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2009.10.19

日銀の金融経済月報は「景気は持ち直しつつある」というのですが。先週の指標概観。

◆日銀が毎月発表する「金融経済月報」というリポートがあります。

先週の火曜(13日)、水曜、日銀が毎月行う金融政策決定会合がありました。

金融政策は現状維持と発表されました。

金融政策決定会合の翌日、これも毎月かならず、日銀が日本経済をどう見ているか、

詳細な金融経済月報というレポートを公表します。

先週発表されたのは、日本銀行新着情報一覧

2009年10月15日 金融経済月報(10月) (PDF, 884KB) です。全部読んだら大変ですが、結論(基本的見解)が最初に書いてある。

とりあえず、そこだけ読めばいいです。今月は、

わが国の景気は持ち直しつつある。

とあります。過去の基本的見解は金融情報専門メディアのブルームバーグが表にしています。

日銀:金融経済月報-過去の基本的見解(表) です。ここ数ヶ月だけ少し拾うと、
10月 わが国の景気は持ち直しつつある。

9月 わが国の景気は持ち直しに転じつつある。

8月 わが国の景気は下げ止まっている。

7月 わが国の景気は下げ止まっている。

6月 わが国の景気は、大幅に悪化したあと、下げ止まりつつある。

5月 わが国の景気は悪化を続けているが、輸出や生産は下げ止まりつつある。

4月 わが国の景気は大幅に悪化している。

3月 わが国の景気は大幅に悪化している。

となって追い、9月、10月続けて表現がプラス方向に変わっています。

しかし、実際、どうなのかな、と思います。


◆先週(10月12日~16日)の経済関連指標を簡単に説明します。

13日(火)銀行貸出残高。
◆9月貸出残高は1・7%増 伸び率は9カ月連続鈍化(共同通信)

日銀が13日発表した9月の貸出・資金吸収動向(速報)によると、全国の銀行の貸出残高(月中平均)は

前年同月比1・7%増の401兆9935億円となった。44カ月連続で増加したが、

伸び率は9カ月連続で鈍化し、2008年5月(1・6%増)以来の低水準だった。

つまり、銀行が貸し出してまだ返済されていないおカネの金額は前年同月比+1.7%なのですが、
「伸び率が鈍化し、2008年5月以来の低水準」ということは、貸し出す量が減っている。

景気が良いなら、どんどん企業がおカネを借りて設備投資を行う筈で、新規の貸出が減っているのは、

そういう資金の需要が減っているということです。



9月の中古車登録台数
◆9月の中古車登録台数、13%減 24年ぶりの低水準(日経)(10月14日)

日本自動車販売協会連合会(自販連)が13日まとめた9月の中古車登録台数(軽自動車除く)は前年同月比13%減の29万7784台だった。

前年実績割れは8カ月連続で、9月としては1985年以来24年ぶりの低水準。

自販連は自動車の使用年数の長期化や保有台数減少の影響を指摘。

「自動車保有に対するコスト意識が厳しくなっている」と分析する。

説明するまでもない。所得が減っているから新車販売も減っていますが、新車よりも買いやすい筈の中古車販売台数が、

24年ぶりの低水準。ということです。


14日(水)9月の企業物価指数。
◆9月の企業物価、7.9%下落=下げ幅やや縮小-日銀(10月14日13時1分配信 時事通信)

日銀が14日発表した9月の企業物価指数(速報値、2005年平均=100)は、前年同月比7.9%下落の103.0となった。

高騰していた原油など原材料価格が前年9月の金融危機で急落したため、

今年の7、8月に連続して8.5%と過去最大を記録した下落幅はやや縮小した。

前年同月比の下落幅について、日銀は「今後もう少し縮まる可能性が高い」(調査統計局)と見込んでいる。

企業物価指数とは、以前、「卸売物価指数」と呼ばれていたものです。

7月、8月は前年同月比マイナス8.5%と過去最大の下落率でしたが、これは、昨年、原油高騰のため、

物価全体が押し上げられていて、それが正常に戻ったため、当然下落率が大きくなったのです。

しかし、企業物価指数が下がり続けて消費者物価指数が上がるということは通常考えにくいので、

この傾向が続くとデフレとなり、モノの値段が下がるのですから、モノを作っている製造業の収益を減少させます。


9月首都圏マンション発売戸数
◆2年1カ月ぶりプラス=9月は26.2%増-首都圏マンション発売(10月14日17時0分配信 時事通信)

不動産経済研究所が14日まとめた9月の首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)のマンション発売戸数は

前年同月比26.2%増の3063戸だった。プラスは2007年8月以来、2年1カ月ぶり。

昨年9月は市況悪化で発売戸数が低迷したが、値下げなどで需要が持ち直し、供給量が増えた。

また、発売当月の契約率は73.9%で、好不調の分かれ目となる70%を2カ月ぶりに超えた。

9月末の販売在庫は前月から197戸減の6840戸で、07年5月以来の7000戸割れ。

9月の平均発売価格は前年同月比1.3%上がって4527万円となり、7カ月ぶりに上昇した。

ただ、同研究所は10月の発売戸数について、5.7%程度の減少と予想

一本調子に改善傾向が続くとは見通していない。市場の本格回復はまだ先のようだ。

25ヶ月ぶりに首都圏マンション販売戸数が前年同期比プラスに転じた、といっても、

このデータを発表している不動産経済研究所は10月は、再びマイナスになるだろう、と予想しています。

今月だけ、前年比プラスでも、好材料と簡単に見なす訳にいきません。


15日(木)JAL株が上場来安値
◆JAL株が上場来安値、再建案に難問山積との見方(10月15日14時30分配信 ロイター)

午後の株式市場で、JAL<9205.T>が上場来安値を更新している。

国土交通省が任命した経営再建タスクフォースが13日、経営再建策を提示したが、

再建に向けて難問が山積しているとの見方から処分売りが続いている。

タスクフォースがまとめた3000億円規模の債権放棄(債務の株式化含む)案は、

今年6月に総額1000億円融資したばかりの主力4金融機関などにとって容易に承諾できる中味ではなく

「協議がまとまらなければ、自然に法的整理となる」(タスクフォース関係者)との指摘が市場の警戒感を高めている。


日本航空は経営危機にあるわけです。今年6月に1000億円ぐらい融資を受けました(政策投資銀行と3メガバンクから)。

それ以前の借金もあります。ところが全然収益が上がらないので、何と再建計画として、これら主力銀行に、

3000億円近い債権放棄を要請するといいます。つまり借りたお金を返せない。返したら潰れてしまう、と。

そういわれても、巨額の融資ですし、銀行も日本航空が潰れて融資が焦げ付いたら、業績にモロに響きます。

だから、日経平均株価は上がっているけれども、銀行株は逆に売られています。銀行株の動きは市場が注視しているので、

日本航空が潰れると(つぶれそうなのですが)マーケット全体に影響を与えます。非常に日本経済にマイナスとなっている

要因です。


というわけで、金融経済月報は楽天的で、景気が持ち直しつつあるといいますが、

民間では、もう一回景気が落ちこむのではないか、所謂「二番底」があるのではないか、

という見方が広まっていると思います。

文字通り「景気が悪い話」ですが、事実は認識しておかないといけません。

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