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2009.12.02

日銀の金融緩和強化策はデフレに効果があるのでしょうか。

記事1:日銀、「量的緩和」を表明=新型オペで10兆円追加供給-円高、デフレに対応(12月1日15時55分配信 時事通信)

日銀は1日、臨時の金融政策決定会合を開き、政策金利を0.1%に据え置くとともに、追加的な金融緩和策の導入を全員一致で決めた。

金融機関が資金をやりとりする短期金融市場向けに、年0.1%の固定金利で資金を3カ月間供給する新型オペレーション(公開市場操作)を導入し、

10兆円規模を供給する。白川方明総裁は会合後の記者会見で「広い意味での量的緩和」だと表明。

政府と歩調を合わせ、金融面から景気を下支えする姿勢を明確にした。

日銀が金融緩和の強化に踏み切るのは、先週来の急速な円高進行や中東ドバイの信用不安など国際金融市場の動揺に加え、

デフレが実体経済に悪影響を及ぼすリスクがあると判断したため


記事2:デフレ対応には金融政策の役割が大事=藤井財務相(11月24日10時32分配信 ロイター)

藤井裕久財務相は24日の閣議後の会見で、政府が11月月例経済報告においてデフレ宣言を行ったことに関連し、

物価は金融の問題であり、金融の役割が大事と述べ、日銀の金融政策対応に期待感を示した。

同時に現在の需要不足への政策対応として財政は主たる役割ではないと語った。

政府は20日、11月月例経済報告で日本経済は「緩やかなデフレ状況にある」とし、

2006年6月以来、3年5カ月ぶりに「デフレ宣言」を行った。

藤井財務相は、デフレ状況が長期化しないように努力するとしながら、

「物価は金融の問題であり、金融の役割が大事だ」と日銀の金融政策によるデフレ対応が重要との認識を示した。

その上で、日銀との話し合いは「菅直人副総理兼国家戦略・経済財政担当相のところでやるかもしれない」と語った。

財政の役割については「(菅担当相の)財政出動するのではなく、知恵でやっていこうと言っていることは正しい」と指摘。

現在の需要不足に対応するための財政出動は「主たる役割ではない」とデフレ対応の財政出動に慎重な考えを示した。

足元で日経平均株価が9500円を割り込むなど株安が進行していることに対し、

「増資ラッシュ(の影響)が一番大きい。もう少し、静かに見守る必要がある」と語った。


◆コメント:日銀が臨時の金融政策決定会合を開きました。極めて異例です。

今日は、あわただしい1日でした。

株式・為替・債券市場は午前中の取引をを前場(ぜんば)、と言いますが、前場が終わり、

後場が始まる前に、日本銀行のサイトに突然次の発表が表示されました。

2009年12月 1日 金融政策決定会合の臨時招集について

日銀は11月20日に月例の金融政策決定会合を開いたばかりです。

そこでは、金融政策現状維持。つまり、
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.1%前後で推移するよう促す。

と決めたばかり。しかし、これが日本のいけない「慣習」ですが、政治家が日銀に圧力をかけるのですね。

それが記事2の藤井財務相の発言です。

ここではっきり、藤井財務相は
「物価は金融の問題だ」

と、発言しています。亀井金融担当相はもっと感じが悪いですね。
◆記事:日銀は相変わらず寝てしまっている=亀井金融担当相(11月24日10時43分配信 ロイター)

亀井静香郵政・金融担当相は24日の閣議後会見で、政府が出したデフレ宣言を受け

「深刻な状況だと思う。日本がどんどん縮んでいっている。財政と金融が思い切った形で出動しないといけないが、

日銀が相変わらず寝てしまっていて起きそうにない」と述べた。

日本経済がデフレになったのは日銀が「寝ている」つまり、やるべき事をやらないからだ、と挑発的ですが、

日銀の政策金利はほぼゼロと言って良いほどの00.1%ですからこれ以上下げてもあんまり関係無い。

それに中央銀行は民間のリスク資産を買ったりするものではないのに、民間企業が発行する社債や、

CP(コマーシャル・ペーパー)の買い取りを通じて企業に資金難を生じさせないように、色々工夫をしている。

それを「寝ている」は失礼でしょう。こういうのは日銀を内閣が「上から目線」で見ているわけで、

国の金融政策の円滑な運営に不可欠な「日銀の独立性」を尊重していない。金融担当相が言うべきではありません。



兎にも角にも、日銀は東京市場が終了してから、
2009年12月 1日 金融緩和の強化について(15時38分公表) (PDF, 114KB)

を発表しました。その内容は記事1に書かれています。

一言で言えば、金融市場に追加で10兆円の資金を放出するよ、というのです。

日銀ができるのはこれぐらいでしょうが、これでいいのでしょうか?


◆デフレの責任を中央銀行(日銀)に丸投げしても、効果は限られています。

日銀の具体的な方策は、2009年12月 1日 (参考)金融緩和の強化について (PDF, 53KB) に書いてある。

短期金融市場といって、銀行同士がおカネの貸し借りをするマーケットに、追加で10兆円の資金を供給するのです。

うーん。ちょっとハズしてますね。こういうことをしても、デフレ対策にはならない。

日銀の金融緩和策により、確かに銀行が資金繰りに困ることは無いでしょうが、

それが物価の下落が続く状態、つまりデフレの対策になるか?

2009年12月 1日 (参考)金融緩和の強化について (PDF, 53KB) に書いてあるように、日銀は、

国債や、社債、CPなどを担保にとって引き換えに資金を短期金融市場に放出するといっているのです。

日銀が10超円を使って、自動車や、不動産や、食料品や、挙げだしたらキリがないですが、モノを買うことはできないのです。

市場に資金をばらまくだけ。デフレを克服するには最終需要が増えなければ、つまり個人消費が増えて、

モノをどんどん買うようにしなければ、物価は上がりません。

頓珍漢メディアばかりで、

今日の日銀の「更なる金融緩和措置で金融不安後退」などと言っていますが、

本当に金融恐慌が起きるかも知れなかったのは昨年のリーマン・ショックの後です。

ドバイ・ショックでも一番頭が痛いのは英国の金融機関だろうと言われてます。

しかし、最終的には、同じUAEのアブダビが何とかするでしょう。英国の銀行が潰れて、

それらの株や債券を保有している日本の銀行まで、累が及んだとしても、タカ知れてます。


繰り返しますが、物価に関して中央銀行にできることには、限度があります。

日銀は(望ましくないことですが)政府の圧力により(と考えてほぼ間違いない)、

一段と金融緩和政策を拡大しました。これ以上は無理です。

与党は「事業仕分け」ばかりに血道を上げていますが、今は本来逆。財政出動を行い、

民間企業に商売の機会を与える。または、以前から私が言っているように、

財政の健全化が遅れても良いから、減税し、消費者の購買意欲を刺激すること。

何としても総需要を増やすことに注力するべきなのです。

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