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2009.08.16

麻生首相式辞 戦没者追悼式「本日ここに我が国は不戦の誓いを新たにし」←自民党新憲法草案では第9条第2項が削除されているが。

◆記事1:<終戦記念日>麻生首相式辞 戦没者追悼式(8月15日12時39分配信 毎日新聞)

麻生太郎首相の式辞(全文)は次の通り。

天皇皇后両陛下の御臨席をかたじけなくし、戦没者の御遺族及び各界代表多数の御列席を得て、全国戦没者追悼式をここに挙行いたします。

先の大戦では、300万余の方々が、祖国を思い、愛する家族を案じつつ、亡くなられました。

戦場に倒れ、戦禍に遭われ、あるいは戦後、遠い異境の地において亡くなられました。また、我が国は

、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えております。

国民を代表して、深い反省とともに、犠牲となられた方々に、謹んで哀悼の意を表します。

終戦から64年の歳月が過ぎ去りましたが、今日の日本の平和と繁栄は、戦争によって、

命を落とされた方々の尊い犠牲と、戦後の国民の、たゆまぬ努力の上に築かれております。

世界中の国々や各地域との友好関係が、戦後の日本の安定を支えていることも、忘れてはなりません。

私達は、過去を謙虚に振り返り、悲惨な戦争の教訓を風化させることなく、次の世代に継承していかなければなりません。

本日、ここに、我が国は、不戦の誓いを新たにし、世界の恒久平和の確立に向けて、積極的に貢献していくことを誓います。

国際平和を誠実に希求する国家として、世界から一層高い信頼を得られるよう、全力を尽くしてまいります。

戦没者の御霊(みたま)の安らかならんことを、そして御遺族の皆様の御健勝をお祈りして、式辞とさせていただきます。


記事2:<麻生首相>集団的自衛権行使「可能にすべきだ」(8月13日21時23分配信 毎日新聞)

麻生太郎首相は13日、TBSの報道番組で、集団的自衛権の行使を禁じている憲法解釈について

「日本を守る同盟国のアメリカの艦船が北朝鮮から攻撃を受けたとすれば、自衛艦がそれを防護することを可能にしておくことは大事だ」

と述べ、行使を可能にするよう見直すべきだとの考えを示した。

そのうえで首相は「北朝鮮による侵略、北朝鮮による脅威というものは20年前、30年前は考えられなかったと思う。

国民の安全を守るのが政府としての当然の義務で、その一環として考えるべきだ」と述べた。


◆コメント:戦没者追悼式における麻生首相の発言は、矛盾している。

終戦記念日、戦没者追悼式の式辞で首相は太文字で強調したとおり「不戦の誓いを新たにする」と述べている。

ウソだ。

自民党の政策PDFを見る。一番最後に、

自主憲法の制定

とかいてある。自民党サイト内に、新憲法草案がある。

新憲法では、現行憲法第9条第2項
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

を「削る」となっている。国の交戦権を認めない、という文言を削除するのは、国の交戦権を認めようという意味である。

自民党は、日本を戦争が出来る国にしようとしていることを選挙公約で明言しているのである。

だから、戦没者追悼式に於ける麻生発言は、ウソだ。


さらに、記事2では、麻生首相は
集団的自衛権の行使を可能にすべきだ

と発言したと報じられている。

集団的自衛権とは、自国が他国の侵略・攻撃を受けていなくても、密接な関係にある同盟国(要するにアメリカ)が、

攻撃されたら、日本への攻撃と見なし、武力を用いて反撃するということである。

北朝鮮云々が問題ではない。一旦集団的自衛権の行使を可能にしたら、アメリカにいくらでも引きずられ、戦争に巻き込まれる。

首相は、
日本を守る同盟国のアメリカの艦船が北朝鮮から攻撃を受けたとすれば、自衛艦がそれを防護することを可能にしておくことは大事だ

というが、その必要はない。日米安全保障条約は1960年1月19日に署名され、同年6月23日に発効した。

その時点で日本国憲法は当然、既に施行され、米国は日本国憲法第9条第2項の存在を認識していたし、

今も認識している。また、政府の公式見解
「集団的自衛権の行使は違憲である」

も当然認識していながら、安保条約を保持している。安保条約はその条件での「契約」である。

欧米人を相手にするときに下手に遠慮してはいけない。
安保条約を締結していたときにアメリカは日本国憲法をよく知っていただろう。集団的自衛権が違憲であることもしっているだろう。

今更内容の変更など要求するな。

と言わなくてはいけない。日本は税金から在日米軍基地の維持費(職員の給料も含めて)莫大な予算を投じている。

アメリカはその対価として、日本が攻撃されたら、反撃する。謂わば用心棒契約である。

それを妙に遠慮するからいけないのである。
こっちは、やることをやっているのだから、アメリカは有事になったら、日本を守れ。

と、でかい顔をして言えばいいのである。

「遠慮」とか「気がね」という精神性は日本人独自のものだ。欧米人は決してそんなものを持っていない。

言った者勝ちなのだ。

選挙で自民党が勝ったら、憲法を改正し、日本が戦争を出来る国にすることに有権者は同意したことになる。

これを忘れてはならぬ。2005年には無かった、極めて重要なポイントである。


そして、民主党に対しては、「はっきりしろ」、と言いたい。憲法はどうするのか。集団的自衛権の行使を可能にするのかしないのか。

今の民主党の政策集では、専守防衛に限るといいつつ、
従来の個別的・集団的自衛権という概念上の枠組みにこだわらず、

と訳の分からないことを書いている。専守防衛に限るならば、集団的自衛権は必要ない。

日本を戦争が出来る国にはしない、とはっきり言えないのであれば、私は民主党も信用できない。

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コメント

クラシック好きの27歳さん、はじめまして。ようこそおいでくださいました。

>この記事を読んで、来る選挙に対しアンテナを張っていたつもりが、全く張れていなかったことに気付きました。

いやいや、これは、この点を掘り下げないマスコミも悪いのです。

国民が気にしていることが「景気対策」や「社会福祉」だからといって、視聴率や新聞の部数を伸ばすために、

そちらの話題ばかりを取りあげる。そりゃ、景気や、セーフティ・ネットの再構築も、勿論大切ですが、

乱暴なことを言えば、現在に世界景気の落ち込みは、確かに深刻ですが、昔から景気というのは循環するものですから、

いつまでも谷のままであるわけがない。なるべく早く回復させるに越したことはないけれど、かならずなんとかなります。

しかし、万が一、憲法を改正して、一旦、日本を「戦争が出来る国」にしてしまったら、元に戻すのは不可能に近い。

国民の安心を守るとか自民も民主も言っていますが、日本が戦争可能な国になる可能性がたかまるなら、これ以上の不安はない。

何が、「生活を守る」「安心して暮らせる社会を築く」だ、と言いたくなります。

この手の「目くらまし」をするのは、2005年も同じで、当時、小泉は「この選挙は郵政民営化の是非だけを問う選挙だ」といっていましたが、

実際は、

自民党 政権公約2005
http://www.jimin.jp/jimin/jimin/2005_seisaku/120yakusoku/

で「120の約束」を掲げ、2007年から増税することも、後期高齢者医療制度を創設することも、ネット上に公開していたのです。

自慢する気などさらさらありませんが、私は2005年の投票日の4日前に、

2005年09月07日(水) 【衆院選】自民党が勝利すると、こういうことが起きる。
http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2005/09/post_f3e3.html

を書いて、自民党が勝ったら2007年から増税するぞ、と書きました。そのとおり、2007年から所得税が下がった代わりに住民税が増税となり、

小渕政権時代から続いていた、サラリーマン世帯を保護する「定率減税」が廃止されたため、実質増税になりました。

自民党は、2005年から、この「約束」を公開していたから、「ウソはついていない」と開き直るのです」。 

しかし、国民は皆こんな物は読まず、もっぱら、小泉のパフォーマンスに騙されました。

党首が選挙演説で叫ぶことは、ウソではないけれど、国民に知られたくないけど、実行するつもりの政策

は、決してクチにしません。

自民党ならば、今回は、「政策Bank 自民党の政策PDF(4.89MB)」
http://www.jimin.jp/sen_syu45/seisaku/pdf/2009_bank.pdf

民主党ならば、
民主党政策集INDEX2009(PDF1.68MB)
http://www.dpj.or.jp/news/files/INDEX2009.pdf

の項目一つ一つに対して、「具体的にどうするのか?」「しっぱいしたらどう責任をとるのか?」という観点を

持つことが大切だと思います。

自民党にすぐ抗議なさったのはご立派です。皆、面倒くさがってなかなかそこまでやりません。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

音楽の話題ですが、弦楽器の方にGerman Brassを通じて、金管楽器の表現力に興味を持っていただけたとは、

大変嬉しいことです。無論、弦楽器の表現力の大きさは無限とも言って良いほどで、それは逆に管楽器奏者は

良く認識すべきだと思います。


今後とも駄文にお付き合いいただければ、幸いです。

ご丁寧にありがとうございました。

投稿: JIRO | 2009.08.19 22:36

はじめまして、こんばんは。
今までは読むだけだったのですが、初めてコメント欄に書かせていただきます。

この記事を読んで、来る選挙に対しアンテナを張っていたつもりが、全く張れていなかったことに気付きました。
いてもたってもいられず、JIRO様が指摘していらっしゃる点について先程自民党宛にメールしました(もちろん回答はまだですが)。事後報告で申し訳ないのですが、報告させて頂きます。
本当は自分自身で読み取って気付かなければいけないことなんですよね…自分の甘さを恥じるとともに、感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございます

JIRO様の記事は普段新聞やニュースを読む中で見落としがちなことを指摘して下さるので、毎日の更新を楽しみにしています。もちろん音楽の記事も楽しみにしています。
ちなみに余談ですが、このブログを発見したきっかけは『道化師の踊り』で検索し、ジャーマンブラスの記事に行き当たったことです。
私は弦楽器をたしなんでいますが、金管については殆んど無知ですので驚きました。

これからも楽しみにしております。長文乱筆失礼致しました。
素敵な夏休みをお過ごしください

投稿: クラシック好きの27歳 | 2009.08.17 23:16

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