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2009.10.03

日銀短観と雇用統計を見る限り、景気が底を打ったとはとても言えないと思います。

◆記事1:大企業製造業・業況判断指数、2期連続改善=日銀短観(10月1日9時44分配信 ロイター)

日銀が1日発表した9月全国企業短期経済観測調査(短観)によると、大企業製造業・業況判断指数(DI)はマイナス33となり、

前回6月調査から15ポイント改善した。
改善は2期連続。12月予測もマイナス21と、一段の改善が予想されている。

大企業非製造業・業況判断DIはマイナス24となり、前回調査から5ポイント改善。12月予測はマイナス17となった。 

中小製造業・業況判断DIはマイナス52となり、前回調査から5ポイント改善。12月予測はマイナス44となった。

中小非製造業・業況判断DIはマイナス39となり、前回調査から5ポイント改善。12月予測はマイナス40となった。

2009年度の設備投資計画は、大企業・全産業は前年度比マイナス10.8%と前回調査から1.5%下方修正

中小企業・全産業は同マイナス33.3%となり、前回調査から5.1%上方修正となった。

2009年度の経常利益計画は、大企業・製造業は前年度比マイナス38.9%と前回調査から1.0%上方修正。

中小企業・全産業は同マイナス17.9%となり、前回調査から5.8%下方修正となった。


◆コメント:日銀短観とはなにか。

要するに日銀が民間企業に対して、四半期に一回行う「アンケート」です。

日本銀行のサイト新着情報一覧を見ると、

2009年10月 1日 短観(2009年9月)の要旨、概要で、

要旨を見ると、
[業況判断DI]という項目があります。

非常に大雑把に説明すると、全国の会社に景気の現状は良いと思いますか?悪いと思いますか?と尋ねるのです。

「良い」と答えた人の数から「悪い」と答えた人の数を引くのです。それがDI(ディフュージョン・インデックス)です。

色々な業種、会社の規模毎に調査結果をまとめていますが、

製造業の大企業のDIがプラスかマイナスか、が最も注目されます。今回は、

大企業製造業・業況判断指数(DI)はマイナス33となり、前回6月調査から15ポイント改善した。

と新聞は書いていて、それはウソではないけれど、要するにまだDIはマイナスです。

業況判断DIがマイナスである、とは、景気が悪いと思っている人たちの方が、以前と変わっていない、とか、良くなっている。と

答えた人よりも多いことを意味します。そのマイナス幅が改善しているというのはウソでは有りませんが、

景気が拡大しているときは、プラスなのですから、現在景気が底を打ったとは、言えません。

また、要旨のページを下にスクロールすると、

「設備投資」の項目がありますが、これが大変に悪い。大企業製造業の2009年度計画が前年比マイナス25.6%です。

これは、過去最低の数字なのです。設備投資して生産設備を新しく作っても、モノが売れそうにないので、

製造業が設備投資をしないのです。


◆記事2:8月完全失業率は5.5%で7カ月ぶり改善、なお厳しい雇用情勢(10月2日11時51分配信 ロイター)

総務省が発表した労働力調査によると、8月の完全失業率(季節調整値)は5.5%となり、

過去最悪だった前月(5.7%)から小幅改善した。改善するのは7カ月ぶり。

 ロイターが民間調査機関に行った事前調査では5.8%が予測中央値だった。

総務省では「雇用情勢は依然として厳しい状況が続いている」との判断を据え置いたが、

エコノミストからは、景気持ち直しの動きが労働市場にようやく表れはじめたとの指摘が出ている。

完全失業率が前月から改善した背景としては、失業者が前月から減る一方で就業者が増加したことが影響した。

8月の完全失業者(季節調整値)は前月から14万人減と7カ月ぶり減少となったほか、

就業者数(季節調整値)は前月差で29万人増と7カ月ぶりに増加した。

完全失業率は男女ともに改善しており、男性が前月比0.3%ポイント低下の5.8%、

女性は同0.1%ポイント低下の5.0%だった。

エコノミストからは「7カ月ぶりに就業者数が増加、労働力人口も同時に増加しており、

失業率の低下は雇用環境の改善を示している」(クレディ・スイス証券・チーフエコノミストの白川浩道氏)として、

雇用悪化は底入れの動きとの見方が示されていた。

失業率の低下は、就業をあきらめ非労働力化する人が増えることによってもたらされる場合もあるが

「季節調整値の労働力人口は前月比21万人増となる中、失業者数が減少したことには一定の評価ができる。

企業の求人意欲が急速に高まることは期待できないが、少なくとも労働需給の悪化には歯止めがかかりつつある」

(ニッセイ基礎研究所・主任研究員・斎藤太郎氏)という。

なお、就業者数(原数値)は前年比109万人減の6296万人となり19カ月連続で減少したものの、

減少幅は6月の151万人減をピークに2カ月連続で縮小した。

産業別にみると、自動車などの製造業では減少幅が拡大する一方、

建設業や職業紹介・労働者派遣業を含むサービス業では前月から減少幅が縮小。

医療・福祉や宿泊業・飲食サービス業などでは増加幅が拡大した。

就業者のうち休業者は前年比5万人増、雇用者数は同74万人減となった。

一方、完全失業者数は前年比89万人増の361万人と10カ月連続で増加。

依然として大幅増だが、前年比での増加幅は100万人を突破した7月から縮小した。

求職理由別では「勤め先の都合」が前年比61万人増と、前月(65万人増)から増加幅が縮小。

「自己都合」は4万人増だった。


◆コメント:記事はプラス思考ですが、失業率は過去最悪の先月から0.2%良くなっただけです。

引用した記事は日本語ロイターですが、何だかやけに良い方向に数字を解釈しようとしているように

感じます。書いてあることは、ウソではないけれど、先月の完全失業率5.7%が史上最悪で、

そこからわずか0.2%、「改善」したというのは、そりゃそうなんですが、

エコノミストからは、景気持ち直しの動きが労働市場にようやく表れはじめたとの指摘が出ている。

そんなのまだ分からないですよ。物価が下がり続けて、企業収益を圧迫しているわけですから、

企業にとって、最大のコストである人件費を増やす、つまり新規雇用を開始する、とは考えにくい。

事実、今日(10月2日)、完全失業率と同時に厚労省から有効求人倍率が発表されました。

ややこしいのですが、失業率は総務省、有効求人倍率は厚労省の統計なのです。

有効求人倍率とは、
仕事を探している人1人当たりの求人数の割合。

です。1倍未満なら求職が求人を上回り、仕事が不足している状態となりますが、今日発表された

8月の有効求人倍率は、1963年に統計を取り始めて以来過去最悪の0.42倍。7月と同じで改善していません。

だから、ロイターが引用している民間エコノミストは、今日の統計を非常に楽観的に解釈していますが、

こういう解釈の人ばかりではありません。


亀井金融相が返済猶予にこだわるから、遂に日経平均株価は、昨日に引き続き終値が1万円割れ。

しかも、昨日よりも246円も下がっています。

日銀短観における設備投資計画の悪さもありますが、ここ数日、金融株を中心に株が売られ、

市場の不安を煽っているのは、間違いなく、亀井金融相の返済猶予策の所為です。

ただでさえ、G20という国際会議で、銀行の自己資本の算定基準をこれまでよりも厳しくしようという

動きが強まっていて、そうなるとメガバンクがまた増資をしなければならず、それだけでも、市場の

不安定要因だったのに、亀井金融相の返済猶予が本当に実行されたら、銀行はカネをかしておきながら、

利息も取ることができなくなり、一層収益が圧迫されます。

最悪のタイミングで、最悪の金融政策を提案しているわけで、短期的な話ではありますが、

昨日、今日の株価急落の原因は、ただひたすら亀井金融相だ、といっても、過言ではありません。

景気が回復する目途は、彼により余計に不透明になりました。

オリンピックどころじゃありません。

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