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2009年12月

2009.12.31

【御愛読御礼】本年も駄文を御愛読頂き、誠にありがとうございました。

◆今年は怠けてしまいまして・・・。

いつも、拙日記・ブログを御愛読頂きまして、ありがとうございます。

また、あっと言う間に一年経ってしまいましたね。


たった今調べてみたのですが、昨年、2008年は、エンピツの目次ページベースで数えますと、

359本の記事を書いておりますが、今年は、前回(12月29日付)までで、350本しか書いておりません。

2007年以前を数えると怖いので(笑)、数えておりませんが、多分毎年少しずつ減っているのではないか、

と思います。昨夜もサボってしまいましたが、実は昨日が私は仕事納めでしたので、

年末年始無関係に働いておられる方が大勢おられることは、勿論認識しておりますが、

個人的に、非常な開放感がありまして、遊んでしまいました。

即ち、夜、テレビで「男はつらいよ」第25作を見まして(何故、第25作かというと、多分、マドンナが、

今年亡くなられた大原麗子さんだからだと思います)、その後、一昨日テレビで途中から見て非常に興味を持った

「旧友再開--出演:梅宮辰夫 立花隆」という番組を、NHKオンデマンドという

ネット配信で見たりしておりました。そのうちに眠くなり、寝てしまいました。失礼しました。


話が逸れますけれども「旧友再開--出演:梅宮辰夫 立花隆」は、リンク先に表示されていますが、

総合テレビ 1月3日(日)午前2:00~2:45に再放送の予定だそうです。好き好きですが、

私は、ご覧になることをお奨めします。

「文藝春秋」に「田中角栄研究」という記事を載せ、金脈政治を一人で暴き、

故・田中角栄元首相を、結果的には辞任に追い込んだ、ジャーナリストの立花隆氏と、

ヤクザ映画「仁義なき戦い」を真っ先に連想する(私は、です)俳優の梅宮辰夫氏。


あまりにも別世界の人なのに、なんと、番組紹介ページによると、

実は、戦後まもない茨城県水戸市で6年間、同じ町内に住み、同じ小・中学校に通い、同じ陸上部で汗を流し

ていたそうです。当時から仲が良かったようです。55年ぶりの再会。あまり書くとネタバレになりますが、

一点だけ。驚くべき事に、と書いては本当は失礼なのですが、二人が所属していた陸上部の顧問の先生が

まだ、ご健在なんです。立花・梅宮両氏が、グラウンドを訪ねたら、ひと目で先生は二人とわかり、

「梅宮、お前は・・・」「立花。お前は・・・」(これ以上書きませんが、褒めるんです。このあと)

とかおっしゃるのですね。


しかし、何が微笑ましいって、あまりにも別の世界を歩んできたかつての同級生が55年ぶりに会った

というのに、実に、気が合うんです(失礼だけど、合いそうに無いでしょ?)。

まあ、この辺にしておきましょう(笑)


◆すっかり話が逸れてしまいましたが、御愛読御礼です。

今年は、どうも去年よりも体調が悪い(因みに私の場合「体調」とはうつ病の状態、ということです)

ことが多く、サボり気味になりました。とは言っても主治医の先生によれば、非常に緩慢なペースで

治っているようですので、このまま、ガタガタっとなることは、まずありません。

個人的な話が続いて恐縮ですが、愚息が高校三年でして、つまり受験生なのですが、

私が客観的に観察するかぎり、どう考えても現役で、ある程度の大学に合格するのは無理で、

浪人必至です。しかし、私も浪人しましたし、こういうことは、オヤジが怒鳴っても、本人が

「危機感」を持たないと、結局、どうにもなりませんので、「勉強しなくて良い」とはさすがに言いませんが

静観しております。

今と昔では事情が違うでしょうし、私の場合は、たまたま運が良かったのですが、浪人したが為に、

今月他界された、平山郁夫先生にお目にかかることが出来ました。
2009年12月02日(水) 平山郁夫画伯、ご逝去。30年前に予備校で「特別講座」を拝聴しました。ココログ

何が幸いするか、わかりませんから、まあ、仕方がないか、と。

但し、浪人したら、1年後の今頃、「今度落ちたら・・・」ですから、当分安心できません。

来年はそれを(絶えず、頭の片隅で心配するであろうことを)覚悟しなければなりせんが、仕方ないですね。


◆天下国家を論じるには、あまりにも頼りないというか・・・・。

自分のことは、なかなか客観視出来ませんので、ひと様が、弊日記にたいしてどのように

お感じか、分かりませんが、自分としては「JIROの独断的日記」が時事問題、天下国家を論じる

(出来は悪いですが)日記として、勢いを持っていたのは、小泉政権、安倍政権の頃だったか、

と感じます。小泉の郵政民営化選挙はあまりにも詐欺的だったし、竹中の経済政策も誤っていた。

格差社会の元凶です。

また、小泉元首相は、ブッシュ前大統領の「下僕」のようで、明らかに国際法的にも人道的にも間違っているイラク戦争を支持し、

自衛隊をイラクに派遣(何十回も書いたので詳しく書きませんが、私は違憲だと考えています)を実行した

(他にいくらでも書くことありますが省略します)。


安倍政権は1年の短命(その後も、短命政権が続きましたが)政権でしたが、

小泉時代の「郵政民営化選挙」で得た、絶対安定多数をいいことに、国民投票法案や

憲法の付属法といわれる教育基本法改正法案を、強行採決しました。

特に国民投票法案は、要するに憲法第9条を変更(一般的に、マスコミは「改正」とかきますが、

「改正」とは、読んで字の如く「正しく改める」ことをいうのです)して、

日本を再び「戦争が出来る国」にしようと本気で考えていました。

ですから、私は、市井の一個人がこんなところでいくらかいても、世の中の及ぼす影響など

皆無であることなど、当然分かっていますが、「書かないではいられなかった」のです。


その後、福田、麻生の両元首相は、確かに積極的に評価は出来なかったけれど、元凶は、

自民党をぶっ壊すといいながら、「日本をぶっ壊し」た小泉純一郎にあるわけで、

二人はその失敗の「残務処理」が出来なかった。出来なかったのは無能だけど、もともとぶっ壊した奴が

一番悪いので、小泉時代ほど、本気で批判する気がおきませんでした。


麻生前首相は、失言が多いとか漢字が読めないとか、要するに無策であるという批判の集中砲火を

浴びましたが、如何にも、首相になったタイミングが、運が、悪かった。

麻生太郎内閣総理大臣が誕生する前の週(2008年9月15日)に、リーマン・ブラザーズが破綻し、

それ以来、世界中の景気が、今生きている人々が、かつて見たことのないような勢いで後退しました。

リーマンショック後の景気後退は、仮に他の誰が首相になったとしても、

絶対に食い止められなかったと思います。それは、間違いないです。

そして、景気が急激に悪化しているときに、支持率が上昇する政権(内閣)は、

原則的に、ありません。だから、私は、小泉のときほど本格的に

「麻生批判」を書く気になりませんでした。書いても仕方がない、という状態でした。


◆政権交代は果たしたものの、民主党は、何が何だか分からない。

鳩山首相は、母親からカネを貰ったとかなんとか、どうでも良いことで騒がれています。

唯一、無理矢理褒めるなら「正直」ということでしょうか。

しかし、あの人の「無表情」や彼が育った恵まれた環境を考慮すると、

彼は「人が経済的に困窮する」、ということが本当に理解出来ると、到底思えません。


また、民需がだめなら、財政がたとえ、一時悪化しても、国が需要を創出すべきなのに、

事業仕分けに夢中になっているのが、鳩山首相が率いる民主党です。

そんなに無駄を省くというのなら、まず民主党議員は全員、ボーナスや文書交通費を返上する

というぐらい、率先垂範するべきだと思いますが、自分たちのおカネが減らされるのは嫌だ、

というのだから、話にならない。真面目に叩く気になりません。


◆音楽記事が多いことに関して。

「JIROの独断的日記」は、二箇所に載っています。そもそも書き始めたのは、

ウェブ日記エンピツです。2002年4月に書き始めましたが、

当時の日本では、まだ、「ブログ」という言葉すら殆ど知られていなかったと思います。

私の印象では、2003年頃から流行り始め、やがて爆発的に「ブロガー」が増えました。

そこで、私も使ってみたくなり、2004年にJIROの独断的日記ココログ版を開きました。


言うまでも無く、ブログは何を書こうが自由で、カテゴリーすら自分で「創る」ことが可能です。

ところが、エンピツでは、登録時、得票ランキングに参加したければ、

予め用意されたこれらの「ジャンル」からどれか選ばなければなりません。

音楽というジャンルもありますが、わざわざ読む人が少ない。

それに最初は、これほど音楽記事を書くことになり、しかもそれが喜んで頂けると思わなかったので、

時事・社会のジャンルに登録してあるのです。

複数のアカウントを開くためには今は有料版しかありませんので、おカネが要ります。

まあ、それは永久会員登録しても数千円ですけど、完全に別のアドレスになります。

普段、時事問題を読んで下さっている方で、今まで音楽にあまり関心が無かった、という方にも

クラシック音楽を、紹介したい。そのためには、「いつもと同じアドレスに」音楽記事が載っていなければなりません。

音楽記事をエンピツの時事・社会に書くのは、そういう事情があります。


◆書き続けられるのは、読者の皆様のおかげです。

エンピツに登録した当初は、何を書いたらよいか分からず、身辺雑記みたいな下らんことばかりで、

しかもサボることが多かったのですが、兎にも角にも7年8ヶ月、止めずに書いています。

さきほど、総記事数をエンピツの最初から数えたら、前回までで、2,570本でした。

この記事が、「第2,571号」です。これは驚異的で、私は子供の頃から、

あの紙の日記、「当用日記」が一週間続いたことがないのです。何度やっても三日坊主でした。

ですから、途中サボりながらも7年8ヶ月書き続けているのは、私としては奇跡的なことです。


理由は簡単で、「読んで下さる方がいらっしゃるから」です。それ以外にありません。

手前味噌になりますが、先日、ある読者の方から、大変嬉しいお便り(メール)を頂きました。

転載のお許しを得ていないので、要旨を書かせて頂きますと、

今年は忘れがたい年になった。たまたま、JIROの独断的日記を読み、音楽に興味を持った。

紹介されている曲を聴いているうちに、音楽にもっと深くかかわりたいと思うようになり、

6月からピアノを習い始めた(JIRO注:大人の方です)。今、モーツァルトをさらっていて、

大変楽しい。

との非常にご丁寧なメールでこちらが恐縮しました。

皆さんが想像なさるほど、メールを頂戴することはありませんし、勿論、

仲には嫌がらせもありまして、
お前の日記は、他人を口汚く罵り、何かと言えばうつ病自慢、自殺未遂自慢だ。

死に損ないとして生き恥をさらしているくせに、本当に自己愛の強い異常なやつだな。

というような、これも原文そのままではありませんが、殆どこの調子でして、こういうのは、

何度も来たことがあります。


しかし、やはり、励まして頂いたことの方が遙かに多いですし、読んで頂けるだけでも有難い。

図々しく「是非、エンピツの投票ボタンをクリックしてください」などとお願いしておりまして、

皆様面倒臭いだろうと思いますが、お時間を割いてクリックして下さる、

という事実が、本当に美辞麗句ではなく、書き続ける原動力になっています。
皆様、本年も、「JIROの独断的日記」を御愛読頂きありがとうございました。

来年も、浅学にして非才、また、野卑極まりない言辞を弄することがあるかと思いますが、

拙日記・ブログにお付き合い頂きますようお願い申し上げます。

どうか、皆様、ご家族の皆様共に、

よいお年をお迎えください。

本年は、これにて失礼をいたします。

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2009.12.30

「愛煙家おじいさん登場、児童誌が販売中止に」←やり過ぎだと思います。

記事1:愛煙家おじいさん登場、児童誌が販売中止に(12月29日5時8分配信 読売新聞)

福音館書店(塚田和敏社長)は28日、月刊「たくさんのふしぎ」の2010年2月号として発売した

「おじいちゃんのカラクリ江戸ものがたり」(文・絵、太田大輔)を販売中止にすると、ホームページで発表した。

対象年齢は小学校3年生からで、発明家のおじいちゃんが2人の孫に江戸時代の暮らしを説明する内容。

おじいちゃんはたばこ好きの設定で、喫煙したまま孫たちと同席する場面が何度も描かれている。

喫煙に反対する団体などから「たばこを礼賛している」「たばこ規制枠組み条約に違反する」といった指摘があり、同社は販売中止を決定した。

ホームページでは、塚田社長名で「(たばこは)小道具として使用したものであり、

喫煙を推奨したりする編集意図はまったくありません」と説明。「しかしながら、子どもの本の出版社として配慮に欠けるものでした」と謝罪した。


記事2:タバコを吸っている社員は、会社に悪影響をもたらすと思いますか?(12月25日15時21分配信 Business Media 誠)

タバコを吸っている社員は企業に悪影響をもたらすと思いますか? 企業の経営陣に聞いたところ、

46.8%の人は「悪影響を与えると思う(多少を含む)」と答えていることが、ジョンソン・エンド・ジョンソンの調査で分かった。

一方「良い影響をもたらしていると思う(多少を含む)」は2.8%にとどまった。

タバコを吸っている人を雇用することに対し、経営陣はどのように考えているのだろうか。

「特に気にしない」(56.8%)と答えた人が最も多く、次いで「できれば雇いたくない」(28.4%)、

「雇いたくない」(11.6%)という結果に。男女別で見てみると、「雇いたくない」「できれば雇いたくない」

と考えている経営陣は、男性(35.2%)に比べ女性(44.8%)に多いことが分かった。

企業が「喫煙対策」をすることで、業績・仕事効率の向上が図れると考えている経営陣はどのくらいいるのだろうか。

54.0%の人は「向上すると思う(ある程度を含む)」と回答。また「喫煙対策」に取り組む企業のイメージとして、

「オフィスがきれいでオシャレ」(63.8%)と感じている人がトップ。このほか「福利厚生が行き届いている」(36.8%)、

「大手企業」(35.0%)、「先進的」(29.6%)と続いた。


記事3:<たばこ>吸う人とは結婚無理 男69%女61% 法大調査(12月26日15時1分配信 毎日新聞)

たばこを吸う異性を恋人や結婚相手にできないと考える学生が過半数を占めることが、

法政大学生の学内調査で分かった。約9割が「不健康そう」「たばこ臭い」と悪い印象を抱いており、

喫煙者への厳しい見方が若者に広がっていると言えそうだ。

調査は11月23~30日、法政大市ケ谷キャンパス(東京都千代田区)で、同大人間環境学部の学生が教員の指導のもと、

1~4年生を対象に無作為に聞いた。男女計1074人が回答した。

その結果、80%は「喫煙経験がない」で、「現在たばこを吸っている」は13%、

「以前吸っていたが今は吸っていない」が6%などだった。喫煙する異性に悪い印象を持った学生は男女とも89%に達した。

一方、「クール(かっこいい)」「大人っぽい」などの好印象を抱いたのは、男女とも10%に達しなかった。

また、たばこを吸う異性と「結婚できない」と回答した男は69%、女は61%。

「恋人にできない」も男が60%、女は50%だった。一方、喫煙者は61%が結婚相手の喫煙を容認した。

「恋人がたばこを吸うのを不快に感じる場面」をたずねたところ、最も多かったのは「歩きながらの喫煙」で回答の4分の1を占めた。

調査を担当した4年の清水俊樹さん(22)は「これほど多くの人が異性の喫煙を嫌う傾向があるとは思わなかった」と話す。


記事4:たばこ税は10年度に1本3.5円の税率上げ=税制改正素案(12月22日16時18分配信 ロイター)

政府税制調査会は22日午後、全体会合を開き、揮発油税などの暫定税率の扱いやたばこ税など

残された課題について素案をベースに議論し、基本了承された。

素案では、たばこ税について「国民の健康の観点から、たばこの消費を抑制するため、将来に向かって税率を引き上げていく必要がある」とし、

2010年度は1本あたり3.5円の税率引き上げ(価格上昇は5円程度)を行うとした。実施時期は2010年10月1日。


◆コメント:全体主義的で不気味。

記事1には、開いた口がふさがらない。

対象年齢は小学校3年生からで、発明家のおじいちゃんが2人の孫に江戸時代の暮らしを説明する内容。

おじいちゃんはたばこ好きの設定で、喫煙したまま孫たちと同席する場面が何度も描かれている。

だからなんだよ?江戸時代のおじいさんがたばこ好きだ、という絵本を読んだ子供は将来喫煙者になるのか?

たばこ嫌いの人が、世間には多いが、さすがにネット上をざっと見ると、「魔女狩り」「アカ狩り」のようだ、

という意見が目立つ。


またここ一週間ほどの間に、記事2や、記事3が、立て続けに報じられ、

恣意的な世論誘導が行われているように感じる。

間接喫煙の害が強調されるが、アルコールが社会に及ぼす悪影響に関して全く言及が無いのは、

論理的に不自然であり、倫理的に不公平である。

酒飲みで酒癖の悪い人間がどれ程周囲に迷惑をかけるか。

酒飲みが道ばたで反吐を吐いて、どれほど、公共の場を汚すか。

飲酒運転の罰則が厳しくなったのは、飲酒運転していたトラック運転手が、乗用車に追突し、

乗用車に乗っていた子供が焼死したからではないのか。


さらに、全国にアルコール依存症患者がどれほど多いか。

日本の飲酒人口は6,000万人程度と言われているが、このうちアルコール依存症の患者は230万人程度であると言われている。

飲酒者の26人に1人がアルコール依存症という計算になり、精神疾患の中でも罹患率が高く、

各人の性格や意志にかかわらず誰でもかかる可能性がある病気であるとも言える。(ウィキペディア)

アルコールに関しては昔から「酒で身を滅ぼす」という言い方をする、

それほど強烈な向精神薬(精神に影響を与える薬物)なのである。

記事4によれば、税制改正素案では、
タバコが身体に悪いからタバコ税を引き上げて、タバコの消費を抑制する

という意味の内容が含まれているそうだが、偽善的である。健康を心配するのならば、

タバコの製造・販売、そして喫煙を違法行為とする、タバコ禁止令を制定・施行すれば良い。


本当は、たばこ税収入を国はアテにしている。たばこ税によって国庫が得た収入の再配分の恩恵は、

非喫煙者も享受している。そんなことは皆しっているのに、喫煙者をあたかも

「人間失格」のように扱うのは無礼だろう。

繰り返すが、本当に国民の健康が心配なら、禁煙法を制定し、

同時に、同じく社会的弊害が大きく、危険なドラッグであるアルコールの製造・販売、消費を違法とする禁酒法を制定すべきである。

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2009.12.29

「ラフマニノフ 鐘」で検索して来られる方が多いですね(笑)。ラフマニノフの他の曲を聴いてみます?

◆フィギュアスケートの浅田真央選手のフリーの曲はピアノ曲「鐘」ですが。

今日は、ブログのアクセス解析を見たら、「ラフマニノフ 鐘」で検索して、

「フィギュア 浅田真央、フリー曲は『鐘』」←ラフマニノフで「鐘」というタイトルが付くのは2種類ありまして。にアクセス

して下さった方が全アクセスの20パーセントぐらいでした。記事をお読み頂きありがとうございます。


あのピアノ独奏曲はかなり「重い」印象を受けますが、それはともかくラフマニノフっていうのは、

勿論、他にも沢山作曲しているわけです。折角ですから、その他の作品をお聴き頂きましょう。


◆パガニーニの主題による狂詩曲という、オーケストラとピアノの為の曲があります

ラフマニノフっていうと、最初、ピアノ協奏曲第二番というのを聴くことが多いです。

多分、これが一番有名だろうと思いますが。かなり長くなるので、

協奏曲ではありませんが、やはりラフマニノフがピアノと管弦楽のために書いた、

パガニーニの主題による狂詩曲

を聴いて頂きます。

この曲は1934年に作曲者自身がピアノ独奏で、ストコフスキー指揮、フィラデルフィア管弦楽団の伴奏で初演されました。


ラフマニノフ自身、ピアニストで、すごいテクニックの持ち主だったようですね。

その為、彼のピアノ曲は大変むずかしいのが多い。

ただ、ラフマニノフを聴く前に、「パガニーニの主題による狂詩曲」というぐらいですから、パガニーニの主題を

聴いてみましょう。

これはパガニーニというやはり天才ヴァイオリニスト兼作曲家が書いた、

無伴奏ヴァイオリンのための「24のカプリース(奇想曲)」という、ヴァイオリンの難しい技術を

これでもか、というばかりに詰め込んだ曲集ですが、最後の24番が一番有名です。

それをまず、お聴き下さい。一昨日、12月26日は、Kenさんの奥様のご命日ですので、音楽を捧げます。

最初に載せた「2台のヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043 第二楽章」を弾いているヒラリー・ハーンです


Hilary Hahn Paganini Caprice No. 24







目が回りそうですね。オクターブの重音(オクターブだから、ちょっとでもずれるとすぐにバレる)、

超高音での半音での動き。左手によるピチカート。見事です。


この第24曲の最初に弾かれる主題に、多くの作曲家が大いに創作欲を刺激されました。

ラフマニノフもその一人でした。それでは、今は指揮者もやっている、ミハイル・プレトニョフの独奏、

クラウディオ・アバド=ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で、

パガニーニの主題による狂詩曲です。演奏時間約20分。3つのファイルに分かれます。


pletnev - rachmaninov, rhapsody on a theme of paganini: i







pletnev - rachmaninov, rhapsody on a theme of paganini: ii







pletnev - rachmaninov, rhapsody on a theme of paganini: iii






うーん。作曲家ってのはすごいもので、まず、こういう複雑な入り組んだ音を頭の中で構築して、

鳴らせているわけですね。それを五線紙に記録しているわけです。やはり天賦の才が必要です。

勿論演奏も、素晴らしい。この超絶技巧を余裕で弾いてます。

クライバーンで優勝した辻井君なんかも弾きますしね。最近は、日本人でも高校生ぐらいで弾くんですよ。

これほどの難曲になると、

「誰でも努力すれば何でも必ず出来るようになる」

などという、甘い世界ではありません。

勿論、辻井君などもものすごく練習しているのは間違いないのですが、才能があって初めて弾けます。

どんなに頑張っても一生弾けない人の方が遙かに多いと思います。


◆ラフマニノフは美しいメロディーも書きました。ヴォカリーズ。

ラフマニノフのヴォカリーズという歌曲があります。歌詞はありません。お聴き頂くと、

以前、載せたことがありますから、思い出して頂けるかもしれません(勿論、忘れていても、どうぞ、お気遣い無く)。

これを歌っているのは、Dawn Holt Lauber(ドーン ホルト ローバー)という人でして、Something Borrowed Something Blues

というアルバムに収録されているのですが、れっきとしたソプラノなんですが、バッハ、モーツァルト、シューベルト、ラフマニノフに

ジャズのデューク・エリントン(昔のジャズの大御所。「A列車で行こう」の人)の歌が一緒に入ってます。極めて珍しい。良い声です。


ラフマニノフ:ヴォカリーズ







歌が原曲ですが、これをケルン放送響の首席コントラバス、河原泰則さんが弾いてます。

コントラバスの奇跡に収録されています。


コントラバスによる、ラフマニノフ:ヴォカリーズ







不思議ですね。ソプラノで聴くと、魂が清められるように美しいし、最低音のコントラバスで聴いても心が静かに慰められます。


という訳で、今日は、急遽ラフマニノフでした。

政治経済の話は、もううんざりでしょ?

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2009.12.28

「大幅減から廃止一転満額まで…事業仕分け“泣き笑い”」←芸術文化関連予算削減幅、当初より少なくなりました。

◆記事:大幅減から廃止一転満額まで…事業仕分け“泣き笑い”(産経新聞)(2009/12/27 01:18)

2010年度政府予算案では、行政刷新会議の事業仕分けを受けて、概算要求から計6770億円を圧縮した。

鳩山由紀夫首相の「大半が反映された」との言葉通り削られる予算が続出した一方で、仕分け人の蓮舫参院議員(42)に

「私の話も聞いて」とキレた神田道子理事長(74)率いる国立女性会館の予算は微減に止まった。カネをめぐる、泣き笑い-。

矢継ぎ早の質問を繰り返す蓮舫氏に、神田氏が「私の話も聞いてください。一方的にただ質問に答えろというのは心外です」

と声を荒げたシーンは、事業仕分けの象徴として何度もテレビで報じられ、ゲームにまでなった。

しかし「大幅予算削減」と判定された予算は、概算要求の約6億2000万円から3000万円ほど減額されただけ。

会館の平田秀一専門官は「10%は下がると思っていたが、助かった」と胸をなで下ろした。

また、「削減」と判定された交響楽団の公演活動やオペラなど芸術文化関連予算は

概算要求額の約137億円から約124億2000万円に減額されただけ。


「廃止」と判断されていた「子どもゆめ基金」は一転して、概算要求通りの21億4000万円が認められた。

児童文学作家の肥田美代子さんは「存続が決まってうれしい。草の根レベルで活動している人の励みになる」と感激した。


◆コメント:「芸術文化関連予算」さえ守られれば良い、というものではないが、とりあえず良かった。

この件に関しては、約2週間前に、

2009年12月13日(日)  行政刷新会議「文科省事業」に対する意見。(実際にメールで送ったもの)ココログ)に書いた。

趣旨にご賛同下さり、文科省の「行政刷新会議事業仕分け対象事業についての意見募集」に意見具申なさった方もおられる。

ところが、事業仕分けが終わったことは報道で分かったが、芸術文化関連予算がどうなったのか、分からなかった。

このあたりが、悪いけれども「文科省」である。

財務省などさっさと、行政刷新会議「事業仕分け」(財務省分)の結果及び反映状況 〔62kb,PDF〕

を財務省のサイトに掲載しているが、文科省のサイトをいくら見ても発表されていない。

そこで、産経新聞(厳密には夕刊フジ)のウェブニュースの記事で初めて、結果が判明したのである。

太文字で強調したように、

芸術文化関連予算は、概算要求額の約137億円から約124億2000万円に減額されただけ。

で済んだ。

無論、今回の「行政刷新会議事業仕分け」は、あらゆる役所に及んだのであるから、

文化芸術関係は、たまたま助かったが、何処かで困り果てているはずで、全体像を

国は分かり易く説明して欲しい。



しかし、無駄な予算を削減すると言いだしたのは民主党なのだから、

本来まず、自分たちが懐を痛めるべきではないか。

彼らに支払われる給料その他は、自分たちで自分たちにとって都合が良いように、

国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律で定められている。

これによると、
第一条  各議院の議長は二百十七万五千円を、副議長は百五十八万八千円を、議員は百二十九万七千円を、それぞれ歳費月額として受ける

第九条  各議院の議長、副議長及び議員は、公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等のため、文書通信交通滞在費として月額百万円を受ける。
第十条  各議院の議長、副議長及び議員は、その職務の遂行に資するため、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律 (昭和六十一年法律第八十八号)第一条第一項 に規定する旅客会社及び旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律 の一部を改正する法律(平成十三年法律第六十一号)附則第二条第一項 に規定する新会社の鉄道及び自動車に運賃及び料金を支払うことなく乗ることができる特殊乗車券の交付を受け、又はこれに代えて若しくはこれと併せて両議院の議長が協議して定める航空法 (昭和二十七年法律第二百三十一号)第百二条第一項 に規定する本邦航空運送事業者が経営する同法第二条第二十項 に規定する国内定期航空運送事業に係る航空券の交付を受ける。

この他に期末手当と称するボーナスをこれは変動するが、年間約700万円受け取っている。

行政刷新会議事業仕分けは、役所の予算を見直して税金の無駄遣いをなくし、子ども手当の財源とするはずだった、と記憶している。

ならばまず国会議員の給料。

給料だけで、毎月約130万。それ以外に文書交通費が100万。他にも色々あるが、これだけでも年間2,760万円。

それにボーナスが700万円。合計約3,400万円もの税金が、国会議員の給料として支払われている。

居眠りをしようが、欠席をしようが、「勤務評定」がないから、毎日居眠りをして、法案を提出しなくても230万。

電車はただ。


まず、これを削るべきでしょう。給料は半分。ボーナスは全額返上。文書交通費廃止。

それでは、事務所を運営していけない、と、彼らはいうだろう。そう。その「暮らしていけない」ほど困っている国民が

それでも、真面目に税金を納めているのに、自分たちはその税金から給料もらって、「事業仕分け」って・・・・。
ぶざけるな、と言いたい。


◆伊藤忠商事を再建した丹羽社長を見習え。一年無給。電車通勤。

過去に何度も書いたが、伊藤忠商事が経営危機に陥り、1998年社長に就任した丹羽宇一郎氏は、1999年に不良債権の一括償却という

大胆な決定を下す代わりに、1年以上無給で働いた。黒塗りの社長送迎車も廃止し、ヒラ社員と同じように電車で通勤した。

伊藤忠商事はその後、急速に業績を回復し、2年後には、過去最高益を記録した。丹羽社長の電車通勤はその後も続いた。

昼食は子会社であるファミリーマートのコンビニ弁当や、吉野家の牛丼を味見を兼ねて、自費で購入している。


社長がそうしたら、皆、懸命に働かざるを得ない。文句の言いようがない。

今の国会議員の先生方は正反対だ。きれい事をいって、他人が削られたら困る予算ばかりを削ろうとする。

自分たちは気が付かぬフリをして、国会議員の美味しい特権を享受し続けている。

これでは、民意は離れるばかりではないだろうか。

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2009.12.27

12月26日は、Kenさんの奥様のご命日ですので、音楽を捧げます。

◆Kenさん、音楽の話でネット上で知り合った方です。

ココログ版からはリンクを貼らせて頂いている、

アマチュア・オーケストラのコンサート・マスターで、驚嘆するほど深い音楽への造詣をお持ちのKenさんと

お知り合いになったのは、2006年のことでした。年代がほぼ同じで、お互いクラシック音楽が好きであることは

共通していますが、私はもっぱら何とかのひとつ覚えで、適当に音楽を紹介して、どっかで読んだ話を受け売りして

知ったかぶりをして、「どうです?綺麗でしょう?楽しいでしょう?」というだけの、ガサツな人間ですが、

Kenさんの音楽への情熱と、お持ちになっている感性や知識は、私とは次元が違う。驚嘆すべき方です。


その奥様が三年前の今日、12月26日に急逝されました。

Kenさんは驚異的な精神力で、その後、男手一つで、お嬢さんと息子さんを養い、会社に通い続けておられます。

私だったら、そのままダメになって、息子を道連れに自殺したのではないかと思います。


◆今年も追悼の音楽を捧げます。

毎年、どうしても似たような選曲になってしまいます。

が、今年は、過去に載せた曲も、新たに一旦ファイルを削除して、アップし直しました。

勿論、過去に取りあげなかった曲も選びました。

言葉は空しいので、早速音楽に参ります。


◆ヒラリー・ハーン:バッハ:2台のヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043 より第二楽章。

ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn)は1979年生まれのアメリカのヴァイオリニストです。

もう30になったのですね。天才的で、CDデビューしたのが10代ですが、最初の録音が何と、ヴァイオリニストのバイブル、

無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番、第3番、無伴奏ソナタ第3番だった、という

通常では考えられないことをやった人ですが、確かに上手い。Kenさんがお好きなヴァイオリニストです。

彼女のバッハ協奏曲集から、

「2つのヴァイオリンのための協奏曲」(通称、「ドッペル」)の第二楽章は大変美しい。

まずは、これを。


2台のヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043 第二楽章







あまり何も書く必要がないですね。


◆ジャーマン・ブラスによる、コラールを2曲。

何度もご紹介している、ジャーマン・ブラスですが、

Bach for Brass / German Brassから。

今までに(多分)載せたことがない、静かなコラールを2曲。

一曲目。


御身が共にいるならば BWV 508







もう一曲。元来、オルガン曲です。


われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ BWV 639







悲しいけど、美しい、と思います。


◆ヘンデル。歌劇「セルセ」より「オンブラ・マイ・フ」、歌劇「リナルド」より「私を泣かせて下さい。」

これは、ナクソスのCDで、J.S. バッハ/ヘンデル/モーツァルト/シューベルト/他:聖なるアリアと合唱曲集です。

有名な演奏者では無いけれど、選曲も演奏もいいと思います。

この中から、今年没後250年だったヘンデル(1685-1759)の有名な歌を二つ。


歌劇「セルセ」 HWV 40 - 第1幕 「安らぎの木陰」(ラルゴ)(「オンブラ・マイ・フ」を正確に書くと、こうなります)







男声の「オンブラ・マイ・フ」。あまり聴いたことがないでしょう?


もう一曲。これも散々ご紹介しました。森麻季さんの演奏を載せたいのですが、

今日は別の演奏で。この人の演奏も、美しいです。


歌劇「リナルド」 HWV 7 - 私を泣かせてください(涙の流れるままに)







月並みな言葉を書かない方が良いと思うので、敢えて書きません。


◆モーツァルト:「レクイエム」より「ラクリモーサ」(涙の日)

これは、<レクイエム>ハヨーショヴァー / ホルスカ / コシュラー / スロヴァキアPOが音源で、

以前、一度のせましたが、今回もう一度アップしなおしました。


モーツァルト:レクイエム ニ短調 K. 626 より、「ラクリモーサ」(「涙の日」)







美しいけれども。あまりにも悲しい。


◆奥様はあんまりしんみりして欲しく無い、とお思いでしょうから、最後にモーツァルトの楽しい「ポストホルン・セレナーデ」。

普通は、故人を弔うのですから、ここで止めておくべきかも知れないけれども、

「レクイエム」で終わっては、あまりにも悲しさだけが残る。Kenさんの奥様は

元気で楽しい方だったと伺っています。あまりこちらがメソメソすると、お嫌なのではないか、

と、拝察しました。ですから、場違いかもしれませんが、同じモーツァルトが書いた、楽しい音楽を載せます。


サー・チャールズ・マッケラス=プラハ室内管弦楽団で、



モーツァルト:セレナーデ第9番 ニ長調 K.320「ポスト・ホルン」第6楽章







失礼いたしました。

Kenさんの奥様にもお聴き頂ければ、幸いです。

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2009.12.26

「<自殺者>3万人超す 前年上回る恐れも 1~11月」←「WHO による自殺予防の手引き」の「マスメディアのための手引」

記事:<自殺者>3万人超す 前年上回る恐れも 1~11月(12月25日19時58分配信 毎日新聞)

(http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091226k0000m040059000c.html)

警察庁は25日、11月の自殺者数が2494人だったと公表し、1~11月の累計は3万181人(昨年同期比445人増)となり

12年連続で3万人を超えた。12月もこのペースで推移すれば、統計の残る78年以降で最多だった03年の3万4427人よりは少ないものの、

08年の3万2249人を上回る見通し。

金融危機が深刻化した昨年10月以降長引く不況で、経済的要因による自殺が増えているとみられる。


◆コメント:メディアは、自殺に無関心では困るが、報道の仕方に気をつけなければダメですよ。

結論から書くと、自殺者数を減らすことは可能だろうが、完全になくすことは不可能である。

「完全に」なくそうとしたら、最も手っ取り早い強引な方法は、うつ病の人、抑うつ状態の人、

うつろな目をした、如何にも自殺しそうな人を、片っ端から隔離病棟に入院させて、監視するしかない。


しかし、これは基本的人権の中でも最も基本的な「身体の自由」を剥奪することになるし、

旧ソ連が、反政府的思想の持ち主を強制的に「精神病院」に「入院」させていた歴史的事実から明らかなとおり、

国家権力の濫用が、懸念される。


今日の記事は、統計的事実を書いているだけだが、マスコミが「自殺」に関して報道するときは、

細心の注意を払うべきである。マスコミによる「自殺報道」が自殺者数を増やす危険がある。

私が記憶する限りにおいて、マスコミが自殺の連鎖を引き起こした可能性が疑われる例として、

練炭自殺、中学生のイジメを苦にした自殺、硫化水素を発生させることによる自殺の三つが、挙げられる。

この日記で、過去にそれを何度も指摘した。それは、

2003年05月24日(土)「集団自殺」と「通り魔」は報道しない方がよいのではないか。

2006年11月15日(水)「小中学生の自殺連鎖止まらず」←お前ら(マスコミ)がいちいち報道するのも一因だぞ。

2006年12月25日(月)「いじめ自殺報道」が「自殺連鎖」を誘発した可能性あり。専門家の指摘←私は、先月同じ事を書きました。

2008年05月11日(日)「<硫化水素自殺>ホテル客が浴室で 従業員も病院搬送 東京」←手段だけが騒がれ、自殺の動機を誰も問題視しない。

などである。


◆WHOによる自殺予防の手引きという文書があり、「マスメディアのための手引き」という項目がある。

内閣府の「自殺対策ホームページ」には、WHO による自殺予防の手引き

掲載されており、この「手引き」には、特にマスコミ向けに「マスメディアのための手引き」という項目がわざわざ設けられている。

この中にマスコミが自殺を報道するときの「心得」が書かれている。一部抜萃する。

自殺を報道する際の一般的原則

自殺を報道する際にはとくに以下の点に注意を払う必要がある。

● 慎重かつ正確に統計を解釈する。

● 信頼できる情報源を利用する。

● 時間が迫っているからといって、十分に用意されていないコメントを安易に用いない。

● 件数の少ない事例を過度に一般化することに対して特に慎重にする。たとえば、「自殺の疫病」「世界

でもっとも高い自殺率を呈する地域」などといった表現は使うべきではない。

社会・文化的な変化に対する理解できる反応として自殺行動を報道するのを控える。


  【特別な自殺をどのように報道すべきか】

  以下の点を念頭に置くべきである。



● 特に有名人が自殺した場合には、自殺を過度にセンセーショナルに報道すべきではない。最小限度の報

道にとどめる。その人が罹患していた可能性のある精神的な問題についても取り上げる。詳しすぎる報

道はできる限り控えるように努力する。自殺者、方法、現場の写真は提示すべきではない。自殺の見出

しを一面に載せることは自殺報道では望ましいことではない。



自殺手段やその入手方法を詳しく報道するのは避ける。メディアによって報道された自殺方法が、それ

に引き続く自殺でもしばしば模倣されることを明らかにしている研究がある。
特定の場所(ある特定の

橋、崖、ビル、鉄道)がしばしば自殺の場所として広く知られていて、それが報道されることによって、

さらに多くの人々がその場所で自殺する危険がある。



● 自殺を説明ができないこととして報道したり、あるいはあまりにも単純化して報道すべきではない。自

殺はけっして単一の原因や出来事だけで生じるわけではない。しばしば多くの要因が複雑に関連して自

殺が生じている。たとえば、精神障害、身体疾患、薬物乱用、家庭的な問題、対人的な葛藤、人生の問

題などが複雑に関係している。さまざまな原因が自殺に関連していたことを認識するほうが有用である。



破産、試験の不合格、性的虐待といった個人的な問題を解決する方法として自殺を報道すべきではない。



● 偏見や心理的な悩みといった問題について配慮し、遺族や他の遺された人々に及ぼす影響を考慮して報

道すべきである。



自殺者を殉教者のように美化したりすると、潜在的に自殺の危険の高い人に対して、社会が自殺を名誉

あるものとみなしているとのメッセージを送ってしまいかねない。
むしろ、自殺した人を悼むことを強

調すべきである。



● 自殺未遂のために身体的に障害が残った点(脳障害、麻痺など)を報道することは、自殺の抑止となる

可能性がある。

新聞・テレビの社会部の人々はこの文書の存在を知らないのではないだろうか?

練炭による集団自殺や、硫化水素自殺に関して詳しく報道することは、明らかに太字で強調した、
自殺手段やその入手方法を詳しく報道するのは避ける。

に従っていない。

また、いじめによる自殺が続いていたときにそれを報道したのは、
破産、試験の不合格、性的虐待といった個人的な問題を解決する方法として自殺を報道すべきではない。

という項目に抵触していると思われる。


今日の記事は、統計的事実を書いているだけだ、と先に書いたが、

記事の最後に、
金融危機が深刻化した昨年10月以降長引く不況で、経済的要因による自殺が増えているとみられる。

実は、厳密にはWHOがいうところの、
社会・文化的な変化に対する理解できる反応として自殺行動を報道するのを控える。

とのアドヴァイスに鑑み、適当ではない。

このように点検してみると、日本のマスコミはWHOの「手引き」からすると、かなり問題がある。

WHOの「自殺を報道する際の一般的原則」を熟読して貰いたい。

酷な言い方になるが今まで、マスコミ報道が自殺者の増加の一因になっていた

(故意に、でないことは分かるが)、と思われるのだ。

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2009.12.25

【音楽】クリスマス特集を良心的に組もうとすると、大変困ります。結局平凡な選曲になりました。

◆クリスマス・キャロルだけじゃないですからね。本当は。

今朝の日本経済新聞のコラム、「春秋」(12/24)、なかなかいいですね。
抜萃引用しますと、

キリスト教は欧米の宗教ではない。発祥の地は現代風にいえば中東であり、西に向かって広まった。

地理的な距離感は、インドで始まった仏教が東に向かい、日本でも定着したのと似ている。

キリスト教も、仏教も、その過程で、それぞれの地に合った味つけもなされた。

そのとおりなんですね。欧米の宗教ではない。しかし、こと音楽とキリスト教との関連を考えると、

西洋音楽とヒジョーに深い関係があって、バッハの作品だけ考えても、キリが無い。

カンタータなんて200曲もあります。

更に、三大宗教曲といってですね。マタイ受難曲、クリスマス・オラトリオ、ヨハネ受難曲。

いずれも全曲演奏したら大変長い。その中から、特に綺麗なのを、とやり出したら・・・・。

世の中にはバッハ研究の専門家がいて、一生かけてるわけですから、私には手に負えません。

というわけで、クリスマスキャロルと、クリスマスには直結しませんが、バッハのカンタータなどから、

色々選ぼうとしたのですが、中途半端になりそうなので、今年は断念して、ごくありふれた構成にします。

つまり、非常に有名なクリスマス・キャロル「だけ」です。悪しからず。


◆クリスマス・キャロルの代表曲。

今からCDを取り寄せてもしかたがないから、一昨日も紹介しましたが、

iTunes Storeでダウンロード購入出来るThe Very Best of Christmasから。


今年生誕200年だった、メンデルスゾーン作曲の、

Hark! The Herald Angels Sing


です。歌詞を添えます。

1.

Hark! the herald angels sing, "Glory to the newborn King;

Peace on earth, and mercy mild, God and sinners reconciled!"

Joyful, all ye nations, rise, Join the triumph of the skies;

With th' angelic host proclaim, "Christ is born in Bethlehem!"

Hark! the herald angels sing, "Glory to the newborn King."



2.

Christ, by highest heav'n adored; Christ, the everlasting Lord!

Late in time behold him come, Offspring of the Virgin's womb:

Veiled in flesh the Godhead see; Hail, th'incarnate Deity,

Pleased, as man with men to dwell, Jesus, our Emmanuel.

Hark! the herald angels sing, "Glory to the newborn King."



3.

Hail the heav'n-born Prince of peace! Hail the Son of Righteousness!

Light and life to all He brings, Ris'n with healing in His wings.

Mild He lays His glory by, Born that man no more may die,

Born to raise the sons of earth, Born to give them second birth.

Hark! the herald angels sing, "Glory to the newborn King."

では、音楽をどうぞ。





このボーイソプラノでなければ得られない声の美しさですね。クリスマス・キャロル(というか教会の聖歌隊は)はこれが肝心です。


次に、これも有名ですね。「もろびとこぞりて」、英語だと、"Joy to the World"です。


Joy to the World



英語歌詞を添えます。
Joy to the world! The Lord is come

Let earth receive her King

Let ev'ry heart prepare Him room

And heaven and nature sing

And heaven and nature sing

And heaven and heaven and nature sing

Joy to the earth! the Saviour reigns

Let men their songs employ

While fields and floods, rocks, hills and plains

Repeat the sounding joy

Repeat the sounding joy

Repeat, repeat the sounding joy



No more let sins and sorrows grow

Nor thorns infest the ground

He comes to make His blessings flow

Far as the curse is found

Far as the curse is found

Far as, far as the curse is found





He rules the world with truth and grace

And makes the nations prove

The glories of His righteousness

And wonders of His love

And wonders of His love

And wonders, wonders of His love

曲をお聴き下さい。






同じメロディーで歌詞がことなる。1番、2番と言っていいのかわかりませんが、

そこで、わずかに間を取りますね。これが、一瞬の静寂を生み、また新たに歌声が聞こえる。

教会というのは残響が長いので、こういう工夫が為されるようになったのかな、と

全然不勉強で知りませんが、今、ひらめき(?)ました。


次も良く知られています。讃美歌としては111番だそうですが、英語の曲名は、O Come, All Ye Faithfulです。


O Come, All Ye Faithfulの歌詞です。
O come, all ye faithful,

Joyful and triumphant,

O come ye, O come ye to Bethlehem;

Come and behold him,

Born the King of angels;

O come, let us adore him,

O come, let us adore him,

O Come, let us adore him, Christ the Lord.



God of God, Light of Light,

Lo! he abhors not the Virgin's womb:

Very God,

Begotten, not created; Refrain



Sing, choirs of angels,

Sing in exultation,

Sing, all ye citizens of heaven above;

Glory to God

In the highest; Refrain



See how the shepherds,

Summoned to his cradle,

Leaving their flocks, draw nigh to gaze;

We too will thither

Bend our joyful footsteps; Refrain



Child, for us sinners

Poor and in the manger,

We would embrace thee, with love and awe;

Who would not live thee,

Loving us so dearly? Refrain



Yea, Lord, we greet thee,

Born this happy morning;

Jesus, to thee be glory given;

Word of the Father,

Now in flesh appearing; Refrain

どうぞ。





次は説明要らないですね。「清しこの夜」、"Silent Night"。


但しですね。この録音、英語歌詞が普通と全然違うのです。

"Silent Night"の歌詞は何種類もあるのでしょうか(調べたけれどもわかりません)?

ご教示頂けたら幸いです。



それでは。
Have a Merry Christmas!

(あの、いうまでもなく、24日はクリスマス「イブ」ですからね?クリスマスは25日ですから)。

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2009.12.24

「10年度税制改正大綱」←これも大事ですけど、景気指標をみてますか? 鳩山さん。

◆記事:税制改正で約1兆円増税に(NHK:12月23日 4時45分)

政府は22日、扶養控除の一部廃止やたばこ税の引き上げなどを盛り込んだ来年度の税制改正大綱を決定し、

これらの改正がすべて実施された場合、国と地方であわせておよそ1兆円増税となる見通しです。

22日に閣議で決定された来年度の税制改正大綱では、所得税と住民税の扶養控除について、

子ども手当の創設にあわせて16歳未満の子どもがいる人を対象とする「年少扶養控除」を廃止する一方、

23歳から69歳までを扶養する際の「成年扶養控除」は現状のまま存続させます。

さらに、16歳から22歳までの家族を扶養する人に多くの控除を認めている「特定扶養控除」は、

高校の無償化にあわせて16歳から18歳の部分について控除を縮小します。たばこ税については、

国民の健康の観点から来年10月から1本当たり3.5円増税し、

小売価格で1本5円程度値上げされる見通しになりました。20本入りのたばこ1箱では、

100円程度の値上げです。さらに、ガソリン税などの暫定税率の制度は廃止するものの、

税率水準を維持するための特別措置を設けることになり、

暫定税率の廃止で2兆5000億円を減税するという民主党の政権公約は実現できませんでした。

扶養控除の一部廃止などは平成23年以降に実施されますが、今回の税制改正がすべて実施された場合、

国税と地方税あわせておよそ1兆円増税となる見通しです。


◆コメント:子ども手当ての財源を捻出した結果増税になり、総需要をこれ以上抑えては困る。

税制改正というのは、毎年やるのですよ。

教科書風に最も簡単に書くと、

税体系を経済や社会の変化に合わせて改正する作業。毎年度実施される。

ということになります。自民党政権のときは、首相の諮問機関で、財政学者などにより構成される

「税制調査会」が答申をまとめて、12月半ばに政府が「税制改正大綱」を発表して、

税制改正法案を作って、1月の通常国会に提出して、可決される、ということでした。


鳩山政権は、学者じゃなくて財務大臣や各省の副大臣による「政府税調」が改正作業をやることにしたわけです。

問題は、理想は、最初、「清く、正しく、美しく」だったのだけど、何せ具体的に数字をまとめることになれてないから

実務上、ヘマが目立つんですな。


メディアが批判しているのは(批判するだけなら簡単なんですけどね)、マニフェストの目玉商品だった

「子ども手当て」の支給を守るために、他の公約だった、ガソリン税の暫定税率(今は本来の倍、ガソリン税が

かかっているのです)を、本来の税額に戻すと言っていたのを反故にしちゃったじゃないか、ということですね。

マニフェストで色々調子の良いことぶち上げておいて、子ども手当てを何としても実現しようとしたら、他の公約を

反故にして、いいのかい?と言うわけです。


おまけに無駄をなくすといって、事業仕分けで、先日書きましたけど、例えば芸術関係の補助金を

「圧倒的」に縮減とかいうので、小澤征爾さんまで、減らさないでくれと直訴したけど無駄だったようで、

しかもそれで子供手当の財源を確保出来たかと言ったら、7000億円程度で予想より全然足りない。

色々な人が減らされたら困るという予算を削ってなおかつ、子ども手当の財源確保には足りないのです。


◆子ども手当

子ども手当てとは、中学生以下の子供1人に対して2010年度は毎月1万3000円、2011年度からは2万6000円を

支給する、というのだけど、それでどうなるのですかね。

東京なら、塾代には足りないし、塾になど通わせていないという

家庭では、それが本当に子供のために使われるのかと。家計の足しになるだけで、子供が多い方が得で、

可処分所得が増えるけど、子供がいない世帯では、所得の補助にもならない。何か不公平な気がする。

しかも、その為に、なんでガソリン税の暫定税率維持を決めたのか、という論理が分かんないですね。

要するに、民主党は、まあ、初めて政権を取ってしかもいきなり新しいやり方で税制改正を試みたけど、

結果敵には全体として増税になるんですね。何しろ子ども手当のために初年度だけで、総額2兆3千億円も要るのですよ?

2011年度からはその倍もいるのですよ。

どうすんの?ってことですね。消費税を上げるって言うけど、景気が回復してりゃまだしも、

全然回復していないのです。


◆税制改正に隠れてしまって、大きく報じられない、日銀金融経済月報と内閣府の月例経済報告

日銀は先週の木曜と金曜に金融政策決定会合を開催して、金融政策の現状維持を決めました。

それは、予想どおりです。今、利上げするわけないし。完全なゼロ金利に引き下げたり、量的緩和策を

決めてしまったら、もうそれ以上何も出来ませんからね。

金融政策決定会合の翌営業日に日銀は金融経済月報を発表します。

そこでの基本的見解は

わが国の景気は、国内民間需要の自律的回復力はなお弱いものの、内外における各種対策の効果などから持ち直している。

でした。「持ち直しているならいいじゃないか」ではなくて、日銀の基本的見解は前月から

どのように、景気にたいする基本的見解が変化しているか、が重要なんです。

9月から11月までは、相対的にかつ、わずかながらですが、表現がプラス方向に変化していた。

12月は4ヶ月ぶりに11月と変わりありません。

景気は持ち直しつつあるといっても停滞していると言うことです。



同じ日に、これも毎月、政府が景気をどのように認識しているかを示す、内閣府が作成する、

月例経済報告というレポートがありますが、これも最初に結論が書いてある。

「基調判断」いいますが、11月に関しては、
-景気は、持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。-

です。これも前月まで、プラス方向に変化していたのに、今月の発表は11月と変わりません。


◆「はじめに子ども手当ありき」でやるからおかしな事になるんです。

甘いことを言えば、民主党は初めて政権政党になり、しかも、なった途端、今までの「しきたり」も

よく分からないうちにいきなり「脱官僚」とかいうから、役人の強力も得られずに大変なのはわかりますが、

このまま景気がまた下向きになって、年末ともなれば、必ず自殺者が増えますよ。

だから厳しいことを言わざるを得ない。

マニフェストはどうせ全部守れない、ということになりました。暫定税率維持とか。

しかし、子ども手当に専心するあまり全体として増税になったら、経済はますます萎縮し、

デフレスパイラルが止まりません。民間で総需要を増やせないのなら、

国が財政支出により、需要を喚起するのです。

ケインズという経済学者が何十年も前から言ってます。

だから、どうせ公約破るなら、「国債新規発行額を44兆円以下に抑える」の方を破るのです。

藤井財務相は景気対策は日銀の仕事とかいっていますが、いくら日銀が市場に資金を供給しても、

モノの製造増えたり、そのために設備投資投資をしよう、という気が無ければどうしようもない。


たとえが不謹慎なのですけど、床にガソリン撒いただけでは、何もおきませんよね?

火を点けて初めて、爆発的に炎上するわけです。

景気を火事にたとえてはいけないけど、今の政府は、その火付け役にならなければ、

と言う自覚がないのです。

マスコミも、「税制改正大綱」の矛盾点を指摘・批判してばかりいないで、

民需が弱いのだから国が何とかしろ、という批判をしなくてはいけないのです。

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2009.12.23

【音楽】クリスマス。今日は器楽です。

◆クリスマスです。

最初にCDをご紹介しておきます。と書きたいのですが、去年も実はこれをお薦めしたためか

今からだと、Amazonでも、HMVでも取り寄せになります。輸入盤ですので、クリスマスの1ヶ月後頃に届いてしまうでしょう。

そこで探したら、iTunes Storeでダウンロード購入できます。

一応CDをもう一度ご紹介すると、The Very Best of Christmasですが、

今書いたとおり、何処か大きいCD屋さんにあるかも知れないけれども、最も確実なのはiTunes Storeの

The Very Best of Christmasでダウンロード購入することでしょう。

これなら、一曲ずつ買えますから(勿論アルバムごと買えます。別に宣伝するつもりじゃないけど、

36曲で1200円だから、お得だと思います。勿論音楽ですから、曲数が多くて安くても、演奏次第ですが、

これ、真面目に聴いて、上手いのですよ。さほど有名な演奏家じゃないのですが。


◆去年は載せませんでしたが、オーケストラ曲から。

オーケストラ曲というと正しくないのですが、バッハのオーケストラ伴奏の合唱曲でクリスマス・オラトリオという大曲があります。

6つのオラトリオから構成されていて、全曲演奏するのに3時間以上を要します。


その2つ目のオラトリオにシンフォニアという、オーケストラだけで演奏される曲がありますが、

非常に穏やかな音楽があります。


バッハ:クリスマス・オラトリオ第2部から「シンフォニア」







良いでしょう?

で、これはオラトリオだから、ホントは原曲とおり、オーケストラと合唱による演奏を

聴いて頂くべきなのですし、先日載せたばかりなのですが、ジャーマン・ブラスによる

あまりにも見事な演奏があり、私が聴きたいので、映像と音声をアップさせて頂きます。

German Brass Christmas Oratorio BWV248_No 64







本来、人の声(合唱)があってこその「オラトリオ」ですが、これは金管合奏だけで、それに匹敵するぐらい、

素晴らしい演奏だと思います。

一応、合唱が入った原曲の演奏もお聴かせします



クリスマス・オラトリオBWV28の第64曲の原曲。






次は、The Very Best of Christmasに戻ります。

特にクリスマスの曲という訳ではないのですが、


モーツァルトの3つのドイツ舞曲 K. 605 - 第3番 ハ長調 そり滑り







甲高いラッパが「ポストホルン」で昔、ドイツ(や、多分オーストリア)の郵便配達のオジサンは、あれを吹いて、

郵便が届きましたよ。

という合図に使ったので、ポスト・ホルンという訳です。勿論この演奏みたいには上手く吹けなかったでしょうけどね

(そもそも「郵便が届きましたよ」という合図であって、音楽演奏じゃないから、特別に上手い必要はありません)。

少々専門的ですが、この曲では実際に現代に作られた演奏会用ポストホルンを使います。最初はファのオクターブなのですが、

更にドのオクターブになります。あの高い音は、ピアノの真ん中のドの2オクターブ上の「ド」の音ですが、

ごく普通のトランペット、最初に習う、吹奏楽やジャズのビッグバンドではずっとそれを使うのですが、変ロ調の管

で言えば、通常の音域の最高音より1音高い音で、オクターブを吹いているだけではないか、と言われそうですが、

かなり気を使うと思います(ちょっと間違えると、「ド」よりも高い「レ」の音や、1音低い「シ♭」が出てしまいますが

曲の終わりはポストホルンで締めくくるわけですから、あそこで間違えると、とても恥ずかしい)。



今日の最後です。モーツァルトの「そり滑り」を聴いて頂いたので、

現代の、ルロイ・アンダーソンの「そり滑り」(Sleigh Ride)をお聴き頂きましょう。

The Very Best of Christmasにも収録されていますが、

私は先日、ルロイ・アンダーソンの自作自演CDを入手したので、こちらをお聴き頂きます。

なお、この曲の一番最後に「馬のいななき」が効果音として出てきますが、この音を出しているのはトランペットです。

ふざけているようですが、なかなかこのように、本当っぽい音は出せません。



ルロイ・アンダーソン「そり滑り」







はい。今日はここまで。クリスマスというのでクリスマス・キャロルを期待なさっていた方、申し訳ありません。

今日クリスマス・キャロルをやってしまうと、既に明日ですが、クリスマス・イブににっちもさっちもいかなく

なってしまいます。ご容赦のほど。

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2009.12.21

「欧州寒波、死者38人に…空港閉鎖も」←約2年4ヶ月前、地球温暖化が欧州の寒冷化をもたらすかも知れない、と書きました。

◆記事:欧州寒波、死者38人に…空港閉鎖も(12月21日12時40分配信 読売新聞)

【パリ支局】欧州の寒波による被害は20日、拡大し、AP通信などによると、

ポーランドで路上生活者ら29人が凍死したのを始め、オーストリアやフランス、ドイツなど欧州全体で少なくとも38人が死亡した。

英国と欧州大陸を結ぶ高速鉄道「ユーロスター」も運休しており、復旧のめどは立っていない。

ポーランドやドイツなどでは19日から20日にかけて、気温が氷点下20度前後にまで低下。

交通機関の乱れが相次ぎ、独デュッセルドルフの空港が閉鎖されたほか、仏航空当局は、

21日午前のシャルル・ドゴール国際空港出発便の約2割を欠航とするよう要請した。


◆コメント:地球温暖化の影響で、欧州の気候が寒冷化する可能性は以前から指摘されていました。

この件に関係しているかもしれないことを、私は、

2007年08月17日(金) 「<北極海>氷の面積が減少…観測史上最小に」←「その結果、何が起きるのか」を誰も解説しない。ココログ

という記事の中で、「熱塩循環への影響」と説明しました。


◆熱塩循環とは何か。

世界の海の水は、超巨大なベルトコンベアーのようになっていて、約2000年かけて、地球を一周します。

Greatoceanconveyorbelt
低緯度で暖められて、表層を流れてきた海水は暖かく(メキシコ湾流)、これがヨーロッパ大陸の西の大西洋を通るので、

多くのヨーロッパの都市は、東京どころか、ロンドンなどは北海道よりも北にあるのにもかかわらず、

(日本をヨーロッパの近くに寄せた、この地図を見ると大変よくわかります。)

Latitudeeuropejapan
このベルト・コンベアが循環する原動力は何かというと、メキシコから北上してきた海水が、北上するにつれて、

冷気に接して水温が下がり、相対的に塩分の濃度が高くなり、さらに、北極海の海氷が出来るときに、塩分は凍りにくいので、

氷の外に排出されるのですが、これで、高緯度の海水の比重を高くします。


比重が大きい(塩分の濃度が高い)海水は、海の表面から、深いところへ沈んでいきます。

この運動を「熱塩循環」といい、巨大な「ベルト・コンベア」つまり海洋水の大循環を動かす

原動力になっているのです。


ところが、近年予想以上の速さで北極海の海氷が温暖化の影響で溶けています。

また、北欧の陸にある氷河が、やはり温暖化が原因で溶けて、溶けた水が海に流れ込んでいます。

北極海の海氷も陸地の氷河も淡水ですから、これらが溶けて海に流れ込むと、

本来、塩分の濃度が濃くなり、海水の比重が重くならなければならないところで、海水を薄めてしまいます。

比重が大きくならなければ、海面近くの海水が、海の深いところへ沈まなくなってしまいます。

極端な場合、ベルトコンベアが、止まってしまいます(熱塩循環の停止)。

するとメキシコ湾の温かい海水が欧州付近にまで上がって来ません。

メキシコ湾流のおかげで高緯度にも関わらず、さほど寒くなかった欧州は、寒冷化するかもしれません。


以上が2007年8月に書いた記事の中で、欧米の寒冷化と関係する部分です。


◆欧州の寒波は、まだ短期間の現象ですから、もう少し観察しないと何とも言えません。

最近の欧州の寒波は、まだ長期的に持続するかどうか分かりませんので、

上述した、地球温暖化→北極海の海氷、北欧の氷河の融解→熱塩交換への影響、

によるものかどうか、断定できません。専門家でもそこまで言っている人はいないと思います。

(絶対にいないかどうかは分かりませんが)。

ただし、同時に、地球温暖化と欧州の寒波が無関係である、という証明も不可能です。

ありきたりの結論となりますが、どのように欧州の気候が変動するか注意深く観察する必要があります

(専門家は、とっくに実行しているでしょうが)。

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2009.12.20

「コペンハーゲン合意採択見送り、合意に「留意」-COP15が閉幕」←誰も本気で温暖化など心配していない。

◆記事:コペンハーゲン合意採択見送り、合意に「留意」-COP15が閉幕(ブルームバーグ)(2009/12/20 16:35)

12月19日(ブルームバーグ):第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)は19日、

2013年以降の国際的な地球温暖化対策の方向性を示す「コペンハーゲン合意」を採択することはできず、

「合意に留意する」ことで決着し、閉幕した。

同合意は各国に温暖化ガス排出量の自主的な削減を求めているが、拘束力はない。

世界の気温上昇を2度以内に抑制するとの目標を明示した。

12年で期限が切れる京都議定書後の枠組み作りは少なくとも1年先送りされた。

オバマ米大統領は中国や他の25カ国前後との間で、地球温暖化防止に向けた政治合意を大筋で了承できたことは

「かつてない」前進だと評価。これに対し、環境団体や少なくとも5つの発展途上国は会議が失敗だったと指摘している。

オバマ大統領は18日、COP15の開催地デンマークのコペンハーゲンを発つ前に、今回の合意は「第一歩だ」と言明。

同大統領は合意をまとめるため、COP15で延べ14時間の会議に臨み、193カ国8000人の代表を前に演説を行った。

オバマ大統領はコペンハーゲンで記者団に対し、

「合意には法的拘束力はないが、これによって各国は世界に対し自国が何を行っているかを示すことができる」と語った。


◆コメント:皆、「自分が生きている間ぐらいは大丈夫だろう」と思いたがるから、「ポーズ」でしかない(私を含めて)

私は今までに、地球温暖化に関して、何度も弊日記で取りあげた。

単純にエンピツの目次ページ(ブログより検索しやすい)を、

「地球温暖化」で検索した結果がこれである。



初めの頃は私は自分が「地球環境を憂えている」のだ、と自己暗示をかけていたが、

自分の心をよくのぞき込むと、実は「どうでも良い」と思っていることが分かった。

今、この瞬間、地球上に生きている人は、今日生まれた赤ん坊も含め、100年後には殆ど死んでいる。

死んだ後、地球環境がどうなろうが、私は知ったことではない。

「地球を守ろう」とか「地球にやさしい」というキャッチフレーズをしばしば目にするが、

偽善的である。正しくは、

人間にとって都合がいい地球環境を守ろう。

だろう。人類が絶滅したって、地球は勝手に自転しながら太陽の周りを公転し続ける。

いずれにせよ。50億年後、水素を使い果たした太陽は膨張して赤色矮星(せきしょくわいせい)となり、

その時、多分地球は飲み込まれて跡形も無くなる。仮に飲み込まれなくても、太陽が無くなれば、地球の

生物は全滅するわけで、そもそも、それまでホモ・サピアンスという「種」が存続しているとは

考えにくい。

どのような経緯を経ても遅かれ早かれ人類は消滅するのであるが、私も含めて、今生きている人々は、

地球温暖化が進行しても、自分(及び願わくば自分の子供)が生きているぐらいは、なんとか、保つだろう」

と、漠然と根拠もなく考えている(若しくは、考えたがっている)。

自分たちが生きている間に地球が、CO2による温暖化で、人類が生存できないほどの環境になる、

とは考えたくないから、そうならないだろう、と思いつつ、形だけ「エコ」とか「環境」などという単語を口にする。

今回、コペンハーゲンで開催されたCOP15に参加した世界各国の代表も、本気ではない。


何も決まらない事の本当の根源的な理由はそこにある。

CO2が地球温暖化を進行させているならば、各国のCO2排出量を削減しても意味がない。

CO2を排出しつづけることに変わりはないのだから、大気中のCO2濃度の上昇スピードが多少、

遅くなるかも知れない、というだけのことであり、本当にCO2が温暖化の主因なら、

大気中のCO2濃度を下げる(「CO2排出量」を減らすのではなく、大気中のCO2の絶対量を減らす)方法を

考えないと、意味がないのではないか。

そういことが議論されないのは、やはり、誰も本気ではない証拠である。

非難するつもりはない。

私も自分が死ぬまで何とか保ってくれれば、後はどうなろうが知ったことではない、からである。
そんなことはない。訴え続けることに意味がある。

という方、まずご自分で実行していただきたい。

私は、散々訴えました。

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2009.12.19

【音楽】12月16日はベートーベンの誕生日でした。ピアノ協奏曲第5番「皇帝」他。

◆ベートーベンと山本直純さんは同じ誕生日でした。

先日、

【音楽】涙が溢れるほど懐かしい、山本直純さんが解説する「青少年のための管弦楽入門」with NHK交響楽団

という記事を書きました。エンピツココログで日付が違うのですが、

実際に書いたのは12月16日です。後で調べて気が付き、大変驚いたのですが、奇しくも12月16日は山本直純さんの誕生日でした。


同じ日に生まれたのが、これがまた偶然ですが、「クラシック音楽の代名詞」みたいな、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)です。

細かいことですが、ウィキペディアには本当は、洗礼を受けたのが12月17日だ、という記録がのこっているだけだ、

と書いてあります。もしかすると15日が誕生日かも知れない訳ですが、どっちでもいいから、普通の百科事典どおり、

12月16日がベートーベンの誕生日で、偶然にも、山本直純さんが同じ誕生日だ、と言うことにしましょう。


それで、今日は、忘れていたベートーベンです。


◆東京音大付属高校創立70周年記念コンサート(2002年)のCDです。

これから、お聴きいただくのは、東京音楽大学付属音楽高校が2002年12月22日に、新宿文化センター大ホールで行った、

「創立70周年記念チャリティ・コンサート」を録音したCDです。

当然、非売品なのですが、ツレアイが東京音大附属高校の同窓生なので、タダで貰ったのを

私がいつも聴いています。7年前ですから、当時高校生だった、このオーケストラの諸君は、

既に大学を卒業したか、今年卒業する筈ですが、とにかくこの時は高校生。

当時のメンバー表を見ると分かりますが、弦楽器はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのトップは3年生ですが、

それ以外は、大体1年生なのです。つまりまだ15歳か16歳。この年の3月までは、

中学生だった子供達です。

コントラバスだけは、大学生(東京音大生)が弾いています。

細かいことを言えば、それはまだプロに及びませんが、普通の方は驚くのではないでしょうか。

高校生でもうこんなに弾ける。そんなの当たり前。というのが、

プロの音楽家を目指す子たちのレベルなのですね。

なお、ピアノ協奏曲でソロを弾いている小川典子さんは、とっくにプロとして活躍していますが、

東京音大附属高校の卒業生なので、ゲスト・ソリストとして呼ばれたのです。

アンコールで、リストの「ラ・カンパネラ」を弾いています。


◆エグモント序曲、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」、アンコール「ラ・カンパネラ」です。

今は、東京音大は、学校の敷地内に音大(音高ではなく)創立100年を記念して建てられた、

立派な自前のホールをもっていますが、この録音当時(2002年)には存在せず、

前述通り、新宿文化センターでの公演です。

一応、プロが録音していますが、市販する商品ではないので、録音の音質に拘る方には、

はっきり言って不満だと思いますが、普通の方は気にならないと思います。それより、

演奏しているのが15歳~18歳の子供達ばかり(コントラバス以外は)なのだ、ということを

忘れないで聴いて下さい。

一曲目、エグモント序曲

一曲目で、まだちょっと緊張してます。トランペットの1番、ティンパニは、当時3年生の女の子です。



エグモント序曲





二曲目。メイン・プログラムは、先輩のピアニスト小川典子さんをソリストに迎えて、

ピアノ協奏曲第5番、「皇帝」です。このブログでベートーベンのピアノ協奏曲を載せるのは、

初めてです。普通のCDと異なるのは、「身内用」の録音で、商品ではないので、

楽章毎にトラックが分かれていないのです。この曲は、当時の協奏曲の定石通り、

三つの楽章で構成されていますが、最初から最後までぶっ通しです。

「皇帝」は実際の演奏でも第二楽章と第三楽章は続けて(休みをとらず)演奏されます。

この時、第二楽章の終わりから第三楽章の始めにかけて、ホルンがB音をずーっと吹き続けます。

再生開始後27分10秒あたりからです。この演奏はソリストが親切なほうで、老巨匠が弾いたりすると思いきり

ゆっくり弾くので、ホルンは大変息が苦しいことになります。この演奏は30秒ぐらいですが、下手をすると、

40秒から50秒という事もあります。それから、曲の一番最後。37分すぎから、独奏ピアノとティンパニだけが音を出す

部分があります。リタルダンド(段々おそくなる)し、弱音ですから、お互いによく相手を聴かないと、合いません。

ティンパニ奏者は、気を使うと思います。


ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 「皇帝」







見事なピアノと伴奏でした。


最後に小川典子さんがアンコールでラ・カンパネラを弾きますが、その前に一言お客さんに挨拶をします。

なかなか、傑作です。それも含めて、どうぞ。


リスト:「ラ・カンパネッラ」







「ちょっと、この曲は今日は練習していないので、失敗するかも知れません」

とか、いいつつ、あっさり弾いています(笑)

この人、上手いのですけどね。日本よりも海外で知られていてBISというレーベルに随分録音しています。

余談ですが、この時、オーケストラのコンサートマスターは確か高3だった、佐田君という男の子で、

あの、さだまさし氏のご令息でした。カミさんの昔の同級生で今、N響でヴァイオリン弾いている人が先生の一人だったそうですが、

とても性格のいい子だそうです。

ご存知の方はご存知のように、さだまさし氏も実は少年時代はヴァイオリニストを目指していたのです。

しかし、長崎では「天才少年」でも、芸大付属高校に入ろうと思って上京し、詳しくは忘れましたが、

多分、夏の講習(音高・音大受験生は、殆ど必ず、前年の夏の講習会を受けます)か何かで、

あまりにもすごい才能が、わんさか存在することに驚嘆しました。さださんの実家の経済状況から考えると、

国立の芸大付属しか学費を払えないのですが、芸大こそ一番優秀な人が全国から集まるのですから、当然なのですが、

とにかく、この時にさだまさし氏は完全に挫折するわけです。「自分はクラシックのヴァイオリニストにはなれない」と。


それで、紆余曲折を経て「シンガーソングライター」になった訳ですが、幸いこちらで成功し、経済的には恵まれました。

さらに幸運なことに、ご令息は親父さんよりもずっとヴァイオリンの才能があったので、東京音大付属に合格したのですね。

この、コンサート、さだまさしさんは、ホールの何処かで聴いていたと思うのですが、姿を確認していないので分かりません。

でも、さぞや嬉しいだろうと思います。良かったですね。


私はこの年の「紅白歌合戦」でさだまさし氏が、やたら上機嫌なこと。また、自分の歌「精霊流し」では、

前奏と後奏で、自分でソロ・ヴァイオリンを弾きますけれど、この頃から、「精霊流し」のソロに力が入っている

(身体的に無駄な力が入っているのではなく、「気合い」のようなものを感じる、という意味です)ように思いますが、

これは、あくまでも私の個人的な印象です。


余談が長くなりました。

私が強調したいのは、とにかく、プロの音楽家になる、ということは、15歳か16歳で既にこんなに弾ける子が、更に最短でも

高校3年間と大学4年間勉強して、やっとたどり着く境地であって、大変厳しいものなのだ、ということです。


さて、お薦めCDです。このCDは一般には入手できないので、一般のCDからお薦めします。

とりあえず、巨匠ルービンシュタインを、自らも元来ピアニストで世界有数の名人、バレンボイムが伴奏(指揮)している

ベートーヴェン : ピアノ協奏曲第5番 「皇帝」 をお薦めしますが、

「とりあえず」と書いたのは、「いい加減に選んだ」という意味ではありません。

「皇帝」はありとあらゆる名人が弾いているので、誰か一人に絞るのは大変困難なのです。不可能に近い。

ゼルキン、ベートーヴェンと言ったらこの人、バックハウスフリードリヒ・グルダギーゼキングギレリス、ヴァント&ケルン放送響

クラウディオ・アラウ=サー・コリン・デイヴィス=ドレスデン・シュターツカペレとかね。

あー、やっぱり駄目だ。キリがない。この他、アルゲリッチ、ポリーニ、アシュケナージ、ブレンデル等々、本当に

いくらでも思い付くのです。こういうのがクラシックの醍醐味の一つでして、一編に全員買ったらつまらないので、

もしも、この音楽(ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 「皇帝」)が気に入ったら、これら色々な人の演奏を聞き比べる。

だれが、非常に良いな、と思うピアニストがいたら、今度はその人が演奏する別の曲を聴いてみる。ルービンシュタインだったらショパンとか、

いくらでありますから。

そういう、宝の山なんです。この世界は。はい。

皆様、どうか良い週末をお過ごし下さい。

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2009.12.18

改めて「普天間基地問題入門」。

◆実はよく分からない、という方もおられるでしょうから。

沖縄県にある、在日米軍の普天間基地をどこに移すか、と言う問題に関して、

鳩山政権が煮え切らないということで、毎日のようにメディアに叩かれていますが、

実は、どういう問題か、詳しく説明出来ないという方もおられると思います。

そんなに難しい話ではないのに分かり難いのは、特に沖縄県の地理、土地勘が無い為ではないかと思います。

私もその一人で、沖縄に行ったことがありません。ですから感覚としては把握出来ていないのですが、

問題の所在を説明します。


◆普天間基地は沖縄県宜野湾(ぎのわん)市にあります。

日本には米軍施設(自衛隊と共用の施設を含む)が29都道県にあります。米軍専用施設に限っても、13都道県にあります。

2009年1月1日現在では日米共用施設を含めると134施設。米軍専用施設は85施設あります。

沖縄には、米軍専用施設が33あり、日本の米軍専用施設の面積合計の75%を占めます。

防衛省の資料に表示されています。在日米軍施設・区域(専用施設)面積

普天間基地は沖縄県宜野湾(ぎのわん)市にあります。

宜野湾市の沖縄県内の位置を地図で示します。


大きな地図で見る


何故、特に普天間基地が問題なのか?

普天間基地は町の中にあり、周辺は住宅で囲まれています。

このため、基地周辺の住民は飛行機やヘリコプターの騒音に悩まされています。最もうるさいところでは、

騒音が120デシベル(カラオケ店内が約90デシベル)に達します。騒音の回数は1日、朝から晩まで56回もあります。

また、米兵の犯罪が多発しています。この10年間で679件に及び、1995年9月4日、小学生の女の子が米兵に乱暴されました。

これが、最も日本側がキレた大きな理由のひとつです。

また、2004年8月13日、米軍のヘリが、沖縄国際大学に墜落、炎上しました。学生や住民に死傷者は出ませんでしたが、

これは運が良かっただけで、住宅地に軍の施設があることの危険性が認識されました。


普天間基地を別の場所に移すことに関して日米両国政府の協議が10年も続きました。

1996年に日米両政府は普天間飛行場の返還と移設そのものに関しては合意しています。

どこに移すか決めるのに10年を要し、2006年日米両国政府は在日米軍再編に関して合意しました。

その合意では、2014年までに普天間飛行場を、沖縄県名護市辺野古(へのこ)のキャンプ・シュワブという基地の

海沿いを埋め立てて、そこに移すこと。アメリカ兵2万1千人のうち8千人をグアムへ移すことが決まりました。

キャンプ・シュワブの位置はこの通りです。


大きな地図で見る


◆ところが政権が変わりました。

8月30日の総選挙で民主党が与党となり、国民新党、社民党と連立を組んでいます。

民主党の選挙前のマニフェストにはこのように書いてあります。

日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む。

米軍再編を見直すということは、普天間飛行場をキャンプ・シュワブに移転するという2006年の合意を見直す、

ということです。民主党と連立を組んでいる社民党は、普天間飛行場を同じ沖縄県のキャンプ・シュワブに移転しても

仕方がない。県外に移すべきだといいます。

アメリカは、日本の政権が変わろうがしったことではない。2006年に合意したとおりキャンプ・シュワブに移転するぞ、

と、ムキになっていますが、辺野古の人々からは、飛行場を自分たちの土地に移して欲しくない。それを断ってくれると思ったから

8月の総選挙で民主党に投票したのだ、という人々がいます。

ところが民主党がはっきりしない。政権を取る前はマニフェストで「米軍再編を見直す」と書いていますが、

それでは、どこに移すのか?に関しては明言していません。決めておかないうちに本当に政権を取ってしまったので、

2006年の日米合意をそのまま実行したのでは、マニフェストでウソを言ったことになります。

社民党は、あくまで県外移転に拘り、普天間を県外に移さないならば、民主党との連立を止めるかも知れない、といいます。

繰り返しになりますが、アメリカは、民主党が本当に米国と日本との2006年の合意を変えるなら、日米同盟を考え直そうかな、

と、民主党を牽制します。鳩山さんはどうしたらよいか、最後は自分が決めるといいながら、

結局、いつまでに決めるかはっきり決めないことに決めた、

というので、鳩山首相は結局「ここ一番」というときに決断できないではないか。

と、呆れられています。

簡単ですが、以上が現在の状況です。

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2009.12.17

「米誌タイム『今年の人』にFRB議長 金融危機のかじ取り評価」←何言ってんだよ。バカ。

◆記事1:「今年の人」にFRB議長 金融危機のかじ取り評価(共同通信)(2009/12/17 00:22)

【ニューヨーク共同】米誌タイムは16日、年末恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に、

大恐慌以来の経済危機に見舞われた米国の金融政策のかじ取りに当たった米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長(56)を選んだ。

同誌は選考理由について、金融危機への対応をめぐり「可能な限り通貨供給を緩和し、多くの銀行を救った」などと説明。

議長の手腕を高く評価した。2008年の「今年の人」はオバマ米大統領だった。

議長は東部の名門プリンストン大経済学部長を経て02年にFRB理事。

ブッシュ前政権の大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務めた後、

グリーンスパン前議長の後任として06年2月、FRB議長に就任。

金融危機を受けた昨年末、事実上のゼロ金利政策を導入。今年3月には異例の量的緩和も実施し金融安定化に尽力。

しかし危機対応が後手に回ったとの批判も浴びた。来年1月末で4年間の任期が切れる。

オバマ大統領が再指名、米上院の承認も得られる見通しで、続投が確実視されている。


記事2:米地銀3行が破たん、年初来の米銀破たん件数は133件(12月14日10時10分配信 ロイター)

米連邦預金保険公社(FDIC)は11日、銀行監督当局がリパブリック・フェデラル・バンク(フロリダ州)、

ソリューションズバンク(カンザス州)、バリー・キャピタル・バンク(アリゾナ州)を閉鎖したと明らかにした。

年初来の米銀破たんはこれで133件となった。

米地銀の破たん件数は今年、住宅ローンや商業不動産融資の焦げ付きを背景に、1992年以来の高水準で推移している。

政府高官によると、銀行業界の回復は総じて経済回復に遅れることから、破たん件数は来年ピークに達する見通し。


◆コメント:何を偉そうな顔してんだよ。バーナンキ。

欧米人の社会の精神構造を端的に示すニュースである。自分たちの都合の悪いことには気が付かないフリをする。

そもそも、今日、世界が不況に陥った始まりは、2008年9月15日にリーマン・ブラザーズが破綻したことである。

それ以前に、アメリカでは、住宅ローン専門金融機関による低所得者層住宅ローン(サブプライムローン)の貸出を

金融当局が放置し、その後不動産価格が暴落し、多くの住宅ローンは不良債権化した。

サブプライムローンを組み込んだ金融商品(証券化されたもの)が市場には大量に出回っていて、リーマン・ブラザーズも

それらを保有していたが為に、これらサブプライムローン関連商品価格の暴落により、評価損の計上を余儀なくされ、

また、リーマン自体もサブプライムローンの焦げ付きを抱えていたので、債務超過に陥った。

リーマンはアメリカ最大の証券会社の一つで、まさか、リーマン・ブラザーズが破綻するとは誰も思っていなかったから、

日本の銀行を含め、世界中の投資家がリーマン・ブラザーズが発行する債券や、リーマン・ブラザーズの株式に投資していた。

米国の金融当局がリーマン・ブラザーズを破綻させてしまったことにより、リーマンに投資していた世界中の投資家は、

保有していたリーマンの債券や株が紙屑同然となり、また、サブプライムローン関連商品自体の価格の暴落により、

各国の銀行は評価損の計上を余儀なくされ、資本不足に陥り、倒産しかねない状況となった。

各国の中央銀行が一斉に公的資金をこれらの銀行に注入して、資本を増強したから、なんとか世界金融危機を免れたのである。


つまり、バーナンキは世界を金融危機から救ったのではなく、世界を金融危機寸前に追い込んだ責任者である。

彼の大学時代の専攻は「金融恐慌論」だったという。何の役にも立っていない。

多くの銀行を救った、と、Timeは説明しているとのことだが、記事2を読めば分かるとおり、

アメリカにおいては、今でも中小金融機関がバタバタ倒産しており、今年の始めから12月14日までの時点で、

133行だという。これで多くの銀行を救ったといえるのだろうか。

アメリカの金融危機は、沈静化していないのである。不動産価格も低迷しているから、依然として、

多くの銀行が住宅ローンの焦げ付きを抱えている。

ともかく、アメリカの金融当局が住宅ローンバブルを放置し、バブルがはじけ、巨大証券会社が潰れるのを

放置したが為に、世界の金融機関の経営が不安定となり、資金の貸し渋り(クレジット・クランチ)が起こり、

世界中が今だに不況なのだ。少し持ち直し始めた、と日本政府も各国政府も強調するが、

景気が悪化するときのスピードがあまりにもすさまじかったので、1年3ヶ月経てば、相対的に

多少マシになるのは当たり前で、世界の景気が上向きに転じた訳ではない。

いつになったら脱出できるか分からない世界同時不況の根源はアメリカの金融政策のミスにあり、

その責任者こそ、バーナンキFRB議長なのである。

だから、私はタイム誌に、

何を考えているのだ、バカ。

と言いたい。

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2009.12.16

【音楽】涙が溢れるほど懐かしい、山本直純さんが解説する「青少年のための管弦楽入門」with NHK交響楽団

◆昔、山本直純さんが、毎週このように音楽を教えて下さったのです。

1970年から10年以上、毎週日曜日に、TBSで「オーケストラがやってきた」という

わずか30分の「クラシック音楽入門番組」がありました。企画からなにから、山本直純さんが考えるのです。

それは、恐らく私が生涯で最も影響を受けたテレビ番組ではないか、と思います。

今、私がこの日記・ブログで、オーケストラに関して書いている知識の殆どは、

山本さんの「オーケストラがやってきた」から得たのです。


山本直純さんは、派手な振る舞いから半ば「芸能人」のように思われていましたが、

子供の頃から、音楽の本格的な訓練を受けた、プロ中のプロです。

岩城宏之さんが山本直純さんと芸大で過ごした青春時代を綴った、森のうた―山本直純との芸大青春記という本があります。

絶対に面白いのでご一読を勧めます。

岩城宏之さんは音楽の早期教育を全く受けていなかったのですが、前述の通り

山本直純さんは英才教育を受け、しかも天賦の才を持った天才でした。

芸大で岩城さんと山本さんが仲良くなり、岩城さんが、山本直純さんの少年時代の日記を

読ませて貰って、自分とのあまりの違いに驚嘆し、コンプレックスに陥る場面があります。

その山本直純さん、小学校2年の時の日記を引用します。(旧仮名遣いなので、新仮名遣いに改めて記載します)。

ぼくはきょうはおとうさまにつれられて、やまだかずおせんせいのおうちにいきました。

せんせいはベートーベンのだい一こうきょうきょくが、どうしてこのようなハーモニーではじまるかを

おしえてくださいました。らいしゅうはどうにゅうぶぜんぶのことをおしえてくださるとおっしゃいました。

そして、だい一がくしょうのおわりまで、ピアノでひけるようにしておいで、とおっしゃいました。

いっしょうけんめいべんきょうしよう・・・・

説明するまでもなく、小学校二年生の程度としては天才的ですし、山本さんと同じ年頃には音楽の「お」の字も

知らずにいた岩城さんが、あまりの差に打ちひしがれるのは、無理もありません。

しかし、何故かこの二人はとても気が合いました。

山本直純さんはやがて斎藤秀雄氏に指揮を教わり、弟弟子としてやってきたのが

小澤征爾さんです。山本さんが亡くなったとき、小澤さんははっきり、言っていました。
初めての指揮のレッスンは山本さんから、受けました。

と。山本直純さんは「師範代」だったのです。


山本さんは、しかし、子どもの頃からベートーベンのシンフォニーをピアノを弾けたから天才なのではありません。

それほどの天賦の才を持ち、高度に専門的な音楽の訓練を受けたにも関わらず、

山本さんは、
一般の大多数の日本人が、如何に音楽やオーケストラのことを何も知らないか、を正確に理解していた。

これが山本さんの偉大さ、山本直純さんを山本直純さんたらしめている、所以(ゆえん)です。


◆N響でブリテンの「青少年のための管弦楽入門」を用いて、オーケストラのことを丁寧に説明しています。

山本さんがN響を振ることは殆どなかったけれど、それよりも、

これこそ、「オーケストラがやってきた」なのです。

オーケストラのメンバーの様子を見ても分かるとおり、

山本さんの指示に忠実に従っています。ふざけた言葉も口にするけど、本当は大変な才能を持った作曲家、

指揮者、そして、音楽の楽しさを人々に教える才能に敬意を払っていたのでしょう。

一つ一つの楽器ないしパートを独立して演奏させ、最後のフーガで締めくくっています。

実に懐かしい。私にとっては涙が溢れるほど懐かしい、山本直純さんならでは、の世界です。

それでは、ご覧頂きましょう。私の解説は要りません。山本さん自身の解説で十分です。

4つのファイルに分かれています。Craving Explorerなどのソフトで保存しておく事をお薦めします。



青少年の管弦楽入門1/4

(http://www.youtube.com/watch?v=sH6lINJGnmk&feature=related)







青少年の管弦楽入門2/4

(http://www.youtube.com/watch?v=9uMGxlqlEvw&feature=related)







青少年の管弦楽入門3/4

(http://www.youtube.com/watch?v=Pb8i1htIpg0&feature=related)







青少年の管弦楽入門4/4

(http://www.youtube.com/watch?v=aYWOMyJnrRY&NR=1)







時間に制限があるようで、山本さん、必要最小限の説明にまとめていますが、

約40年前、「オーケストラがやってきた」では、一回の番組でオーケストラのある楽器1つを特集したり、

それはそれは楽しいものでした。当時は家庭用ビデオなどありません。見逃したら終わりだし、

再放送もありません。毎回、テレビ画面に食い入るように、見入っていたこと。山本さんや、

音楽家の皆さんの言葉を聞き漏らすまい、と必死だったのです。

だからこそ、今だに覚えているのでしょう。

これが、楽しいオーケストラの世界です。こういうものをおろそかにする国は、

恥ずかしい、と思います。

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2009.12.14

行政刷新会議「文科省事業」に対する意見。(実際にメールで送ったもの)

◆【背景】明日が締め切りだが、文科省は行政刷新会議の「文科省関連事業仕分け」に関する国民の意見を募っている。

文科省のサイトに

行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください(平成21年11月16日)

と言うページがある。

現在、政府の行政刷新会議は「事業仕分け」を行っており、文部科学省関係の事業についても以下の表のとおり対象となっております。

この事業仕分けを契機として、多くの国民の皆様の声を予算編成に生かしていく観点から、今回行政刷新会議の事業仕分けの対象となった事業について、

広く国民の皆様からご意見を募集いたします。予算編成にいたる12月15日までに下記のアドレスまでメールにてお送りください

(様式自由、必ず「件名(タイトル)」に事業番号、事業名を記入してください。)。

なお、下記区分で宛先が不明な場合は大臣官房会計課(kaizen@mext.go.jp)までご送付願います。

いただきましたご意見や個人情報等につきましては、文部科学省ホームページプライバシーポリシー

(※「文部科学省ホームページプライバシーポリシー」へリンク)により取扱います。

なお、ご意見に対して個別には回答いたしかねますので、その旨ご了承願います。

今まで気が付かなかったのが迂闊だった。

しかし、締め切りは12月15日である。あと24時間も時間がある。

一人でも多くの方に勇気を出して意見を送っていただきたい。私も勿論書いた。

まず、行政刷新会議が「芸術」をどのように考えているか。

番号4。文化関係1-独立行政法人日本芸術文化振興会にかんして、事業仕分けの結果・評価コメントは
予算要求の縮減(圧倒的な縮減)

となっている。評価コメントの内容は次のとおり。


評価コメント 芸術家の国際交流:予算要求の縮減より抜萃。

●文化の振興という数値では図れない事業の必要性は否定しないが、効果説明が不足でばらまきの批判をおさえられるものではない。

●芸術・文化に国がどう税を投資するか明確な説明がなされない。縮減やむなし。

●芸術創造・地域文化振興事業は廃止。他は合理化すべき。

●国が子どものためだけに事業をすることは必然性に欠ける。中心は地域での取り組み。

●芸術創造・地域文化振興事業と子どものための優れた舞台芸術体験事業は地方へ。

●すべて地方へ集中。


◆意見:日本芸術文化振興会に対する評価コメントへの反論及び予算の圧倒的削減への圧倒的反対。

行政刷新会議の本件担当、中川正春・後藤斎両氏にまず伺いたい。

あなた方は、コンサートホールやオペラハウスに足を運んだことがあるか。

芸術に感動し、涙を流したことがあるか。それが人間にとって如何ほど貴重な経験か分かるか。

答は聴かなくても分かっている。


以上は感情論である。しかし、感情論を廃しても、なお、評価コメントは意味を為さない。その理由を申し述べる。

●文化の振興という数値では図れない事業の必要性は否定しないが、効果説明が不足で(後略)

文化の振興の効果を数値では図れない事業とみとめながら、効果説明が不足であるとは、どういう意味か。

文化の効果をどのように客観的に説明するというのか。音楽、演劇、舞踊、美術、凡そ芸術に「効果」と呼ぶに値するものがあるとすれば、

それは、受け手(観客、聴衆、鑑賞者)の主観である。感動である。感動の程度を数値で説明することはできない。また、その程度は文化の受け手により、

千差万別である。どのように説明すれば、「十分な説明」だというのか?


次。
●芸術・文化に国がどう税を投資するか明確な説明がなされない。縮減やむなし。

「投資」という概念が誤っている。文化や芸術は株や債券等の金融商品ではない。投資という言葉は「リターン」を期待している。

芸術に税金を投じて、経済的なリターンをもとめるものではない。ただひたすら与え、支える。欧米諸国の政府は、オペラハウスに税を投じて、

「儲かる」とは考えていない。優れた、文化・芸術に敬意を払うことが、その国家の教養を示すのである。

儲からないから、税金は出さないなどという無教養な先進国は世界で笑いものになるだろう。


次。
●国が子どものためだけに事業をすることは必然性に欠ける。中心は地域での取り組み。

なにも分かっていない。優れた芸術的才能は、子供に見出される。

大人になってから、見出しても遅い。よって、子供のために「事業」をすることは、芸術的観点からは必然である。

そして、子供の芸術的素養を磨くためには優れた指導者が必要である。

これこそ、国家の威信をもって注力すべきである。

音楽を例に取るならば、ヨーロッパ諸国では、国家が、子供に無料、もしくは極めて安価で楽器を貸与し、

一流の教師によるレッスンを受けることを可能ならしめている。それによって、秀でた才能を育成することが可能になる。

優れた芸術家は、経済的な効果とは無関係に、世界の教養ある人々の尊敬を集めるが故に尊い。小澤征爾氏を見よ。



次。
●芸術創造・地域文化振興事業と子どものための優れた舞台芸術体験事業は地方へ。

芸術を創造する人間は基礎的な訓練を必要とする。優れた教師は大都市、特に東京に集中している。地方に放り投げるのは無責任だ。
「子どものための優れた舞台芸術体験事業は地方へ。」

事業仕分け担当政務官は余程なにもご存じないようである。優れた舞台芸術体験をするためには、優れた芸術家の存在が不可欠である。

残念ながら、現在の日本で最も優れた舞台芸術家は、東京に集中している。子供達に優れた舞台芸術を体験させるためには、

優れた舞台芸術家を国が計画的に、地方の子供達に鑑賞させるプロジェクトを組むべきである(芸術家を地方に派遣するか、

地方の子供達を東京に招待するか、それはどちらでも良い。ロクにオーケストラを聴いたこともなく、オペラやバレエも見たことがない、

地方行政担当者に、このような仕事を丸投げして、成功する訳がない。


◆結論:芸術文化事業予算の圧倒的削減は、天下の愚策である。

かつて、旧西ドイツの首相を務めた、ヘルムート・シュミット氏は自ら玄人はだしのピアノを弾く音楽愛好家だが、

ニューズ・ウィーク誌に対して、次のような趣旨の発言をしたことがある。

現在、ドイツをはじめ、ヨーロッパ各地のオーケストラで、多くの日本人音楽家が活躍している。

彼らは、日本の如何なる政治家、外交官、財界人よりも、欧米人が日本人に対して抱くイメージを向上させることに貢献している。

少しはお分かり頂けるだろうか。予算を配分したところで、数値で効果を測定できない、対費用効果が計算できない。

芸術をそのような観点から軽んじるべきではない。

今一度繰り返すが、芸術の振興をおろそかにする国は、国際社会で、文化的な他国から嘲笑されるだろう。

芸術を振興すること、芸術家を育成することに、日本国はこれまで以上に注力するべきである。

そのためには予算の圧倒的削減どころか、圧倒的拡大が必要であると思料する。

以上。(東京都○○○区○○○○)

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2009.12.13

「米大統領がノーベル平和賞受賞」←人殺しがノーベル平和賞ですか。

記事1:2010年夏までにアフガン駐留米軍3万人増派=大統領(12月2日11時30分配信 ロイター)

オバマ米大統領は1日、アフガニスタン新戦略をめぐる演説で、2010年夏までにアフガン駐留米軍を3万人増派し、

1年半後に米軍撤退を開始する方針を明らかにした。大統領は陸軍士官学校で行った演説で

「最高司令官として、アフガン駐留米軍の3万人増派が米国にとって重大な国益になると判断した。

駐留米軍は18カ月後に撤退を開始する」と表明。

米軍に加え、予定されている北大西洋条約機構(NATO)諸国の増派によってアフガン側への治安権限移譲を急ぐことが可能になり、

2011年7月に米軍撤退を開始することができると述べた。


記事2:過半数がアフガン増派支持=2年超える駐留、6割が望まず-米紙(12月10日15時58分配信 時事通信)

【ワシントン時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は10日、オバマ大統領が打ち出した

新たなアフガニスタン戦略に関するCBSテレビとの合同世論調査の結果を発表した。

3万人の増派を支持する人は半数を超えたが、約6割が2年を超える大規模な部隊の駐留は望まないと回答した。

調査はオバマ大統領が戦略を発表した後の4~8日に実施された。

オバマ大統領のアフガン戦への対応を支持した人は48%で、11月の調査より10ポイント上昇した。増派を支持したのは51%で、反対を8ポイント上回った。

増派により来夏までに駐留規模は10万人になるが、大規模な部隊の駐留期間に関しては

32%の人が1年未満を、25%が1~2年を選んだ。また、アフガン政府を信頼できないと答えた人は約6割に上った。


記事3:米大統領がノーベル平和賞受賞、「武力行使の道徳的な正当化も」(12月11日11時33分配信 ロイター)

[オスロ 10日 ロイター] オバマ米大統領は10日、当地で開かれたノーベル平和賞授賞式に出席し、

同賞を受賞した。大統領は「戦時大統領」の受賞をめぐり議論があることに触れた上で、米国を守るために行動する権利を留保すると述べた。

受賞演説で、武力行使は人道主義的理由に基づく場合など正当化されることもあるとし、

武装組織アルカイダに対しては交渉は武力放棄につながらないと指摘した。

大統領は「私の受賞をめぐる最も奥深い問題は、私が現在2つの戦争を戦っている国の最高司令官であることだ」と指摘。

「世界の国々が単独もしくは協調して行動する中で、武力行使を単に必要と判断するだけでなく、

道徳的に正当化されると認める時があるだろう」として、米国はイスラム系武装組織アルカイダによる

2001年9月11日の同時攻撃事件を受けて、アフガニスタンでの戦いを強いられたと主張した。



また過去にノーベル平和賞を受賞したマーティン・ルーサー・キング牧師の「暴力は決して恒久的平和をもたらさない」

という言葉を心に留めているとしたが、「私はありのままの世界に対峙している。米国を脅かす状況にあって、何もしない訳にはいかない」と述べた。

その上で「武力行使が必要な場合、米国は一定の行動規範に従う道徳と戦略的関心を持っている」と主張した。

一方で、武力行使に代わるものを求める上で、国際社会は法を順守しない国々に対し厳しい姿勢で臨むことが必要だと主張。

「国際法を順守しない国は責任を取るべきであり、制裁では、実質的な代償を強いる措置を法制化しなければならない」と述べ、

「イランや北朝鮮などの国々に対して、そのシステムと駆け引きをさせないように主張することがわれわれ全員の責務だ」とした。

また中東や東アジアで核武装が進行している恐れがあるとして懸念を示した。

過去108年の歴史の中で米国の現職大統領として同賞を受賞したのはオバマ大統領で3人目。


記事4:NYでも反対デモ、平和賞受賞(12月11日12時16分配信 TBS)

「オバマ大統領は戦争を終わらせたわけではない」、ノーベル平和賞受賞に反対する市民が抗議のデモを始めました。

参加者は戦死した兵士の棺に見立てた「箱」を運びながらマンハッタンを横断し、

タイムズ・スクエアの真ん中にあるアメリカ軍の兵士勧誘センターを目指しました。

「アメリカは戦争を激化させ、そして今、オバマが平和賞をもらうなんて、オバマは戦争犯罪を犯しているんだよ」(退役軍人のデモ参加者)

熱烈なオバマ支持者が多いニューヨークでは、異例の光景となりました。(11日10:44)


記事5:<ノーベル賞授賞式>米国民66%「オバマ大統領値せず」(12月11日0時39分配信 毎日新聞)

ノーベル平和賞に決まったオバマ米大統領への授賞式が10日行われたが、

米キニピアック大学(コネティカット州)世論調査研究所の最新の世論調査で

「オバマ大統領は平和賞受賞に値しない」と回答したのは66%に上った。「値する」は26%。

CNNテレビが9日発表した調査でも「受賞にふさわしい仕事をした」と見る人は19%だった。

同研究所のブラウン副所長は「時差の関係で多くの米国人が授賞式をテレビで見られないことが、オバマ大統領にとって好都合かもしれない」と話す。

「戦時大統領」への懸念とともに、オバマ政権の経済、内政への国民の不満が募っている。

医療保険改革、景気対策、金融機関や大手自動車メーカーの救済など

大規模な財政出動を伴う事業が目白押しだが、失業率は10%と高止まりしている。

史上初めて1兆ドルを突破した09年度(08年10月~09年9月)の財政赤字が膨らむことは確実で、

生活を圧迫する気配さえ漂う。大統領の支持率が50%を切った最大の要因である。


◆コメント:人殺しを正当化する人物が、ノーベル平和賞を受賞する滑稽。

延々と引用しましたが、難しいことではありません。

記事1に書かれているとおり、ノーベル賞授賞式の前、12月1日、オバマ大統領はアフガニスタンに、更に兵隊を送る、と発表しました。

アメリカがアフガニスタンに関してムキになるのは、2001年9月11日のテロの首謀者がウサマ・ビンラディンで

彼が率いるテロリスト集団がアフガニスタンに潜伏しているので、彼らを殺さないと、またアメリカがいつ攻撃

されるか分からない、という訳です。これは前米国大統領のアホのブッシュと同じ理屈です。

しかし、911テロから8年経ちました。アメリカはこれでもか、と兵隊を代わる代わるアフガニスタンに送って、

「テロリストを掃討する」と言い続けて、できないのです。これから更に3万人増派すれば、

アフガニスタンに潜伏する「テロリスト」をやっつけられるのでしょうか。

増派するからには、その根拠を世界に示して欲しいと思います。

そして、増派はするものの、
1年半後に米軍撤退を開始する方針を明らかにした。

そうです。1年半後に米軍を撤退させるならば、どうして直ぐに撤退させないのでしょうか。

アフガニスタンで、アメリカ軍は兵士のみならず一般人、つまり非戦闘員を殺害しています。

ひとつの村ごと、米軍の爆撃で亡くなってしまった、などという例は枚挙に暇がない。


オバマ大統領は、
「テロリストに対して武力を行使するのは正しいのだ」

とノーベル平和賞受賞のスピーチで、必死に強調していましたが、非戦闘員を殺害することこそ、

テロリズムです(太平洋戦争末期に広島と長崎に原爆を投下したことも、テロリズムです。

永久に許されないテロだと思います)。



アメリカという大きな国によるテロ行為は許されるけれども、

アルカイダのように国家ではない、武装集団のそれは許されない、という論理は正しくないと思います。

どちらも許されない、と考えるべきだと思います。

アメリカという世界最大の人殺し集団の親玉がノーベル平和賞で「立派な」スピーチをする。

「滑稽」と言わずして、なんと表現したら良いのでしょうか?


◆アメリカ人は何を考えているのでしょうか。

アメリカは広いですし、人種、宗教、社会的地位が多岐に亘りますので、世論調査のやり方によって、

矛盾した回答がでることは、統計学の専門家でなくても、簡単に想像できます。

しかし、上の記事を単純に眺めると、これも非常に滑稽です。


記事2によれば、12月はじめにオバマ大統領がアフガン増兵を発表したときには、過半数がこれを支持したそうですが、

記事5には、ノーベル平和賞受賞前後の世論調査では、66パーセントのアメリカ人が、オバマはノーベル平和賞に値しない

と回答した、と書かれています。しかし、回答理由が頓珍漢です。このアンケートでオバマ大統領がノーベル平和賞受賞に値しない、と

回答した人の回答理由をよく読むと、要するに「平和」云々ではなく、不況から来る経済的、米国の内政問題に関してオバマ政権に不満で

「だから」ノーベル賞に値しない、ということのようで、本来、関係ありません。


最もまともなことを主張しているのは、記事4で報じられているNYでデモをした、

アメリカの退役軍人の言葉でしょう。

アメリカは戦争を激化させ、そして今、オバマが平和賞をもらうなんて、オバマは戦争犯罪を犯しているんだよ

全く同感です。

蛇足ながら、恥ずかしい記事を見つけてしまいました。
◆ノーベル平和賞:オバマ米大統領受賞 小浜温泉で記念の集い /長崎(12月12日15時1分配信 毎日新聞)

(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091212-00000167-mailo-l42)
◇核兵器廃絶へ「平和の鐘」鳴らす

オバマ米大統領のノーベル平和賞受賞を記念した集い「平和への願い、With You」が10日夜、雲仙市の小浜温泉で開催され、約200人が参加した。

小浜温泉観光協会や旅館のおかみらが主催。これまでも小浜温泉では「オバマつながり」でオバマ氏を町を挙げて応援し、

大統領当選から節目ごとにイベントを開いてきた。(後略)

みっともないから止めて下さい。オバマ大統領が実際におこなっていることをよく考えて下さい。

小浜観光協会の人々は、誰一人それを理解する知能を持たないのでしょうか?

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2009.12.12

「モーツァルト「神童」の弾いたバイオリンで演奏披露」←先週に続きモーツァルト。

◆記事:モーツァルト「神童」の弾いたバイオリンで演奏披露(12月11日19時20分配信 毎日新聞)

モーツァルトがオーストリア・ザルツブルクで6、7歳ごろに弾いた子供用サイズのバイオリン(胴体26.2センチ)が11日、

東京・国立新美術館で公開された。オーストリア国外に持ち出されたのは初めて。

07年の全日本学生音楽コンクール小学校の部で全国1位になった松本紘佳さん(14)が“神童”のバイオリンで、

小林道夫・大分県立芸術文化短大客員教授のチェンバロと、モーツァルト初期のソナタ・ハ長調K6などを披露した。


◆コメント:まあ、それはどうでもいいんです。

モーツァルトが子供の頃に弾いていた楽器には、モーツァルトを研究する学者は興味があるかも知れません。

私は、全然興味が無い、とは言わないけれど、SF的発想ですが、タイム・トラベルが本当に可能で、

モーツァルトがどのようにピアノやヴァイオリンを弾いたのか

見られるならともかく、神童モーツァルトが弾いたヴァイオリンを「凡人」が弾くのを聴いても仕方がない。

記事は「ダミー」です。

一応これでニュースを取りあげる事になる。

「エンピツの時事・社会でどうして、音楽の話を連続して取りあげるのだ?」と言ってくる、

五月蠅い人がいるのです。ウェブ日記エンピツにはお世話になっているのですが、ジャンルを固定しなければ

ならないのが不便です(「音楽」ジャンルにアカウントを持つことは可能ですが、そうしたらアドレスが全く別になるので、

多分、普段の読者の方に見つけていただけなくなるのです)。


そんなことはさておき、モーツァルト12月5日が命日で、特集を組んだときに、

近いうちに続きを、と書きました。今日がその「続き」です。


◆我々は、モーツァルトのように純粋に書けなくなってしまった(ブラームス)

ブラームス自身、十分天才なんですが、天才であるが故にモーツァルトの「もっとすごい天才ぶり」がよく分かるのでしょう。

私は、分かったようなことを書いていますが、「観念的に」理解しているだけで、他の偉大な作曲家たちが恐らく経験したで

あろうように、「骨身に沁み」て分かってはいないのです。


「ダミー」と書いてしまいましたが、折角モーツァルトが弾いたヴァイオリンの記事を冒頭に転載したので、

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲を。

日本でも海外でも、オーケストラのヴァイオリン奏者のオーディションでは、殆ど必ず、

モーツァルトが五曲書いたヴァイオリン協奏曲のうち、3番か4番か5番を弾くのですね。

ベルリン・フィルのコンサートマスターだった安永徹さんによると、オーケストラに入団するときの

最初のオーディションにも、コンサートマスターになるときのオーディションでも必ずモーツァルトを弾くそうです。

オーボエの宮本文昭さんも同じ事をおっしゃってますね。あちらではモーツァルトがきちんと弾けない人は、、いくら

他の作曲家の作品が上手く弾けても、音楽家として認めて貰えないそうです。


その、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番です。

私が気に入っているカナダのヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネス氏の演奏。

CDは、Mozart: Violin Concerto No. 1-5; etc/ James Ehnes


モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第3番 ト長調 K.216 より第一楽章






モーツァルトのヴァイオリン・ソナタは沢山ありますが、協奏曲は5曲しかないですね。

その他、ソロ・ヴァイオリンと管弦楽の為の曲もありますけど、ピアノ協奏曲は27曲も

書いたのに。モーツァルトにとって、あまり協奏曲を書きたいと思わせる楽器ではなかったのかな。


◆「確かに、モオツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない。」(小林秀雄「モオツアルト」より)

小林秀雄は、文芸評論家。ややこしい文章が多く、頭の悪い私は、正直に書くと、

頭が追いつけない。

のですが、モオツァルト・無常という事 (新潮文庫) に収められた「モオツアルト」という

随筆に書かれている有名な言葉です。

私は、若い頃に一度読みましたが、そのときには、意味が分からなかった。今読むと、多少分かる「気」がします。

ここで小林秀雄が「疾走する悲しみ」と評したのは、弦楽五重奏曲第4番 ト短調 K.516の第一楽章です。

弦楽器の室内楽で最も一般的な編成は弦楽四重奏で、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ですが、

弦楽五重奏曲は、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、第1ヴィオラ、第2ヴィオラ、チェロ、で、ヴィオラが2本になります。

モーツァルトにとってト短調という調性は特別な感覚があったのか、交響曲40番、25番やこの弦楽五重奏曲4番のような、

名曲揃いです(因みに、モーツァルトの全作品では、長調の方がずっと多いのです)。

これ以上書くと知ったかぶりがバレるので、音楽にします。

この弦楽五重奏曲第4番 ト短調 K.516は、昔から有名な弦楽四重奏団の名演が多く、

ウルサ方は、大抵、スメタナ弦楽四重奏団を勧めるでしょうが、

私は敢えてそれを止めまして、アルバン・ベルク四重奏団という比較的「新しい」四重奏団のCDを選びます。

これです。モーツァルト:弦楽五重奏曲第3K.515&第4番K.516 アルバンベルク四重奏団 十分に名演だと思います。

念のため繰り返しますが小林秀雄が「疾走する悲しみ」と書いたのは、弦楽五重奏曲第4番 ト短調の第一楽章です。


モーツァルト:弦楽五重奏曲第4番 ト短調 K.516 第一楽章







「モーツァルトって、全部同じじゃん?」という方、結構いますけど、そうでもないんです。


◆モーツァルトの演奏をするときは、両壁がペンキ塗りたての細い廊下を、真っすぐすうーっと抜けるように演奏しろ(デニス・ブレイン)

今だに世界音楽史上、最高のホルン奏者だったのではないか、と言われるデニス・ブレインですが、

元N響首席ホルン奏者、故・千葉馨さんは短い間でしたが、デニス・ブレインに師事しています。

そのときにデニス・ブレインから言われた言葉だそうです。
「モーツァルトの演奏をするときは、両壁がペンキ塗りたての細い廊下を、真っすぐすうーっと抜けるように演奏しろ、止まっちゃだめだ。右にもよらず、左にもよらず…」

これも、鈍感で非才な私には、その意味が本当には、分かりません。但し、デニス・ブレインがモーツァルトのホルン協奏曲を

演奏した録音を聴くと、これも何となく分かるような「気」がします。

モーツァルト:ホルン協奏曲全集から。


モーツァルト:第4番変ホ長調 K.495 から、第一楽章。






◆「正直に言うと(アイネ・クライネが)どうしてこれほどもてはやされるのか、分かりません」(宮本文昭)

これは、引退なさったオーボエ奏者に宮本文昭さんが、疾風怒濤のクラシック案内 (アスキー新書 041) (新書)で、書いておられました。

誤解の無いように書き足しますが、宮本文昭さんは、

「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」も決して駄作ではないけれども、モーツァルトのセレナーデならば、

他にもっといい曲があると僕は思うからです」

と書いています。

そして、「他のもっといいセレナーデ」で挙げているものの一つに10番、

「グラン・パルティータ」があります。これはいつから、「グラン・パルティータ」が一般的になったか

分かりませんが、私が子供の頃は「13管楽器のためのセレナーデ」とレコード・ジャケットに印刷してありました。

この方が、「グラン・パルティータ」より地味ですけど、どういう曲なのか、はっきりして良いと思うのですが。


ま、しかし、今は「グラン・パルティータ」が定着しているようです。木管楽器のみによるセレナーデです。

これを聴いていただきましょう。

CDはセレナード集、クラリネット五重奏曲、他 ザビーネ・マイヤー管楽アンサンブルです。

ザビーネ・マイヤーという人はクラリネット奏者で、上手いのですが、この人をめぐって昔、カラヤンとベルリンフィルがケンカになったことで

知られています。カラヤンはベルリン・フィルに入団させたがったのですが、オーケストラのメンバーが無理だ、といったのです。

故・岩城宏之さんが全然別のオーケストラでソリストがザビーネ・マイヤーと共演したときの感想を書いていました。
決して下手ではない。それどころか天才的と言って良いほど、上手い。ベルリン・フィルが協奏曲のソリストとして迎えるなら、

全く問題はないだろうが、あの音量も世界一のオーケストラで長い間、団員として一緒にやっていくのは無理だということなのだろう。

ベルリン・フィルの連中の気持ちが分かるような気がした。

とのこと。

まあ、この人とザビーネ・マイヤー管楽アンサンブルが上手いことに、過去の事件は無関係です。


モーツァルト:セレナード第10番変ロ長調 K.361『グラン・パルティータ』第一楽章







木管楽器のハーモニーが美しく溶け合うと、あたかもオルガンのような響きになりますね。


◆「私は神に誓って申し上げますが、ご令息は、私の知る限り最も偉大な作曲家です。」(ハイドンがモーツァルトの父に言った言葉)

この言葉、過去にも引用したのですけど、好きなんです。正確には、

私は、正直な人間として神に誓って申し上げますが、私が見聞する限り、ご令息は

最も偉大な作曲家です。よい趣味をお持ちですし、しかも極めてすぐれた作曲技法をお持ちです。

ヨーゼフ・ハイドンが、モーツァルトの父、レオポルド・モーツァルトに向かって言った言葉です。

レオポルド・モーツァルトは、息子の天才を見抜いていたからこそ、ヨーロッパ各地を連れ歩いて「宣伝」してた訳で、

ハイドンから言われなくても分かってはいたでしょうけれど、改めて時の大作曲家に太鼓判を押され、

親として嬉しくなかった筈がありません。


この言葉と直接結びつく理由は無いのですが、今まで取りあげていない音楽から選びました。

交響曲第35番“ハフナー” ニ長調 です。

CDはオトマール・スウィトナー=ドレスデン・シュターツカペレがいいのですが

(リンクを貼らせていただいているKenさんから、だいぶ前に教えていただきました)、

CDだと、ボックスで買うしかないのです。すると、高い。


調べたら、iTunes Music Storeから個別に買えることが分かりました。

第一楽章のURLは、

http://itunes.apple.com/jp/album/symphony-no-35-in-d-major-kv-385-haffner/id99635790?i=99634383

です。このアドレスをブラウザのアドレス欄に貼り付けて、Enterキーを叩けば、iTunes Music Storeの該当箇所に

行くはずです。


モーツァルト:交響曲第35番“ハフナー” ニ長調 第一楽章






どこで読んだか忘れましたが、モーツァルト自身はこの楽章を「炎のように演奏すべきだ。」と言っています。

その期待に忠実な演奏ではないか、と思います。

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本日(12月12日(土))15時からNHK教育で毎コン本選ドキュメンタリーですから。ご覧下さい。

◆ショート・ノーティス(直前のお知らせ)で申し訳ないですが、毎年のことながら。

日本音楽コンクール、通称毎コンがどんなものか、は、過去何度も綴りました

ショート・ノーティス(Short notice、直前に(大事なことを)知らせること)で申し訳ありませんが、

今年の第78回日本音楽コンクールの本選会のドキュメンタリーが今日(12日(土))の15時から17時まで放送されます。

是非、ご覧下さい。コンクールが音楽ではない。音楽の全てなどでは決してないけれども、

本当に音楽を志す、プロの音楽家になることを志す、というのが如何に大変なことを、広く知っていただきたいのです。


◆作曲、ピアノ、バイオリン、声楽、クラリネット、トランペット部門があります。

作曲、ピアノ、バイオリン、声楽、は毎年必ずありますが、管楽器やチェロは毎年変わります。

そして年齢制限がありますから、一生に受けられる回数はピアノ、ヴァイオリンより少ない。

それだけに貴重です。

今週、NHK BSハイビジョンでは月曜から金曜まで、各部門の本選会の様子を朝6時から放送していました。

本選会は東京・初台のオペラシティで行われ、一般公開されます。

ピアノ、ヴァイオリン、声楽には、かなり熱心なクラシック・ファンが聴衆として入りますが、

クラリネット、トランペットはガラガラです。某掲示板で、日本音楽コンクールの話題を読んだら、

やはり関心の中心は、ピアノ、ヴァイオリンらしい。

トランペットなんて、誰が一位になっても、どうでもいいよ。

という一言が見られ、トランペットを愛する私は非常に傷つきました(いい年して女子高生みたいなことを書きますが)。

どうでも良くないっ!


◆トランペット部門・クラリネット部門を聴いて下さい。

クラリネットに関しては、ド素人なのですが、本選課題曲フランセ:クラリネット協奏曲 [トランス・アトランティック版] は、

リンクさせていただいている、プロのクラリネット奏者、Nべさんによると

最も演奏が困難なクラリネット協奏曲

と言われているそうです。既にとっくに審査結果は発表されているので書きますが、

クラリネット部門1位の田中香織さんはご自分のサイトをお持ちで、

そちらでフランセの第四楽章を(他の曲も)聴かせていただけます。



トランペット部門の本選課題曲のひとつは、ジョリヴェという20世紀のフランスの作曲家の

コンチェルティーノ(小協奏曲)技術的には困難を極めますが、聴いていて面白くも何ともありません。

ただ、プロのトランペット吹きになるためには、こういうのも吹けなければならないのでしょう。

ジョリヴェに関しては私はこれ以上書きません。


ハイドンのトランペット協奏曲はトランペット吹きにとって宝物で、あだやおろそかにはできません。

私は今までに何百回聴いたか分からない。色々な人の演奏で。

もう時間がありません。若い人、上手いです。私が子どもの頃、トランペットは日本人は永久にヘタクソなのではないか、

と思われましたが、今や、随分と上手いので驚きました。

ただ、本当に上手い演奏を予め知っておいていただく必要がある。



どうしても無視できないのは、神様、モーリスアンドレです。これは、全盛期の演奏ではないと思いますが、お聴き下さい。

ハイドンのスコアでは、オーケストラによる前奏が始まってまもなく、ソロ・トランペットが吹くことになっていますが、

楽譜の版が違うのか、モーリスアンドレが意図的に無視しているのか、ここは、アンドレは吹きません。

モーリス・アンドレ(Trp.)ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調 より、第一楽章。








その弟子の一人に、アメリカ人のロルフ・スメドヴィック(ROLF SMEDVIG)という人がいる。

この人は、音が如何にも「アメリカのトランペット」ですが、見事です。

カデンツァは師匠のそれの応用というか発展というか、とにかく意識していることが分かります。

お聴き下さい。


ロルフ・スメドヴィックによる、ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調 より、第一楽章。







もう一人。今は指揮者ですが、元々NYフィルの副首席だった、ジェラード・シュワルツ(Gerard Schwarz)という人の演奏。

序奏部から派手に吹いていますが、音楽性とテクニックを併せ持つ人。指揮者になったのがもったいないように思います。


ジェラード・シュワルツによる、ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調 より、第一楽章。




最後に。これは貴重ですね。1948年から半世紀もシカゴ交響楽団の首席トランペットを務めた、

クラシック・オーケストラ・トランペット奏者の伝説的存在、ハドルフ・ハーセス氏が、アバド=シカゴ交響楽団の

伴奏で演奏したものです。1921(大正10)年生まれで、これを演奏したのは1985年ですから、64歳ということになります。

「絶対、間違えない」ので有名な人です。


アドルフ・ハーセスによる、ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調 より、第一楽章。







うわ、あと30分か。昨夜無理にでもアップしておけば良かったのですが、

もう遅いですね。しかし、毎コンとは別に、これら名手による、「ハイドンのトランペット協奏曲」を聞きくらべて下さい。

音楽が続きますが、次回は、モーツァルト(12月5日が命日でした)第2弾の予定です。

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2009.12.10

【音楽】ジャーマン・ブラスによる、バッハ「クリスマス・オラトリオ」終曲、他。

◆German Brassという私が非常に好きな金管アンサンブルがありまして。

お馴染みの読者の方には申し訳ないけれども、このブログで度々書いているように、

音楽でも本でも、絵でも映画でも、優れた作品は何度載せても良い、と思うのです。

そろそろ、「第九」の季節だが、日本中のオーケストラが、何百回演奏したか、分からない。

それでもまた、聴きたくなる。名作とか、名演とはそういうものである。


とかなんとか、能書きを述べてしまったが、要するに私がこの金管アンサンブルを非常に好むので、

本当はもっとしょっちゅう取りあげたいぐらいなのだが、一時期、あまりにもまとめて既存のアルバムを

紹介してしまったので、暫く控えていた。がそろそろ忍耐の限界に近づいた。


◆この映像は新しい。バッハ「クリスマス・オラトリオ」より終曲。

バッハのクリスマス・オラトリオは6つのオラトリオから構成されていて、全曲演奏するのに、

約三時間を要する。私は今年の一月に、リンクを貼らせていただいている、ヴィオラ奏者、ふっこさまが

ステージに乗られるというので、拝聴したが、全然飽きなかった。

終曲とは、その、約3時間の全曲演奏の最後の曲である。

それをジャーマン・ブラスが演奏している(編曲は一番右でトランペットを吹いている、

マティアス・ヘフス氏である。


German Brass Christmas Oratorio BWV248_No 64



これは、どうやら、現地(ドイツ)のテレビ番組の一部らしい。ジャーマン・ブラスのDVDには載っていない。

こういう映像は保存しておくことをお薦めしたい。保存の方法は、若い方ならもっと良い方法を御存知なのかもしれないが、

私の場合、Craving Explorerというソフトを用いている。

私にすら使えるのだから、大抵のかたは簡単に使えると思う。


◆ジャーマン・ブラスのDVD、『バッハ・フォー・ブラス』 ジャーマン・ブラス から音声のみ。

以下の演奏は『バッハ・フォー・ブラス』に収録されている。

CDもあるが、演奏を見た方が絶対、面白いであろう。


1曲目。元々はヴィヴァルディのヴィオリン協奏曲を、バッハがチェンバロ独奏用に編曲した。

バッハの作品番号BWVではBWV972である。

それを、ジャーマン・ブラスのtめに、トランペットのマティアス・ヘフス氏(このアンサンブルの編曲者も兼ねている)が

編曲したものである。原曲よりもずっと華やかになっている。

Bach BWV 972 第一楽章







Bach BWV 972 第三楽章






カンタータ147番「主よ、人の望みの喜びよ」







コラール「目覚めよと呼ぶ声あり」







次はオルガン曲です。誰でも曲の冒頭だけは知っている。

トッカータとフーガ ニ短調 BWV565







最後は静かに、「G線上のアリア」です。

J.S.バッハ 管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV.1068 「G線上のアリア」







DVDとほぼ、同じ曲を収録したCDもありますが、これは、見た方が面白いだろうと思います。

パイパーズ(PIPERS)という管楽器雑誌の2009年12月号に、マティアス・ヘフス氏へのインタビューが

載っていますが、かれは17種類のトランペット、トランペットと同じ(口径の)マウスピースで吹ける楽器を

曲によって、また、時にはある曲の演奏中に持ち替えることがあるそうです。

「ラッパなんて」という方も、騙されたと思って、ご覧になってお聴きになって下さい。

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2009.12.09

「11月の街角景気:現状判断は最大の落ち込み、判断下方修正」←緊急経済対策、あまり効果が期待できません。

記事1:11月景気ウォッチャー調査、現状DIは過去最大の低下幅(12月8日16時6分配信 ロイター)

内閣府が発表した11月の景気ウォッチャー調査では、景気の現状判断DIは33.9、前月比では7.0ポイント低下し、

現行ベースで過去最大の低下幅となった。低下は2カ月連続。横ばいを示す50の水準は32カ月連続で下回った。

2―3カ月先を見る先行き判断DIは34.5で、前月比8.3ポイント低下。50の水準を30カ月連続で下回った。

内閣府は、景気ウォッチャー調査の判断を「景気は、下げ止まっていたものの、このところ弱い動きが広がっている」とした。

記者説明を行った津村啓介・内閣府大臣政務官は、政府のデフレ宣言が及ぼした影響について

「両面ある」と述べ、政府の対応が一方向に心理を冷やしたわけではない、と説明した。


記事2:11月企業倒産、「不況型」が過去最高84%--帝国データバンク(12月8日17時31分配信 読売新聞)

民間調査会社の帝国データバンクが8日発表した11月の企業倒産(負債1000万円以上)によると、

倒産件数は前年同月比1・0%減の1000件で3か月連続で前年実績を下回ったが、

負債総額は同27・7%増の6908億5500万円で5か月ぶりに増加した。

商工ローン大手「ロプロ」、分譲マンション大手「穴吹工務店」の大型倒産が続いたためで、この2件で負債総額の半分超を占めた。

原因別では、販売不振などの「不況型倒産」が現在の集計方法となった2005年4月以降で最高の84・6%を占め、

中小企業の倒産が全体の99・7%に達した。

帝国データバンクは「年明け以降、政策効果の息切れで倒産が増える可能性が高い」と分析している。


◆記事3:経済対策7.2兆円決定 2次補正、事業規模24兆円(朝日新聞)(2009年12月8日13時54分)

鳩山内閣は8日、総額7.2兆円の経済対策を閣議決定した。

15日に正式決定する今年度2次補正予算案に盛り込み、年明けの通常国会に提出する。

雇用対策や中小企業の資金繰り支援などで、円高やデフレ状況での景気下支えにつなげる。

国民新党は8兆円規模を求めていたが、地方の公共事業を1千億円積み増したことで了承した。

閣議決定した「明日の安心と成長のための緊急経済対策」は、事業規模24.4兆円。

菅直人副総理兼国家戦略相は記者会見で「小さい財政でも、より大きな経済効果があるものを重点的に盛り込んだ」と説明した。

上積みを求めていた国民新党の亀井静香代表は「総理が決定されたことだ。

連立政権だから、各党の意思がそのまま実現しないのは当たり前だ」と述べた。

経済対策の主な内容は、省エネ家電の「エコポイント制度」や「エコカー」補助の延長に加え、

断熱効果が高い二重窓などを導入した住宅取得を補助する「住宅版エコポイント制度」を新設。消費刺激と環境対策の両立を目指す。

雇用面では、企業に休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金」の適用要件を緩和。

中小企業の倒産時の借金返済を事実上国が肩代わりする「緊急保証制度」の保証枠を30兆円から36兆円にする。

雇用面では、企業に休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金」の適用要件を緩和。

中小企業の倒産時の借金返済を事実上国が肩代わりする「緊急保証制度」の保証枠を30兆円から36兆円にする。


◆コメント:非常に単純化して説明すると「景気は全然良くなっておらず、政府の経済対策はピンボケ」の状態です。

記事の引用が長くなってしまいましたが、あまり省略すると何だか分からないので、

そこは悪しからず。

記事1の景気ウォッチャー指数というのは、内閣府のサイトのここに概要が載っています。

景気ウォッチャー指数は「街角景気指数」とも呼ばれ、一般人で特に景気の変動に敏感な業種の

適当な職種、2,500人を選んで、この前の三か月に比べ景気は良くなっていますか?とアンケートをとるのです。

それを指数化したものですが、50がニュートラルなんです。

11月の調査では現状判断DI(ディフュージョン・インデックス)が33でしょ?

50より遙かに低いですよね。その状態が、もう、2年8ヶ月も続いている。

日銀が発表する金融経済月報の最新号における「基本的見解」は、

わが国の景気は、国内民間需要の自律的回復力はなお弱いものの、内外における各種対策の効果などから持ち直している。

と言ってます。また、これとは別に政府が景気をどう見ているか。内閣府の月例経済報告の「基調判断」は、
景気は、持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。

と、手放しではないけれども、「景気は持ち直している」という部分は日銀と共通です。


つまり、国は、しきりに景気はそこを打ったよ、と宣伝するのですが、景気ウォッチャー指数を見る限り、

市井の一般国民は、全然そのような実感が無い、ということになります。


感覚だけではありません。記事2を読めば明らかなとおり、企業倒産件数が

改善しているといっても、前年同月に比べて1%減ったというだけで、11月だけで負債1,000万円以上の倒産が、

1,000件もある。1日30社以上も毎日日本の何処かで会社が倒産しているのです。


そこで、記事3に書かれているように、政府は今日(12月8日)、

緊急経済対策を発表したのですが、如何にも内容に新味が乏しい。
省エネ家電の「エコポイント制度」や「エコカー」補助の延長

って、これは元々自民党が決めたことじゃないですか。そのアイディアを延長するだけ。

「エコポイント」で新しいことは、「住宅版エコポイント制度」を新設した、というだけですが、

今、みんな給料やボーナスが減っているのに、家電やクルマや、まして住宅など買うと思えません。

雇用対策や中小企業が倒産したときの対策も、社会保障的には人道的かも知れませんが、

そういうことだけでは、個人消費は増えないでしょ?

総需要を増やさないといけない。つまり、モノやサービスが売れなければ、デフレが止まりません。

しかし、家計の所得は減っているから消費支出は減り続けるでしょう。

どうもそこに頭が回らないで、財政支出になってしまうんですね。

公共事業といったって、片方で事業仕分けをしながら、また、余計な道路をつくるんですか?

総需要を増やすためにはいくら財政が厳しくても、一度減税して、GDPの60%をしめる個人消費を

活発にしなければなりません。といっても、全国民に一律に減税しなくてもいいのです。

こんな不況でも元々お金持ちはおカネを持っています。こういう人たちは減税しなくても使います。

所得がある水準以下に限るとかね。つまり、本当はおカネを使いたいのだけど、給料減っちゃって、

仕方がないから使わないようにしている、という層の可処分所得を増やすのが効果的ではないでしょうか。

と思うのですけどね。どうも、ピンボケなんですよね。鳩山政権。

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2009.12.08

【地球温暖化】COP15が開幕=ポスト京都へ政治合意目指す-18日に首脳級会合を開催←日本はさほどムキになることはない。

◆記事:COP15が開幕=ポスト京都へ政治合意目指す-18日に首脳級会合を開催(12月7日22時7分配信 時事通信)

地球温暖化対策の新たな枠組み(ポスト京都議定書)を話し合う国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が7日、

コペンハーゲンで開幕した。ポスト京都の大枠を示す政治合意を取りまとめられるかが焦点だ。

ただ、温室効果ガス削減・抑制の分担をめぐり先進国と開発途上国の間で対立が続いているため、

交渉の行方は予断を許さない状況だ。会議終盤には閣僚級や首脳級の会合を開き、ハイレベルでの調整を行う。

議長国デンマークのラスムセン首相は開会式で、これまでに110カ国が首脳の出席を通知してきたことを明らかにした。

首相は「首脳らの出席は気候変動に対する政治的意思の結集だ。大きな機会であり、失敗は許されない」と述べ、

政治合意取りまとめに強い意欲を示した。


◆コメント:以前ほど地球温暖化に関して書かない理由。

私は今まで、繰り返し地球温暖化に関して書きましたが、

最近どうも、書く気がしないのです。


まず第一に、温室効果ガスの代表格二酸化炭素(CO2)の排出量を減らすと言いますが、

その前に、大気中のCO2濃度は本当に地球温暖化の原因なのか。

ウィキペディアの二酸化炭素の項目には次のような説明があります。

2006年現在の大気中にはおよそ 381ppm(0.038%)ほどの濃度で二酸化炭素が含まれるが、氷床コアなどの分析から産業革命以前は、

およそ 280ppm(0.028%)の濃度であったと推定されている。濃度増加の要因は、主に化石燃料の大量消費と考えられている(IPCC第4次評価報告書を参照)。

産業革命以降、人間の活動(化石燃料の大量消費)が大気中のCO2濃度を高めたといいますが、

高まっても、産業革命前の0.028%が2006年には0.038%になってのでしょ?大気中に0.028とか0.038%しか含まれない

物質に、本当に温室効果があるのだろうか、という疑問。


そして、地球温暖化対策のこうした国際会議でいつも「新しい目標」が掲げられますが、

その目標は「温室効果ガスの排出量を減らすことです。

仮に世界全体の排出量が減っても、結局温室効果ガスを排出し続けることに変わりはない。

ということは、今後も大気中のCO2濃度は上昇し続けるのであり、ただ、そのペースを落とすだけのこと。

大気中のCO2濃度が上昇して温暖化が進行する、ということが本当ならば、各国はCO2排出量の削減で満足していて、良いのでしょうか?


私はまるきり文科系の人間で、こういう理論的思考は苦手なのですが、

大気中のCO2濃度が上昇することが温暖化進行の原因ならば、「排出量」うんぬんではなく、大気中のCO2濃度そのものを「減らさ」なければ、

温暖化対策を講じているとは言えないのではないでしょうか。そのような技術は開発されているのか、いないのか。

調べれば分かるでしょうが、本来1個人のブログではなく、こうしたことを広く世間に啓蒙するのはマスコミの

仕事である、と思います。


◆思い切ったCO2排出量削減目標を表明しているのは日本とEUですが、日本のCO2排出量は元々全体の5%。

鳩山首相は、日本の削減目標を1990年比-25%と宣言しています。

日本は何もしないという訳にはいかないでしょうが、はっきり言って日本なんかどうでも良いのです。

2005co2kunibetsu

図で見れば分かるとおり、世界第2位の経済大国なのに、日本は主要国全体の5%しかCO2を排出していません。

そう言う国が一番張り切っても仕方がない。死ぬ気で取り組んで貰わなければならないのはアメリカ・中国・ロシアですが、

Cop15

この連中、例えばアメリカは、2020年のCO2排出量を1990年比たったの3%~4%減らすことを平然と目標に掲げています。

中国も世界のCO2排出量の21%を占める国です。今回初めて、CO2排出量削減の数値目標を打ち出しました。何だか、訳が分からない。

国内総生産(GDP)を一定額生み出す際の排出量を「05年比で40~45%削減する」

こういうの、困りますよね。CO2排出量を減らす為に世界各国が協力しようとしているのに、

中国だけ基準、つまり物差しが違ったら、比べようがない(そうやって誤魔化すつもりなのでしょう)


◆日本の世論はどの程度本気なのでしょう。

昨今、やたらと、「地球に優しい」「ストップ・ザ・温暖化」「百万人のキャンドルナイト」とか、政府の

エコポイントとか、一見、電力消費を抑え、化石燃料を燃やして発電することによって生じるCO2を削減しよう、

という「フリ」をしている日本ですが、なんだか、イルミネーションってのは別なんでしょうか。

検索した見出しだけ並べます。


  • イルミネーション:原宿・表参道に復活

  • 【クリスマス】日本橋が緑一色になる

  • びわ湖大津館に「光の庭」 1月17日までライトアップ

  • 横浜マリンタワーのイルミが3年ぶりに復活

  • さあ師走 光のシーズン 仙台駅舎に3万個LED

  • イルミ10万個 師走の街彩る 鹿児島の商業施設や公園

  • 弘前エレクトリカル・ファンタジー:中心街に「街の星座」 来年2月末まで

  • 横浜中華街で「春節燈花点灯式」

  • 御堂筋に光の並木道 冬の幻想アート

まだありますけど、いくら消費電力が少ないLED(発光ダイオード)を使うといっても、

結局、本気で電力消費を極力抑えようとはしていないですよね。

やはり、国連環境計画の地球環境概況2000の予想が当たっているように思います。
温室効果ガスの排出量増加により、地球温暖化を防止するのはおそらく手遅れであり、更に、京都議定書において合意された多くの目標は達成されないかもしれない。


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2009.12.07

【音楽】毎年恒例。12月5日はモーツァルトの命日でした。

◆ここ数年、弊ブログの恒例です。

12月5日はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756年1月27日 - 1791年12月5日)の命日です。

モーツァルトの音楽については今更、わたしごときがゴタクを並べるべきではない。

そこで毎年、モーツァルト頌という本から、先人達のモーツァルトへの賛辞を少しずつ拾って紹介して、曲を載せています。

モーツァルト頌には、ゲーテ、ハイドン、スタンダール、キルケゴール、ベートーヴェン、ブラームスなど、

自らが天才と呼ばれた人が、モーツァルトに最大級の賛辞を捧げています。天才が更に無条件に賞賛するモーツァルトが

如何に超弩級の天才であったか、素人で本当には分かっていない私にも観念的に理解できます。

私の言葉などどうでも良いので、以下は最小限に留めます。


◆どうも1回でおわりそうにない。今日は「第一弾」。

昨年まではモーツァルト特集、1日で終わりにしていたのですが、

今年は色々手持ちの音源を見たり、モーツァルト頌を読んだりしていたら、1回じゃ終わりそうにない。

そして、あんまり沢山曲を詰め込んでも、結局読者の皆さんにきいていただけないのですよ。経験で分かります。

別にモーツァルトの「命日」に固執する必要はないので、また来週でもやります。

それじゃ、早速、「モーツァルト頌」に載っている有名人の言葉と音楽を。

なお、言葉と音楽が直接関係しているわけではありません。


◆教室の窓を開け、太陽を指さし、「分かったろう、諸君。モーツァルトはあの太陽なのだ!」(ドヴォルザーク)

1曲目。フィガロの結婚序曲。

ムラヴィンスキー & レニングラード・フィル モスクワ公演(1965)


歌劇「フィガロの結婚」序曲







フィガロから、あまりにも有名なアリア、「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」。

ヘルマン・プライです。オペラ・アリア集 プライ、ヴァイル&モーツァルテウム管


「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」






歌は「ドミソ」を展開しているだけなのに、どうしてこれほど聴き手の胸に迫るのでしょう?

伴奏オーケストラのシンフォニックな厚い響きも好きです。最後にトランペットが、

「ミドミ・ソミソ・ドソミ・ソミド・・・」と吹きますけど、あれ、聴いて受ける印象より難しいです。


◆クララ・シューマンの言葉

クララ・シューマンは、かのロベルト・シューマンの奧さんですね。

ブラームスはこの人に一目惚れしてしまったのです。それはさておき、クララ・シューマンの言葉。

公衆が、この音楽の素晴らしさを全然感じないでいるのは、本当に悲しいことね。

私たちは、こんな人間(引用者注:勿論、モーツァルトのこと)がかつて生きていたというだけで

世界中を抱きしめたいぐらい夢中になっているのに。

迷いましたが、思い切って載せさせていただきます。ご依頼があれば直ぐに削除します。

森麻季/ピエ・イエス~祈りを込めてより、



モテット「喜べ躍れ,幸いなる魂よ」 アレルヤ






あまりにも美しい。「アレルヤ」のこれほど余裕のある、しかも正確で、美しく、優しい演奏を聴いたことがないのです。


◆チャイコフスキーの言葉。

友人でパトロンの、フォン・メック夫人宛の手紙より。

私は「ドン・ジョヴァンニ」の音楽にすっかり惚れこんでいるので、

今、あなたに書いているこの瞬間でも興奮で胸が一杯になって、泣きたくなるぐらいです。

チャイコフスキーが生まれて初めて、本当に感動した音楽は、「ドン・ジョヴァンニ」だったのです。


ネヴィル・マリナー「モーツァルト名序曲集」より、

「ドン・ジョヴァンニ」序曲。序奏部は重いですが、アレグロになってからは実に軽快です。



歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲







ドン・ジョヴァンニのアリアも楽しいのが多いです。再びヘルマン・プライ。

「酒で頭がかあっとなるまで」です。


ヘルマン・プライ「ドン・ジョヴァンニ」より「酒で頭がかあっとなるまで」





楽しいでしょ?他にもこのオペラには色々楽しいところがありますが、

キリがないので今日は割愛します。


◆ピアニスト・ヴァルター・ギーゼキングの言葉

ギーゼキングはドイツのピアニストで、他の作曲家の作品も、勿論弾きますが、20世紀有数の「モーツァルト弾き」です。

彼は何と言ったか?

逆説的に響くかも知れないが、モーツァルトのピアノ音楽に関する私の意見は、次のように言うしかない。

正しく演奏しようと思ったら、これほど易しく、しかも、難しい音楽はないのだ。

この後に延々と理由がかいてあるのですが、これも時間がないので、興味のある方は「モーツァルト頌」の492ページ以下を

お読み下さい。

モーツァルトのピアノソナタ10番 K.330 ハ長調 より第一楽章をどうぞ。

演奏は、イングリットヘブラーです。ピアノ・ソナタ全集 ヘブラー



イングリット・ヘブラー ピアノソナタ 10番 K.330 ハ長調 第1楽章






この曲などは、純粋にテクニック(メカニックというべきかも知れませんが)の水準で言えば、

上手い小学生でも弾けるんですよ。でも、指が回って、間違いなく弾いても全然聴き手の心の琴線に触れないのです。

誠に不思議です。

思い付くまま書いていたら4時過ぎになりました。

今日はこの辺で。また、モーツァルトは続きをやります。

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【中間報告】12月5日がモーツァルトの命日で、その特集を編集中。乞うご期待。

◆毎年、やらないと、気が済まないのです。

12月5日はモーツァルトの命日でした。

1日ずれても、今日は早くから準備を始めて、なるべく早い時間に更新する予定だったのですが、

私の週末の唯一の楽しみは思い切り夜更かしして、朝寝坊することなのです。

昨夜はさほど夜更かししなかったのですが、夜中の1時にPC前の椅子に座って午前6時までうたた寝してしまい。

もう一度ベッドで寝直して、目が覚めたら14時でした。暫く寝ぼけていて、

夜になって漸く調子が出てきました。


というわけで、これから音声をアップしたり、「モーツァルト頌」から文章を写したりするので、多分出来上がるのは4時か5時過ぎになると思います。


明日の朝、皆さんお目覚めの頃にはできていると思いますが、

お勤めの方は聴くことができないでしょうから、ご帰宅後、ゆっくりお聴き下さい

(昨年までとあまり変わり映えがしないかも知れませんが)。

できたら、差替ます、

それでは、失礼を致します。

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2009.12.05

【音楽】ソプラノ、森麻季さんの新譜、「麗しき瞳よ-ヘンデル・アリア集」素晴らしいです。

◆毎回素晴らしいけれども、今回も全く文句の付けようがありません。

いきなり、音楽家のプライベートな」ことを書いて恐縮ですが、

ソプラノの森麻季さんは、昨年9月にご長男を出産されました。

当然のこと乍ら、その前後は暫く演奏活動を休んでおられましたが、

女声声楽家の場合、出産の前後で声質や、演奏に変化が現れることもあるので、

ほんの少しだけ(ご出産は、無論おめでたいことなのですが)、森さんの演奏による

変化があるのか無いのか、音楽を聴くものとして、心配しておりました。


しかし、12月2日に2年ぶりに発売された新譜、

麗しき瞳よ~ヘンデル・アリア集を聴き、それが全くの杞憂であったことが分かりました。


森麻季さんは、より一層素晴らしい演奏を聴かせて下さいます。

全く「文句の付けようがない」とはこのことです。


◆テクニックと音楽性を兼ね備えた音楽家は、意外に少ない。森さんはそのお一人です。

森さんの演奏を聴くと、何故これほど、心を打たれるのでしょう。

それは、敢えて極めて単純化して述べるならば、

森さんが、高い演奏技術と、音楽性を兼ね備えた音楽家だからです。

森さんの非常に高度なテクニックを早く分かりたければ、

愛しい友よ~イタリア・オペラ・アリア集を聴くと良いでしょう。

声楽の中でも、特に器楽的な、早いパッセージを歌う。コロラトゥーラといいますが、

森さんのテクニックは、コロラトゥーラの中でも世界屈指だと思います


プロの音楽家になろうと思うのならば、歌であろうが、ピアノであろうが、

血の滲むような努力を重ねて高度なテクニックを習得しなければなりません。

テクニックは表現手段で、表現手段はないが、「心」があるから良いのだ、

というのは、プロではない。「NHKのど自慢」と替わらない。しかし、

ここが難しいところですが、テクニックは音楽家として大成するための必要条件ですが、

十分条件ではありません。作曲家が、その作品を通じて「何を表現したかったのか?」

を熟慮する「知性」「感受性」も必要です。

えてして(ピアニストなどに多いですが)、自分の演奏技術を誇示したい人がいます。

そういうのは聴いていてわかります。テクニックに「感心」はしますが、テクニックだけで聴衆「感動」

させることはできません。「作品への洞察」つまり知性が無いからです。

その意味において、森麻季さんは、その両者を併せ持つ、数少ない音楽家の一人です。

森さんの超絶技巧的演奏を聴いていても感動するのは、

森さんの知性が滲み出るからです。これは論理的に「証明する」ことはできませんが、

約35年間音楽を聴いてきた私の直感です。


◆最新CDには、ファースト・アルバムと同じ曲が収録されています。解釈の変化が興味深いです。

新譜、麗しき瞳よ~ヘンデル・アリア集の収録曲を見て直ぐに気が付きましたが、

森さんのデビュー・アルバム、あなたがそばにいたらと同じ曲が2曲あります。

いずれもお馴染み曲で、「オンブラ・マイ・フ」と歌劇「リナルド」から「涙の流れるままに」です。

こういうのは大変、興味深い。デビューアルバムは、2003年5月23日、カーネギー・ホールでのリサイタルライブですから

6年間の時間が経過している。その間に森さんはこれらの曲の解釈を変更したかどうか。変えたとしたらどのように変えたか。


最新のアルバムの面白いのは、古楽器の伴奏によるものだ、ということです。デビューアルバムはピアノ伴奏。

こういうことは本当はしてはいけないけど、まあ、エイベックスさん、森さん、見て見ぬフリをして下さい。

手元に最新アルバムのライナーノーツがあります。セルフライナーノーツのタイトルは、

大好きなヘンデルの作品をを収録して

です。前作、ピエ・イエス~祈りを込めては宗教曲集というか教会音楽のアリア集でした。

このときの、セルフ・ライナーノーツに
「念願の宗教曲の録音ができて」

という意味のことを、森さんは書いておられます。オペラで派手にコロラトゥーラで拍手喝采を浴びるだけではなく、

宗教云々に関わらず、「ピエ・イエス~祈りを込めて」や今回の「ヘンデル・アリア集」のように、穏やかな、

人々の心を優しく慰めるような歌を歌いたい、という音楽的欲求が森さんの大きな特徴です。


◆新・旧「オンブラ・マイ・フ」と「涙の流れるままに」の調性とテンポの変化。

話がそれましたが、前述の通り、デビューアルバムと「ヘンデル・アリア集」両方に収録されているのは、

有名な「オンブラ・マイ・フ」と、歌劇「リナルド」より「涙の流れるままに」ですが、

伴奏者(デビューアルバムはピアノ、今回は古楽器アンサンブル)の違いだけでなく、

調性とテンポが異なります。この2曲で調性とテンポ(メトロノーム速度)を比べました。

(テンポは前奏を含む)。

オンブラ・マイ・フ(旧) 調性:ト長調 テンポ 59~60

オンブラ・マイ・フ(新) 調性:ホ長調 テンポ 66~70

____________________________

涙の流れるままに (旧) 調性:ヘ長調 テンポ 56付近

涙の流れるままに (新) 調性:ホ長調 テンポ 52付近

これだけで、森さんの意図は分かる、とは私にはとても言えませんが、

「オンブラ・マイ・フ」も「涙の流れるままに」も調性を低くしていて、

特に、オンブラ・マイ・フは短三度(一音半)も下げている(涙の流れるままには半音ですが)。

音域が低くなると言うことは、明るさや派手さ(もともとそういう曲ではありませんけど)が

抑制されます。また、特に森さんはソプラノですから、オペラの難しいアリアで高音を出すときよりも

中音域から低音域での、声の豊かさが要求されます。派手が減ずる分、演奏者の表現力が問われます。

(オンブラ・マイ・フでは、前回よりも低い調性にしていますが、テンポは速くなっています)。

ソプラノのオペラ歌手なら、高音だけ出せれば良いのではなくて、高音を美しく響かせるためには

中低音をたっぷりと豊かな声で歌えるように、全身の無駄な力が抜けていなければならない。

中低音で美しい声を出せる、なるべくそのままの状態で喉には力を入れず、ブレス(呼吸)で高音を出す

ということを森麻季さんはずっと訓練なさっているのであろうと思います。


誤解の無いようにいっておきますが、森さんは高音が出なくなったわけではありません。

それどころか、アルバム第一曲目、「ロデリンダ 私の愛する人よ」では、以前と全くかわらない

見事なコロラトゥーラを聴かせて下さいます。完璧な音程。声(ブレス)のコントロール。最高音Cis(ドの♯)。

胸のすくようなテクニックです。


◆旋律の装飾

一般的にバロック音楽では、古典派以降よりも、演奏者の裁量による、即興的な演奏が

許容されています。ヘンデルで、森さんもそのことに触れておられます。

これは、森麻季さんのセルフライナーノーツにかいておられることです。

抜萃引用させて頂きますが、問題があったら、おっしゃって下さい。

・・・・ヘンデルのアリアは、A-B-A’のような3部形式になっている作品が多く、

同じ音型が戻ってきたA’で装飾をつけることが許されているので、和声と言葉の意味、

様式感を考慮しつつ、独創的な装飾を考えるのがとても楽しみになりました。

デビューアルバムや、テレビで、森さんがリナルド「涙の流れるままに」を演奏なさるとき、

私は、森さんの装飾の美しさにいつも感心するのですが、こればかりは、聴かないと分かりません。

デビューアルバムと、新譜で、装飾がどのようにことなるか、ホンの数秒だけ、載せさせて頂きます。



デビューアルバム「あなたがそばにいたら」における「涙の流れるままに」の装飾。






新譜「麗しき瞳よ-ヘンデル・アリア集」における「涙の流れるままに」の装飾。







いずれも、本来の旋律の美しさを損ねることなく、文字通り見事な音の「装飾」が施されています。

この辺が、バロックの面白いところです。実際のステージでは、毎回変えても構わない訳です。


以上、大変ながくなりましたが、2年ぶりの森麻季さんの新譜、多くの方にお聴き頂きたいと思います。

僭越ながら、私が以前森さんのアルバムに関して書いた文章を読んで下さった読者の方から、

薦められてCDを買って大変感激し、森麻季さんが出演なさるコンサートや、森麻季さんのリサイタルに

行き、一層感動した。涙が溢れた。というメールを、今まで何通も頂戴しています。

私の駄文は素人の知ったかぶりにすぎませんが、こういうお便りを頂くと、

お薦めした甲斐があった、と素人ながら物書き冥利に尽きます。


森麻季さん、今回も素晴らしい演奏を有り難うございました。

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2009.12.04

「東証に107億円の賠償命令=ジェイコム株誤発注訴訟で東京地裁」←この判決は正しくないと思います。

◆記事:東証に107億円の賠償命令=ジェイコム株誤発注訴訟で東京地裁(12月4日13時30分配信 時事通信)

2005年12月に起きたジェイコム(現ジェイコムホールディングス)株式の誤発注問題をめぐり、

みずほ証券が東京証券取引所を相手取って約415億円の支払いを求めた損害賠償請求訴訟の判決が4日、

東京地裁で言い渡された。松井英隆裁判長は、東証に107億1212万円の支払いを命じた。

判決で、松井裁判長は「東証が売買停止権限の行使を怠ったことには著しい不合理があった」などと、東証の責任を認定。

ただ、個別の取り消し注文に対応して処理する義務を負っていたとは認められないとした。

その上で、「みずほ証の過失も重大であると言わざるを得ない」として、賠償認容額を減額した。

市場運営者である取引所が果たすべき責任について司法判断が下されるのは初めて。


◆コメント:素人じゃあるまいし、まずは発注を間違えたみずほ証券が悪いのである。

この「誤発注事件」が起きたのは、ほぼ、ちょうど4年前で、私もその後何度か記事で取りあげた。

2005年12月09日(金) 東京証券取引所における、株取引誤発注問題に関する一考察 ココログ

2005年12月11日(日)みずほ証券ジェイコム株誤注文問題 東証の社長だけ辞めるのは不公平だろう。ココログ

2005年12月13日(火) 「みずほ証券誤発注問題『証券5社の手法、美しくない』金融相」云うまでもなく、同感である。ココログ

2005年12月09日(金) 東京証券取引所における、株取引誤発注問題に関する一考察 では、

まず、みずほ証券が悪いが、これほど明らかな誤発注を検知できない、東証のシステムもお粗末だ、と書いてはいますが、

この時には、まさか、みずほが東京証券取引所に損害賠償請求訴訟を起こすとは、想像だにしませんでした。


今日16時から、賠償命令を出された東京証券取引所の会長が記者会見を開き、控訴も考えている、と言っていますが、

当然だと思います。

顧客の注文を間違って端末に打ち込んだみずほ証券のトレーダーはプロです。素人ではありません。証券会社のディーラーでしょう。

誤発注の内容は、本来、ジェイコムという会社の株を

62万円で一株売りたい

だったのを、みずほ証券のトレーダーが端末にアマウント(Amount=株数)とプライス(値段)を逆にして、
1円で62万株売りたい

と打って、送信してしまった、というケアレスミスです。

これほど派手なのは珍しいけど、株に限らず、為替でも債券でも、とにかくディーリングの世界では、

さほど珍しいことではない。誰でも一度や二度はやってる。ただ、これほど極端な間違い方は珍しい。

しかし、とにもかくにも、みずほ証券のトレーダーはプロですから、注文を送信する前にもう一度点検するべきでした。

また、みずほ証券のディーリング管理の問題でもあります。

銀行でも証券会社でも 取引する対象が株でも債券でも、通貨(為替)でも、デリバティブでも、

実際にマーケットで売買するディーラーを「フロント」といいますが、フロントだけを野放しにしては、

極端な場合、巨額損失を出しても隠蔽するかも知れないので、「フロント」を監視する部署があります。

これをディーリング・ルームの「ミドル・オフィス」といいます。みずほはディーラーが、ケアレスミスをしたのみならず、

ミドル・オフィスが、このあまりにも明らかに異常な注文を出したことに気が付かなかった。

或いは、異常値をインプットしたら、送信できないようなシステムを構築しているべきなのです。


東証も子供の使いじゃないから、この注文をそのまま受け付けるというのは確かにお粗末なんですが、

一義的には、間違えて注文を出したみずほ証券が悪いのです。


また、他のマーケット参加者、特に証券会社は、当然、これが「誤発注だ」と気付いたにも関わらず、

1円で大量に買いました。これはマーケット参加者の仁義に反します。こういうときは、
今の取引は取り消しましょう。

というべきなのです。当時の担当相だった与謝野氏が、
「みずほ証券誤発注問題『証券5社の手法、美しくない』金融相」

と評したのは、そのあたりを良く分かっています。その感覚が正しい。証券会社は世間の目もあるので、全額返還しましたが、

ところが、ちょうどそのころ、インターネットを通して、素人の個人が、デイ・トレーディングで結構派手にやっていました。

この連中のかなりが、みずほの誤発注に乗じて大儲けして、取引の取消に応じず、

みずほ証券は、注文を出したお客さんに迷惑をかける訳には行きませんから、自らの勘定で損失を補填した。

そこで、お仕舞いいすれば良かったのに、東京証券取引所が悪い、と損害賠償請求訴訟を起こすとは、プロの株屋としては、

どんなものか、と思います。

如何なる仕事でも、その世界の住人にしか分からない、感覚が有ると思いますが、

東京地裁の裁判長は、市場取引の世界の感覚、常識が、理解できなかったようです。

東証が控訴したら、みずほが逆転敗訴になる可能性は大いにある、と考えられます。

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2009.12.03

平山郁夫画伯、ご逝去。30年前に予備校で「特別講座」を拝聴しました。

◆記事:<訃報>平山郁夫さん79歳=日本画家、シルクロード描く(毎日新聞 - 12月02日 14:22)

現代を代表する日本画家で、仏教やシルクロードに題材をとった作品を数多く描き、

世界各地の文化財保護活動にも尽力した文化勲章受章者、平山郁夫(ひらやま・いくお)さんが

2日午後0時38分、脳梗塞(こうそく)のため東京都内の病院で死去した。79歳。

葬儀は近親者だけで行い、後日、お別れの会を開く。

広島県の生口(いくち)島(現・尾道市瀬戸田町)生まれ。旧制中学3年の時、学徒勤労動員先で被爆した。

東京美術学校(現東京芸術大)で日本画家の前田青邨(せいそん)に師事。卒業後、母校の助手を務めながら、

日本美術院展(院展)に出品を始めた。1953年、院展に初入選した。

当初は故郷の牧歌的な風景や人物を描いていたが、59年、仏典を中国に持ち帰った玄奘(げんじょう)三蔵を描いた

「仏教伝来」で一躍注目を集めた。以来、平和を祈念し、仏教やシルクロードをテーマにした作品をライフワークにした。

旺盛な制作のかたわら、高松塚古墳の壁画模写など文化財保護活動にも取り組んだ。

その活動は国外へと広がり、「文化財赤十字」構想を提唱。私財を投じ、中国・敦煌の石窟(せっくつ)寺院や

北朝鮮の高句麗壁画古墳、アフガニスタンのバーミヤン遺跡など、仏教遺跡を中心とした保護・修復活動を行った。

日中友好に貢献したほか、ユネスコ親善大使なども積極的に務めた。

後進の指導にも情熱を注ぎ、73年に東京芸大教授。89年学長に就任した。

95年末でいったん退いたが、01年に再度選ばれ、05年まで務めた。96年、日本美術院理事長。98年、文化勲章。

96年、フランスのレジオン・ドヌール勲章をはじめ、世界各国から文化交流の実績をたたえられた。毎日新聞社特別顧問なども務めた。


◆コメント:平山先生は、正真正銘の紳士でした。30年前に予備校で「特別講義」を拝聴しました。

平山先生の美術上の業績に関しては、無知な私が分かったようなことを書くのは僭越なので、遠慮させていただきます。


私はちょうど30年前、1979年東京の代々木ゼミナールに通う浪人生でした。

あの予備校は、経営者が如何にもカネの亡者みたいな顔をしていた(去年だか今年、亡くなりました)けど、

意外に文化的なところがあって、偉い先生方を招聘して大学受験には直接的には何の役にも立たない(だからこそ大切なんですが)、


「教養講義」を依頼するのです。

私の年は、京大名誉教授でフランス文学、フランス史、特にフランス市民革命の研究で名高い桑原武夫先生と、

平山郁夫先生のお話を拝聴しました。

平山先生はシルクロードの旅で撮った写真をスライドにして説明してくださいました。

その内容は勿論興味深いものでしたが、私はそれ以上に平山先生の「真摯」で「紳士」なお人柄に驚嘆しました。

スライドを説明する際、先生が座って、マイクを通して大教室の学生全員に聞こえるように、

予備校の事務員達がセッティングするのですが、一人若い女性事務員が、平山先生に椅子を持ってきました。

先生は、その事務員に対して、

あ、どうも恐れ入ります。

とおっしゃったのです。何という丁寧な、紳士だろう、と、まだ世間を知らない私でしたが、その言葉に感動しました。

あれから30年経ち、大学を卒業し、会社に入って、何百人、何千人という「大人」を見てきましたが、

平山先生のような人は、残念ながら殆どいない、ということがよく分かりました。

大抵、大したこともない、会社の「エラい」人、政治家、役人、等々はこういうケースで、女性事務員など、

目に入りません。椅子ぐらい持ってきて当然。御礼など言う必要なし、という態度が99.9・・・%です。


その、不躾な、世の中の大多数の「凡人」を見る度に、私は過去に思いをめぐらせ、
平山先生は、正真正銘、頭のてっぺんから、つま先まで紳士だった。

と思うのです。

ネット上、特にこのブログでは、私は先生とは対極的に、何かというと「馬鹿野郎、ふざけんな。張り倒すぞ」などと、

田夫野人の如き、野蛮な言葉を記してしまいますが、リアルの世界では(手前味噌ですが)家内が

あなた、ちょっと丁寧すぎるんじゃない?

というのです。つまり、私は、色々な店で買い物をしたり、外で食事をするときに、

しばしば必要以上に丁寧に、「有り難うございます」「恐れ入ります」を多用する傾向にあります。

これは、理由ははっきりしていて、予備校時代に目の前で拝見した、平山先生の丁寧な物腰し、少しも偉そうになさらない

姿を見習わなければ、という意識が働くのです。それは、それで良いと思います。

本来、人間は、皆平山郁夫先生を見習うべきだ、とすら思っています。


シルクロードの説明も、私らごときタカが浪人生が相手だというのに、恐縮するほど丁寧な言葉、態度を

平山郁夫先生は、絶対に崩しませんでした。それは、意識しているのではなく、そういう方なのです。

説教じみたことはおっしゃりたくないご様子でしたが、予備校の理事長に、「何か受験生にアドヴァイスを」とでも

頼まれたのでしょう。先生は、
「絵を描く時に、表現したいものがあるのは勿論大切ですが、その為には絵を描くために必要な技術を体得している必要が

あります。皆さんが今、一生懸命知識の習得のために「格闘」なさっている最中だとおもいますが、それは、

何をする上でもきっと役に立つ「基礎」になるでしょう。ご健闘をいのります。

とおっしゃいました。

私は浪人して色々な事を学びましたが、平山先生のお人柄に接することができただけでも、予備校に行った甲斐があった、

と、今でも思っています。先生のようなご立派な方には、もっとご活躍頂きたかったけれども、

こればかりは仕方がありません。

平山先生、有り難うございました。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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2009.12.02

日銀の金融緩和強化策はデフレに効果があるのでしょうか。

記事1:日銀、「量的緩和」を表明=新型オペで10兆円追加供給-円高、デフレに対応(12月1日15時55分配信 時事通信)

日銀は1日、臨時の金融政策決定会合を開き、政策金利を0.1%に据え置くとともに、追加的な金融緩和策の導入を全員一致で決めた。

金融機関が資金をやりとりする短期金融市場向けに、年0.1%の固定金利で資金を3カ月間供給する新型オペレーション(公開市場操作)を導入し、

10兆円規模を供給する。白川方明総裁は会合後の記者会見で「広い意味での量的緩和」だと表明。

政府と歩調を合わせ、金融面から景気を下支えする姿勢を明確にした。

日銀が金融緩和の強化に踏み切るのは、先週来の急速な円高進行や中東ドバイの信用不安など国際金融市場の動揺に加え、

デフレが実体経済に悪影響を及ぼすリスクがあると判断したため


記事2:デフレ対応には金融政策の役割が大事=藤井財務相(11月24日10時32分配信 ロイター)

藤井裕久財務相は24日の閣議後の会見で、政府が11月月例経済報告においてデフレ宣言を行ったことに関連し、

物価は金融の問題であり、金融の役割が大事と述べ、日銀の金融政策対応に期待感を示した。

同時に現在の需要不足への政策対応として財政は主たる役割ではないと語った。

政府は20日、11月月例経済報告で日本経済は「緩やかなデフレ状況にある」とし、

2006年6月以来、3年5カ月ぶりに「デフレ宣言」を行った。

藤井財務相は、デフレ状況が長期化しないように努力するとしながら、

「物価は金融の問題であり、金融の役割が大事だ」と日銀の金融政策によるデフレ対応が重要との認識を示した。

その上で、日銀との話し合いは「菅直人副総理兼国家戦略・経済財政担当相のところでやるかもしれない」と語った。

財政の役割については「(菅担当相の)財政出動するのではなく、知恵でやっていこうと言っていることは正しい」と指摘。

現在の需要不足に対応するための財政出動は「主たる役割ではない」とデフレ対応の財政出動に慎重な考えを示した。

足元で日経平均株価が9500円を割り込むなど株安が進行していることに対し、

「増資ラッシュ(の影響)が一番大きい。もう少し、静かに見守る必要がある」と語った。


◆コメント:日銀が臨時の金融政策決定会合を開きました。極めて異例です。

今日は、あわただしい1日でした。

株式・為替・債券市場は午前中の取引をを前場(ぜんば)、と言いますが、前場が終わり、

後場が始まる前に、日本銀行のサイトに突然次の発表が表示されました。

2009年12月 1日 金融政策決定会合の臨時招集について

日銀は11月20日に月例の金融政策決定会合を開いたばかりです。

そこでは、金融政策現状維持。つまり、
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.1%前後で推移するよう促す。

と決めたばかり。しかし、これが日本のいけない「慣習」ですが、政治家が日銀に圧力をかけるのですね。

それが記事2の藤井財務相の発言です。

ここではっきり、藤井財務相は
「物価は金融の問題だ」

と、発言しています。亀井金融担当相はもっと感じが悪いですね。
◆記事:日銀は相変わらず寝てしまっている=亀井金融担当相(11月24日10時43分配信 ロイター)

亀井静香郵政・金融担当相は24日の閣議後会見で、政府が出したデフレ宣言を受け

「深刻な状況だと思う。日本がどんどん縮んでいっている。財政と金融が思い切った形で出動しないといけないが、

日銀が相変わらず寝てしまっていて起きそうにない」と述べた。

日本経済がデフレになったのは日銀が「寝ている」つまり、やるべき事をやらないからだ、と挑発的ですが、

日銀の政策金利はほぼゼロと言って良いほどの00.1%ですからこれ以上下げてもあんまり関係無い。

それに中央銀行は民間のリスク資産を買ったりするものではないのに、民間企業が発行する社債や、

CP(コマーシャル・ペーパー)の買い取りを通じて企業に資金難を生じさせないように、色々工夫をしている。

それを「寝ている」は失礼でしょう。こういうのは日銀を内閣が「上から目線」で見ているわけで、

国の金融政策の円滑な運営に不可欠な「日銀の独立性」を尊重していない。金融担当相が言うべきではありません。



兎にも角にも、日銀は東京市場が終了してから、
2009年12月 1日 金融緩和の強化について(15時38分公表) (PDF, 114KB)

を発表しました。その内容は記事1に書かれています。

一言で言えば、金融市場に追加で10兆円の資金を放出するよ、というのです。

日銀ができるのはこれぐらいでしょうが、これでいいのでしょうか?


◆デフレの責任を中央銀行(日銀)に丸投げしても、効果は限られています。

日銀の具体的な方策は、2009年12月 1日 (参考)金融緩和の強化について (PDF, 53KB) に書いてある。

短期金融市場といって、銀行同士がおカネの貸し借りをするマーケットに、追加で10兆円の資金を供給するのです。

うーん。ちょっとハズしてますね。こういうことをしても、デフレ対策にはならない。

日銀の金融緩和策により、確かに銀行が資金繰りに困ることは無いでしょうが、

それが物価の下落が続く状態、つまりデフレの対策になるか?

2009年12月 1日 (参考)金融緩和の強化について (PDF, 53KB) に書いてあるように、日銀は、

国債や、社債、CPなどを担保にとって引き換えに資金を短期金融市場に放出するといっているのです。

日銀が10超円を使って、自動車や、不動産や、食料品や、挙げだしたらキリがないですが、モノを買うことはできないのです。

市場に資金をばらまくだけ。デフレを克服するには最終需要が増えなければ、つまり個人消費が増えて、

モノをどんどん買うようにしなければ、物価は上がりません。

頓珍漢メディアばかりで、

今日の日銀の「更なる金融緩和措置で金融不安後退」などと言っていますが、

本当に金融恐慌が起きるかも知れなかったのは昨年のリーマン・ショックの後です。

ドバイ・ショックでも一番頭が痛いのは英国の金融機関だろうと言われてます。

しかし、最終的には、同じUAEのアブダビが何とかするでしょう。英国の銀行が潰れて、

それらの株や債券を保有している日本の銀行まで、累が及んだとしても、タカ知れてます。


繰り返しますが、物価に関して中央銀行にできることには、限度があります。

日銀は(望ましくないことですが)政府の圧力により(と考えてほぼ間違いない)、

一段と金融緩和政策を拡大しました。これ以上は無理です。

与党は「事業仕分け」ばかりに血道を上げていますが、今は本来逆。財政出動を行い、

民間企業に商売の機会を与える。または、以前から私が言っているように、

財政の健全化が遅れても良いから、減税し、消費者の購買意欲を刺激すること。

何としても総需要を増やすことに注力するべきなのです。

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2009.12.01

「東証大引け、反発 ドバイ不安一服」←甘かったですな。「UAE政府はドバイワールドの債務を保証しない」そうです。

記事1:UAE中銀、銀行の流動性支援で緊急供給措置(11月30日7時34分配信 ロイター)

アラブ首長国連邦(UAE)中央銀行は29日、金融システムに流動性を供給する緊急措置を発表した。

ドバイの政府系企業とその系列会社に債務問題が発生したことを受けた、銀行の流動性を支援する最初の対応。 

ドバイ政府は25日、ドバイ・ワールドと系列の不動産開発会社ナヒールが抱える巨額な債務について、債権者に返済猶予を要請すると発表した。 

これを受けて世界の金融市場は動揺。投融資した銀行は損失を被る可能性があるばかりでなく、

預金者の取り付け騒ぎが起こりかねない状況で、UAE銀行間市場の機能が不安視されていた。 

UAE中銀は、3カ月物の首長国銀行間取引金利(EIBOR)プラス50ベーシスポイント(bp)で

「銀行の当座勘定に関連した特別追加流動性ファシリティー」を開始すると発表した。詳細は明らかにしていない。


◆記事2:東証終値264円高=ドバイ不安後退で反発(11月30日17時0分配信 時事通信)

30日の東京株式市場では、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の信用不安の後退から、ほぼ全面高となった。

日経平均株価は前週末比264円03銭高の9345円55銭と、3営業日ぶりに反発した。

円高の一服も株高要因。政府の追加経済対策が、円高対策を含めて当初予定の2兆7000億円を超える見込みだと報じられたことも、買いを後押しした。

東証1部全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は28.93ポイント高の839.94。出来高は24億6841万株、売買代金は1兆5426億円だった。


◆記事3:ドバイ金融局長「政府は債務保証せず」 債権者反発も(NIKKEI NET)(30日 22:05)

アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの金融行政トップであるサレハ金融局長は30日、地元テレビ局のインタビューで

「政府はドバイワールドの債務を保証しない」と語り、同社の債務返済に関与しない意向を示した。

ドバイワールドの資金繰り危機が政府に波及するのを回避する狙いとみられるが、政府は同社に100%出資しており、債権者が強く反発しそうだ。

同局長は「ドバイワールドは政府の一部ではなく、設立時から政府の債務保証はない」と指摘。

「債権者は投融資することを決めた責任を持つべきだ」と強調した。


◆コメント:一旦安心した後で、2度目のショックを与えられた金融市場。

どうも中東アラブ諸国の発想は、こちらと文化圏が違うと言えども、とても常識では

通用しないことを平気で国にする傾向がある。商社に限らず他の業種でも、中東を相手に

するときには、契約締結直前に、「やっぱり止めた」と言い出すことがしばしばあるので、

最後まで気を抜けないという話を聞いたことがあるが、本当だ。

今回のドバイショックとは何か、に関しては、一昨日、

ドバイで何が起きたのでしょう?ココログ

に書いたのでお読み頂きたい。

これに対して、UAE(アラブ首長国連邦)の中央銀行は、記事1のとおり、

「金融市場に流動性資金を供給する緊急措置」を発表したが、これは文字通り、緊急措置。

応急手当のようなものである。

ドバイワールドという政府が100%出資する開発会社が、債務の返済期限を延ばしてくれと言ってきたのが

先週の水曜日である。

これによって、ドバイワールドに融資していた周辺諸国や欧米、日本の金融機関がどれぐらい損害を被るか

分からない。銀行同士は、短期金融市場で短期間の資金の貸し借りを行っているが、ドバイワールドの債権を

買ったり、ドバイワールドに融資していた銀行が、債権を回収できなくなり、損失を被り、潰れるかも知れない、

という噂が立ったら、他の銀行は互いに資金を調達できなくなり中には資金繰りに窮する銀行が出るかも知れない。

そのときは、UAE中央銀行が持っている資金を貸しますよ、という事である。

他の国、及びその銀行は、ひとまず直ぐに中東発の世界金融危機が回避できた、

と、判断した。


しかし、ちょっと考えれば分かるが、それは、目先の混乱を回避する「対症療法」であり、

ドバイワールドが返済猶予を申し出た、ドバイワールドから見れば、借金、

ヨーロッパを始め、世界各国の銀行がドバイワールドに貸したおカネ(債権)を

回収できるかどうかは別の話なのである。

ドバイの金融当局トップは、
「ドバイワールドは、確かに政府が100%出資した会社だが、政府そのものではない。

ドバイワールドの借金はドバイワールドの借金である。融資した銀行は当然リスクを取ったのだから

その結果ドバイワールドから債権を回収できなくなってもそれは、そちらの判断ミスだ。

というのである。

おカネを借り、期日には返済するという契約をドバイワールドは締結していたのに、

事前に貸し手である銀行に何の相談もなく、いきなり「期日までには返済できないから、

半年、期日を延長してくれ」といっている。そのドバイワールドは政府が所有している。

ドバイワールドが返済できないならば、後ろ盾であるUAEもしくはドバイ首長国が、

ドバイワールドの債務を保証する、つまり、代わりに返済するべきである。

政府100%出資会社にカネを貸しても期日に返せないというのであれば、今後、

国際金融市場に於けるドバイの信用は地に墜ちるということが分からない。

開いた口がふさがらない。当分混乱は続くだろう。

今日戻した日経平均株価も明日は再び暴落する可能性が高い。

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