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2009.12.14

行政刷新会議「文科省事業」に対する意見。(実際にメールで送ったもの)

◆【背景】明日が締め切りだが、文科省は行政刷新会議の「文科省関連事業仕分け」に関する国民の意見を募っている。

文科省のサイトに

行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください(平成21年11月16日)

と言うページがある。

現在、政府の行政刷新会議は「事業仕分け」を行っており、文部科学省関係の事業についても以下の表のとおり対象となっております。

この事業仕分けを契機として、多くの国民の皆様の声を予算編成に生かしていく観点から、今回行政刷新会議の事業仕分けの対象となった事業について、

広く国民の皆様からご意見を募集いたします。予算編成にいたる12月15日までに下記のアドレスまでメールにてお送りください

(様式自由、必ず「件名(タイトル)」に事業番号、事業名を記入してください。)。

なお、下記区分で宛先が不明な場合は大臣官房会計課(kaizen@mext.go.jp)までご送付願います。

いただきましたご意見や個人情報等につきましては、文部科学省ホームページプライバシーポリシー

(※「文部科学省ホームページプライバシーポリシー」へリンク)により取扱います。

なお、ご意見に対して個別には回答いたしかねますので、その旨ご了承願います。

今まで気が付かなかったのが迂闊だった。

しかし、締め切りは12月15日である。あと24時間も時間がある。

一人でも多くの方に勇気を出して意見を送っていただきたい。私も勿論書いた。

まず、行政刷新会議が「芸術」をどのように考えているか。

番号4。文化関係1-独立行政法人日本芸術文化振興会にかんして、事業仕分けの結果・評価コメントは
予算要求の縮減(圧倒的な縮減)

となっている。評価コメントの内容は次のとおり。


評価コメント 芸術家の国際交流:予算要求の縮減より抜萃。

●文化の振興という数値では図れない事業の必要性は否定しないが、効果説明が不足でばらまきの批判をおさえられるものではない。

●芸術・文化に国がどう税を投資するか明確な説明がなされない。縮減やむなし。

●芸術創造・地域文化振興事業は廃止。他は合理化すべき。

●国が子どものためだけに事業をすることは必然性に欠ける。中心は地域での取り組み。

●芸術創造・地域文化振興事業と子どものための優れた舞台芸術体験事業は地方へ。

●すべて地方へ集中。


◆意見:日本芸術文化振興会に対する評価コメントへの反論及び予算の圧倒的削減への圧倒的反対。

行政刷新会議の本件担当、中川正春・後藤斎両氏にまず伺いたい。

あなた方は、コンサートホールやオペラハウスに足を運んだことがあるか。

芸術に感動し、涙を流したことがあるか。それが人間にとって如何ほど貴重な経験か分かるか。

答は聴かなくても分かっている。


以上は感情論である。しかし、感情論を廃しても、なお、評価コメントは意味を為さない。その理由を申し述べる。

●文化の振興という数値では図れない事業の必要性は否定しないが、効果説明が不足で(後略)

文化の振興の効果を数値では図れない事業とみとめながら、効果説明が不足であるとは、どういう意味か。

文化の効果をどのように客観的に説明するというのか。音楽、演劇、舞踊、美術、凡そ芸術に「効果」と呼ぶに値するものがあるとすれば、

それは、受け手(観客、聴衆、鑑賞者)の主観である。感動である。感動の程度を数値で説明することはできない。また、その程度は文化の受け手により、

千差万別である。どのように説明すれば、「十分な説明」だというのか?


次。
●芸術・文化に国がどう税を投資するか明確な説明がなされない。縮減やむなし。

「投資」という概念が誤っている。文化や芸術は株や債券等の金融商品ではない。投資という言葉は「リターン」を期待している。

芸術に税金を投じて、経済的なリターンをもとめるものではない。ただひたすら与え、支える。欧米諸国の政府は、オペラハウスに税を投じて、

「儲かる」とは考えていない。優れた、文化・芸術に敬意を払うことが、その国家の教養を示すのである。

儲からないから、税金は出さないなどという無教養な先進国は世界で笑いものになるだろう。


次。
●国が子どものためだけに事業をすることは必然性に欠ける。中心は地域での取り組み。

なにも分かっていない。優れた芸術的才能は、子供に見出される。

大人になってから、見出しても遅い。よって、子供のために「事業」をすることは、芸術的観点からは必然である。

そして、子供の芸術的素養を磨くためには優れた指導者が必要である。

これこそ、国家の威信をもって注力すべきである。

音楽を例に取るならば、ヨーロッパ諸国では、国家が、子供に無料、もしくは極めて安価で楽器を貸与し、

一流の教師によるレッスンを受けることを可能ならしめている。それによって、秀でた才能を育成することが可能になる。

優れた芸術家は、経済的な効果とは無関係に、世界の教養ある人々の尊敬を集めるが故に尊い。小澤征爾氏を見よ。



次。
●芸術創造・地域文化振興事業と子どものための優れた舞台芸術体験事業は地方へ。

芸術を創造する人間は基礎的な訓練を必要とする。優れた教師は大都市、特に東京に集中している。地方に放り投げるのは無責任だ。
「子どものための優れた舞台芸術体験事業は地方へ。」

事業仕分け担当政務官は余程なにもご存じないようである。優れた舞台芸術体験をするためには、優れた芸術家の存在が不可欠である。

残念ながら、現在の日本で最も優れた舞台芸術家は、東京に集中している。子供達に優れた舞台芸術を体験させるためには、

優れた舞台芸術家を国が計画的に、地方の子供達に鑑賞させるプロジェクトを組むべきである(芸術家を地方に派遣するか、

地方の子供達を東京に招待するか、それはどちらでも良い。ロクにオーケストラを聴いたこともなく、オペラやバレエも見たことがない、

地方行政担当者に、このような仕事を丸投げして、成功する訳がない。


◆結論:芸術文化事業予算の圧倒的削減は、天下の愚策である。

かつて、旧西ドイツの首相を務めた、ヘルムート・シュミット氏は自ら玄人はだしのピアノを弾く音楽愛好家だが、

ニューズ・ウィーク誌に対して、次のような趣旨の発言をしたことがある。

現在、ドイツをはじめ、ヨーロッパ各地のオーケストラで、多くの日本人音楽家が活躍している。

彼らは、日本の如何なる政治家、外交官、財界人よりも、欧米人が日本人に対して抱くイメージを向上させることに貢献している。

少しはお分かり頂けるだろうか。予算を配分したところで、数値で効果を測定できない、対費用効果が計算できない。

芸術をそのような観点から軽んじるべきではない。

今一度繰り返すが、芸術の振興をおろそかにする国は、国際社会で、文化的な他国から嘲笑されるだろう。

芸術を振興すること、芸術家を育成することに、日本国はこれまで以上に注力するべきである。

そのためには予算の圧倒的削減どころか、圧倒的拡大が必要であると思料する。

以上。(東京都○○○区○○○○)

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コメント

take-5さん、こんばんは。

ご賛同頂き、嬉しいです。

>芸術音楽の衰退は、クラシックに限らず音楽業界全体の衰退を、ひいては音楽産業の衰退をもたらすという経済的視点
>東南アジア諸国よりも先に経済大国である日本がオケを「切る」ことがいかに愚かであるか、という政治・外交的視点
>そして、芸術的視点の三点から投書しました。

素晴らしい。論理的です。私は急いで書きすぎて情緒に流されました。

メディアが大きく取りあげませんが、毎年、Asian Orchestra Week という催しがあり、

オペラシティで、マレーシアや、香港、ベトナムのオーケストラが演奏しますが、上手くなっています。

東洋で最も早く西洋音楽を取り入れ、ものにした日本は、その事実を誇りに思い、音楽を通じて、
国家間の交流も深まるはずです。以前、小澤征爾さんが北京のオーケストラを指導したことがあり、

ドキュメンタリー番組として放送されていました。中国の音楽家達の輝くような目が忘れられません。

>中央政府は大阪府知事ほど無教養ではない、と高をくくっていた自分が恨めしいです。

いや、私もまさか、と思っていました。「汗顔の至り」です。ここまでバカだとは思いませんでした。

>仙谷大臣は、自ら事業仕分けを「文化大革命」という比喩を用いて誇っていました
>(<-コレこそ強烈に糾弾されるべきなのですが、マスコミはなぜか叩かない)が、
>本当に文化大革命並の衰退と混乱をもたらしかねない愚策です。

おっしゃるとおりで、21世紀の日本で実際に起きていることと認めたくないほどです。
「悪夢のよう」とはこのことでしょう。

今のところ大手マスコミで、この動きを批判したのは、私が気付いた限りでは12月6日の読売社説です。

予算編成作業 科学・文化を衰退させるな : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20091205-OYT1T01153.htm


日本音楽コンクールを創設した毎日新聞が何も書かないのにも呆れますし、
他の大メディアのどれをとっても、事の重さが分からない。

これが、鳩山のいう「友愛政治」だったとは。

もう一度、解散・総選挙すべきかもしれませんね。

自民党に政権が戻ってどうなるという訳ではないけれど、

元・官房長官だった自民党の細田という人は、そういうことを言うと

日本では、選挙で不利になるので自分のホームページにも書いていませんが、

実はピアノを巧みに奏し、官房長官や自民党幹事長の激務の最中にも、

毎晩、ピアノをさらっていたそうです。そう言う奴が政治家と役人に、ホンッとにいないんですね。

投稿: JIRO | 2009.12.15 23:27

こんばんは。お久しぶりです。
私も先程投稿を済ませました。
芸術音楽の衰退は、クラシックに限らず音楽業界全体の衰退を、ひいては音楽産業の衰退をもたらすという経済的視点
東南アジア諸国よりも先に経済大国である日本がオケを「切る」ことがいかに愚かであるか、という政治・外交的視点
そして、芸術的視点の三点から投書しました。
政治・経済的に見ても明らかにデメリット大なんです!こんな簡単なことも分からないんですかねコイツらは。
中央政府は大阪府知事ほど無教養ではない、と高をくくっていた自分が恨めしいです。
仙谷大臣は、自ら事業仕分けを「文化大革命」という比喩を用いて誇っていました(←コレこそ強烈に糾弾されるべきなのですが、マスコミはなぜか叩かない)が、本当に文化大革命並の衰退と混乱をもたらしかねない愚策です。
ベートーベンやショスタコービチにこの惨状を見てもらったら、さぞ内容の濃い名交響曲が生まれるでしょうね。皮肉ですが。

投稿: take-5 | 2009.12.15 21:51

風坊主さん、こんばんは。

ご賛同頂き、ありがとうございます。

私こそ、今まで気が付かなかったのは迂闊でした。

ある方から教えて頂き、辛うじて意見締め切り前に気が付きました。


>国辱ものですよ、こんなことが実現したら世界の笑いものですよ。
>あんな結論を出した人間のような生き物を「イエローモンキー」と
>いうんだろうなぁ。

おっしゃるとおりですねぇ。1960年、N響が世界一周演奏旅行をしたときに、
欧米諸国は文字通り「驚嘆し」たそうです。黛敏郎がおっしゃっていました。
あのおかげで、彼らの日本人に対する見方が随分変わったのだと。

事業仕分けを文化・芸術に持ち込み、「無くても困らないから予算を大幅に
縮減する」という政策が21世紀になってから出てくるとは思いませんでした。
鳩山の「友愛」の正体はこの程度なんですね(笑)。

>文化芸術、教育は無駄があって当たり前、いや無駄が無駄でないもの
>作る世界なのだから投資効率とか数値化とかできる世界ではない。

正に正論です。こやつらは漱石の「草枕」すら読んだことがないのでしょうね。

「あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊い」

漱石が100年前に、理解していたことをアホ役人・政治家は今でも分からない。
(分からない奴はいつの世にもいて、永久に分からないのでしょうが)。

>これらの予算は今の百倍ぐらいが妥当な数値だと思います。

そのとおりです。世界第二位の経済大国で、国家の無理解のために、
芸術家が経済的に困窮するなど、国辱以外の何物でもない。

人殺しの道具、「武器・兵器」の何百分の一の予算で、
美しい調べを奏でる楽器を作り、買うことができます。

日本が「世界で最も芸術を愛する国」と評価されることは
多分、ずっと無いでしょうが、もしそうなったら、と夢見ることがあります。

投稿: JIRO | 2009.12.15 04:24

冠省
JIRO さんよりこのことを知りまして
早速に意見を送りました(知らなかったのは迂闊でした)。

国辱ものですよ、こんなことが実現したら世界の笑いものですよ。
あんな結論を出した人間のような生き物を「イエローモンキー」と
いうんだろうなぁ。

文化芸術、教育は無駄があって当たり前、いや無駄が無駄でないもの
作る世界なのだから投資効率とか数値化とかできる世界ではない。

これらの予算は今の百倍ぐらいが妥当な数値だと思います。

投稿: 風坊主 | 2009.12.15 03:20

オーケストラやオペラハウスは万年赤字に決まっており、国が援助して支える。
それは税金から出ているが、誰も文句は言わない。何故なら、コンサートやオペラを楽しむのは
自分たちだからだ、という、発想の流れが当たり前になっている欧米に比べると、
費用対効果を持ち出すところが、如何にも・・・ですね。ところで、アマ・オケやアマチュア吹奏楽
の人たちにこの話をしても、関心持たないんですね。どうしてかなと不思議でなりません。

投稿: JIRO | 2009.12.15 00:26

ご尽力に敬意を表します。

通り一遍のメールですが、私も入れました。
18年前のデータが元ですが、オーケストラの財政は下記のとおりです。現状もそう変わりはないと思います。地方のオーケストラほど苦しいであろう様子はこれでもちょっとだけ見えるかと思います。この内容をメールしました。

収入の部
・事業収入=60%(チケット売上、出演料収入【依頼講演で、のでしょう】、協賛金、広告収入、権利収入)
・公的助成=30%(NHKも算術平均に含む。東京は16%、地方は35%)
・民間助成=10%

支出の部
・人件費=55%(費目不明だが、おそらく、労務費、福利厚生費)
・事業費=40%(出演費【エキストラを含むかどうか不明】、音楽費、文芸費、広告宣伝費、印刷費 等)
・管理費=5%

資料:『ザ・オーケストラ』(芸団協出版部、1995、発行:丸善(株)出版事業部)

投稿: ken | 2009.12.14 23:59

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