1)を上回る水準に戻ったが、

景気の良い悪いの境目となる50を大幅に下回っている。内閣府は「依然として極めて低水準で、底打ちしたとは判断できない」としている。


◆コメント:「大本営発表」のオンパレードですね。

今週発表水曜、内閣府が「4月の景気ウォッチャー調査結果」を発表しました。

調査結果(抜粋)の冒頭に、

4月の現状判断DIは、前月比5.8ポイント上昇の34.2となり、4ヶ月連続で上昇した。

と書かれています。どの新聞もテレビも、内閣府の発表をそのまま、強調していたのが気になりました。

景気ウォッチャー調査は、内閣府統計局が全国の様々な業種の一般人に、今月の景気は良いと思うか?

3ヶ月前と比べて良くなっていると思うか?というアンケートをとって、指数化するのです。

選択肢は、「良い」「やや良い」「変わらない」「やや悪い」「悪い」の中から選ぶのです。

調査結果(PDF形式)の8ページ「図表2」(構成比)を見ると、実情が分かります。

  • 良くなっている 0.7%

  • やや良くなっている 10.0%

  • 変わらない 38.4%

  • やや悪くなっている 27.6%

  • 悪くなっている 23.4%

です。DI(ディフュージョン・インデックス)は34.2で3月が28.4だったから、5.8ポイント上昇した、と。

上昇した、といっても、「景気が良くなっている」「やや良くなっている」合わせても、10.7%。

「変わらない」から「悪くなっている」の合計は89.4%です。

DI(ディフュージョン・インデックス)そのものでも、景気が良いか悪いかの境目は50.0%なんです

そして、現状判断DIは、50%を25ヶ月連続して下回っているのです。

つまり、景気はまだまだ悪いのに、その「悪さ加減」がすこし良くなった、というだけのことです。

それをもって、「景気が改善している」(とまでは、流石に政府もいいませんが)というのは、

早計です。マスコミはそういう事をちゃんと解説した欲しいと思います。


◆日銀は4月の「展望レポート」で今年の経済成長見込みを大幅に下方修正したばかりです。

日銀は、四半期に一度、経済・物価情勢の展望、所謂「展望レポート」を発表します。

最新の「展望レポート」は4月30日に発表されたばかりで、日銀の「基本的見解」は、
わが国経済は、大幅に悪化している

というもので、その大きな流れが、わずか20日間で変わるわけがありません。

記事1で、好材料として挙げられているのは「3月の鉱工業生産が6カ月ぶりに改善」したことだけです。

今週発表された、大企業の決算や、他の経済指標、企業倒産件数などを見ると、景気の悪化が緩やかになった、などと

どうして言えるのか、不思議なほどです。


【企業決算】

決算を見るなら、たとえば、12日発表された電機、自動車大手の2009年3月期連結決算。

日立製作所は、税引き後利益の赤字額が過去最悪の7873億円でした。製造業全体の赤字額としても過去最大です。

NECは、税引き後赤字が2966億円となり、3年ぶりに赤字に転落しました。

日産自動車は、本業の儲けを示す(つまりクルマの販売による損益です)営業利益が、1379億円の赤字。ゴーン氏が経営者になって、

初めての営業赤字です。そりゃそうでしょう。世界中の景気が悪いのですから、クルマが売れるはずがありません。


14日にはソニーの決算発表がありました。天下のソニーも14年ぶりに営業利益が赤字になりました。営業赤字2277億円です。

今日はパナソニックの決算発表がありました。2009年3月期の純損益が3790億円の赤字です。

銀行は三井住友が赤字。みずほも赤字。来週三菱UFJの決算発表がありますが、多額の有価証券評価損を計上しなければならないので、

見る前から赤字は分かっています。

テレビ局も今までは(景気の良い頃は)放っておいても儲かる業種でしたが、ついに命運が尽きてきました。

全ての民放キー局が減益です。
◆記事:民放キー局、全5社が大幅な営業減益 広告収入落ち込み(朝日新聞)(2009年5月15日)

民放キー局5社の09年3月期連結決算は、急速な企業業績の悪化による広告収入の落ち込みで4社が減収、全社が大幅な営業減益だった。

テレビ朝日は59年の開局以来、テレビ東京は04年の上場以来初の純損失。

TBSホールディングスも単体では51年の開局以来初の純損失となった。

北京五輪など大型スポーツイベントは好調だったが、番組の前後に流される「スポットCM」の5社全体の出稿量は前期比12.4%減。

「ほとんどの業種で出稿が減り、特に下期の失速が目立った」(フジ・メディア・ホールディングスの嘉納修治常務)。

10年3月期も市況回復のめどは立っておらず、全社が減収を見込む。

TBSは役員賞与の支給を2年続けて見送るほか、テレビ朝日も制作費や人件費を大幅削減する方針。

放送業の減収を補うため、放送外収入の増加に向けた取り組みも目立つ。

フジはカタログ通販大手セシールの買収を表明、通販部門の強化を図る。

日本テレビも映画製作などに力を入れ、放送外収入の割合を現在の2割台から4割程度に高めたい考えだ。

こんな状態を私は見たことがありません。

日本の大企業は総倒れです。任天堂は6期連続過去最高益を更新しましたが、任天堂だけ収益が上がっても、

日本経済全体の景気を浮揚させることは出来ません。


【企業倒産件数】

毎月、同じ日に二大企業調査会社の帝国データバンクと、東京商工リサーチが、それぞれの調査結果を発表します。

13日にそれがありました。

帝国データバンクによれば、
民間調査会社の帝国データバンクが13日発表した4月の企業倒産件数(負債総額1000万円以上)は

前年同月比15・4%増の1169件となり、11か月連続で前年を上回った。

東京商工リサーチの発表も同様の傾向をしめしています。
東京商工リサーチが13日発表した09年4月の全国企業倒産状況(負債1000万円以上)によると、

倒産件数は前年同月比9.3%増の1329件で、4月としては03年以来6年ぶりの高水準となった。

倒産件数は11カ月連続で前年を上回った。

倒産件数の把握方法が異なるので、件数の絶対値は両社でことなりますが、

「倒産件数が11ヶ月連続で前年を上回った」

ことに関しては一致しています。


◆結論:政府の大本営発表は止めて欲しい。マスコミは政府の宣伝機関になるな。日銀は独立を保って欲しい。

政府(内閣府)は、日銀とは別に月例経済報告で景気判断を示します。今月はまだ先ですが、

このような記事が有ります。

◆記事:景気判断、上方修正へ 5月月例報告、3年3カ月ぶり(5月15日7時57分配信 産経新聞)

内閣府が今月下旬に発表する5月の月例経済報告について、景気の基調判断を上方修正する方向で調整していることが14日、分かった。

上方修正すれば平成18年2月以来3年3カ月ぶり。4月までは「急速な悪化が続いており、厳しい状況にある」としていたが、

在庫調整の進展から輸出や生産が最悪期を脱しており、悪化のテンポが緩やかになっている、などの表現に改める見通しだ。


政府もマスコミも完全な「ウソ」を言っているわけではないのですが、「上方修正」という言葉が、

如何にもミス・リーティングです。あまりこういう記事を読まない人は景気が良くなっているかのような印象を受けます。

上述のとおり、全然良くなっていません。

リーマン・ブラザーズが破綻した昨年9月15日以降、世界と日本の景気は、あたかも岩が崖から転がり落ちるような、

かつて経験したことのない速さで後退しました。今も転がり落ちているのです。

「上方修正」とは、その落ち方のスピードが、若干遅くなったかもしれない、ということです。

政府が大本営発表をするなら、マスコミはそのまま伝えるのではなく、現状を分かり易く説明するべきです。

まして、中央銀行たる日銀はあくまでも政府から独立して景気を判断するべきです。

来週、21日(木)から22日(金)の二日間、日銀金融政策決定会合が開かれますが、日銀は、政府の月例経済報告に迎合しては、なりません。

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【音楽】5月14日は、バイエル(1803~1863)の命日でした。「スウィンギング・バイエル」、他。クーラウ、ブルクミュラー。

◆ピアノの入門教則本で「バイエル」を必ず使うのは日本だけ、とかいいますが。

これは、良く言われることで、実際欧米では、他の入門書を使うこともあるようです。

日本で「必ずしもバイエルから始めなくても良いではないか」という意見がありますが、

今だに使われています。それは、やはり、このドイツの作曲家、フェルディナント・バイエルが書いた入門書が、

非常にピアノ演奏の基礎を固めるのに、有効だからです。バイエルの次にツェルニーという作曲家の教則本を

練習した方が多いと思いますが、そのツェルニーがバイエルの教則本(正式には「ピアノ奏法入門書」といいます)を

もっとも完全で実用的な教則本である。

と、高く評価しています。ピアノ教師に聞くと実際、106の練習曲は実に上手く段階的に、

ピアノ演奏の基礎を身につけることが出来るように書かれている。結局、替わる本を探すより、バイエルをさらった方が

早い。どの楽器でも基礎練習は退屈なのであって、それに耐えられた人だけが上手くなる。

最近の子は全然辛抱出来ないので、私が子どもの頃より、続かないですね。


◆懐かしい曲を2曲。そしてちょっと遊びます。スウィンギング・バイエル。

バイエルの下巻に入ると結構、曲らしくなってきます。特に皆に人気のあるのは(好みはありますが)これでは?

バイエル教則本より78番。流石にCDは持っていないので、MIDIをMP3で録音したものをお聴き頂きます。






懐かしいですね(笑)。さて、面白い方がおられまして、これをDTM(デスクトップ・ミュージック)で、

ビッグバンド風にアレンジして打ち込んだのを発見しました。

まあ、冗談ですけど、ちゃんと勉強した方のようです。ボリュームは抑え目で。






なかなか、こういう発想、出ませんよね。たいしたもんです。

もう一曲。バイエル終わりから2番目。つまり105番です。






半音階的を用いたメロディーが印象的です。

さて、もう一回、遊び。これを「ユーロビート風」(よく分かんないけど編曲者がそうおっしゃています)に

アレンジしたもの。






たまには、こういうのもどうかと思いまして。まあ、そう怒らないで。次にまともなのを

ご紹介しますから。


◆バイエルと並行して練習することが多い「ブルグミュラー 25の練習曲」から。演奏・エッシェンバッハ

ブルグミュラーというのをさらった方も多いのではないかと思います。

入門者用練習曲だからといって馬鹿にしたものではありません。綺麗な曲が多いと思います。

これは、CDがあるんです。ブルグミュラー:25の練習曲 クリストフ・エッシェンバッハ

その中から、まず、「アラベスク」






プロですから、これぐらい児戯に等しいでしょうが、やはり「タッチ」の明瞭さが素晴らしい。

下手な人って、この段階で分かるんですよ。フニャフニャしちゃダメなのね。

大切なのは、発音の明瞭さ、ということです。

もう一曲。「進歩」。これ、好きですよ。私。






綺麗でしょ?練習を嫌がっている子供にこういう演奏を聞かせると、やる気になることがあります。


◆最後にソナチネで必ずやる、クーラウ。

クーラウって何だい?と思われた方、聴いたこと、あると思います。

クーラウはソナチネのみならず、勿論ソナタも書いていまして、なかなか良いです。

CDは、ピアノ・ソナタとソナチネ集です。

クーラウ:ピアノ・ソナチネ ハ長調 Op. 20 No.1 です。






と言うわけで、普通のクラシック専門ブログなら絶対取りあげないであろうような、

初心者用教則本やソナチネを特集いたしました。

それでは、失礼します。

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2009.05.14

小沢一郎がどうなろうが知ったことではないが、小沢及び民主党の最大の愚は岩國さんを重用しなかったことだ。

◆記事1:小沢民主党代表、辞任を正式表明(5月11日17時26分配信 ロイター)

民主党の小沢一郎代表は11日夕の臨時会見で、民主党代表を辞任する意向を表明した。

政権交代という大目標のため、挙党一致を強固にしたいと判断したと述べた。

また、2009年度補正予算案の衆院審議終了後に代表選挙を実施して欲しいと述べた。また、政治家を辞めるわけではないとも語った。


◆記事2:鳩山、岡田氏、14日に正式表明=支持固めを本格化-民主代表選(5月14日0時34分配信 時事通信)

民主党の鳩山由紀夫幹事長と岡田克也副代表は13日、辞任表明した小沢一郎代表の後継を選ぶ党代表選に立候補する意向をそれぞれ表明した。

鳩山氏は14日午前、党本部で記者会見して正式に表明。岡田氏も同日中に会見する。

他の候補擁立のめどは立っておらず、鳩山、岡田両氏による一騎打ちとなる公算だ。

両陣営は16日の国会議員による投票に向け、支持拡大の動きを本格化させた。


◆コメント:小沢一郎が犯した最大の罪は、岩國哲人議員に政界引退を決意させてしまったことだ。

私は、かねて、現職の国会議員の中で最も優秀な人材は、元・メリルリンチ本社上級副社長で、

その後故郷の出雲市長になり、1年で110の公約を全て実現した、民主党の岩國哲人議員である、

と力説してきた。証拠をお見せする。

私は、ウェブ日記エンピツと、ココログに同じ文章を載せているが、前者の方が、検索が容易で、

かつ一覧性がある。エンピツで自分の日記を「岩國哲人」で検索した結果がこれである

特に、2005年11月25日(金) 「消費者物価マイナス脱す 量的緩和、解除へ一歩」←日銀の「解除条件」を良く読め。

で引用した、2005年1月28日、衆議院予算委員会で参考人として招致された、当時の福井日銀総裁との質疑答弁。

もう一度、引用する。

○岩國委員 ゼロ金利政策がいろいろな意味で必要だということは、私もその世界におりましたからわかります。

しかし、このゼロ金利政策が、だれに恩恵を与え、だれに負担をかけてきたかということを今こそ率直に総括し、そしてその結果を私は国民に説明しなければならないと思います。

ゼロ金利政策の担当の日銀総裁にお伺いします。

このゼロ金利政策の結果として、過去十年間に日本の一般家庭の貯蓄が得べかりし利子が幾ら奪われたのか、それを端的に金額で御説明ください。

○福井参考人 お答えを申し上げます。

いろいろな計算の仕方があろうかと思いますけれども、国民所得統計で、日本の家計の受取利子というものが過去の金利の低下でどれぐらい減ったか。

平成五年、一九九三年と比べますと、十年間ということになります、毎年の受取利子の減少額を足し合わせますれば、累計で百五十四兆円ということになります。

○岩國委員 百五十四兆円、丹念に御計算いただきまして感謝いたします。

 決して福井総裁のときからこれが始まったわけではありません。

 私は、速水日銀総裁にもここへ来ていただいて、同じことを、なぜゼロ金利政策が昨年、一昨年から始まったのかということを三年前に質問しました。

 私は速水総裁に、あなたはお金の印刷ばかりしていらっしゃるけれども、お金に生活費を払っていらっしゃいますかと聞きました。

 払っておりません。世界のどこの国がこういうことをやっていますか。

 どこの国もやっておりません。あなたはどういう御心境で仕事をしていらっしゃるんですか。

 大変心苦しい思いでございます。私は、本当に率直な答弁をしていただいたと思います。

ここで引用は止めておくが、この後岩國議員は、

本来、ゼロ金利でなければ、得られたはずの家計の金利収入が受け取れなかったということは、所得が奪われているのであり、

別の税金を課せられているのと同じ状態だ、ということも出来る。

計算したら、毎年20兆円を国民が貰い損ねているということは、10%の消費税を取られているのと同じ事である。

つまり、実質的には日本の消費税は15%なのだ、と説明している。こういう発想が出来る人は岩國さんしかいない。

岩國さんがいくら正論を主張しても、民主党のバカな所はこの人物を重用しなかったことである。

特に、今年1月、岩國さんが次の選挙には出馬せず、政界引退を決意した理由の一つは、

小沢一郎が、岩國さんを公認しようとしなかったことである。この件に関しては、今年1月、詳しく書いた。

「民主・岩國議員、政界引退を表明『大学教授に専念する』」←岩國議員を重用しなかった民主党の愚。ココログ

そう言うわけで、私は、現在民主党も信用しておらず、支持政党が無い。


◆強いて言うなら衆議院会議録を読む限り、岡田が真面目だ。

岡田が前回民主党代表を務めていたのは、2004年5月18日から、郵政民営化選挙で大敗を喫した翌日、2005年9月12日までである。

民営化選挙の前年、岡田が党首討論で、当時の小泉首相に対して、イラクへの自衛隊派遣の正当性を問い詰めた事がある。

2004年11月10日、衆議院・国家基本政策委員会における、岡田=小泉の質疑答弁を載せる。

○岡田克也君 (前略)そこで、自衛隊のサマワにおける活動について、総理はサマワは非戦闘地域であると、

こういうふうに言われました。非戦闘地域であるという、断言されたその根拠は何なんで

しょうか。


○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 根拠といえば、戦闘が行われていないということ、だ

からこそ非戦闘地域である。
(発言する者あり)

○岡田克也君 じゃ、総理、お尋ねしますが、お尋ねしますが、その議論の前提としてイ

ラク特措法における非戦闘地域の定義を言ってください


○内閣総理大臣(小泉純一郎君) イラク特措法に関して言えと、法律上、いうことにな

ればですね、自衛隊が活動している地域は非戦闘地域なんです。
(発言する者あり)

○岡田克也君 私が申し上げたのは、イラク特措法における非戦闘地域の定義を言ってく

れと言ったんです


○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは定義は、それは文書を持ってくればすぐ言えま

すよ。党首討論ですから、考え方を言っているんです。私は、特措法というのは、自衛隊

が活動する地域は非戦闘地域である、これがイラク特措法の趣旨なんです。
(発言する者

あり)

○会長(北澤俊美君) 御静粛にお願いします。御静粛にお願いします。

○岡田克也君 総理、この問題は私、いつか官邸で一度総理に申し上げたことあるんです

よ。非戦闘地域の定義は、現に戦闘行為が行われておらず、ここまではいいですね、かつ

そこで実施される活動の期間を通じて、つまり一年間です、戦闘行為が行われることがな

いと認められる地域なんです。ですから、私が総理に聞いたのは、これから一年間サマワ

において戦闘行為が行われないと、そういうふうに言う根拠は何ですかと聞いているわけ

です。どうですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、将来のことを一〇〇%見通すことはできませ

ん。非戦闘地域でなくなった場合には、これは自衛隊は特措法に基づいて撤退しなきゃな

らない。しかし、特措法についての定義上何かと問われたから、自衛隊の活動している地

域は非戦闘地域である。これは法律の趣旨なんです。将来、組織的、計画的、継続的に戦

闘が行われるかどうか、これは将来、はっきり一〇〇%、いつどうなるかというのをこの

際断言することはできません。しかし、はっきり申し上げますが、自衛隊が活動している

地域は非戦闘地域、これがイラク特措法の趣旨なんです。

○岡田克也君 まあ、まともに議論する気がだんだんなくなっていくんですが、総理、こ

のイラク特措法の中で、非戦闘地域についてあえて、あえて将来戦闘行為が行われること

がないと認められる地域と、こういうふうに書き込んだのは非常に重い意味があるんです

よ。そして、この定義は政府がお作りになったんですよ、総理がお作りになったんですよ

。先ほど総理は、今戦闘行為が行われていないと言われましたが、しかし本当にこれから

一年間、新たに自衛隊が十二月十四日以降派遣されて一年間戦闘行為が行われないという

説明できなかったじゃないですか。そうであれば、やっぱりこれは非戦闘地域と言えない

んです、法律上。言えないんですよ。だから、私たちは自衛隊をサマワに引き続き送るこ

とに対して法律上の問題がある。そして、この法律のここのところは憲法につながる話で

すから、憲法上の疑義もある。そのことを申し上げているわけです。

 それでは、もう一つ申し上げたいと思いますが、じゃ、この自衛隊員の皆さんの安全の

問題です。もう時間もありませんから幾つかまとめて申し上げますが、まず一つは、八回

にわたるロケット砲やあるいは迫撃砲による攻撃が行われました。そして、その中にはコ

ンテナを貫通したという、最近一番新しいものはそういう非常に危険な状態になっている

というふうに思います。同時に、今まで自衛隊を守っていた、サマワにおいて、あるいは

ムサンナ県において活動していたオランダ軍が三月十五日をもって撤退をする可能性が高

い、こう言われています。その後どうするんでしょうか。一体だれが自衛隊を守るんでし

ょうか。そういったことについて、まずきちんとした説明、総理の口から聞きたいと思い

ます。いかがでしょうか。(後略)

今読んでも、小泉純一郎のあまりのいい加減さに驚嘆する。説明するまでもない。

岡田が正しい。小泉の答弁のようなのを「詭弁」という。言語はあるが、思想(思考)がない。

これほど、国民を愚弄した答弁があるだろうか。

しかし、この党首討論の10ヶ月後、「郵政民営化選挙」において、日本の有権者はこのいい加減なヘラヘラ小泉を大勝させたのである。

余談だが、私はあの2005年9月11日以降、日本の有権者に愛想が尽きた。本当にあの時は日記を止めようと思った。

いくら正論を主張したところで、市井の一市民がブログやらウェブ日記に何を書いても何も変わらない。当たり前だが、

極度の虚脱感に襲われた。

だから、正直にいうと、今も心の片隅では「知ったことか」と思っている。

岩國議員のような優秀な人材を重用出来なかった民主党の愚。それに気が付かないマスコミや有権者の愚。

岡田か鳩山か、という以前の問題である。

一つだけ。前原は本来自民党に行った方が良い人間である。憲法を改正し、或いは解釈を変更し、

集団的自衛権の行使を可能にするべきだとか、核武装も考えるべきだ、という思想の持ち主である。

この男は出来れば、次回の総選挙で落選させた方が良い。民主党の党首が誰になるかしらないが、前原を重職に登用するようならば、

要注意である。

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2009.05.13

【音楽】5月12日はスメタナの命日。「モルダウ」「売られた花嫁」

◆少々疲れていまして、説明は最小限にさせて頂きます。

スメタナはチェコの作曲家です。詳しくはウィキペディアをご参照下さい。

彼の代表作の一つに必ず挙げられるのが「我が祖国」です。6つの交響詩全体で「我が祖国」なのですが、

2曲目の「モルダウ」が最も親しまれており、有名です。

これを、スメタナの祖国、チェコの一流オーケストラ、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、ご覧下さい。

指揮は、やはりチェコの指揮者、ラファエル・クーベリックです。

ここにはYouTubeから拾ってきた画像を載せますが、勿論、同じコンビによるCDがあります。スメタナ:わが祖国です。

因みに来日公演時のDVDもありますが、当然少し高くなります。

NHKクラシカル ラファエル・クーベリック チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1991年日本公演です。


◆演奏をお聴き下さい。

スメタナ:「我が祖国」から「モルダウ」です。(1/2)

いつも書いているように、勿論、人それぞれ好みがありますが、曲が始まって間もなくヴァイオリンで奏される旋律、

綺麗だと思わない方は、あまりいないのではないかと思います。






「モルダウ」(2/2)続きです。




最後近くのトランペット、カッコイイのですが、二人がうまくあわせないと何を吹いているか分からなくなります。

どうしてああいう譜面にしたのかとおもうのですが、聴く方は気楽ですが、トランペットは大変です。


◆「売られた花嫁」序曲

これは、大変面白くて、最初の部分がフーガになってます。

第2ヴァイオリンが最初に弾き始め、次いで、第1ヴァイオリン→ヴィオラ+チェロ→コントラバス、の順で、追いかける。

コントラバスなんて、こんな速いの弾けるのかいな?と思うのですが、そこは、ベルリン・フィル。

これは、画像を見ると明らかですが、マリス=ヤンソンスが、ヴァルトヴューネを振った時のものですね。



スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲



モルダウはしっとりですが、こちらは大変快活です。このコンビのレコードは無いと思うんです。

お薦めするとしたら、バーンスタインが若かりし頃、ニューヨーク・フィルハーモニックと録れた、

ドヴォルザークとカップリングされた、Sym.9, Carnival Overture, Etc: Bernstein / Nyp +smetana

が良いのではないかと思います。

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2009.05.11

首相へのメール「麻生太郎内閣総理大臣。世界一のオーケストラのコンサートマスターを25年務めた日本人がいることを御存知ですか。」

◆きっかけとなった出来事は「森光子 国民栄誉賞」です。

それが、別にいけない、という理由はないのですけれど。

◆記事:<森光子さん>国民栄誉賞受賞へ 17人目(5月11日19時34分配信 毎日新聞)

河村建夫官房長官は11日の記者会見で、女優の森光子さん(89)に国民栄誉賞を授与すると発表した。

今月下旬に正式決定する。森さんは9日、主演する舞台「放浪記」(菊田一夫作、三木のり平潤色・演出、北村文典演出)で、

上演回数2000回を達成した。

授与理由について河村長官は「2000回の大変な金字塔を立て、他人ではまねができない大事業、

前人未到の業績だ。麻生太郎首相も国民栄誉賞に十分値すると判断した」と述べた。(注:以下、略)

森光子さんに国民栄誉賞ねえ。まあ、大衆の支持を得る為にはこの方が「効果的」だろうが、

私は黙っていられなくなった。ベルリン・フィルのコンサート・マスターを25年務めた安永徹さんは、

独政府から、「独功労勲章・功労十字小綬章」を授与された。

つい先日、5月5日、首相は訪独し、メルケル独首相と首脳会談を行った。

その後の記者会見の一問一答は首相官邸ホームページに載っているが、

ベルリン・フィルの「ベ」の字も安永徹さんの「や」の字も出てこない。


独政府側から何も言わないのは、
「貴方の国の音楽家に先日、勲章を授与したのですが?」

と言ったら恩着せがましくなり、かつその事実を知らなかった麻生首相に恥をかかせることになるからである。

これは、日本人として、又、日本国として、恥ずかしい。

そこで私は、首相官邸の「ご意見フォーム」にメッセージを書いた。私の実名は伏せるが、全文をここに載せる。


◆首相宛メッセージ:「麻生太郎内閣総理大臣。世界一のオーケストラのコンサートマスターを25年務めた日本人がいることを御存知ですか。」

麻生太郎内閣総理大臣殿

私は、東京都○○区に住む、○○○○と申します。48歳で妻と1人の息子がいる平凡な音楽好きのサラリーマンです。

本日11日、官房長官が記者会見で女優の森光子さんに「国民栄誉賞」を授与なさるとの発表に接しました。

森光子さんの女優としての業績は無論、偉大であります。



しかしながら、総理は、ドイツのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団という世界一のオーケストラで、

第一コンサートマスターを25年もの長きにわたり務めあげ、ドイツ政府から勲章(「独功労勲章・功労十字小綬章」)まで授与された、

日本人ヴァイオリニスト、安永徹さんを御存知でしょうか。



ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とは、故・ヘルベルト・フォン・カラヤンが長く音楽監督を務めていた、

紛れもなく世界超一流の管弦楽団です。そのコンサートマスターになる、ということが如何に大変か。

これは大変僭越ではございますが、私の個人的な「ブログ」に書いた文章をお読みいただいた方が早いと存じます。

2009.02.05

「ベルリンフィルコンサートマスター 安永さんが退団へ」←ものすごいショックですが、安永さん、長い間お疲れ様でした。

http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2009/02/post-6dfe.html



2009.02.22

「安永さんベルリン・フィルと別れ コンサートマスター25年」←、せ、先週終わってたの?/安永さんがコンマスになった頃の対談。

http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2009/02/post-4029.html



2009.02.28

「ベルリン・フィルの安永徹さん、独政府が勲章授与」←安永さんは勲章が欲しくて音楽家になったのではない。しかし、私は嬉しい。

http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2009/02/post-2a24.html



総理が音楽をお聴きになるかどうかは存じ上げませんが、この、伝統ある、由緒正しい、

世界一のオーケストラの入団オーディションに合格する、ということだけでも、大変なことなのです。

そして、コンサート・マスターになるためには、また別のオーディションに合格し、それから1年半の試用期間を経て、

更にドイツ人の楽員達が話し合い、3分の2以上の賛成を得られなければなりません。



コンサート・マスターはヴァイオリンの首席奏者であるだけではなく、弦楽器群の総リーダーであり、

さらに全オーケストラと指揮者の意思疎通を円滑にする重責を担っています。

極端に言えば、指揮者が少々下手でもコンサート・マスターが一流ならば、オーケストラはコンサート・マスターを見て演奏します。

安永さんはその重責を四半世紀にわたり続けてこられた方で、日本の誇りと言っても決して過言ではありません。

安永徹さんご本人は、あくまで、真摯で謙虚な方なので、勲章とか国民栄誉賞を欲しておられないでしょうが、

これを日本政府が「知らない」のは、問題だと存じます。



安永徹さんは、3月31日付で退団なさいました。

先日、総理は訪独され、メルケル首相と会談なさったそうですが、大変失礼ながら、

彼の国が日本人音楽家の功績を讃え勲章を与えて下さったことに対して、日本政府として返礼はなさっていないのではないでしょうか?



外交儀礼上の問題に関してはかつて外相をお務めになった麻生総理の方がお詳しいでしょうから、

私は何とも申せませんが、少なくとも文化的見地から、日本政府がこの件を全く認識していない、ということは、

はっきり書かせていただきますが、甚だ無教養、非文化的であると存じます。独政府がそう感じても不思議はない、と思います。



森光子さんを讃えるな、とは申しませんが、総理の御著書「とてつもない日本」にまさに当てはまる、

「とてつもない」偉業を成し遂げた日本人音楽家の存在を、麻生太郎内閣総理大臣に知っていただきたく、

一筆差し上げた次第でございます。



甚だ、突然かつ非礼な言辞を弄し、また、乱文かつ長文になったことをお詫びいたしますが、

このメッセージが麻生太郎内閣総理大臣に届くことを願って止みません。

失礼申し上げました。

平成21年5月11日 ○○○○

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「<新型インフル>個室に10日間「停留」会話は内線・携帯で」←もう少し隔離された患者のことも考えてやったらどうです?

記事:<新型インフル>個室に10日間「停留」会話は内線・携帯で(5月10日2時30分配信 毎日新聞)

国内初の新型インフルエンザ感染者が9日、確認された。

感染者に同行した高校生や近くに座っていた乗客ら49人は、10日間の停留措置の対象になる。

成田空港近くのビジネスホテルで、与えられた一室にいることを求められ、行動を厳しく規制される生活。

厚生労働省が対象者に配っているパンフレットは「停留は、あなただけではなく、大切な家族の方、会社の同僚、友人等を守るために行われます」

と協力を呼び掛けるが、史上初めて実施される宿泊施設での停留とは--。



厚労省によると、停留者は原則ホテルなど施設の個室内で生活することになる。

1日1回、医師や看護師が健康状態を確認し、必要に応じてタミフルなど抗インフルエンザ薬を投与する。

1日3回検温するなど健康状態の記録を提出。食事は▽午前7~8時▽正午~午後1時▽午後6~7時と定められ、

原則自分の個室で食べることになっている。

49人のうち感染者と一緒に行動した生徒・教諭は33人。学校関係者や保護者らによると、

生徒らは全員が9階の個室を与えられ、他の部屋やフロアに行かないよう指示されている。

洗濯室などに出かける際は、マスクの着用を義務付けられているという。

生徒と教諭の連絡はホテルの内線電話を使い、生徒同士は携帯電話でやり取りしている。

荷物が既に最終到着地の関西国際空港に送られているため「着替えがほしい」「携帯電話の充電器がない」

という要望があり、荷物だけ成田に送り返すことになった。

生徒からは「テレビを見るしか、やることがない」などの不満も聞かれ、ホテル側はパソコンの貸し出しも検討している。

5月下旬の中間試験への影響を心配する声も多く、学校側は教科別のプリントをホテルに送るなどして対応するという。

勝手に外出することは許されない。パンフレットはこうクギを刺す。

「許可無く施設外に出ようとしたり、スタッフの質問に答えなかった、または、虚偽の返答を行った者は検疫法に基づき処罰されることがありますのでご注意ください」

厚労省によると、滞在費や食費などの生活費は国が負担する。

しかし、仕事を休んだ場合の休業補償など、停留による損失の補償はされないという。

10日の停留期間が満了すると、ようやく解放される。入国手続きを行い、晴れて「帰国」となるという。


◆資料:首相官邸 新型インフルエンザ対策本部長(内閣総理大臣)談話(平成21年5月9日)

(http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/flu/swineflu/swineflu20090509.pdf)

平成21年5月8日、デトロイトから成田空港に到着した日本人男性3名が新型インフルエンザに感染していることが、本日、確認されました。

本件感染は、我が国で確認されたものですが、空港における検疫の段階で対処したものであり、

新型インフルエンザ対策本部で決定した「基本的対処方針」の「国内で患者が発生した場合」には当たりません。

政府は、引き続き、「基本的対処方針」に基づき、水際対策等に徹底して取り組むとともに、

併せて、国内での患者の発生に備えた準備を進めていく所存です。

国民の皆様にも、引き続き、国や地方自治体が発する情報をよく聞いていただき、

警戒を怠らない一方、冷静な行動をお願いします。


◆コメント:政府は「水際作戦が奏功した」と得意そうだが、患者の事を考えてやれ。

政府(内閣総理大臣)のコメントは、要するに

政府の「新型インフルエンザに対する基本方針」は、国内で新型インフルエンザ患者が発生した場合を想定したもので、

今回はそれに当たらないが、引き続き水際対策を徹底して行いますよ、

というものである。テレビニュースを見ると、内閣総理大臣も厚労相も「水際作戦」で感染者を発見し、隔離したことを

「得意気に」強調しているが、記事に書かれていることが事実とすれば、

新型インフル感染確認された高校生らの扱いは、ちょっとひどくないだろうか?



何だか、治療法が無かった時代に肺結核に感染した人を「座敷牢」に閉じこめたのとあんまり変わらないような印象を受ける。

隔離するのはやむを得ないとしても、インフルエンザに感染した患者は「犯罪者」ではない。病人である。

新型インフルに故意に感染するバカはいない。

実名こそ公表されていないが、テレビは見ることが出来るというから、「日本人初の新型インフル感染患者」

と大きく報じられることにより、心理的なショックを受けていることは容易に想像出来る。

政府は「とにかく隔離した」ことで、それ以上関心が無いようだが、

テレビを見るしか時間を過ごす方法がないようなビジネスホテルの個室に「隔離されている患者」

への配慮が足りないと思う。このような環境で10日間もすごしたら、普通の人間でさえ、精神的に不安定になる

可能性は十分にある。何らかの心理的なサポートが必要である。カウンセラーが個室に入れば感染する可能性がある

ということで、誰も個室に立ち入らないようにしているのだろうが、パソコンを設置して、あれ、なんていうのだっけ?

カメラで互いの顔を映して、画面で相手の顔をみながら会話する奴。あれは可能だろう。

メッセでもいいじゃないか。


カウンセラーを持ち出したのは、大袈裟と思われるかも知れないが、

それぐらいの配慮が出来なければダメだ。

記事によれば、隔離された生徒たちは、荷物は関空に送られてしまったので、着替えも携帯の充電器も無い、という。

「着替えが欲しい」

と言っている生徒がいる、ということは、アメリカで飛行機に乗り込む前に着た下着や服をいまだに身につけているのだろうか?

そうだとしたら、それはひどいでしょう。

荷物を関空から成田に送り返すことになったというが、その荷物にはインフルエンザウイルスが付着しているかも知れない。

中身まで全部消毒してから、本人に返すのだろうか?

とりあえず、新しい下着と、服ぐらい用意してやるとか、

隔離を決めたのは日本政府なのだから、厚労省でも何処でも良いから政府が面倒を見てやれよ。


ホテルがパソコンの貸し出しを考えているそうだが、携帯の充電器ぐらい貸してやるとか、

読みたい本、雑誌、DVDでもないか、訊いてやるとか、

日本政府がそれぐらいの気遣いをしても良いだろう。


繰り返すが、新型インフルに感染したことは、本人の意図せざる結果である。

防疫上の措置はキチンと行わなければならないが、「隔離」されているのは、普通の一般市民、

つまり生身の人間であることを、日本政府は忘れている。

政府の眼中にあるのは「患者」ではなく彼らの体内にある「新型インフルのウイルス」だけなのだろう。

これから、国内で新型インフルエンザ患者が発生し、感染が広がった場合、皆、このような目に遭うのだろうか。

国は、あまりにも気が利かない。詰めが甘い。

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2009.05.10

「抗うつ薬服用で攻撃性増す症状、厚労省が注意改訂へ」←因果関係が明らかでないのなら徒に偏見を助長するな。

記事:抗うつ薬服用で攻撃性増す症状、厚労省が注意改訂へ(5月8日21時42分配信 読売新聞)

抗うつ薬を服用した患者に、他人に突然、暴力をふるうなど攻撃性が増す症状が表れたとの報告が約40件寄せられたため、

厚生労働省は8日、「調査の結果、因果関係が否定できない症例がある」として、使用上の注意を改訂することを決めた。

対象となるのは5製品で、うち4製品はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)と呼ばれる。

厚労省などは、SSRIなどの薬を服用し、他人を傷つける行為が実際にあった35件と傷害などにつながる可能性があった4件について調査。

パキシル(SSRI)など3製品を服用した4件について、「他人を傷つける行為との因果関係を否定できない」

と評価したうえで、ほかの2製品も含めた改訂を決めた。

そううつ病のうつ症状やアルコール依存症などがある場合、その多くは薬を処方されたことで、

症状が進んで攻撃性が増し、傷害に結びついた可能性があることが分かった。

新しい使用上の注意では、症状の悪化があった場合には、薬を増やさず、徐々に減らして中止するなどの慎重な処置を行うよう求める。

SSRIは、従来の抗うつ薬よりも副作用が少ないとされ、うつ病治療に広く使われている。

国内でも100万人以上が使用していると推定されている。


◆コメント:向精神薬の概略。抗うつ薬の作用機序。

精神科で処方される薬、精神に影響を与える薬を総称して「向精神薬」という(狭義の「向精神薬)。

向精神薬は、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬、抗躁薬(躁病のくすり)、抗てんかん薬、抗精神病薬(統合失調症の薬)に大別出来る。

うつ病、或いは抑うつ状態が長く続いた場合は、脳内神経伝達物質の一つ、セロトニンのバランスが崩れていると考えられている。

脳には無数の神経細胞があり、神経細胞の中は微弱な電気的信号によって、情報が伝達されるが、

神経細胞同士の間にはシナプスという隙間がある。


ある神経細胞から隣の神経細胞へシナプスという「隙間」を経由して、情報を伝達するのが、

「脳内神経伝達物質」で、専門書を見るとやたらと種類が多いが、うつ病では、この中で特に、

セロトニン、ノルアドレナリン(=ノルエンピネフリン)が関係していると考えられている。

つまりある神経細胞から隣の神経細胞に十分にセロトニンが届かない場合に、抑うつ状態を惹起するのである。

この図がシナプスのモデルで、或る神経細胞の端(A)から放出されたセロトニンは、(B)のセロトニン受容体(レセプター)

にくっつく訳であるが、何らかの原因でこれが上手くいかなくなったときに抑うつ状態、惹いてはうつ病を引き起こす。


Synapse

因みにどうして「シナプス」という「隙間」があるのか、というと、

仮に脳神経全体が隙間がなかったとすると、脳神経全体が、「電気回路」になってしまう。

そして、全てが電気的信号で情報伝達が行われた場合、脳神経細胞の何処が「ショート」した場合、

脳全体が「ショート」してしまい、脳がぶっ壊れてしまうかも知れぬ。

そこでわざと細胞間に「シナプス」という「隙間」を設け、それを防いでいるのではないか、という専門家の推論を読んだ事がある。


さて、それでは、或る神経細胞Aから隣の神経細胞Bにセロトニンがくっつかなかったときどうなるかというと、

暫く隙間にあるが、やがて、セロトニンを放出したAに再び吸収されてしまうのである(再取り込み)。

だから、Aがセロトニンを再び吸収出来なくすれば、Bに吸収されるであろう、という仕組みである。


◆抗うつ薬の変遷

抗うつ薬は古く(1950年代)から存在し、その中でも三環系抗うつ薬が、

長く使われてきた。今も使われている。

三環系抗うつ薬は作用も副作用も精神科医はよく分かっている。

この薬は古いからと言って効かないのではない。但し、シナプスに「余っている」神経伝達物質の中で

セロトニンだけではなく、他の神経伝達物質、特にアセチルコリンという物質の再取り込みもブロックしてしまう。

この為に、抗コリン作用という副作用が強い。

抗コリン作用よる副作用は、リンク先にあるとおり、便秘、口渇、排尿障害、眠気、立ちくらみ、目眩い、かすみ目、吐き気、食欲不振 などである。

これらが全部出ることは無いが、薬と患者には相性があり、同じ三環系の薬を服用しても患者により、全然副作用が出ないこともあるし、

出ることもある。どの患者にどの薬が一番有っているかは、試行錯誤の連続で、決まるまでが結構しんどい。


とにかく、三環系抗うつ薬は、抗コリン作用による副作用が強いのが難点だった。

そこで、神経細胞A側のアセチルコリン再取り込み受容体はブロックせず、セロトニン再取り込み受容体「だけ」を

ブロックすれば、抗コリン作用は無くなるか、少なくとも大幅に減少する筈だ、というので、開発されたのが、

今回問題となっている、SSRI(selective serotonin reuptake inhibitor=選択的セロトニン再取り込み阻害薬)である。

SSRIはアメリカでは大分前から使われていたが、日本で厚労省が使用を認可したのは、

1999年デプロメールとルボックス(一般名:フルボキサミン)である。製薬会社が違うので商品名は違うが同じ薬。

次いで、2000年にパキシル(一般名:パロキセチン)。

2006年7月からジェイゾロフトの使用が認めらた,国内3番目の選択的セロトニン再取込阻害薬(SSRI)。


SSRIから更に研究が進展してセロトニンとノルアドレナリン(ノルエピネフリン=norepinephrine)両方の

再取り込み阻害薬、SNRI(serotonin norepinephrine reuptake inhibitor=セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤)、

トレドミン(一般名:ミルナシプラン)も2000年から認可されている。


今回、「攻撃性」「異常行動」との因果関係が疑われているのは、現在日本で認可されている全てのSSRIとSNRIである。


◆どの向精神薬の添付文書にも「重大な副作用」として「精神錯乱」が以前から載っている。

私は、遷延性うつ病患者で、抗うつ薬を飲み始めて10年になる。

SSRIやSNRIも含めて色々試したが、前述の通り薬と患者には相性があり、

私は結局、古くから使われている、「アモキサン」(一般名:アモキサピン)に落ちついた。

詳しく知りたければ、「今日の治療薬」「治療薬マニュアル」を読んでみるといい。

殆ど全ての向精神薬には「重大な副作用」として、

悪性症候群、てんかん発作、痙攣、精神錯乱、幻覚、せん妄、意識障害、アナフィラキシーショック、等

など、恐ろしい言葉が並んでいる。繰り返すが、私は様々な抗うつ薬を飲んで(現在は一種類)10年になるが、この中のいずれの重大な副作用を

経験したことがない。

10年通院しているから、多くのうつ病の患者さんとも知り合いで、パキシルや他のSSRI、SNRIを長く飲み続けている患者さんを知っているが、

記事で報じられているような「攻撃性」「異常行動」を経験した人を見たことも聴いたこともない。


◆結論:安易に偏見・不安を助長する記事を書くな。

記事によれば、厚労省は抗うつ薬と攻撃的行動との因果関係が否定できない症例がある」ので注意を喚起するというが、

因果関係が証明されたわけではない。

精神疾患について、以前に比べたら随分世間の理解が進んだ(逆に生半可に情報が伝わるので単なる怠けなのに、

うつ病だと称する若い人が多くなって問題化しているぐらいだ)けれども、それでも世間の「精神科」や「精神科の患者」に対する偏見は

まだまだ残っている。


仮定上の話として、攻撃的行動が全てパキシルなどが原因によるものだったとしても、

厚労省などには今春までに、攻撃性などの副作用報告が268件あった。うち実際に他傷行為などに至ったのは35件。

だという。今回、注意喚起の対象となる薬を飲んでいる人全体、つまり「分母」は、
00年の発売以後、推定100万人超が使用した。

しか、手がかりがないから、100万人だとしよう。

「攻撃性などの副作用報告268件」の起きる確率は、0.0268%。「他傷行為など36件」の確率は、0.0035%。

と極めて低い。この程度のことで、世間の偏見を徒に助長するような記事を書くべきではない。

これは、昼間、mixi日記に書いて読者の方からご指摘頂いたことだが、世間ばかりではなく、

今回、注意喚起の対象となる薬を飲んでいる患者が、この記事を読み、怖がって自己判断で服薬を中止したら、危険である。

離脱症状が起きる(可能性が極めて高い)。向精神薬に限らず、長期間服用していた薬を止めるときは漸減が原則である。

最後にもう一度書くが、因果関係が明らかになっていないのなら、ミスリーディングな記事を書くべきではない。

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2009.05.09

【音楽・映像】キーシン=カラヤン、ベルリン・フィル(コンマス安永徹さん)チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番、他。

◆5月7日は大作曲家二人(ブラームス・チャイコフスキー)の誕生日でした。

昨日、5月7日はブラームス(1833-1897)とチャイコフスキー(1840-1893)の誕生日なのです。

無論偶然ですけれど、調べていると結構こういう偶然があります。

例を挙げるとキリが無いので止めておきますが、ブラームスとチャイコフスキーは殆ど同じ時代を生きているのですね。

今頃気が付きました。

ブラームスの音楽は昨年の5月7日に紹介しました。

2008年05月07日(水) 5月7日はブラームスの誕生日です。綺麗な曲。楽しい曲。ココログ

と、リンクを貼ってから後悔してます。去年も全く同じ書き方している。ブラームスとチャイコフスキーの誕生日が同じだ、と。

忘れている。恥ずかしいですが、仕方がない。


◆今年はチャイコフスキーです。ピアノ協奏曲第1番。ベルリン・フィル1988年ジルベスターコンサートです。

最近お気づきのように、YouTubeの画像を用いることが多いです。音質はやや落ちても音だけ聴いているよりも、

オーケストラは見た方がより楽しい。


これからごらん頂くのは、1988年の大晦日。ベルリン・フィル恒例のジルベスター・コンサートです。

チャイコフスキーの有名なピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23 です。

ピアノ・ソロはロシアのピアニスト、エフゲニー・キーシンです。1971年生まれですから、このコンサートの当時は、

まだ17歳の少年です。カラヤンの生涯は、1908年4月5日 - 1989年7月16日。つまり、このコンサートの7ヶ月後にカラヤンは

亡くなったのです。勿論カラヤン本人はこのコンサートの頃はそんなことは思っていなかったでしょうが、結果的には、

これから羽ばたこうとする若い才能を最晩年の巨匠が伴奏している訳で、そう思って、見ていると泣けてきます。


もう一つ大事なポイントは、コンサートマスターが安永徹さんだ、ということです。1985年に正式に第一コンサートマスターに

就任し、3年経った安永さんの晴れ姿。色々な思いが交錯して余計泣けてきます(これは私の勝手な個人的思い入れです)。


演奏を聴きましょう。

チャイコフスキー作曲:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23です。

5つのファイルの分かれています。第1楽章が長く、Part1~Part3の7分30秒ぐらいまで続きます。


チャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番(1/5)






チャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番(2/5)






チャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番(3/5)(7分38秒辺りから第2楽章になります)






チャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番(4/5)(第2楽章の終わりまで)






チャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番(5/5)(第3楽章全部です)






弾き終わった後のキーシンはまだお辞儀などぎこちなく、微笑ましいです。

しかし、演奏は立派なものです。カラヤンの音楽への情熱がひしひしと伝わってきます。

私はこれを、NHKが放送したときに見ました。キーシンがカラヤンに抱きつくのです。胸が熱くなったのを、

良く覚えています。


◆2008年1月。「カラヤン生誕100周年記念コンサート」。小澤征爾=ベルリン・フィル(コンマス・安永徹さん)「悲愴」第3楽章。

キーシンとカラヤンが最初で最後の共演をした翌年、カラヤンは亡くなりました。昨年、カラヤンの生誕100年を記念するコンサートで、

小澤征爾さんが、チャイコフスキー、交響曲第6番「悲愴」を指揮した映像。前回から19年1ヶ月後、安永さんはコンマスの席におられます。


チャイコフスキー、交響曲第6番 ロ短調 作品74 「悲愴」より第3楽章です。






生前、カラヤンは小澤征爾さんの才能を高く評価し、小澤さんもまた、カラヤンを尊敬していました。

20年を経ても、コンサート・マスター、安永さんの真摯な演奏は全く変わりません。立派なものですね。

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2009.05.08

「任天堂、今期は営業減益見通し DS曲がり角Wii横ばい」「任天堂、6期連続で最高益更新」←記事の書き方で印象はこれほど違う。

記事1:任天堂、今期は営業減益見通し DS曲がり角、Wii横ばい(5月7日17時35分配信 ITmediaニュース)

任天堂は5月7日、2010年3月期(2009年度)の連結営業利益が前期比で11.8%減の4900億円になる見通しだと発表した。

前期決算は売上高・利益とも過去最高を更新したが、今期はニンテンドーDSの販売が本体・ソフトとも減少に転じると見込む。

今期のニンテンドーDS本体の販売台数予想は3000万台。前期(08年度)の3118万台から3.8%減を見込む。

前期は米国や欧州で販売が拡大したものの、普及が一巡した国内は401万台(うちニンテンドーDSiは222万台)にとどまり、

その前の期(07年度)の636万台から37%減となった(国内累計は2639万台)。

ニンテンドーDS用ソフトの販売本数は、前期の1億9731万本から8.8%減となる1億8000万本を見込んでいる。

Wii本体は、前期の2595万台から横ばいの2600万台にとどまると予想。前期の国内販売は206万台で、

その前の期の390万台から約43%減に落ち込んだ(国内累計は796万台)。一方、ソフトは7.5%増の2億2000万本への拡大を見込む。

●09年3月期決算は過去最高に

2009年度3月期の連結決算は、営業利益が前期比14.0%増の5552億円になるなど、売上高・利益とも過去最高を更新した。

売上高は9.9%増の1兆8386億円。ニンテンドーDSとWiiが海外で堅調に拡大し、海外売上高比率は87.5%に達した。

円高の影響で計上した為替差損1339億円もカバーし、経常利益は1.8%増の4486億円、純利益は8.5%増の2790億円だった。


記事2:任天堂の09年3月期、純利益8%増で過去最高(NIKKEI NET)(07日 22:16)

任天堂が7日発表した2009年3月期の連結決算は、最終的なもうけを示す純利益が前の期比8%増の2790億円と過去最高となった。

競争力のあるゲームソフトを相次いで投入、景気後退下でも欧米を中心に据え置き型ゲーム機

「Wii(ウィー)」や携帯型の「ニンテンドーDS」の販売が伸びた。年間配当は180円増の1440円にする。

売上高は10%増の1兆8386億円。Wiiの販売台数は39%増の2595万台、DSは3%増の3118万台だった。

国内の販売台数は減少したが、欧米ではゲーム市場全体の拡大もあり、ともに2ケタ伸びた。

海外売上高比率は約7ポイント上昇して87.5%となり、国内の失速を海外の好調で補った格好だ


◆コメント:日本の主要企業が軒並み大赤字なのに任天堂は過去最高益を更新している。

記事1、記事2、共に、任天堂の2009年3月期決算について書いている。

要するに、今年3月の決算では、任天堂の当期利益(最終利益)は前期比(1年前と比べて)8.5%プラスの2790億円。

当期利益増益は5期連続。過去最高益を3期連続して更新している。

これは、すごいことである。

世界に誇る日本の自動車メーカー、トヨタ、日産、ホンダ。電気関連では、東芝、NEC、パナソニック。ソニー、いずれも最終赤字だ。

今日決算発表した日立製作所は7000億円の赤字で「製造業の赤字としては過去最大」なのである。

日本経済を牽引してきたこれら主要産業が軒並み赤字なのである。


任天堂は過去最高益を更新している。要するにDSにしてもWiiにしても「オモチャ」でしょ?

不況なのだから、本来、消費者の選択としては購入を一番後回しにしても不思議ではない商品でしょ?

世界中が不況なのである。

くどいようだが、日本の基幹産業の決算予想・発表が、「初めての営業赤字」とか「過去最悪の赤字」。

殆ど壊滅状態の時に、増益というのはすさまじい。

商品開発力、宣伝力、販売力が優れているからだろう。


◆マスコミの「サジ加減」で読者に与える印象はこれほどちがう。

記事2の日経は経済専門紙だからその辺はさすがに心得ていて、「純利益過去最高」を強調している。

ところが、記事1の「ITmediaニュース」は、2009年3月期決算が過去最高だったことは後回しにして、

最初に、2010年、つまり来年3月末の決算予想を書いている。

10年3月期は今年より営業利益がマイナスになるだろう。DSは本体、ソフトともに売り上げが落ちるだろう、という。

Wiiは本体販売台数は横ばいで、ソフトの売り上げが拡大するだろう、という。

最初のこのように書かれると、なにやら、任天堂も命運尽きたか、という印象になる。


営業利益というのは、会社の本業の利益で、売上から、商品を製造するための費用や従業員の給料、広告宣伝費を差し引いたものだ。

これがマイナス(赤字)になったらヤバいが、そうではなくて、「今年よりは減るだろう」ということだ。

しかし、これは中途半端な報道で、問題は最終的な利益、「純利益」がどうなるか、である。

日経の他の記事によると、任天堂の純利益は来年も今年より増えるだろう、

という予想が発表されている。

◆記事:任天堂の今期、純利益7%増 6期連続で最高益更新へ(NIKKEI NET)(14:57)

任天堂は7日、2010年3月期の連結純利益が前期比7%増の3000億円と、6期連続で過去最高になりそうだと発表した。

欧米を中心に携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」や据え置き型ゲーム機「Wii(ウィー)」が好調。

円相場が通期で前期よりも高い水準で推移する見込みで売上高は減少するが、

前期に収益を圧迫した為替差損の計上を見込まないため利益は増加する。

予想の前提となる想定為替レートは1ドル=100円、1ユーロ=130円をそれぞれ見込んでいる。

売上高は2%減の1兆8000億円を見込む。Wiiは2600万台、ソフトは2億2000万本を予想。

ニンテンドーDSの販売台数は3000万台、ソフトは1億8000万本を見込む。DSの販売台数は減少するが

「新機種の投入で販売単価は上昇しており、金額ではほぼ前期並みになりそう」(広報部)という。

「営業利益」は会社の本業による利益。

次に見るのが、「経常利益」。本業+副業の利益。土地を貸した収益や、(今は金利が低いから殆ど無いが)

銀行預金の利息。有価証券の評価益などを加えたもの。

最後に見るのが、「純利益」(当期利益)。本業+副業の利益に何か特殊要因で得た利益(不動産売却益等々)も

加えたもの。とにかく最終的な利益。

任天堂は、純利益は来年も更に最高益を更新するだろうと予想している。

日経は書いているが、ITmediaニュースは純利益の増加予想について、書いていない。

ITmediaニュースは「ウソ」は書いていないが、記事(文章)の組み立て方によっては、

これほど、悲観的な印象になってしまう。


同じ決算発表を聞いても、新聞記者の思惑で、読者の印象は、簡単に変えることが出来るのだ。

だから、企業の決算・財務状況に限らず、何か事実を調べようとするときには、複数の情報ソース

(出来ることなら、なるべく多く)を参照することが肝要である。

(念の為、お断りしておきますが、私は任天堂とは何の利害関係もありません。株も持っておりません。)
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2009.05.06

【音楽・映像】ストラヴィンスキー「プルチネルラ」(管弦楽組曲)。

◆ストラヴィンスキーのバレエ音楽「プルチネルラ」、1920年5月5日に初演されました。

実は、昨年6月にこの曲を紹介しています。

2008年06月18日(水) 6月17日はストラヴィンスキー(1882~1971)の誕生日。組曲「プルチネルラ」という楽しい音楽。ココログ)。

ストラヴィンスキーは生涯で何度も作風を変えた人で、当時としては超前衛的な「春の祭典」などを書いた後、

「バッハへ帰れ」などと言い出しまして、「新古典主義」と呼ばれる時期に入ります。

「プルチネルラ」はバレエ音楽で、18世紀のペルゴレージという作曲家の作品やその断片を元に書いています。

バレエのプルチネルラは1920年5月5日に初演されましたが、他のストラヴィンスキーのバレエ音楽と同じように、

管弦楽用組曲として1922年に改めて発表されました。


◆去年はオルフェウス室内管弦楽団のCDの一部を載せましたが、今日は映像と共に全曲をどうぞ。

YouTubeで"Pulcinella"を検索したら、ズービン・メータが指揮している全曲の映像が

見つかりました。私は何処のオーケストラか分からなかったのですが、mixi上で、

「どなたか、どこのオケ(オーケストラ)か分かりますか」と日記に書いたら、このブログからも

リンクを貼らせていただいている、プロのクラリネット奏者、Nべさんが、

たちどころに、

首席フルート奏者が、以前パイパーズでインタビュー受けてた、ヨシ・アルンハイムだと思われます。

と教えて下さいました。流石です。調べたらその通りでした。


というわけで、ズービン・メータが指揮、イスラエル・フィル(Israel Philharmonic Orchestra)による、
ストラヴィンスキー:「プルチネルラ」組曲をどうぞ。

全部で8曲から構成されています。

I. Sinfonia

II. Serenata_ Larghetto

III. A) Scherzino, B) Allegro, C) Andantino

IV. Tarantella

V. Toccata_ Allegro

Vi. Gavotta_ Allegro Moderato

VII. Vivo

VIII. A) Minuetto, Molto Moderato
画像は3つのファイルに分かれます。


プルチネルラ(1/3)III.B) Allegroの途中まで。



プルチネルラ(2/3)III.B) Allegroの残りの部分から、Vi. Gavotta_ Allegro Moderatoの途中まで。



プルチネルラ(3/3)
Vi. Gavotta_ Allegro Moderatoの残りの部分から最後まで。

VII. Vivoは面白いですよ。トロンボーンとコントラバスが活躍します。

最後の曲では、トランペットが繰り返し同じ音型を吹きますが、最後の高い音、何度も吹いて

全く外さない、というのは(それが当たり前なのですが)かなり難しいです。



と言うわけです。

CDはもう一度、オルフェウス室内管弦楽団のCDをお薦めしたかったのですが、製造中止で、中古が入ってくるのを待つしか無いようです。

同じぐらいお薦め出来るのは、アバド=ロンドン交響楽団の録音。「火の鳥」とのカップリングです。

アバドが若い頃の演奏です。が、私は一度、アバドの棒で「プルチネルラ」を聴きました。素晴らしかったです。

このCD、良いと思います。

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「発熱患者の診察拒否続出…過剰反応?都に苦情92件」←何やってんの?

記事:発熱患者の診察拒否続出…過剰反応?都に苦情92件(5月5日22時0分配信 読売新聞)

海外渡航歴がなく、新型インフルエンザ感染の可能性の低い発熱患者が、医療機関から診察を拒否されるケースが相次いでいる。

東京都の場合、2日から5日正午までの間に「きちんと対応してくれない」との苦情が92件あった。

「成田空港で働いているだけで発熱相談センターに連絡するよう求められた」

「国内の観光地に出かけ、外国人観光客が多かったと言ったら、診察してもらえなかった」--など。

相談センターから疑いなしとされたのに、拒否されたケースも数件あったという。

 政府の方針では、新型の確認された国からの帰国者が高熱などを発症した場合、自治体の発熱相談センターに電話で相談し、

指定された発熱外来で受診することになっている。

ところが、病院の当直職員らが発熱患者はすべて「相談センター対応」と誤解しているケースが多いとみられ

、都は「診察拒否が広がれば、患者が海外渡航歴などを正しく申告しなくなる恐れがある」と懸念を深めている。

横浜市や大阪市の発熱相談センターにも、苦情や相談がそれぞれ数件ほど寄せられている。

横浜市健康安全課は5日、医師会や病院協会に診察拒否をしないよう文書で要請した。

厚生労働省結核感染症課は「相談センターが『疑いなし』とした患者の診療を拒否するのは問題」としている。


◆コメント:新型インフル、そんなに騒ぐならテレビでも使って周知徹底しろ。行政の責任だ。

全く何事に付け、厚労省の仕事はいい加減である。例を挙げたらキリがないので、具体例は控えるが、

「こういうことをしたら、医療現場が混乱するに決まっているだろう」と素人目にも明らかな決定をしたり、

決定しても周知徹底が不十分であるが故に現場が混乱する。そして、中央の厚労省役人は誰もその混乱に対して責任を取らない。

厚労省に限らず、行政の失敗により何らかの損害、不便、不都合が様々の現場で起きても、

監督官庁にいるはずの「責任者」個人が責任を問われないから、いい加減なことをするのである。


さて、それはさておき、本件について述べるならば、要するに、

「自分が新型インフルエンザに感染しているのではないか?」と思ったとき、どうすれば良いのか

が、日本全体に周知徹底されていないから、こういうことが起きるのである。

内閣総理大臣も厚労相も新型インフルに「万全を期す」としきりに言うが、全然「万全」ではない。


◆厚労省のサイトに載っている「行動指針」。

自分が「新型インフルに感染しているのではないか」と思った時どうすればよいか。

新型インフルをそれほど重大視するなら、厚労省のサイトのトップページに、

一目で分かるように掲げておけばよいと思うのだが、実際に探すと、結構面倒くさい。

厚生労働省のサイト新型インフルエンザ対策関連情報がある。

そのページに、個人でできる対策というリンクがあり、そこを開くと初めて、

個人および一般家庭・コミュニティ・市町村における感染対策に関するガイドライン(PDF:332KB)が現れる。

こんな、分かり難いところに載せるな、と言いたい。気が利かないヤクニンだな。



さて、その「ガイドライン」を読むと、「第1章 はじめに」で「新型インフルエンザの基礎知識」に始まり、

緊急時にどうすればよいかは、全体で16ページのPDFファイルの11ページで、初めて出てくる。

本人、家族等が発症した場合の対応

ア 発生早期の段階

感染した可能性のある者は、極力、他の人に接触しないよう以下の対応を行うことが必要である。

発熱・咳・全身痛などの症状がある場合、事前連絡なく医療機関を受診すると、万が一、新型インフルエンザに感染していた場合、

待合室等で他の疾患の患者に感染させてしまう「二次感染」のおそれがある。

その場合はまず、保健所等に設置される発熱相談センターに電話等で問い合わせをし、その指示に従って指定された医療機関で受診する。

発熱相談センターから指定された医療機関を受診するときは、必ず当該医療機関に電話で事前に連絡し、

受診する時刻及び入口等について問い合わせる。

この連絡を受けて、医療機関は、院内感染を防止するための準備をすることになる。

医療機関を受診するときは、マスクを着用する。マスクがない場合は、咳エチケットを心がけ、

周囲に感染させないように配慮する。また、受診に際しては、公共交通機関の利用を避けて、

できる限り家族の運転する自家用車などを利用する。適切な交通手段がない場合は、発熱相談センターに問い合わせる。

と、なっている。

記事に書かれていることが事実だとすると、全てではないが、患者はここに書かれた「対応」通りに行動しているが、

医療機関側にこの通達がきちんと知らされていない為、
病院の当直職員らが発熱患者はすべて「相談センター対応」と誤解しているケースが多いと見られ

るのだろうが、これも不思議な話で、相談センターというのは保健所に設置された「窓口」に過ぎず、

新型インフルの診断・治療をする「医療機関」でないことは明らかだと思うのだが、

病院の当直職員らは、どうして、発熱患者はすべて「相談センター対応」と考えるのだろうか。

何とも詳しい事情が分からないので評価は不能である。


◆結論

これだけ「新型インフル対策」で大騒ぎするなら、国は、テレビ・新聞・ネット広告等を使って

「新型インフルに感染したと思われる時の対応を一般国民に周知徹底すると同時に医療機関にも漏れなく通達することだ。

多分、医療機関が分かっていないのは、医療機関への連絡を厚労省が自ら行わず、

各地方自治体の衛生管理部門にやらせているからであろう。緊急事態と騒ぐならば、

国の行政府が、直接、責任を持って仕事をしろ、と言いたい。

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2009.05.05

「感染者、全世界で1000人突破=死者は27人-新型インフル宣言1週間」←全世界と言っても地図にすると・・・。

◆記事:感染者、全世界で1000人突破=死者は27人-新型インフル宣言1週間(5月5日0時47分配信 時事通信)

世界保健機関(WHO)が4月27日に新型インフルエンザの発生を宣言してから4日で1週間が経過した。

同宣言を受け、各国は対策に着手したが、感染は欧州やアジアなどにも拡大。4日までの発表などによれば、

死者27人を含め確認感染者は全世界で1000人を超えた。

世界的な大流行(パンデミック)発生を意味する「フェーズ6」に警戒レベルが引き上げられるとの見方も強まっている。

メキシコのコルドバ保健相は同日、同国での死者数が累計で26人となったことを明らかにした。

死者も含め感染者数の合計は前日から137人増えて727人となった。米疾病対策センター(CDC)によると、

米国の感染者は36州計286人で死者は1人。カナダ通信によれば、同国感染者は101人に増えた。

このほか中米エルサルバドルとポルトガルでも初感染が確認され、これで感染者が出た国と地域は21となった。


◆コメント:全世界でというが、感染者の数と分布を地図で見ると・・・。

WHOのパンデミックアラートは何を基準にしていると、インフルエンザの症状は関係なく、

とにかくヒトーヒト感染している地理的な広がりを見せている。

患者数も増えている。国立感染症研究所が4日(月)午前9時に発表した、最近1週間の

各国の患者数の推移である。

20090505021032
確かに確実に感染者は増えていて、今この原稿を書いている時点(2009年05月05日(火)02時19分)で、

ニュースをチェックすると、記事1のとおり感染者は1,000人を超えている。


マスコミは、過剰に扇情的に「世界的流行」を強調したがるが、

WHOがその患者の分布を地図にしたものが↓である。

Tglobalsubnationalmaster20090504


感染者が出た国と地域は21になった。

のは決して「ウソ」ではないが、どうも緊迫感がない。

要するに極端に感染者と死者数が多いのはメキシコだけなのである。

アメリカも感染者は多いが、重症にならない。他国も同様である。


◆WHOによるパンデミックアラートの基準(各フェーズの定義)

現在、フェーズ5だが、その判断基準はどのように定義されているか。

WHO | Current WHO phase of pandemic alertを国立感染症研究所が日本語にしている。


  • フェーズ1:動物の中で循環しているウイルスがヒトにおいて感染を引き起こしたとの報告がない状態

  • フェーズ2:家畜または野生の動物の間で循環している動物のインフルエンザウイルスが、ヒトに感染を引き起こしたことが知られ、潜在的なパンデミックの脅威であると考えられる状態

  • フェーズ3:動物インフルエンザまたはヒト-動物のインフルエンザの再集合ウイルスが、ヒトにおいて散発例を発生させるか小集団集積症例を発生させたが、市中レベルでのアウトブレイクを維持できるだけの十分なヒト-ヒト感染伝播を起こしていない状態

  • フェーズ4:市中レベルでのアウトブレイク”を引き起こすことが可能な動物のウイルスのヒト-ヒト感染伝播またはヒトインフルエンザ-動物インフルエンザの再集合体ウイルスのヒト-ヒト感染伝播が確認されたこと

  • フェーズ5:1つのWHO地域で少なくとも2つの国でウイルスのヒト-ヒト感染拡大があること

  • フェーズ6(パンデミックフェーズ):フェーズ5に定義された基準に加え、WHOの異なる地域において少なくとも他の1つの国で市中レベルでのアウトブレイクがあること

「市中レベル」が分かり難いが、英語だと、community-level(地域レベル)である。

フェーズ4に引き上げられたとき、大騒ぎになったが、要するに限られた地域レベルでヒトーヒト感染が確認された、ということ。

現在の「フェーズ5」は「1つのWHO地域で少なくとも2つの国でウイルスのヒト-ヒト感染拡大がある」状態。

WHO地域(WHO Regions)とは、WHOは世界を6つの地域に分けていて、それぞれに管轄事務所がある。それは、

  • :: Regional Office for Africa

  • :: Regional Office for the Americas

  • :: Regional Office for South-East Asia

  • :: Regional Office for Europe

  • :: Regional Office for the Eastern Mediterranean

  • :: Regional Office for the Western Pacific

で地図で見ると、
Who_regions

となる。

ごらんのとおり、アメリカは南北で一つのWHO地域であり、メキシコとアメリカでヒトーヒト感染が広まったから、

フェーズ5なのである。

フェーズ6は、アメリカ地域以外の少なくとも一カ国で地域的なヒトーヒト感染が急増(Outbreak)していることが

条件だから、時間の問題と思われる。

しかし、これを冷静に見ると、世界的大流行といって、日本でも政府が緊急措置を発動する必要があるか、

やや疑問である。

新型インフルエンザ対策行動計画(改定後)の概要は既に策定されており、

国内で新型インフルエンザ感染者が出たときには、


  • 感染者の感染症指定医療機関等への入院措置

  • 学校の臨時休業、不要不急の集会等の自粛要請

  • 事業者に対する不要不急の業務の縮小要請

が行われることになっているが、元々「新型インフルエンザ対策」は

強毒性の鳥インフルエンザウイルスH5N1型がヒトーヒト感染する事態を想定したのである。

現在の、変異を起こしていないH1N1型は、Aソ連型と同じであり、日本人の多くは免疫を持っている。

鳥インフルは致死率が約6割で非常に危険だから、分かるが、今回のインフルAに関して、

「新型インフルエンザ対策」を杓子定規に適用すると、社会機能が麻痺し、惹いては、景気後退を

一層加速させる危険がある。

勿論、政府は責任を問われるから大事を取りたくなる気持は分かるが、情勢を客観的に分析し、

柔軟に、臨機応変に対応して頂きたい。

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2009.05.04

「<集団的自衛権>強まる「解釈変更論」 首相、慎重に見極め」←集団的自衛権の行使を認めてはいけません。

◆記事:<集団的自衛権>強まる「解釈変更論」 首相、慎重に見極め(5月3日20時57分配信 毎日新聞)

集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈の変更を検討すべきだという声が、政府・自民党内で再燃している。

北朝鮮の弾道ミサイル発射などを受け、安倍晋三元首相が麻生太郎首相に衆院選の政権公約(マニフェスト)に掲げるよう求めたのが発端。

首相自身、解釈変更すべきだとの持論を崩していないが、検討を本格化させれば、与党・公明党が抵抗するのは必至。

衆院選前の火種にならないよう、首相は与党内の空気を慎重に探る構えだ。

「(報告書を)読ましていただいて、勉強しなきゃいかんと思ってます」

首相は4月23日夜、安倍氏が首相時代に設置した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」

の座長を務めた柳井俊二元駐米大使と首相官邸で会い、懇談会が昨年6月にまとめた報告書の説明を受けた。


面会は柳井氏側の要請。首相は前日、首相官邸で面会した安倍氏から集団的自衛権の行使について、

「(総選挙の)マニフェストに盛り込んだほうがいい」と申し入れを受けていた。

懇談会は、米艦船の防護、弾道ミサイル防衛、武器使用基準、後方支援の4類型に絞って議論した。

4類型は小泉内閣のころ、安倍官房長官-麻生外相のラインで協議された内容がベース。

安倍氏が首相を退陣した後の08年6月、憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使は可能との報告書をまとめたが、

当時の福田康夫首相は解釈変更に否定的で、報告書は「たなざらし」となっていた。

麻生首相は就任直後の昨年9月、憲法解釈の変更について「基本的に変えるべきものだ。ずっと同じことを言っている」と述べている。

衆院選で対決する民主党の安保政策が定まらない中で、

「安全保障の問題は衆院選に向けて民主党との対立軸を示すことができる大きなテーマ」

(首相周辺)との思いが強い。

ただ、平和志向をアピールする公明党が解釈変更に強く反発しており、首相や安倍氏らが強行突破をはかれば、

衆院選などでの自公協力にも影響が出かねない。また、自民党内にも麻生-安倍ラインの保守色に抵抗感を示す議員も少なくない。

このため、政府関係者は「仮に解釈を変更すれば、今の法体系全体の見直しにつながるが、

そこまでは今の政治状況ではできないだろう」と語った。


◆コメント:選挙対策で民主党との違いを出すために「集団的自衛権の解釈変更」ですか。

麻生政権が誕生したときに、確かにこの話は出ていた。

しかし、その後、全然話題にならず、新聞も取りあげず、

一般国民の間で激論が交わされていたようには、到底思われない。

記事を読むと、来るべき総選挙で、自民党が民主党との政策の違いを明確化するため、

謂わば政争の具として「集団的自衛権の解釈変更」をマニフェストに盛り込むようで、

本気で、今改憲を考えているとは思えない。国民にしても、この大不況下の克服が第一の関心事ではないだろうか。


◆「集団的自衛権」に関しては、過去に何度も書きました。

この問題に関しては、過去何度も書き、私の基本的な思想は変わらないので、過去ログをお読み頂きたい。

2007年08月15日(水)  NHK「考えてみませんか?憲法9条」視聴後所感。集団的自衛権について。

2006年10月11日(水) NHK電話アンケート「改憲賛成40%」「集団的自衛権の意味を知っている8%」←知らないで賛成するな。

特に後者ですが、今、改憲と言ったら、要するに9条の話に決まっていて、特に「集団的自衛権の行使を認めるか否か」が

議論の大きなポイントであるにも関わらず「集団的自衛権」の意味を説明出来ないのに、「憲法改正に賛成」と回答するのは無責任だと思います。


分からないことには、分からないと答え無ければいけません。本当に憲法改正に何か思想があるならまだしも、

わからないのであれば、

憲法改正について真剣に考えたことがないから、改正すべきかどうか分からない、

と答えるのが正しいのです。

分からないのに賛成しないこと。国民投票法案は来年から施行され、原理的には本当に憲法改正が可能になるのですから、

国家の誘導に騙されないように、出来れば勉強するべきです。


◆自衛権に関する基礎知識

本当は、物事は自発的・能動的に調べないと、覚えないものですが、面倒臭い人のために説明します。

個別的自衛権とは
自分の国が外国から侵略されたり、攻撃されたりしたとき、自国を防衛する権利

です。

日本政府の長年の公式見解は、日本は個別的自衛権の行使はできるが、集団的自衛権(後述)の行使は

憲法第9条に違反すると考えられるので、認められない、というものです。

個別的自衛権は当然だと思います。

憲法第9条を厳密に解釈すると、国の交戦権は認めない。一切の武力を保持しないとありますが、

憲法前文において、日本国民が平和に幸福を追求する権利、「平和的生存権」を守ると書いているのですから、

外国から攻撃を受けた場合、国民を守るために「最低限の実力」を行使できるのは当たり前だと思います。

国家を擬人化して説明するのは必ずしも正しい方法ではありませんが、自然人(普通の人間、個人)になぞらえるならば、

刑法で「違法性阻却事由」の一つとして認められている「正当防衛」に相当すると思います。

自宅に強盗が押し入ってきたとき、こいつを殴ったり怪我をさせたら暴行罪や傷害罪になるから、といって、

オメオメ黙って静かに殺されるのを待っている訳には行かない。お父さんを始め一家で一丸となって、強盗を棒でぶん殴ったりして、

撃退するでしょう。その時いわば「暴力」を使っていますが「自らの生命や財産を守るため」仕方がない。

個別的自衛権は、それに似ています。


一方、集団的自衛権とは
「自国が他国から侵略・攻撃を受けていなくても、自国と同盟関係を結んでいるなど、密接な関係にある国が第3国から、侵略・攻撃を受けた場合、それを自国への攻撃と同じ物と見なして、防衛する権利」

です。日本にとって、「同盟関係を結んでいるなど、密接な関係にある国」は要するにアメリカです。

アメリカは、オバマ政権になって、イラクからは撤退するといいながら、911テロの後から始めたアフガニスタンでの

テロリストとの戦いの為に増派する、といっています。集団的自衛権をもっていても「権利」であり「義務」ではないから、

嫌なら断れば良い。というのは甘いのであって、集団的自衛権の政府の公式見解が「違憲である」という状況下ですら、

イラク戦争の後方支援を殆ど強制されました。あのプロレスラーのようなアーミテージもと国務次官補が来日し、

"Show the flag"(旗幟を鮮明にしろ。)

とか、
"Boots on the ground."(戦場(イラクに)足を踏み込め=自衛隊を送れ)

と言われただけで、日本政府は震え上がって、1も2もなく承諾し、イラク復興支援特別措置法を強行採決し、

イラクに自衛隊を派遣しましたが、交戦中の同盟国に対する後方支援ですから、集団的自衛権の行使の一種であり、違憲です。

これは、私はずーーと前から述べていますが、昨年、ついに司法が「違憲」と判断しました。

2008年4月17日名古屋高裁の判決文にはっきりと書かれています。

イラク派兵違憲判決(080417名古屋高裁)(PDF1.514KB)

特に、航空自衛隊の輸送機が多国籍軍兵士を輸送したことについては、
現在イラクにおいて行われている航空自衛隊の空輸活動は,政府と同じ憲法解釈に立ち,イラク特措法を合憲とした場合であっても,

武力行使を禁止したイラク特措法2条2項,活動地域を非戦闘地域に限定した同条3項に違反し,かつ,憲法9条1項に違反する活動を含んでいることが認められる。

と、司法が「違憲です」と判断しているのです。


日本の集団的自衛権の行使を認めたならば、常に世界の何処かで人殺しを継続しているアメリカの「パシリ」になることは

目に見えています。集団的自衛権の行使を認めてはいけません。


◆日本人特有の「遠慮」・「気遣い」はガイジンには無用です。

私は外国(英国)に駐在して、11人のチームの中で日本人は自分だけ、という環境で4年間働き、

欧米人の思考パターン、行動様式がかなり分かりました。彼らはとにかくパワー全開の自己主張をします。

たとえ、それが無茶だと分かっていても、「言った者勝ち」なのです。

日本人の「遠慮」「控えめ」「謙譲の美徳」など通用しません。そんなことは考えてはいけません。

日本人はしばしば、「日米安全保障条約により、アメリカの核の傘で守られたから安全でいられた」とか、

「一方的に守ってもらっては悪い」という発想から抜け出られませんが、そんなことは気にしなくていいのです。

日米安全保障条約を読めば明らかなとおり、

この条約が締結されたのは1960年1月19日です。日本国憲法が施行されたのは1947年5月3日でそれ以来、内容に変更はありません。

つまり、アメリカ合衆国は日本が憲法9条で武力を行使しないことを知っていたし、

「集団的自衛権の行使は違憲である」という政府の公式見解を承知の上で安保条約を締結したのです。

条約は契約です。日本は武力は行使しない、といっている。アメリカが攻撃されても集団的自衛権自衛権は行使しないと言っている。

それを承知で安保条約を締結したのだろう。今更、憲法を変えろなどというな。と言えば良いのです。

日本は莫大費用を在日米軍基地に投じている。だから、アメリカさん、日本が攻撃されたら守りなさいよ。約束だろ?

但し、アメリカが第3国から攻撃されても日本は助けられない。憲法で決まっているんだ、知っているだろ?

と、ガイジンを相手にするときは、これぐらい、言いたい放題、自分の都合の良いことを堂々と主張すればよい。

日本は、自ら戦争はしないから、最小限度の実力の行使しかしない。足りない分を用心棒としてアメリカを雇っている

と考える。それぐらいふてぶてしくならなければダメです。


◆国連憲章51条は集団的自衛権を認めていますが、あれはアメリカが無理矢理ねじ込んだ条文です。

「日本も集団的自衛権の行使を可能にするべきだ」と主張する人のなかには、

根拠として、国際連合憲章第51条を挙げることがあります。

第51条〔自衛権〕

この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。

だから、集団的自衛権は国家が本来的に有する、自然権のようなものだ、というのですが、

とんでもない。


国連憲章の原案は、1944年に作られた「ダンバートン・オークス提案」です。

ダンバートン・オークスとは、ワシントン郊外の地名です。

ダンバートン・オークス提案では、集団的自衛権に関する今のような規定は無かったのです。

この原案では、同盟国が攻撃・侵略されたときに、自国への攻撃と見なして武力行使をするためには、

全て国連安全保障理事会の許可が必要とされていたのです。


ダンバートン・オークス提案に反対したのは、米国とラテンアメリカ諸国です

これらの国々は、1943年、チャプルテペック規約という条約を締結し、米州諸国間での集団的自衛権行使を可能にしていたのです。

しかし、ダンバートン・オークス提案のままで国連憲章が成立すると、米州諸国間での行動に支障があります。

いちいち、安保理の許可を得なければならないことになるからです。

それでは面倒でたまらんというので、最終的に国連憲章を採択した、1945年のサンフランシスコ会議において、

普遍的に集団的自衛権の行使を認める51条を挿入させたのです。


ですから、集団的自衛権という概念は一部の国の都合で盛り込まれたものであり、

外交・軍事の歴史の中で、慣習法的に自然に発生したものではなく、国家として当然の権利ではありません。


◆憲法改正とは「正しく改める」ことです。

冒頭の記事では麻生首相は、集団的自衛権の政府見解を変えようという目論見について、

言及していますが、最近、何だか元気を取り戻した。アホの安倍晋三の差し金でしょう。

安倍晋三は、周知の通り憲法改正論者です。

憲法の源流はフランス革命時のフランス人権宣言にあり、主権者たる国民が国家権力にタガを嵌める

ことが目的です。だから国会議員を含む公務員には憲法遵守義務があります。権力の濫用を防ぐために

憲法があるのですから、当然です。そのタガを嵌められている側から、「これをもっと緩くしよう」というのは、

筋違いです。安倍晋三の甘言に騙されてはいけません。



私は憲法を本来の意味で「改めて」「正しくする」のならば賛成です。

憲法第9条は、まだ、生ぬるい。日本が絶対に戦争を出来なくするようにすべきです。

私の憲法9条改正草案です(毎年載せてますけど)。

【JIROの憲法改正草案】(第3、4、5項を追加します)

第3項 (集団的自衛権行使の禁止)

我が国が、他国から、武力による威嚇、また、武力の行使を受けていないとき、日本と軍事同盟関係又は緊密な関係にある他国が、

第3国から武力攻撃を受けた際、または、第3国と戦争状態に陥った際に、これを我が国への武力攻撃と同一視し、

或いは我が国が戦争状態に陥ったと見なし、同盟国を支援することを「集団的自衛権」の行使と定義し、

我が国の「集団的自衛権」の行使は、永久にこれを認めない。

なお、「同盟国を支援すること」とは、直接的な武力行使のみならず、戦争状態の同盟国に対する後方支援

(武器・弾薬の供給、その他、物的、人的支援の一切を含む)、及び同盟国が第3国を攻撃する際に有利となる軍事的その他の情報の提供をも含む。

第4項(核兵器の製造、保有等の禁止)

我が国が、核兵器を製造・保有すること、核兵器又は、その部品、原料となる物資を製造し、他国に提供すること、

核兵器を保有する同盟国が核兵器を用いて第3国を攻撃する場合の拠点として、我が国領土内の施設利用を許可することは、永久にこれを認めない。

第5項(9条不可侵の原則)

本条の各項の変更は、96条(憲法改正の手続き)にかかわらず、永久にこれを認めない。

たった60数年前に米英を相手に無謀な戦争を始め、非戦闘員を含めて300万人以上の犠牲者を出した日本が、

また戦争が出来る国になろうとすること自体、バカとしかいいようがありません。

和辻哲郎先生という倫理学の大家がおられました。和辻先生が、戦後書かれた、

鎖国―日本の悲劇という名著がありますが、序文を引用させていただきます。
太平洋戦争の敗北によって日本民族は実に情ない姿をさらけ出した。

この情勢に応じて日本民族の劣等性を力説するというようなことはわたくしの欲するところではない。(中略)

しかし人々が否応なしにおのれの欠点や弱所を自覚せしめられている時に、

ただその上に罵倒の言葉を投げかけるだけでなく、その欠点や弱所の深刻な反省を試み、

何がわれわれに足りないのであるかを精確に把握して置くことは、この欠点を克服するためにも必須の仕事である。

その欠点は一口にいえば科学的精神の欠如であろう。

合理的な思索を蔑視して偏狭な狂信に動いた人々が、日本民族を現在の悲境に導き入れた。

がそういうことの起り得た背後には、直観的な事実にのみ信頼を置き、推理力による把捉を重んじない、という民族の性向が控えている。

推理力によって確実に認識せられ得ることに対してさえも、やって見なくては解らないと感ずるのがこの民族の癖である。

「直観的な事実にのみ信頼を置き、推理力による把捉を重んじない、という民族の性向」は、

残念ながら今だに変わっていないように、私には思われます。

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2009.05.03

東京で、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2009」の開催中です。

◆100万人が熱狂! 史上最大のクラシック音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」が開幕(4月28日18時44分配信 @ぴあ)

2007年、2008年の2年連続で来場者数100万人以上を記録した史上最大のクラシック音楽祭

「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭」が今年もついに開幕。

そのオープニングセレモニーが4月28日、東京・有楽町の丸ビル1階マルキューブで行われた。

フランス生まれのクラシック音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」は、「低価格のチケット料金」「約45分の演奏時間」

「朝から晩までコンサートのはしごが可能」「大人から子供まで楽しめる」といったカジュアルさをコンセプトにした

新しいクラシック音楽の祭典だ。2005年のゴールデンウィークの日本初開催以来、家族連れや若いカップル、

お年寄りまで老若男女大勢の人々がつめかけ、クラシック音楽のお祭りに熱狂するその光景は、

毎年ゴールデンウィークの有楽町の風物詩となっている。

4月28日、12時30分から行われたオープニングセレモニーは、晴天に恵まれたお昼どきということもあり、

丸ビル1階マルキューブのセレモニー会場は大勢の人で賑わった。セレモニーのミニコンサートでは、

東京都交響楽団メンバーによる金管五重奏「東京メトロポリタン・ブラス」が登場し、

今年の音楽祭テーマ「バッハ」にちなんで、「G線上のアリア」「イタリア協奏曲」などのバッハ作品をブラスアレンジで披露。

会場を囲んだ観客から大きな拍手を浴びて、音楽祭の幕開けを華やかに彩った。


◆「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2009」とは?

これはですね。上の記事で概略は分かりますけど、私も詳しくないので、アンチョコ丸写しですが、

一応もう少し説明を書き加えます(公式サイトに書いてありますけど)。

「ラ・フォル・ジュルネ」とは、
フランス北西部の港町ナントで、1995年に誕生したクラシック音楽祭。

クラシック音楽の常識を覆すユニークなコンセプトに貫かれ、「ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日)」のネーミングそのまま、

ヨーロッパの数ある音楽祭の中でもっともエキサイティングな展開を見せている。

毎年テーマとなる作曲家またはジャンルを設定し、会場となるナント市のコンベンションセンター

「シテ・デ・コングレ」では、朝から晩まで9つの会場で同時併行的に45分間のコンサートが、5日間で約300公演繰り広げられる。

演奏者は、旬の若手やビッグネームがずらりと並び、しかも、アーティスティック・ディレクター、

ルネ・マルタン氏の「一流の演奏を低料金で提供することによって、明日のクラシック音楽を支える新しい聴衆を開拓したい」

という考えに基づき、入場料は5~22EURO(700円~3,000円)という驚きの低価格に抑えられている。

来場者の6割はクラシックコンサート初体験者で、またキッズプログラムも充実し子供たちも多数参加している。

2000年からポルトガル・リスボン、2002年からはスペイン・ビルバオでも開催され、いずれも大成功を収めている。

2005年からは、東京国際フォーラムで開催され、クラシック音楽界にセンセーションを巻き起こしている。

要するに、私が適当に要約しますと、

  • 元々フランスで始まった音楽祭。同じ形式で日本でも2005年からGWに丸の内で開催されている。

  • 毎年テーマとなる作曲家またはジャンルを設定(今年は「バッハとヨーロッパ」)する。

  • 低料金で、新進から一流まで国内外のプロの音楽家を聴ける。

  • 「エリア・コンサート」約100公演は全て無料。

  • 朝から晩まで、複数の会場で、同時並行的にいくつもの演奏が行われている(クラシック三昧)。

  • クラシック通というよりも、どちらかというとあまりなじみのない人、初めての人を念頭に置いている。

ということです。もっと早くからお知らせすべきでしたが、色々ニュースがあって、忘れていました。

公式サイトで、有料コンサートのタイムテーブルを見ると、

既に完売が多いのですが、国際フォーラムではなくて、丸の内周辺のロビーで開かれる

エリア・コンサートは全て無料で(それだけに余計混むかもしれませんが)

東京近郊の方で、気力と根性のある方は、行ってみても面白いのではないか、と思います。


◆地方の方は、ナクソス・ミュージック・ライブラリーで、音楽祭と同じプログラムを全部聴けます。

ナクソス・ミュージック・ライブラリーに関しては、奇しくもちょうど一年前に書きました。

2008年05月02日(金) ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)のすすめ(2度目かな)。ココログ

詳しくはリンク先をお読み頂ければ分かりますが、定額制(月額税込み 1,890円)のストリーミング方式(ダウンロードは出来ない)

の音楽配信サービスです。現在、CD30,000枚分、曲数にすると44万曲以上、聴き放題というサービスです。

カラヤンとか、バーンスタインなど有名演奏家の大手レーベルのCDでは有りませんが、知られていない名演奏(家)、名曲、

珍しい曲が非常に多いです。ものすごく僭越ですが、私は言うのですから、間違いないです。

(念のためお断りしておきますが、私はナクソスとなんの利害関係も有りません)。


前置きが長くなりましたが、ナクソス・ミュージック・ライブラリーで、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの有料コンサートと

同じ曲を全部聴くことが出来ます。入会すれば、他の曲も聴きたい邦題ですが、

ちょっとそこまでは、という方は、1日15分の無料体験を利用すればかなり聴けます。

ナクソス・ミュージック・ライブラリーの「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 聴けるプログラム」

によれば、

ナクソス・ミュージック・ライブラリーの「聴けるプログラム」とは

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2009の有料公演全167で演奏される総楽曲数は600以上。

ナクソス・ミュージック・ライブラリーは、そのほとんどをカバーする録音源を有しています。

対象作品がストリーミング方式で聴き放題。全楽章とも途中で終わることなく曲の最後まで、いつでも何度でも聴くことができます。

とのこと。普通の曲は無料体験は1日15分なんですけど。無料で全曲聴ける、とかいてありますね。試しに公演番号111を左側のリストでクリックすると、

ブランデンブルグ協奏曲第3番等が聴けますね。これなら15分で聴けますね。


◆【音楽】バッハ:2台のピアノのための協奏曲 ハ短調 BWV 1060(2つのバージョンで

「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 聴けるプログラム」の公演番号115には、

「J.S.バッハ:2台のピアノのための協奏曲 第1番 ハ短調 BWV1060」というのがあります。これは、バッハでは珍しくないことですが、

同じ作品番号でも異なる演奏形態がありまして、どっちが先だっけなあ、ヴァイオリンとオーボエの為の協奏曲もBWV 1060なのです。

たしか、「ヴァイオリンとオーボエ~」が先で、それを「2台のピアノのための~」にバッハ自身が編曲したのだったと思います。

折角音楽記事ですから、このBWV 1060を両方の「バージョン」で聴いて頂きましょう。

これ、チェンバロで弾くことが多いですが、この演奏は現代のピアノで弾いています。

CDは、ピアノ協奏曲第1番、第2番、他 コチシュ、A.シフ(p)シモン&リスト音楽院管弦楽団です。

2台のピアノのための協奏曲 ハ短調 BWV 1060 第一楽章です。






非常に真面目な演奏です。バッハのこういう曲はいじくり回す余地が無いと思います。

ベートーベンなどの古典派や、ショパンなどのロマン派を弾くときとはことなり、バッハをピアノで弾くときは、

ペダルを殆ど全く使いません。


次に、ヴァイオリンとオーボエの為の協奏曲 BWV 1060 第一楽章です。

CDは、ヴァイオリン協奏曲集 ヒラリー・ハーンです。Amazonにも有ります







如何ですか。勿論いつも書いているように好みの問題なのですが、私は、ヴァイオリンとオーボエの方が面白いです。

繰り返しますが、これは「私の」好みです。

それでは、連休中の皆様(そうで無い方はごめんなさい)、宜しければこのような音楽でもお楽しみ下さい。

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2009.05.02

「<新型インフル>ウイルス株、10日にCDCから製薬企業に」←到底、感染が広まる速さに追いつきませんね。

記事1:<新型インフル>ウイルス株、10日にCDCから製薬企業に(5月1日15時0分配信 毎日新聞)

豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザの世界的拡大を受け、

ワクチン製造用のウイルス株を培養している米疾病対策センター(CDC)が大手製薬企業に対し、

10日にウイルス株を渡せると連絡していたことが分かった。世界保健機関(WHO)が警戒度を

「世界的大流行(パンデミック)直前」の兆候を示す「5」に引き上げる中、ワクチン開発が本格的に始まることになる。


世界の大手製薬企業で作る国際製薬団体連合会(IFPMA)によると、各社はウイルス株を受け取り次第、

本格的な開発作業に取り組めるよう準備を急いでいる。世界の製薬企業でワクチン生産能力を持つのは20社前後。

うちIFPMAに加盟する16社が、パンデミックワクチン開発でWHOと協力している。

参加企業の生産能力は、世界のワクチン生産の9割以上をカバーするという。

IFPMAは2月発表の調査で、パンデミックワクチンについて

「各社が生産設備をフル稼働させれば、ウイルス株受け取りから12カ月以内に25億人分を生産できる」と予測している。

ただ、クラウセ良子・ワクチン部長によると、実際に開発に着手してみないと分からないことも多く、開発スケジュールは流動的という。


記事2:新型インフルエンザ、感染確認は331人 WHO発表(5月1日20時0分配信 CNN.co.jp)

ジュネーブ(CNN) 世界保健機関(WHO)は5月1日、新型インフルエンザ(H1N1型)感染者数が世界11カ国で331人に達したと発表した。

最多はメキシコの156人で、このうち死者は9人。次いで米国が109人となっている。

このほか、


  • カナダ34人、

  • スペイン13人、

  • 英国8人、

  • ドイツとニュージーランドで各3人、

  • イスラエル2人、

  • オランダとスイスで各1人

となっている。


◆コメント:ワクチン開発されるまでに全世界に広まりそうですね。

豚インフルという表現は、風評被害が出るというので、畜産業界や国連食糧農業機関(FAO)から文句が出て、

WHOはこれから、

「インフルエンザA(H1N1)」

という表現を用いるそうだ、日本のマスコミは「インフルA」などと言っている。

当ブログでも「インフルA」で統一することにする。


さて、記事1を読み、記事2、及び続々と報じられる

世界の「新しい感染疑い」の情報をネットやテレビで見ていると

ワクチンが出来るまでに世界中に広まってしまうであろうことはほぼ明らか。


CDCが大手製薬会社にウイルス株を渡せるようになるまで後9日もかかる。

そして、それからワクチン開発に着手するわけだが、

開発されるまでどれぐらい時間がかかるか、は、やってみなければ、分からない。

IFPMA(国際製薬団体連合会)は2月発表の調査で、パンデミックワクチンについて
「各社が生産設備をフル稼働させれば、ウイルス株受け取りから12カ月以内に25億人分を生産できる」

というが、その頃には、世界中の人が感染し、免疫が出来て、ワクチンが不要になるかもしれない。

インフルAの感染拡大防止にワクチンは間に合わないだろう。


◆日本に関して言えば、タミフル・リレンザの予防的処方を保険適用対象とすれば良いのです。

抗インフルエンザウイルス薬といえば、タミフルリレンザである。

タミフルはスイスの製薬会社ロシュの製品で、日本では中外製薬が扱っている。

リレンザはグラクソ・スミスクラインが製造・販売元である。

この二つはいずれも、インフルAに有効である。

私事で恐縮だが、2週間前の木曜日、4月16日、愚息が高熱(39度台)を発したので早退させる

と学校から連絡があり、帰宅後、直ぐに近所の開業医の診察を受けたら、A型インフル(Aソ連型)と診断され、

リレンザを処方された、朝晩2回、5日間服用したが、効果は劇的で、17日の朝には熱も下がり、食欲も出た。

但し、体内にはまだウイルスがあるから、5日間朝晩服用したのである。


余談になるが、タミフルはカプセルで普通に経口投与だが、リレンザは錠剤を専用の道具を使い、粉末にして、

専用の吸引器で吸い込むのである。最初、使い方が分かり難い。グラクソのサイトに、

GlaxoSmithKline | 一般・患者のみなさま | くすりの情報 | リレンザというページがあり、

使い方をビデオで解説しているので、一度、見ておいた方が良い。



話がそれた。

何を言いたいかというと、タミフルもリレンザも主として発症後の治療に使われるが、

どちらの薬も、予防用として使えるのである。リレンザのサイトに、

予防用に使う時の説明が書いてある。

息子がインフルエンザに罹ったとき、私はこのページを見て、自分も予防用に処方してもらえないか、

息子を診た開業医の先生に相談したが、特別の要件(明日から海外へ出張する予定がある、など)を満たさないと、

予防用には処方出来ず、どうしてもというなら、自費で(全額自己負担で)買うしかない、という。

5日分で1万円以上2万円未満は確実。で、諦めた。

私の世帯は息子以外は家内と私だが、二人とも予防しなければ意味がない。

これが4人家族で1人だけ感染したケースなら、感染者以外の家族3人分に付き2万円、

予防用に6万円が必要となる。高い。

私は、幸い息子から感染しなかったが、それは結果論だ。

感染症の予防には、ワクチンを用いるのが望ましいが、実際問題として、ワクチン開発、製造に1年かかるのでは、

政府の基本対処方針、「水際対策」にならない。手っ取り早い方法として、タミフル、リレンザを予防用に処方する際にも、

保健が適用されるよう、関連法令に暫定的な特例を設ければよいのである。

日本のGWに世界でインフルAがヒト-ヒト感染しているが、海外旅行をキャンセルしない人が多い。

海外旅行中に感染し、連休明けに発症し、国内でも爆発的な感染の広がりが起きても何ら不思議はない。

これに対処するには、前述の措置が最も現実的かつ効果的だ。

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2009.05.01

【音楽】ヴァイオリン、ジェームズ・エーネス(James Ehnes)の薦め。

◆これまで何度も載せたのですが、いいヴァイオリニストだと思います。

カナダのヴァイオリニストでジェームズ・エーネス(James Ehnes)という人がいて、

知っている人は知っているけど、超有名なパールマンとか、若手のヒラリー・ハーンほどは、

知られていません。但しこの人のヴァイオリンは好きなので、今までに何度も取りあげました。

しかし、当ブログの存在を最近知った、という方は御存知無いと思うので、また取りあげます。


◆バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ、パルティータからいくつか。

最初に知ったのは、ちょっと名前が堅苦しいですが、何度か聴いていると、

実に美しい、バッハ:無伴奏ヴァイオリンの為のソナタとパルティータからなんです。

CDはAmazonだと高いですね。Sonatas & Partitas Soloist Vn (6) [Import] [from US]

同じもの(いずれにせよ輸入盤ですが)をTower Recordで探したら、ありました。

Bach: Six Sonatas and Partitas for Solo Violin / James Ehnes 但し取り寄せになるようです。

では、演奏を。

無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番 BWV 1002 ロ短調から 第7曲 Tempo di Boreaです。







非常に楽器が良く鳴っていて、音楽にも品があると思います。

同じアルバムから、無伴奏ヴァイオリン パルティータ第2番 ニ短調 BWV 1004の第4曲、「ジーグ」です。






音楽は好みがありますから、皆さんどう思われるか分かりませんが、私はこの曲が何故か非常に好きで、

色々なヴァイオリニストで聴いたのですが、ジェームズ・エーネス氏のこの演奏が一番好きなのです。

美しいと思います。


◆クライスラー小品集

ヴァイオリン曲の小品といえば、クライスラーという自らもヴァイオリニストの作曲家、

フリッツ・クライスラーを無視するわけには参りません。

エーネスはクライスラー:作品選集を録音していまして、

全然バッハとは違う種類の音楽ですけど、上手いです。こういう小品をまとめるセンスというのが

有る、と思います。上手くても、クライスラーを弾いたら全然面白くない、というヴァイオリニストもいます。


有名な、「愛の喜び」





長くなるので、一曲だけ。

華麗なるポロネーズ第1番 ニ長調 Op. 4です。少しボリュームが大きいかも知れませんから、調整して下さい。






「華麗なる」の形容がぴったりです。ヴィエニャフスキは「ヴァイオリンのショパン」と呼ばれるのが分かるような気がします。

最後に、残念ながら、この曲は、紹介したアルバムには収録されていないのですが、YouTubeでジェームズ・エーネスが、

同じくヴィエニアフスキーの「エチュード・カプリース 作品18-4」を演奏している映像を発見したので、載せておきます。

スタジオでの録音風景のようです。




というわけで、勿論、全部一度にCDを買ったら大変ですから、お気に召したものがあったら、ということです。

それでは。

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