【音楽】ラ・カンパネラ大特集。7人による演奏。最後が、フジ子・ヘミングさんです。
◆このブログで常に最もアクセスが多いのは「大きなお世話ですが、フジコ・ヘミングはヘタクソです」なのです。
私は、エンピツから数えたら2,300本、ココログだけでも1,600本以上の記事を書きました。
弊ブログは、本来時事問題を取りあげるブログであり、たまに音楽を紹介する、
というぐらいのつもりなのですが、365日必ずアクセスがあり、一番アクセス数が多いのは、
4年1ヶ月前に書いた、大きなお世話ですが、フジコ・ヘミングはヘタクソです。なのです。
ちょっと複雑な気分ですが、アクセスしていただけるのはありがたいことです。
何故これほど、アクセス数が多いのかというと、私の想像でしかありませんが、
「フジコ・ヘミングがヘタクソだ」と思っている方は多いけれども、これほど、一刀両断にブログに書いている方は少ないから、
のようです。書き込んでいただいたコメントの数も夥しい。
しかし、いくら私が文字で、フジ子・ヘミングはヘタクソです、と書いても納得しない人はしません。
実際の演奏を聞きくらべていただきましょう。
◆他のピアニストによる、ラ・カンパネラを集めました。まず、小山実稚恵さん。
まず、大きなお世話ですが、フジコ・ヘミングはヘタクソです。で模範演奏として、
音声だけアップしている小山実稚恵さん。
NHKのBS ハイビジョンで放送した番組の一部のようです。
字幕で、この曲の演奏における、技術的な難しさが説明されていますが、
これは、本当のところはピアノを弾く人で無ければ分からないと思いますが、
まあ、兎に角、観て、聴いて下さい。
小山実稚恵さんによるラ・カンパネラ。
小山実稚恵さんは、1982年、チャイコフスキー国際コンクール第3位、1985年、ショパン国際ピアノコンクール第4位、と
世界の2大コンクールの両方に入賞した初めての日本人ピアニストです(留学経験もないのに、です)。
小山さんのピアノは、繊細なピアニッシモから大胆なフォルティッシモまで、ダイナミックレンジがものすごく、
テクニックは完璧です。ffでも決して音が割れず、素晴らしい音質と、音楽性をお持ちです。
◆その他、名手の演奏を立て続けにお聴き下さい。まず、キーシン。
次は、海外の演奏家が続きます。
まず、エフゲニー・キーシンです。
Evgeny Kissin La Campanella
神童と呼ばれたキーシン。あまりにもはやくに才能を開花させた音楽家は、「20過ぎればタダのひと」
になってしまうことが多いですが、今でも活躍しています。
◆ユンディ・リー(2000年ショパンコンクール優勝)
次は、中国人ピアニスト、ユンディ・リー。2000年のショパンコンクールで、優勝しました。
因みにショパン・コンクールは5年に一度開催されるのですが、一位該当者無しということがあります。
1985年、スタニスラフ・ブーニンが1位を獲った後、1990年、1995年は「該当者なし」でした。
ユンディ・リーは、ブーニン以来、15年ぶりに、ショパン・コンクールで1位を獲得した、ということでも
評判になりました。
La Campanella by Yundi Li
やや、若気の至りで「テクニック誇示」の感がありますが、素晴らしいテクニックですね。
◆クライバーン・コンクールの辻井さん。
次は、先日載せたばかりですが、クライバーン・コンクールにおける、辻井伸行さんです。
辻井伸行さん演奏 La Campanella
何度も書きましたが無駄な力を出していないし、不必要に強い音も出していない。音質は常に美しく、
テクニックは完璧です。
◆音だけですが、20世紀の代表的名人のひとり、ルービンシュタイン。
故・岩城宏之さんが、海外で活動の場を拡げるにあたって、ずいぶん、この巨匠の世話になったようです。
ホロヴィッツと並び称されますが、全然違うタイプのピアニストです。
YouTubeですが、映像はなく、音声だけです。
Arthur Rubinstein plays "La campanella"
美しい演奏ですね。「ラ・カンパネラ」が単なる超絶技巧のデモンストレーションの曲ではなく、憂いをもって、
ロマンティックに鳴っています。流石は歴史に名を遺した巨匠です。
◆最近売り出し中の日本人とドイツ人のハーフ、Alice-Sara Ottの演奏。
私も今日初めて聴きましたが、上手い。辻井さんと同じぐらいの年代のピアニスト、
Alice-Sara Ott(アリス=紗良・オット)です。
既にドイツの老舗中の老舗、グラモフォンというレーベルから超絶技巧練習曲のCDを出していました。
確かに上手い。幸い、YouTubeで見つけることが出来ました。
Alice Sara Ott - La Campanella
ただ者ではありませんね。リストだけではピアニストとしての総合的な才能は判定出来ませんが、
優れた技巧と音楽性を兼ね備えていることは、想像に難くありません。上手い人が出てくるのは嬉しいことです。
◆フジコ・ヘミング女史の「奇跡のラ・カンパネラ」
今までのピアニストの演奏と、果たしてどのような違いがあるでしょうか。
Ingrid Fujiko Hemming - La Campanella
ヘミング女史の前に6人の演奏を聴いていただきました。
最後の演奏が一番上手いと思う方は、あまりいないと思います。
しかし、世の中には下手な演奏が好きな方もいらっしゃいます。それはその方の自由です。
ただ、私は結論として強調しますが、「上手いか下手か」と問われたら、
フジ子・ヘミングはヘタクソです。
と答えます。それは4年前も今も同じです。これだけ比較してもまだ、分からない人がいたら、
はっきり言って、「お手上げ」です。手の施しようがありません。
今週は16日がカラヤンの命日なので、「カラヤン特集」も予定しています。
どうぞ、お楽しみに。
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コメント
Nべさん、折角コメントを頂きながら、レスが遅くなりまして、申し訳ありません。
>他の演奏者がだいたい4分半でそろっているのに対し、某氏だけ6分半近くある、というのはその点
>(映像の編集にもよるのでしょうが)だけでも、テンポの捕まえ方に大きな差がある事の証明になるんじゃないでしょうか?
なるほど。この長さの曲で2分の差が生ずるというのは、交響曲じゃないのですから、明らかに異常ですよね。
今まで、当たり前のことを見逃しておりました。ご指摘誠にありがとうございます。
>技術的な問題で、テンポをぐぐっと落として演奏することはオーケストラではありえませんし、それを「表現」なんて言ってしまっては本来ダメなんです。
>速すぎて悶絶しても、「テンポ速すぎるので落としてもらえますか?」と言ってはクビになりますので・・・(苦笑)
これは、さすがにプロとして、修羅場をくぐっていらっしゃったNべさんならではの、お話だと思います。
全くおっしゃるとおりですね。合奏体で「自分はこのテンポで吹けませんから・・・」というプロはおりません。
ピアニストは、一人でリサイタルできてしまうので(それが良しに付け悪しきにつけ、ピアノですが)、こういう演奏が
まかり通ってしまうわけですね。これも私が書かなかったことです。
プロの音楽家のご意見はだから有り難いのです。
ご丁寧なコメント、誠に有難うございました。
投稿: JIRO | 2009.11.26 22:23
シスレイさん、こんにちは。折角コメントを頂戴しておきながら、レスが遅くなりまして、申し訳ありません。
フジ子・ヘミングさんの演奏を好まれる方が多いのは事実で、「好む自由」は勿論100%存在するのですが、
フジ子・ヘミングさんは、プロの演奏家ですから、おカネを払って聴いてみたものの下手だ、と思った聴衆から酷評されるのも
やむを得ないこと、と言わざるを得ません。
私とて、自分の好む指揮者をボロカスにいわれれば、不愉快ですが、それに対していちいち反論しても仕方がないと思っております。
ただ、ヘミング女史の場合、別の記事でもかきましたが、演奏の解釈の違い以前、プロのピアニストとして、当然満たしているべき
技術的水準に達しておりません。これをマスコミが(彼ら自身よく分からないのにも関わらず)、彼女の数奇な人生をドキュメンタリーに
して、「だから」、「奇跡のラ・カンパネラ」なんだ、という持って行き方と、それに同調してしまう人々にどうしても一言申し上げたかった。
「他のピアニストもきいてご覧なさい」と申し上げても、フジ子・ヘミングさんからピアノを聴き始めた人々はなかなか、自分からは、
そうしようとしないので、本稿を掲載した次第です。
いままで、好んで聴いていた演奏家を酷評した私に対して、シスレイさんが書いて下さった、寛大なお言葉に感謝します。
宜しければ、今後とも引き続き駄文にお付き合い下さい。
投稿: JIRO | 2009.11.26 22:11
youtubeのわかりやすいところは、演奏時間(映像時間)が表示されるとこですが、他の演奏者がだいたい4分半でそろっているのに対し、某氏だけ6分半近くある、というのはその点(映像の編集にもよるのでしょうが)だけでも、テンポの捕まえ方に大きな差がある事の証明になるんじゃないでしょうか?
技術的な問題で、テンポをぐぐっと落として演奏することはオーケストラではありえませんし、それを「表現」なんて言ってしまっては本来ダメなんです。
速すぎて悶絶しても、「テンポ速すぎるので落としてもらえますか?」と言ってはクビになりますので・・・(苦笑)
偉そうな事を言ってますが、自分出来ないところは遠慮なくテンポ遅くしてごまかします(苦笑)
投稿: Nべ | 2009.11.19 22:30
はじめまして。
話題性につられて(こういう方、多いと思いますが)少なからずフジ子・ヘミングさんに好意をもって演奏を聴いておりましたので、こちらに迷い込み、思わぬ衝撃を受けました。
そうか、ヘタクソなのか…と納得するほかありません。
演奏の技術が備わっていないということは、「ラ・カンパネラはまずい」けれど、「この曲を弾かせれば逸品」ということも、残念ながらないのでしょうね。
JIROさんの他の記事も興味深く拝読したところ、キッパリと本質をついた物言いに胸がスカッとしたこともあり、この事実も潔く受け入れたいと思います。ありがとうございました。
投稿: シスレイ | 2009.11.17 18:28
こんぺいとうさん、こんにちは。JIROです。ようこそおいで下さいました。
おこがましい言い方で失礼ですが、こんぺいとうさんは素晴らしい耳をお持ちですね。
>こちらでラ カンパネラの演奏を聞き比べさせていただいていたら、
>子供の頃父がカセットテープに録音して私たちに聞かせてくれていた、
>あのラカンパネラを見つけ(?)ました。ルービンシュタイン氏の演奏でした。
非常に確信をもってお書きになっていることがよく分かります。
子どもの頃、感激した音は確かに忘れないものですが、
それにしても、「ルービンシュタインのラ・カンパネラ」をこれらの演奏の中から発見なさるとは!
>軽やかで繊細でリズミカルで、ああこれだ、ととにかく懐かしくて涙が出そうになりました。
他のブログでもこの「聞き比べ」エントリーに関して書いておられる方が日本にいらっしゃいますが、
そちらで、色々な方のコメントを拝見しても、ルービンシュタイン氏の演奏が、抜群に高い評価を得ています。
「20世紀を代表する大ピアニストだから、当然」と言ってしまっては実も蓋もありませんが、
今聞いても、最近の若い人に、テクニックでいささかも劣っていないのは勿論、
この超絶技巧曲を見事な「芸術」にしているその音楽性は、やはり「巨匠」と言うべきでしょうね。
本当に素晴らしい演奏です。
ルービンシュタインを「7人」の1人に選んでおいて(なんて巨匠に失礼なんですが)、
良かったと思います。
>ただお礼が言いたくて。ありがとうございました。
いえいえ、こちらこそ、喜んで頂けて、これほど嬉しいことはありません。
ご丁寧に恐れ入ります。
>今はカナダに在住していますが、今度日本にいる父に連絡する時には、このことを話したいと思います。
御父上もルービンシュタインをお選びになるぐらいですから、音楽をよく御存知(理論とかではなく)の方なのでしょうね。
もしかすると、テープに何も書いてなかったのは、お父様にとっては、「ルービンシュタインのラ・カンパネラ」であることが
当たり前で、しょっちゅうお聴きになっていたので、カセットのラベルに何もお書きになる必要がなかったのかも知れませんね(笑)。
>(まちがっても今フジ子ヘミングなんか聞いていませんように。。。)
ルービンシュタインを選ばれるお父様ですから・・・・まさか(笑)。
>いつもJiroさんのブログを楽しく拝読させていただいています。
いつも冗漫な駄文を綴っておりますのに、御愛読頂き、まことにありがとうございます。
>これからもJiroさんならではの素敵なブログを続けていってくださいね。
有難う存じます。素人とはいえ、書き手冥利に尽きます。
今後とも、拙文にお付き合い頂ければ、幸甚です。
最後に、今一度、ご丁寧なコメントを頂戴しまして、
厚く御礼申し上げます。
投稿: JIRO | 2009.11.16 23:28
こんにちは。興奮気味に初めてコメントいたします。
こちらでラ カンパネラの演奏を聞き比べさせていただいていたら、子供の頃父がカセットテープに録音して私たちに聞かせてくれていた、あのラカンパネラを見つけ(?)ました。ルービンシュタイン氏の演奏でした。
軽やかで繊細でリズミカルで、ああこれだ、ととにかく懐かしくて涙が出そうになりました。
ただお礼が言いたくて。ありがとうございました。
父はテープに何の表記もしておらず、演奏家はもとより曲名、作曲家の名前もわからなかったもので。今はカナダに在住していますが、今度日本にいる父に連絡する時には、このことを話したいと思います。(まちがっても今フジ子ヘミングなんか聞いていませんように。。。)
申し遅れましたが、いつもJiroさんのブログを楽しく拝読させていただいています。音楽はもとより経済、政治など、大変わかりやすくいつも勉強になります。
どうぞお身体をお大事に、これからもJiroさんならではの素敵なブログを続けていってくださいね。私事で恐縮でした。乱文失礼します。
投稿: こんぺいとう | 2009.11.16 16:51
にざんさん、はじめまして。JIROです。コメントをありがとうございます。
>アゴーギクのつけかただけはものすごく上手いのではないか。
ははあ、なるほどね。そういう見方も出来るかも知れませんね。
兎に角、おっしゃるとおり、難所になると、テンポを落としますから、一応、音符は拾っていますし、
録音ならば、ミスタッチしても取り直しが可能ですから、誤魔化せますね。
そのテンポの落ち方を不自然に感じさせない(初めて聴く人に)のだとすれば、それは、それで、
一種の才能なのかも知れませんね。しかし、やはり邪道でしょう(笑)。
投稿: JIRO | 2009.07.16 19:43
はじめまして。
私もかねがねフジコ・ヘミング礼賛の風潮にはうんざりしていました。たしかに彼女はへたくそですし、ここで紹介されている名手たちとは比較するのも失礼だと思います。
しかし、クラシック音楽にくわしくない多くの人は、ヘミングをへたくそどころか名手と思い込んでいたりもします。ほんとうにへたくそなら、音楽素人でもさすがにわかるはずなのに、なぜヘミングは人をだませるのか。
これが疑問でしばらく考え込んで気づいたのですが、ヘミングは運指についてはアマチュアレベルにすぎませんが、アゴーギクのつけかただけはものすごく上手いのではないか。出始めは一般的な演奏とちがわないのに、難所にさしかかるとテンポが格段に落ちる、なのにさほど不自然には聴こえません。はじめて「カンパネラ」を聴く人にとっては、ヘミングの演奏はかろうじて音楽としては破綻していないのではないでしょうか。
私自身も上手くないアマチュア演奏家なので、このアゴーギクは勉強になるかもしれない、と思い直しているところです。まあ、積極的な肯定ではないのは当然のことですが。
投稿: にざん | 2009.07.15 18:31
けいさん、度々、ご感想をお書き頂き、有難うございます。
「ラ・カンパネラ」聴き比べ、お気に召して良かったです。
>皆さん素晴らしかったのですが、小山さんは奇麗且つダイナミック、キーシンは軽やか、
>ユンディさんは華麗、辻井さんは可憐、ルービンシュタインはドラマチック、アリスさんは多彩な音でダイナミックと、
>何故か女性の演奏者の方が力強い演奏に感じました(笑)。
おー、これは鋭いですね。勿論、男性でパワフル、女性でデリケートなピアニストも
いますけど、実際の人物を見ると、女性ピアニストってのは、実際男性的で気の強い人が多く、
男性ピアニストは、どことなくナヨっとした人が多いです。
ちょっと、短絡的ですけど(笑)。
>ルービンシュタインの演奏を探して購入してみます。有り難うございました。
ルービンシュタイン、私も好きですねー。品が良いですね。
ショパンなどでもそうですが、もっとテクニックを誇示しようと思えば出来るのに、
敢えてテンポをすこし落として弾いたり、そこに巨匠の余裕を感じます。
岩城宏之さんの「棒振りのカフェテラス」(文春文庫)
http://qrl.jp/?301537
(↑でリンク先にとばなかったら、Googleで、「棒振りのカフェテラス」を検索して下さい。直ぐ見つかります)
に、この巨匠との楽しい逸話が、書かれています。これもお薦めします。
投稿: JIRO | 2009.07.15 01:16
面白い企画有り難うございます。
皆さん素晴らしかったのですが、小山さんは奇麗且つダイナミック、キーシンは軽やか、ユンディさんは華麗、辻井さんは可憐、ルービンシュタインはドラマチック、アリスさんは多彩な音でダイナミックと、何故か女性の演奏者の方が力強い演奏に感じました(笑)。
小山さんとアルゲリッチで、ショパン、リスト、チャイコフスキーなどを何枚か購入したので、次はベートーベンと考えていたのですが、ルービンシュタインの演奏を探して購入してみます。有り難うございました。
投稿: けい | 2009.07.14 02:26