« 2009年12月 | トップページ | 2010年2月 »

2010年1月

2010.01.31

『自殺サイト知り合った』鎌倉で男女3人の遺体発見 練炭自殺か」←マスコミ各社、「WHOによる自殺予防の手引き」知らないだろう?

記事:「自殺サイト知り合った」鎌倉で男女3人の遺体発見 練炭自殺か(1月30日21時6分配信 産経新聞)

30日午後1時40分ごろ、神奈川県鎌倉市十二所のアパートの大家の男性(65)から

「居住者の男性がいるか探しにいったら部屋に目張りがされていた」と鎌倉署に通報があった。

駆けつけた同署員が部屋の中を確認したところ、この部屋に住む無職の男性(46)と女性2人の遺体を発見した。

遺体は死後2週間以上経っているとみられ、部屋の中には練炭が4つおいてあった。

部屋からは「自殺サイトで知り合った人と死にます」という内容の男性が書いたと思われる遺書が発見された。

同署は、自殺の可能性が高いとみて調べている。


◆コメント:この件(WHO自殺予防の手引き)に関して書くのは3度目だ。

マスコミが、特異な自殺を報道することにより、それが模倣され反復されるのではないか、

と以前から私は、自分で考えて書いていたけれども、WHOがメディア宛にはっきりそれを忠告している。

この話を取りあげるのは少なくとも3回目である。

2009年07月29日(水)「給油活動延長せず=鳩山代表が明言-民主方針」←また、変わったね。/<自殺者>上半期1万7076人ココログ

2009年12月25日(金) <自殺者>3万人超す 前年上回る恐れも 1~11月」←「WHO による自殺予防の手引き」の「マスメディアのための手引」ココログ

前回、書いたのは、わずか1ヶ月前である。

同じ事だが繰り返す。
WHOによる自殺予防の手引き

という文書が、内閣府の「自殺対策ホームページ」に、ずっと前から載っている。

その中にわざわざ、【マスメディアのための手引き】という項目がある。

その中で、最も私が強調したい部分を抜萃する。
 
一般的に、現実に起きた自殺について新聞やテレビが報道すると、自殺が統計学的に有意に増える場合があることを示唆する十分な証拠があり、とくに若者に影響が強いように思われる。

 自殺手段やその入手方法を詳しく報道するのは避ける。メディアによって報道された自殺方法が、それに引き続く自殺でもしばしば模倣されることを明らかにしている研究がある。

冒頭に転載した産経新聞(元記事は多分共同通信。全く同じ文章である)の記事は、正に、

「自殺手段を詳しく報道」している例に他ならない。

「 WHOによる自殺予防の手引き」の全てが絶対に正しいかどうか、私には学問的に検証する能力はない。

しかし、そんなことをしなくても常識と経験則から、正しいことは、殆ど明らかだ。

ところが、毎回同じような「自殺報道」が行われている。

各メディアは、「WHOによる自殺予防の手引き」を読んでいないどころか、

その存在すら、知らないのではないかと思う。

記事で報じられた事実を、他の国民が知ることによるメリット、又は報道せず、国民が知らないままでいることのデメリットが

有るかどうか考えると、どちらも、無い。

報道しなくて良い、いや、しない方が良いのである。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.30

【音楽・映像】グリーグピアノ協奏曲。ルービンシュタイン/プレヴィン=ロンドン交響楽団。親父の命日で、この曲が好きだったもので。

◆ポピュラーな名曲でも、まだご紹介していない作品が沢山あります。

私のこの日記・ブログは「クラシック音楽ブログ」ではないのですが、

時事問題に関して興味を持って読んで下さる方で、クラシック音楽には

あまり、馴染みがない、という方が、何かのきっかけで興味を抱いて下さるかも知れない,

と思って、音楽を載せ始めました。勿論、元々音楽好きの方に、音楽記事を読んで頂けるのは

大変光栄です。

そういう趣旨なので、なるべく蘊蓄(うんちく)を傾けないで

(そもそも私にそれほどのウンチクなどないのですから)、多少知ったかぶりをして、

後はなるべく親しみやすい名曲をご紹介しているつもりなんです。

これまで、かなりの回数になりますので、大抵の「泰西名曲」は紹介したつもりでいたら、

これが、とんでもないんですね。まだまだ、あります。


◆グリーグ:ピアノ協奏曲

グリークの協奏曲はこれだけなのですけど、大変人気があります。

グリークの詳細に関しては、例によってWikipediaにリンクを貼って誤魔化しますが、

このノルウェーの作曲家の作品、何故か日本人の心の琴線に触れます。

私事で恐縮ですが、今日1月30日は親父の命日なのですが、その死んだ親父が

生前、グリーグのピアノ協奏曲を大変好んでおりました。

なんか、懐かしい感じがするだろ?綺麗だ。

と良く申しておりました。全然親父はクラシック「通」ではありませんでしたが、美しいものは、

分かったようです。


このように、極めて個人的な理由と、非常に有名な曲であるにも関わらず、

今までご紹介していなかったので、探してきました。これは、初めて見ました。

20世紀最高のピアニストの一人、アルトゥール・ルービンシュタインのソロ、今は押しも押されもしない巨匠になりつつある

アンドレ・プレヴィン指揮、ロンドン交響楽団が伴奏です。このルービンシュタインの動画ってのは、貴重です。

プレヴィンの若いこと(35年前だから当たり前ですが)。お聴き下さい。

グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調作品16

(なお、第一楽章だけ、2つのファイルに分かれています。悪しからず)


Arthur Rubinstein - Grieg Piano Concerto 1st mov (1)





Arthur Rubinstein - Grieg Piano Concerto 1st mov (2)







第二楽章です。


Arthur Rubinstein - Grieg Piano Concerto 2nd mov







終楽章です。


Arthur Rubinstein - Grieg Piano Concerto 3rd mov







現代の若い人にテクニックで負けていないどころか、やはり音楽家としての「円熟」の

ずっしりとした重みを感じます。

なお、この演奏ではないと思いますが、ルービンシュタインがシューマンとグリーグのピアノ協奏曲を弾いたCDは、

勿論、あります。シューマン&グリーグ:ピアノ協奏曲が宜しいかと思います。

それでは失礼します。良い週末をお過ごし下さい。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

今日(29日)は、重要な経済指標の連続でした。

◆記事:12月の失業率5.1%、2カ月ぶり改善=09年平均は悪化幅最大(1月29日8時41分配信 時事通信)

総務省が29日発表した労働力調査によると、2009年12月の完全失業率(季節調整値)は

5.1%と前月に比べ0.1ポイント改善した。改善は2カ月ぶり。

同時に発表した09年の年間平均は5.1%と、世界的不況の影響で過去3番目に悪い水準となり、

前年比の上昇幅は1.1ポイントと過去最大だった。


◆コメント:一次資料(原本)を確認しましょう。

マスコミは経済指標の数値そのものを間違って発表することはまず有りませんが、

記事だけ読むと、実態は悪いのに「マイナス幅○○ヶ月連続縮小」などとまるで、

「良いこと」が有ったような記事をかくのです。大手メディアが政府の御用機関だと

しばしば世論から批判される、一つの原因です。

困ったことに経済専門紙である日経がしばしば「国のご機嫌取り」のような書き方をします。

12月の失業率5.1%、0.1ポイント改善 求人倍率0.46倍に上昇(注:太文字は引用者による。以下同様)

ウソではない。しかし、文章によって随分受ける印象が違う。時事通信の方がマシです。
12月の失業率5.1%、2カ月ぶり改善=09年平均は悪化幅最大

今は、日本経済の実体はものすごく悪いのですから、失業率が前月に比べて0.1%下がっても、

焼け石に水。これから説明しますが、有効求人倍率も同様です。



とにかくメディアは、全般的傾向として、「お上」に睨まれないように「ウソ」にならない

程度に数字に「装飾的言辞を弄し」ます。役所の発表そのものをこの目で見ましょう。

日本の雇用統計はややこしいのですが、

失業率→総務省発表

有効求人倍率→厚生労働省発表

なんです。

総務省発表と言ったって、総務省のトップページを開いても「完全失業率」は

書いてありません。こういうのが如何にも気が利かない役人仕事です。

左側に小さい字で「統計情報」というリンクがありますが、

そこに飛んでも、まだ、総務省|統計情報が現れ、

「統計局の統計」だろうと見当を付けて開く訳です。すると、やっと統計局ホームページにたどり着く。

私は、毎月見てますから、初めからこの「総務省統計局」をブックマークしていますが、最初は見つけるのが大変でした。


それはともかく、「失業率」という言葉はどこにもありません。

労働力調査(基本集計)(平成21年12月分,平成21年10~12月期平均及び平成21年平均)

を見るのです。それでもまだ「12月の完全失業率」はひと目でわかるようなサイト構成になっていません。

「月次」の下の結果概要(速報)をクリックすると漸く、
労働力調査(基本集計) 平成21年12月分(速報)結果

が出てきます。そこに要約がかいてあります。
結果の要約

○12月の就業者数は6223万人と1年前に比べ108万人減少

・就業者数は23か月連続の減少

・主な産業別就業者数は,1年前に比べ「製造業」,「卸売業,小売業」などが減少

(主な産業別就業者数及び1年間の増減数)

製造業・・・・・・・・・・ 1064万人と,75万人減少

卸売業,小売業・・・・・・・・・・1034万人と,23万人減少

サービス業(他に分類されないもの)・・・・・・・・・・ 468万人と, 14万人減少

うち 職業紹介・労働者派遣業・・・・・・・・・・ 99万人と,14万人減少

建設業・・・・・・・・・・ 526万人と,2万人減少

医療,福祉・・・・・・・・・・ 628万人と,20万人増加

宿泊業,飲食サービス業・・・・・・・・・・ 377万人と,6万人増加

○12月の完全失業者数は317万人と1年前に比べ47万人増加

・完全失業者数は14か月連続の増加

(主な求職理由別完全失業者数及び1年間の増減数)

非自発的な離職による者・・・・・・・・・・136万人と,34万人増加

うち 定年又は雇用契約の満了・・・・・・・・・・ 32万人と,8万人増加

勤め先や事業の都合・・・・・・・・・・104万人と,27万人増加

自発的な離職による者・・・・・・・・・・ 97万人と,1万人減少

学卒未就職者・・・・・・・・・・ 10万人と,1万人増加

新たに収入が必要な者・・・・・・・・・・ 44万人と,11万人増加

○12月の完全失業率(季節調整値)は5.1%と前月に比べ0.1ポイント低下

・完全失業率(季節調整値)は2か月ぶりの低下

・男性は5.3%と,前月に比べ0.1ポイント低下

・女性は5.0%と,前月に比べ0.1ポイント上昇

・15~24歳の完全失業率(原数値)は8.4%と,1年前に比べ2.0ポイント上昇

メディア報道を確認するためには、赤文字の部分を確認しないと分からないのです。

失業率は、前月比0.1%低下というのはウソではないけれど、水色太文字で強調したように、

12月における完全失業者の絶対数は、317万人と1年前に比べ47万人増加しており、

12月の就業者数は6,223万人で前年同月比、マイナス108万人。

就業者数の減少は23ヶ月、つまり約2年間連続なのです。



本当はマスコミはそういうことを強調しないとダメなのです。

長くなるので有効求人倍率は省略します。


◆今日発表されたその他の指標

雇用統計で余りにもスペースを割いてしまったので、箇条書きにします。

今日は消費者物価指数も発表されました。結果は、

12月消費者物価、1.3%下落=09年平均は最大のマイナス。マイナスは10カ月連続(1月29日9時0分配信 時事通信)

デフレそのものです。

日本の景気の目安となる自動車生産ですが、
国内自動車生産 33年ぶり800万台割れ(1月29日23時38分配信 毎日新聞)

ですし、国土交通省がやはり、今日発表した住宅着工件数は、
住宅着工、45年ぶり80万戸割れ=減少率は2番目の大きさ-09年(1月29日17時7分配信 時事通信)

とのこと。2009年の45年前というと1964年。東京オリンピックが開催された年です。

私は「エコノミスト」ではありませんけど、国内外の経済指標をずっと見てきました。

今日発表された経済指標に限らず、先日書きましたが、これほど経済のあらゆる分野で、

何十年ぶりの低さ

という表現が多用されるのは、初めてです。


◆鳩山由紀夫内閣総理大臣が施政方針演説をしました。「友愛」が「命」に替わったそうです。

紛らわしいのですが、ある人物が内閣総理大臣に就任して初めて自分の政治的思想、方針を述べるときと、

その後も毎年9月の臨時国会の冒頭で行う演説は「所信表明演説」と言われます。

今日の演説は、通常国会が召集されたときに内閣総理大臣が、「今年の目標」みたいなことを述べる、

施政方針線説です。報道によれば、

◆記事:鳩山首相、「いのち守る政治」前面に(1月29日15時30分配信 TBS)

「いのちを守りたい。いのちを守りたいと願うのです。平成22年度予算を『いのちを守る予算』と名付け、

これを日本の新しいあり方への第一歩として活発なご議論をいただきたいと願っています」(鳩山首相)

演説は「いのちを守りたい」で始まる異例の構成で、

キーワードとなる「いのち」という言葉が24回盛り込まれています。(以下、省略)

まあ、そうなんだけどね。国民の生命を守るのは国家の義務として、当然ですからね。

今更24回も強調しなくても当たり前のことですね。

今、皮肉に考えたのですが、昨日小沢事務所と首相官邸に、銃弾が送られてきたそうですから、

もしかすると、鳩山さんが言っている「守りたい命」とは、自分の生命のこと?


何かトンチンカンなんだよね。この人。

真面目にかくなら、命を守るというなら12年連続で3万人を超える人間が自らの命を絶っています。

1日100人を遙かに超えた人が自殺しているのです。自殺者は景気がいいときでも出るけど、

今回の長引く不況で自殺者数が増えているのは明らか。先日、日本航空の会社更生法適用決定を受けて、

1万5千人がリストラされるそうです。まずグループ企業(ホテルなど)でしょうね。

きっと、現在40代、50代の人がクビを切られたら、この不況下で新しい仕事など見つかるとは思えません。

多分。JAL関係者や、JALやグループ会社との取引で何とか食っていた中小企業も困り果てているようです。

放っておけば、絶対この中から自殺者が出る、と思います。

鳩山由紀夫内閣総理大臣。「命を守る」といいますが、私が今書いたようなことを考えてなかったでしょう?

全くノーテンキな人だ。

余談ですが、鳩山由紀夫内閣総理大臣の夫人は、高価な装飾品を身につけて公に姿を見せ、

それをハイチの地震の被災者のために寄付すると、言っていました。

国民が未曾有の景気後退に苦しんでいるときに、首相夫人がチャラチャラした格好で姿を

見せたら、ヒンシュクを買うということすら分からないようです。オメデタイ夫婦です。


イヤミはここで止めておきますが、鳩山由紀夫内閣総理大臣は、本当に国民の命を守りたいなら、

日本銀行に任せきりにしないで景気浮揚策しかも、なるべく即効性のある政策を決めて下さい。

以前書きましたが、民主党はあの有能な岩國哲人さんが党首になり、総理になるべきでした。

実力で、メリルリンチの上級副社長にまだ登り詰め、その後、故郷出雲の市長となり、

市長選で掲げた110の公約を市長就任後1年ちょっとで、全て実行したひとです。

あれだけ優秀な人を民主党は重用しなかった。小沢が岩國さんを公認候補にしない、

などというので、つくづく政治の世界の汚さが嫌になったのでしょう。

今更、どうしようもないけど、岩國内閣総理大臣が実現していたら、

世の中はというか、民主党はもう少しマシになっていたと思います。

残念でなりません。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.29

「ローザンヌ国際バレエコンクール」の最中(26日~31日)。ネットで見られます。/熊川哲也・吉田都両氏の名演技。

◆バレエに関しては(も)、ズブの素人なのですが・・・・。

若手バレエダンサーの登竜門、ローザンヌ国際バレエコンクールが、26日(火)から31日の日程で開催されています。

毎年、このコンクールの本選が終わって数日経った2月2日か2月3日頃、日本の新聞が、ベタ記事(ページの隅の小さい記事)で

結果を伝えます。そうすると、私のサイトに「ローザンヌ ○○○○(注:その年日本人が上位入賞した場合、その人の名前)」で

検索した人々がドットアクセスなさいます。

毎年、後手に回るので、今年は先んじて書きます。


◆公式サイト、YouTubeの公式動画サイトなど。

始めに書いておきますが、これは私のネット、もしくはPC周りの環境による物かも知れませんが、

IEやIEコンポーネントを利用したSleipnirというブラウザで見ると非常に重いです。

私の場合、Firefoxを使うと、サクサク見られます。ご参考まで。


さて、ローザンヌですが、毎年、本選の様子は5月頃、ゴールデンウィークの少しあとだと思いますが、

NHK教育テレビで放送しますが、3ヶ月も待っていられない、という方、何だか分かんないけどバレエとやらを

見てみるか、という方。ネットでご覧になれます。

公式サイト(Prix de Lausanne)

参加者一覧(公式サイト内)

Youtube - ローザンヌ国際バレエコンクール (公式動画サイト)

swissinfo:スイスのニュースと情報(スイス情報一般に関する日本語サイトだが、バレエ・コンクールに関する記事も多い)

コンクールそのもののみならず、舞台裏、練習風景、各参加者の紹介など、英語ですが、まあ、大体分かります。直感的に。

余談ながら、swissinfoによれば、今年、ローザンヌ・コンクール史上初めて、男性参加者の数が女性を上回ったとのことです。


◆為ご参考:かつて、私が日記・ブログでローザンヌに関して書いた記事。

これは、私が徒然なるままに書いた文章です。私にはバレエに関する専門的なことは分かりません。

2007年02月05日(月)「バレエ:ローザンヌ国際コンクール 若手の登竜門、河野舞衣さん2位」←こういう事を大きく報じないから世の中暗くなる。ココログ

2008年02月04日(月) 「ローザンヌ国際バレエ:東京出身の17歳高田茜さんが入賞」←ネットで演技を見られますよ。ココログ

2009年02月02日(月) 「埼玉出身の水谷さんが3位=日本人2人入賞-ローザンヌ国際バレエ」←3年連続して取りあげます。ココログ

これらの記事で書きましたけど、私はロンドン駐在だったことがあります。

その時に初めて生のバレエのステージを見ました。英国と言えば天下のロイヤル・バレエ。

私がロンドンにいた頃は、まだ熊川哲也氏も在籍していて、吉田都氏と共にプリンシパル(主役級のダンサー)でした。

初めて見るバレエでしたが、厳しい訓練を通して、完全に自分の肉体の動きをコントロール出来る人々の踊り。

人間の身体の動きの美しさを極めたのがバレエだろうと思います。

自分でも驚くほど、感激しました。


◆熊川哲也氏、吉田都氏の伝説の名演技

何だかんだいって、欧米人ってのは東洋人をバカにしたいんですよ。

抑圧しているけど、絶対に差別意識があるのです。しかし、その彼らでさえ、文句の付けようがない。

それが1989年、第17回ローザンヌ・コンクールで日本人として初めて金賞を受賞した熊川氏の伝説的名演技です。




Prix de Lausanne 1989 - 熊川哲也







コメンテーターが「非の打ち所がない」と言っています。「完璧」ということです。

そして、コメンテーターの言葉にあるとおり、ローザンヌ・コンクールは予選から公開されていますが、予選では観客は、

拍手をしてはいけないことになっている。このコンクールの観客は常連で、そんなことは百も承知なのに、拍手せずにはいられなかった、

という事実が、熊川氏の才能の素晴らしさと、訓練の厳しさを物語っています。



続いて吉田都さんのローザンヌを探したのですが、1983年のことなので、残念ながらネットでローザンヌ・コンクールの吉田さんは

見つかりません。しかし、敢えて舞台ではなく、これ「スーパー・バレエ・レッスン」という番組で流れた映像でしょうか。

ジゼルという有名な作品から、1分半ほどなのですが、25年にわたり、天下のロイヤルバレエのプリンシパルを務めた方の踊りをご覧下さい。

あいにく埋め込み不可なので、リンクを貼ります。

Giselle ACT1 3/3 - Miyako Yoshida



これ、舞台じゃなくてスタジオですね。衣装を身につけていませんから、吉田さんの踊りそのものの美しさ。身体の隅々まで

完璧にコントロールし、指一本にも表現を込める神経の細やかさ。

これはね。本物を舞台で拝見すると本当に感激します。


この他、吉田さんがレッスンしている映像がYouTubeに無数にあります。決して怒鳴ったりしないけど、厳しいですよ。

しかし、大変に興味深い。

吉田都さんの公式サイトによると、今年ロイヤルバレエが日本公演をします。6月にプロコフィエフの「ロミオをジュリエット」を

吉田さんは踊りますが、これで、遂にロイヤルバレエをお辞めになるそうです。25年これだけの身体の動きを保つために如何なる訓練を

続けたか、ド素人でも想像に難くありません。安永徹さんがベルリン・フィルのコンサートマスターを25年務められたのと同様の偉業です。

ただ、ひたすら尊敬します。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.01.28

【国会】鳩山内閣は集団的自衛権の行使を容認しない、と1月26日参議院予算委員会で首相が明言した記録。

◆【会議録】1月26日、参議院予算委員会における、舛添要一と鳩山首相、岡田外相の質疑応答

参議院インターネット審議中継1月26日参議院予算委員会、1時間10分15秒付近から)

舛添要一君:じゃ、別の角度から質問しますけど、わが日本国には集団的自衛権はありますか、ありませんか。

委員長:内閣総理大臣、鳩山由紀夫君。

鳩山由紀夫君:集団的自衛権、正に個別的であれ集団的であれ、自衛権というものを所有する、というのは憲法でも認められ・・・自然権として認められている、そのように解釈します。

委員長:舛添要一君。

舛添要一君:私も全く同感であります。しかしながら、先ほど来、議論になりました内閣法制局の見解は、「集団的自衛権は保有しているけど行使できない、というものであります。総理はこの考えはどう思われますか。

委員長:外務大臣、岡田克也君。

岡田克也君:従来の政府の考え方、 舛添委員も与党としてその考え方のもとでやっておられたと思いますけれども、日本国憲法は集団的自衛権、ま、それは自然権として自衛権、持っておりますけど、しかしその行使は認めていないと、こういうことであります。

委員長:舛添要一君。

舛添要一君:総理に同じ質問を致します。

委員長:内閣総理大臣、鳩山由紀夫君。

鳩山由紀夫君:岡田外務大臣が申したとおりでございます。私ども、個別的であれ集団的であれ、その固有の自衛権としての権利として持っておりますが、 憲法の中で 武力行使を禁止するという思いの中で、集団的自衛権の行使というものに関しては、禁ずる、ということになっております。

委員長:舛添要一君。

舛添要一君:要するに「禁ずる」という立場を鳩山内閣においても堅持する、ということでよろしいですか。

委員長:内閣総理大臣、鳩山由紀夫君。

鳩山由紀夫君:そのとおりであります。

文字に起こした部分の音声。




◆コメント:読みましたね?聞きましたね?鳩山内閣は集団的自衛権の行使は違憲であると公式に発言したのです。

私の日記で過去何度取りあげたか、分からないが、

憲法第9条は、集団的自衛権の行使を禁止している。

というのが、従来の日本政府の公式見解であり、これは実際は内閣法制局が答弁するのだが、

鳩山内閣は、例によってバカの一つ覚えのように「政治主導」を持ち出し、内閣法制局長の答弁も禁ずる、

というので、参議院予算委員会で、舛添委員が

「内閣法制局の答弁を禁ずるなら、首相自ら集団的自衛権をどう考えているのか説明してくれ」

と詰め寄っている場面である。国会の会議録(これは参議院予算委員会)には一言一句もらさず記録され、

やがてWeb(参議院ホームページ)に掲載されるだろうが、時間がかかるので、私が先に最も重要な部分を

文字に起こしたのである。

本当は、議論を評価する場合は全体を聞かないと分からない。文脈の中で聞くべきであるが、予算委員会全体を

文字に起こすほどのエネルギーも時間も私には無いので、最も重要な部分を文字に起こし、そのエビデンス(証拠)である

音声ファイルを添付する。


◆個別的自衛権と集団的自衛権

大事なことなので何十回でも何百回でも繰り返し説明する。

個別的自衛権とは、自分の国が他国の武力攻撃を受け、又は侵略行為に遭遇した場合、自国民の生命や財産を守るために、武力を行使する権利である。

これは、どの国も当然保有する、自然権と考えて良い。日本も同様である。日本国憲法に「個別的自衛権」という文言はどこにもないが、

憲法前文に

われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

と記されている。

「全世界の国民」には、当然日本国民が含まれている。そして、その平和的生存権を保障するという趣旨なのであるから、

憲法9条が武力行使を禁じているからといって、他国の攻撃・侵略が有った場合に、黙って何もしないで、殺されなさいというのが、

憲法の意図するところでは無いことは余りにも明らかである。


一方、集団的自衛権とは、
「自国が、他国から攻撃を受け、又は侵略行為を受けていなくとも、自国と密接な関係にある国が武力攻撃を受けた際、これを自国への攻撃と同等と見なし、反撃する権利」

である。


◆国連憲章は武力の行使を原則として禁じている。

参議院予算委員会での質疑応答を読むと、鳩山首相、岡田外相、舛添委員全員が、集団的自衛権は、国家ならば当然保有する固有の権利だ、

と考えているようだが、それは間違っている。

彼らに法的根拠を尋ねると、国連憲章を持ち出すに違い無い。

国連憲章は国際法であり、国内法と混同してはいけないが、実は日本国憲法と大変よく似ているということもできる。

国連憲章第1章「目的及び原則」を見る。

第1条〔目的〕国際連合の目的は、次の通りである。

1 国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整又は解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。(第1条 以下略)

第2条〔原則〕この機構及びその加盟国は、第1条に掲げる目的を達成するに当っては、次の原則に従って行動しなければならない。

(前略)

4 すべての加盟国は、その国際関係において、武力よる威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。

即ち国連憲章は、加盟国に対して「武力による威嚇又は武力の行使はまかりならぬ」と言っているのだ。

日本国憲法第9条第1項そっくりではないか。

繰り返すが国連憲章において、原則的に、武力による威嚇又は武力の行使は「違法行為」なのである。


しかし例外がある。例外的な事態を規定しているのが、
第7章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動

である。政治家が皆集団的自衛権は国家が当然保有する自然権だ、と主張する一つの根拠は、

国連憲章第51条である。
第51条〔自衛権〕

この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。

加盟国は、他国の攻撃を受けたり、侵略をされた場合には、国連平和維持軍か、多国籍軍が助けに行くまで、

個別的自衛権・集団的自衛権を行使し、自国や同盟国を守って良い、という意味である。

これを読んで、「集団的自衛権は国家が当然保有する自然権だ」というわけだが、それは違う。


◆「集団的自衛権」は自然権ではなく、国連憲章を定めるときにアメリカが後から押し込んだ概念である。

51条の「集団的自衛権」はアメリカの都合により、後から追加されたのだ。

国連憲章の原案は、1944年に作られた「ダンバートン・オークス提案」である。

ダンバートン・オークスとは、ワシントン郊外の地名である。

ダンバートン・オークス提案では、集団的自衛権に関する今のような規定は無かったのである。

ダンバートン・オークス提案原案では、同盟国が攻撃・侵略されたときに、

自国への攻撃と見なして武力行使をするためには、全て国連安全保障理事会の許可が必要とされていたのだ。



米国とラテンアメリカ諸国がダンバートン・オークス原案に反対した。

これらの国々は、1943年、チャプルテペック規約という条約を締結し、米州諸国間での集団的自衛権行使を可能にしていた。

ダンバートン・オークス提案のまま、国連憲章が成立したら、米国とラテン・アメリカ諸国は、集団的自衛権を行使するために、

国連決議が必要になる。それは、嫌だ。面倒臭い、というので、

最終的に国連憲章を採択した、1945年のサンフランシスコ会議において、

普遍的に集団的自衛権の行使を認める51条を挿入させたのである。ゴリ押しだ。


この歴史的経緯を知れば、お分かり頂けると思うが、本来、集団的自衛権は自然権ではなく、

一部の国々にとって都合がいいように、普遍化された権利である。

だから、鳩山首相たちの、

私ども、個別的であれ集団的であれ、その固有の自衛権としての権利として持っておりますが、

という認識は、誤っている。

日本は個別的自衛権しか認めていないのに、イラク戦争を勝手に始めたアメリカから、

プロレスラーのような、当時のアーミテージ国務副長官が来日し、誠に勝手な言いぐさだが、

"Show the flag."(旗幟を鮮明にしろ=どちらの味方かはっきりしろ)とか、

"Boots on the ground."(戦場に兵隊(自衛官)を送れ)

といったら、たちまち真っ青になって震え上がり、イラク特措法を当時の小泉率いる与党・自民党が

強行採決し、イラクに自衛官を派遣した国である。

この上、集団的自衛権の行使を認めたら、どこまで、あの人殺しが大好きなアメリカに

付き合わされるか、分かったものではない。

日本に、集団的自衛権の行使を認めてはならない。

2010年、少なくとも鳩山内閣は、従来どおり
「集団的自衛権の行使は違憲である」

と、公式に認めた。この言葉は守らせなければならない。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.27

企業サービス価格、過去最大の下落、日銀金融政策決定会合

◆記事1:企業サービス価格、過去最大の下落=高速料金値下げなどで-09年(1月26日13時0分配信 時事通信)

日銀が26日発表した2009年の企業向けサービス価格指数(05年平均=100、速報値)は、

前年比2.5%下落の98.4となり、01年の2.3%減を更新して過去最大の落ち込みとなった。

世界的な景気悪化による輸送需要の減退に加え、

政府の経済対策の一環として実施された高速道路料金の引き下げが影響した。

ただ、このところの景気の回復基調で、月別の下落幅は縮小しており、

日銀は「価格の低迷は続いているが、値下げが加速する傾向にはなさそうだ」(調査統計局)としている。


◆コメント:そうでしょうね。

2日前に説明しました。

今週は日本銀行金融政策決定会合の他、重要指標が多いです。ココログ

物価が持続的に下落を続けることを「デフレーション」といいますが、

市場経済・自由経済の我が国で売り買いされているのは、形に見える「モノ」ばかりではない。

第三次産業で提供されるサービス(小売業・サービス業の「商品」)にも値段がついてます。

電気・ガス・水道、情報通信業(ケータイ使用料など)、運輸業(電車・バス・タクシー、航空産業)

これらの値段の総体です。2009年通期の下落率は過去最大。モノと併せて考え、日本はデフレが進行している。


◆記事2:政策金利据え置き、10年度成長率+1.3%に上方修正=日銀(1月26日13時16分配信 ロイター)

日銀は26日、25・26日開催の金融政策決定会合で

政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.1%前後に据え置くことを全員一致で決定した。

また、昨年10月末に公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)の中間評価を発表、

2010年度実質国内総生産(GDP)と消費者物価の見通しをやや上方修正した。

その上で「日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することが極めて重要な課題だ」

として「極めて緩和的な金融環境を維持していく」との方針を繰り返した。

2010年度のGDPについて、政策委員の大勢見通しを前年度比プラス1.3%と

同プラス1.2%から上方修正、11年度は同プラス2.1%に据え置いた。


◆コメント:日銀が出来ることには限界があるのです。

一昨日説明したとおり、日銀はこれ以上政策金利を下げることは出来ません。

日銀に残された道は、完全に金利をゼロにして、量的緩和策を復活させることぐらい。

しかし、日銀の金融政策は流動性資金を潤沢に供給し、つまりマネーサプライを通じて、

何とかデフレをとめられないか、と言うことになりますが、市場ではおカネが余り気味なのです。

◆記事:日銀の共通担保オペ、応札2倍割れ続く-年度末越え物は需要根強い(ブルームバーグ)(2010/01/26 17:07)

日本銀行の共通担保資金供給オペ(金利入札方式)で応札倍率の2倍割れがこのところ続いている。

当座預金15兆円台の緩和的な金融調節の浸透で、年度内の資金需要が弱まっているためだ。

一方、期日が年度末を越える期間の長いオペは、新型オペ導入に伴う実施縮小を受けて根強い需要が集まっている。

26日午後に実施された本店共通担保オペは、2週間物(期日2月9日)6000億円の応札額が8734億円、

2カ月物(期日3月23日)8000億円の応札額は1兆4841億円で、

それぞれの応札倍率は1.45倍と1.85倍。最低・平均落札金利は下限0.10%だった。

下限金利での資金供給が続く中、今月後半から応札額の減少が目立ち、

年度内物の共通担保オペは21日以降、応札倍率が軒並み2倍を下回っている。

期間の短いオペについては、証券会社の資金需要の減退が指摘されている。

レポ(現金担保付債券貸借)市場では、足元の資金調達コストが実質的な下限0.10-0.105%付近で低位安定している。

余剰資金を抱えた銀行の運用意欲が強く、当面の資金を早めに確保する需要が減退している。

ちょっと専門的ですが、余剰資金を抱えた銀行、という記述からも、市場ではむしろ

資金が余り気味なんです。しかし、物価の下落は止まらない。

日銀だけに、デフレ対策を期待しても、原理的に限界がある。

政府が総需要を作り出すべきです。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.26

【音楽】スウィトナー=シュターツカペレ・ドレスデン/モーツァルト交響曲第39番、40番より。

◆1月27日はモーツァルト(1756-1791)の誕生日なのです。

毎年、12月5日に、モーツァルトの命日なんです、と題して特集を組みます。

本当は1年に1度ぐらいにしておいた方が良いかと思いますが、今日は時事問題を書こうと思えば

書けますけれど、どうも疲れて自然にモーツァルトの方に気持が傾きました。

明日は、日本銀行の金融政策決定会合などありますので、本日は音楽を。


◆1756年生まれ、ということは、生誕254年ですね。

当たり前なんですが、改めて計算してみたらそうなりました。

全然、意味のない、数の遊びですが、日数にすると生誕92,772日です。

不思議ですねえ。

254年前に西洋の片田舎、ザルツブルクに生まれた人が書いた音楽に、これだけの時を経て、

しかも全然違う文化圏に生まれ育った日本人の私たちが、しかも何度聴いても

惹かれるのです。いったい、どこまで底知れぬ天才なのでしょう。


以前にも引用したことがありますが、故・岩城宏之さんが、著書「岩城音楽教室」で、次にように書いています。

演奏旅行で毎日同じプログラムが続くと、オーケストラもぼくも正直いって飽き飽きしてしまいます。

そういうときいわばお遊びをやると、お互いのリフレッシュに役立つことがあります。

つまり、その日によって解釈をちょっと変えてやってみるとか、テンポを少し速くするとか、

ほんの少しのイタズラ心ともいうべき動作で、みんながフレッシュになって、演奏会を再び新鮮に、素敵にする。

作曲家には悪いのですが、チャイコフスキー、ドヴォルザークの作品には、こういうことがむしろ有効なようです。

しかし、どうしても、ベートーベンの曲だけは、それができません。

ちょっとした冗談でも許されないようなきびしい曲ばかりです。

ベートーベンの演奏には、寸毫(すんごう)の邪念もさしはさめるような余地がないのです。(中略)。

モーツァルトに対しては、恐れは抱きませんが、別の意味で、地上でもっとも美しい曲を作り出した天才、

全人類史上、唯一の神様として敬愛していて、やはり意識的な別の解釈をする気はおこりません。


こういう感じ方をさせる作曲家は、ぼくにはこの二人しかいません。

お分かりのように、ベートーヴェンについて書いているのですが、モーツァルトに対して
「地上でもっとも美しい曲を作り出した天才、全人類史上、唯一の神様として敬愛していて、やはり意識的な別の解釈をする気はおこりません。」

ここまで、本職の音楽家が言いきる作曲家というのは、あまりいないですね。

指揮者だけではありません。私はオーケストラのプレイヤーの方の日記を複数愛読していますが、

N響で30年以上も弾き続けて、定年で既に形式上は退団なさいましたが、今なおエキストラとして

弾いている、或るヴァイオリン奏者は何回モーツァルトを弾いたか分からないほどでしょうに、
「モーツァルトは『弾く音楽』ではなく、『聴く音楽』だと思います」

と、ある時日記に書いておられました。勿論「弾く人」がいなければ「聴くこと」はできない。

そんなのは、当然のこととして、弾いているとあまりにも神経を使うので、とても「楽しむ」ことが

出来ない、という意味ではないか、と推察します。

もうお一方、やはりN響のヴァイオリン奏者で、この方は私と同年配でもう、プレイヤーとしてベテランですが、
「オール・モーツァルト・プログラムのコンサートは、ものすごく神経をすり減らすので、とにかく疲れます」

私のようなド素人がモーツァルト聴いている分には、美しさの極致、至福の時ですが、

その美しさを創り出すための音楽家の皆さんのご苦労は、こちらには到底想像もつかないことのようです。


◆先日、亡くなった、オトマール・スウィトナー氏=シュターツカペレ・ドレスデンの名演です。

10日ほど前に、オトマール・スウィトナー氏の追悼特集を2日連続して組んだばかりですが、

ここでもやはり、ご登場願いたいのです。

モーツァルトの作品には駄作がないと言われます、異論をお持ちの方もおられましょうが、

ここはひとまず、抑えて下さい(笑)。

管弦楽の作品の代表格は、勿論全41曲に及ぶ交響曲です。

特に、最後の3曲、交響曲第39番、40番、41番はいずれ劣らぬ名作です。

それを、オトマール・スウィトナー=シュターツカペレ・ドレスデンが録れた名盤があります。

この3曲の録音は古今東西、いったい何種類有るかわかりませんが、この演奏は非常に優れたレベル

殆ど最高の名演に近いと私は思います。

CDはAmazonだと取り寄せになるようですが、

3月末まで、Amazonは商品の価格が1,500円未満でも送料が無料です。

HMVも取り寄せですが、Amazonより早そうです。

ただ商品の値段がAmazonより高い上に送料が発生します。無理にお求めになる必要が無いことは、

改めて申し上げるまでもありませんが、ご参考までに書きました。


◆交響曲39番の第3楽章と、交響曲40番の第1楽章をお聴き頂きます。

私の心情としては、CD一枚、丸ごとここに載せたいぐらいなのですが、

さすがにそれは出来ません。また、41番はかつてご紹介したことがありますので、

断腸の思いですが、2つのトラックに絞らせて頂きます。


まず、39番の第三楽章です。

しばしば専門家が、

「モーツァルトの音楽に無駄な音は無い。これ以上簡素化出来ない。最小限の音で最大限の美しさを生み出している。」

という意味のことを言います。

私は音楽、特に作曲とか楽曲分析などというものを勉強したことがないので、文字通り受け売り以外の何物でもありませんが、

このクラリネットを聞く度に、「よくぞこれほど単純で、かつ美しい音楽があるものだ」と素人ながらに、思います。それは、本当です。


もう一つだけ。冒頭ヴァイオリンが主旋律を弾くのを管が規則正しく三拍子を刻んで伴奏していますが、その中にトランペットが含まれています。

ちょっと聴いただけでは、分かりません。それで良いのです。ここで金管のトランペットが目立ったらおかしい。

ラッパ吹きはこのように、木管楽器のウラに隠れながらリズムを補強する、ということも出来なければいけません。

もちろん、譜面は簡単ですが、それはそれで「合奏上の技術」です。


モーツァルト:交響曲第39番 変ホ長調 K.543 より 第三楽章 メヌネット






生のコンサートで何度も聴きましたが、この楽章になると、会場のお客さんの顔が、柔和になることに、

あるとき気が付きました。誰が聴いても、優しい気持ちになるのでしょう。


もうひとつ。かの有名な40番の第一楽章です。

多分、今までこの日記・ブログに載せたことが無いと思います。

いきなり、一見、センチメンタルなメロディーで曲が始まりますが、意図的にそれを強調してはダメで

(女々しくてはいかん、ということです)、むしろ毅然と演奏すると美しさが引き立ちます。

なお、最初に音を出すのは、ヴァイオリンではありません。

「刻み」を弾くヴィオラです。そして、各小節の一拍目でチェロ・コントラバスが低音を支えています。

大変に神経を使うと思います。


モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 K.550 より 第一楽章







何となく(あくまでも「何となく」ですが)、岩城さんの言葉が分かるような気がします。

勿論、合奏の細部には、素人の聴き手には分からない、大切なことが沢山あるのでしょうが、

あくまでも、淡々と演奏しているように聞こえる。あれこれ変わったことをしてやろう、と思ったら、

モーツァルトはその瞬間、台無しになるのでしょう。難しいものです。

それでは、失礼します。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.25

今週は日本銀行金融政策決定会合の他、重要指標が多いです。

◆日本銀行、金融政策決定会合(26日(月)~27日(火))

日本の中央銀行である日本銀行は毎月、金融政策決定会合を開きます。

今の金融政策は具体的には、

無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.1%前後で推移するよう促す。

で、前回は12月18日の会合で決められました。

昨年1年間の金融政策決定会合の決定事項は、金融政策に関する決定事項等 2009年

を見ればわかりますが、ずっとこのまま、現状維持です。

最後に変更されたのは2008年12月19日でした。

2008年12月19日 金融政策の変更について(14時05分公表)金融調節手段に係る追加措置について (PDF, 188KB)

で、金融政策決定会合の報道発表冒頭に、
無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を0.2%引き下げ、0.1%前後で推移するよう促す(公表後直ちに実施)

とあります。2008年9月15日にリーマン・ブラザーズが破綻して、世界同時に金融恐慌が起きるおそれがあったので、

市場に潤沢に資金を供給する、という日本銀行の意思を0.2パーセントの利下げで表現した、と言って良いでしょう。

リーマン・ショック後、日本銀行は企業からコマーシャル・ペーパー(CP)という一種の割引手形を買い取る、つまり、

中央銀行が、民間企業に融資をする、というような非常手段を発表しました。ものすごく例外的なことで、

リーマン・ブラザーズの破綻という事態の深刻さを物語っています。


しかし、今はこれ以上どうしようもない。

「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.1%前後で推移するよう促す。」を簡単に0.0%にするわけにはいきません。

ゼロにしてしまったら、それでお仕舞い。それ以上下げようがないからです。

民主党政権は様々な面で無策ですが、景気は衆院選前から劇的に悪化していたのに、

政権をとったら、どのようにマクロ経済(国全体の経済)を運営するか考えていなかったようで、

病気を理由に辞めた藤井財務相は、もっぱら「景気対策は金融当局(日銀)」の仕事といっていました。

私は何度も繰り返し述べていますが、いくら日銀が金融緩和策を継続し、市場に資金が潤沢に回るようにしても、

民間で総需要が増えないのですから、国がおカネを使って、商売を増やさないとダメです。

それが嫌なら、所得減税をする。GDPの6割を占める個人消費が増えないのは、おカネを使わないからです。

減税をして可処分所得が増えれば、個人消費は増えます。無論、財政は悪化しますが、このままでは、

デフレスパイラルが続き、もう一度「失われた十年」を経験することになりかねない。

話がそれました。それを決めるのは政府です。日本銀行に全てを任せるのは無理だ、といいたいのです。


◆経済指標の主だったもの。

まずは、1月26日(火)8時50分、企業向けサービス価格指数(日本銀行)です。

かつて卸売り物価指数と呼んでいた統計を、現在、日銀は「企業間物価指数」として毎月発表していますが、

これは厳密に言って、「物価」ですからモノの値段の総体です。

形にならないサービス業の商品の価格を表すのが「企業向けサービス価格指数」。

比較的見やすいのは、日経のサイトにある物 価(1)です。

表の右半分に「企業向けサービス価格指数」が載っているでしょう。2008年10月からずっと前年同月比マイナスです。

今回もプラスになっている可能性は殆どゼロですが、マイナス幅が極端に大きくなっていないかどうか。大きくなってれば、

デフレが加速している一つの兆候かもしれません。



細かい話をするとキリがないので、思い切って割愛し、29日(金)にとびます。

この日は、一度に重要な数字が発表されます。

○8:30 完全失業率(12月、総務省発表)

○8:30 有効求人倍率(12月、厚生労働省発表)

○8:30 家計調査(12月、総務省発表)

○8:30 消費者物価指数(全国12月と東京都区部1月中旬、総務省発表)

○8:50 鉱工業生産(12月、経済産業省発表)


完全失業率と有効求人倍率の推移は、これも日経の「労働」

家計調査は、何が大事かというと、個人消費と所得がわかるのです。役所の発表する統計で、

なれないと見づらいのですが、総務省 統計局ホームページ/家計調査から、

消費に関しては、平成22年1月15日  家計消費指数・二人以上の世帯(平成21年11月分)

所得に関しては、平成21年12月25日 家計収支編・二人以上の世帯(平成21年11月分)

が、現時点での最新情報で、これが今週の金曜日、29日には、「平成21年12月分」に更新されます。


そして、消費者物価指数。これがずっと続いている状態をデフレというわけです。これは、

元データは、総務省統計局の消費者物価指数(CPI)結果 にあるのですが、

ちょっと見づらいですかねー。日経の物 価(2)にしましょうか。

消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)全国の前年同月比が左から3列目にパーセントで載っています。

昨年3月から11月まで、連続して前年比マイナスです。今月のマイナス幅が多少改善していても、

或いは奇跡的にプラスになっていたとしても、安心できません。連続してプラスにならなければ、デフレから

脱却した、とは言えません。気が滅入る数字ですが、

雇用と景気を何とかする、と鳩山政権はいっているのですから、

こういう数字は(私だって面倒くさいんですが)、ウオッチしないといけません。

政治とか・経済とか考えるのは面倒臭い。私は時事問題の日記を書いていますが、

決して楽しい訳ではありません。こういう問題は、面倒でも見て、書いて初めて実感出来るので、

書いているのです。何も見なければ楽ですが、それはかつて書きましたが、

「無思考」を「プラス思考」と称する欺瞞ココログ)ではないでしょうか。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.24

「今週発表された経済指標・出来事」/「小沢会見」

◆今週の経済:日本航空の会社更生法適用。

今週の経済ニュースで最も世間を騒がせたのは、19日に日本航空が、

会社更生法の適用を申請したことでしょうが、これは取りあげていないメディアはないので、

今更私が書く必要は無いと思います。


JALの会社更生法適用が決まったときに、普段経済のことなどブログに書かない人まで、

随分色々、好き勝手なことを書いていましたが、潰れた後で、

「親方日の丸経営が原因だ」

と書くのは、誰でも出来るので、メディアに乗じて、かつての人気企業、

そして、航空会社の持つ(本当は飛行機に乗るのは全社員の一部なのですが)華やかなイメージ、

パイロットにスチュワーデスじゃなくて、今はCA(キャビンアテンダント)ですか、

の会社が破綻した、というのは、世論の「嫉妬心」を充足させるのに格好の材料だった、

ということが最大の理由だと思います。


日航グループで1万5千人をリストラするそうですが、パイロットのような専門職を減らしたら

航空機の運航に支障を来すので、最初にリストラされるのは、関連施設(日航が国内外に所有するホテルなど)

の従業員がクビになるのでしょう。中には随分ベテランの方はっきりいって、トシの方も多い。

今からクビになったら、この不況下で新しい仕事は見つからないでしょう。きっと自殺する人が出るでしょう。

それを思うとやはり、どんな会社でも、潰れると惨めなのは従業員なのであって、気の毒です。

また、日航に融資していた銀行は債権放棄をある程度余儀なくされ、業績に支障が出ます。

関連中小企業も仕事が無くなるというので、本当に頭を抱えている人が大勢いるわけです。

だから、間違っても「ざまあみろ」という類のことは書くべきではない。経営責任は問われるべきですが

やはり大多数の従業員は気の毒です。


◆今週発表された経済指標:景気の改善を示すものは、皆無に近いです。

新聞では、四半期に一度発表されるGDP(国内総生産)のときぐらいしか、

一面で経済指標が取りあげられることは有りませんが、殆ど毎日のように,

経済の現状を物語る「経済指標」が発表されます。今週の主だったものを並べてみます。

●17年ぶり4万戸割れ=首都圏マンション発売-09年(1月19日17時5分配信 時事通信)

不動産経済研究所が19日発表した2009年の首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)のマンション発売戸数は

前年比16.8%減の3万6376戸だった。

05年から5年連続減少し、1992年(2万6248戸)以来17年ぶりに4万戸を割り込んだ。

経済情勢悪化で市況が低迷し、不動産会社が在庫調整を優先したのが主因。

10年の予想は4万3000戸と持ち直すが、ピークの00年(9万5635戸)の半分以下。

同研究所は「数年は5万戸前後で推移する」とみている。


マンションなんか、売れないですよね。それは分かっているのですが、昨年1年の首都圏販売戸数が、

17年ぶりの低水準、とあります。最近、住宅に限らず「何十年ぶりの低水準」という統計が多いのです。

以下の諸指標をご覧になると、分かります。
●12月消費者態度指数 2カ月連続で低下(1月20日8時15分配信 フジサンケイ ビジネスアイ)

内閣府が19日発表した2009年12月の消費動向調査によると、

今後半年の暮らし向きなどについて消費者の見方を示す消費者態度指数

(一般世帯、原数値)は前月比1.9ポイント低下の37.6となり、2カ月連続で前月を下回った。

これを受け、内閣府は消費者心理の基調判断を「弱い動きがみられる」とし、

前月の「弱含みとなっている」から3カ月連続で下方修正した。

こういうのは、本当は元の資料を確かめるものなのです。

これは、内閣府ホームページに載っています。消費動向調査

平成21年12月実施調査結果で、報告書(グラフを含む本文全体) (118KB)を開くと、最初に
平成21年12月の一般世帯の消費者態度指数は、前月差1.9ポイント低下し37.6であった。

とある。フジサンケイ・ビジネスアイの記事の通りです。一応検証するのが大事です。

内容を見るのは面倒ですが、要するに一般市民は今後半年、暮らし向きは悪化するだろうと考えている人の方が、

良くなると考えている人よりもずっと悪いことを示している。ということは、財布の紐は固くなるでしょう。

おカネを使わないんですからものが売れない→物価が下がる→企業収益が悪化する→従業員の収入は減る、

という「デフレスパイラル」が続くことを予感させます。

政府の経済見通しはわざと楽観的にすることが多いですが、政府の景気に対する認識を示す、

「月例経済報告」も芳しくありません。
●日本経済「持ち直してきているが、自律性に乏しい」 1月の月例経済報告、基調判断据え置き(1月20日16時39分配信 産経新聞)

菅直人経済財政担当相は20日、1月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出。

景気の基調判断を「持ち直してきているが、自律性に乏しい」とし6カ月連続で据え置いた。

景気を下押しするリスクから、前月まで明記していた「金融資本市場の変動の影響」を削除。

円高一服や株価上昇を踏まえ、市場が安定に向かっているとの認識を示した。

これは、内閣府の、月例経済報告関係資料で、平成22年1月を見るのです。

最初に、産経新聞が記事に書いている通り、
景気は持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。

これも、何だかよく分からない言い方です。景気は持ちなおしているが、自律性に乏しいと。

ということは、他律的だということですか。他から刺激しないと良くならないということですか。

そういう状況を「景気は持ち直してきている」と言えるのでしょうか?

21日(木)には日本銀行主要銀行貸出動向アンケート調査(1月)を発表しました。

新聞はこのように伝えています。
●企業の資金需要が5年半ぶりの弱さ=日銀調査 (1月21日10時57分配信 ロイター)

日銀が21日発表した1月の主要銀行貸出動向アンケート調査によると、

資金需要の強さを示す資金需要判断DIは、企業向けがマイナス17(前回調査はマイナス14)とマイナス幅が拡大した。

2004年7月調査(マイナス18)以来、5年半ぶりの弱い水準。

資金需要減少の理由については、大企業向け、中小企業向けともに「設備投資の減少」がもっとも多かった。

日銀が12日発表した12月銀行・信金計の貸出平残は前年比1.0%減と2006年1月以来47カ月ぶりにマイナスに転じたが、

設備投資の減少が資金需要の弱さや貸出の減少につながっている状況があらためて浮き彫りになった。

企業が設備投資の為の資金を必要としていない、ということです。

それは、例えばメーカー(製造業)ならば、新しく工場や設備を建てても、消費者の購買意欲がないのだから、

売れるはずが無い。下手に設備投資の為に銀行からおカネを借りても売上げが減る一方で儲けも減っているのだから、

返せないかも知れない。滅多なことじゃ設備投資資金など借りることは出来ない、ということです。


個人消費の弱さを端的に示しているのが、コンビニ・スーパー・デパート売上高です。
●昨年のコンビニ売上高、2年ぶり減=「タスポ効果」の反動で(1月20日19時0分配信 時事通信)

日本フランチャイズチェーン協会が20日発表した2009年の主要コンビニエンスストアの既存店売上高は、

前年比0.2%減の7兆3047億円と、2年ぶりにマイナスとなった。

消費不況に加え、たばこ目当ての来店客が増えた「タスポ効果」が前半で一巡し、反動減となったのが主因。

新店を含む全店ベースでは0.6%増の7兆9043億円とプラスを確保した。

コンビニでは、たばこ自動販売機に成人識別カード「タスポ」が08年3~7月に導入されたのを機に、

たばこの売り上げが急増。同時に他の商品を購入する「ついで買い」も起こり、

既存店売上高は08年に9年ぶりに前年を上回った。

09年も5月までは好調を維持したものの、6月に既存店売上高がマイナスに転落。

消費者の節約志向の強まりも追い打ちとなり、7月には前年同月比7.5%減と

過去最大の落ち込みを記録するなど、コンビニを取り巻く環境は急速に厳しさを増している。

小売業で唯一儲かっていたコンビニですが、昨年は前年比マイナスです。

記事はもっぱらタスポ(自動販売機でたばこを買うときに必要なカード。作るのが面倒なので、

自販機で買う人が減り、コンビニで買う人が増えたのが一昨年。昨年はその分普通に戻ったので、

前年比マイナスになった、というのですが、タスポなんて今でも作っていない人は大勢いる。

状況は一昨年も昨年も変わらないと思います。つまり、コンビニで余計なものまでつい、買ってしまう、

という行動を消費者が控えた結果と思われます。


デパート・スーパーも苦戦しています。
●百貨店、過去最大の落ち込み=スーパーは21年ぶり13兆円割れ―昨年売上高 (1月22日20時1分配信 時事通信)

日本百貨店協会が22日発表した2009年の全国百貨店売上高は6兆5842億円となり、既存店ベースでは前年比10.1%減少した。

08年秋のリーマン・ショック以降、消費者の節約志向が一段と強まり、下落率は過去最大を記録。

ピークの1991年に9兆7130億円だった百貨店売上高は、バブル経済以前の84年(6兆5865億円)の水準まで落ち込んだ。

また、日本チェーンストア協会が同日発表した09年のスーパー売上高は12兆8349億円と

21年ぶりに13兆円を割り込んだ。既存店ベースでは4.3%減で、前年実績を下回るのは百貨店、スーパーともに13年連続。

デパートは、ずっと低迷してますが、昨年一年の売上高は前年比約1割落ちこんで、この下落率は過去最大だと言うし、

スーパーの昨年1年間の売上げは、前年比マイナス4.3パーセント。スーパーの売上げが3兆円を下回るのが21年ぶり、

とここでも「何十年ぶり」が出ます。


このように、日本国内の経済指標は、どれを取っても不況が全然改善していないことを示しています。


◆オバマ米大統領が発表した新たな金融規制案

そして、これはかなり専門的になるので、簡単に書きますが、

21日(日本時間22日(金)未明)、米国のオバマ大統領が金融業界にたいして、新しい規制を

設定する、と発表しました。具体的な規制の中で一番キツいのは、

銀行の自己勘定取引を禁止。

という項目でして、銀行が自分の儲けをプールしたおカネでディーリングをしてはいかん、というもの。

これで儲けている銀行が多いですから、相当思い切った規制です。

恐らくオバマ大統領は、サブプライムローンへの投資などを自由に銀行にやらせていたのが、

金融危機の発端になったのだから、これを止めるべきだ、と言うのでしょう。

気持は分かるのですが、これを本当に実行すると、アメリカの金融機関は、リスクも大きい代わりに、

上手くやれば大儲けできた、業務を止められるわけです。すると、米国の金融機関は収益が悪化し、

また、潰れるのではないかと思惑が生じかねません。リーマン・ショックは巨大な証券会社一社が潰れた、

というだけで、世界経済が恐慌寸前にまで陥りうることを示しました。

第2のリーマンを出さない為に、というのがオバマ大統領の新規制案で、過度のリスクテイクを

禁ずるというのはわかりますが、少し一挙に締めすぎている感を否めません。


◆民主党小沢幹事長記者会見:調べられた方が「私は悪いことをしています」という訳がないでしょ?

小沢幹事長に関わる問題の概要に関しては一昨日書きましたココログ)。

そして、23日(土)、小沢一郎は東京地検から事情聴取を受けて、その後会見が開かれました。

●小沢氏聴取、関与否定=虚偽記載「把握せず」-「裏献金は事実無根」・東京地検(1月24日0時9分配信 時事通信)

小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」による土地取引をめぐる事件で、

東京地検特捜部は23日午後、小沢氏を任意で事情聴取した。

小沢氏は終了後に会見し、供述調書2通に署名したことを明かした上で、

政治資金収支報告書への虚偽記載について「把握していない」と関与を全面否定。

ゼネコンからの裏献金は「事実無根だ」と述べた。

聴取は東京都千代田区のホテルで、午後2時ごろから4時間半にわたり行われた。

特捜部は今後、小沢氏の供述内容を詳しく分析した上で、同氏の事件への関与について捜査を進めるもようだ。

特捜部は市民団体から告発を受けたため、黙秘権を告知した上で被疑者(容疑者)聴取した。

記者会見や聴取終了後に配布した文書で小沢氏は、収支報告書への記載内容について、

「相談や報告は受けていない。帳簿や報告書を見たことはなく、内容を一つ一つ確認したことはない」と述べた。

陸山会の土地購入に充てられた4億円の原資については、自宅を買い替えた際に差額として残った2億円など、

1989年から2002年までに銀行口座から引き出した総額5億6000万円のうち、

土地購入時に個人事務所で保管していた4億数千万円から貸し付けたと説明した。

ゼネコンからの裏献金については、「水谷建設からもほかの会社からも、不正な金はもらっておらず、

秘書や元秘書も受け取っていないと確信している」と述べ、特捜部にも同様の説明をしたという。

「土地取引をめぐり、政治資金規正法に違反した行為をしているのではないか?」と思われたから東京地検に聴取されたのです。

その調べを受けた側の記者会見です。「私は何らやましいことをしていない」というに決まっています。

東京地検としても、雑誌のインタビューじゃないのですから、小沢の説明をただ、
はあ、そうなんですか。

と、世間話のように聴いたわけではなく、土地購入の原資などについて、小沢氏の説明はこれまで何度か

変化しているようなので、今日、検察に喋ったことのウラを取ろうとするでしょう。

怪しければ、また呼ばれるでしょう。

とにかく「調べられた側」の記者会見を長々やったって、あまり意味がありません。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.22

【音楽】ヴォルフ=フェラーリ(1876~1948)命日です。「マドンナの宝石」ほか。

◆エルマンノ・ヴォルフ=フェラーリ(1876年 1月12日 - 1948年 1月21日)。歌劇「マドンナの宝石」序曲だけですな。

エルマンノ・ヴォルフ=フェラーリの詳細は、例によってWikipediaをお読み下さい

(勿論、面倒だったら、読む「必要」などありません)。



色々書かれていますが、要するに今でも演奏されるのは、「マドンナの宝石」序曲だけです。

これを含む、ヴォルフガング・サヴァリッシュ氏にしては珍しい、ポピュラー名曲集、管弦楽名曲集Ⅱ

お薦めします。


ヴォルフ=フェラーリ: 《マドンナの宝石》 間奏曲第1番







このCDを出した頃、殆ど同じ曲をN響でサヴァリッシュ氏がやりました。その時の映像。



Sawallisch Conducts Intermezzo from I Gioielli della Madonna





実に綺麗な指揮ですね。

シャブリエ: 狂詩曲 《スペイン》

速い3拍子の曲ですが、知らないと、二拍子系に聞こえるのが面白いところです。







スメタナ: 《売られた花嫁》 序曲

あの「モルダウ」を含む「我が祖国」の作曲者ですが、全然曲の雰囲気が違います。

弦楽器のフーガが非常に面白い。最後のコントラバス、ちゃんと弾くのはかなり大変だと思います。





オッフェンバック: 《天国と地獄》 序曲

今では、小学校の運動会の「かけっこ」(徒競走)の音楽というと、ルロイ・アンダーソンの

「トランペット吹きの休日」が定番だそうですが、私たちの世代にとっては、なんと言っても、

「かけっこ」=「天国と地獄」序曲です。しかし、一曲通して聴いた方(クラッシック好きは別ですよ)は

大分少なくなるのではないかと思います。






今までにもこのCDは何度かお薦めしましたが、毎日、一見さんがいらっしゃるので、また、お薦めします。

それでは皆様、良い週末をお過ごし下さい。

<【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「小沢氏、23日に聴取=「被疑者」も検討-4億円の説明求める・東京地検」←何が問題になっているのか。

◆記事:小沢氏、23日に聴取=「被疑者」も検討-4億円の説明求める・東京地検(1月21日20時24分配信 時事通信)

小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」による土地取引をめぐる事件で、

東京地検特捜部による小沢氏への任意の事情聴取が23日に行われることが、関係者の話で21日、分かった。

特捜部は、参考人としてではなく、黙秘権を告げた上での「被疑者聴取」とすることも検討しているもようだ。

特捜部は、土地取引に充てられた4億円の資金には、ゼネコンからの裏金が含まれるとみて捜査しており、

資金の性格について、小沢氏に詳しい説明を求める。

特捜部は5日に小沢氏に聴取を要請したが、小沢氏側は、多忙であることなどを理由に応じてこなかった。

しかし、衆院議員石川知裕容疑者(36)らの逮捕を受けて応じることを決め、19日に特捜部に回答。弁護士を通じて日程調整を進めてきた。


◆コメント:土地購入うんぬんの何が問題になっているのか。

民主党幹事長の小沢一郎が、何だか分からんが土地購入をめぐる資金に関して、

政治資金規正法に抵触する行為をしたのではないか、と騒がれてます。

こういう話は、面倒臭いので、何か問題が起きているらしいことは知っていても、

「具体的にどこが、どう、問題なのか」御存知無い方もおられるでしょう。


と、勝手に想像しましたので、少し説明させて頂きます。

要するに、政治資金が動いたのに、政治資金規正法という法律で定められたとおりに

それを記録していないじゃないか、ということ。非常に簡単にまとめると、そういうことです。


◆土地購入代金に関係して、約5億円の政治資金が動いたはずなのに、政治資金収支報告書に書いてない。

まず、固有名詞ですが、「陸山会」というのは、小沢一郎衆議院議員の資金管理団体です。

これ自体は違法でも何でもありません。

陸山会は世田谷区の3億4000万円の土地を2004年10月29日の午前中に購入しているのです。

その資金は、小沢氏側の説明では、預金を担保にして銀行から4億円の融資を受けた、

というのですが、融資を受けたのは、2004年10月29日の午後なのです。


銀行から借りた4億円だけを原資として、土地を買ったとしたら、時系列的に矛盾します。

土地を10月29日午前に購入した段階で、つまり銀行から融資を受ける前に陸山会は、

少なくとも3億4000万円を持っていたことは明らかです。


収支報告書の記載では、土地を購入した前日の28日の段階での陸山会の資金は、最大で約2億7000万円なのです。

一晩で知らないうちに7千万円、資金が増えていた、ということになる。そんなことはあり得ません。

マスコミ各社の取材によると、2004年10月、陸山会の口座には、小沢氏の政治団体「小沢一郎政経研究会」や

「民主党岩手県第4区総支部」の口座から数千万円単位の資金が振り込まれたり、直接入金されたりしていて、

これは「政治資金収支報告書」に記録されていないのです。記載していないこと自体、政治資金規正法違反なのです。

その時陸山会の事務係をしていたのが、現在、民主党衆議院議員の石川知裕氏です。

石川氏の初当選は2005年ですから、2004年当時は、単なる小沢一郎の弟子というか、書生というか、

そういう立場で事務を担当していたのです。

直接、政治資金収支報告書を管理する担当者ですし、小沢一郎幹事長より「小者」ですから、

簡単に逮捕しました。この問題が騒がれ出してから、石川議員は周囲に「死にたい」と漏らしていたそうで、

自殺されたら大変だ、という思惑もあったのでしょう。


◆土地を購入したおカネは、どこから出たのか、を東京地検は小沢幹事長に直接、訊くつもりです。

どうしておカネの出所を問題にするかというと、政治資金規正法では、

民間企業が政党に献金することは認めていますが、

政治家の資金管理団体(小沢氏なら「陸山会」ですね)への献金は認められていないからです。

それを許すと、特定の企業と国会議員が癒着・結託して、悪いことをしかねないからです。

実際には、色々工作をして色んな企業が、他の政治家の資金管理団体に献金していると思います。

私は政界とは無縁ですから、そういう資金をどうやって帳簿上誤魔化すのか、わかりませんけれど、

上手いことをしているのでしょう。それに東京地検特捜部ですから、それらを知らない訳がない。

強いて言えば、雑魚(ざこ)はどうでも良いのでしょう。

小沢一郎ぐらいの大物を捕まえたい。

23日に本人から任意による事情聴取をもとめ、小沢も行くといっています。

これは、検察に取っては勇気が要ります。事前に相当念入りに調べて、ウラを取っているでしょう。

もし、何処かの企業から陸山会にカネが流れていることを立証できたら、

政治資金規正法違反で起訴することが可能です。

しかし、小沢も地検の聴取に応ずると言うのですが、こちらも海千山千ですから、

なにか上手いストーリーを考えてあることでしょう。

小沢を地検が落とせるかどうか、が注目されます。


◆鳩山首相のウソ。

鳩山由紀夫内閣総理大臣は、普段はっきりしない癖に、15日に随分はっきりと言いました。

1月15日の発言です。

◆記事:首相「問題あっても民主選んだ」 小沢氏問題、衆院選でみそぎ (NIKKEI NET)(15日 14:37)

鳩山由紀夫首相は15日午前、民主党の小沢一郎幹事長や自身の政治資金問題について

「国民もある意味でまたかという思いは感じていると思う」と認めた。

そのうえで「この問題も、私自身の問題も既に総選挙前から出ていた話で、

こういう問題があるにもかかわらず、民主党を選んでいただいた。

その責任も果たさなければいけない」と語り、

昨夏の衆院選で既に国民の審判を仰いだとの認識も示した。首相公邸前で記者団に語った。


一瞬、「ああ、そういわれれば・・・・」とそのまま信じてしまいがちですが、

鳩山首相の故人献金問題は、確かに選挙前から取りざたされていましたが、

捜査は、選挙後に本格化したのです。鳩山首相が東京地検の要請に応じて会計帳簿を任意で

提出したのは、選挙後の9月ですし、小沢氏の土地購入をめぐる騒ぎが本格的になったのは、

つい最近です。ですから、鳩山首相の言葉は事実を正確に述べていません。


◆伝家の宝刀、法務大臣による「指揮権発動」

東京地検特捜部はやる気満々ですが、厄介なことが2つあります。

一つ目。国会会期中に国会議員を逮捕する場合、検察は、その所属議院(小沢ですから衆議院)に、

逮捕許諾請求をしなければならないのです。衆議院の本会議で決議案が可決し、初めて、

検察は本格的に動ける。与党民主党は、議席数から見て否決できます。

ただ、それをやったら、民主党は「党ぐるみ」で小沢の疑惑を封印しようという印象を

国民に与えます。ですからまさかそれはしないだろうと信じたい。

二つ目。指揮権発動の可能性。検察は法務大臣の管理下にあるわけです。

検察庁法14条は次の通り。

法務大臣は、第四条及び第六条に規定する検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる。

但し、個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。

これにより、検事総長を呼びつけて、千葉法務大臣が
「小沢への捜査を中止させろ」

と言えるのです。先日、鳩山首相が、小沢一郎に「検察と闘って下さい」といって、

非難ごうごうでしたが、これはまさか内閣総理大臣として法務大臣に命じて、

検察による捜査を妨害するつもりじゃあるまいな?と皆が思ったからです。

そうじゃない、と鳩山首相は言っていましたが、法制度的に、捜査を内閣が止めさせることは

可能なのですね。三権分立の本質から見て問題だと思いますが。

とにかく、東京地検特捜部の小沢に対する捜査を国会と法務大臣がじゃましないか。

それをやったら民主党を(既に皆あきれてますが)、誰も信じなくなるでしょうけど、

ポイントはそこです。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.21

1月20日は、ミッシャ・エルマン(1891~1967)という昔の有名なヴァイオリニストの誕生日です。

◆昔のヴァイオリニストです。美音でした。

しばしば、昔のヴァイオリニストは、個性的で、いまのジュリアードで習った人達はテクニックはあるけど、

つまんない、というような、ことを言います。

それほど、単純では無いと思います。今のヴァイオリニストでも、「あ、これは・・・」と音を聴いて分かる人、

弾き方の特徴(曲の解釈上の個性とでもいうのでしょうか)で、「あ、これは○○だ」と言う人はいます。

ただ、今の方が、世の中がギスギスしているのと、みんなテクニックがどんどん向上していくので、

つい、そちらの方に演奏者も聴き手も気を取られて、何だか少しカリカリしている気がします。

特にコンクールとなると、本来の演奏会じゃなくて、皆同じぐらい上手いので、ミスをした方が負け、

のような(実際はそれほど単純じゃないでしょうが)状況ですから、ピリピリしています。

でも、少しぐらい間違えたっていいですよね。全部デタラメでは、お話になりませんけど。

そのようなことを、ロシア生まれのアメリカの往年のヴァイオリニスト、ミッシャ・エルマン(1891-1967)の小品集を

聴いていると、感じます。

エルマンの美しい音は「エルマン・トーン」と呼ばれた、と言われています。

私は生で聴いたことがないので、本当はどういう音だったのか、分かりませんが、

そんなの今更どうしようもないんですから、ムキになることはない。


いや、失礼。


何を独りで怒っているかというと、Wikipediaでミッシャ・エルマンの項を読んだら、

要するに上手かったのは、若い頃で、晩年はテクニックも衰えて、音色も、さほど大したことはなかったと、

珍しく情緒的な説明だったので、

何かエルマンに恨みでもあるのか?

と少々不愉快だったからです。

失礼を致しました。


◆エルマンより今の日本の若い人の方がテクニックはあるかも知れませんが・・・。

純粋に早いのを正確に弾けるかとか言うことで言ったら、それは今の学生さんの方が、

これからお聴き頂く晩年のエルマンより上手いでしょう。


そこが、逆に貴重でして、エルマンのヴァイオリンを聞くと、

音楽家というのは、テクニックは身につけなければいけませんが、

上手ければ良いというものではない、ということが分かります。


◆【音楽】アンコール集 エルマン(vn)セイガー(p) より。

CDは、AmazonでもHMVでもTowerRecordでも買えますが、Amazonだけ試聴できないので、

HMVのアンコール集 エルマン(vn)セイガー(p)と、

Towerのヴァンガード名盤選38::ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリン・マスターピースにリンクを貼っておきます。


ガヴォット(ゴセック)






エルマン先生、1拍目から弾かないで、前の拍のウラからシンコペーションにして弾いてます。

たしか、楽譜はそうなっていないはず。でも良いんです。これぞ「エルマン節」なんです。


今時、こういう可愛い小品を弾いてくれる、プロのヴァイオリニストっていませんよね。

或る意味では、大変怖いかも知れません。プロを目指して所謂「英才教育」を受けた子など、

小学校に入学する前に弾けていたと思います。易しい曲ですから、誰でも弾けます。素人ですら、

兎に角弾くだけなら弾けます。そういう曲を大勢の前で弾くのは、間違えたらすぐにバレますから。


2曲目はこれまた泰西名曲、ドヴォルザークの「ユーモレスク」です。

N響の第1ヴァイオリンで30年弾き続けた鶴我裕子さんは、仕事ではやれ、マーラーだ、ブルックナーだ、

ショスタコーヴィッチだ、バルトークだ、と難しいのを弾いておられたのに、

著書「バイオリニストは肩が凝る」の中で、

エルマンの「ユーモレスク」を聴くと、ホッとする、

と書いています。プロですらそうなのか、と、何だかこちらもホッとしたことを思い出します。


ユーモレスク 変ト長調 Op. 101 No. 7 (ドヴォルザーク--編曲:アウグスト・ヴィルヘルミ)







エルマンが来日した時、日比谷公会堂かどこかで、リサイタルがあり、

アンコールでエルマンは、この「ユーモレスク」を弾いたそうで、それを実際に見て、聴いた人によると、

今の若いヴァイオリニストだったら、照れちゃってこんなの弾きませんが、エルマンは、実に気持ちよさそうに

楽しそうに弾いたそうです。


ベートーヴェン 「ト長調のメヌエット」

お聴きになれば、「ああ、あれか。」と思われる筈です。






ここまでの曲、いずれも「ヴァイオリンが歌っ」ています。その「歌心」が、聴き手の心の琴線を震わせます。


以上は技術的には易しい曲ばかりです。このレコードは1958年にエルマンのアメリカデビュー50周年を記念して

作られたとか。


エルマンの晩年ですが、Wikipediaで批判的な文章を書いている人物は「チゴイネルワイゼンに至っては、技術が衰えているため、

難しいところは思い切りテンポを落として弾いている」という意味のことを書いていますが、私はそれはどうかな?と思います。

聴いて頂きましょう。


サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン







ハイフェッツと比べたら、それは確かにテンポは遅いです。最後モルト・ヴィヴァーチェ。ハイフェッツは一番速いところでは、

テンポ180近い。全盛期のハイフェッツと比較したら気の毒です。

岩城宏之さんの「棒振りのカフェテラス」という本に書いてありますが、ハイフェッツですら最晩年は、

小品すら通して弾くことができず、編集でつないでいたそうですから。


エルマン先生は思いきり遅いですが、音質は乱れていないし、音を飛ばすこともない。

左手ピチカートもきちんと鳴らしている。曲の最後の最後ではアッチェレランドをかけて非常に高いポジションの音程が

狂っていない。ただ、何度も出てくる、和音が三つ続くところで、あまりにテンポを落とすし、演りたい放題なので、

これは伴奏者、ジョセフ・セイダー氏の健闘を讃えるべきでしょう。


最後です。


マスネー:歌劇「タイス」 - 第2幕 瞑想曲






全体としてお分かり頂けたかと思いますが、エルマンの音は決して、刺激的に鳴らないのです。

録音が古いこととは無関係だと思います。奏者が常に「美しい音」をイメージいていなければ、

ヴァイオリンのみならず、どんな楽器でも良い音が出せるようにはなりませんし、それを維持できない。

エルマン氏は、一生、理想の音を追い続けていたのかも知れません。

好き好きですが、このCDはお薦めです。とにかくエルマン聴いたこと無い、じゃ、問題外でっせ。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.01.20

「JALが会社更生法適用を申請」←日本航空は何故破綻したのか。

◆記事:JALが会社更生法適用を申請、事業会社で戦後最大の破綻(1月19日18時8分配信 ロイター)

日本航空(JAL)<9205.T>は19日、東京地裁に会社更生法の適用を申請し、受理されたと正式発表した。

負債総額は2兆3221億円で、事業会社としては戦後最大の経営破たんとなる。

企業再生支援機構も支援決定を発表しており、

再建を巡って揺れ続けた同社は支援機構をスポンサーとして再生を図ることとなった。

更生法を申請したのは、日本航空と子会社の日本航空インターナショナル、ジャルキャピタルの3社。

負債総額は2000年のそごうの1兆8700億円を抜いて事業会社として最大規模。

金融機関を含めても戦後4番目の大型経営破たんとなった。

1951年に設立され1987年に完全民営化した日本のフラッグキャリアは事実上国の管理下に入る。

国内大手航空会社として初の破たんとなる。

支援機構の発表によると、破たん後のつなぎ資金として支援機構と日本政策投資銀行が6000億円の融資を実行し、

資金繰りを支える。また、支援機構は3000億円超の資本注入を実施するほか、

取引金融機関などに対して債権カット約7300億円を要請し、JALの債務超過を解消する。

JALの株式は100%減資し、上場廃止する計画だとした。

2012年度の売上高は1兆3585億円、営業利益は1157億円を計画している。

◆はじめに:なぜ、日本航空は破綻してしまったのでしょう?

多くの方はお分かりでしょうが、心配なさっている方がいるといけないので、

最初に書いておきます。まず、日本航空が無くなる訳ではありません。

日本航空のマイレージは有効です。

しかし、日本航空は、東京証券取引所の上場を廃止しますから、株券は紙屑同様となります。

また、日本航空が発行した債券(社債)は、投資家からおカネを借りたという証拠、謂わば借用証ですが、

この借金の多くは返せません。これを債権がデフォルト(債務不履行)になる、といいます。

日航の株や債券に投資していた人はかなり大きな損失を被ります。これがまた大きな問題なのですが、

それに関しては、またいずれ説明しますが、今日はどうしてこのような事態にまで日航の経営が悪化したのか、

について、説明します。


◆日航が破綻した原因。

日航を破綻に追い込んだ世の中の一般的な状況として、景気の悪さがあります。

航空料金は高いので、国内の移動ならば、皆、飛行機より安い鉄道や、自動車を利用します。

また、仕事で海外に出張しなければならない人も、今までビジネスクラスに乗れたのに、

どこの会社も儲かっておらず、少しでも経費を減らそうとするので、エコノミーの切符しか

買ってくれません。皆がそうするので、当然日航の収益は悪化します。

ただ、これは、「世の中の一般的な状況」と書いたとおり他の航空会社にとっても同じことで、

日航だけに降りかかった災難ではありませんから、あまり言い訳にはなりません。


他の原因は、やはり日航自身にあります。

まず、日航が持っている飛行機の機種です。日航は燃料を大量に消費するジャンボ・ジェット、例えば

Boeing747-400を37機持っています(ここにJALが保有または、リースしている飛行機の一覧表があります。

JALグループ航空機数 (2009年3月31日現在)という表です)。


そして、従業員が兎に角多い。2009年4月30日現在、JALグループ全体で48,934人。

さらに、企業は公的な厚生年金の他に企業独自の企業年金を退職し、引退した人に払うことができますが、

日航の場合、この企業年金が他の企業の水準からするとあまりにも高いので、

銀行から何千億円というおカネを借りて、返せないでいる会社なんだから、もう少し遠慮したらどうだい?

という、世論の非難(ま、はっきり言えば「嫉妬」ですが)が集中しています。

これは、しかし、次のような記事を読んだら、日航以外の人たちはいい気がしないですよ。

昨年7月の時事通信です。

◆記事:日航の年金583万円=高コスト体質浮き彫りに(7月7日3時0分配信 時事通信)

日本航空の経営再建問題で、年金の支給額がモデルケースで年583万円と、年300万円台半ばとされる

大企業の平均支給額を大幅に上回っていることが6日、明らかになった。日航は企業年金の減額を前提に、

政府保証80%の日本政策投資銀行の金融危機対応融資を受けることが決まっている。

ただ、減額後の試算さえ年433万円で、改めて浮き彫りになった日航の高コスト体質が議論を呼びそうだ。

内部資料によると、勤続42年のモデルケース(1965年生まれ、18歳入社、60歳退職)で、

65歳以降の年金支給額は基礎年金と厚生年金、企業年金を合わせて月48万6000円、年583万2000円。

減額後も最高月36万1000円、年433万2000円が支給される見通し。

これ、いまだにOBは減額に関して同意しない人がいるんですね。

まあ、一旦手にした豊かな暮らしは、手放したくないでしょうけどね。

日航の企業年金、バカ高いですからね。減らされても(程度によりますけど)十分くらしていけるでしょ?

この年金を支払うための積立金が、日航の財務状態を非常に圧迫し、今日の事態を招く一因になってたのです。

今の従業員もかなりリストラされるはず。OBさんは、
俺達の年金を少々減らしても良いから、なるべく今頑張っている奴はクビにしないでくれ。

というと、見直されるのですけどね。どうしても嫌だ、という人がいるみたいでして。


思い付くままに、日航破綻の原因を挙げると、3番目は不採算路線が多すぎたと言うことでしょう。

あまり、人が乗らない地方にまで、路線を持っています。元来、日本航空は、日本航空法という法律に

従って運営されていた国の会社ですから、ある程度仕方がないとはいえ、民営化されたのは1987年で、

既に20年以上を経ているのですから、商売感覚がなさ過ぎては困るのですね。ソロバンぐらいはじいてくれないと。


日航だけの所為でもないのですけどね。民営化された後も色々国の無理な注文も聞いていたので、

国としては、中東で原油価格が暴騰して、日航が「困った」というと直ぐに助けてしまうのですね。

最後は国が助けてくれると思っているうちは、会社の合理化なんて無理ですね。

タカを括って銀行からどんどんおカネを借りて遂に返せない、ということになってしまった。

銀行は、一昨年9月15日のリーマン・ショックでかなり、損失を計上しました。

漸く昨年後半、損失処理を終えて、資本を増やして、体力をつけて、

「さあ、いくぞ」と思っていたら、日航が潰れて、持っていた日航株は上場廃止で、

紙屑になってしまうし、会社更生法が適用され、企業再生支援機構が裁判所で管財人として選定されたら、

極端にいうと何でもありですから、銀行が日航に貸していたおカネのかなりが回収不能になりますね。

折角増資して資本を増やしたのに、また取り崩して、貸倒引当に計上しなければならなくなります。

「やってらんねーよ」という気分になるでしょ。そりゃ。


ちょっと話がそれましたが、要するに、日航は形式的には民間企業なんですが、

国が介入し過ぎて、日航は思い切った改革をしなかったというか、出来なかったというのが、

今回の悲劇的結果を招いたと思います。

書き忘れましたが、この会社は組合が何だか訳が分からないぐらい沢山あって、

しかも、その力が強いのです。経営側の方で「黙れ!」といえない。

だからいつまでも従業員が矢鱈多いし企業年金も常識を逸脱するぐらい高い。


今回、ホントなら完全に破産しても普通の会社ならおかしくないですが、

国内線の6割が日航なので、会社をたたむ訳にはいかないですね。。

兎に角存続するだけでも良かったと思って、地上職の方もコクピットクルー(パイロット)も、

客室乗務員も、引きずらないで淡々と任務を遂行して頂きたい。

給料やボーナスが減ることに気を取られて万が一、また、123便のようなことが起きたら

目も当てられません。それだけは絶対に起こさないように(言われなくても分かっている、と

言いたいでしょうが)して下さい。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。

| | コメント (1) | トラックバック (2)

2010.01.19

NHK教育テレビ ETV特集「なまえをかいた」試聴後雑感。

◆差別が原因で小学校に通えず、60歳までエンピツをもったことが無い人がいる。

世界に誇る低い文盲率といわれる日本だが、その陰には、差別やそれに起因する貧困が原因で、

今でも字が読めない、書けない人が100万人以上いるだろう、という話で、驚いた。

1月17日(日)22時からNHK教育テレビで放送された、

なまえをかいた 吉田一子 84歳

を見て、義憤と感動を覚えた。

現在、大阪の南河内富田林市に住む吉田一子さん(84)は、60歳になるまで字を書いたことが無かった。

はっきり書くと(ご本人は何も悪いことをしたのでもなんでもないからだ)被差別部落に生まれ、戸籍さえ作られなかったので、

小学校にすら行けなかったのである。部落解放云々は、私の本論ではないので、ここではこれ以上述べない。


ただあまりにも理不尽である。

日本には実は、この世代の、特に女性で、文盲がいるのだ。同番組によると100万人以上だろうとのこと。


◆字をかけるようになり、吉田さんの人生は一変した。

「百聞は一見にしかず」なのだが、この番組の再放送の予定は無いとのことなので、

ネットのNHKオンデマンド ETV特集を出来れば是非ご覧頂きたい。

しかし、どうして私がそれほどまでにお奨めするか、不思議に思う方もおられるかもしれない。

理由は簡単で、良い番組だからである。

吉田一子さんが識字教室に通いはじめ、ようやく全てのひらがなを書けるようになるまでには、

随分時間がかかった。何しろ60歳を過ぎて初めて「鉛筆」というものを手に持ったのである。


最初はまず、鉛筆の持ち方すら分からなかった。棒を握るように、全ての指でむんずと鉛筆を握りしめたりした。

識字教室の講師は、元学校の教師だったような人達が教えている。

講師の辛抱強さも偉大である。マンツーマンで丁寧に教えて行く。

繰り返すが60を過ぎて初めて鉛筆持ち、文字を書くのだ。


しかし、吉田さんは週3回の識字学級がよいで、ひらがなを読み書き出来るようになった。

吉田一子さんの人生は一変した。今までの人生でいいたかったことは山のようにあるが、

何しろ、字を書けないから、不特定多数に向けてその思いを伝えることが出来ない。


2年前、一子さんを有名にする出来事があった。一子さんをモデルにした絵本が出版された。

ひらがなにっき


その中の一文。

きょうは はじめて ひとりで でんしゃにのりました。

とちゅう ラーメンをたべようとおもったけど かんじがわからないので たべないでかえってきました。

わたし、じィ(引用者注:吉田一子さんは「字」のことをしばしば「じィ」と表記する)をべんきょうしたら、

そのじ、にげんように って てにかいてね ぐっとにぎりしめていえにもってかえるんですわ。

えきで らくがきをみました。びっくりして はらたって なみだがでました。

なにかんがえてるんやろね。だいじなかわいいじィ つこて、ひとにわるぐちかいて

ばち あたりまっせ

絵本の絵を見ると、駅には、「バカ、きえろ、うざい」など若者が書いたと思える落書きがある。

一子さんにとって、字は(そういう語彙を一子さんは用いていないが)神聖な存在、自分が一生懸命覚えた

宝物である。その宝物を冒涜された気持がしたのであろう。

番組を見ていて、心を打たれた。字が書けるのが当たり前と思っている私たちは、

知らないうちに、大切な「文字」という言語媒体を粗末に扱っているのである。


◆例を挙げるとキリがないが・・・・。

「ひらがなにっき」には、こころあたたまる文章が沢山ある。

字が書けなかったのは一子さんの責任ではない。一子さんには、分かり易く自分の思いを表現する能力があった。

自分が勉強していたら、お孫さんが一種懸命、書き順を教えてくれたこと。

自分が使っていた、小学校二年生の国語の教科書を持ってきて、「これでべんきょうするといい」とすすめてくれたこと。

ひらがなの習得がおわり、漢字も勉強したが、非常に苦労したこと。

しかし、初めて漢字で自分のなまえを漢字で書いて、銀行預金を引き出せた時には(それまでは、家族に着いてきてもらっていた)、

嬉しくて嬉しくて涙が出たこと。胸が熱くなる。

21世紀の日本に吉田一子さんと同じような人が何と100万人以上もいること。

差別の理不尽さ。

が、一子さんは穏やかな人だ。今はあちこちの小学校で「ひらがなにっき」を教材として使っている。

一子さんは、その学校にしばしば呼ばれて、自分の体験を話す機会が増えた。

今時の、感性が摩耗してしまったような、ゲームばかりしている子供達ですら、さすがに一子さんが現れて

話をすると、真剣そのものの表情で聞いている。

一子さんは「講演」の終わりに子供達に、

私のようにならないで下さい。せんせいのいうことをよくきいて、いっしょうけんめい勉強して下さい。

と語りかける。子供達は神妙に聞いて、口々に有り難うございました、と一子さんに感謝していた。

最近、初めてのひ孫が一子さんに生まれた。

一子さんは、その子が成長し、一緒に字のれんしゅうをする日を楽しみにしている。

どうか、一子さんが元気で長生きしますように、と、日頃は悪魔のように意地が悪い私だが、

今日ばかりは、こころからそう願った。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2010.01.17

今週の予定(経済・金融中心)日航更生法、モルガン・GS決算、中国GDP

◆【お詫び】恐縮ながら、取りこみがありまして。時事評論サボります。

誠に勝手ながら、私事で取りこみがありまして、落ちついて時事問題を論じている暇がないので、

思い切り手抜きさせて頂きます。結構便利だと思いますが。


◆今週一週間の主な行事・経済指標・企業決算など。

【1月18日、月】



◎--- 第174回通常国会召集、菅直人副総理兼財務相が財政演説

◎9:00 日本銀行、全国支店長会議(日銀本店)

・9:30 白川方明・総裁、開会あいさつ要旨公表

・14:30 「地域経済報告(1月)」資料発表

・15:15 大阪支店長、記者会見

・17:20 名古屋、札幌、福岡支店長、共同記者会見

◎10:30 財務省(理財局国債課):25日に実施される流動性供給

入札の発行予定額の発表、「前回債と同じ3000億円程度」

(予想)

◎11:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)

◎16:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)



<経済指標>

○8:50 マネタリーサーベイ(11月、日本銀行発表)

○8:50 製造業部門別投入・算出物価指数(12月、日本銀行発表)

○10:30 毎月勤労統計(11月確報、厚生労働省発表)

○13:30 鉱工業生産(11月確報、経済産業省発表)

○13:30 商業販売統計(11月確報、経済産業省発表)



<海外>

○米 キング牧師生誕記念日の祝日

○EU ユーロ圏財務相理事会(ブリュッセル)

○EU ビニ・スマギ欧州中央銀行(ECB)理事、フランクフルト

で講演



【1月19日、火】



◎--- 閣議(首相官邸、終了後に菅財務相ら会見)

◎閣議後 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)

◎10:30 財務省(理財局国債課):5年利付国債の価格競争入札

実施、「表面利率(クーポン)は前回12月10日入札の

87回債と同じ0.5%」(予想)。発行予定額は前回と同

じ2兆4000億円程度

◎16:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)

◎--- 経営再建中の日本航空が、検討中の会社更生法を裁判所

に申請するとNHKや共同通信が報じた



<経済指標>

○13:00 マンション発売(12月、不動産経済研究所発表)

○14:00 消費動向調査(12月、内閣府発表)



<海外>

○米 1月の全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数

○米 決算発表-シティグループ、IBM

○EU 11月の建設支出

○独 1月のZEW景況指数

○EU 欧州連合(EU)財務相理事会(ブリュッセル)



【1月20日、水】



◎9:00 日本銀行、報告省令レート(2月)

◎10:30 KDDI、携帯電話au春商戦の営業施策について

◎11:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)

◎13:30 松山隆英・公正取引委員会事務総長、定例記者会見

◎14:00 小川是・全国地方銀行協会会長(横浜銀行頭取)定例会見

(日銀記者クラブ)

◎16:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)

◎--- 「月例経済報告」に関する関係閣僚会議(首相官邸)



<経済指標>

○8:50 第3次産業活動指数(11月、経済産業省発表)

○14:00 鉄鋼生産(12月、日本鉄鋼連盟発表)

○16:00 コンビニエンスストア売上高(12月、日本フランチャイ

ズチェーン協会発表)



<海外>

○米 先週のMBA住宅ローン申請指数

○米 12月の生産者物価指数(PPI)

○米 12月の住宅着工・建設許可件数

○米 決算発表-モルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカ、

ウェルズ・ファーゴ、ステート・ストリート、USバンコープ、

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)、

eベイ、ザイリンクス、スターバックス、コーチ、AMR

○EU ECBのシュタルク理事、ライプツィヒで講演

○英 イングランド銀行、金融政策委員会(MPC)議事録



【1月21日、木】



◎10:30 財務省(理財局国債課):20年利付国債の価格競争入札、

「表面利率(クーポン)は前回12月15日入札の114回

債と同じ2.1%」(予想)。発行額は前回債と同じ1兆

1000億円程度

◎10:30 財務省(理財局国債課):28日入札の2年利付国債(2月

債)の発行予定額提示。「発行額は前回12月17日入札の

288回債と同じ2兆6000億円程度」(予想)

◎11:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)

◎12:00 鈴木修・スズキ会長、講演(日本外国特派員協会)

◎13:00 NTTドコモ新製品発表会、山田隆持社長らが出席

(ウェスティンホテル東京)

◎16:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)



<経済指標>

○8:50 主要銀行貸出アンケート調査(1月、日本銀行発表)

○8:50 対外対内証券売買(先週分、財務省発表)

○13:30 石油消費動態統計(11月、経済産業省発表)

○14:00 景気動向指数(11月改定、内閣府発表)



<海外>

○米 先週の新規失業保険申請件数

○米 1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数

○米 12月の米景気先行指標総合指数

○米 決算発表-ゴールドマン・サックス・グループ、アメリカン・

エキスプレス、レッグ・メイソン、グーグル、ゼロックス、

アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)、

コンチネンタル航空、サウスウェスト航空

○EU 1月の欧州中央銀行(ECB)月報

○EU ゴンサレス・パラモ欧州中央銀行(ECB)理事、

マドリードで講演

○中国 10-12月の国内総生産(GDP)



【1月22日、金】



◎--- 閣議(首相官邸、終了後に菅財務相ら会見)

◎閣議後 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)

◎10:00 日本銀行、営業毎旬報告(20日現在)

◎16:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)





<経済指標>

○13:30 全産業活動指数(11月、経済産業省発表)

○14:00 全国スーパー売上高(12月、日本チェーンストア協会

発表)

○15:00 全国百貨店売上高(12月、日本百貨店協会発表)



<海外>

○米 下院金融委員会、金融機関幹部の報酬について公聴会

○米 決算発表-ゼネラル・エレクトリック(GE)、マクドナルド

○EU 1月のユーロ圏景気総合指数(速報値)

○EU 11月のユーロ圏鉱工業新規受注

○EU ゴンサレス・パラモ欧州中央銀行(ECB)理事、グラナダ

で講演

以上。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

【追悼】オトマール・スウィトナー氏(指揮者)(その2)

◆前回に続いて。「ハンガリー舞曲」(ブラームス)、「序曲集」(ウェーバー)、モーツァルトの交響曲など。

前回、書いた通り、オトマール・スウィトナー氏は、私がちょうどクラシック音楽、特にオーケストラに興味を抱き始めた頃、

N響の名誉指揮者として、毎年来日して、振っていた。その頃の記憶があまりにも懐かしく、音楽を知り始めた頃に、

かかる名指揮者の演奏を見て、聴くことが出来た幸運を思う。だからとても一度の「追悼」で終わらせる事が出来ないのだ。


◆「斜めから見たマエストロたち」より、再度抜萃。

前回紹介した、「斜めから見たマエストロたち」、「オトマール・スウィトナー(Otmar Suiner)」の章から別の箇所を

抜萃させて頂く。

スウィトナー氏への愚問(50ページ)

スウィトナー氏がR・シュトラウスのアルプス交響曲を指揮した時のこと。オーケストラの練習を見学していた私は、

氏があの大曲を完全に頭の中に入れていて、ロクにスコアも見ないであれこれと楽員に注文をつけるのに感嘆していた。

数日後、有馬先生がスウィトナー夫妻を渋谷のステーキハウス小川軒へ招待され、私もお相伴にあづかった(引用者注:原文のまま)。

有馬先生はドイツ語の達人だったので、質問があるから通訳して下さいとお願いした。「アホなことは聞くなよ」と云われたが、

私は云った。

「マエストロはもしここにピアノがあったら、あのアルプス交響曲を楽譜を見ないで完全に弾けるのですか?」

有馬先生は苦笑しながらも極めて鄭重に尋ねて下さった。マエストロは質問が分からない様子で、1分以上も考えて一言

「ヤー」

「それ見ろ。困ってるやないか」と先生。恥をかくなら皿までもと

「では、例えば左手の3の指(引用者注:中指)はヴィオラとクラリネットで、これが続いて2(人差し指)と4(薬指)に移って、

二つの楽器が半進行する---ということも理解しながら弾いていらっしゃるのですか?」

ここではマエストロの沈黙が長かった。しばらくすると申し訳なさそうに答えた。

「勿論そうです。それが出来なかったら棒が振れませんので・・・・。」

有馬先生は「困った奴じゃ。愚問ばかり発しやがって」と云って、席を立ち「帰りまひょ」という。

お分かり頂けると思うが、つまり指揮者というのは、本来それぐらいの能力が求められるのである。

長大な交響曲を暗譜し、ピアノで弾けるなど当たり前。しかもどの指がどのパートを弾いているかを

完全に把握している。スウィトナー氏の沈黙が長かったのは、そんなことは指揮者にとって、出来て当然。

最低の条件であり、それを改めて「出来るのですか」と尋ねられたので、「???」状態になったのである。

しかし、これはオーケストラのスコアを見ると分かるが、本当に勉強していなければ、決して出来ないことである。

いや、勉強したとしても、全ての人間が出来るようになるわけではない。出来ない人は多分一生出来ない。

天賦の才と地道な勉強をずっと続けて初めて可能となる。しかし、それは繰り返すように、指揮者の前提条件であり、

謂わば「基礎的能力」である。名指揮者として歴史に名を残すためには、そこに独自の解釈・個性

(それは作曲者の意図を逸脱した出鱈目なものであってはならない)を加えて、初めて評価の対象になり得るのである。

CDを聴きながら、指揮棒を持って指揮真似をしてもそれは音楽に合わせて棒を振っているのであるから、指揮ではなく、

「指揮踊り」に過ぎない(しかし、それで楽しければ、自分の部屋でやる分には一向に構わない。


◆【音楽】ブラームス「ハンガリー舞曲集」より、何曲か。

ブラームスの交響曲も大変名作なのだが、最初、ちょっと取っつきにくいかも知れない。

ハンガリー舞曲集は、ブラームスの作品群の中でも聴きやすい。

原曲はブラームスがピアノ連弾用に書いた作品だが、一部はブラームス自身により、

他にも色々な作曲家により、全21曲がオーケストラ曲に編曲されている。Wikipediaに詳しい

これをスウィトナー=シュターツカペレ・ドレスデンで演奏したCD、ブラームス:ハンガリー舞曲集はお薦めである。

この中から、私の好みの曲を選ばせて頂いた。



ハンガリー舞曲集 第1曲 ト短調

バイオリンの低い側の弦の音が厚い響きを創り出している。

寒い冬に、森の中を風が吹きすさぶ、という光景を、私はこの曲を聞く度に思い浮かべる

(あくまで、私が勝手に抱いているイメージである)。






ハンガリー舞曲集 第3曲 ヘ長調

1番と異なり長調で、田舎ののんびりした雰囲気。





ハンガリー舞曲集 第4曲 嬰ヘ短調

あまり注目されないが、切ない旋律がたまらない。






ハンガリー舞曲集 第5曲 ト短調

多分、ハンガリー舞曲集の中で最も良く知られている。






ハンガリー舞曲集 第6曲 ニ長調

5番もそうだが、テンポの緩急がめまぐるしく変わる。






ハンガリー舞曲集は色々な指揮者が録音しているが、例えば1番だけ比較しても、

テンポの変化のさせ方が全員違う。これほどはっきり違いが分かるのも珍しい。

全曲名曲でもないが、お薦めする。


◆ウェーバー序曲集から、2曲だけ。私が生まれて初めて買った「レコード」のCD版

これは、ウェーバー:序曲集である。


前回の日記・ブログで少し触れたが、私が中学生の頃、生まれて初めて小遣いを貯めて買った「LPレコード」がこれである。

その少し前にたまたま生のスウィトナー、N響で、ウェーバーの歌劇「リューベツァール」序曲を聴き、

非常に感激したため、レコードが欲しくなったのだ、と記憶している。


実は、以前一度、このCDを紹介したことがある。その際、

ウェーバー序曲集なら、もっといい録音がある。

とか、
スウィトナー=シュターツカペレ・ベルリンなら、他に名盤がある

との、ご意見を何件か頂戴した。

確かにウェーバー序曲集なら、いくらでも名盤があろう。いずれもご親切で、大変有難いのだが、

私にとっては「生まれて初めて自分で買ったクラシックのLPレコード」として、格別の思い入れがある、

ということをご斟酌頂けると幸いである。


さて、「リューベツァール」である。

今、作曲者、カール・マリア・フォン・ウェーバーを調べて分かったが、オペラとしての「リューベツァール」は断片しか残っていないそうだ。

その為かどうか分からないが、これは曲名が一定しないので困る。

「リューベツァール」「精霊の王者」「精霊の支配者」「霊界の支配者」など、コンサートで演奏されるときも、

CDに収録されているときも、色々な曲名が一定しないのだが、これらは全て

これからお聴き頂く同一の曲のことである。


序曲「精霊の王者」(リューベツァール)

途中、トランペットのコラールと、その後に続くティンパニの強打がカッコいい。







もう1曲。ウェーバーのオペラの序曲で最も壮大かつ有名なのが「魔弾の射手」であるが

(冒頭のホルンの四重奏は、讃美歌になっている)、その次に有名なのが、このオベロン序曲である。

2分40秒ぐらいまで退屈に思えるかもしれないが、主部に入ると躍動的な音楽になる。


歌劇「オベロン」序曲







曲の冒頭がホルン・ソロで始まる。特別に技術的に難しいことはないが、

ここで間違えたら、全てがぶちこわしである。また、再生開始後約1分20秒。

トランペットの弱音の「ファンファーレ」があるが、弱音であるが故に気を使う。ここも間違えたら、

曲の神秘的な雰囲気が台無しとなる。簡単そうで緊張する。


◆キリが無いので、多少、端折ります。モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」、ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」

本当にスイトナー氏を色々聞きたかったら、CDボックスが何種類か出ていまして、それが割安なんですが、

さすがにここではお薦めしにくいので、まず、モーツァルト。


交響曲第35番「ハフナー」、36番「リンツ」、38番「プラハ」をシュターツカペレ・ドレスデンと録れたCDがあります。

交響曲第35番、第36番、第38番 スイトナー&シュターツカペレ・ドレスデン です。

この中から、第38番「プラハ」変則的でして、第3楽章に普通メヌエットをおくのですが、それが無い。全部で3楽章の交響曲です。

その終楽章(第3楽章)です


モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」終楽章







最後です。ドヴォルザークの序曲「謝肉祭」という作品があります。

あまり演奏されない気がします。以前、レコード時代には、ドヴォルザークの交響曲第8番とカップリングされていた、

ジョージセル・クリーブランド管弦楽団の名演がありましたが、CD化されたら、交響曲7番と8番がカップリングされ、

セル=クリーブランドによる「序曲:謝肉祭」はなくなってしまいました。あれも名演でしたが、

スイトナー=シュターツカペレ・ドレスデンの「新世界より」とカップリングされている。

交響曲第9番『新世界より』、序曲『謝肉祭』です。 スイトナー&シュターツカペレ・ベルリン 序曲「謝肉祭」は、

録音技術の進歩もあるのでしょうが、オーケストラの各パートがはっきりと分離して聞こえ、非常に厚い響きの

別の種類の名演です。


ドヴォルザーク:序曲『謝肉祭』作品92





あれこれ詰め込んでしまいました。まだ本当はスイトナー氏のベートーヴェンなどご紹介したいのですが、

それはまた別の機会に。それでは、失礼をいたします。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.15

【追悼】オトマール・スウィトナー氏(指揮者)(その1)

◆記事:オトマール・スウィトナー氏死去=オーストリアの指揮者(1月12日6時40分配信 時事通信)

オトマール・スウィトナー氏(オーストリアの指揮者)11日のDPA通信によると、8日、ベルリンで死去、87歳。

インスブルック生まれ。60年に東独のドレスデン国立歌劇場(現ドイツ・ザクセン州立歌劇場)の音楽監督に就任。

64年から90年までベルリン国立歌劇場で音楽監督を務めた。73年からNHK交響楽団の名誉指揮者。


◆コメント:私が生まれて初めて買ったクラシックの「LPレコード」は、スウィトナー氏でした。

既に定年で退団し、しかし、今もエキストラとして、つごう30年以上もN響でヴァイオリンを弾いている方が、

ご自分のサイトをお持ちで、毎日生真面目な日記をつけておられます。

その方が昨年あたりから、何度も書いておられることで全く同感なのは、昔のN響は本当に贅沢で、

毎月のようにヨーロッパの一流指揮者が指揮台に立っていたのです。

NHK交響楽団 | メンバー 指揮者に、名を連ねている歴代の名誉指揮者です。

私がオーケストラに興味を抱きはじめた頃のN響の「常連名誉指揮者」といえば、

ウォルフガング・サヴァリッシュ、オットマール・スウィトナー、ロヴロ・フォン・マタチッチ、ホルスト・シュタインの各氏、

少し遅れてブロムシュテット氏、というところ。

カイルベルト氏や、ウィルヘルム・ロイブナー、ウィルヘルム・シュヒター(←この方が特にN響を鍛えたのです)氏の時代は、

残念ながら、まだ音楽に興味を持っていなかったか、私が生まれる前のことです。

当時は、今月がスウィトナー、来月サヴァリッシュ、再来月ホルスト・シュタイン、なんて当たり前と思っていて、

その真価が分からないまま、漠然と聴いていましたが、今思うと、ものすごく有難いことだったのです。

一度では、スウィトナー氏の真価を紹介することなど出来ないので、何回かに分けて書きます。


◆元・N響事務長、長谷恭男(はせ・たかお)氏の「斜めから見たマエストロたち」より。

この、指揮者全盛期のN響で事務長をつとめ、ステージの袖から名指揮者たちを見て、

来日時の世話をしていた長谷恭男という方の著書、「斜めから見たマエストロたち」は、

これら名指揮者を間近で見てきた方ならではのエピソード満載で、私と同じ年代以上の方で、

あの頃生でもテレビを通してでも、N響で色々な音楽を聴いた方々には、大変面白い本です。

この本の「オトマール・スウィトナー(Otmar Suitner)の章から抜萃させて頂きます。

スウィトナー氏は1922年、オーストリアの美しい町、インスブルックで生まれた。(略)

初めは郷里のインスブルックの音楽院に学んだが、更にザルツブルクに出て、モーツァルテウム音楽院でピアノと指揮を学んだ。

この学校で指揮を習った師は名指揮者クレメンス・クラウスで、このことがスウィトナー氏の人生を決定づけたのである。

彼はチロル地方で合唱の指揮などをやったあと戦後はピアニストとして活躍を始めたが、

クレメンス・クラウスの強い勧めで指揮者に転向、1970年ドレスデン国立オペラの音楽総監督となって、ヨーロッパにその名を知られた。

65年(引用者注:時系列的に前後するが、原文のまま)には由緒あるベルリン国立オペラの総監督となり、

さらにウィーン音楽院では、名教授H・スワロフスキー氏の後を受けて指揮科の教授を務めている。



N響がスウィトナー氏を初めて招聘したのは1971年の12月で、その悠揚たるスケールの大きい音楽はたちまち聴衆の人気を集め、

73年には(引用者注、N響)名誉指揮者の称号が贈られた。爾来、毎年のようにN響を指揮する他、

ベルリン国立オペラの上演や、そのオーケストラの指揮者としても度々来日しており、

日本の愛好家にとって、極めて親しい指揮者になっている。

人柄は極めて温和で怒った声を聞いたことがない。オーケストラの練習で、演奏がうまくいかないと、

「困ったな」という表情をし、鼻の脇を人差し指で擦る癖があって、こうなるとオーケストラの方が恐縮して、

「何とかしないと気の毒」と思うのである。



ウィーン音楽院の名物教授スワロフスキー氏が亡くなり、後任としてスウィトナー氏に白羽の矢が立って、

就任依頼があったのに氏は良い返事をせず、放っておいた。

業を煮やした当局は、オーストリアの文部大臣から来日中のスウィトナー氏に国際電話をかけてもらい、氏を説得した。

その翌日、スウィトナー氏はN響に来て、有馬副理事長に「あまり気が進まないが、どうしようか?」

と相談を持ちかけたのである(引用者注:有馬副理事長とは、後のN響理事長有馬大五郎氏。完璧なドイツ語を話し、

若い頃ウィーン音楽院で作曲・音楽理論を勉強した人。同級生にヘルベルト・フォン・カラヤンがいた。

有馬氏が亡くなった時、カラヤンからは非常に丁重な長い弔電が届いた)。

驚き呆れた有馬先生に「そんな良い話を断る奴があるか」と云われてやっと承諾したのである。

天下のウィーン音楽院指揮科の主任教授という貴重なポストである。普通なら、あの手、この手の策を弄し、

就任運動をする人もあるというのに、スウィトナー氏はそんな名誉欲はさらさら無いらしい。

誠に醇朴なチロルの山男である。


◆最初に買ったレコードは後にします。YouTubeで見つけた、ブラームス交響曲第一番終楽章。

上の長谷氏の文章に、「1970年ドレスデン国立オペラの音楽総監督となって、ヨーロッパにその名を知られた」

とありますが、ドレスデン国立オペラの管弦楽団を、「シュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン歌劇場管弦楽団)」といいます。

ベルリンフィルのような派手さは無いけれども、極めて由緒ある、深い響きを誇るオーケストラです

(いぶし銀のような、という形容がシュターツカペレ・ドレスデンを評する時の常套語句です)。

そのシュターツカペレ・ドレスデンとの1988年来日公演(サントリーホール)での、

ブラームス交響曲第1番のフィナーレが二つのファイルに分かれてアップされています。

スウィトナー氏の棒には、決して派手さとかカッコ良さはありませんが、

そもそも、そういうことは、この指揮者の発想にないのです。

オーケストラの音の豊かさを虚心坦懐に聴きましょう。


ブラームス/交響曲第1番 第4楽章(Part1)





ブラームス/交響曲第1番 第4楽章(Part2)





どうでしょうか。勿論、シュターツカペレ・ドレスデンは素晴らしい。

N響との映像が見つからないのが残念ですが、これは私の私的な思い入れです。

次回は、スウィトナー氏のエピソードの続き。

本当の指揮者とはどういうことが出来て当たり前なのか、が分かります。

それでは。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.01.13

「<ハイチ大地震>『300万人が被災』…国際赤十字推計」←「邦人に犠牲者無し」で、極端に無関心になるのは日本人の悪い癖だ。

◆記事:<ハイチ大地震>「300万人が被災」…国際赤十字推計(1月13日21時35分配信 毎日新聞)

カリブ海の島国ハイチで12日夕(日本時間13日朝)に発生したマグニチュード7.0の地震で、

国際赤十字(本部・ジュネーブ)の広報担当者は13日、首都ポルトープランスを中心に被災者が300万人に達するとの推計をAP通信に明らかにした。

全人口の3割強に相当する。捜索は難航し、数千人ががれきの下敷きになっているとの情報もある。

広報担当者によると、現地の通信状態が極めて悪いため、被害の概要把握に24~48時間かかるという。

一方、地震は国連ハイチ安定化派遣団(約9000人)本部にも深刻な被害を与えた。ロイター通信によると、

派遣団を構成するブラジル軍から多数の行方不明者が出ており、少なくとも4人の死亡が確認された。

中国とヨルダンの当局者も自国部隊から死者や行方不明者が出たと発表した。

また、フランス政府当局者によると、首都で観光客に人気の高いモンタナ・ホテルが崩壊、約200人が行方不明になっている。

13日までに赤十字のほか、フランスやイタリアが捜索、医療団の派遣を決めたほか、ベネズエラは食料や飲料水を輸送する。


◆記事2:ハイチ地震への支援検討=官房長官(1月13日17時4分配信 時事通信)

平野博文官房長官は13日午後の記者会見で、カリブ海のハイチで起きた地震について

「邦人の被害が出ているという情報にはまだ接していない」と述べた。

また、「(現地の)被害はかなり甚大だ。外務省を中心に、具体的にどういう支援ができるか検討するよう要請している」と語った。


◆コメント:日本人に被害が出ていなければ、極端に無関心になる。日本人の悪い癖だ。

日本のメディアでは、現地の様子がよく分からない。BBCのニュース・サイトが写真を載せている。

英語が読めなくても写真を見れば、どれ程の被害か一目瞭然だろう。

In pictures: Haitian earthquake

少しは英語だって読めるだろう。中学出ているなら。

このページは情報が最新情報に自動更新される。リロードする必要なし。

LIVE: Haiti earthquake

試しに、Twitterでこれらの情報を流してみたが、若い人たちは、恐ろしいほど無視している。

マスコミも世間も、他国の災害に、日本人が巻き込まれていない、と分かると、極端に無関心である。

私は、日本人の悪い癖だと思う。


テロ特措法の頃から、自衛隊を海外に派遣するのは「国際貢献」なのだ、という論理が横行している。

あれは、交戦中の同盟国に対する後方支援で、広義の集団的自衛権の行使に該当し、違憲である。

私は、自衛隊のイラク派遣が決まった時から、特に、ずっとそれを繰り返し述べてきた。

司法も同じ判断を下している。
2008年04月17日(木) 「自衛隊イラク派遣に違憲=兵士空輸「武力行使と一体」-名古屋高裁」←私は4年以上前から繰り返し違憲だと書いてきた。ココログ

憲法解釈の話は今日は直接関係ないからこれ以上触れない。

ただ、「国際貢献」という言葉を自民党政権の頃も民主党も「伝家の宝刀」の如く

振り回すが、人殺しの手助けをすることが国際貢献だとは到底思えない。


どうして、今日のハイチのような災害が起きたら、ただちに自衛隊を派遣する

と言えないのか。官房長官が記者会見で、「支援も検討」と述べているが、検討するとは、

支援しないかも知れないということではないか。ごちゃごちゃ言ってないで、さっさと派遣しろ。


◆2004年12月26日のスマトラ島沖地震の後、米軍が救援物資を輸送した。彼らが何と言ったと思います?

スマトラ島沖地震のときは、自衛隊が派遣されたが、あの人殺しの好きなアメリカの軍隊も救援物資の輸送に従事した。

そのとき、米軍ヘリ搭乗員らは

イラク戦争より、はるかに満足できる

と言った。艦載ヘリの女性パイロットは
ここでは破壊じゃなくて人助けをしている

と意気盛んだった。

ある男性航空兵は
僕の人生でこんなに意義深いことはほかになかった

と感激の涙をこぼした。

これらのエピソードは、
2005年01月05日(水) 「『戦争より遙かに満足』救援活動に従事する米兵。」ココログ

に書いた。人間は、人を殺すよりも、人を助けるときに喜びを感じる、というあまりにも当たり前のことだ。

これらは、アメリカ軍人のエピソードだが、自衛官とて、同じに決まっている。

こういう時に、世界のどこよりも早く助けに駆けつけて「国際貢献」することこそ、「国際社会において名誉ある地位を占める」

ことだと思いますがね(因みに憲法前文に載っている言葉だ)。

鳩ポッポ総理は、例によって無表情で、全然そんなことを思い付かないようだ。

私の記憶が間違っていなければ、鳩山内閣総理大臣の政治の中核を占めるのは「友愛」「博愛」だったように思うが・・・。

多分私の記憶違いであろう。


◆個人の自由だが、今、目の前のパソコンから、募金可能だ。

過去に紹介したが、ネット募金は簡単にできる。

インターネット募金「ハイチ地震救援金」 - Yahoo!ボランティアである。

説明を読めば誰でも分かるが一番最初は、Yahoo!ウォレットに、カードを登録するので、そこだけやや面倒かも知れない。

一度登録すれば、いつでも募金出来る。「ハイチ地震救援金」は、1口500円から。壁紙(その壁紙はどうでもよいのである)を

購入する代金が、募金になる。「カネを少しばかり出して、良いことをしたつもりになっている」という奴がいるが、

こちらが額に汗して稼いだカネである。それを少額ながらも、困っている人たちに使って貰おうとする。

何もしないより、遙かにマシだ。休暇を取って、ハイチに行ったって、何も出来ないだろう。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「武器輸出三原則、見直しを=北沢防衛相」←北沢さん、自分の党の「民主党安全保障基本政策」って読んだことある?/【音楽】

◆記事1:武器輸出三原則、見直しを=北沢防衛相(1月12日13時44分配信 時事通信)

北沢俊美防衛相は12日午後、都内の会合であいさつし、海外への武器輸出を禁じた政府の武器輸出三原則に関し

「わが国とすれば、そろそろこういうものについても、基本的な考え方を見直すことがあってしかるべきだ。

しっかり鳩山内閣の中で議論しながら考えていきたい」と述べ、緩和を検討すべきだとの認識を明らかにした。

年末に予定される新たな防衛計画大綱や次期中期防衛力整備計画(中期防)の取りまとめの中で、

検討課題となる見通し。ただ、党内には見直しに慎重な声もある上、連立を組む社民党の反発も予想される。


◆記事2:安保政策で混乱再び=「口軽い」防衛相に不快感-鳩山首相(時事通信)(2010/01/12-21:43)

武器輸出三原則という安全保障の重要方針をめぐり、鳩山由紀夫首相と北沢俊美防衛相の認識の違いが12日、表面化した。

18日召集の通常国会で野党側は、同様に首相と閣僚の発言の違いから迷走した米軍普天間飛行場移設問題とともに、

追及するのは確実。政府は新たな不安材料を抱えた。

「武器輸出三原則は堅持すべきだ。(北沢氏は)多少口が軽すぎた」。

首相は12日夕、三原則の見直しを提起した北沢氏の発言を直ちに打ち消した。

首相自身、かつて政権獲得後に三原則を見直す考えを示していたが、就任を機に持論を封印した。

素早く対応したのは、見直しには社民党の反発が予想され、

普天間に続き政権内をぎくしゃくさせたくないとの判断もあったとみられる。

実際、同党の福島瑞穂党首(消費者・少子化担当相)が記者会見で、

「どうしてそういう発言が出てくるのか全く理解できない」と北沢氏を厳しく批判。

重野安正幹事長は記者団に「そういう流れは一貫して(民主党の)底流にあるのだろう」と不信感をあらわにした。


◆用語解説:武器輸出3原則

1967年に佐藤内閣が

(1)共産圏諸国

(2)国連決議で禁止した国

(3)紛争当事国―

への武器輸出を認めないと表明したのが始まり。76年に三木内閣がその他の国にも拡大適用し、

事実上の全面輸出禁止となった。83年に米国への武器技術供与を例外扱いすると決定。

2004年にはミサイル防衛の日米共同開発・生産も例外としたほか、テロ・海賊対策支援は

「個別の案件ごとに検討する」として容認に道を開いた。

海賊対策では06年にインドネシアへの巡視船艇3隻の供与を決定した例がある。


◆実質形骸化しかかっているからと言っても、よりによって防衛大臣が言い出すとはねえ。

なんだか、この頃、現政権の穴ぼこだらけの体制、つまり一貫性の無さ、とか、

鳩山首相の求心力の無さ、などに関して、いちいち論ずるのも馬鹿臭い。

はじめに用語解説を書いたが、その中で触れられているように、武器輸出3原則は、実質形骸化しているところがあります。

しかし、だからといって、こういう大事なことを内閣総理大臣も知らないうちによりによって防衛大臣が発言してしまい、

あとから首相が聞いて、防衛大臣の発言を否定したって、そういう意見が民主党内に元々あるからポロっと言ってしまうのでしょうね。


まあね。武器をどんどん世界中に売りまくれば、総需要が喚起されて、不景気から抜け出せるかもしれませんね。

人殺しの道具を世界に売り付けてでも景気が良くなれば良い、と言う方針なら、はっきりそういったら?総理も?

防衛大臣や防衛族の国会議員のセンセーたちは、軍需産業から、さぞや沢山のリベートを受け取って私腹を肥やせるでしょうし、

防衛省の連中は、今でも十分だけど、天下り先でさぞや優遇されるでしょうなあ。それでいいのかね。


民主党には、日本の安全保障体制に関する党の見解を明文化した、「民主党安全保障基本政策」という文書があるのです。

リンク先をご覧になれば一目瞭然、民主党のサイトにも載っていますね。


この中に、II日本国憲法についての基本的考え方という章があります。

その、(6)を抜萃します。
(6)防衛政策の原則

戦後半世紀を経て、憲法の平和主義のもとにおける以下のような防衛政策の原則が確立されてきた。即ち、

1.個別的自衛権の行使を超えた海外における武力行使は行わないこと

2.専守防衛を堅持すること

3.個別的自衛権行使のための必要最小限度の実力を保持すること

4.集団的自衛権を行使しないこと

5.核・化学・生物兵器等の大量破壊兵器を保持しないこと

6.自衛権発動については三要件(急迫不正の侵害があること、他に適当な手段がないこと、必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと)に該当する場合に限られること

7.徴兵制を採用しないこと

8.文民統制を維持すること

9.武器輸出三原則

10.非核三原則

などは国会審議を通じて確立した原則である。民主党はこれらの諸原則は現時点においても尊重されるべきであると考える。

(注:色太文字は引用者による。)

ね?もうあまり説明は要らないと思いますが、民主党は
武器輸出三原則は現時点においても尊重されるべきだ

と、公式に表明しているのです。「民主党安全保障基本政策」が採択されたのは、1999年06月24日ですが、それから1度も変えていないのです。

そして、この「民主党安全保障基本政策」を民主党の公式サイトに掲げ、全世界の日本語が分かる人が読める状態で政権を取ったのです。

政権を取った後で、よりによって防衛大臣が、内閣で話し合った訳でもないのに、
「武器輸出三原則を見直す時期に来ている」

と。要するに日本も「死の商人」になって儲けるべきだ(とまでは北沢防衛相は発言していませんが、結果的にそうなります)

という趣旨の発言を、個人の意思で行ったのです。大問題です。


鳩山さんもねえ。しっかりしてくださいよ。
「口軽い」防衛相に不快感

って、「不快感」は時事通信が後からつけた言葉でしょうけど、愉快とか不愉快の問題じゃないです。

問答無用で防衛相を更迭すべきです。

こういうときにスパッと決められないからナメられる訳です。こういう時にただちにクビにすれば、

武器輸出三原則堅持派も、反対派もマスコミも、国民も多少は「オッ」と見直すんですが、ダメですね。


◆【音楽】この場で、御質問にお答えします。トランペットとオルガンの音楽。

読者の方からメールを頂戴しまして、その方には別途メールにて返信させて頂きますが、

他の方にもお聴き頂きたいと思いまして、この場を使わせて頂きます。

その方のご質問は

20年近く前にNHKのラジオ番組でバッハの平均律だかフーガだかをトランペットとオルガンで演奏した録音を聴き、

大変気に入ったが、誰が演奏した、どのレコード(CD)か分からない。なんとか、見当がつかないものだろうか?

というご趣旨でした。

トランペットとオルガンは、良く合う組み合わせですが、平均律をそのままラッパで吹いているのは無いと思うのですね。

で何となくピンと来たのは、モーリス・アンドレが、バッハの無伴奏チェロ組曲4番のブーレをトランペットで吹いたのがあるのです。

まず、ヨーヨーマのチェロ(派手なパッケージですねー)で無伴奏チェロ組曲第4番ブーレの原曲をお聴き下さい。



バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番ブーレ 







この曲の何と言いますかね、躍動感に目をつけたのか、モーリス・アンドレという、

フランスの天才的トランペット奏者が、オルガン伴奏に編曲したものを吹いています。

先ほどより、少しボリュームを絞った方がいいと思います。

バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番ブーレ(トランペットとオルガン)







これじゃないでしょうかね。そうだといいのですが、これは、簡単に買えます。

トランペット・ヴォランタリー(トランペットとオルガンのための音楽) です。



全然音域が変わってしまいますが、これはこれで素晴らしい演奏です。


或いは、このアルバムに入っている、バッハのカンタータ第68番「かくも神は世を愛したまえり」-アリア「信じ待つわが心よ」

かも知れません。カンタータというのは管弦楽と歌のソロ及び合唱の為の教会音楽です。まずはオリジナル。

これは、ヘルムート・リリングという指揮者による、

Cantatas.68-70: Rilling / Stuttgart Bach Collegium Ensembleに収録されている、

「かくのごとく神は世を愛したまえり」(Also hat Gott die Welt geliebt)BWV 68の、 Aria and Ritornello: Mein glaubiges Herzeというアリアです


カンタータ第68番「かくも神は世を愛したまえり」-アリア「信じ待つわが心よ」(原曲)







これは、無論美しいのですが、トランペットとオルガンにすると随分、印象が異なります。


カンタータ第68番「かくも神は世を愛したまえり」-アリア「信じ待つわが心よ」(Trp.& Organ)







このあたりではないでしょうか。このCD、他の曲もAmazonで試聴出来ますので、

お聴きになって見ては如何でしょう。

違ったら、おっしゃって下さい。メールでは別途返信させて頂きますが、

折角ですので、皆さんにもご紹介しようとおもいまして。

それでは、失礼を致します。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.12

日航の法的整理はきまりですが、どういう危険があるか、政府から国民に説明して欲しいですね。

◆記事1:日航法的整理へ 政府、透明性を重視(2010年1月8日 読売新聞)

日本航空の経営再建で、政府が「法的整理」に向けて大きくかじを切ったのは、裁判所の関与で厳格な手続きを進める方が、

国民に対して説明責任を果たせると判断したからだ。ただ、運航などへの影響を懸念する声は根強く、流動的な面も残されている。

今回の再建計画では、一民間企業の日航に、企業再生支援機構を介して3000億円の出資や4000億円の融資など

巨額の公的資金を投入することが想定される。仮に再建が失敗して国民負担が生じれば、政権の責任問題となる。

このため、政府としては、主要な債権者による話し合いではなく、裁判所が介在するという「透明性」を最重要視した。



支援機構も、金融債権のカットに限られる私的整理ではなく、簿外のリース債務なども幅広く対象に入る法的整理で

「過剰債務状態の日航をより身軽な状態にすることを望んでいる」(関係者)とみられる。

支援決定から原則3年間で、日航を抜本的に再生させなければならないからだ。

一方、金融機関側は「“倒産”の印象が強い法的整理では乗客が他の航空会社に流れ、

再建が遠のくだけ」として、私的整理による再建をぎりぎりまで主張する模様だ。

日航の事業価値が棄損してしまえば、債権放棄後に残った融資が再び不良債権となり、

追加の損失が発生しかねない。

「機構は、日航の経営が2年で回復軌道に乗るという甘いシナリオを描いている」(金融関係者)との不安も漏れる。


記事2:日航再建、土壇場でも溝 3メガ銀、減資含む私的整理案(NIKKEI NET)(1月7日 10:35)

日本航空の再建協議が大詰めを迎えるなかで、関係者の綱引きが激しさを増している。

取引銀行である3メガ銀は減資含みの私的整理案を7日までに策定。

事前調整型の法的整理を主張する企業再生支援機構や財務省とはなお深い隔たりがある。

再建策の行方は日航の企業年金減額に退職者の同意を取り付けられるかどうかに左右されるとの指摘もあり、

回答締め切り日の12日が次のヤマ場となる。 

▼目的地に行けない、日本に帰れない。1日平均1000~2000人強の欧州線利用者の大半がアフリカを含む現地で足止めも

▼他社便への予約変更ができず、航空券の再購入が必要に

▼手荷物が受け取れない

▼ジャルパックのツアーがキャンセルに……。

三菱東京UFJ銀行、みずほコーポレート銀行、三井住友銀行の3メガ銀による日航法的整理のシミュレーションには

驚くような事態が並ぶ。あくまでも法的整理を回避したい3メガ銀の危機感の裏返しと読める。(10:35)


◆コメント:政府は法的整理を決めたなら、大反対していたメガバンクのシミュレーションを明かして、説明して頂きたい。

先日から散々法的整理、私的整理という言葉が流れていますが、

法的整理=会社更生法や民事再生法などを裁判所に申請し、法律に基づいて再建を進める。裁判所主導のため透明性が高い。

私的整理=金融機関など主要債権者間で、任意に協議し、債権放棄額などを調整する手法だ。

ということになります。要するに裁判所が介入するか、当事者(銀行とJAL)の話し合いで何とかするか、

という違いです。私的整理は散々、3メガバンクとJALが話し合ったけれども、拉致があかない。

しかたがないから「お上」が介入する、と決められてしまいました。

記事にも説明がありますが、法的整理で適応されるのは会社更生法が、民事再生法ですが、後者は、

どちらかと言えば中小企業の時に適用を申請するのです。JALのような大企業だと、当然会社更生法の適用を申請する。

すると、これ、滅茶苦茶手続きが面倒臭いのですが、兎に角裁判所が選んだ、「管財人」のもとで立て直しを図る。

民主党ってのは、選挙のころから、なんでも「ディスクロージャー」(情報開示)ということを重視していましたから、

分からない訳ではないのですが、裁判所が介入すると何でも出来てしまうのですね。

早くも11日には、100%原資というニュースが流れました。
◆記事:支援機構、JAL100%減資と上場廃止検討=関係者(1月11日22時54分配信 ロイター)

本航空(JAL)<9205.T>の再建を準備している企業再生支援機構は、

会社更生法を活用した事前調整型の法的整理を利用するのに伴い、100%減資を実施し

JAL株の上場維持を断念する方針となりつつある。関係者が11日明らかにした。(以下、略)

これは、どういう事かというと、株主の権利よりもまず、債権者の権利を重視し、株主の権利は消滅させる

ということです。日航に融資していた銀行は、巨額の債権放棄を強要されるだけでなく、

皆、日航株を保有していましたから、この株が紙屑になる、ということですので、更に巨額の評価損が出る。

法的整理で管財人の元で整理が行われれば、確かに「透明性」は確保出来ますが、金融不安を呼ぶおそれがあります。


私が気になっているのは、記事2で触れている、

メガバンクが、政府に示した、法的整理を実行した場合のシミューレーション、です。

金融機関には航空機金融の専門家がいて、こういうことは餅は餅屋で極めて詳しいのです。

決して「脅迫」ではない、と思います。しかし、政府は国民に説明していませんよね?
銀行のシミュレーションによれば、法的整理を実行した場合、
▼目的地に行けない、日本に帰れない。1日平均1000~2000人強の欧州線利用者の大半がアフリカを含む現地で足止めも

▼他社便への予約変更ができず、航空券の再購入が必要に

▼手荷物が受け取れない

▼ジャルパックのツアーがキャンセルに……。

など「驚くような事態が並ぶ」と、日経も書いている、まだまだ、銀行はリスクを説明したはずです。

しかし、政府は、銀行から説明を受けているのに、その内容を全然国民に伝えていない。

法的整理にしても私的整理にしても、企業再生支援機構から公的資金が日航に注入される。

それは国民の税金です。

法的整理を続けた場合、どのような具体的リスクが、JAL利用者に及ぶのか、

3メガバンクから受けた説明を明らかにして欲しいと思います。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.11

【再訂正済】【音楽】ヴァイオリニスト ジェームズ・エイネス氏のすすめ(その3。)

◆私は見なかったのですが、1月10日(日)、「題名のない音楽会」にジェームズ・エイネス氏が出演したそうです

私は、ずいぶん前からカナダのヴァイオリン奏者、ジェームズ・エイネス(James Ehnes)という人のことをご紹介してます。

非常に優れた才能と技巧と音楽性を兼ね備えたヴァイオリニストで、とっくに世界的に名を知られていてもおかしくない。

ところが、少なくとも日本では殆ど全くと言って良いほど知られていない。

ごく一部の、ヴァイオリン音楽を特に好む方が御存知なだけです(素人の世界では)。


録音は沢山あるのですが、いずれもカナダ等の、かなり、又は非常にマイナーなレーベルに

録れているので、国内版がなく、輸入盤を抵抗なく買う人じゃないと見つかりにくいということも

あるでしょう。今日「題名のない音楽会」に出たそうで、その様子は分かりませんが、

ジェームズ・エイネス氏の才能に、「お!」と思った方がいらっしゃることを祈って、

本日はジェームズ・エイネス氏の演奏ばかりを取りあげます。


しばしば、書いておりますが、かなりの数のファイルを載せますが、「順番に」「全て」聴いて頂く

必要は、全くありません。適当に、好みに合いそうなものをお好きな順番でお聴き下さい

(勿論、全部お聴き頂ければ大変嬉しいのですが)。


◆私が最初に知ったのは、バッハの無伴奏をたまたま聴いたときです。

バッハが作曲した、「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」は3つのソナタと3つのパルティータがあり、

それぞれが、何曲かから構成されてます。ここに載せるのをどれにするか迷います。


ただ、私が一番最初にジェームズ・エイネス氏をたまたま聴いて、非常に見事な演奏に関心したのは、

パルティータ第2番のジーグという曲でして。何度も載せましたが、毎日当サイトには一見さんがいらっしゃいますし、

クラシックは何度も聴くのが当たり前なので、又載せます。

なお、エーネス氏のバッハ無伴奏は、輸入版ですが、タワーレコードで買う方がAmazonより安いです。

ただし、これ以降ご紹介するCD全て、タワーレコードが一番安いとは限りませんので、

Amazon、HMV、タワーレコードを送料を勘案の上(Amazonは1,500円以上送料が無料ですから)、

お買い求めになる(方は)ことをお薦め致します。

J.S.Bach: Six Sonatas and Partitas for Solo Violin / James Ehnes



無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 BWV1004より、「ジーグ」






同じバッハの無伴奏から、ソナタ第1番、一番最初のアダージョ。

ヴァイオリニストが新しい楽器を試したり、何かとにかく弾いてみてくれ、と素人に言われると、

これを弾くことが多いような気がします。いきなり重音から始まります。真面目な音楽です

(はっきりいえば、堅苦しい、ということです。ご承知おき下さい)。


無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調 BWV 1001 アダージョ







無伴奏からもう一つだけ。


無伴奏ヴァイオリン パルティータ第1番 ロ短調 BWV 1002 第7曲 Tempo di Borea







◆バッハのチェンバロ(ピアノ)伴奏付きソナタから1楽章だけ。

バッハ→ヴァイオリン→ソナタというと、上に挙げた無伴奏をまず、連想するのですが、

伴奏付きソナタもバッハは書いているのです。ちょっと無伴奏に隠れて陰が薄いのですけど、

私は好きですね。エーネス氏のCDならば、<ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ集第1集>です。

その中から、第1番 ロ短調 BWV 1014の終楽章、アレグロを。


ヴァイオリン・ソナタ第1番 ロ短調 BWV 1014 より第4楽章アレグロ。






無伴奏よりも大分、聴いていて、楽ですよね。


◆クライスラー小品集

自らも天才的ヴァイオリニストであった、クライスラーという人は、「これぞ、ヴァイオリン」

というような小品をいくつも作曲しています。後年の、「大」作曲家のソナタなどに比べたら、

1曲の演奏時間は遙かに短いのですが、だからといって、弾くのは簡単かと思うと、とんでもないそうです。

こういう「小品」を小粋にすっきりまとめるのは、プロでも大変だそうです。

なかなか、クライスラーの自作自演盤に匹敵する名演奏、名録音はありませんが、エーネス氏の、

愛の悲しみ/愛の喜び/美しきロスマリン/他 ジェームズ・エーネスはいいですね。

まず、お聴きになれば御存知と思いますが、「美しきロスマリン」です。


クライスラー:「美しきロスマリン」







こういうのは、バッハのように一定のテンポで生真面目に弾いたら、あたかも芝居におけるセリフの

「棒読み」のようになり、聴き手に何の感興ももたらしません。お聴きのとおり、テンポを適度に変化させる

ルバート(テンポ・ルバート)ということをしますが(種類は違いますけど、ショパンのピアノ曲なども同様です)、

これは、演奏者の趣味、センスがモロに出ます。全くやらないと「棒読み」、やり過ぎると「くどい」。

難しいですね。エーネス氏のセンス、ちょうど良いとおもうのです。適度な遊び。非常に品が良いです。もう1曲。


タルティーニという作曲家による、「コレルリの主題による変奏曲」という作品があります。

全部まともに弾いたら、ものすごく時間がかかるので、クライスラーが編曲して、その「超ダイジェスト版」にしました。

これだけでも、十分見事です。


コレルリの主題による変奏曲







良い曲でしょ?「コレルリの主題」がそもそもよいのですが、演奏も文句の付けようがありません。


◆ヴィエニアフスキーという作曲家がいます。

ヴァイオリンのショパン、などと云われる作曲家、ヴィエニアフスキーは、自分が天才ヴァイオリンニストですが、

多くのヴァイオリニストの貴重なレパートリーになるような、名曲を沢山作曲しています。

エーネス氏のCDは、Violin Works: Ehnesです。

1曲だけ。「スケルツォ・タランテラ 」という4分半ほどの曲ですが、如何にも難しそう。


スケルツォ・タランテッラ ト短調 Op. 16





目が回りそうな難しさですね。


◆パガニーニ:24のカプリースから第24番

ヴァイオリンの奇才、自ら超絶技巧の持ち主のパガニーニが無伴奏ヴァイオリンの為に書いた24曲は、そのどれもが、

高度な技術をもとめられますが、一番最後の第24番は、変奏曲形式になっており、主題には多くの作曲家が触発され、

「パガニーニの主題による~」はラフマニノフをはじめ、色々な作曲家が書いています。

CDはこれです。24のカプリース エーネス(2009)


パガニーニ:24のカプリース Op. 1より第24曲






並の難しさではない、ということは、たとえヴァイオリンに触ったことすら無い人でも、容易に想像出来る、と思います。


◆サン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」

「動物の謝肉祭」の「白鳥」は、チェロを習い始めた人なら、いつかはきっと、と思うような名曲ですが、

フランスの作曲家、サン=サーンスはヴァイオリンにも名曲を残してくれました。

これは、とにかく「カッコイイ」んです。お聴きになればわかります。

CDは、<フランス傑作集>サン=サーンス/ショーソン/他作曲家 ジェームズ・エーネスです。


序奏とロンド・カプリッチョーソ イ短調 Op. 28







CDでは編集でどうにでもなりますが、エーネス氏、多分生で聴いても、恐ろしいぐらい楽器がよく鳴っている

だろうと思います。何でも弾けますね。この人。


◆これは長いですから、体調が良いときに。バッハ「シャコンヌ」

冒頭にいくつかご紹介した、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ。

パルティータ2番の中の1曲である「シャコンヌ」。

ある音楽評論家は「西洋音楽2000年の歴史における、最高傑作だ」、とすら書いていました。

但し、こういう音楽は、こちらにもエネルギーが必要です。

音楽を聴くのは、一見、受動的行為で何もしないので、エネルギーなど関係無いだろうと思われるかも

知れませんが、それは違います。音楽を聴くにはエネルギー(体力)が必要なのです。


それでは、最後に、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番から、「シャコンヌ」です。

全部聴くのに15分以上を要します。


バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 BWV1006 シャコンヌ







わずか4本の弦しか持たない、一本のヴァイオリンで、

これほど、形而上学的なものを感じさせる音楽が演奏出来るのですね。

そういう曲を書いたバッハは「天才」という言葉だけでは表現出来ない、特別の存在であるように感じます。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

続きを読む "【再訂正済】【音楽】ヴァイオリニスト ジェームズ・エイネス氏のすすめ(その3。)"

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2010.01.09

元旦の毎日新聞に宮本文昭さん・笑里さんの特集が載っていました。昨年のNHK番組の音声も併せて。

◆昨年7月NHK教育「となりの子育て・「宮本笑里の父」を、私が記事にしたことがあります。

NHK教育テレビに「となりの子育て」という「(毎月最終週には)『有名人』に子育ての苦労を聞く」番組があります。

普段は、こんな番組を見たことはなのですけれども、昨年7月、たまたま新聞のテレビ欄で、

となりの子育て「宮本笑里の父」

という文字が目に飛び込み、慌てて、番組開始直後から録画しました。

これは、音楽番組ではないし、ご本人が承知の上で出演なさっているから、

本来私がとやかくいうことではないのですが、「宮本笑里の父」って・・・、

「世界の宮本文昭さん」に失礼ですよ(笑)、ホントはね。

まあ、細かいことは、この際、目を瞑ることにしましょう。


この番組が非常に良かったので、日記・ブログで紹介しました。
2009年07月25日(土) NHK「となりの子育て『育てた人にきいてみる~バイオリニスト・宮本笑里の父』視聴後雑感。ココログ

書いたけれど、実際に見て頂かないと、わかりませんよね?

ところが、この番組自体は、失礼ながら、テレビ界全体から見ればマイナーな番組で、再放送も無かったと思いますし

NHKのインターネット配信、NHK オン・デマンドでも放送されませんでした。

放送記録のページだけ辛うじてあります。


それで、実際に皆さんにご覧頂くのはあきらめていたのですが、

この番組をみたのか、毎日新聞が、元旦の特集(元旦の新聞って矢鱈分厚いでしょ?)の一つに、

全く同趣旨の企画がありました。父娘対談ではなく、それぞれ別にインタビューしている、

という形式まで、NHKの番組と同じです。

去年のブログで、今一つ、番組から受けた、ほのぼのした感じをお伝えできなかったので、

今日は、この新聞記事を転載し、さらにNHK番組の音声だけ録音してアップすることにします。


◆毎日新聞:親子から師弟へ:バイオリニスト・宮本笑里さん「音楽家の父の輝く姿にあこがれ」(2010年1月1日)

父と娘の関係は複雑である。時には大の仲良しで、時には距離を置いてみたり。元オーボエ奏者で音楽家の宮本文昭さん(60)と、

次女でバイオリニストの笑里さん(26)は、ある日を境に、普通の父娘から、同じ音楽の道を歩む先達と後進になった。

忙しい日々を送り、ゆっくり語らい合うこともままならない2人が、互いに寄せる思いを語った。


(引用者注:以下、宮本笑里さんへのインタビュー)

◇もう一度同じステージで

父はドイツのオーケストラに所属していたので、ドイツと日本を行ったり来たりで、家にいないことが多かったですね。

小さいころは友達に「笑里ちゃんのお父さんは、何でいつもいないの」と言われたりして、寂しいなあと思ったこともあります。

逆に、演奏会やコンサートで、オーケストラをバックにライトを浴びて、ど真ん中で演奏している父を見た時には、

他の家庭では絶対に味わえないだろうなと「お父さんって本当にすごい」と思っていました。

中学生になって、私がバイオリンを本気でやりますと決意した瞬間からは、親子から師匠と弟子という関係になりました。

父は絶対自分と同じ職業、音楽家にはなってほしくはなかったみたいですね。

自分がものすごく厳しくてシビアなクラシックの世界を味わってきたので、

子どもには音楽と関係ない職業を選んでほしいと思っていたのだと思います。

反対する気持ちは、もしかしたら今でも変わっていないのかなあということは、ときどき感じます。



デビューが決まった時は、まさかバイオリンでお仕事ができるなんて、宮本家では誰も想像してなかったので、

本当に喜んでくれました。人前で演奏できるというのは、楽器をずっと学んできた人たちにとって一番の喜びだし、

好きなことを職業にできるのは、本当に幸せなことだから、一つ一つのコンサートを大切に演奏して、

常に前向きに頑張ってほしいということを言われました。



普段の父は優しく面白い人です。話し出したら止まらなくなって、2、3時間同じことを繰り返すのは、ちょっと嫌ですけど



でも音楽のことになると、全く表情が変わる。

オーボエを演奏していた時、ステージでは自分自身を表現して、キラキラ輝いていました。

本当に音楽が好きで、大切にしているんだなあと思います。今はオーボエを吹いている姿を見られなくなって残念ですが、

指揮者として活動したり、その他の道のどれ一つをとっても本気で向かい合って音楽をやっている父を見ると、

自分も刺激を受けますし、やはり特別というか、あこがれの存在だなあと思います。

私がソロデビューする直前に、父はオーボエをやめたので、一緒に演奏したのは、ファイナルコンサートの1回だけです。

まだまだのところもありますが、そのころに比べれば、私も少し違っていると思うので、

またステージに一緒に立てたらいいなあと思っています。それが夢かもしれません。


(引用者注:以下、宮本文昭さんへのインタビュー)

◇「何があっても、おまえの一番の味方だよ」というのが理想。でも全然違う

◆初めて父親になったのは笑里さんのお姉さんが生まれた時ですね。

 --自信がなかったですね。自分がその瞬間まで子どものつもりでいたから。

笑里の姉がドイツの小学校に上がった時、先生に「僕は親として初心者なので、娘をどう育てていいか、全く自信がない」

と言ったぐらい。そうしたら「それでいいんです」と褒められた。それでちょっとだけ安心した覚えがあります。



◆育児に協力しましたか。

--妻と交代でミルクをやったり、おむつを替えたり。風呂にも入れ、哺乳(ほにゅう)瓶を消毒するとか、

一応やりました。自分が子どものころ、親に「おむつのころから知ってるんだから、生意気言うな」と言われ、

腹が立ったことがありますが、今は娘に対して僕がそう思ってます。

「おまえらのおむつを替えたのはオレなんだから、グチャグチャ言うんじゃない」って。

◆どんなお父さんでした?

--普通だと思いますよ。でも、男の子を育てるように、娘2人を育てたかもしれない。

幼稚園ぐらいから「おまえもいずれ世の中を渡っていかなければいけない。

その時に、私はこれなら1人でやっていけるという一本を背中に差せるようになれ」なんて言ってましたから。

◆笑里さんは、お父さんに内緒でバイオリンを習い始めたそうですね。

--僕は、自分が親に無理やりやらされて嫌だったので、絶対に強要はするまいと思っていました。

一方で、やるからには3歳ぐらいから、楽器を触らせて本物の音を体に染み込ませるぐらいやらないと、

とも思っていたので、その時期が過ぎた段階で「やらないなら、それでいいや」と思っていたんです。

笑里はよく2代目だと言われますが、実は3代目。僕は父がテノール歌手だったので2代目、親の七光りです。

それで散々苦労したから、同じ苦労をさせるのはかわいそうだという思いもありました。

◆それなのに……。

--ある日、ドイツから帰ってきたら家の中から音がする。「何?」とかみさんに聞いたら

「笑里にバイオリンをやらせてるのよ。あなたがオーボエ、笑里がバイオリンで、週末に音楽会なんて楽しそうじゃない」って。

週末に音楽会を開く音楽家の家なんてどこにもないですよ。趣味じゃないんですから。

でも、どうせ真剣にやるわけでもないしと放っておいたんです。

◆ところが真剣にやると言い出したんですね。

--大誤算です。おまえが楽器をやっていれば絶対「親が……」というのはついて回る。

親がやってるにしては下手と言われるか、うまく弾いても親がやってるんだから普通だと言われるか。

よほど自分がしっかりしていないと、言われてクショクショとなるような境遇なんだとか。

音楽の道は、考えているほど簡単ではない、身を削って、いろいろなことをあきらめ、

捨て去らないと得られないものがたくさんある。

普通の女の子らしいことは一切できなくなるとか。散々言って聞かせ、かなり脅かしもしました。

それでもやるなら、今この時点から、親と子ではなくなるので覚悟するようにと言いました。

◆でも笑里さんは、父娘から師匠と弟子になる決断をした。

--これでこの子との楽しい思い出も終わりだなあと思いました。

でも、世の中を自分で船で渡っていく、その櫓(ろ)がこの子にはバイオリンなんだ。

よく決断したと褒めこそすれ、もう少しのんきにしたら、なんて言ってはいけないなあと。

◆厳しいレッスンをしたのですか。

--ウチは体育会系ですから、できるまで「はいダメ。もう一回。何それ、恥ずかしいと思わないの」という感じ。

ただ、教えるのは「聞いてください」と言われた時だけ。それも、時々、先生の補助で。

僕が率先して笑里をバイオリニストにするために教育したことはない。

無論、あまりにもひどい時は「それはないだろう」と言うこともありますが。

最近は言うのをやめるようにしました。外では完全にプロですから、僕まであれこれ言うと、逃げ場がなくなってしまう。

なるべく「いいんじゃない」と言うようにはしています。

◆理想の父親像は。

--何も言わず、いつもニコニコ。娘が何をしても、おお上手だねえと褒めてやり、

おまえの一番の味方はお父さんだよと言ってあげるのが理想。

そうありたかったのに、全然違う。ちょっと悲しい。

◆全国のお父さんに一言。

--僕ができない分、一生懸命お父さんをやってください。

僕の場合、父親としてあきらめなければいけないことが多い仕事を、娘が選びましたからね。

背中を押したにもかかわらず、残念に思ってます。もっと楽しい日々があったはずなのに、それがなーい(笑い)

だから、世のお父さんはもっと楽しみを味わってね、という感じです。


◆2009年 7月25日(土)放送 NHK教育テレビ「となりの子育て--バイオリニスト 宮本笑里(えみり)の父― (音声)


映像までアップしてはさすがに不味いので、本当は音声もグレーゾーンですが

(まあ、それを言ったら、私のブログはCD紹介で年中やっており、「何を今更」ですけど(笑))、

テレビ音声を録音したファイルをアップします。五つの部分に分けてあります。

インタビューしているのは、となりの子育て - 出演者紹介 -のうち、

浅野温子さんと、平田オリザさん(演出家。今経歴見て驚いた。俺より若いんだ・・・)です。

なお、冒頭に書いた通り、番組開始直後から録画をはじめたので、番組開始、多分、1分後ぐらいからです


宮本文昭・笑里親子(1/5)




宮本文昭・笑里親子(2/5)




宮本文昭・笑里親子(3/5)




宮本文昭・笑里親子(4/5)




宮本文昭・笑里親子(5/5)




如何でしょうか。親父さんは笑里さんが幼い頃から、音楽雑誌のインタビューなどで、

「子供には、音楽は聴くだけにして欲しいと思っているのです」

おっしゃっていました。それは、こういうことだったのか、とやっと昨年、分かりました。

同じ音楽家になりたいと言ってくれたお嬢さんに嬉しい反面、その代償として、

「やさしいお父さん」のままでいたかったのに、そういう訳にはいかなくなった寂しさ。

うーん。切ないですな。でもいい話でしょ?


【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.08

今の大学入試制度は、異常に複雑ですね。

◆つい先日、私立中学に入れたと思っていたのに・・・・。

私事で恐縮だが、愚息が今年大学受験である。

つい先日(といっても6年前だが)、私立の中高一貫教育校に入れたと思って安心していたのに、

アッというまに6年間経ってしまった。

自分の経験から、愚息を見ていると、今年はまず、絶対に志望校には合格しないだろう。

それはいいのであるが、それでもとりあえず、受験を最初から放棄する訳にはいかない。

従って、願書を提出しなければならない。

私立大学三校の願書を取り寄せたが、大学入試が驚くほど複雑になっていて、驚いた。

唖然とするほど、制度が変わり、複雑化しているのだ。


◆推薦入学、一般試験、AO入試、だってさ。

私の頃は、或る私立大学の或る学部を受験する場合、単純明快であった。

○○大学、△△学部・◇◇学科を受験したいのなら、その旨を記し、本人を特定出来る資料と、

高校教育の全課程を修了した証明書と、受験料を、大学の事務局に持っていけば、受験票が送られてくる。

ただそれだけである。

試験方式の選択の余地などなく、その学校のその学部・学科の入試問題を試験当日に解いて、

点数の高い者から、定員を満たすまでが、合格となる。

凡そ「入試」というのはそれしかない、と思っていたが、それから30年を経た今、

大学入試制度は、複雑極まりない。


少子化のため、大学は学生数を確保したいし、受験料は貴重な「収益源」である。

特定大学の特定の学部に合格するにも、コースが多種多様なのだ。


昔ながらの入試に近いのを一般入試といい、ただしこれも、受験科目数2科目のコースと3科目のコースがある。

二科目なら、それぞれでより高い点数を取らねばならぬ。

さらに、センター試験利用型というのを併願出来る。センター試験で一定水準以上の点数を獲得したものは、

大学固有の学科試験は免除される。


その他、推薦入学や、面接で自己アピールをするだけのAO入試という訳の分からん「入試」もある。

A大学の法学部、法律学科を受験するとしても、複数の試験方式を選べば、2度のチャレンジが可能な場合もある。

無論、大学は複数方式や複数学部併願を許すことにより、受験料を取ることができるので、

複数の試験方式の併願を薦める。最後は受験生とその親が決めるのだが、

願書があまりにも複雑である。


◆恥ずかしながら、義父の助けをもとめた。

願書はマークシートになっているが、非常に入り組んでいて、下手をすると願書の記入ミスにより、

受験出来なくなる恐れを感じた(この複雑さを見ると、毎年、受験以前に手続き上の失敗により、

本来受けたい学校の受けたい試験を受けることができず、浪人を余儀なくされる子がいるのでは、

という想像すら、成り立ってしまうほどである)。


本来、親の仕事、いや、受験する本人が書くべきだが、私は昼間は会社だし、

帰宅後は、疲れていて、とても頭が働きそうにない。しかし、願書受付の締め切りまで

時間がない。義父に応援を頼んだ。この人は東大工学部を卒業した金属工学の専門家。

大秀才である。長年、金属素材を生産する大企業の研究所で所長をつとめ、工学博士号を持っている。


この義父ですら、願書を見て、あまりにわかりにくさに困惑し、Ⅰ時間も説明を読んで、

何とか理解出来たという。「説明が不親切だ」と怒っていたそうだ。


息子の同級生の親御さんに訊くと、やはり家族総動員で、脳みそが汗をかくほど、考えたという。

「ゆとり教育」で子供は馬鹿にしておいて、その子供が受験するに際し、本人だけでは

どうしようもないので親が血相を変えて願書を書く。

文科省だけの責任ではなかろうが(AO入試などという制度が認められたとしても、実行する学校側の

見識を疑う)、文科省は、考え得る限りのアホな教育政策を採用してくれる。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.07

【翻訳】「十大リスク5位に日本=「失われた10年」の再来も-米調査会社」←日本は「リスク」なのだそうです。

◆記事:十大リスク5位に日本=「失われた10年」の再来も-米調査会社(1月5日14時25分配信 時事通信)

地政学的リスク分析を専門とする米調査会社ユーラシア・グループは4日、今年の十大リスクを公表、

5番目に「日本」を挙げ、民主党の脱官僚政治などが、より大きな政策リスクをもたらしており、

日本にとって今年が新たな「失われた10年」の始まりとなる可能性があると指摘した。トップは米中関係。

日本について、鳩山政権の指導力不足を痛烈に批判。実質的に権限を握っているのは、民主党の小沢一郎幹事長であり、

鳩山由紀夫首相は効果的に決断を下すことができず、年内に首相の座を明け渡す可能性が高いと分析している。

米中関係では、両国が地球規模の主要な問題解決に向け指導力を発揮する「G2」構想は実現しないと悲観的な見方を示し、

逆に通商摩擦などが生じると予測している。2番目のリスクは、核問題を抱える「イラン」で、

3、4番は「欧州の財政政策不一致」、「米国の金融規制問題」。


◆コメント:10大リスク一覧。「地政学的リスク」とは。

まず、調査を行った「ユーラシア・グループ」に関しては、同社の日本語サイトに説明が載っているので、お読み下さい。

私は、正直言って知りませんでした。シンク・タンクとか、同業者の間では、勿論有名なのでしょう。

時事通信が、記事にした、「十代リスク」はユーラシア・グループ(本社)サイトに、

Top Risks of 2010

というタイトルのリポートに書かれています。リンク先を見ればわかりますが、念のため、原文のアドレスを記しておきます。

http://eurasiagroup.net/pages/top-risks です。

まず、ユーラシア・グループがいうところの、「2010年、十大地政学的リスク」とは、

  1. US-China Relations(米中関係)

  2. Iran(イラン)

  3. European fiscal divergence(欧州の財政政策不一致)

  4. US financial regulation(米国の金融規制)

  5. Japan(日本)

  6. Climate change(気候変動)

  7. Brazil(ブラジル)

  8. India-Pakistan(インド=パキスタン関係)

  9. Eastern Europe, elections & unemployment(東欧の選挙、失業)

  10. Turkey(トルコ)

ということです。

「地政学リスク」とは「知恵蔵2009」によると、
一般的にはテロや戦争、さらには財政破綻などから生じるリスクを意味するが、とりわけ投資家の立場からみた不確実性を指す。

この言葉は、2003年2月、04年4月のG7声明でも言及されていたが、02年9月に米連邦準備制度理事会が使用したことから始まるといわれる。

さらに、「地政学リスク」(「的」が付かない)の説明は、
特定地域が抱える政治的・軍事的な緊張の高まりが世界経済全体の先行きを不透明にすること。

で、更に「地政学」とは、
民族や国家の特質を、主として地理的空間や条件から説明しようとする学問。スウェーデンのR=チェーレンが唱え、

第一次大戦後ドイツのK=ハウスホーファーが大成。ナチスの領土拡張を正当化する論に利用された。地政治学。

です。

ユーラシア・グループのレポートがいうところの、リスクは、最初の説明、

つまり「とりわけ投資家の立場からみた不確実性」ということでしょう。

こういう、シンクタンクとかコンサルティング会社ってのは、自分では何も作らないのですが、

あの会社は危ない、あの国の債券を買うのは危ないとか、勝手に予想するだけなんですね。

ユーラシア・グループは1998年に設立された会社で、まだ11年しか経っていませんが、予想が外れまくってたら、

客が付かないでしょうね。既に潰れているでしょう。だから、今なお存続しているということは、まあ、そこそこ当たるのでしょう。


◆【翻訳】「日本」の部分を拙いけれども、訳してみます。

衆議院選挙で、長年の一政党(自民党)政治が終わり、その結果、日本はどうなったか?

「無政党国家」になってしまったのである。実際、それが日本の現状である。

政権交替--それは、確かにこの先進民主主義産業国家では前例が無いことだが--の意義を敢えて誇大に評価することは困難である。

昨年夏の衆議院選挙後、政権を獲得した民主党は、官僚政治からの脱却に懸命だが、そのために日本の経済界は以前よりも、

大きな政治的不安定というリスクに直面している。

今までのところ、鳩山首相は、連立政権と選挙後の緊迫した状況の最中にありながら、政治的課題について本心を明かさない。

しかし、民主党政権は、衆院選での勝利によって得られた有権者の信任に拘っており、もし、参院選でも勝利したら、当分、

現在の非常に用心深い政治的姿勢を変えないであろう。日本が、今の異常なほどの緊縮財政を続け、脱官僚政治を続けるならば、

民主党は、本来、彼らが目指していた政治的目標に到達することは、極めて困難である。


与党・民主党の真の権力者は小沢一郎だが、小沢自身がスキャンダルを抱えているために、

入閣せず、裏の権力者として君臨している。

鳩山は、年内に辞職する可能性が高い。彼は政策を効果的に主張することもなければ、

決断力に乏しい。また、自身も政治献金に関わるスキャンダルを抱えたままだ。

民主党内では、密かに鳩山の後任として、副総理の菅直人や、若い原口総務相の名前が

上がっており、早ければ参院選前にも、新首相が誕生するかも知れない。


いずれにせよそれが現実となったら、後継者が誰であろうと、結局民主党政権は、

小泉元首相が率いた自民党時代の「小さな政府」を継承することになるだろう。

その上民主党政権は、政策を策定する上で重要な役割を果たす、高度に組織化された

官僚たちの助けも得られないし、不況は当分の間続く、というハンディを負っているのだ。


更に、財界に歓迎されない民主党の政策がもたらす不安定さは、金融機関の信用にも悪影響を及ぼし、

日本の経済的苦境を一層深めることになりかねない。

最近、米国では経済の専門家が、米国は日本の「失われた10年」と同じ状況に陥るのではないかと

懸念しているが、日本は、2度目の「失われた10年」を経験することになるかもしれない。

(訳文終わり)

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.06

どういう因果か、私はしばしば評価の高い映画・ドラマを、ずっと後になって初めて知るのです。「刑事一代」

◆書こうか書くまいか迷ったのですが、昨年6月放送された「テレビ朝日開局50周年記念ドラマスペシャル『刑事一代』」。

2年近く前に同じようなことを書いたのです。

2007年02月25日(日) 「スウィングガールズ」をテレビでやってましたね。実は結構好きなんです。あれ。ココログ

上の記事をご覧頂くと分かりますが、「スウィング・ガールズ」という映画が公開された当時、

ちらりと脳裏の片隅で気になっていたのに、何故かその時は見ずに、映画のことを世間の皆さんが忘れはじめたころに、

突然、見て気に入ってしまい、何と、カネも無いのに、DVDボックスの最上級バージョンまで購入し、暫くハマってました。


私はこういうことが度々あります。多分、天の邪鬼なのでしょう。世間で「評判が良い」「人気の」と聞くと、
「ふん。大衆に迎合するもんかい」

と自分もOne of 大衆のクセに、似非(えせ)インテリを気取りたがる。

しかし、ついに、どうしても見たくなり、レンタルDVDか何かで、或いはテレビで放送されたのを見て、

何のことは無い。他の多くの人々よりも夢中になってしまうのです。スウィング・ガールズのときなど、

Yahoo!オークションで、台本まで入手しました(いい年して恥ずかしいのですが)。


今回は、「スウィング・ガールズ」の時よりは「時差」が短いのですが、

昨年6月、二夜に分けて放送された、テレビ朝日開局50周年記念ドラマスペシャル「刑事一代」が、

12月に再放送され、それをツレアイがDVDに録画したのを見て、どっぷり、ハマってしまいました。

一度ハマると、どこまで行くか分からない自分が恐ろしい・・・・、というのは冗談ですが、

ここに書こうかどうしようか迷いました。

ご覧になっている方は、内容を御存知でしょうが、2010年1月5日現在、DVD化されていないので、

本放送も再放送もご覧にならなかった方に、「是非ご覧になることをお薦めします」と書けないのです。

しかし、多分、いずれはDVD化されるであろう、と勝手に決めて、書かせて頂きます。


◆「吉展ちゃん誘拐殺人事件」の故・平塚八兵衛刑事のドラマです。

私(1960年生まれ)と同年代の方は辛うじて。目上の方ははっきりと記憶している、

戦後、最大の誘拐事件と言われた吉展ちゃん誘拐殺人事件の犯人小原保を自白に追い込んだほか、

32年間、警視庁刑事部捜査一課の刑事を務め、数々の大事件の犯人を捕まえた、

平塚八兵衛というすごい刑事さんがいた、ということは、私の年代まで、辛うじて知ってます。

詳しくは、番組公式サイトか、Wikipediaか、ドラマの原作となった本、

刑事一代―平塚八兵衛の昭和事件史 (新潮文庫)を読んで下さい。

ひとつだけ。今回初めて知ったのですが、平塚八兵衛氏は、退職時の階級は警視ですが、何と昇進試験を一度も受けていない。

文字通り、叩き上げで、巡査→巡査部長→警部補→警部→警視 と昇格したのです。捜査の業績だけで。

警視総監賞94回。今は、多分こういうこと、不可能になっているんじゃないでしょうか?分かりませんけれども、

制度的に。何でもアメリカ方式ですからね。最近は。試験を通らないと昇進できないのではないでしょうか。

だとしたら、変ですけどね。お勉強じゃないでしょ。刑事は。私は原作の本を読んでますし、ドラマでも

台詞として出てきますが、平塚八兵衛さんが幾度となく言っていた言葉の一つに、
デカってのはよ。100点か0点しかねえんだよ。

ホシ捕まえれば100点。捕まえられなかったら0点。80点とか90点とか、そんな半端な点数はねえんだよ。

というのがありますが、その表現を借りるならば、ただひたすら「100点」を積み重ねて、巡査から警視になったのですから、

警察の事情など知りませんけど、如何に優秀な刑事さんだったか、分かります。

ただ、それは「結果」であって、平塚さんは昇進なんか目にないのね。

ひたすら仕事に徹するプロだったのですよ。そして昭和のあの時代は、警察官に限らず、どの職業にも、

平塚八兵衛さんのような「職人」がいたのです。ちょっと親父を思い出しました。

YouTubeで、「刑事一代」で検索すると、このドラマのクライマックスと言っていいと思いますが、

吉展ちゃん事件で、容疑者の小原保を自白に追い込むシーンが7つ(だと思います)のファイルに分けて

アップされてます。一番最後のサワリのところだけ。前を見てないとどういう状況か分かりづらいと思いますが。

・・・落ちた!





原作の本を読むとですね。平塚さんは、
生まれつきの悪人なんていねえんだよ。

と言ってます。これを読んで、東大医学部卒の精神科医で、一時期、東京拘置所医務部技官として、数々の死刑囚を実際に

見てきた、加賀乙彦さんの小説、宣告を思い出しました。

この小説に関しては、以前、書きました。
2008年05月06日(火) 「死刑の瞬間を放送=53年前の録音-文化放送」←そんなもの聞くより本を読みなさい。ココログ

これに関して再び書くとあまりにもながくなるので、リンク先をお読み下さい。


◆ドラマで、退職した平塚八兵衛氏が コンサートで「モルダウ」を聴くのです。

これは、原作には無い、ドラマ上での脚色ですが、監督の裁量でこのシーンを敢えて撮ったそうですが、

退職した、平塚八兵衛さんが、退官記念に、と後輩からクラシック・コンサートのチケットを貰い、

初めてゆっくり奧さんと二人でコンサートに行き、スメタナの代表作、交響詩「モルダウ」を聴くシーンがあります。

公式サイトに、平塚八兵衛役を演じた、俳優の渡辺謙さんと監督の石橋冠さんとの対談が載ってますので、

読んで頂くとして、兎に角驚くほどの長撮りなのです。平塚八兵衛さんが「モルダウ」をじっと聴きながら、

今までの人生を反芻し、逮捕した犯人たち、勿論悪いことをしたんだけど、それぞれに気の毒なことがある人達のことを

思い出しているのだろうなあ、というシーンがあります。微動だにせずに、表情の微妙な変化だけで、その感情を表現している

渡辺さんの演技力は素晴らしいし、このシーンは非常に、見るものの心に訴えます。

そこで、せめて音楽だけでも、お聴き下さい。

以前お薦めしたCDですが、モルダウ/カラヤン名曲コンサートから。


スメタナ:交響詩「モルダウ」







最初に書いたとおり、ドラマをご覧にならなかった方は、当然ピン、とこないだろうと思いますが、

いずれ(願わくば)このドラマがDVD化されたり、再々放送されたら、是非ご覧になることをお薦めします。

多分に自己満足的な内容で、失礼致しました。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.05

<鳩山首相>年頭会見「正念場の一年と覚悟」←鳩山政権の問題点は何か。

◆記事:<鳩山首相>年頭会見「正念場の一年と覚悟」(1月4日11時30分配信 毎日新聞)

鳩山由紀夫首相は4日午前、首相官邸で年頭の記者会見を行い「首相として原点、初心に帰り、

国民の皆さんのための政治を作り上げていきたい。その正念場の一年だと覚悟を決めている」

と政権交代の成果を急ぐ考えを強調した。18日召集の日程で調整している通常国会へ向けては、

09年度第2次補正予算案と10年度予算案について「早期に成立させるために全力を尽くしてまいりたい」と述べた。

首相は会見の冒頭、「100年に1度の大きな改革をやるために政権交代を実現した。これからがスタートだ」と強調。

「マニフェスト(政権公約)などで約束した子ども手当、高校無償化、農業者戸別所得補償制度を今年はスタートさせていきたい」

と10年度予算案の成立を優先させる考えを示した。

また、今年夏の参院選前に内閣改造を行う可能性について「一切考えていない」と否定。

「閣僚がころころ代わることで国民の信頼以上に世界の中で存在感が薄くなっている。

できる限り閣僚の皆さんには長く務めていただきたい」との意向を示した。衆参同日選についても「そのような発想はない」と否定した。

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を巡っては「数カ月の中で沖縄にも米国にも理解をいただき、

(政府・与党の沖縄基地問題)検討委員会でしっかり議論し、結論を出すことを約束する」と表明。

今年、日米安保条約改定50周年を迎えることを踏まえ「重層的な形で日米同盟を深化させる大事な年だ」との考えを示した。


◆コメント:民主党と鳩山は何を失敗したのか。

鳩山内閣発足時の内閣支持率は70パーセント台だったが、その後の無為無策に

さすがに国民はあきれ果て、12月18日に時事通信が行った世論調査では、遂に5割を切った。

昨年、リーマン・ショック後の世界景気の後退のスピードを白川日銀総裁は、
岩が崖から転がり落ちるような、という形容なそのまま当てはまるほど

と述べたが、今の鳩山内閣支持率の落ち込み振りは、それにそっくりだ。


どうしてこれほど急激に支持率が下がったのかと言えば、誰が見ても明らかな通り、

鳩山首相は「何も決められない」のである。

優柔不断とは正にこの時のために日本語に存在した言葉ではないかと思うほどである。

国民にしてみれば、極端に言えば、
少々間違ってもいいから、兎に角「何かを決断出来る」ところを見せて欲しい。

のである。それが、何も決められないから見ていてイライラしてしかたがない。

これが最大の支持率凋落の原因だろう。

特にやばいのが、普天間基地の移設問題で、最初の会談で、オバマ大統領に
"Trust me."(私を信用しろ)

と言っておきながら、結局何も決めないことを決めたまま、コペンハーゲンの温暖化会議、COP15に

逃げ出してしまった。そこには、オバマも来ていたので、鳩山首相は、「何も決められない理由」を

説明して分かって貰おうとしたが、アメリカ側は「口先男にあっても仕方がない」といって拒否した。

62歳の日本の首相が48歳のアメリカの大統領に、「こいつ、口ばっかりだ」と思われてしまったのである。

一般人が日常会話で使うなら別だが、日本国の政治の最高責任者が、米国大統領に
"Trust me."

という言葉を口に出す意味が分かっていなかったようである。


◆官僚を「敵」としか見なさなず、上手く使おうとしなければ無理に決まっている。

昔、田中角栄という政治家がいて、後に内閣総理大臣大臣になってから、金権政治を暴かれ、

ロッキード疑獄で、獄中の人になってしまったが、彼は、政治家としては、今の民主党よりも

遙かに上手だったようだ。何しろ小学校しか出ていないのに、30代で初めての大臣、

郵政大臣になったとき、東大法学部卒のエリート官僚が舌を巻くほど、記憶力がよく、

関連法規、制度全て暗記していて、統計の数字も頭に入っている。東大出もギョッとするほどだった。

歴史上の人物としては「金脈政治」の「汚い」政治家のイメージが先行してしまうが、

田中角栄は、議員になってから大臣になるまでの十年間に、大量の議員立法を実行していた。

当然それなりの勉強が必要だし、当時の大蔵省(現・財務相)や旧建設省(現・国交省)の屁理屈が達者な

役人相手に、交渉する術を身につけていたのである。


(誤解を避けるために書くが、田中角栄がいいとこばかりだったと言いたいのではない。

今の民主党があまりにも役人の使い方が下手だ、といいたいのである。)

そして角栄は、役人を上手く利用した。

以下は、当時、日本経済新聞のインタビューに応じた田中角栄の言葉である。

役人は生きたコンピューターだ。政治家は方針を示すものだ。

方針の決まらん政治家は役人以下だ。

役人と一度仕事をすれば(人間関係は)切れない(JIRO注:切れないのは結構だが、癒着されると困るがね。)

初めはケンカするんだ。すると(役人は)「何で、あんたの言うことを聞かなければならないのか」という。

私は「政党政治なんだよ。君が局長になれば、オレを利用するようになる」と。

するとあとで分かるのだね。「やっぱり自分が子供でした」と役人は自分で言うもの。

だから、役人はまた、自分のところにくる。

後半、ちょっと分かり難いが、田中角栄というのは、自分に楯突いてくる役人がいると、

普通は、左遷したり、極端な場合、地方に飛ばしたりするが、角栄はそいつを昇進させてしまうそうだ。

偉くして貰ったら、役人は文句を言えなくなる。如何にも永田町と霞ヶ関のドロドロした感覚であるが、

役人のコントロール法としては、上手い。


民主党は、全て役人を「悪人」であるという前提で出発し、政治家が全てを決めると言い、

大臣・副大臣・政務官の3人で全てをこなそうとしているが、各組織とも、何万という職員を抱える組織で、

恒常的に何らかの問題を抱え、また、毎日のように新しい問題が起きるのだから、3人で決めようというのは、

常識的・直感的に明らかに不可能なのだ。そこで方向を修正すれば良かったのに、意地をはるものだから、

国家が「多臓器不全」のようになっているのである。


◆来年度予算案概算要求額95兆円のすさまじさ。今年度の概算要求額、いくらだったと思います?

素人の政治家3人で何でも出来るんだ、と意地を張って役人を排除した結果、

来年度の概算要求額(各省庁が、翌年度に必要と見込まれる政策経費や人件費などを提示する。

今までは、各省庁が8月31日までに財務省に概算要求書を提出することが政令で定められていて、

財務省は経費などの査定を開始。政府は12月下旬に翌年度予算の政府案を閣議決定し、

年明け1月の国会に提出する慣例だったが、民主党政権はこれを廃止し、例の「事業仕分け」

で「無駄を削減する」パフォーマンスを繰り広げた)は、何と95兆円となった

財務省の役人がやっていたら、概算要求額の上限(シーリング)を設定していたのに、

民主党政権はこれをなくしてしまったからである。


因みに、昨年提出された、平成21年度一般会計概算要求額調はリンク先を見れば分かるとおり、

86.1兆円で、前年比+3兆円だったのである


つまり、誠に皮肉というか、滑稽というか、民主党は「如何に無駄な予算が多いかを国民に示す」といい、

あの「事業仕分け」ショーをテレビカメラの前で繰り広げたが、各省庁の要求内容がちんぷんかんぷんなので、

議論が成立しないまま、内容が分からないと「凍結」とか「圧倒的縮減」にしてしまった。

そして、9兆円削減するといいつつ、大騒ぎして7,000億円しか削れず、結局、来年度概算要求95兆円である。

ただひたすら役人を敵視した結果である。

こういうのは「餅は餅屋」で財務省の、これが商売としている役人に任せれば、少なくとも前年比微増で済んだ筈なのである。

これが、現実の民主党政権である。

大事なことは決められずに、アメリカにはコケにされる。

無駄を省く。政治家が全て決める。官僚は排除する、といった結果、

余計に予算が水ぶくれしてしまい、財源をどうしよう?といっている。


コントか?

まだまだ問題はあるけれども、一度に書ききれないので、今日はこの辺で。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.04

「バードストライク?日航機エンジン停止・緊急着陸」←「ハドソン川の奇跡」もバードストライク。昨年1月15日でした。

◆記事:バードストライク?日航機エンジン停止・緊急着陸(1月3日21時8分配信 読売新聞)

3日午前11時7分頃、新千歳発神戸行き日本航空3302便(ボーイング767―300型機、乗員乗客231人)が、

新千歳空港を離陸直後の上空約60メートル付近で、左エンジンの排ガス温度が急上昇する異常表示が出た。

機長は左エンジンを停止し、約15分後に新千歳空港に緊急着陸した。乗員乗客にけがはなかった。

日本航空によると、左エンジン内部に鳥を吸い込んだ「バードストライク」のような痕跡があり、

エンジンの交換が必要なほど内部が破損していたという。


◆コメント:無事だったのはたまたま幸運だったからである。

「バードストライク」といえば、昨年、アメリカで

「ハドソン川の奇跡」(USエアウェイズ1549便不時着水事故)が起きたことを思い出す。

とは言っても人間の記憶は頼りにならないので、いつの事だったか調べたら、

約1年前、2009年1月15日の事であった(Wikipedia)。

USエアウェイズ1549便不時着水事故においては機長沈着冷静な判断が、一人の犠牲者も出さずに済んだ結果をもたらした、

と、何でも「ヒーロー」が好きなアメリカでは、やたらと機長が英雄視されるのは、さもありなんだが、

機長のチェズレイ・サレンバーガー(Chesley Burnett "Sully" Sullenberger III)が「自叙伝」を出版すると聞いて、

如何にもアメリカだなと思った。


話が逸れるが、「ハドソン川の奇跡」のちょうど2ヶ月前、2008年11月15日に公開された日本映画、

「ハッピーフライト」(「ウォーター・ボーイズ」「ウイング・ガールズ」の矢口史靖監督))

は、無論フィクションで、全くの偶然だが、「バードストライク」が原因で機体の一部が破損し、急遽

羽田に緊急着陸する、というストーリーである(航空映画というより、コメディだが)。


それはさておき、毎年航空機のバード・ストライクによるエンジン故障・損傷は枚挙に暇が無い。

2006年、日本だけでも、1233件の報告があったというから、平均すれば、1日3.3件の割合で、

バードストライクが起きていることになる。

ウィキペディアの「バードストライク」の項を読むと、

装備するジェットエンジン開発の際に4ポンド(1.8kg)の鳥を吸い込ませるテストを行い、

吸い込んだ後でも基準を上回る推力が保てることを実証することがほぼ必須となっている。

とのことだが、「ハドソン川の奇跡」では、事故が起きたエアバスA320は、

実際に両エンジンが停止し、不時着せざるを得なくなったのである。

犠牲者が出なかったのは、たまたま機長がベテランであった事が幸いした。

つまり、「運が良かった」のであり、一歩間違えれば地上に墜落、

炎上、乗客・乗員全員死亡になりかねなかったのである。

その割には根本的な対策が取られていないのが気になる。

現在では、各空港にはバード・ストライク対策要員がいて、

管制塔の判断・指示により、鳥の群れに近づき「空砲」をうつのがせいぜいらしい。、

鳥を撃つと、動物保護団体がウルサイからである。

しかし、鳥の命と飛行機に乗っている人間の命、どちらが大切か、

言うまでも無いことで、鳥の命の方が大切というならば、全国のケンタッキーフライドチキンが

襲撃されないのは、おかしい(襲撃してはいけませんよ?イヤミで書いているのだ)。

物事には軽重があるのだ。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.01.03

「初夢」は、元旦説と2日説があります。

◆分からないときには辞書を引くのです。

昨夜、Twitterを眺めてたら、

初夢が、元旦に見る夢なのか、2日に見る夢なのか、考えていたら、分からなくなって眠れない。

という趣旨の「つぶやき」があった。「眠れない」は、勿論冗談であろうし、揚げ足をとるつもりはないが、

こういうことは「考え」ても仕方がない。知っているか、知らないか、なのだから、分からないときには、

辞書を引くのである。

私は子供の頃から、父に、
分からないときは、まず、字引を引くんだあ。

と、散々言われたので(実際に父は実にこまめに辞書や百科事典を引く人だった)、こういう時には躊躇わずに、

辞書を引く。本当は昔ながらの紙の「広辞苑」などを引いた方が一覧性があり、隣の項もつい、読んだりして

為になるのだが、億劫なときがあるが今は有り難いことに、広辞苑、ランダムハウス英和辞典、世界大百科事典を

簡単にPCにインストール出来る(ネット上の無料の事典も多い)のだから、調べ物をするには涙が出るほど、

有り難い環境なのだが、如何に便利になろうが、「字引をひく」習慣が無い人はいくら便利になっても、これらを

活用しない。勿体ないことである。


◆さて、初夢は、元旦か2日か。

結論から言うと,いずれも「可」ということになる。

いくつかの辞書を引いた結果を天才する。

まず、「広辞苑」(第五版)。

元日の夜に見る夢。また、正月2日の夜に見る夢。

元旦、2日いずれも可、ということだ。

次に、Yahoo!辞書から、小学館の「大辞泉」
新年最初に見る夢。ふつう元日または2日の夜に見る夢をいう。古くは、節分の夜に見る夢をいった。

更にYahoo!辞書から、三省堂の「大辞林」
【1】 その年最初に見る夢。元日の夜または正月二日の夜に見る夢。

【2】 節分の夜に見る夢。

いずれの辞書も煮え切らない。というか、特定不可能なのであろう。

但し、国語辞典だと、1日と2日と「両方あり」となった理由がはっきりしない。


こうなったら、百科事典の出番である。私は平凡社の世界大百科とその「簡易版」とでもいうべきマイペディアの

両方を持っているが、世界大百科はやや詳細で、読者の皆様もあまり読む気がしないであろうから、

「マイペディア」の説明だけを載せる。
【初夢】

新年に初めて見る夢。夢占(ゆめうら)としてその年の吉凶を占う。当初は除夜の夢であったが,

除夜には寝ない習慣のせいか江戸中期から元日の夜の夢となり,他の事始めが2日なので2日夜の夢となった。

室町時代から宝船を枕の下に敷いて寝ると吉夢を見るという風習が広まった。吉夢を順に並べて〈一富士・二鷹・三茄子(なすび)〉などという。

というわけで、初夢は元旦か、2日か、はっきりとした定義がない、というのが結論であることが分かる。


「一富士、二鷹、三茄子(なすび)」は、誰でも知っているだろう。

これに従えば、富士山を背景に茄子を咥えた鷹が飛んでいる夢を見たら、最も縁起が良いことになるが、

実際にそんな夢を見たことがない。ある方がいらっしゃったら、是非教えて頂きたい。


◆「初夢」の晩は、枕の下に宝船をおくのである。

「マイペディア」の説明にあるとおり、

室町時代から宝船を枕の下に敷いて寝ると吉夢を見るという風習が広まった。

のであり、私が子供の頃は明治生まれの祖母と同居していたので、このような正月の習慣は忠実に実行していた。

本当は、木製の宝船に筆で書くのだが、現代では折り紙の「宝船」で良い。

この宝船にある「短歌」を書くのであるが、見事な「回文」になっている。
「長き世のとをの眠りのみな目覚め波乗り船の音のよきかな」(ながきよのとおのねむりのみなめさめなみのりぶねのおとのよきかな)

よくぞ、見事に考えたものである。

日付が変わってしまい、今更更新しても仕方がないが、今日も一日寝ていたので、誠に申し訳ない。


◆【音楽】おめでたい音楽。モーツァルト:ディヴェルティメント17番 K.334 第一楽章。

言わずと知れた天下の名曲を、ウィーン・フィルのメンバーで結成された、ウィーン室内合奏団 が演奏したCDで、クラッシックのある程度の段階に達したファンなら、皆が知っている名盤である。

このディヴェルティメント17番は、特に第一バイオリンがずっと活躍するが、このCDではウィーン・フィルの名コンサートマスターで、

1992年、登山中に滑落死した、ゲアハルト・ヘッツェルという大先生(敢えて、先生と呼びたい)のあまりにも見事なヴァイオリンを

ご堪能頂きたい。これ以上見事な演奏は、無い。

言っても仕方がないんで、皆、あまり口にしないし、文章にも書かないが、ヘッツェル先生の急死と共に、

「本当のウィーン・フィル」は、最早終わっている、と言っていい。それぐらいのショックであった。


モーツァルト:ディヴェルティメント17番 K.334 第一楽章。






それでは。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.01.01

明けましておめでとうございます。今日はとにかく「おめでたい!」の音楽にしました。

◆ご挨拶

みなさま。

明けましておめでとうございます。

旧年中は、「JIROの独断的日記」を御愛読頂き誠にありがとうございました。

本年も、引き続き、ご愛顧のほど、よろしく御願い申し上げます。

今年一年の皆様と、ご家族の皆様のご健勝・ご多幸を

祈念いたしております。


◆【音楽】とにかく、めでたいってことです。

お正月といえど、とかくに、人の世には悩み事がつきものです。

かく言う私も同じなのですが、

兎にも角にも、今日は元旦。お正月です。

おめでたい、ということにしましょう。

年の始めのためしとて、

終わりなき世のめでたさを、

松竹たてて門ごとに、

祝うきょうこそ、たのしけれ。

です。


一曲目。今、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートを衛星生中継してますけど、

毎年、この放送の最初に、オーストリアのテレビ局が流す音楽があります。

シャルパンティエの「テ・デウム」より「序曲」というのですが。

なかなか、ありそうで、CDで良い演奏がないのですよ。YouTubeで探しました。


Charpentier: Te Deum "Prelude"







如何にも華やかで好きなんです。


続きまして。今までにもご紹介したのですが、私は「めでたい」というと、

どうしてもこの曲を連想します。CDが今は絶版なのが残念ですが、水上の音楽/王宮の花火の音楽なのです。

但し、今ちょっとAmazonを見て分かったのですが、今月末、フィリップ・ジョーンズ没後10年ということで、

フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルの復刻版が、かなり出る様子。

『ロマンティック・ブラス』 フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルなど。

日本独自の商品のようですが、「水上の音楽/王宮の花火の音楽」もいずれ復刻されることを祈ります。


フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルで、


ヘンデル:王宮の花火の音楽から、「歓喜」







続いて、同じくフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル演奏、「王宮の花火の音楽」から。


ヘンデル:王宮の花火の音楽から、「ファイナル・メヌエット」







いいですね-。フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルの響きがたまりません。

私はこれらを何百回聴いたか分からないほどですが、聴くたびに、全身の細胞がそれこそ「歓喜」に

震えるように感じるんです。


但しこれは、あくまでも「私の」好みでありまして、勿論ヘンデルの原曲は金管楽器ではなく管弦楽の為に書かれた曲ですから、

名盤がいくらでもあります。アーノンクールとか、まあ、誰でもいいですよ。Amazonで結構試聴できますので、

お気にいりが見つかるかも知れません。


次に行きます。

同じブラス(金管楽器)なのですが、今現在、活躍中のジャーマン・ブラス。

Best Of German Brass : Essential(Amazonにも、タワーレコードにも無く、HMVにだけありました)に

収録されています。


ショスタコーヴィッチ「祝典序曲」







唖然とするほどの上手さですね。


次は初めて載せる曲です。有名な曲なのですが。ブラームス:「大学祝典序曲」(Academic Overture)です。

私と同じ年代の方。昔、「大学受験ラジオ講座」という番組が文化放送系でありましたが、この曲の第二主題が

番組のオープニングに使われていました。あれですよ。

バーンスタイン:ウィーンフィルで、CDは以前、ご紹介しましたが、名序曲集にあります。

このCD、オムニバスですが、バーンスタインをはじめ、カラヤン、アバド、クライバー、ガーディナーとか一流の指揮者と

オーケストラばかりです。お買い得かも知れません。


ブラームス:大学祝典序曲 Op.80







最後は、毎年、ほぼ恒例となっております。外山雄三:「管弦楽のためのラプソディ」。このCDです。

日本作曲家選輯 沼尻竜典演奏は東京都交響楽団ですが、NaxosのCDで、

香港で作ってるんですね。だから、「日本作曲家選輯」などという、見たことのない漢字が使われているのでしょう。

まあ、しかし、一番、無難です。他の芥川也寸志さんや、伊福部昭の作品も面白いです。


外山雄三:「管弦楽のためのラプソディ」







これは、1960年にNHK交響楽団が世界一周旅行をするにあたり、外山雄三氏がアンコール用に作曲した作品です。

今でもN響の海外公演では、これを演奏すると、ガイジンさん、エラく喜ぶそうです。チャンチキという金属の打楽器に

海外の聴衆は、非常に関心を示すそうです。


今年が皆様にとりまして良い年となりますように。

失礼します。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

« 2009年12月 | トップページ | 2010年2月 »