« 体調が悪くて、どうしても大したことが書けません。/ミロスラフ・ケイマル氏のトランペット。 | トップページ | 昨夜は更新出来ずに寝てしまいました。本日は必ず更新します。悪しからず。 »

2009.07.07

「フィギュア 浅田真央、フリー曲は『鐘』」←ラフマニノフで「鐘」というタイトルが付くのは2種類ありまして。

◆記事:フィギュア 浅田真央、フリー曲は「鐘」(6月26日10時17分配信 毎日新聞)

フィギュアスケート女子の浅田真央(中京大)は25日、拠点の一つとするモスクワ市内の運動施設で練習を公開するとともに、

来年2月のバンクーバー冬季五輪を控えた今季のプログラムについて、フリーの曲をロシア人音楽家ラフマニノフの前奏曲「鐘」

ショートプログラムは昨季にフリーの曲に使った「仮面舞踏会」を選んだことを明らかにした。(以下略。色文字は引用者による。)


◆コメント:ラフマニノフで「鐘」というタイトルが付くのはピアノ曲と管弦楽曲があります。

私は、原則的にスポーツに興味はなく、フィギュアスケートや浅田真央選手のファンでもない(ファンの方には申し訳ないけど)のですが、

音楽に関わることなので、気になりました。

この記事、ちょっと記述というか取材が不十分だと思います。

今季のプログラムについて、フリーの曲をロシア人音楽家ラフマニノフの前奏曲「鐘」、

ショートプログラムは昨季にフリーの曲に使った「仮面舞踏会」を選んだことを明らかにした。

ショートプログラムに使う「仮面舞踏会」は、皆さんよく御存知ですが、新聞記事としては正確さに欠ける。

この書き方だと、「仮面舞踏会」もラフマニノフの作品と勘違いする読者がいても不思議は無い。

昨シーズンの演技を生で、或いはテレビで見た人は、これはハチャトゥリアンの作品であることを知っているだろうが。

それにしても、「仮面舞踏会」は組曲で、浅田選手が使ったのはその第1曲、「ワルツ」なのだから、新聞は、
ショートプログラムは、ハチャトゥリアンの組曲「仮面舞踏会」よりワルツ

と書くべきである。

尤も記事からは、「ワルツ」を使うのか今ひとつ不明確である。「昨年フリーの曲に使った」と書かれているので、

多分、また「ワルツ」を使うのだろう、と推定出来るが、スポーツ記事と言えども新聞記事なのだから、正確を期するべきだ。


さて、本題はそちらではなく、フリーに使う曲が、
ラフマニノフの前奏曲「鐘」

とある。

これ、よく確かめたのだろうか?ラフマニノフの作品で「鐘」のタイトルが付く曲は私の知る限り、

二曲ある。ピアノ独奏曲と、管弦楽曲なのだが、「前奏曲 鐘」と言ったら、ピアノ曲である。

ところがこれは、卑属な書き方をするなら、大変、「暗い」「盛り上がらない」曲なのである。

いや、「盛り上がらない」、というと、語弊がある。

クライマックスの迫力はすごいのだが、あまりに重く、「華やかさ」に欠けると思われる。

兎に角聴いて下さい。


幻想小曲集 Op. 3 - 第2番 前奏曲 嬰ハ短調 「鐘」







オリンピックでメダルを狙う曲としては、ちょっと重すぎませんか?

しかし、ラフマニノフの前奏曲「鐘」と言ったら、これしかない。演奏時間は4分40秒で、

フィギュアスケートの女子フリー演技時間は、4分(+-10秒)という規定があり、その点では、近いけど。

何かちょっとヘンだな、と思った。


◆管弦楽曲で、詩曲「鐘」 という作品があります。こちらの間違いではないの?

ラフマニノフのもう一つの「鐘」は、声楽のソロと合唱が加わった管弦楽曲で、

詩曲「鐘」 Op. 35です。

これは、4つの曲からなる組曲ですが、フィギュアスケートに使えそうなのは、

全く私の推測だけれども第1曲の「アレグロ・マ・ノン・タント」でしょう。

これは演奏時間が6分を超えるので、いずれにせよ、カットしなければならないけれども、

他の3曲より使いやすいだろうと思います。お聴き下さい。






オリンピックで使うなら、こちらではないでしょうか?「前奏曲 鐘」は何かの間違いではないか、

と(確証はありませんが)思っています。


◆7月6日は、ピアニスト、ウラディーミル・アシュケナージの誕生日なので、久しぶりにモーツァルトの協奏曲23番をどうぞ。

日付が変わってしまいましたが、7月6日はピアニスト(兼指揮者)、ウラディーミル・アシュケナージ(1937~)の誕生日でした。

私がピアノの音に初めて耳を奪われたのは、彼が弾く、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番、イ長調、K.488を聴いた時です。

「ピアノってのは、これほど美しい音がするものか」と驚嘆したのを思い出します。

お聴き下さい。


モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番、イ長調、K.488より第1楽章です。


>



このCDは、モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番&第27番ですが、

同じCDに収録されている、モーツァルト最後のピアノ協奏曲、第27番の終楽章です。






私には、このような完璧な音楽の価値を表現する能力が有りませんので、余計なことは書かないで終わりたいと思います。

それでは。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

|

« 体調が悪くて、どうしても大したことが書けません。/ミロスラフ・ケイマル氏のトランペット。 | トップページ | 昨夜は更新出来ずに寝てしまいました。本日は必ず更新します。悪しからず。 »

オリンピック」カテゴリの記事

クラシック」カテゴリの記事

クラシック音楽」カテゴリの記事

スポーツ」カテゴリの記事

ニュース」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

コメント

ryuさん、こんにちは。ようこそ、と言いたいところですが、

他人のブログに初めてコメントを書き込む時には、挨拶、自己紹介ぐらいしましょうね。

それから、過去ログをよく読んでからコメントして頂くように、お願いします。

>浅田選手が「下から湧き上がってくるように感じた」とインタビューで発言していたことから、
>やはり前奏曲ではないかと思っています。

すぐ下のコメントを読んで頂くと分かるのですが、それはもう分かっているのです。

>ですから、浅田選手に表現力がないというのは、少々短絡的な考察かなと思います。

私がどこに「浅田選手に表現力がない」と書いたのでしょうか?

「表現」という単語を使った箇所を私が自分で教えて差し上げますけど、

>日本の選手は、皆、やりますけど、ジャンプの前の「助走」で完全に「表現」が停止してしまうでしょ?

というセンテンスにおいて、です。浅田選手に演技全体の表現力が、無い、というたぐいのことは、

書いていません。書いていないことに反論されても困ります。

投稿: JIRO | 2009.07.08 18:24

浅田選手が「下から湧き上がってくるように感じた」とインタビューで発言していたことから、やはり前奏曲ではないかと思っています。
芸術点に関しては、個人の好みというのもあるのであまり言及しません。が、スピン・スパイラルのポジションや腕の動き、顔の使い方(エクスプレッションではなく、回転するときに顔を残すなど技術の方)は、やはり、クラシックバレエで培ったものが生きていて、浅田選手が上という印象です。キム選手は・・・、言いにくいんですが、猫背ですね。あと体が硬い。ダンサーとしては致命的ですけどフィギュアスケートでは頑張ってほしいです。
ジャンプの助走に関しては、キム選手と浅田選手の違いは明らかですね。キム選手は横のスピードに乗った低くて幅のあるジャンプ。他方、浅田選手のジャンプは高さを活かしたジャンプ。それに彼女自身の回転力が加わってトリプルアクセルを成功させています。しかし、浅田選手の場合、「ダブルアクセルをステップの一部のように飛ぶ」(2008-2009 SP「月光」解説者荒川静香)こともできます。

ですから、浅田選手に表現力がないというのは、少々短絡的な考察かなと思います。エキシビのタンゴも華やかで相当作りこまれたものでしたから。彼女のなかにトリプルアクセルを消すという選択肢はおそらくないでしょう。フィギュアスケートにおけるジャンプの影響は強大ですからね。ただ滑っているだけならプロでもできます。低難度の技で無難にいくか、あえて高難度の技に挑むのか。前者を取るとしたら、キムヨナ選手はスピン・スパイラル・ステップをもっと磨かなくてはなりませんね。

投稿: ryu | 2009.07.08 11:32

antoinedoinelさん、こんにちは。いつもありがとうございます。

>たびたびお邪魔してすみません。

とんでもないことです。いつでも大歓迎です。

>YouTubeに上がっている映像(浅田真央の過去の演技と「鐘」を組み合わせたもの)を見ていると

そうですよね。どうも動画を検索するという習慣が、まだ今ひとつ身についていなくて、お恥ずかしい限り。

一発でわかりましたが、何と、本当にピアノ曲の 前奏曲「鐘」を使うのですね。

どうですかねー。音楽の「存在感」の方がおおきくなり過ぎないでしょうか。うーん。

といっても、私は特別にフィギュアスケート・ファンではないから、それこそ、様々な選手の、様々な

曲による、様々な演技をみていないから、正当に評価することが難しいです。

勿論、スケーティングに適した部分を抜萃して、連結して使用するのでしょうが、

どういう演技になるか期待したいですね。おっしゃるように、フィギュアスケートは、スポーツと芸術のはざま、

というか、演技者によって、「芸術」になりうるけど、一歩間違えると「体操・体育の一種」になってしまう危険を孕んでいますね。

素人目にも、韓国のキム・ヨナ選手のパフォーマンスは、既に「芸術」の域に達しているので、

浅田選手が何処まで肉薄するか?ですね。今までの浅田選手の演技を見ていると、

日本の選手は、皆、やりますけど、ジャンプの前の「助走」で完全に「表現」が停止してしまうでしょ?

「はい、跳びますよー。いいですかー。せーのっ!」という形になっていまして、あれだと「体育」に近いと

思うのですよ。キムヨナ選手って、今、念のためYouTubeでいくつかの演技を「点検」しましたが、

それは、確かにジャンプ直前の予備動作(?)はあるけど、その瞬間まで、表現が流れているのですね。

浅田選手、止まってしまう。「3,2,1,ジャンプ!」という印象で、美しいけど、キムヨナは、国籍など

無関係に冷静に評価して、やはり、まだちょっと次元が違う。

勿論、まだ時間がありますから、前述の通り、浅田選手が、ラフマニノフの「鐘」で「金」を獲れればいいな、

と思います。

それにしても、難しい曲を選んだなー。

投稿: JIRO | 2009.07.07 19:33

こんにちは。たびたびお邪魔してすみません。
この時期の発表というのはずいぶん早いようで、びっくりしました。
(他の選手たちはまだ誰も発表していませんね)
ラフマニノフのどちらの「鐘」を使うのか、
仮面舞踏会のどの曲を使うのか(「マズルカ」という説もあります)、
そこまで詳細に発表されていないので報道も中途半端なんですよね。
「鐘(前奏曲)」と聞いた時はまたずいぶん難しい曲を・・・と思いましたが、
YouTubeに上がっている映像(浅田真央の過去の演技と「鐘」を組み合わせたもの)を見ていると
何か神々しさのようなものも感じられ、彼女ならではの芸術的な演技になるような期待が膨らんできました。
私も他のスポーツにはあまり興味がないのですが、フィギュアは音楽やバレエの要素も大きく、
なにより美しいのでシーズン中かかさず見ている大ファンです。
(浅田真央選手の演技の時は、思わず正座して、握り拳に力を込めていますw)

投稿: antoinedoinel | 2009.07.07 15:21

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/62198/45561150

この記事へのトラックバック一覧です: 「フィギュア 浅田真央、フリー曲は『鐘』」←ラフマニノフで「鐘」というタイトルが付くのは2種類ありまして。:

« 体調が悪くて、どうしても大したことが書けません。/ミロスラフ・ケイマル氏のトランペット。 | トップページ | 昨夜は更新出来ずに寝てしまいました。本日は必ず更新します。悪しからず。 »