「対北、戦うべき時は覚悟を」…麻生首相が演説←「戦う」の意味を明確にすべきです。
◆記事:「対北、戦うべき時は覚悟を」…麻生首相が演説(6月7日19時31分配信 読売新聞)
麻生首相は7日、東京都議選(7月12日)の応援で訪れた武蔵野市のJR吉祥寺駅前で街頭演説し、
弾道ミサイルの発射準備を進める北朝鮮に関し、「我々は戦うべき時は戦わねばならない。
その覚悟を持たなければ、国の安全なんて守れるはずがない」と述べ、制裁強化などで圧力を強める姿勢を強調した。
また、民主党について、「ソマリア沖を通って日本にものを運んでくる船が海賊に襲われる。守るのが当たり前だ。
どうしてこれが反対か理解できない」と語り、海賊対処法案に反対する姿勢を批判した。
◆コメント:「戦う」とは、何を意味しているのですか。
私の記憶が間違っていなければ、麻生太郎氏は、現在、日本国の内閣総理大臣です。
日本国憲法第99条の文言(もんごん)は次のとおり。
第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
内閣総理大臣は国会議員ですから、この定めに従い、憲法を遵守する義務を負います。
そして良く知られているように、日本国憲法第9条第1項には、
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
と、書かれており、日本国憲法は施行されてから現在に至るまで、変更されておりません。
従って、麻生太郎内閣総理大臣は現在の日本国憲法に反する行為を実行したり、或いはそれを示唆する言動は慎むべきです。
読売新聞の報道によれば、2009年6月7日、麻生太郎内閣総理大臣は、東京の街頭演説において、
我々は戦うべき時は戦わねばならない。
と発言したそうです。人の発言は、全体の文脈から判断するべきなので、本当は、吉祥寺で行った演説の全文を
文字にして掲載して欲しいと思います。そうでないと、客観的な、冷静な評価が困難です。
今のところ、全文が読めないので、転載した記事のみから判断して、所感を述べるならば、
麻生首相が使った言葉「戦う」が、武力の行使、特に、個別的自衛権の行使ではなく、もしも「先制攻撃」を意味するならば、
その発言は憲法第99条に鑑み、許されません。
日本国は、武力を行使してはいけない。現行憲法が有効である以上、その原則は変化しません。
どうしても武力を行使したいのなら、そのように憲法改正の手続きを完了してから、実行するべきです。
読売新聞は、あまりにも首相発言が直接的でヤバいので、
制裁強化などで圧力を強める姿勢を強調した。
と書いて、誤魔化している印象を受けます。ごく普通の日本語の解釈として、
我々は戦うべき時は戦わねばならない
というセンテンスを、そのように解釈するのは不自然だと思います。
この日記で、過去何度も書きましたが、憲法第9条にも関わらず、日本は個別的自衛権の行使は認められている、
と解釈すべきです。個別的自衛権とは、自国が他国の武力攻撃を受け、或いは戦争を仕掛けられたときに、
自国民の生命を守るために、武力を以て防衛することです。
日本国憲法はその前文において、国民の平和的生存権を保障しています。そもそも常識で考えて当たり前です。
いくら9条が武力を持たない、放棄すると書いていても、他国が、武力で侵略・攻撃してきたら、日本人は黙って殺されなさい、
という前提に立った憲法などあるわけがない。国家の権利と自然人(普通の人間。ひとりの人間)の権利を混同してはいけませんが、
この場合は分かり易い。自然人には違法性阻却事由として「正当防衛」が認められています。
自分が襲われ、怪我をするかも知れない。或いは殺されるかも知れないと言うときに、こちらが、物理的に反撃した結果、
相手に怪我をさせても、それは傷害罪にはならない。国家とて同じ事です。だから、個別的自衛権の行使は当然認められている、
と思料します。
麻生首相の発言にある「戦う」の真意が「個別的自衛権の行使」にあるなら、とやかく言いませんが、
もしも、北朝鮮がミサイルを発射する兆候が見られる、というときに、現行憲法のまま、日本が先制攻撃を加えることは、
認められません。簡単に内閣総理大臣が「戦うべき時は戦う」などという発言をするべきではありません。
外交努力が足りないと思います。
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