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2009年7月

2009.07.31

【差替】【音楽】久しぶりに音楽いきます。お薦め「序曲集」。/音楽、説明をかなり追加。

◆【追加】音楽とコメントを追加しました。

このエントリーは、木曜日の夜に更新するつもりだったのですが、疲れて寝てしまって、金曜の早朝に慌てて

更新したので、私の書きたい事を書けず、もっとご紹介したい音楽があったのに、載せられませんでした。

それらを追加して、差し替えました。


◆色々な指揮者・オーケストラによる、オペラ序曲集。お得だと思います。

今日、お薦めするのは、ドイツ・グラモフォンから出ている「名序曲集」という色々な指揮者・オーケストラによる演奏を集めた、

所謂「オムニバス」なのですが、聴いてみたら、クライバー、アバド、カラヤン、バーンスタイン、ガーディナーがそれぞれ一流のオケを

振ったもので、収録されている曲も全て楽しいので、敢えてお薦めします。

2枚組で1,300円ぐらいです。内容から見て損はない、と思います。


◆さっそく、一部お聴かせします。

全部名曲ですが、今まで、このブログでご紹介したことがないものをご紹介します。

まず、グルックという作曲家の歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」序曲。

グルックはこれだけ、とは言いませんが、「オルフェオとエウリディーチェ」が一番知られています。


グルック 歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」序曲ガーディナーという、有名な(んです)指揮者で、イングリッシュ・バロック・ソロイスツの演奏。







キリっと引き締まって、堂々とした良い曲だと思います。


次は、大変珍しいというか、失礼ながら、この一曲だけで歴史に名を遺している、レズニチェクという作曲家の

歌劇「ドンナ・ディアナ」序曲です。他にも沢山書いているし、この曲立派な作品なんですが、レズニチェクというひとは、

兎に角、この曲だけで知られています。

レズニチェク:歌劇「ドンナ・ディアナ」序曲。ネーメ・ヤルヴィ指揮、エーテボリ交響楽団です。







いいとおもうのですけどね。この人は交響曲なども書いているのですが、「ドンナ・ディアナ」序曲だけ、知られています。


このアルバムは2枚組です。1枚目の最後。

ブラームス「大学祝典序曲」。ブラームスが或る大学から名誉博士号を貰ってその返礼として書いたのですが、

その大学の4つの学生歌を使って書いているのです。ブラームスの管弦楽曲としては有名なのですが、

本人は「スッペ風接続曲だ。」(そんなこと言ったら、スッペに悪いと思うのですが)とあまり満足していなかったそうです。

私と同じ世代の人は「大学受験ラジオ講座」のオープニングに使われていた曲、というと、お分かりになるでしょう。


ブラームス「大学祝典序曲」。バーンスタイン=ウィーン・フィルです。






良いでしょ?


◆バーンスタイン「キャンディード」他。

2枚目には、作曲家でもあった、レナード・バーンスタイン自身の曲が収録されています。

ミュージカル「キャンディード序曲」。バーンスタイン指揮、ロンドン交響楽団です。







こういう音楽はそれまで存在しなかった。あたかもジェットコースターに乗っているかのように、

音楽の風景が変化します。天才ですね。


次は、昔から知られた、グリンカ「ルスランとリュドミラ」序曲です。

元々ピアニストのプレトニョフという人が、ロシア・ナショナル管弦楽団というオーケストラを指揮しているのですが、

兎に角速い。速ければいいというものではないですが、これだけ速くて正確だと、気持が良いです。


グリンカ「ルスランとリュドミラ」序曲。ミハイル・プレトニョフ指揮、ロシア・ナショナル管弦楽団です。






この曲を猛烈なテンポで演奏する、というと今まで有名だったのは、ムラヴィンスキーという指揮者が旧レニングラード・フィル

(現・サンクト・ペテルブルグ・フィル)を指揮したライブ録音だったのです。最初、冗談か?と思うほどのスピードでしたが、

何度も聴いているうちに、慣れました。しかし、これに匹敵するテンポで演奏している例はあるまい、と思っていたのですが、

プレトニョフ=ロシア・ナショナル管弦楽団は、ほぼ同じテンポです。驚きました。

比較するために、ムラヴィンスキーの演奏も載せておきます。


エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルによる、「ルスランとリュドミラ」序曲






これは、ライブですから、正真正銘一発で録音したものですね。音質はやや劣りますが、すさまじい迫力ですね。


◆【追加】同じヴェルディでもこれほど違う。「運命の力」「椿姫」それぞれに序曲。

ヴェルディという作曲家は、多くのオペラを書いていますが、このCDには、同じヴェルディが書いた、全く対照的な音楽が収録されています。

一つは、歌劇「運命の力」序曲です。

オペラの内容そのものに関しては、リンク先からウィキペディアの記述をお読み下さい。

「運命の力」序曲は金管による3つの音で始まります。強烈な印象があります。その後、オペラの序曲の定石として、本編で使われる

主なテーマが含まれていますが、全体として、非常なクライマックスを迎えて終わる名曲です。

オーケストラ・コンサートでもしばしば、演奏されます。

この曲を、ジュゼッペ・シノーポリ指揮、フィルハーモニア管弦楽団の演奏で、お聴き下さい。


ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲







このアルバムから離れますが、昔の指揮者でトスカニーニという人が、「運命の力」序曲を振った映像が、

YouTubeにあるので、貼っておきます。明らかに解釈が違う。

どこが違うのか具体的に細かく「指摘」できなくても、「違う」ということが分かるだけで、面白いです。

Toscanini FORZA Overture





これもまた、すごい迫力。「熱演」という言葉がぴったり当てはまります。



さて、同じ作曲家ヴェルディの数あるオペラの中でも、最も人気が高い作品が、
「椿姫」La traviata(ラ・トラヴィアータ)です。

ストーリーを非常に簡略化すると、こうなります。
高級娼婦のヴォオレッタというヒロインが貴族の

アルフレードに見そめられるのですが、やがて、アルフレードは、父親に連れ戻されてしまう。

しかし、アルフレードのヴィオレッタへの本当の愛の深さを知った父親はアルフレードがヴィオレッタの元に

戻ることを許します。しかし、何とヴィオレッタは肺結核に冒されており、アルフレードが戻ったことを喜びながらも、

悲嘆にくれながら、息を引き取る。

これだけの話をオペラは2時間半ぐらいに引き延ばすのですから、大変です

(オペラの台本の「文学的価値」はごく一般的にいうと、あまり、大したものではないのです。少なくとも私はそう思っています)。

1990年のハリウッド映画、リチャード・ギアとジュリア・ロバーツ主演の「プリティ・ウーマン」で、

最初は、街娼だった、ジュリア・ロバーツが、段々と洗練され、リチャード・ギアが彼女にオペラを

見せてやるシーンがありました。あの映画中「上演」されていたオペラが、

この「椿姫」でした。つまり、娼婦だったジュリア・ロバーツと、「椿姫」のヒロイン、ヴィオレッタは、重なっている訳です。

ジュリア・ロバーツは初めてみるオペラなのに、感動のあまり涙しますが、この演出上の趣向に多くの人は気が付かなかったようですね。

それは、さておき、肝心の音楽。カルロス・クライバー指揮、バイエルン国立歌劇場管弦楽団の演奏でどうぞ。

「運命の力」とはあまりにも、対照的なはかなく、美しく、静かな音楽です。


ヴェルディ: 歌劇(椿姫)」 第1幕への前奏曲







綺麗ですね。


このオムニバスアルバム。所謂「泰西名曲」ですが、バカにしたものじゃないです。カラヤンとか、アバド、とか振ってます。

それでは、失礼します。

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2009.07.29

「給油活動延長せず=鳩山代表が明言-民主方針」←また、変わったね。/<自殺者>上半期1万7076人

◆記事1:給油活動延長せず=鳩山代表が明言-民主方針(7月29日15時33分配信 時事通信)

民主党は29日、インド洋での海上自衛隊による給油活動について、衆院選で政権を獲得した場合は活動の根拠法である

新テロ対策特別措置法を延長せず、期限が切れる来年1月15日までに海自を撤退させる方針を固めた。鳩山由紀夫代表が明らかにした。

撤退後は対テロ貢献策として、アフガニスタンへの経済・人道支援などに積極的に取り組む。

期限切れまでの間に米国など関係国と協議し、理解を得たい考えだ。

鳩山氏は29日午後、特措法に反対してきた民主党の立場に関し、熊本県菊陽町で記者団に

「基本的に変えたつもりはない。延長しないというのがわれわれの立場だ」と明言した。

 同時に、鳩山氏は「外交の継続性も必要だ。政権を取ったら、(海自に)あした戻って来いというのは無理な話で、

時間はある程度かかる。その間にオバマ米大統領と信頼関係を築き、結論を見いだしたい」と強調。

政権獲得後も直ちには撤収せず、米側などと協議して撤退時期を判断する意向を示した。

 一方、岡田克也幹事長は同日夜、愛知県稲沢市で記者団に「政権を獲得したらさまざまな情報を把握できるから、

その中で総合判断する。(現段階で)言えることは、単純に延長するという選択肢はない、ということだ」と述べ、

撤退をめぐる最終判断は政権獲得後に行うことを強調した。


◆コメント:コロコロ変わりますなあ。

私は、昨日の日記ブログに民主党のテロ特措法に関する方針の変化を批判する記事を書いた。

今日の鳩山民主党代表のコメントは、また、テロ特措法延長反対に変わった。

無論冗談だが、私のブログを読んだのではないか?と言いたくなるほどのタイミングである。

実際は、無論、そんなことは関係なく、社民党に配慮したのである。

来る衆院選で、仮に民主党が単独過半数を得ても、参議院では、社民党と結託しないと過半数は保てず、

社民党はテロ特措法延長にあくまで反対なので、これに配慮したのであろう。


延長反対自体は、私も賛成だが、私が繰り返し強調するのは、昨日も述べたとおり、国家の安全保障に関わる問題について、

これほど、コロコロ態度が変わる政党に対する不安である。民主党内では、テロ特措法延長を主張する声もある、

というから、鳩山代表がこれら反対勢力を抑え切れずにまた、方針が変わる可能性は十分にある。

何だか、信頼性に欠けるのですよ。


記事2:<自殺者>上半期1万7076人 最悪ペース 警察庁公表(7月27日20時32分配信 毎日新聞)

警察庁は27日、6月の自殺者数が2822人だったと公表した。

今年上半期(1~6月)は昨年同期比768人増の1万7076人となり、

このペースで推移すれば、統計の残る78年以降で最多だった03年の3万4427人と同水準になる可能性が出てきた。

昨秋以降の大不況で、経済的要因での自殺が増えているとみられる。

警察庁によると、今年の自殺者数は

▽1月2660人

▽2月2482人

▽3月3084人

▽4月3048人

▽5月2980人

▽6月2822人。

月別の自殺者数を初めて公表した昨年と比べ、いずれの月も上回った。

上半期の自殺者全体のうち、男性が1万2222人(昨年同期比712人増)で約72%を占めた。

自殺者は98年以降、11年連続で3万人を超えているが、09年上半期の月平均は2846人で

単純計算すると年間では3万4152人となり、08年を約1900人上回り、03年とほぼ同水準となる見通しだ。


◆コメント:月別の自殺者数を公表しても、抑止効果は無いだろう、と私は書きました。

警察庁が月別の自殺者数の公表を決めたのは、今年の2月17日である。

その時、私は、「景気悪化で月別の自殺者数公表」←毎月公表することに自殺抑止効果があるだろうか。ココログ)を書いた。

読んで頂くと分かるが、警察庁が毎月の自殺者数を公表することを決定した理由は、

昨年末から景気が急速に悪化し、自殺者が急激に増える恐れもあるから、

だった。自殺者が増えているときに、それを公表することにより、自殺抑止効果があるのか疑問に思われた。

むしろ、自殺者数が増えていることが、世間一般に知れ渡ったら、希死念慮(自殺願望)を抱いているが、

まだ、実行に着手していない人々の自殺に対する心理的ハードルを低くする可能性がある、と考えたのである。

記事2に書いてあるとおり、いずれの月も昨年より数が増えている。これを以て直ちに、月別自殺者数公表と自殺者数増加に

因果関係がある、と断定することは、出来ないであろう。


ただし、注意すべき事がある。

2月に私が月別公表反対の記事を書いたところ、読者の方から貴重な資料の存在を教えて頂いたのである。

WHO による自殺予防の手引きである。

ここには、【マスメディアのための手引き】という項目がある。ページ内検索で

探して頂きたい。月別自殺者数を公表しているのは警察庁で、【マスメディアのための手引き】は警察庁担当者にも熟読して欲しいが、

自殺を報道する際の一般的原則に、
社会・文化的な変化に対する理解できる反応として自殺行動を報道するのを控える。

という文言がある。

マスコミや警察の担当者はこの文書を読んでいないのではないだろうか。

記事2に書かれている
昨秋以降の大不況で、経済的要因での自殺が増えているとみられる

の一言は、正に、「社会・文化的な変化に対する理解できる反応として自殺行動を報道し」ている事に該当するのではないであろうか。

WHOによる自殺予防の手引きが、完璧なものかどうか、素人には判断しかねるが、自殺の統計発表、

その報道に携わる人々は、この文書を熟読するべきであろう。

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【民主党】岡田幹事長:インド洋給油、特措法再改正を示唆 期限後も継続容認か←民主党はインド洋への海自派遣に反対していた。

記事1:岡田・民主幹事長:インド洋給油、特措法再改正を示唆 期限後も継続容認か(2009.07.25 毎日新聞)

民主党の岡田克也幹事長は24日の記者会見で、海上自衛隊によるインド洋での給油活動について

「政権を取れば(活動の根拠法に)必要な修正を加えて認めることもないとは言えない」と述べ、

政権交代した場合、根拠法である改正新テロ対策特別措置法を再改正し、活動を継続する可能性を示唆した。

同党は特措法延長に反対していた従来方針を転換し、現行法の期限が切れる来年1月まで給油活動継続を容認する方針を固めていたが、

24日の岡田氏の発言は、法修正により今の期限を超える活動継続も認める可能性を示唆した。


記事2:民主マニフェスト 「西松」後に戦略転換(7月28日7時56分配信 産経新聞)

旧社会党系議員や保守系議員が同居し“モザイク政党”と揶揄(やゆ)されてきた民主党は、

外交・安保分野で常に危うさがつきまとう。だが、今年4月以降、西松建設による違法献金事件で党内が動揺し、

小沢一郎代表(当時)がダメージを受けている間隙(かんげき)を縫うように、

実は外交・安保における同党への批判を払拭(ふっしょく)しようとする動きが出ていた。

党関係者によると、インド洋での海上自衛隊による補給活動の根拠法となる新テロ対策特別措置法の文言が

マニフェストで削除されたのは、前原誠司副代表や長島昭久衆院議員らがこの時期に、

外交・安保部門会議の削除方針の議論を水面下で主導したためだ。

この方針は、マニフェスト検討準備委員会で異論なく了承されたという。

ある幹部は、「米国との国際協調を無視できないとの判断だろう」と前原氏らの動きに理解を示す。

代表時代の小沢氏が海自の活動を「憲法違反だ」と指摘していたこともあり、海自の撤退は同党の“既定路線”だった。

だが、事件の渦中にいた小沢氏は、直嶋正行政調会長から報告を受けても口をはさまなかったという。

中堅の一人は、「小沢氏は事件のことで頭がいっぱいだったのではないか」との見方を示す。

党内には、「期限となる来年1月15日以降の活動は、継続もあるし撤退もある。国際情勢次第だ」

(若手)との声も出ており、党内論議が様変わりした実態をうかがわせる。


◆記事3:テロ特措法延長に反対=民主・小沢氏が米大使に言明 (2007年 8月8日21時2分配信 時事通信)

民主党の小沢一郎代表は8日午後、党本部で米国のシーファー駐日大使と初めて会談した。

席上、シーファー大使は、11月1日に期限が切れるテロ対策特別措置法の延長を認めるよう要請。これに対し、小沢氏は

「(米軍などの活動は)国連で直接的にオーソライズした(認めた)ものではない」

と述べ、同法延長に反対する考えを示した。テロ特措法は、アフガニスタンでのテロとの戦いを支援するため、

インド洋で海上自衛隊が米英軍艦艇などへ給油支援を行う根拠法。

会談の中でシーファー大使は、「日本の役割は重要だ。引き続き参加して貢献してほしい。(小沢氏の)決断に必要な情報があれば、

機密情報を含め、どんなものでも提供する準備がある」と述べた。

小沢氏は憲法9条で自衛隊派遣に制約があることを説明した上で、

「ブッシュ大統領は国際社会の合意を待たずに米国独自で戦争を始めた。米軍を中心とした作戦には参加できない」

などと強調した。


◆コメント:2年前、民主党はテロ特措法延長に反対し、給油活動を中止に追い込んだ。

昨日の日記・ブログで書いたとおり、民主党政策集INDEX2009(PDF1.68MB)を読むと、

憲法、特に、国防・安全保障に関する議論が曖昧なのである(昨日指摘したのは、専守防衛に限ると言いつつも、集団的自衛権の行使を認めそうな

ニュアンスを漂わせている点である)。


更に、海自のインド洋に給油活動に関しては、記事3と記事1、記事2を読むと、その様変わりに呆れる。

時系列的には記事3が最も古く、小沢一郎が代表を務めていたときの記事である。

解説するまでもなく、駐日米国大使と会談した当時の小沢一郎民主党代表は、イラク戦争は国連決議に基づかず米国が勝手に始めた戦争であることや、

海自のインド洋における給油活動は(ここでは、その言葉は出てこないけれども)、交戦中の同盟国に対する後方支援であり、

憲法9条が禁じている集団的自衛権の行使に相当する、と明言した。

私は、この意見に全面的に賛成だったので、

2007年08月08日(水) 「テロ特措法延長に反対=民主・小沢氏が米大使に言明」←小沢代表の発言は、正しい。ココログ)という記事を書いた。


事実、この後、2007年秋の国会では、民主党と他の野党が参議院でテロ特措法の延長に反対したため、

海自の給油活動は中止に追い込まれたのである。


◆国家の安全保障に関して、政権を取ったら思想が正反対になる政党を信用出来ない。

つまり、民主党は、2年前には

「テロ特措法」(にもとづくインド洋での海自の給油活動)は違憲だ、

と極めて明確に意思表示をしていたのである。

それがどうだ、記事1を読んで、私は呆れた。発言者が2年前と異なるとはいえ、同一政党である。その幹事長が、
政権交代した場合、根拠法である改正新テロ対策特別措置法を再改正し、活動を継続する可能性を示唆した。

そうだ。また、記事2によると、小沢元代表が西松建設による献金事件で動揺している最中に、

改憲論者であることで有名な前原誠司元代表(あの「永田メール事件」のころに代表を務めていた奴)が、こっそり(「水面下で」とは

そういうことだろう)マニフェストから、テロ特措法の文言を削除したという。

前原は京大の故・高坂正尭氏のゼミ出身者だが、高坂正尭氏という国際政治学者は、無難に表現すると現実主義、

やや、主観的に表現するとその思想はどちらかというと好戦的で、戦争が起きるのは仕方がないのだ、戦争は人間にとって一種の必要悪だ、

という思想の持ち主である(というのが私の主観的な印象であるが、かなり客観的評価に近いと思う)。

高坂氏はさておき、前述のとおり前原誠司は完全に改憲論者であり、日本が集団的自衛権の行使をすることに大賛成、

という男であり、私から見ると、極めて危険な人物である。

こいつがいる、というだけで、私は民主党が政権を取った場合、日本を戦争が出来る国にしようとするのではないか、

という危険を感ずるのである。岡田幹事長は小泉政権時代に民主党代表だったが、党首討論で、自衛隊のイラク派遣に反対していた。

その岡田氏までが、テロ特措法延長どころか恒久法にしかねない様子である。

国家の安全保障の根幹に関わる問題を、「政権を取れるなら」という理由で、簡単に180度転向する政党を、

私は、信用出来ない(それが自動的に「自民党は信用出来る」ことを意味する訳ではないことは言うまでもない)。

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2009.07.27

「民主が政権公約発表」←「マニフェスト」と「民主党政策集INDEX2009」がある。マニフェストには良いことしか書いてない。

◆年31万円の子ども手当=ガソリンなど暫定税率廃止-民主が政権公約(7月27日17時35分配信 時事通信)

民主党の鳩山由紀夫代表は27日午後、都内のホテルで記者会見し、衆院選のマニフェスト(政権公約)を発表した。

1人当たり年額31万2000円の子ども手当創設や公立高校無償化、ガソリン税をはじめとした暫定税率廃止など生活支援策を前面に掲げた

財源は徹底した無駄の排除や特別会計の「埋蔵金」活用で捻出(ねんしゅつ)するとした。

政権構想も盛り込み、「政治主導」確立のため、国家ビジョンや予算の骨格を策定する首相直属の「国家戦略局」の設置を打ち出した。

鳩山氏は記者会見で「このマニフェストで政権交代を懸けた戦いをする。

目的は国民主役の政治をつくることだ」と強調。公約が実現できない場合は「政治家として責任を取る」と不退転の決意を表明した。


◆コメント:「マニフェストで政権交代と懸けた闘いをする」といいますが、マニフェストは「選挙用宣伝」ですから。

民主党のウェブサイトを見ると、一瞬混乱する。ニュースで伝えているのは、

民主党の政権政策Manifesto2009である。

ここに、民主党に政権を取らせてくれたら次の5つは必ずやりますよ、という政策が書かれている。

それが、記事と重複するがもう一度まとめると、

1.税金の無駄遣いをなくす。

2.中学卒業まで1人あたり年31万2000円の「子ども手当」を支給する。高校は実質無償化する。

3.年金通帳を全ての年金加入者に交付する。年金制度を一元化し、最低7万円の最低保障年金を実現する。

4.地域主権の確立。地方の自主財源を大幅に増やす。農業の個別所得補償制度を創設。高速道路を無料化。郵政事業の抜本的見直し。

5.中小企業の法人税率を11%に引き下げる。月額10万円の手当付き職業訓練制度により、求職者を支援する。

結構ずくめの公約であるが、民主党は政権を取ったら「この5つは必ず実行する」といっているのである。

ここで問題となるのが、実現可能性である。

新聞各紙も書いているとおり、民主党は消費税は引き上げないという。

では財源はどうするのか。1~5までの政権公約を実行するためには、16.8兆円が必要となる。

民主党は、税金の無駄の切り詰めと、「埋蔵金」で賄う、という。

「埋蔵金」とは、「財政投融資特別会計」のことである。

これは、政府系金融機関や地方自治体に投資・融資する財政投融資を管理する特別会計である。

金利が変動しても資金が不足しないよう、総資産の5%を上限として準備金を積み立てている。

近年は貸出金利が調達金利を上回っているため差益が毎年発生し、資金が余っているので「霞が関の埋蔵金」といわれる。


発表された「マニフェスト」上では、必要な財源はぴったりと合っている。

しかし、これが本当に実現可能なのか、は、民主党と全く利害の無い専門家の分析が、

これから各種マスコミに載るだろうから、それをよく確かめる必要がある。

つまり、上の数字は「精査」されていないのである。

また、年金改革だが、年金手帳を発行するのは良いが、例の「宙に浮いた年金」の照合作業が終わらないと、作成不能と

思われる。年金問題を全て暴いたのは民主党の長妻議員であることに間違いはないが、5000万件だか、1億件の照合を、本当に、

全件処理することが可能なのか、説明を聞きたい。


◆マニフェストは選挙用プロパガンダで、ホンネはむしろ政策集に載っている。

民主党のサイトを見ると、選挙用のマニフェストよりも詳細な政策集がある。

民主党政策集INDEX2009(PDF1.68MB)である。

見れば分かるが、これは、「選挙用チラシ」とも言うべき「マニフェスト」とことなり、政策各論につき、詳細な記述がある。

マニフェストは政権を獲得するために選挙用に作られた(言い方は悪いが)エサで、ホンネは政策集INDEXにある。

マニフェストには民主党が昔から「基本政策だ」と言っていた外国人参政権に関して全くふれていないし、

鳩山代表が繰り返し語っていた、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の県外(海外)移設にも全く触れていない。

選挙時に票に結びつきにくいことは徹底的にマニフェストでは無視している。


繰り返すが、民主党のホンネは「政策集」にある。

そこで、一点私が気になるのは憲法問題である。


◆憲法の問題---勿論第9条に関して。

これだけ書いても何日もかかるほどの話しなので、今日はごく簡単に。

民主党政策集INDEX2009(PDF1.68MB)のPDFファイルページ、16ページにはこう書かれている。

自衛権の行使は専守防衛に限定

日本国憲法の理念に基づき、日本および世界の平和を確保するために積極的な役割を果たします。

自衛権は、これまでの個別的・集団的といった概念上の議論に拘泥せず、専守防衛の原則に基づき、

わが国の平和と安全を直接的に脅かす急迫不正の侵害を受けた場合に限って、憲法第9条にのっとって行使することとし、

それ以外では武力を行使しません。

これを読む限り、日本からの「先制攻撃は認めない」ようだ。

しかし、このパラグラフはよく分からない。

日本の自衛権の行使は専守防衛に限定する、という、しかし、
個別的・集団的自衛権という概念上の議論に拘泥せず、

ということは、今で言うところの集団的自衛権の行使も場合によっては認めますよと言っているに等しい。

しかし、集団的自衛権とは、
自国が侵略・攻撃を受けていなくとも、我が国と密接な関係にある国(注:要するにアメリカだ)が第三国から攻撃を受けた場合、

これを自国への侵略・攻撃と同一のものと見なし、反撃する権利

である。我が国が急迫不正の侵害を受けていなくても、アメリカが攻撃されたら自国へ攻撃と見なして反撃することになる。

「専守防衛に限定する」ならば、集団的自衛権の行使は禁止する、と主張しないと、つじつまが合わない。


集団的自衛「権」であり、義務ではないから、必ずしもアメリカが攻撃されても我が国は反撃しなくて良い、という人がいるが、

そんなに都合良く行くわけ無いでしょう。

集団的自衛権行使が明確に禁止されていても、アメリカがイラク戦争を起こし、アーミテージ国務副長官が、
Boots on the ground.(戦地に兵隊を送れ)

Show the flag.(旗幟を鮮明にしろ)

と言っただけで、小泉政権は震え上がって、大至急イラク復興支援特別措置法を強行採決し、

本来、戦闘状態にある同盟国への後方支援は集団的自衛権の行使に相当し、違憲なのに、

一も二も無く自衛隊をイラクへ派遣するハメになった。「集団的自衛権の行使は違憲である」という解釈があってすら、

そうなったのである。民主党は、
自衛権は、これまでの個別的・集団的といった概念上の議論に拘泥せず

といっているが、危険な思想である。自衛権の概念を曖昧にして、集団的でも個別的でもいいではないか、と言う状態に

政府の公式見解を変更しようとしていると、推察される。

この点は、民主党幹部の発言を注視しなければならない。

集団的自衛権の行使を認めさせてはいけないのである。

選挙の時には、相手のばらまいたエサだけでなく、そういうことも考えなくてはいけない、という一例である。

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2009.07.26

「児童向け英会話ビジネス活発化 英語教育の必修化、不況が教育投資を後押し」←小学校で英語を教える必要はない。

◆記事:児童向け英会話ビジネス活発化 英語教育の必修化、不況が教育投資を後押し(7月26日13時0分配信 MONEYzine)

公立小学校で英語教育が必修化されることを受け、国内で児童英語に対するニーズが高まっている。2

011年度に完全実施される新学習指導要領は「小学5~6年生の英語活動」が必修化され、英語能力が問われる。

具体的には、英語の音声や表現に親しみむことで、コミュニケーション能力の育成を目指し、授業は週に1回程度(年間35時間)実施される。

この決定を受けて、大手予備校「東進ハイスクール」などを運営するナガセは子供向け英語教室事業に参入することを決めた。

世界120カ国で放映された子供向け教育番組「セサミストリート」のキャラクターを使った教材を開発し、

2010年10月から全国でフランチャイズチェーン(FC)方式で展開するほか、中国やインドにも教室を設け、新たな収益源に育てる。


◆コメント:文科省はどうして考えられる限りの愚策を実行するのか。

昔から言われていることだが、旧国家公務員上級試験(現、国家公務員I種試験)という、

中央官庁の幹部候補生、「キャリア組」を採用する試験で一番成績の良い奴らが旧大蔵省(現財務省)に採用され、

一番成績が悪かったアホが、旧文部省(現、文部科学省)に配属される、という「うわさ」である。

つまり、一番バカの集まりが文科省役人らしいが、最近は厚労省の愚策や、景気をどうにも出来ない財務省も

自分たちで思っているほど、頭が良くないのではないかと思う。さて、以上は、「嫌味」である。


以下、問題点を述べる。

一つ目。「ゆとり教育」で、私の知る限り、少なくとも東京の小中学生の学力低下は著しく、

外国語を教える時間を費やすならば、国語力の向上のための対策を考えるべきである。

母国語の基礎さえ出来上がっていない子供に外国語を教えても、習得、向上は望めない。

「効果がない」だけなら、まだ良い方で、日本人は語学学習で、とかく発音を軽視しがちだが、

語学で「最初は発音は適当で良い」理由はどこにもない。

最初から、本当の正しい発音を教えられる教師が中学の英語教師ですら少ないのは問題である。

初めに「カタカナ発音」でやるから、変な癖が付き、後から矯正するのが難しいのである。

海外へ行くと分かるが、同じ事を話していても、発音が良いと、ガイジンがこちらを見る目が違う。

逆に言うと、発音が悪いと、ネイティブには「バカ」に見えるのである。

繰り返すが、如何なる語学でも「はじめのうちは発音は適当(いい加減)で良い」理由はどこにもない。

それは、あたかもヴァイオリンを習うとき、「最初は汚い音で良い」というようなもので、

そんなことをいうヴァイオリン教師がいたら、偽物か詐欺師と見て間違いない。


二つ目。小学校の教師は英語を教える訓練を受けていない。これから講習を受けさせるのだろうが、

「外国語を教える」ということは、れっきとした「専門的技能」であり、その為のプロによって

行われるべきだ。

自分たちが今までロクに英語を読み、聞き、書き、話したことのない小学校教諭に、

付け焼き刃で「英語の授業の進め方」だけ教えても、効果的な語学指導は全く望めない。


それは、たとえを用いるならば、私は全くフランス語を知らないが、その私がこれから、

「アテネ・フランセ」か「日仏学院」に1年半ほど通い、少々フランス語を覚えた後、

いきなり、自宅に

「JIROフランス語教室---初心者でも大丈夫。丁寧に教えます」

という看板を出して、語学教室を始めるようなものである。

このような例を出すと明らかになるが、民間だったら、殆ど詐欺的な行為である。


三つ目。小学校での英語教育が必修化されるといってもわずかに、週1時間である。

語学など毎日練習しなければ上手くならない。子供が1週間に一回授業をうけたとしても、

恐らく、次の授業まで何もしないだろう。完全な「官僚的形式主義」である。


四つ目。三つ目の理由と同じようなことだが、語学に限らないが、勉強は、本人が

やる気になって能動的に学習しなければ上達しない。

逆に言うと、必要に迫られどうしても英語を必要とする状況になったら、

大人になってからでも、誰でも必死に英語を勉強する。それからでも十分に間に合う。

仕事で英語を話す必要がある人と、無い人の上達のスピードの差は歴然としている。

日本の小学生は、普通、英語のネイティブと親しく話す「必要」がない。したがって、

本人(子供達)が本気にならないことは、ほぼ、目に見えている。


◆結論:小学校で英語を必修科目にする必要は認められないし、実施しても効果は全く期待出来ない。

他にも、「小学校で英語」に反対する理由は書こうと思えば書けるが、

キリが無いので、この辺で止めておく。

前段で書いた理由により、公立小学校の教育課程において、形ばかりの「必修英語」を設けることに

必要性・必然性は認められず、実施したとしても効果は全く期待出来ない。

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2009.07.25

【追加】NHK「となりの子育て『育てた人にきいてみる~バイオリニスト・宮本笑里の父』視聴後雑感。/笑里さんのCDでの父娘共演。

◆オーボエ奏者、宮本文昭さんは、最初、お嬢さんに音楽の道に進んで欲しく無かったそうです。

今日(2009年07月25日(土))夜9時半から、NHK教育テレビで、となりの子育て「育てた人にきいてみる~バイオリニスト・宮本笑里の父~」

と言う番組がありました。普段は見ませんが、今日はお父さんがオーボエの天下の名手、宮本文昭さん、

お嬢さんがヴァイオリニストの宮本笑里さんだったので、夢中で見ました。

再放送の予定は未定ですが、この番組、結構再放送をしているようで、

かつ、本日の放送は、NHK教育テレビの番組としてはかなり視聴率も高かったでしょうから

再放送される可能性は十分にあります。勿論、私には保証出来ませんが。


◆月並みな言葉になってしまいますが、非常に感動的でした。

最初に結論を書くと、あまりにも凡庸な表現で恥ずかしいのですが、非常に感動的でした

(私がクラシック音楽が好きだから、一層、感激した、ということはあるでしょうが)。



オーボエ奏者・宮本文昭さんのお嬢さんはヴァイオリニストですが、お父さんには内緒で、

7歳ごろから本格的にヴァイオリンを習い始めました。

笑里さんは1983年ドイツの生まれですが、1991年頃に日本に帰国しましたが、

お父さんはケルン放送交響楽団首席オーボエ奏者ですから、たまに日本に帰ってきますが、

また直ぐにドイツに戻るわけです。ある時お父さんが日本に帰国したら、

ウチの中からヴァイオリンの音がする。笑里さんが習っていると知って、困ったことになった、と思ったそうです。

気になって仕方がないのです。

一度音楽的な事を指摘し始めたら、自分でブレーキが効かなくなることがわかっていたので、

宮本文昭さんは、出来れば、お嬢さんには、音楽は聴くだけにして欲しいと思っていたのだそうです。



お父さんは、オーボエ奏者ですから、当然、ヴァイオリンの奏法上のことは分からないけれども、楽器は違っても、

どの楽器にも「西洋音楽を演奏するに際して、共通すること」が沢山ある。

だから、笑里さんが楽器を弾くと、どうしても聴いてしまし、色々と音楽的な問題が、気になって仕方がない。


笑里さんが中学1年のときに、お父さんは、真剣に厳しい選択を迫りました。

お前は本当にプロになるのか。それとも趣味として続けるのか。

ヴァイオリンのプロになる人は3歳ぐらいから始めているので、既に遅れを取っている。

プロになる気ならば、ここから、本当に死にものぐるいで勉強しないと間に合わない、と思ったからだそうです。

もし、「趣味でやる」と答えたら、もう何も言わないで済むから、出来ればそう答えて欲しかった。

しかし、笑里さんは、「やはり、ヴァイオリンを弾いているときが一番楽しい。続けたい」と、厳しい道を選択しました。



それから、お父さんは容赦なくなりました。

前述のとおり、ヴァイオリン演奏のテクニック的なことは、専門の先生に任せるけれども、

フレージングとか曲全体の演奏の構成は、全ての演奏分野に共通するから、

お父さんは、娘の練習を聴いて、容赦なく罵倒したそうです。それは、すさまじかったらしい(笑)。

笑里さんはあまりのお父さんの剣幕に泣くことも度々ありましたが、お父さんは全然容赦しない。
お前、今泣いても仕方がないだろう。泣けば問題が解決するのか?泣けば上手くなるのか?泣く暇があったら、弾け。

笑里さんが当時使っていたバイオリンには、お父さんにレッスンでしごかれて流した涙の跡が今でも残っています。

中学2年のとき、転機がおとずれました。

それまで大人しくお父さんの言うことを聞き、もともと穏和な性格の笑里さんが、

感情を大爆発させたことがあったそうです。
レッスンで、お父さんはああいうけど、私はこう思う、あれも違うと思う、これもおかしいと思う。

と泣きながら、延々と大反論をした。

宮本文昭さんはそれを見て、聴いて、大変喜び、笑里さんを褒めたそうです。
お前、よくそこまで言った。音楽家は表現することが仕事なのだから、兎に角自分の解釈・主張が無ければダメだ。

泣いても、怒鳴っても良いから、自分の中からわき出るものを表現できなければ、ダメだ。

今のは「自己表現」ですばらしいことなのだ。

と。やはり、芸術家の感性ですね。当の笑里さんは泣いて怒鳴って大反論したのにも関わらず、

逆に褒められて「キョトン????」状態だったそうですが、それから父と娘の関係は少しずつ変わりました。



笑里さんは、やがて音楽大学へ進学しましたが、

自分と同じ世代で英才教育を受けてきた子たちよりも遅れていることを自覚したので、

朝は4時に起きて学校へ行くまでスケール(音階)などの基礎練習をし、

学校が終わるとまっすぐ帰ってきて夜中まで練習。一日十数時間練習する日が続いた、といいます。



お父さんは、相変わらず厳しかったけれど、音楽的な注意をすると、笑里さんが直ぐに理解して演奏にそれを反映させるので、

「これはひょっとしたらものになるかも知れない」と少し安心したそうです。

笑里さんは2007年にデビューし、お父さんが引退するときのラストコンサートで共演しました。

お父さんの宮本文昭さんは、笑里さんは、勿論まだまだ修業を続けなければならないが、

兎にも角にも、こうして人前で共演できるようになったことが、感無量だったといいます。



お父さんは自分が厳しく笑里さんを訓練したことを間違ったとは、全く思っていませんが、
そろそろ、褒めてやらなければ、認めてやらないといけないでしょうね。「お前、ホント、よく止めなかったな」という気持です。

とおっしゃっていました。



笑里さんは、幼い頃、演奏旅行でしばしば家からお父さんがいなくなるのが寂しかったけれど、

そういうお仕事なのだ、と自らに言い聞かせ、お父さん頑張ってね、みたいな手紙を書いては、

お父さんの楽器ケースに入れていたそうです。帰ってきても何も言わないので、

笑里さんは「お父さん、読んでくれているのかな?」とちょっと心配ですが、

宮本文昭さんは、実はそれら全ての手紙を今だに保存しているそうです。

移動の飛行機やバスの中でこっそりそれを読んでは涙していた、と言います。



その話を聞いて、私も目頭が熱くなりました。

今日の番組のために、もう大人になった笑里さんが久しぶりにお父さん宛の手紙を書きました。

一言一句覚えていませんが、大体次のようなものだったと記憶しています。
子供の頃、お父さんの厳しさに泣いたけれども、音楽家としてのお父さんの偉大さが分かって、厳しく指導してくれたことに感謝しています。

現役当時のお父さんが、お客さんに演奏を聴かせるためにあらゆる努力をしてきたのを見ていましたが、

今は、お父さんの気持ちが分かるようになりました。

お父さんは、現役奏者は退いたけれど、指導者・指揮者として忙しいでしょう。

身体に気をつけて下さい。

大体、こんな内容でした。宮本文昭さんの涙腺が微かに緩んだようでした。

大変ですね。

素人の親なら音楽的な細かいことまで分からないから、いちいち気にならないだろうけど、

何しろお父さんはドイツの一流オーケストラで長い間首席オーボエ奏者を務め、

オーボエ奏者の間では「世界のミヤモト」と言われるほどの演奏家ですから、

娘がどこまで伸びるか、気が気ではなかったのでしょう。



プロになるというからにはどんなに厳しくするのもやむを得ないと思って、

宮本文昭さんはお嬢さんを鍛えました。しかし、本当は辛かったのです。

出来れば、笑里さんが音楽を志さなければ、楽しく仲の良い親子であって、

「師弟関係」にならずに済んだのですから。



しかしながら、今や自分が笑里さんにしたことの意味を笑里さんが正確に理解してくれているのと、

宮本笑里さんが兎に角頑張って、他人様の前で弾けるようになったことに、

とても満足しているのがよく分かりました。

良い番組だった、と思います。


◆【追加】宮本笑里さんのデビュー・アルバム、「smile」より 宮本文昭さんと共演した「第三の男」


折角ですから、2007年に発売された宮本笑里さんのデビュー・アルバム“smile”の最後に収録されている、

お父さん、宮本文昭さんと共演した「第三の男」(これ、確か、ビールのCMに使われていましたね)をお聴き下さい。

演奏時間は1分ちょっとです。


宮本笑里・宮本文昭「第三の男」





笑里さんのこのアルバムにおける、他の演奏と比べるとわかりますが、

お父さんのオーボエに触発されて、笑里さんのヴァイオリンが、より一層、生き生きとしているのです

(録音方法も他の曲とセッティングが違うように聞こえますが、これは私には詳細は不明です)。

微笑ましいですが、それだけではなくて、きちんとした良い演奏です。

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「国際数学五輪、日本2位=過去最高、副島さん総合トップ-物理も全員メダル」←どうして「良い話」を「小さく」取りあげるのか/【番外】ちょっと宣伝。

◆記事1:国際数学五輪、日本2位=過去最高、副島さん総合トップ-物理も全員メダル(7月20日17時56分配信 時事通信)

文部科学省は20日、ドイツで開かれた数学と、メキシコで開かれた物理の国際オリンピックの日本選手成績を発表した。

メダルは上位の一定割合ごとに配分され、両五輪とも全員獲得を果たした。数学は高校生6人が参加し、

金5、銅1で、国別でも中国に続く2位と、過去最高。物理は同5人が参加し、金2、銀1、銅2だった。

国際数学五輪は第50回で、日本は20回目の参加。104カ国・地域の565人が出場した。

金メダルの筑波大付属駒場高(東京)3年副島真さんは、中国選手1人と並んで満点を取り、トップタイだった。

過去には、2005年のメキシコ大会で満点が16人続出し、日本選手2人がトップタイだったことがある。


◆記事2:スペイン国際ハープコンクール:3位に原日向子(毎日新聞 2009.07.21 東京夕刊)

◇第6回アルピスタ・ルドヴィゴ・スペイン国際ハープコンクール(マドリード)

3位=原日向子(札幌市・藤女子高2年)


◆記事3:高2ハープ奏者が3位入賞 スペインのコンクール(産経新聞)(2009.7.2 19:02)

スペインで開かれた第6回アルピスタ・ルドビゴ・スペイン国際ハープコンクールで、

札幌市在住の原日向子さん(16)=藤女子高校2年=が3位入賞したことが2日、分かった。出場者の中で最年少だったという。

コンクールは6月19日から29日までマドリードで開催。原さんは「国際コンクールでの入賞は初めてだったのでうれしかった。

年上の人ばかりだったけれど、雰囲気にのまれずにのびのびと演奏できたので良かったです」と話した。

同コンクールでは、1996年の第2回で早川りさこさん(現NHK交響楽団)が優勝している。


◆コメント:過去に何度も書いたが、マスコミは何故、「良いこと」を大きく取りあげないのか?

記事1の数学オリンピックと物理オリンピックは月曜の記事で、早く書こうと思っている間に衆院解散だの皆既日食などあって、

遅くなってしまった。

マスコミは、悪い話、即ち、犯罪、事故など暗い話ばかりを大きく取りあげ、「良い話」は大きく取りあげない。

悪い話ばかり取りあげるから、世の中悪いことばかり起きているような錯覚に陥るが、実際には世の中では良いこと、めでたいこと、

心温まること、が必ず起きているはずである。ただ、マスコミは、「良いこと」を大きく取りあげない。

取りあげるのは、大リーグの日本人選手の活躍か、(スポーツの)オリンピックの金メダルか、

頭を使うことなら、日本人がノーベル賞を受賞した時ぐらいのものだ。

どうして、スポーツのオリンピックのメダルはあれほど騒ぐのに、数学と物理では、取りあげないのか。


特に、近年、日本の中高生の学力が著しく低下していて問題だ、などと特集を組んだりしているくせに、

数学オリンピックや物理オリンピックに参加した諸君の健闘ぶりはベタ記事でしか取りあげない。

これは、不公平だ。おかしい。



記事2と記事3は同じニュースだが、私は21日の毎日新聞(記事2)を読むまで知らなかった。

しかも毎コン(日本音楽コンクール)を主催する毎日新聞は、クラシック音楽に関して、日本で一番造詣が深いはずなのに、

このすげない扱いはなんだ?

記事3の産経新聞の記事を発見して驚いたが、ルピスタ・ルドビゴ・スペイン国際ハープコンクールで原日向子さんが3位に入賞したのは、

3週間も前に分かっていたことではないか。しかも産経の方が遙かに詳しく書いている。クライバーン・コンクールの辻井君の優勝を騒ぐなら、

国際ハープコンクールで高校2年生が3位に入賞したことも同様に大きく取りあげるべきだ。


もう一度書く。

世の中では良いことも悪いことも起きている。当たり前なのだが、悪い話ばかり聴かされるから世の中の雰囲気がどんどん暗くなる。


◆【僭越ながら】ちょっと宣伝。ココログニュース「『シンフォニエッタ』って?」で当ブログの記事が取りあげられてます。

偶然見つけてびっくりしたのですが、ココログが書いている、ココログニュースというのがあって、

ブログからニュースを拾って、記事にするのだが、24日付『シンフォニエッタ』って?で、

私の、村上春樹氏の話題作「1Q84」に曲名が登場する音楽を集めました(一部ですけど)。が引用されております。

自分で書くのも僭越ですが、嬉しかったもので(^^ゞ 一部抜萃引用させていただきやす。

もともと曲を知っていたブロガーは、「どんな場面で出てくるのか読みたくなった」「今後は聴くと特定の情景が浮かびそう」と、逆に曲から小説を意識しているようだ。

『1Q84』に登場するクラシック曲を紹介しているブログ『JIROの独断的日記ココログ版』では、

『シンフォニエッタ』を「斬新な音楽」と評し、「実演を見るとびっくりします。ステージのオーケストラ以外に楽器を配置して、演奏させることがある。

この『別働隊』を『バンダ』というのですが、ヤナーチェクのシンフォニエッタの最初と最後には(中略)2階の客席後方などにずらりと並んで、

壮大に吹くのです」とクラシック通ならではの解説をしている。

だって。ムヒヒ。

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2009.07.24

【衆院選前特集】(その1)熟読・傾聴に値すると私が考えるサイト・本。

◆民主政策集の要旨が発表された、とメディアは報じるが民主党のサイトに載っていない。

今日は、メディア各社が、

民主党が23日発表した2009年版政策集の要旨

という言葉を使っているので、民主党のサイトの中を調べたが、

どこにも載っていない。政策のページを開いても、分からない。

マニフェスト/政策集に2009年07月23日(木)23時20分現在掲載されている

最新の「マニフェスト」は、2007年の参議院選挙の際のManifesto マニフェスト 2007である。

民主党の政策が発表された、と報じられているのに、肝心の民主党のサイトには何も載っておらず、

何故か時事通信が詳しく報じている。民主政策集の要旨である。

多分、ウソは報じていないだろうが、民主党の政策なのだから、民主党のサイトにまず掲示されるべきである。

時事通信を通して、「これが民主党の政策です」と言われても、時事通信が要約したり、一部割愛しているかも知れず、

全て民主党が本当に政策として発表したのかどうか、確認出来ない。変なことをする連中である。


◆民主党の政策を見て行く上で参考にすると良いと思われる、サイトと本。

色々なメディアがあるが、スポンサーには一切頼らず、ネットでの視聴料で運営されているビデオニュース・ドットコム インターネット放送局は、

AP通信・テレビ朝日などを経て、ビデオニュース・ドットコムを設立した神保哲生氏が実質独りで取材しているような、規模としては小さいが、

私が見たところ、最も信頼出来るメディアである。


言うまでもなく、私は、ビデオニュース・ドットコムと何の利害関係もなく、神保哲生氏と面識も全くない。

ただ、月額会費525円(税込)を支払って、以前から参考にさせて貰っている。

毎週土曜に更新される「マル激トーク・オン・ディマンド」は社会学者の宮台真司(首都大学東京教授)とゲストを交えて、

時のニュースを深く掘り下げて論じるが、私は、話が高度過ぎて(特に宮台氏は、社会学、経済学、政治学、歴史学上のテクニカル・タームを

多用するので)分からなくなることがあるが、それでも流石に年の功で何度か聴いていれば分かる。

ビデオニュース・ドットコムは政治の問題だけを取りあげるわけではないが、非常に勉強になる。


◆神保哲生氏がダイヤモンドON-LINEに連載を始めたのが民主党を知る上で重要である。

何だか、いきなり、ビデオニュース・ドットコムの宣伝のようになってしまったが、勿論、私の主目的はそういうことではなく、

ビデオニュース・ドットコム代表の神保哲生氏が、自身のブログで書いているように、

ダイヤモンド・オンライン(週刊ダイヤモンドの電子版)で連載を初めた。これが非常に参考になりそうだ。

なりそうだ、という書き方は失礼だが、それは、まだ連載を始めたばかりだからであり、他意はない。

神保哲生氏の連載は、民主党政権が実現すると、何がどう変わるか?である。

7月16日に第1回の記事が載ったが、冒頭からハッと目が覚める。

「まかせる政治」から「引き受ける政治」へ──マニフェストだけでは見えてこない民主党の政策理念

「この際、1度民主党にまかせてみるか」

東京都議会選挙での民主党の圧勝ぶりと自民党の惨敗ぶりを見て、「もはや政権交代は必至」の報道が乱れ飛ぶなか、

このように考え始めている人は少なくないはずだ。

しかし、民主党の政策を分析してきた筆者にしてみると、もしこのような「民主党にまかせてみる」という発想があるとすれば、

それこそ民主党が何たるかをまったくわかっていないことの証左だ。表層的なメディア報道に惑わされ、

きちんと民主党の政策を把握しておかないと、そういうことになる。(以下略)

今日、第二回目の記事が載ったのであるが、私が要約すると次のようなことが書かれている。

即ち、民主党の政治のやり方をキーワード一つで象徴させるならば、「ディスクロージャー」(情報開示)である。

民主党の政策を見ると、どのようなテーマでも「ディスクロージャー」が出てくる。


今まで、日本の政治や役所の仕事はあまりにも開示されなかったが、民主党は何でも公表しようとしている。

ということは、有権者は政府が何をやっているか、情報を入手することが出来るのだから、「知らなかった」では済まない。

民主党政権になったら、この情報を知った上で、自らがどのように行動するのかという選択を迫られる。

その覚悟が皆、本当にあるのか?というのである。なるほど。

また、注意すべき神保氏の指摘は、
民主党は、実行するつもりの政策を全てマニフェストに書いているのではない。

あそこに書くのは、選挙前に有権者ウケが良いことを並べてある。それを実行しなかったら公約違反になるが、

逆にそれ以外の政策を実行しても公約違反とはならない。

という点である。これも、なるほど、と思った。

私が個別の事柄で以前から気になっていたのは、以前代表を務めた前原という男は、憲法を改正し、

あるいは政府の公式見解を変更して、集団的自衛権の行使を可能にしようとしていて、その点に関して、

他の民主党執行部は特に反対意見を表明していないことである。


◆神保哲生氏はメディアの使命を自覚しており、公平性を保っているので信頼に足る。

ビデオニュース・ドットコムを見るような人は、多分相当理屈っぽい「論客」が多いから、私の見解に反対、

という方もおられよう。それは自由だが、私は、ビデオニュース・ドットコムは信頼性の高い、非常に有益な情報源だと

思っていて、それは即ち、神保哲生氏の見識を信頼しているのだが、選挙前に是非私も読まなければ、と思っている本がある。

当の神保氏が著した民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか? という本である。

まだ読んでいないから、詳しいことは書けないが、明日には届くはずなので、いずれ、所感を書く。

勿論、物事を最終的に判断するのは自分であるが、全くよりどころがない状態から勝手にゼロから思想を構築するのは

難しいので、今まで民主党を観察してきた人物の意見を参考にしよう、ということである。

そして、これも言うまでもないが、この1冊で全てを決定するのではなく、まだ40日あるのだから、様々な人の意見を参考にしながら、

民主党と自民党のマニフェストなり公約をよく読んで、最終的に自分の政治的意思を決定するべきである。


今日書いたことは、あくまでも私の「お薦め」であるから、JIROはアテにならない、と思われる方は、無視して頂いて結構だ。

言うまでもない。

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2009.07.23

2009年7月22日「皆既日食」特集。

◆記事:皆既日食:46年ぶり 奇跡の6分30秒/漆黒の太陽/ツアー客ら歓声(毎日新聞 2009年7月22日 東京夕刊)

皆既時間が6分を超える今世紀最長の皆既日食が22日午前、インドから中国、鹿児島県・トカラ列島などで起きた。

国内の陸地で皆既日食が観測できるのは46年ぶりとあって、多くの人々が「世紀の天文ショー」を見守った。

鹿児島県・喜界島では皆既日食が観測され、太陽が月にすべて覆い隠されると周囲は夜が来たように暗くなった。

一方、6分25秒の皆既となるトカラ列島・悪石島は悪天候で、地上からの観測はできなかった。

日本列島も曇りがちで、部分日食が観測できたのは沖縄、九州北部、関東北部、北海道などの一部地域に限られた。

(中略)

◇次は26年後

日食は、太陽、月、地球が一直線に並び、地球から見た太陽が月の背後に隠れる天文現象だ。

すっぽりと隠れてしまった状態を「皆既日食」、一部が欠けているのを「部分日食」と呼ぶ。

皆既日食は地球上では1~2年に1度の割合で起きているが、皆既帯が海上にあって観測しにくいことが多い。

今回は人口が密集するインド、中国、日本を横切るように皆既帯が通っており、史上最大規模の人が見守る天文ショーといわれる。

21世紀に継続時間が6分を超える皆既日食は4回あるが、今回は最長の6分44秒(国立天文台が算出した最大継続時間)だ。

日本の陸地から皆既日食が観測できるのは、1963年7月21日以来46年ぶり。

次は2035年9月2日に北陸や北関東で見られる。


◆前回が46年前、次回は26年後。この日記で皆既日食を取りあげられる最初で最後のチャンス。

もう、日食は分かった。という方も多いでしょうが、何しろ、前回、日本の陸地で観測出来た皆既日食は46年前。

1963年。私は既に生まれていたが3歳児であった。日食など覚えているわけもない。

次回は26年後の2035年に観測できるという。生きているかも知れないが、死んでいる可能性も高い。

従って、「JIROの独断的日記」で皆既日食を取りあげられる最初で最後のチャンスである。

まあ、お付き合い下さい。


◆NHKがYouTubeの公式チャンネルに掲載した、硫黄島と太平洋上からの動画。

YouTube上にNHKのチャンネルがある。

そこに、硫黄島からと、太平洋上から撮影した動画が載っている。既にご覧になった方も多いだろうが、

記録として、敢えて、載せる。


46年ぶりの皆既日食・硫黄島





46年ぶりの皆既日食・太平洋上





但し、いまだにかなりアクセスが集中しているらしく、繋がりにくいことがある。

NHKのサイト内の、NHK 生中継 46年ぶりの皆既日食 7月22日[水曜]で、全く同じ動画を見ることが出来る。


◆東シナ海上空から見た皆既日食(朝日新聞)

7月22日日本時間午前10時半頃、朝日新聞の専用機「あすか」がトカラ 列島と中国・上海の中間付近の東シナ海上空、

高度4万5千フィート(約1万3500メートル)で撮影した映像。


09年7月22日、東シナ海上空から見た皆既日食




飛行機のエンジン音がややウルサイが、ボリュームを絞ればよい。


◆皆既日食時の地球を宇宙から撮った写真。JAXAサイトから。

JAXA|宇宙航空研究開発機構のサイトには、日食以外にも色々と興味深い写真やビデオのアーカイブがあるが、

今日は日食に話を絞る。

地球温暖化観測人工衛星いぶきが、日食の際、地球の表面に映った月の影の撮影に成功している。

宇宙利用ミッション本部:「いぶき」が宇宙から日食を撮影!

に「いぶき」のモニタカメラから見た地球の日食の様子が載っている。

あまりよく分からない方は、ずっと下へスクロールすると、アメリカの地球観測衛星「Terra」搭載の MODISセンサ撮影の画像(外部リンク)

よりはっきりと地球の影が映っている。それをクリックすると超高解像度のでかい写真が開く。真っ黒い月の影がよく分かる。


◆JAXAの太陽観測用衛星「ひので」が撮影した太陽と地球の間を横切る月

JAXAの人工衛星には、その目的により様々なものがある。「ひので」は太陽観測用の人工衛星で、いつも太陽を

映しているから、当然、太陽と「ひので」の間を月が通り抜ける瞬間を捉えることが出来る。

まずは、ひので観測チーム:「ひので」衛星から見た日食を公開 を見る。

それぞれ、画像をクリックすると、拡大画像を見ることが出来る。

ムービー: オレンジ色着色 は、初めて見る人には

オレンジ色の太陽がやや不気味かも知れない。


◆気象庁が公開した、地球の表面を月の影が横切る動画

今度は、気象衛星「ひまわり7号」が撮影した、皆既日食時に月の影が地球上に映った画像である。

気象庁のサイトに、宇宙から見る月の影 - H21/7/22日食時の「ひまわり」画像という特設ページがある。

静止画像が表示されているが、左側のフレームに、動画の表示のボタンがある。私の環境だとGIF動画をクリックすると、

Web上で、月の影が画面の左側から右側に移動する動画が繰り返し再生される。止めたいときは、静止画のどこでもよいから、時刻をクリックすれば良い。

AVI動画は(私の場合)Windows Media Playerと関連づけられているので、WMPが自動的に起動し、同じように月の影の映像がはっきりと見える。

こちらは、一回再生したら、自然に再生終了となる。


以上、思い付くまま、見つけた順にただ羅列した、「リンク集」に過ぎないが、特にJAXAのサイトには、他にも

興味深い、静止画像や、動画のアーカイブが、ある。理屈は後で勉強するとして、たまに見てみると、日頃意識しない、

宇宙の壮大さに触れることが出来る。

我々の太陽系が属する銀河系は直径10万光年の円盤型(どら焼き型などと言われるが、私は勝手に「シンバル型」だと思っている)である。

太陽系は銀河系の中心から約3万光年の位置にあり、銀河系内の軌道を一周するのに、2億5千万年かかる。

我々の銀河系には、2000億から4000億個の恒星が存在すると考えられている。

宇宙全体には「銀河」が、千億単位で存在すると考えられている。我々の銀河系の最も「近所」にある銀河は、

アンドロメダ銀河であるが、我々の銀河系から220万光年離れている。

こういう話を聴くと、人間の想像の範囲を超えていて、宇宙の果てしない大きさに気付く。

人間の悩みなど、大したことではない、と思えてくる。宇宙は誠にロマンティックである。

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2009.07.22

衆議院の解散・総選挙に関して。

◆記事1:衆議院 本会議で解散 8月30日投開票へ(7月21日13時16分配信 毎日新聞)

衆院は21日午後1時からの本会議で解散された。05年9月の「郵政選挙」以来4年ぶりとなる第45回衆院選

(定数480=小選挙区300、比例代表180)は「8月18日公示-30日投票」の日程で行われる。

オバマ米大統領の誕生など世界の政治潮流が大きく変化する中、自民、公明両党が10年間に及んだ連立政権を維持できるか、

民主党を中心とする政権が誕生するかが最大の焦点となる。「政権交代」を目指す高揚感に包まれる民主党に対し、

自民党は麻生太郎首相が両院議員懇談会でおわびと反省を表明する混迷の中で解散を迎えた。(以下略)


◆記事2:自民支持率2割切る 比例投票先「民主」46% FNN世論調査(7月21日15時51分配信 産経新聞)

FNN(フジニュースネットワーク)が18、19の両日に行った世論調査で、

自民党の政党支持率は前回(6月20、21日調査)から0・3ポイント低下して19・8%と2割を割り込んだ。

麻生内閣の支持率は15・9%(前回比1・6ポイント減)、不支持は71・4%(1・3ポイント減)で低迷が続いている。

衆院選の比例代表の投票先でも、民主が46・0%と微増だったのに対し、自民党は1・5ポイント減の23・7%で、麻生政権下で最低を更新した。

自民党が大敗した東京都議選の結果については、次期衆院選に影響するとの回答が9割近くに上ったが、

麻生首相が責任を取るべきだとしたのは46・6%、そう思わないが46・7%と拮抗(きっこう)。

自民党で起きた「麻生降ろし」の動きについても「理解できない」とした回答が55・9%と5割を超えた。

首相にふさわしい政治家では、舛添要一厚生労働相が15・2%とトップ。

民主党の岡田克也幹事長が12・9%で2位に浮上した。鳩山由紀夫代表は8・7%、

麻生太郎首相は3・8%だったが、麻生首相と鳩山氏を比較した質問では「信頼できる」「首相にふさわしい」など、

いずれも鳩山氏が大きく上回った。


◆コメント:解散から投票まで過去最長なのですから、十分に勉強することが必要です。

本日、衆議院が解散され、8月30日に投開票が行われます。解散から投票日までちょうど40日です。

日本国憲法第54条第一項の文言(もんごん)は次の通り。

衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。

つまり、今回の衆院選の解散から選挙までの時間は、憲法で許容されたギリギリの長さなのです。

そのこと自体は、合憲ですから問題ありません。


私が申し上げたいのは、それだけ時間があるのだから、選挙までに有権者は勉強する時間が十分にありますね?

ということです。

何度も書きますが、前回の衆院選は2005年の郵政民営化選挙。

2005年8月8日に参議院で郵政民営化法案が否決されたら、

小泉元首相は、即日、衆議院を解散して、9月11日に選挙が行われました。

私はその間、何度も小泉政権の問題を訴えましたが、結局、小泉率いる自民党が大勝しました。

これは、自民党、小泉首相の政策や、政治的理念が受け入れられたと言うよりも、その時の「小泉人気」が大きく影響しました。

あの選挙で、小泉自民党が率いる自民党の政策がどのようなもので、それの何がすぐれているのか。

また、郵便事業のように公共性の高いサービスを、本当に民営化して良いのか、つまり、民間企業の「商売」にして良いのか、

有権者は、よく考えていたと思えません。あたかも芸能人人気投票や、「最も上司になってほしいタレント」などと同じ感覚で投票行動を

行ったのではないかと思います。その結果どうなったか。


ある学者さんが非常に的確な指摘をしています。それは、ちょっと難しいかも知れませんが、次のように要約してあります。
自民党というのは、古く溯れば、日本がまだ農村社会であった頃、自民党は農村に政治的基盤を置き、

農村開発を通じて再配分を行うことで国民の広汎な支持を獲得してきた。その後、高度経済成長とともに、

自民党は池田内閣の所得倍増計画に見られるような、市場重視の伝統的保守主義に軸足を移していくが、

市場経済がもたらす利益は公共事業によって農村に還元するという再配分政策だけはその後も続いた。

政治思想的には伝統的保守を標榜しながら、実際は再配分政党であり続けたことが、自民党の特色だった。

しかし、その後1990年代の低成長時代に入ると、そもそも地方に最配分するための財源が底をつき始め、

自民党型再配分政治の統治モデルがいよいよ立ち行かなくなる。
そこに颯爽と登場したのが、自民党をぶっ壊すをスローガンとする小泉元首相だった。

国民の高い支持に支えられた小泉政権は、自民党の伝統的な利益再配分政治を一掃し、新自由主義へと舵を切った。

それが功を奏し、自民党は少なくとも一時的に農村政党から都市政党への脱皮に成功したかに見えた。

しかし、小泉政権の新自由主義的政策は、それまでの再配分で「一億総中流」と言われるほど所得の平準化が進んでいた日本で所得格差を急拡大させ、

公的補助の削減によってセーフティネットからこぼれ落ちる困窮層を急拡大させた。

小泉政権以後の自民党政権では、改革の負の面が一気に吹き出し、構造改革路線も立ち行かなくなる。

しかし、かといって今更農村政党に戻ることもできず、自民党は政策的には「八つ裂き状態」(杉田氏)に陥ってしまう。

うんと、簡単に言えば、昔の自民党に問題が無かったわけではないけれども、富の再配分によって、国民にかなり均等に利益が配分されていたのに、

小泉がアメリカ式、自由主義を持ち込んだ結果、「自民党」をぶっ壊すどころか、これまでにないほど日本国民の所得格差を拡げて、

弱者は勝手にのたれ死んで下さいという世の中になってしまったのです。


しかし、その小泉を選んだのは、他ならぬ我々主権者たる国民です。

その時の、政治家や政党の勢い、人気だけに目が眩んで、

「本当にこの政党が政権を取ったら日本はどうなるのか」ということをよく考えなかったのです。


◆今度は民主党が、「人気」を利用し始めました。

前回の衆院選で歴史的大敗を喫した民主党は、幸い、昨年9月以降の世界不況も麻生政権にとって逆風となり、

相対的に「人気」が出てきました。先週の東京都議会議員選挙の民主党当選者一覧を見るとわかりますが、

勿論全ての選挙区ではないけれども、民主党は政策云々よりも、有権者に「人気」がありそうな若い「イケメン」の兄ちゃんや、

カワイ子ちゃんのオネエチャンを多用しています。勝てば官軍ですが、あの若い坊や達に投票した人々は、本当に、民主党の

政策が分かっていたのか、今でも分かっているのか、疑問に思います。大抵のお兄ちゃん達の言っていることに斬新なアイディアは

認められません。どうも「イケメン支持」「カワイコちゃん支持」で票を投じたのではないか、と思ってしまいます。


国政レベルにおいて、民主党はマニフェストにおいて、小泉政権時代に壊された、

セーフティネットの再構築や、国民の可処分所得を増やすことを掲げていますが、人気を一挙に失う恐れがある

消費税増税はしない、といっている。無駄に切り落としで、何とか財源を拠出する、と言います。

非常に困難ですが、あと40日あります。私も考えるけれども、有権者がよーく考えて、政策の現実性を検証する必要があります。

とりあえず政権を取るために、出来そうもないことをマニフェストに掲げていないか。

公約とか、マニフェストは、書いてあることを、

「何だか分からないけど、そうか、そうか」

と読み流すのではなく、これは具体的には何をするのか。

その為の財源が説明されているか。などと、いちいち疑って読むと、問題点が分かってくるのです。

無論、自民党に関しても同じ事です。

財源論争にかんしては、新聞が簡単な表にまとめていたので、載せておきます。

200908election01_3

とにかく。こんどこそ、4年前のように、「何となく感じが良いから」「こちらを向いて手を振ってくれたから」

「カッコイイから」で投票する愚だけは避けましょう。

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2009.07.20

【演奏会評】東京音大付属音楽教室 発表会(続)で演奏された曲目を、プロが演奏したもの。

◆一晩経ったが、まだ頭がボーッとしている。それほど衝撃的な上手さだった。

昨日の日記ココログ)に書いたとおり、

私は昨日、東京音楽大学付属音楽教室の夏の発表会(正式には「学外演奏会」)の全プログラムを聴いた。

同じ表現ばかりで恥ずかしいが、とにかく、あまりの上手さに驚嘆し、頭がボーッとなった。

一晩たったら、治るだろうと思ったが、あまりの衝撃に、今日になっても、頭が半分麻痺しているような感覚である。

もう一度掲げるが、これが昨日の演奏会のプログラムである。

全員、素晴らしく、ただの一人も少なくとも客に分かるようなミスタッチをしなかった。驚かずにいられようか?

特に、分かる人は曲名を見ただけで「ワッ!」と思うだろうが、第2部の後半、一番上手い中2と中3の6人の演奏は、

プロと比べても、遜色がないと言っていい。

極めて、おこがましい、傲慢な言い方をさせて頂くが、35年間音楽を聴いてきて私が「上手い」というのだから、

上手いのである。


本来、昨日の子供達の演奏そのものをお聴かせしたい。あの発表会は、生徒達の勉強の為、また記録のために、

プロが録音しているはずだ。出演した生徒や、他の東京音楽大学付属音楽教室の生徒には、多分CDが配られる筈だ。

私は、昨日の今日では流石に無理だが、家内(東京音大卒)のツテを辿って、何とかそれが入手できないか、いずれ、

頼んでみようと思っている(成功する確証は無いが)。


とにかく、子供たち自身の演奏はお聴かせできないので、実際に昨日の「学外演奏会」で弾かれた曲

(いずれも、歴としたプロが演奏会で取りあげるような曲ばかりだ)を、プロの録音で聴いて頂きたい。

全員分載せたら大変な数になるので、申し訳ないが一部のみである。

昨日書き忘れたが、プログラム第一部の3番目で、小4の女の子が

中田喜直氏作曲、「変奏的練習曲」を弾いた。こんなの初めて聞いたが、エラく難しい。

女の子は、天才的な上手さで弾いていた。

この曲と、プログラム第2部の後半、一番上手い六人が演奏した曲をプロの演奏で聴いて頂く。


◆冷静に比較して、子供達の演奏は、テクニックと音楽性において、プロの演奏に匹敵していた。

1曲目。前段で書いた、中田喜直「変奏的練習曲」。

日本よりも、海外での演奏が多く、また海外で高い評価を受けている小川典子もまた、東京音楽大学付属音楽教室の初期の生徒である

(東京音楽大学付属音楽教室は30年以上の歴史がある)。

彼女のCD、小川典子plays Japanese Piano Music から。


中田喜直「変奏的練習曲」







中田喜直さんって、こんな難しいピアノ曲を書いていたとは、失礼ながら、存じ上げなかった。

この曲を弾いた小学校4年生の子に限らず、言うまでもないが、ただ、音符を音にしているというレベルではなく、

曲を理解して、能動的に表現しようとする「芸術性」を既に持っている。それで、私は余計に驚嘆したのである(当たり前だというなかれ)。


2曲目(これ以降は、第2部後半)。

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番 より第一楽章。あえて「神様」ハイフェッツの録音(古いが)を載せる。

中学2年の女の子だったが、素晴らしく楽器が鳴っていた。テクニック、音程、完璧。ハイフェッツの十八番、

あの「一弓スピッカート」(跳ばす弓)も難なくこなしていた。流石に「ハイフェッツより上手い」とは言えないが、

この子のヴァイオリンを聴いていて、思わずハイフェッツを連想したのである。

なお、この曲は楽章の切れ目が無く演奏される。

したがって、ハイフェッツの録音は、中途半端な終わり方となる。昨日の演奏会は勿論ピアノ伴奏で、

第一楽章で終えても、違和感がないように、適切な変更が加えられていた。

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番 より第一楽章







ハイフェッツの演奏は、ヴァイオリン協奏曲第4番、第5番、他 ハイフェッツ(vn)サージェント&LSO、他で聴くことができる(2番も収録されている)。



3曲目。モーリス・ラヴェル、 ツィガーヌ。難しいのはこの後全部難しいから、もう、いちいち書かない。

中学3年の男の子だったが、この超絶技巧てんこ盛りを余裕で弾いていた。もっと良い楽器(所謂、名器)を入手できたら、

さらに素晴らしいだろうと思う。が、演奏そのものは完璧。この曲は約10分だが、最初の4分20秒ぐらいは、

完全なヴァイオリンの独奏である。一番低い弦、G線を高いポジションで鳴らすのは困難を極めるが、いい音をしていた。


さて、演奏は、私のお気に入りのカナダのヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネス氏である。

Violin Works: Ehnes(Vn)chen(P)に収録されている。


モーリス・ラヴェル: ツィガーヌ







4曲目。シューマン:アベッグ変奏曲。あまり知られていないのではないか、と思われるが、隠れた名曲(かつ難曲)。

演奏は、Abegg Variations, Papillons, Davidsbundlertanze: Grutzmann



ロベルト・シューマン:アベッグ変奏曲 Op. 1







中学2年の女の子が弾いちゃうんですよ。この演奏より上手かったかも知れない。


5曲目。何と、これも中学2年の女の子なのですが、プロコフィエフのソナタを弾くのですねえ・・・。

譜読みだけでもものすごく大変だと思います(そういうレベルの子供達じゃないのだけど)。

演奏は、超絶技巧専門職みたいな、ベルマンというピアニスト。「プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ全集」ボリス・ベルマン(p)



セルゲイ・プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調 Op. 1







録音と生を比べてはいけないのだが、昨日の中学生の女の子の方が迫力があったように思える(冷静に書いている)。


6曲目。ショパン:スケルツォ 第3番。ショパンのスケルツォが難しいなんてのは、言うまでも無い。

中学3年の女の子が弾いていた。家内(毎年聴いている)によると、毎年出る子だそうだ。余程上手いのであろうと、想像したら、

やはり、上手かった。この演奏は、ショパン:スケルツォ/即興曲(ビレット)



ショパン:スケルツォ 第3番嬰ハ短調 Op. 39







大トリ。リストの「リゴレット・パラフレーズ」。最後は大抵リストにするらしい。

ピアニストとしての技術の仕上げのようなものなのだろう。それを中学3年の女の子が弾いた。

こちらの気が遠くなるほど上手かった。

この演奏は、The Transcriber: Moss



フランツ・リスト:リゴレット・パラフレーズ







やはり、録音と生の差もあろうが、これを昨日弾いた子のピアニッシモの透明さ。フォルティッシモのものすごい迫力が優る。

どんな早いパッセージでも余裕で弾くテクニック。私は暫く、口が利けなかった。


昨日の東京音楽大学付属音楽教室「学外演奏会」を聴いて、人間って捨てたものではないな、と思った。

何度も弊日記で引用するが、指揮者の故・カール・ベームは、

人間の存在を少しでも明るく照らすことが芸術家に与えられた使命だと思います。

といった。その意味では、この子供達は既に「芸術家」であると言っても、過言ではない。

くどい上に、僭越かつ傲慢だが、敢えて書く。

35年、音楽を聴き続けている私が、そう思うのである。

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【演奏会評】東京音大付属音楽教室(辻井伸行氏もここの出身) 発表会。

◆東京音大付属音楽教室

また、音楽の話か、と言われればそうなのだが、文化的な出来事も、歴とした「社会的事象」である。

新聞に文化部があり、クラシック担当専門記者がいる(私の知る限り毎日新聞だけだが)のは、そのためだ。


東京音楽大学が主催している、東京音楽大学付属音楽教室という4歳から中学3年を対象とした、音楽教育機関がある。

クライバーン・コンクールで優勝した辻井伸行君もここの出身である。

付属音楽教室は夏と冬に発表会を開催する。今日が今年の夏の発表会であった。

家内が東京音大を出ているので、毎年招待状が来るが、

私は、日曜日に出かけるのが面倒で、ここ数年行かなかった。


今年は、体調が良かったので、ずいぶん久しぶりに聴いた。4時間の長丁場だが、飽きなかった。

飽きなかったどころか、この発表会に出られるのは、先生のお眼鏡にかなった、小一から中三までの、

「上手い子」ばかりで、それは分かっているつもりだったが、あまりの上手さ、才能に絶句した。


◆あまりの上手さ、驚嘆すべき才能の連続で、茫然自失。

東京音大付属音楽教室に入ったら、原則的に将来プロを目指す、という意識で、

音大の先生が教える。入ることは入っても、レッスンのあまりに厳しさに大抵はついていけない。

逆に言うと、残って、毎年、「夏の演奏会」に出ることが許される子供達は、大変な努力をしているわけだが、

努力だけで、誰もが上手くなるとは限らない。

今更ながら、「才能」ってあるんだなあ、と、つくづく感じた。

但し、先生方の指導も無論優れているのである。ピアノに関して書くと、小学1年から中学3年まで、

素晴らしい音を出す。スタインウェイの、フル・コンサートグランドピアノが、完全に鳴っている。

あの細い腕でよくぞ、というほどのフォルティッシモを平気で出している。

無駄な力を入れない、身体の柔軟さを保つ、あの辻井君と同じだが、

最初から正しい奏法を教わることが如何に大切か、と言うことも良く分かった。


◆中学2年でプロコフィエフ、リスト(ピアノ)、ヴィエニアフスキーの協奏曲(ヴァイオリン)を弾く子供達。

これが、今日のプログラムである。

一部より二部。更に終わりに近づくほどうまくなる。

特に、第二部後半、ヴィエニアフスキーのヴァイオリンコンチェルトから後(ヴァイオリン2名、他はピアノ)の

演奏はいずれも、文句の付けようが無い。音だけ聴いて「プロの演奏だ」と言われたら信じるだろう。

プログラム、このすさまじさ。


  • ヴィエニアフスキー:ヴァイオリン協奏曲第2番 第一楽章

  • ラヴェル:ツィガーヌ(ヴァイオリン)

  • シューマン:アベッグ変奏曲

  • プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第1番

  • ショパン:スケルツォ 第3番

  • リスト:リゴレット・パラフレーズ

今、20日の朝5時である。昨夜は疲れて寝てしまったので、今、更新している。

これから音源をアップするのはしんどい。もう一度寝る。起きたら、これらの曲をアップして、

どれ程難しい曲かご紹介したい。

はっきり言って、「泰西名曲」ではないから、「トルコ行進曲」や、「幻想即興曲」ほど、取っつきやすくない。

しかし、優れた才能の持ち主が本当に努力すると、中学生でこれらの難曲を弾けるのだ、

ということを世に知らしめたい。

誤解を恐れずに書くならば、辻井君がクライバーン・コンクールで優勝したのは偉大だが、

彼と同程度の才能が、東京音大付属音楽教室には、大勢いるのである。

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2009.07.19

【音楽】カラヤン(続):バッハ(ブランデンブルク)、ウェーバー(序曲)、チャイコフスキー(バレエ曲)

◆バッハ:ブランデンブルク協奏曲。2番、3番、4番のそれぞれ第3楽章。

ウンチクは、最小限に留めます。これは1960年代の録音です。

最近のブランデンブルクの多くは、もっとテンポが速かったり、古楽器を使ったりとか、

色々面倒ですけど、カラヤンは現代の楽器で現代の奏法で普通にやっています。

CDは、ブランデンブルク協奏曲全曲、管弦楽組曲第2、3番 カラヤン&ベルリン・フィルです。

2番、3番、4番のそれぞれ第3楽章です。



バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第2番 第3楽章







トランペットが非常に難しいのですが、アドルフ・シェアバウムという人で、

20世紀になって、初めてバッハ・トランペットを現代の楽器でキチンと演奏した人です。


バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第3番 第3楽章。



こういう同じ音型を時間差で追いかけるのをフーガといいますね。







私は、この楽章がとても爽やかで、好きです。


バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第4番 第3楽章

4番ってあまりお聴きになったことがないのではないでしょうか。

独奏楽器としては、ヴァイオリンと2本のフルート。リコーダーでも完全に吹けます。

ホントはリコーダーだとちょっと面白いのですが、カラヤンは現代の普通のフルートで演奏してます。






お聴きのとおり、3楽章はヴァイオリンソロの早いパッセージが長く続くところがあります。

このソロを弾いているのは、安永徹さんの先生で、長いことベルリン・フィルのコンサート・マスターを

務めていた、ミッシェル・シュバルベ、という方です。


◆ウェーバー序曲集

ウェーバーの序曲は、名曲揃いです。独特の世界です。

CDは、ヴェーバー序曲集 カラヤン&ベルリン・フィルです。

本当は、全部お聴かせしたいぐらいですが、まず、ウェーバーの序曲の中で演奏時間が一番短い、

しかし、打楽器を多用していたり、賑やかですが、コンパクトにまとまっている、

「アブ・ハッサン」序曲をお聴き下さい。






次は全然、雰囲気が変わります。

「魔弾の射手」序曲。最初、ものすごくテンポが遅くて重いですが、間もなく、

讃美歌にもなっている(元はウェーバなんですよ)有名なホルンの四重奏が美しいです。

10分ぐらいかかりますが、名曲ですから、一度は聴いて下さい。


「魔弾の射手」序曲







良いでしょ?


◆チャイコフスキー三大バレエ組曲のサワリ。

チャイコフスキーの三大バレエ。「白鳥の湖」「眠りの森の美女」「くるみ割り人形」ですね。

元来バレエの音楽ですが、音楽自体があまりに見事なので、管弦楽用の組曲として、しばしば、

コンサートでも演奏されます。三大バレエそれぞれの有名な曲を選びました。

CDは、三大バレエ組曲 カラヤン&ベルリン・フィルです。


まず、「白鳥の湖」。

あまりにも有名な、「情景」です。

チャイコフスキー:バレエ組曲「白鳥の湖」より「情景」







もう一曲、「4羽の白鳥の踊り」として知られています。

「白鳥の踊り」







次は、「くるみ割り人形」です。これは楽しいですよね。

嫌いな人、あまりいないのではないでしょうか。

「くるみ割り人形」より「小序曲」







御存知でしょ?次も多分、よく御存知だと思います。

「くるみ割り人形」より「行進曲」





恥ずかしながら、私は3歳ぐらいの時から、この「行進曲」がひじょうに好きでして、

親の証言によると、これが聞こえると、当時の私は「指揮」など知らない筈なのに、立ち上がって、

何か棒きれを振って、「指揮」の真似をしていたそうです。不思議です。


さて、「くるみ割り人形」で、演奏時間は短いけれども、お好きな方多いのではないでしょうか。

「トレパーク」です。タンバリンが上手くないと、サマになりません。

「くるみ割り人形」より「トレパーク」







三大バレエ、最後は「眠りの森の美女」から、ワルツ。

「眠りの森の美女」より「ワルツ」








「優雅」とか「典雅」という言葉はこういう時の為に存在するのですね。

ずいぶん色々と、脈絡もなく載せてしまいました。まだまだカラヤンでお聴かせしたい曲は

沢山ありますが、今日は流石にこの辺で。

それでは。

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2009.07.18

「大雪山系相次ぎ遭難、10人死亡=トムラウシ山と美瑛岳で59~69歳-道警捜査」←中高年から登山を始めるのは、かなり危険である。

◆記事1:大雪山系相次ぎ遭難、10人死亡=トムラウシ山と美瑛岳で59~69歳-道警捜査(7月17日8時42分配信 時事通信)

北海道大雪山系のトムラウシ山(2141メートル)と美瑛岳(2052メートル)に登った2パーティー計24人が遭難した事故で、

道警は17日午前までに、トムラウシ山で女性6人、男性2人、美瑛岳で女性1人の死亡を確認した。

またこれらパーティーとは別に、単独でトムラウシ山に登ったとみられる男性1人の死亡も確認された。

 多数の死者が出たことから、道警は業務上過失致死の疑いもあるとみて捜査を始めた。ガイドや救助者らから事情を聴く。

 道警によると、トムラウシ山のパーティーは32~69歳の男性5人、女性10人、男性ガイド3人で計18人。

道警や自衛隊は17日早朝からヘリコプターで救助に向かい、13人を見つけ搬送したが、

このうちガイド吉川寛さん(61)=広島県廿日市市=や登山客川角夏江さん(68)=名古屋市緑区=ら59~69歳の8人が死亡した。

ほか5人は意識があるという。広島市東区の亀田通行さん(64)ら5人は自力で下山した。

 パーティーは宮城、静岡、愛知、広島など7県から13日に北海道入り。17日までの日程で登山する計画で、

16日にトムラウシ山に登った後、温泉に宿泊する予定だった。

 ツアーを企画した旅行代理店によると、女性客1人が低体温症になり、吉川さんがテントを張って付き添った。

その後、女性客3人と男性客1人も低体温症になり、ガイド多田学央さん(32)もテントを張って付き添い、残りのパーティーで下山したという。

 一方、美瑛岳では、茨城県の旅行代理店を通じて参加した女性3人と男性ガイド3人のパーティーのうち、

兵庫県姫路市の尾上あつ子さん(64)が死亡した。16日午後に救助要請があり、

尾上さん以外の5人は衰弱しているが、生命に別条はないという。


◆記事2:気候は3000メートル級=「変化への対応難しい」-北海道(7月17日12時27分配信 時事通信)

北海道には雄大な風景や高山植物を目当てに、全国から多くの登山客が訪れる。

冷涼なだけに、道内の2000メートル級の山は本州の3000メートル級と同じ気候条件と言われ、

夏でも死亡事故が頻発。地元のガイドは「本州と違って気候変化への対応が難しい」と指摘する。

 後志管内の羊蹄山では1999年9月、ツアー登山客が悪天候で道に迷い、64歳と59歳の女性2人が死亡。

引率した旅行会社社員は業務上過失致死罪で有罪となった。

 大雪山系では2002年6~9月に登山客が疲れで動けなくなるなどの事故が相次ぎ、5人が死亡。

04年7月には72歳男性が低体温症で、同10月には81歳女性が凍死した。

 登山ガイドを務める南富良野町の男性は「7月は高山植物の花が咲き、登山客の数がピークになるが、

山では朝方に氷点下まで気温が下がることもある」と注意を呼び掛ける。

 トムラウシ山や美瑛岳では、雨風を避けられる山小屋や避難に使える手ごろな登山道も少ないという。

「山小屋を使うツアーでは、雨風が吹いても予定通り到着するために無理をしてしまう。

テントなどを持っていないと天候急変には対応が難しい」と話している。


◆コメント:山というのは想像以上に危険で、はっきり言うが、中高年からの本格的登山は止めておいた方が無難。

私自身は、数えるほどの登山経験しかないけれども、山の気象条件の変化の激しさには大変驚き、

強烈な印象として記憶に残っている。

今回の犠牲者は59歳から69歳で、1度に10人もの方が亡くなった。

中には、「今回が最後の本格的な登山」と言って参加した方もいたそうで、誠にお気の毒である。

年配の方が、文字通り「死ぬほどの寒さ」の中で衰弱していって、ついには亡くなったのである。

その時の苦痛と恐怖を想像すると、いたたまれない。

謹んで、ご冥福を祈る。


今日、業務上過失致死容疑で、北海道警はツアーを企画した旅行会社の捜査を始めたそうだ。

確かに経緯を読むと、悪天候にも関わらず予定通り登山の決行を決めたガイドにも、問題はありそうだ。


しかし。

死者に鞭打つわけではないが、敢えて書かせて頂く。

警察庁によると、昨年中の山岳遭難は1631件、1933人で記録が残る1961年以降の最悪となり、

死者・行方不明者も281人を数えて最多となった。遭難者の8割以上を40歳以上の中高年が占めている、という。

若い頃、山岳部などで鍛えられて山の怖さを知っている人でも、中年で登山して遭難する人もいる。

中高年から登山を始め、今まで運良く、何の問題にも遭わなかった人々は、特に夏山のすがすがしさに魅了されるだろう。

それは分かるが、山の怖さを本当に分かっている方が少ないのではないか、と推察する。

遭難は、本人ばかりでなく、二次災害の危険も伴う。


あくまで、私見であるが、北海道でなくても、50代、60代の方が2,000メートル級の山に登るのは、

率直に言って危険である。1,000メートル級の山ですら、遭難するときには、するのである。

年配の方に「登山するな」、とは言えないが、出来れば「ハイキング」程度に留めておくか、

あくまでも「本格的登山」を実行なさる方は、山の危険に関して、十分に勉強なさることをお薦めする。

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2009.07.17

【音楽】お約束通り、「カラヤン特集」です。

◆多すぎて、1日ではまとまりが付かなかったです。

今日はカラヤン没後20年です。1989年7月16日、ザルツブルクの自宅でカラヤンが亡くなってから、もう20年も経つのですね。

何を取りあげようか、考えたのですが、何しろ、子供の頃から35年ぐらい聴いているわけですから、あれも、これも、と

やりだすと、キリがない。切り捨てる方が難しいです。多分(明日続けて企画するかどうかは別として)今日一回じゃ、

満足出来ません(私が)。


◆非常に珍しい、カラヤンのヘンデル。

カラヤンというと、やはり「十八番(おはこ)」と思われているのは後期ロマン派。R・シュトラウスとかワーグナーではないでしょうか。

兎に角、大編成で、「ジャーン!」というイメージが(実際、後でそういうのも載せますけど)、カラヤンのバロック、古典(意外にもハイドンとか)は

とても良い。バッハは、以前、ブランデンブルクをお聴かせしましたし、結構演奏していますが、ヘンデルは本当に少ないのです。

「水上の音楽」はレコーディングしていますが、それ以外には、これからご紹介する合奏協奏曲集、ぐらいなのです。

ヘンデルの合奏協奏曲。ウィキペディアのヘンデルに説明がありますが、作品3の6曲と作品6の12曲

(1曲がそれぞれ、複数の楽章で構成されています)があるのです。

カラヤンは作品6の12曲全曲を録音していますが、これは、CD3枚組になって少々高い。

新品では、今はどこにも無いみたいですが、第1番~第4番まで録音したのがあるんです。

ヘンデル:合奏協奏曲第1番~第4番。これがヘンデルの合奏協奏曲入門用にちょうどいいかな、と思うのです。

その中から、本当は綺麗なので全部聴いて頂きたいぐらいなんですが、そうはいかないので、

絞りに絞って、2つの楽章だけ、お聴き頂きます。


ヘンデル:合奏協奏曲第1番 ト長調 第2楽章 アレグロ







実に、整然と清らかに美しいでしょ?ヘンデルはこの爽やかさが、たまりません。

もう一つは、このアルバムの最後、第4番イ短調の第4楽章、アレグロです。


ヘンデル:合奏協奏曲第4番 イ短調 第4楽章 アレグロ







CDで音だけだから、分かりませんけど、こういうのを演るとき、カラヤンは大抵チェンバロ弾き振りしてます。

非常に珍しい、カラヤンのヘンデルでした。


◆「モルダウ/カラヤン名曲コンサート 」より、「フィンランディア」「ハンガリー狂詩曲第2番」など。

あまりCDがあちこちに飛んでも買えませんから、カラヤンはこういうポピュラー名曲集無数に出していますが、

モルダウ/カラヤン名曲コンサート でいきます。いまだかつて、私が載せたことの無い曲を。

ポピュラー名曲は、大抵載せたようなつもりでいましたが、とんでもないですね。

まだまだ、いくらでもありました。特別な理由はないのですが、シベリウス、なんて、

私は、殆どご紹介したことが無いですね。シベリウスとくれば、「フィンランディア」。

最初重いですけど、4分過ぎぐらいから、トランペット、シンバルが派手に鳴ります。

途中、「フィンランディア讃歌」と後に名付けられた、美しい部分を経て、最後再び盛り上がります。


ジャン・シベリウス:交響詩「フィンランディア」







もう1曲。景気のいい音楽。先日、クライバーン・コンクールで優勝した辻井伸行氏が本選で弾いた、

リストの「ハンガリー狂詩曲第2番」は、リスト自身により、管弦楽曲に編曲されています。

演奏開始7分後ぐらいから、「血湧き肉躍る」クライマックスに突入します。ピアノ原曲も勿論素晴らしいけど、

管弦楽編曲版も良いですよ。


フランツ・リスト:ハンガリー狂詩曲第2番







生で聴くと、興奮で身がよじれます。オーケストラを聴く一つの典型的な醍醐味です。


◆最後は静かに、レスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア」「カヴァレリア・ルスティカーナ」

レスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア」はリュートという楽器の為の曲ではなく、オーケストラ曲です。

第一組曲から第三組曲まであります。数年前に第三組曲の「シチリアーナ」はテレビコマーシャルで使われたので、

お聴きになった方、多いと思います。なお、この曲も、モルダウ/カラヤン名曲コンサート に収録されています。


レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲から「シチリアーナ」






御存知でしょ?

さて、最後は、以前何度も載せた曲ですが、あまりにも美しいのでまた載せます。

アダージョ・カラヤン・ベストや、序曲・前奏曲・間奏曲集など、あちこちに収録されています。

あまりにも有名な、「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲です。


マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲






何百回聴いても美しい。夢のように美しい。この曲を聴くと、弦楽器群の表現力の圧倒的な大きさに

改めて気付かされます。この音楽の本当の美しさは、弦楽合奏(プラス、ハープ、オーボエ、場合によってはオルガンですが)

以外では、絶対に表現出来ません。


敢えて、「泰西名曲」を並べました。こういう泰西名曲を沢山レコーディングした、カラヤンのおかげで、

私は、オーケストラの楽しさを知ったのです。決してブルックナーでクラシックが好きになったのではない。

ポピュラー名曲でも全身全霊で表現してくれたカラヤンのおかげで、私はクラシック音楽が好きになりました。

名マエストロだったと思います。

実はね。まだ、新しい、CDがあるのです。近いうちに続きをやるかもしれませんが、今日ご紹介したCD、

特に、「フィンランディア」「ハンガリー狂詩曲第2番」のは、1000円ですから。週末に如何です?

それでは、失礼します。

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2009.07.16

「国民の命、置き去りに」=患者3団体、肝炎基本法廃案に抗議←立法府が法律を作らず、選挙に奔走している。

記事1:「国民の命、置き去りに」=患者3団体、肝炎基本法廃案に抗議(7月15日17時22分配信 時事通信)

B型、C型肝炎ウイルス感染者が求める医療費助成などを盛り込んだ肝炎対策基本法が、国会の事実上の閉会で廃案となることを受け、

患者らでつくる3団体が15日、厚生労働省で会見し、「政党間の争いで踏みつぶされた。国会は命より政局を優先するのか」などと抗議した。

薬害肝炎全国原告団の山口美智子代表は「肝炎患者は見殺しにされたも同然」と痛烈に批判。

B型肝炎訴訟の原告女性は「集めた30万人分の署名がむなしいものとなった」と肩を落とした。


記事2:「船舶検査法、任期中に成立を」 拉致被害者家族会と救う会が声明(7月15日12時22分配信 産経新聞)

衆院解散を控え、野党がすべての国会審議を拒否する中、北朝鮮船舶の貨物検査特別措置法案が

廃案となる可能性が高くなっていることについて、拉致被害者家族会と「救う会」は15日、任期中の成立を求める声明を発表した。

声明では、法案廃案により「拉致被害者救出のために、北朝鮮に毅然とした態度をとるべき我が国が、

国連による制裁に参加できないという、あってはならない事態になる」として任期中の成立を求めた。

また、各党に総選挙で拉致問題を重要な争点として取り上げるよう要請している。


◆記事3:<国会>公務員制度改革など廃案へ(7月15日0時25分配信 毎日新聞)

今国会では14日までに、政府提出法案のうち17本(前国会からの継続案件を含む)が成立していない。

参院で問責決議が可決され、野党が審議拒否に入るため、このまま衆院が解散されるとすべて廃案になる。

主な積み残し法案は、北朝鮮に出入りする船舶などへの貨物検査をするための特別措置法案

▽内閣人事局を新設する国家公務員制度改革関連法案

▽日雇い派遣の原則禁止を盛り込んだ労働者派遣法改正案--

など。

議員立法では、与党と民主党が修正で大筋合意した児童買春・児童ポルノ禁止法改正案の廃案が確実。

このほか

▽国政選挙の供託金を引き下げる公職選挙法改正案

▽政党が解散を決めた後に政党交付金を政治団体に寄付することを禁じる政党助成法改正案

▽企業・団体献金を禁止する民主党提出の政治資金規正法改正案--も廃案の見通しだ。

◆今国会で審議中の主な法案◆
<政府提出>

・貨物検査特別措置法案(14日に衆院通過)

・国家公務員制度改革関連法案(衆院で審議中)

<議員立法>

・児童買春・児童ポルノ禁止法改正案(衆院で審議中)

・公職選挙法改正案(9日に衆院通過)

・政党助成法改正案(9日に衆院通過)

・政治資金規正法改正案(衆院で審議中)


◆コメント:国会議員ってのは、法律を作るのが仕事じゃないのかい?

何度も引用するが、日本国憲法第41条。

国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

国会議員の仕事は国権の最高機関として法律を作ることが仕事であるのに、

麻生首相が7月21日解散、8月30日投票を決めた途端、法案などどうでも良いようだ。

5月27日の 衆議院、国家基本政策委員会合同審査会。つまり民主党が鳩山代表になってから初めての党首討論に於ける、

鳩山代表の発言を読むと、こうなっている。一応背景説明をしておくと、この直前、2009年5月25日午前9時54分頃、

北朝鮮の地下核実験が行われて、世界中が大騒ぎになっていた頃である。
○鳩山由紀夫君 麻生総理とこのような形で党首討論ができることを大変に幸せに感じております。

私にとりましては四人目の総理大臣でございますが、国民の皆様方が最も不満に思っていることとか、

あるいは一番気に掛かっていることとか、そういうことを国民の皆様方を代表して私の方からお尋ねをし、

また意見交換ができればと、そのように思っておりますので、有意義に是非意見交換をしたいと思います。

その意味では、基本的には内政問題を中心にお尋ねをしたいとは思っておりますが、

やはり最初は北朝鮮の核実験のことに関して申し上げなければなりません。

このことに関しては、私ども野党も与党もありません。

北朝鮮のあのような行為に対しては断固抗議をしなければならない、

その思いは同じでございます。したがいまして、協力を申し上げるべきところは大いに政府にも協力を申し上げたい、

その思いをまず申し伝えておきます。

ただ、ちょっと気になっておるのは、このような大きな出来事が発生をしたときに、いかに情報というものを入手をして、

そしてそれをコントロールするかということが大変重要なことだと思っております。

言うまでもありません、北朝鮮は日本には事前に通告はなかったわけでありますが、

アメリカや中国には通告があったと伺っております。その事前通告、アメリカから日本に対して

すぐに通告があったのかどうかということに関して、やや混乱をしているように思われてなりません。

中曽根外務大臣はそれはなかったと、外務省の幹部の方もなかったと、しかし一部の官僚の方からはあったと、

そんな話が伝わってまいります。

事実というものを是非国民の皆さんにお知らせを願いたいと。

こういった大変大きな出来事に対する情報の入手及びコントロールというものは大変この国の危機管理において大事なことだと、

そう思っておりますので、是非皆さん方に、国民の皆さんに事実をお伝えを願いたい。

ということである。
「北朝鮮の問題に関して与党も野党もない。北朝鮮のあのような行為に対しては断固抗議をしなければならない」

といっておきながら、都議選で大勝利を収め、さあ衆院解散総選挙だ、となったら、すっかり浮き足だって、

記事2
に書いてあるとおり、北朝鮮への制裁を決議するはずだった、船舶検査法の検査を

野党は審議拒否している。党首討論の言葉は何だったのだろう?

また、鳩山代表は、5月27日の党首討論で次の通り述べている。
私は、これは、つい先日ありました代表選挙のときに……私が申し上げたのは、友愛社会というものを建設をしたいということを申し上げました。

このことに関していろんな批判の声も聞こえてきます。でも、私は、これは非常にある意味で古いけれども極めて新しいテーマだと、

そのように思っているわけでございます。

今、この国に欠けているのは、社会におけるきずながずたずたに切れてしまっている、一人一人の皆さん方に居場所がない、

これは大変深刻な事態だと思います。私は愛という言葉を用いましたが、きずなのある居場所を一人一人が見出して、

みんなが役に立っているな、みんながそのことによって幸せを感じられる社会をつくりたい。

一言で言えば、人の幸せを自分の幸せと思えるような、そんな世の中にしたい、そのように思っておりますが、

少なくとも今の日本の政治はまるでそうなっていない。相手の幸せをねたんでみたり、

人のむしろ不幸というものを喜んでみたり、こういう世の中が結果として政治も悪くするし、社会も悪くしているんじゃないか。

なぜ、そのような現実が起きてしまったか、総理にお伺いを申し上げたい。

結構笑える。
人のむしろ不幸というものを喜んでみたり、こういう世の中が結果として政治も悪くするし、社会も悪くしているんじゃないか

自民党の大敗を大喜びしているのは、民主党ではないだろうか。

人の不幸を喜んでいる点においては民主党も実は同じである。だから、私は先日、

鳩山代表が言うような「友愛社会」の建設は永遠に不可能だ、と書いたのである。

まあ、冗談はこれぐらいにして、与党も野党も最早眼中には、次の選挙で勝つこと。

一人一人の代議士(衆議院議員)にとっては、国民の幸福どころではなく、自分がもう一度国会議員に選ばれ、

出来れば与党になって、美味しい思いをしたい、という私欲が先行している。

記事1で書かれている、肝炎基本法廃案は「友愛社会の実現」と矛盾しないのだろうか。

同法案に関しては、08年に全会一致で肝炎の総合対策を国会決議したにもかかわらず、今国会では、全然審議されなかった。

肝炎患者どころではなく、選挙のことで地に足が付いていない。これが「友愛社会」か。

要するに、与党も野党も、自分たちの利益を最優先に考えており、国民の幸福など二の次なのだろう。

今国会で審議されず、或いは審議途中で廃案になる法案は17法案あるそうだが、

これから、8月30日の投票日までに、与野党が、公約で、今国会で廃案になったことをどの程度覚えているか、

は、政治家の誠実さの一つの目安となるであろう。

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2009.07.15

「うつ病、血液検査で診断 白血球の遺伝子反応に着目」←万能ではないかも知れないが、大きな進歩だ。

◆記事:うつ病、血液検査で診断 白血球の遺伝子反応に着目(朝日新聞)(2009年7月11日19時52分)

血液検査でうつ病かどうかを診断する方法を、厚生労働省の研究班(主任研究者・大森哲郎徳島大教授)が開発した。

うつ病患者と健常者で白血球の遺伝子の反応が微妙に異なることを利用した。数年後の実用化を目指す。

問診と併せて、数値化できる簡便な診断法が使えれば、患者の見逃しが減ると期待される。

研究班は白血球の遺伝子がストレスで変化することに着目し、それをうつ病の診断に使えないか調べた。

約3万個の遺伝子の中から、神経伝達や免疫などに関連する24の遺伝子が、うつ病患者と健常者で異なる働き方をすることを突き止めた。

医師の面接によってうつ病と診断された17~76歳の患者46人と健常者122人を分析した結果、

うつ病患者の83%(38人)、健常者の92%(112人)で、特定の遺伝子が突き止めた通りに反応し、正しく判定できた。

治療薬による影響で遺伝子が反応する可能性を除くため、うつ病の患者はまだ治療していない人を対象にした。

研究班は今年から2年間、対象を増やして診断し、実用化できる精度か確かめる。

うつ病以外の精神科の病気と、はっきり見分けることができるかも調べる。実用化されれば、

患者から採った血液2.5ミリリットルを処理した液を、遺伝子チップという分析器具で反応させて診断できるという。

厚労省の調査で、うつ病など気分障害と診断された人は、05年で92万4千人。6年で倍以上に急増している。

うつ病は、医師が患者と面接し、症状から診断している。

しかし、うつ病と他の病気との境目があいまいな例も多く、専門医でも診断に迷うことが少なくないという。

大森教授は「血液検査による診断法が実用化されても、医師の面接による診断は必要だ。血液検査が実用化、普及すれば、

一般の医師が診察する際に、これまで見過ごされてきた患者を治療に結びつけることが期待できる」と話している。

国立精神・神経センターの樋口輝彦総長(気分障害薬理生理学)の話 

今回の診断法が高い確率でうつ病を見分けられることが明らかになれば、

診断の手法として有効な方法といえるのではないか。可能性は十分にあると思う。

今後、白血球の遺伝子の変化と、うつ病の原因とされる脳内の変化との関係がわかれば、うつ病の原因究明にもつながる。


◆コメント:精度を高めるためには、まだ時間がかかりそうだが、うつ病患者にとっては朗報である。

長引く不況と共にうつ病患者が増えていて、それ以前から日本では、10年連続自殺者が3万人を超えている。

自殺者の全てではないが、かなりの割合で、うつ病を発症していたが、適切な治療を受けていなかった人がいた、

と推定される。


私は10年来の遷延性・難治性うつ病患者だが、この病気の辛さは、病気がもたらす、憂鬱感、気力の無さ、不眠などの

症状そのものだけではない。多くの患者にとっての悩みは、

見た目が普通なので、病気を理解しようとしない人々には、「怠けている」「根性が足りない」と誤解される。

ことなのだ。

他の身体の病気(うつ病も脳という臓器の病気なのだが)のように、データ、客観的な情報として、「この人はうつ病である」ということが、

「証明」出来ないのである。

うつ病のみならず、現在、世界標準の精神疾患診断基準は、アメリカ精神医学界が編纂した、DSM-Ⅳ

(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders version4=精神疾患の分類と診断の手引第四版)に従っている。

しかし、これは、あくまでも一つの目安である。もしも、いちいちこの本を見ながら診断を下す精神科医がいたら、間違いなくヤブ

と思っていい。

現状、他の病気も含めると話が煩瑣になるので、話をうつ病に限るが、診断は、精神科医が患者と面談して受けた

「印象」と「臨床経験」に基づいている。

他の臓器の疾患であれば、心臓病なら、心電図、心エコーなどにより、診断が可能であるし、

肝機能・腎機能に異常がある場合も、血液検査から、その客観的な証拠を示すことが出来る。

しかし、精神科には、それに匹敵する、客観的な証拠が、はっきり言って存在しなかった。


このため、大きな声では言えないが、実は、医療従事者の間でも、精神科は、科学と文科系の中間とでもいおうか、

医師のさじ加減でどのような診断も出来てしまう、という点で他科に比べ、科学的客観性に欠けるため、偏見を持たれているようだ。

他科の医師は精神科のことを「P科(psychiatry:サイキアトリー。英語で「精神科」の意)」とか「プシコ(psychology=心理学)」

などとバカにしている。


しかし、転載した朝日新聞がの記事の内容が正確であるならば、今後「純科学的(医学的)に」うつ病診断が可能になる。

尤も、精神科の患者そのものに対する偏見が社会に存在する限り、それで、問題の全てが片付くわけではないが、

大きな進歩であることは論を待たない。


◆「エセうつ病患者」を減らす意味でも有効だろう。

元来うつ病というのは、1日中、何週間、何ヶ月、何年にも亘って、ずっと憂鬱なのである。

従来好きだったテレビも全然面白くないし、私の場合、長年好きだった読書が一時期、全く出来なくなった。

好きな音楽すら聴く気力が無い。何を見ても興味がなく、ただひたすら、ボーッとしているしかなかった。

精神運動抑制、あるいはアンヘドニア(anhedonia=無快感症、無気力症)という状態が長く続いた。

ところが、最近、非定型うつ病という妙な概念が提唱され始めた。

これは、会社にいるときには、憂鬱だが、仕事が終わって趣味など自分が好きなことをするときには、

元気になる、という。

今までは、うつ病を全く理解しようとしない人々に憤りを感じたが、このような「非定型うつ病」は私に言わせれば、

それこそ、「怠け」ではないかと思う。これをうつ病にしたら、ますます世間の誤解を招く、と懸念していた。

新しい、うつ病診断技術が、この「非定型うつ病」をどのように判定するか、分からないが、

少なくとも、従来の、「本当の」うつ病。毎日、1日中、何処か憂鬱感か不安感があり、それがずっと続く

うつ病の患者と全く同じ結果にはならないと思う。

なまじ、うつ病の情報をネットで簡単に調べることができることになったので、

ウツを装った怠け者、も実際には要るに違いない。しかし、新しい研究が

約3万個の遺伝子の中から、神経伝達や免疫などに関連する24の遺伝子が、

うつ病患者と健常者で異なる働き方をすることを突き止めた。

のであれば、似非(えせ)うつ病は、通用しなくなる。その点でも、有り難い。

血液検査によるうつ病診断法の一刻も早い実用化を期待したい。

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2009.07.13

【音楽】ラ・カンパネラ大特集。7人による演奏。最後が、フジ子・ヘミングさんです。

◆このブログで常に最もアクセスが多いのは「大きなお世話ですが、フジコ・ヘミングはヘタクソです」なのです。

私は、エンピツから数えたら2,300本、ココログだけでも1,600本以上の記事を書きました。

弊ブログは、本来時事問題を取りあげるブログであり、たまに音楽を紹介する、

というぐらいのつもりなのですが、365日必ずアクセスがあり、一番アクセス数が多いのは、

4年1ヶ月前に書いた、大きなお世話ですが、フジコ・ヘミングはヘタクソです。なのです。

ちょっと複雑な気分ですが、アクセスしていただけるのはありがたいことです。

何故これほど、アクセス数が多いのかというと、私の想像でしかありませんが、

「フジコ・ヘミングがヘタクソだ」と思っている方は多いけれども、これほど、一刀両断にブログに書いている方は少ないから、

のようです。書き込んでいただいたコメントの数も夥しい。

しかし、いくら私が文字で、フジ子・ヘミングはヘタクソです、と書いても納得しない人はしません。

実際の演奏を聞きくらべていただきましょう。


◆他のピアニストによる、ラ・カンパネラを集めました。まず、小山実稚恵さん。

まず、大きなお世話ですが、フジコ・ヘミングはヘタクソです。で模範演奏として、

音声だけアップしている小山実稚恵さん。

NHKのBS ハイビジョンで放送した番組の一部のようです。

字幕で、この曲の演奏における、技術的な難しさが説明されていますが、

これは、本当のところはピアノを弾く人で無ければ分からないと思いますが、

まあ、兎に角、観て、聴いて下さい。

小山実稚恵さんによるラ・カンパネラ。



小山実稚恵さんは、1982年、チャイコフスキー国際コンクール第3位、1985年、ショパン国際ピアノコンクール第4位、と

世界の2大コンクールの両方に入賞した初めての日本人ピアニストです(留学経験もないのに、です)。

小山さんのピアノは、繊細なピアニッシモから大胆なフォルティッシモまで、ダイナミックレンジがものすごく、

テクニックは完璧です。ffでも決して音が割れず、素晴らしい音質と、音楽性をお持ちです。


◆その他、名手の演奏を立て続けにお聴き下さい。まず、キーシン。

次は、海外の演奏家が続きます。

まず、エフゲニー・キーシンです。



Evgeny Kissin La Campanella





神童と呼ばれたキーシン。あまりにもはやくに才能を開花させた音楽家は、「20過ぎればタダのひと」

になってしまうことが多いですが、今でも活躍しています。


◆ユンディ・リー(2000年ショパンコンクール優勝)

次は、中国人ピアニスト、ユンディ・リー。2000年のショパンコンクールで、優勝しました。

因みにショパン・コンクールは5年に一度開催されるのですが、一位該当者無しということがあります。

1985年、スタニスラフ・ブーニンが1位を獲った後、1990年、1995年は「該当者なし」でした。

ユンディ・リーは、ブーニン以来、15年ぶりに、ショパン・コンクールで1位を獲得した、ということでも

評判になりました。


La Campanella by Yundi Li





やや、若気の至りで「テクニック誇示」の感がありますが、素晴らしいテクニックですね。


◆クライバーン・コンクールの辻井さん。

次は、先日載せたばかりですが、クライバーン・コンクールにおける、辻井伸行さんです。

辻井伸行さん演奏 La Campanella





何度も書きましたが無駄な力を出していないし、不必要に強い音も出していない。音質は常に美しく、

テクニックは完璧です。


◆音だけですが、20世紀の代表的名人のひとり、ルービンシュタイン。

故・岩城宏之さんが、海外で活動の場を拡げるにあたって、ずいぶん、この巨匠の世話になったようです。

ホロヴィッツと並び称されますが、全然違うタイプのピアニストです。


YouTubeですが、映像はなく、音声だけです。

Arthur Rubinstein plays "La campanella"





美しい演奏ですね。「ラ・カンパネラ」が単なる超絶技巧のデモンストレーションの曲ではなく、憂いをもって、

ロマンティックに鳴っています。流石は歴史に名を遺した巨匠です。


◆最近売り出し中の日本人とドイツ人のハーフ、Alice-Sara Ottの演奏。

私も今日初めて聴きましたが、上手い。辻井さんと同じぐらいの年代のピアニスト、

Alice-Sara Ott(アリス=紗良・オット)です。

既にドイツの老舗中の老舗、グラモフォンというレーベルから超絶技巧練習曲のCDを出していました



確かに上手い。幸い、YouTubeで見つけることが出来ました。


Alice Sara Ott - La Campanella





ただ者ではありませんね。リストだけではピアニストとしての総合的な才能は判定出来ませんが、

優れた技巧と音楽性を兼ね備えていることは、想像に難くありません。上手い人が出てくるのは嬉しいことです。


◆フジコ・ヘミング女史の「奇跡のラ・カンパネラ」

今までのピアニストの演奏と、果たしてどのような違いがあるでしょうか。


Ingrid Fujiko Hemming - La Campanella





ヘミング女史の前に6人の演奏を聴いていただきました。

最後の演奏が一番上手いと思う方は、あまりいないと思います。

しかし、世の中には下手な演奏が好きな方もいらっしゃいます。それはその方の自由です。


ただ、私は結論として強調しますが、「上手いか下手か」と問われたら、

フジ子・ヘミングはヘタクソです。

と答えます。それは4年前も今も同じです。これだけ比較してもまだ、分からない人がいたら、

はっきり言って、「お手上げ」です。手の施しようがありません。



今週は16日がカラヤンの命日なので、「カラヤン特集」も予定しています。

どうぞ、お楽しみに。

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2009.07.12

「都議選 民主躍進、第1党へ」←ふーん。で、何が変わるの?

◆記事:都議選 民主躍進、第1党へ(7月12日20時7分配信 産経新聞)

任期満了に伴う東京都議会議員選挙(定数127)が12日投開票され、民主党が躍進し、第1党となる公算が大きくなった。

今回の都議選では、自民、公明の「与党」が、過半数を維持できるか、民主党が自民党に代わって、都議会第1党となるかどうかが焦点。

都議選は、次期衆院選の前哨戦に位置づけられ、各政党が国政選挙並みの総力戦で臨んだ。


◆コメント:私は昨日書いた通り、棄権しました。民主党が都議会で第一党になったら何が変わるのでしょうか。

昨日書いたとおり、私は東京都議会議員選挙において、棄権しました。

どの政党も、候補者も支持するに値しない、と考えたらからです。


明日の朝刊各紙は、

【都議選】民主党大幅躍進(又は、過半数議席獲得)、首相進退問題へ発展か?

の大見出しを載せるでしょう。読む前から分かっている。

衆議院選挙も同じ結果になるでしょう。

民主党が勝って何がどう変わるのか、拝見したいですね。多分何も変わらないでしょうけど。

仮に自民党が勝利したとしても、勿論何も変わらない。いずれにしろ、最早どうしようもありません。

この国は。

こういう、ネガティブな、救いの無い文章を書くと、お叱りのメール・コメントを頂戴することがあります。
お前は、日本を良くしようと思わないのか!

早速、口汚く昨日のエントリーを罵倒している人がいました。
都議選投票は“積極的に”棄権と宣言する愚かなブロガーもいるし、田原総一朗は都議選投票日に仕切りの番組で自民翼賛の愚かさ

この人、昔から、たまに絡んで来るのですが、兎に角、口汚い。

働かないで株売買で食っている癖に偉そうなのです。

全然話題が違うけど、タミフルの異常行動に関して、私が大袈裟に騒ぎすぎだ、という記事を書いた時にも、

このkabumasaという人、滅茶苦茶、口汚く書いていました。反論するのは良いけど、言葉使いってものがあるでしょう。

こういう書き方をする人って、育ちが悪いのでしょうね。

以前、この人のブログは「株で儲けて温泉だ」というタイトルだったと思います。この「株で儲けて温泉」

という発想がこいつの教養の無さを端的に表しています。いい加減にしろ。この野郎!

さて、私も国を良くしようと思いましたし、実行しましたよ。言論(即ち、この日記・ブログ)を通じて。

最初にネット上に文章を書き始めたのは、2002年4月、ウェブ日記エンピツです。今までに、2,300本以上の記事を書いています。

2004年11月から、ココログにアカウントを開き、エンピツと同じ文章を載せ始めました。

政治に関してばかり書いているわけではありませんが、日本国の行く末を案じて書いた文章がかなりの数になります。


ここで、2002年4月から今までに書いた全ての記事の見出しをご覧頂けます



首相官邸や、麻生太郎氏を含む、政治家個人のサイト、与野党のサイトに

メールで意見具申したこともあります。

私は、出来ることはやりました。

お前は、日本を良くしようと思わないのか!

と、お怒りの方は、少なくとも私と同じ程度の努力をしてから、おっしゃって下さい。


さんざん、考えて、書いて、たどり着いた結論が、「この国は、もうダメだ。」ということなのです。

何もしないで、諦めたわけではありません。それは、ご理解頂きたい。


◆日本国憲法第22条第2項を知っていますか?

普通、知りませんよね。日本国憲法第22条第2項の文言は次の通り。

何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

日本人を辞めてしまおうかな、と考える今日この頃です。

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2009.07.11

明日は東京都議会議員選挙ですが、私は積極的に棄権します。

◆明日は東京都議会議員選挙ですが、私は、絶対投票には行きません。

今回は、新聞各社の調査で「必ず投票に行く」と答えた有権者が8割もいるらしいが、

今頃何言ってんだよ。

というのが私の心境。

私の中では、2005年9月11日の郵政民営化選挙で、日本は終わってます。



あの直前一ヶ月は日記、ブログで、必死に小泉政権の何が間違っているか、を訴えました。

記事の一覧性では、ウェブ日記エンピツの方がココログよりも優れているので、

2005年8月、9月(衆議院を小泉が解散したのが2005年8月8日。投票日が9月11日)の記事見出しをご覧頂きたい。

2005年8月

2005年9月

しかし、9月11日即日開票の結果翌朝には自公連立与党の絶対安定多数獲得、

すなわち、小泉大勝が明らかとなりました。


投開票日の翌日、私は小泉を大勝させた有権者の判断は間違っている、と書きました。
2005年09月12日(月) 自民党歴史的勝利←国民の歴史的かつ致命的判断ミスですな。ココログ

これに対しては、夥しい数の嫌がらせが来ました。「負け犬の遠吠え」とかね(笑)そりゃ口汚いものでした。

一方、自信を深めた、冷血動物小泉純一郎は、日本を弱者切り捨ての格差社会に変えることに注力しました。

多分、選挙直後、私に嫌がらせメール、コメントを送ってきた人も含まれているでしょう。今度は、日本人は、
弱者切り捨ての社会を創った元凶は小泉だ

などと言い始めました。 私にしてみれば、
だから、いわんこっちゃない!

と言いたかった。今も、そう思っています。

だから、今頃、明日は必ず選挙に行く、とか云われても、鼻白むんです。何をいまさら・・・。


もう一度書きますが、元来、性格が超悲観主義で、かつ、うつ病で、一層マイナス思考になっている私は、
日本は、あの時(2005年9月11日)、終わった。

と思っています。

麻生内閣があまりにも無能なので、他に選択肢がないから、明日の都議選でも、来るべき衆議院選挙でも、

多分、民主党が勝つでしょう。

しかし、民主党は一体、日本をどうしたいのか分からない。

最初の党首討論で、民主党の鳩山代表は、民主党が目指すのは「愛のある政治だ」と述べました。

何を小学校のホームルームか、「タカラヅカ」みたいなこと言ってんだよ。バカ。
日本を、他人の幸福を自分の幸福と、皆が思えるような国にしたい。

何を寝ぼけたことをいっているのでしょう。

他人の幸福は妬ましく、他人の不幸は蜜の味なのが、人間の本性です。鳩山代表が描く理想は永遠に実現しません。

こんな政党になにが出来るのか。最も優秀な国会議員だった岩國哲人さんは政界を引退するそうです。

民主党で、めざましい仕事をしているのは、社会保険庁の問題全てを暴いた長妻昭衆議院議員ぐらいのもの。

他の政党は問題になりません。支持できる候補者も政党も無いのに、無理に投票するのは、ウソの投票だと思います。

ですから、私は、明日の東京都議会議員選挙において、積極的に棄権します。

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村上春樹氏の話題作「1Q84」に曲名が登場する音楽を集めました(一部ですけど)。

◆村上春樹氏の小説って、よく分かんないんですが、「アンダーグラウンド」が強烈でした。

これは、世間でよく言われることではないか、と思うのだが、村上春樹氏の小説のファンは女性が多く、

男性は、よく分からない。「男性が」と普遍化してしまうと怒られそうなので、正確に書くならば、

少なくとも、「私が」よく分からないのである。かつて、「羊をめぐる冒険」を女性に勧められて読んだが、

正直に書くならば、「何のことだか、分からない」状態だった。

ずっと頭の上にクエスチョン・マークが3つぐらい点滅していたような感覚だった。


誤解していただきたくないのだが、私は、村上春樹悪く言うつもりは全くない。

小説は分からなかったが、地下鉄サリン事件の被害者をインタビュー(無論、依頼に応じてくれた人だけ)した、

「アンダーグラウンド」を読み、村上氏のお人柄に大変感心した。

ものすごく僭越な言いようだが、私は、勿論、村上春樹氏にお会いしたことはないが、

もし会ったら、気が合いそうな気がするのだ。


◆新作「1Q84」に曲名が出てくる、クラシック音楽を一部集めました。

村上春樹氏の新作、「1Q84」が、大変好評のようだが、私は読んでいないのです。

読んでいないが、CDショップからのメールに、「1Q84に使われている、クラシック」の一覧が載っていたので分かったのです。

一目見て、村上氏は相当音楽がお好きなことは明らかです。有名曲から、かなりマニアックなものまで様々です。

全部を集めたらとても今夜中に作業が終わらないので、小説に出てくる順番どおりではないと思いますが、

CDショップの情報を頼りに、小説中に出てくる音楽の一部を集めました。


まず、ヤナーチェクのシンフォニエッタ。これは、実演を見るとびっくりします。

ステージのオーケストラ以外に楽器を配置して、演奏させることがある。この「別働隊」を「バンダ」というのですが、

ヤナーチェクのシンフォニエッタの最初と最後にはトランペット12本とトロンボーンなどによる。大規模なバンダが、

例えばサントリーホールなら、二階の客席後方などにずらりと並んで、壮大に吹くのです。

映像があったらお見せしたいのですが、見つからないので、音だけ。

この曲のみならず、本日載せた音楽、いずれも音が大き目だと思います。お手元でボリュームを調整して下さい。

ヤナーチェク:シンフォニエッタより、冒頭のファンファーレ。







これは生だと、相当な音量です。ちょっとウルサイぐらい。

しかし、斬新な音楽です。


次は、バッハの平均律クラヴィーア曲集から二曲。バッハの平均律は第1巻と第2巻があって、それぞれ24曲ずつ。

つまり全部で48曲になるのですが、村上春樹氏は、1巻の一番最初の曲と2巻の一番終わりの曲を使っているとのこと。

まず第1巻の一番最初の曲。リヒテルの演奏でどうぞ。

J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番ハ長調BWV846 前奏曲とフーガ







始めの分散和音ばかりの所は、「グノーのアヴェマリア」の伴奏に使われています。


次は、一番終わりつまり第2巻の24番です。

J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻第24番ロ短調BWV893 前奏曲とフーガ







次はバッハの3大宗教曲のひとつ、「マタイ受難曲」。

J.S.バッハ:マタイ受難曲BWV244 ざんげと後悔の思いで







今日の最後。これは、イギリスの作曲家、ダウランド(1563 - 1626)という人の「ラクリメ」という1本のリュートと5本のヴィオラ・ダ・ガンバ

(両方とも、画像検索していただいくとどんな楽器か分かります)の為の合奏曲集です。1604年に刊行されてます。

まず、聴いて下さい。

ジョン・ダウランド(John Dowland, 1563 - 1626)「ラクリメ」より 「古いラクリメ」







これが一番驚きましたね。ダウランドの生涯は、1563-1626です。J.S.バッハが1685-1750です。バッハよりも100年以上も先に

生きていた人で、この時代の音楽は、クラシックもバロックも通り越して「古楽」とか言います。この領域まで通じているという人は

少ないと思います。しかし、古楽愛好家もいるわけで、この作品も勿論CDがあります。

Lachrimae: Dowland Consort, Lindberg です。



まだまだ、「1Q84」には、様々な曲が出てくるようですが、それはまた、改めて。

それでは、皆様、良い週末をお過ごし下さい。

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2009.07.10

「危険なカーブ放置問う JR西社長在宅起訴」←妥当性が認められない。

◆記事1:尼崎脱線事故、JR西社長を在宅起訴 神戸地検「対策怠る」(NIKKEI NET)(07:00)

107人が死亡した2005年4月のJR福知山線脱線事故で、神戸地検は8日、JR西日本の山崎正夫社長(66)を業務上過失致死傷罪で在宅起訴した。

安全対策の最高責任者の鉄道本部長(常務)時代、事故が起きる可能性を予見できたのに、

現場カーブに新型の自動列車停止装置(ATS)の設置を怠った過失があると判断した。

起訴を受け大阪市北区の本社で記者会見した山崎社長は「会社を円滑に運営するためには辞任すべきだと考えた」と辞意を表明。

後任人事については今後詰めるとした。

鉄道事故を巡って鉄道会社の当時の経営陣が起訴されるのも、現職社長が起訴されるのも極めて異例。

山崎社長はこれまで事故は予見できず過失はないと主張、会見でも「裁判所の判断を仰ぎたい」と述べ、

JR史上最悪の被害となった事故の刑事責任は裁判で争われることになる。


記事2:危険なカーブ放置問う JR西社長在宅起訴--JR福知山線脱線事故 (NIKKEI NET)(07:00)

乗客106人が犠牲になったJR福知山線脱線事故から4年余り。事故をめぐる捜査は8日、

異例の山崎正夫・JR西日本社長(66)の在宅起訴で一つの区切りを迎えた。

多くの人命を預かる公共交通機関ゆえに高い安全性が求められる中、危険を放置したとして

刑事責任を問われることになったトップ。遺族らからは1人だけの起訴に終わったことなどへの不満の声が目立った。

事故当時、自動列車停止装置(ATS)の設置義務はなく、

現場カーブでは脱線事故が起こるまで約60万本の電車が一度の事故もなく通過している。


「カーブ手前に新型ATSが整備されていれば事故は防げた」と指摘した国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(当時)も

「JR西が整備に緊急性があると認識するのは容易でなかった」とした。(注:色文字は引用者による)


◆コメント:事故発生直後の記憶。

この事件は大変良く覚えている。本件起訴とは直接関係ないが、あまりにも鮮明に覚えていることを記す。

日記・ブログでも、何度も取りあげたが、当初ブロガーの間では、マスコミのJR西日本に対する「吊し上げ」があまりにひどく、

JRへの非難よりも、むしろ、マスコミの態度の悪さに非難が集中したことを覚えている。

確かに、一度に106人もの生命が失われた大事故には違いないが、事故が起き直後に明らかだったのは、

平成17年4月25日午前9時18分ごろ、兵庫県尼崎市のJR福知山線塚口-尼崎間で、快速電車が脱線。

マンションに衝突し、乗客106人と運転士が死亡、562人が重軽傷を負った。

という、「事実」だけであり、その「原因」が何か。更にその原因が人的なものだとして、責任の所在はどこにあるのか、

などは、当然のことながら、事故調査委員会の報告を待つべきだった。

ところが、マスコミのJR西日本での態度の悪さは殆どヤクザ並で、最初からJR西日本の幹部を罪人扱いし、

中でも、あまりにも態度の悪いのが読売新聞大阪本社の記者だとわかり、読売新聞大阪社会部長名で謝罪文を掲載したほどだ。

日記に書いた。

2005年05月13日(金) 不適切発言でおわび…読売・大阪本社 ←本当に反省しとるんかい!! ココログ

また、この事故直後から、事故とは全く関係の無い、JR西日本職員が嫌がらせや暴行を受ける事件が多発した。

ひどい例では、他の路線の女性運転手が、一般人に蹴られて、線路に転落しそうになり、

その後、恐怖のあまり暫く電車の運転が出来なくなった、という事実も伝えられたのを覚えている。

これも、日記に書いた。

2005年05月10日(火) ◆JR西乗務員へ嫌がらせ120件 脱線事故後に相次ぐ 心理学的考察 ココログ


◆事故が起きるまで約60万本の電車が一度の事故もなく通過したカーブですよ?予見可能性あるの?

それはさておき、JR西日本の山崎正夫社長は、事故当時、安全対策の最高責任者の鉄道本部長で、

事故が起きる可能性が予見できたのに、事故現場のカーブにATSの設置を怠った、という理由で起訴された。

これ、少し、酷ではなかろうか。事故予見可能性があったというが、記事2に書いてあるとおり、

この事故が起きるまで、約60万本の列車が一度も事故を起こさずに通過しているのである。

これで、「事故を予見出来た」とするのは、やや強引な気がする。

そして、百歩譲って、事故予見可能であったとしても、ATSを設置していなかった責任が、当時の鉄道本部長1人の責任になるのであろうか?

ATSを設置するとしたらJR西日本でしょ?鉄道本部長がポケットマネーで、ATS工事費用を負担するわけでじゃないでしょ?

山崎氏1人だけ起訴という、法的措置は妥当なのだろうか?

この事故の最終報告書は平成19(2007)年6月28日に提出された、

「鉄道事故調査報告書」西日本旅客鉄道株式会社福知山線塚口駅~ 尼崎駅間列車脱線事故である。

PDFで275ページになる。全部を読むことは出来ないがATSの箇所を読んでみた。

3.10.1 同社における曲線速照機能のあるATS整備に関する解析

書類本文でいうと228ページ。PDFでは多分、239ページになると思う。

結論を要約すると次のようになる。

もし、このカーブにATSを付けていたら、事故は防げたかも知れない。けれども、以下、引用。
同社には曲線区間における速度超過による事故の危険性の認識があった可能性が考えられる。

しかし、2.20.2.1 に記述したように、同社が発足した昭和62年4月以降の曲線区間における速度超過による列車脱線事故等は

JR貨物函館線の下り勾配区間における2件の死傷者のない列車脱線事故のみであったことから、

安全推進部長が曲線区間における速度超過による脱線を具体的な危険要素とは認識していなかった旨口述している(2.13.8.4 参照)ように、

同社がその危険性を曲線速照機能の整備を急ぐことが必要な緊急性のあるものと認識することは必ずしも容易ではなかったものと考えられる。

つまり、カーブでの速度超過で事故が起きる可能性は一般論として、JR西日本は認識していたかもしれないが、

それまで同種の事故は2件しか起きておらず、死傷者も出ていなかったから、ただちにATSを設置する必要がある、

と認識することは難しかったであろう、というのだ。

しかも、当時国交省は、ATS設置を義務づけていなかった。文書では230ページ。PDFページでは、241ページ。
3.10.3 国の規制等に関する解析

2.20.2.1 に記述したように、国土交通省鉄道局は、昭和62年4月以降に発生したJR貨物の2件の曲線区間における列車脱線事故について、

同社に対しても、鉄道保安連絡会議において事故の概要、原因、対策等について情報提供するなどしたとしている。

しかし、2.13.8.8 に記述したように、国土交通省鉄道局は、ATSについて「付加的な機能については義務付けているものではない」

としており、曲線速照機能の整備を鉄道事業者に義務付けていなかった。

のである。


◆結論 当時の鉄道本部長だけを起訴することに妥当性は認められない。

新聞記事や、事故報告書を読んで、私なりに結論をまとめると次のようになる。


結果論としては、もし、現場カーブにATS(自動列車停止装置)を設置していたら、この事故は防げたかも知れない。

しかし、事故までに60万本もの列車が一度も事故を起こさずにこのカーブを通過していたこと。

それ以前に、他の鉄道路線で、カーブによる速度超過で脱線して死傷者が出た例が無かったこと。

鉄道会社の監督官庁である国土交通省の鉄道局も、ATSを「付加的な機能」と呼び、「(設置を)義務づけている物ではない」と明言していること。

に鑑み、山崎社長(事故当時鉄道本部長)だけの法的責任を問うべく起訴することに、妥当性は認められない。

以上。

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2009.07.08

「街角景気、6カ月連続改善=「下げ止まり」と判断-内閣府」←毎月書くけど、景気が好転しているわけではありません。

記事:街角景気、6カ月連続改善=「下げ止まり」と判断-内閣府(7月8日16時12分配信 時事通信)

内閣府は8日、6月の景気ウオッチャー調査を発表した。

3カ月前と比べた街角の景況感を示す現状判断DI(指数)は前月比5.5ポイント上昇の42.2と6カ月連続で改善した。

家計、企業、雇用関連すべてのDIが大幅に改善し、景気後退局面入りした2007年11月(38.8)を上回る水準に回復した。

総合判断は前月の「悪化に歯止めがかかりつつある」から「下げ止まっている」に5カ月連続で上方修正された。

家計動向関連は5.2ポイント改善し、42.4に上昇した。省エネ家電購入で付与されるエコポイント制度や

エコカー購入補助などの景気対策効果を指摘する小売店が目立った。

企業動向関連は受注や出荷の下げ止まりの動きが自動車関連以外にも広がり、5.8ポイント上昇の42.9となった。

雇用関連は7.6ポイント上昇の39.9。新規求人数などは依然として少ないが、

これ以上悪化するとの見方が減少したため、指数が改善した。


◆コメント:景気が好転しているのではなく、悪化のスピードが弱まった、ということ。

「街角景気」は俗称で、正式には内閣府の「景気ウォッチャー調査」である。

最近数ヶ月、この統計が発表される度に、同じ事を書く。

だから、読者の中には、

また、その話かよ。何度も言わなくても、分かった、分かった。

と、思っている方が、いらっしゃるかも知れない。しかし、それは、この記事を見たから思い出したのである。

こういことは繰り返し書かないと、人々の記憶に残らない。私が同じテーマを何度も繰り返し取りあげるのは、

そのためである。リマインダー(思い出させる物)としてお考え頂きたい。


メディアは「街角景気」という表現をよく使う。私どもは分かっているからいいが、

政府が正式に発表している統計としては、「景気ウォッチャー調査」である。

知らない人は「街角景気」=「景気ウォッチャー調査」であることが、分からないだろう。

正式の統計の名称を用いるべきだ。


さて、ここが内閣府のホームページである。そこから新着情報を見る。

すると、ありますね。景気ウォッチャー調査(平成21年6月)を開く。

まだ分からない。どうして役所のサイトというのは、奥の方まで、何度もリンクを辿らないと分からないようにしてあるのだろう。

経済統計である。公表資料であって、国家機密ではないのだから、もっと簡単に見られるようにして頂きたいものだ。


話がそれたが、このページの調査の結果 という文字があり、更にその下の、

統計表一覧(公表資料)のリンク先を見る。まだ分からない。

平成21年の「6月」を開くのである。それで初めて、

景気ウォッチャー調査(平成21年6月調査) 平成21年7月8日 にたどり着く。

しかし、見慣れない人は、ここまで来るだけでも大変だろう。

兎に角、次にいよいよ、数字を見ることができる。

調査結果(抜粋)(HTML形式)を見る。

そこで漸く、探していた数字を確認出来るのだ。

6月の現状判断DIは、前月比5.5ポイント上昇の42.2となり、6ヶ月連続で上昇した。

ウソではない。
1月 17.1

2月 19.4

3月 28.4

4月 34.2

5月 36.7

6月 42.2

しかし、私はここ数ヶ月、毎回書いているが、現状判断DIは50がニュートラルなのである。

50を下回っているということは、景気は変わらないまたは、悪くなっている、と考えている人の方が多いのである。

そして、内閣府自身、レポート上に書いている。
また、横ばいを示す50を27か月連続で下回った。

ね? つまり、まだ、景気は悪い。3ヶ月前と比べて、「変わらない」又は、「やや悪くなっている」「悪くなっている」と

考えている人の方が多い、という状態が2年3ヶ月続いているのだ。


白川日銀総裁などが繰り返しのべているが、昨年9月15日、リーマン・ブラザースが破綻してから、

かつて、世界中が経験したことがないほどの勢いで、世界景気は後退したが、その殆ど「フリー・フォール」(自由落下)

とも形容出来るほどの景気悪化のスピードは、やや弱まった、というだけのことである。


◆企業倒産件数過去最多。

政府は、やたらと景況感が「改善した」ことを、折に触れて強調したがるが、勿論選挙対策もあろう。

僭越だが、私がここで示したほど、「景気ウォッチャー調査」を詳しく点検する、一般国民はあまりいない。

景気ウォッチャー調査に関して言えば、街の人々の景況感が「相対的に」改善していること自体は、

「ウソ」ではないから、何とか、

「景気はよくなりつつありますよー。自民党の政策が効果があったんですよ」

という「印象」を有権者の頭の中に刷り込みたいのであろう。


だが、今日は、これも毎月一度、民間調査会社の東京商工リサーチと帝国データバンクが、前月(と今回は今年上半期)

の企業倒産件数を発表する。それに関する記事。
◆倒産、6年ぶり8000件超す=大型倒産で負債4兆円突破-09年上期--東京商工リサーチ(7月8日15時1分配信 時事通信)

東京商工リサーチが8日発表した2009年上半期(1~6月)の全国企業倒産状況(負債額1000万円以上)によると、

倒産件数は前年同期比8.2%増の8169件で、上半期としては03年以来6年ぶりに8000件を上回った

負債総額は47.3%増の4兆6853億円で、5年ぶりに4兆円を突破。商工ローンSFCGや日本綜合地所など、負債100億円を超える大型倒産の増加が目立った。

産業別では景気悪化で需要が急速に減退した製造業が30.5%増の1454件。

市況の悪化が続く不動産業も25.3%増の346件と大きく増えた。

一方、建設業は公共投資の増加もあり0.9%減の2100件となった。
上場企業の倒産は18件で、上半期では02年の22件に次ぐ高水準。東京商工リサーチは

「大企業は資金調達環境が改善しているが、中小企業はこれから正念場。倒産は緩やかな増勢局面に向かう可能性が強まっている」としている。

6月単月の倒産件数は帝国データバンクによれば、過去最多。
◆企業倒産件数が過去最多…6月 帝国データバンク(7月8日22時10分配信 レスポンス)

帝国データバンクが発表した6月の全国企業倒産集計によると、倒産件数は前年同月比21.5%増の1294件となり、

13か月連続で増加した。集計基準を変更した2005年4月以降、倒産件数は過去最多となった

資金繰り難に陥る業者が相次ぎ、建設業の倒産が372件と集計基準変更後で最多。

半導体や自動車関連など、大手メーカーの減産が影響し、製造業の倒産も大幅に増加した。

緊急保証制度の利用が進んでいるものの、中小・零細企業は厳しい資金繰りが続いている。

ご自分で確かめたい方の為にリンクを貼っておく。

【帝国データバンク】

全国企業倒産集計2009年6月報 | 帝国データバンク[TDB]

全国企業倒産集計2009年上半期報 | 帝国データバンク[TDB]



【東京商工リサーチ】

2009年(平成21年)6月度 全国企業倒産状況

2009年(平成21年)上半期(1-6月) 全国企業倒産状況



調査対象、調査方法が、帝国データバンクと東京商工リサーチでは、当然異なるから、倒産件数の絶対値は異なるが、

傾向が全く同一であることが、別の会社によって、示されている。

明日の新聞は、多分、
街角景気、6ヶ月連続改善

と、「大本営発表」をそのままつたえるだろうが、本稿で述べたとおり、それは、

「相対的な問題」であり、今なお、ニュートラルよりも景況感は悪いこと。

企業倒産が6月は過去最悪(帝国データバンク)であり、景気が回復しているのではないこと、

をわすれないで頂きたい。

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昨夜は更新出来ずに寝てしまいました。本日は必ず更新します。悪しからず。

◆更新する前に寝てしまいました。

昨日は、特に取りあげるべきニュースがないな、と思っているうちに、ウトウトと寝てしましました。

本日は必ず、更新いたします。失礼を致しました。

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2009.07.07

「フィギュア 浅田真央、フリー曲は『鐘』」←ラフマニノフで「鐘」というタイトルが付くのは2種類ありまして。

◆記事:フィギュア 浅田真央、フリー曲は「鐘」(6月26日10時17分配信 毎日新聞)

フィギュアスケート女子の浅田真央(中京大)は25日、拠点の一つとするモスクワ市内の運動施設で練習を公開するとともに、

来年2月のバンクーバー冬季五輪を控えた今季のプログラムについて、フリーの曲をロシア人音楽家ラフマニノフの前奏曲「鐘」

ショートプログラムは昨季にフリーの曲に使った「仮面舞踏会」を選んだことを明らかにした。(以下略。色文字は引用者による。)


◆コメント:ラフマニノフで「鐘」というタイトルが付くのはピアノ曲と管弦楽曲があります。

私は、原則的にスポーツに興味はなく、フィギュアスケートや浅田真央選手のファンでもない(ファンの方には申し訳ないけど)のですが、

音楽に関わることなので、気になりました。

この記事、ちょっと記述というか取材が不十分だと思います。

今季のプログラムについて、フリーの曲をロシア人音楽家ラフマニノフの前奏曲「鐘」、

ショートプログラムは昨季にフリーの曲に使った「仮面舞踏会」を選んだことを明らかにした。

ショートプログラムに使う「仮面舞踏会」は、皆さんよく御存知ですが、新聞記事としては正確さに欠ける。

この書き方だと、「仮面舞踏会」もラフマニノフの作品と勘違いする読者がいても不思議は無い。

昨シーズンの演技を生で、或いはテレビで見た人は、これはハチャトゥリアンの作品であることを知っているだろうが。

それにしても、「仮面舞踏会」は組曲で、浅田選手が使ったのはその第1曲、「ワルツ」なのだから、新聞は、
ショートプログラムは、ハチャトゥリアンの組曲「仮面舞踏会」よりワルツ

と書くべきである。

尤も記事からは、「ワルツ」を使うのか今ひとつ不明確である。「昨年フリーの曲に使った」と書かれているので、

多分、また「ワルツ」を使うのだろう、と推定出来るが、スポーツ記事と言えども新聞記事なのだから、正確を期するべきだ。


さて、本題はそちらではなく、フリーに使う曲が、
ラフマニノフの前奏曲「鐘」

とある。

これ、よく確かめたのだろうか?ラフマニノフの作品で「鐘」のタイトルが付く曲は私の知る限り、

二曲ある。ピアノ独奏曲と、管弦楽曲なのだが、「前奏曲 鐘」と言ったら、ピアノ曲である。

ところがこれは、卑属な書き方をするなら、大変、「暗い」「盛り上がらない」曲なのである。

いや、「盛り上がらない」、というと、語弊がある。

クライマックスの迫力はすごいのだが、あまりに重く、「華やかさ」に欠けると思われる。

兎に角聴いて下さい。


幻想小曲集 Op. 3 - 第2番 前奏曲 嬰ハ短調 「鐘」







オリンピックでメダルを狙う曲としては、ちょっと重すぎませんか?

しかし、ラフマニノフの前奏曲「鐘」と言ったら、これしかない。演奏時間は4分40秒で、

フィギュアスケートの女子フリー演技時間は、4分(+-10秒)という規定があり、その点では、近いけど。

何かちょっとヘンだな、と思った。


◆管弦楽曲で、詩曲「鐘」 という作品があります。こちらの間違いではないの?

ラフマニノフのもう一つの「鐘」は、声楽のソロと合唱が加わった管弦楽曲で、

詩曲「鐘」 Op. 35です。

これは、4つの曲からなる組曲ですが、フィギュアスケートに使えそうなのは、

全く私の推測だけれども第1曲の「アレグロ・マ・ノン・タント」でしょう。

これは演奏時間が6分を超えるので、いずれにせよ、カットしなければならないけれども、

他の3曲より使いやすいだろうと思います。お聴き下さい。






オリンピックで使うなら、こちらではないでしょうか?「前奏曲 鐘」は何かの間違いではないか、

と(確証はありませんが)思っています。


◆7月6日は、ピアニスト、ウラディーミル・アシュケナージの誕生日なので、久しぶりにモーツァルトの協奏曲23番をどうぞ。

日付が変わってしまいましたが、7月6日はピアニスト(兼指揮者)、ウラディーミル・アシュケナージ(1937~)の誕生日でした。

私がピアノの音に初めて耳を奪われたのは、彼が弾く、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番、イ長調、K.488を聴いた時です。

「ピアノってのは、これほど美しい音がするものか」と驚嘆したのを思い出します。

お聴き下さい。


モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番、イ長調、K.488より第1楽章です。


>



このCDは、モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番&第27番ですが、

同じCDに収録されている、モーツァルト最後のピアノ協奏曲、第27番の終楽章です。






私には、このような完璧な音楽の価値を表現する能力が有りませんので、余計なことは書かないで終わりたいと思います。

それでは。

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2009.07.06

体調が悪くて、どうしても大したことが書けません。/ミロスラフ・ケイマル氏のトランペット。

◆以前はこんなコト無かったのですけどね。

トシの所為でしょうか。気力が無くなってきました。

今日は、本当は衆院選の前哨戦と言われる、静岡県知事選挙の結果が未明には分かる、

とのことですから、それを見てから何か書くとか、来週に迫った東京都議会選挙に関して何か書くとか、

すべきなのでしょうが、何だか、どうでも良いのです。

どうも調子が悪いんです。


◆最早過去の話ですが、一つだけ書くなら・・・・。

東国原宮崎県知事に自民党が出馬要請し、東国原氏は、総裁候補になることを交換条件に出した、というのが、

全くの冗談ではなかった、と知った時の驚きです。

東国原知事は、きちんと職務を遂行しているか、というと、そう思えません。

宮崎県の経済成長率が特に著しく伸びたわけではない。他の都道府県と同様に不況にあえいでいます。

他県からの観光客は増えたけど、宮崎に泊まらず、鹿児島から来た観光客が宮崎を見物して、大分や熊本で泊まる。

宮崎の観光業は悲鳴を上げている。雇用者数も増えていない。

本気で財政改革をやろうとしたら、議会も県庁のヤクニンも大反対するだろうから、

あれほどチャラチャラ東京のクイズ番組に出ている筈は無い、と思うのだが、今でも彼はよく働いている知事だ、

と思っている日本人がいるらしく、驚く。


日本人が何でも直ぐに忘れてしまうのは、良く知られていることだが、東国原知事は、

「フライデー編集部襲撃事件」時の「たけし軍団」の筆頭格で、現行犯逮捕、書類送検され(結果は不起訴だったが)、

性風俗店での未成年淫行疑惑では、「未成年とは知らなかった」と見え透いたウソをつき、警察で事情聴取を受け、

後輩芸人への暴行事件では、頭部を蹴り上げ全治1年の重症を負わせ、略式起訴で罰金刑に処せられている。


過去の事とはいえ、若気の至りでは済まない。


仮定上の話として、東国原が内閣総理大臣になったら、海外のメディアは、

「日本人は過去に未成年との淫行疑惑で警察の取り調べを受け、暴行事件を起こした人間を国政の最高責任者に選んだ」

と書くだろう。言い訳のしようがない。事実なのだから。

国辱以外の何ものでもない。

自民党も日本人もそれぐらいのことが分からなくなってしまったのか、と思い、全身の力が脱けていくような

絶望感を味わった。

それぐらいですかね。書くことがあるとすれば。


◆チェコ・フィル元主席トランペット奏者、ミロスラフ・ケイマル氏の美しい音。

約2年前に初めてご紹介してから、何度も載せています。

GLORIA-トランペット名曲集です。

このアルバムのすごいところは、全て、テンポの遅い、たっぷりと歌うような曲、或いは楽章だけ、で構成されていることです。

適度な速さの音楽が、演奏は一番易しい。ラルゴ、アダージョ、レント、アンダンテなど、テンポの遅い音楽は、

素早いフィンガリング(指使い)や、派手なテクニックはありませんが、演奏者の音楽性がモロに出ます。

「遅い」わけですから、誤魔化しようがない。

そういう曲だけで、1枚のアルバムを、トランペット(や、同属楽器のフリューゲル・ホーンなど)で録れるのは、

かなりの英断だと思います。


その中から、最も分かり易い3曲。


ヘンデル:「オンブラ・マイ・フ」





これは、弊ブログを読んで下さっているプロのクラリネット奏者、Nべさんから言われて気が付きました(恥ずかしながら)が、

フリューゲルホーンという、元々トランペットよりも柔らかい音がする楽器で演奏しているものと思われます(アルバムのライナーノーツには

何も記述がありません)が、あの一番高い音、何の緊張感、耳障りな音色、鋭角的な音色が無いでしょ?

あの境地に至るだけで、大変なことだと思います。そして、お聴き頂くと分かるように、

繰り返し書きますが、テンポが遅いですよね?ひとつでも音がひっくり返ったら、一瞬でバレますよね?

ものすごく速い16分音符を吹いていて、1つの音を半音間違えても、多分、素人の我々は気が付きませんが、

この曲で一箇所でも間違えよう物なら、「何、やってんの?」といわれるのが、プロです。だから、難しいのです。


2曲目。マルティーニという作曲家の、「愛の喜び」。これも同じ難しさです。






金管楽器はビブラートをかけるものではない、と頑なに言い張る人がいますが、それほど杓子定規に規定することはない。

ケイマルの、緩やかなビブラートは、明らかに、音を、音楽をより一層美しくしていると思います。


最後。元来、J.S.バッハのチェンバロ協奏曲ヘ短調、BWV1056の第2楽章「ラルゴ」なのですが、あまりにも美しいので、

色々な楽器や演奏形態で、演奏されます。通称、「バッハのアリオーソ」。






これは、多分、トランペットで吹いていますが、やはり高音域が伸びやかで、刺激的になりません。厳かでありながら、

輝かしい。素晴らしい。大変音楽的な演奏だと思います。ミロスラフ・ケイマル氏、間違いなく名人です。

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2009.07.05

【音楽】辻井伸行氏のピアノ演奏(続)

◆1日では、収まらないので、続きを載せます。

最初にニュース記事を一本。昨日のニュース。

◆記事:<文化庁長官表彰>全盲のピアニスト、辻井伸行さんに決まる(7月3日22時59分配信 毎日新聞)

米国のバン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した全盲のピアニスト、辻井伸行さん(20)が、

文化庁長官表彰(国際芸術部門)を受けることが3日、決まった。表彰式は6日。

国際芸術部門の長官表彰は、各分野で国際的に活躍し、特に顕著な成果を上げた個人を表彰する制度として07年度に創設された。

アカデミー賞で「おくりびと」が外国語映画賞に選ばれた滝田洋二郎監督と、「つみきのいえ」が短編アニメーション賞に選ばれた加藤久仁生監督に続いて6人目。

辻井伸行さんに文化庁長官の国際芸術部門表彰が辻井さんに贈られたことに関しては素直にお祝いを申し上げたい。

ただ、不満が二つある。

一つ目。これを伝える新聞記事の見出し。
<文化庁長官表彰>全盲のピアニスト、辻井伸行さんに決まる

「全盲の」は余計である。演奏家はその演奏のみにより評価されるべきである。全盲であろうが、視力があろうが、関係ない。

こういう見出しは、辻井さんに対して却って失礼である。

二つ目。記事によれば、文化庁長官の国際芸術部門表彰は
各分野で国際的に活躍し、特に顕著な成果を上げた個人を表彰する制度

だそうだ。ならば、何故、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、第1コンサートマスターを25年続けてドイツ政府から勲章を授与された

安永徹氏は表彰されないのか。

お分かり頂けると思うが誤解を避けるため、念のため記すが、私は辻井さんを表彰するべきではない、と主張しているのでは、ない。
どうして、安永さんも表彰されないのだ?

と、声を大にして訴えたい(首相官邸ホームページにメールまで送った身としては尚更。)

首相へのメール「麻生太郎内閣総理大臣。世界一のオーケストラのコンサートマスターを25年務めた日本人がいることを御存知ですか。」



この件に関しては、今日は辻井伸行さんのピアノ演奏のコンクール優勝というよりも、そのピアノ演奏の妙技をご紹介するのが目的だから、

これ以上書かない。


さて、昨日の日記ブログで辻井さんの演奏を2本載せたが、まだ、十分に書きたいことが

書けていないので、今日も引き続き、その話を書く。


◆7月2日NHK「クローズアップ現代」を見て明らかになったこと。

本当は番組を丸ごとここにアップしたいぐらいだが、法的にも技術的にも問題があるので、

番組をみていて、思わずウーム、と唸ったことを音楽と映像を交えて、記す。


番組冒頭、辻井さんがショパンのエチュード(24の練習曲集)から作品10-4という難しい(全部難しいのだが)

曲を弾いたので、それを聴いて頂く。これは、右手と左手が交互に速い音型を弾くのである。


ショパン:12の練習曲集 作品10より 第4番 嬰ハ短調






私の年代はショパンのエチュードの決定盤といえば、ポリーニかアシュケナージと思っている。

1946年生まれ(辻井君の42年前)のポリーニが1972年、ドイツ・グラモフォンから発表した、ショパンのエチュード

世間をアッといわせた。それを聴いて頂こう。ただ、念頭に置いて頂きたいのは、辻井君はNHKのスタジオでの殆どブッツケ。

ポリーニの演奏はレコーディングスタジオで録音されたものだ、ということ、である。

ポリーニによる。エチュード10-4。






辻井君の演奏は普通のテレビスタジオで演奏されたものである。残響も少ないし、編集にも限度がある。

私は辻井君が弾くショパンのエチュードは、ポリーニに優るとも劣らない、と考えている。


◆クライバーン・コンクールの審査員の1人は審査メモを取るのを忘れるほど、辻井君の演奏に耳を奪われた。

「クローズアップ現代」のナレーションから。私が文字に起こしたもの。

クライバーン・コンクール審査員の1人、リチャード・ダイアーさん。

実際にコンクールで使った審査員の公式ノートを見せて貰いました。

審査員は1人の演奏者につき1ページずつ批評を書き込み、点数を付けるのがルールです。

20090704closeup00
しかし、辻井さんのページには、曲名以外、何も書かれていませんでした。

20090704closeup01
(注:ダイアーさんのコメント)
「彼の演奏が始まると、私は思わずノートを閉じてしまいました。手を膝に乗せ、すっかり聴き入ってしまったのです。

若いピアニストは、極端に音を大きくしたり、速く弾こうとする傾向があります。

しかし彼(辻井さん)は全くそんなことはしなかった。左手で安定した音を出しながら、

右手では歌うような演奏ができる。世界でも数少ないピアニストです。


辻井さんが小学生の頃、曲を覚えるために使ったテープです。

20090704closeup02
20090704closeup03
左手で弾く音と、右手で弾く音を別々に聴いて覚えていました。

辻井さんを6歳の時から12年間指導した川上昌裕さんです。辻井さんの為に、右手と左手、別々にテープに吹き込んだ曲は100を超えます。

川上昌裕さんのコメント。






聴いて覚えるというが、彼が弾いている曲の複雑さはとてつもないもので、視力のある人間が目で楽譜を読んでも、

始めのうちは、「譜読み」で、大変時間を取られる。彼は、左右に分けたとはいえ、ベートーヴェンや、ショパンや、リストを

聴いて、全ての音を聞き取って、記憶して、自分の中で消化して、自らの表現を創り出している。

その大変さは、恐らく、我々の想像の及ぶところではない。


ショパンのエチュードや、リストなど、ヴィルティオーゾ系の曲は演奏効果が派手で、

聴衆はつい、演奏者のテクニックに関心が集中し、音楽そのものから乖離してしまうことがある。

そこで、クライバーン・コンクールで辻井伸行氏が弾いた、

ベートーヴェンのピアノソナタ第23番「熱情」をお聴き頂く。

ピアニッシモから、すごいフォルティッシモまでダイナミックレンジが広いので、

ボリュームは適宜調整して下さい。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 「熱情」 Op. 57 第一楽章。







彼が、テクニック(メカニック)だけではなく、深い音楽性を兼ね備えていることが分かる。


◆最後は、華麗なテクニックと音楽性。YouTubeから、リスト:ハンガリー狂詩曲第2番

最後は、クライバーン・コンクールでも、クローズアップ現代で取りあげていたドイツでの小さなホールでのリサイタルでも

聴衆を熱狂させた、「ハンガリー狂詩曲第2番」を見て、聴いて頂きましょう。


リスト:ハンガリア狂詩曲 第2番(於:クライバーン・コンクール)







昨日の「ラ・カンパネラ」でも書いたけど、本当に無駄な力が入っていないし、身体のどこかが硬くなっていると言うことがない。

このため、速いパッセージでも(勿論、練習したからだが)、指が自由に動くし、相当に強い音を出すときでも、鍵盤を叩きつける、

というような動きが全くない。

如何なるフォルティッシモにおいても、その音を出すのに必要最小限の力だけを用いている。だから、音が割れたり、濁らない。

名人である。が、ご本人は勿論「これで、もう完璧」などと思うわけもなく、勉強しなければならないことがまだまだ山ほどある、と言っている。

一層の活躍を期待したい。

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2009.07.04

【音楽】辻井伸行氏のピアノ演奏。

◆7月2日、NHK「クローズアップ現代」で辻井さんを取りあげていました。

辻井伸行氏が、ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝してから、3週間が過ぎた。

優勝直後に記事を書かなかったのは、何だか、DVDが跳ぶように売れた、とか、例によって日本人が、

よく分からないのに、盛り上がっていたからである。

そういう時に演奏評を書いても冷静に読んで頂けない。


7月2日のNHK「クローズアップ現代」でコンクール優勝後の辻井氏の活動を記録していた。

この様子はNHKオン・デマンドで見ることが出来る。

これを利用するには、まず、無料会員登録をして、ログインIDとパスワードを取得する。

そして、辻井氏の「クローズアップ現代」は、

心癒やす“至福”の旋律~ピアニスト・辻井伸行で個別に24時間210円で、

ストリーミング配信を購入するのである。ダウンロードは出来ない。


◆ドイツ・ドルトムントのあまり有名ではない音楽祭で、彼は弾いた。始め、聴衆は冷ややかであった。

ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールに限らず、凡そコンクールで優勝するのは、

原則的にただ1人なのであるから(非常に例外的に1位が2人というケースがあったが)大変な快挙である。

だが、これは意地の悪いことを述べるのではなく、本当のことなので、敢えて書くが、

コンクールで1回優勝したぐらいで、世界での評価が固まるわけでも、輝かしい将来が約束された訳でも、全く、無い。

私は、以前から何度も書いているが、コンクールは、「瞬間最大風速」のようなものであり、

その日、その時、その場所で、弾いた参加者の中で、誰が一番上手かったか、によってのみ順位が決まる。

従って、(現実にはそういうことはないが)翌日、もう一回本選を実施したら、全く違う順位になる可能性は十分にあるのだ。


それでも、曲がりなりにも辻井君には「ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール優勝者」というタイトルが付く。

これは、世界各地に名前が知られるという点、つまり「読んで貰えるチャンスが増える」という意味では有利であるが、

同時に「コンクール優勝者なのだから、上手くて当然」という、聴衆の期待が、心理的負担となる。


更に、ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールというのは、ピアノに疎い私は初めて知ったぐらいで、

ショパン・コンクールやチャイコフスキー・コンクールほど「格が高い」コンクールではない。

書こうかどうしようか迷ったが、はっきり言ってヨーロッパ人はアメリカ人をバカにしている。

だから、アメリカのコンクールで優勝したからといって、無条件で好意的に迎えてくれる訳ではない。


「クローズアップ現代」では、コンクール後、辻井氏がドイツのドルトムントで開かれた、特別に有名ではない

「音楽祭」に招待され、リサイタルを開いた様子が、記録されていた。

ヨーロッパ人は、クライバーン・コンクールなど、全然知らず、辻井君のリサイタルのチケットは、

この音楽祭に招かれた全てのピアニストの中で、最も安かった。


◆「あまり期待していない」「つまらない演奏だったら途中で買える」といていた客がスタンディング・オベーション。

NHKが開演前に、来場した客の様子を探るべきインタビューしたら、

「今日、急に来られなくなった友だちからチケットを貰ったの。期待していないわ」

とか、
「つまらない演奏だったら、途中で帰るわ」

と、冷ややかな雰囲気である。ホールも狭い。

辻井君としては、珍しく、聴衆の冷ややかな、堅い空気を感じ取り、暫く弾くことが出来なかった。

漸く、ショパンのエチュード、作品10-1を弾き始めた。

NHKの映像は載せられないが、彼は今20歳だが、15歳の頃、ニュース・ステーションで同じ曲を生演奏したときの映像


Nobuyuki Tsujii plays chopin etude OP10-1





全ての音がクリアで、手、手首、腕、肩は勿論、全身のどこにも余計な力が加わっていないため、

めまぐるしい音の動きだが音色の美しさが、際だっている。15歳でテクニックは出来上がっていたのである。

最初は渋い顔だったドイツの聴衆も、直ぐに非凡な才能を理解した。

全てのプログラムとアンコールを弾き終わっても拍手が止まらない。

辻井君は、その場でリストのハンガリー狂詩曲第2番を弾くことを決め、華麗に弾き終えた。

ドイツの聴衆はスタンディング・オベーションで、彼を讃えた。


◆コンクール本選でベートーヴェンのピアノ・ソナタ「熱情を弾いているが、それは明日更新します。

流石に疲れてきた。

ハンガリー狂詩曲第2番はまたの機会として、ここは、あんまり録音が良くないが、

ラ・カンパネラをお聴き頂きましょう。こういうのが「ラ・カンパネラ」です。

La Campanella



フォルティッシモでも手や腕が不必要に大きく動いていない。

つまり鍵盤を「ブッ叩いて」大きな音をだすのではなく、その音を出すのに必要最小限の力のみを

加えており、打鍵の後に素早く力を抜いているのであろう。

こういう、ヴィルティオーゾ系の技巧曲ばかりでは、音楽性よりも、技巧に目と耳を奪われがちになるが、

クライバーンコンクールで、辻井氏は、ベートーヴェンの「熱情」を弾いていて、これが大変見事である。

一旦寝ますが、今日、後ほど更新させて頂きます。

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2009.07.03

「6月の米失業率、9.5%に悪化 雇用者減、予想上回る46万7000人」当たり前。/【音楽】イエペス「禁じられた遊び」

◆記事:6月の米失業率、9.5%に悪化 雇用者減、予想上回る46万7000人(NIKKEI NET)(7月2日 21:36)

米労働省が2日発表した6月の雇用統計(季節調整済み)によると、失業率(軍人を除く)は

前月より0.1ポイント悪化し9.5%となった。一方、非農業部門の雇用者数は前月から46万7000人減った。

雇用者数減は5月(32万2000人、改定値)を上回り、市場予想の平均(36万5000人)よりも悪かった。

戦後最悪のペースで悪化してきた雇用情勢は底入れの兆しがまだ見えない状況だ。


◆コメント:GM、クライスラーが潰れて、下請けが皆潰れるのだから、まだまだ悪化するだろう。

世界景気は多分5年ぐらい回復しないね。

「最近、景気の話が多いが、もう分かったから、他の話題を書け」

というメールを頂戴したが、このブログを読むのは、無料である。

おカネを頂戴して、執筆している原稿ではないので、私の書きたいことを書かせていただく。


米国の雇用統計は世界中の為替、金利、債券、株式など、あらゆるマーケットのディーラー及びエコノミストらが、

毎月世界で最も注目する経済指標である。

通常は毎月第一金曜日のアメリカ東部時間午前8時30分に発表される。

アメリカが現在のように夏時間の時には、日本は13時間進んでいるので、日本時間では21時30分である。

今日は木曜日なのに何故発表されたかというと、明日は米国が休みだからである。

7月4日がアメリカの独立記念日だが、土曜日になる。

日本だったら祝日が土曜日だと、振替休日にならないが、アメリカは土曜日は日曜と同じ扱いで「休みの日」だから、

それに重なるので、明日が「振替休日」になる。



余談だが、日本ならば、振替休日は月曜にするだろうが、アメリカは振替休日を手前の木曜日にすることに、今回初めて気が付いた。

この差はどこから出るのだろう。



それはさておき、失業率が9.5%は先月の9.4%よりも0.1%ながら悪化している。

そして、失業率よりも注目度が高い、「非農業部門就業者数」(農業部門の就業者数は景気動向の影響が小さいので、除外される)、

は前月比マイナス46万7千人。予想より悪い。しかし、まだまだ、である。

GMとクライスラーが潰れた。下請けの部品会社も皆潰れる。本格的に米国の雇用環境が悪化するのはこれからだ。


ホワイトハウスが1週間以上も前に、「失業率が10%を超えるのは時間の問題だ」といっている。
◆記事:<米失業率>「数カ月以内に10%に」大統領報道官見通し(6月23日10時21分配信 毎日新聞)

ホワイトハウスのギブス米大統領報道官は22日の記者会見で、米国内の雇用情勢について

「今後、数カ月以内に失業率が10%に達するだろう」との見通しを明らかにした。

今年春以降、経済指標の一部に下げ止まりの兆候が出ており、「3カ月前と比較して、米国経済は明らかによくなっている」

(サマーズ米国家経済会議委員長)と米景気の底打ちを示唆する発言もあるが、ギブス報道官は改めて雇用情勢の厳しさを強調した。

ホワイトハウスのサイトで確かめてみましょうか?

The White Houseのサイトで、左上にThe Briefing Roomへのリンクがある。

さらに、毎日新聞の記事に、「ギブズ報道官の記者会見」と書かれているから、Press Briefingsを見る。

「22日の記者会見」だから、June 22, 2009 PRESS BRIEFING BY PRESS SECRETARY ROBERT GIBBSを開く。記者会見の質疑応答が載っている。

冒頭から真面目に読んでもいいが、手っ取り早く該当発言を見つけたいときは、このページを"10 percent"で検索する。

あった。かなり下の方だが、MR. GIBBS(ギブズ報道官)への質問と答弁。
Q.As you know, job losses are outstripping the jobs being created by the stimulus, and we expect to see unemployment at 10 percent or higher in 2010. But --

MR. GIBBS: Well, I think -- let me be clear. I think the President has said this, and I would certainly say this -- I think you're likely to see unemployment at 10 percent within the next couple of months.

ギブズ報道官も、オバマ大統領も、ヤケクソになっているわけではないが、

景気動向を冷静客観的に観察すると、どう考えても数ヶ月のうちに失業率は10パーセントを超えるだろう、

といっていて、その通りになりつつあるのだから、今日の9.5パーセントは、決して「好ましい」事態ではないが、

当然予想されたことで、来月、再来月とアメリカの雇用情勢は悪化し、それは世界に悪影響を与え続けるだろう。


◆【音楽・映像】ナルシソ・イエペスによる。「ロマンス」(禁じられた遊び)

特に理由はありません、聴きたくなっただけです。


Narciso Yepes (Romance Anonimo)





これは、やはりギターだから、いいのですね。撥弦楽器(弦をはじく楽器)でしょ?

ひとつ、ひとつの音が、ポッと現れては、はかなく消えて行く。



ヴァイオリンなどの弓で弾く楽器(擦弦楽器)や管楽器で、この曲をテヌート(音符の長さ一杯に弾く)で演奏したら、

こういう「はかなさ」は出ないでしょうね。

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2009.07.02

あまりに疲れたので更新をサボりますが、きれいな音楽を載せます。

◆どうも、梅雨どきは調子が悪くて。

過去の日記を読んで、驚いたのですが、6月から7月の梅雨の時期は例年、体調が悪くなりがちのようです。

(はっきり書くと私は遷延性うつ病患者なので、抑うつ状態になりやすいということです)。

毎年必ず、というわけではありませんが、去年は6月に、「しばらく日記の更新を休ませていただきます」なんて書いているし、

その前も、私事の愚痴を延々と書いたりしているのは、この時期が多いのです。


今年は抑うつ状態は大分改善されてきたのですが、今日に限っては、何故か非常に疲れておりまして、

日銀短観という大事な「イベント」があったのですが、昨日も景気の話を書いたばかりです。

他に天下国家を論ずる気になりません。

というわけで、更新をサボらせていただきます。が、美しい音楽を載せます(以前、ご紹介したものですが)。


◆ソプラノ・サックスによる、チマローザ:オーボエ協奏曲より。

偶然なんですが、昨年6月「暫く、日記を休みます」などとかいて、結局2日間ぐらい休んでまた書き始めたことがあったのですが、

その「休みます」の時に、この音楽をご紹介しています。


既に故人ですが、カナダのクラシック・サクソフォーン奏者でポール・ブロディ(Paul Brodie)(1934-2007)という人の演奏です。

彼が、18世紀のイタリアの作曲家、チマローザ(ドメニコ・チマローザ:Domenico Cimarosa)(1749-1801)が書いたオーボエ協奏曲を、

ソプラノ・サックスで演奏した録音があります。伴奏はオーケストラではなく、ハープなのですが、これがまた良く合ってまして、

原曲のオーボエによる演奏よりも美しいのではないか、と思えるほどです。その第一楽章、第三楽章をお聴きいただきます。

チマローザ作曲、オーボエ協奏曲より、第一楽章、ラルゲット。






きれいでしょ?

第三楽章はシチリアーノなんですが、これがまた、切ないのです。






何とも、どうしようもなく美しい。

これは、CDを入手しようとすると至難の業なのです。演奏している、ポール・ブロディという人が自分で立ち上げた超マイナー・レーベルに

しか、無いものですから、アメリカやカナダのAmazonを探しても無いのです。

アメリカのクラシック音楽ダウンロード販売サイト、ClassicsOnlineでやっと見つけました。

BRODIE, Paul / GOODMAN, Erica: Soprano Saxophone and Harpです。

カードがあれば、ダウンロード購入できますが、面倒ですが、まずRegister(会員登録)しないとダメなんです。

その上で、Paul Brodieで検索すれば、すぐに上のアルバムが見つかりますから、1トラック毎に買うことも、アルバム毎買うこともできます。

因みにアルバムごと全部買っても10ドル(1,000円弱)です。

と言うわけで、今日は、この辺で失礼を致します。

それでは。

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