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2010.01.24

「今週発表された経済指標・出来事」/「小沢会見」

◆今週の経済:日本航空の会社更生法適用。

今週の経済ニュースで最も世間を騒がせたのは、19日に日本航空が、

会社更生法の適用を申請したことでしょうが、これは取りあげていないメディアはないので、

今更私が書く必要は無いと思います。


JALの会社更生法適用が決まったときに、普段経済のことなどブログに書かない人まで、

随分色々、好き勝手なことを書いていましたが、潰れた後で、

「親方日の丸経営が原因だ」

と書くのは、誰でも出来るので、メディアに乗じて、かつての人気企業、

そして、航空会社の持つ(本当は飛行機に乗るのは全社員の一部なのですが)華やかなイメージ、

パイロットにスチュワーデスじゃなくて、今はCA(キャビンアテンダント)ですか、

の会社が破綻した、というのは、世論の「嫉妬心」を充足させるのに格好の材料だった、

ということが最大の理由だと思います。


日航グループで1万5千人をリストラするそうですが、パイロットのような専門職を減らしたら

航空機の運航に支障を来すので、最初にリストラされるのは、関連施設(日航が国内外に所有するホテルなど)

の従業員がクビになるのでしょう。中には随分ベテランの方はっきりいって、トシの方も多い。

今からクビになったら、この不況下で新しい仕事は見つからないでしょう。きっと自殺する人が出るでしょう。

それを思うとやはり、どんな会社でも、潰れると惨めなのは従業員なのであって、気の毒です。

また、日航に融資していた銀行は債権放棄をある程度余儀なくされ、業績に支障が出ます。

関連中小企業も仕事が無くなるというので、本当に頭を抱えている人が大勢いるわけです。

だから、間違っても「ざまあみろ」という類のことは書くべきではない。経営責任は問われるべきですが

やはり大多数の従業員は気の毒です。


◆今週発表された経済指標:景気の改善を示すものは、皆無に近いです。

新聞では、四半期に一度発表されるGDP(国内総生産)のときぐらいしか、

一面で経済指標が取りあげられることは有りませんが、殆ど毎日のように,

経済の現状を物語る「経済指標」が発表されます。今週の主だったものを並べてみます。

●17年ぶり4万戸割れ=首都圏マンション発売-09年(1月19日17時5分配信 時事通信)

不動産経済研究所が19日発表した2009年の首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)のマンション発売戸数は

前年比16.8%減の3万6376戸だった。

05年から5年連続減少し、1992年(2万6248戸)以来17年ぶりに4万戸を割り込んだ。

経済情勢悪化で市況が低迷し、不動産会社が在庫調整を優先したのが主因。

10年の予想は4万3000戸と持ち直すが、ピークの00年(9万5635戸)の半分以下。

同研究所は「数年は5万戸前後で推移する」とみている。


マンションなんか、売れないですよね。それは分かっているのですが、昨年1年の首都圏販売戸数が、

17年ぶりの低水準、とあります。最近、住宅に限らず「何十年ぶりの低水準」という統計が多いのです。

以下の諸指標をご覧になると、分かります。
●12月消費者態度指数 2カ月連続で低下(1月20日8時15分配信 フジサンケイ ビジネスアイ)

内閣府が19日発表した2009年12月の消費動向調査によると、

今後半年の暮らし向きなどについて消費者の見方を示す消費者態度指数

(一般世帯、原数値)は前月比1.9ポイント低下の37.6となり、2カ月連続で前月を下回った。

これを受け、内閣府は消費者心理の基調判断を「弱い動きがみられる」とし、

前月の「弱含みとなっている」から3カ月連続で下方修正した。

こういうのは、本当は元の資料を確かめるものなのです。

これは、内閣府ホームページに載っています。消費動向調査

平成21年12月実施調査結果で、報告書(グラフを含む本文全体) (118KB)を開くと、最初に
平成21年12月の一般世帯の消費者態度指数は、前月差1.9ポイント低下し37.6であった。

とある。フジサンケイ・ビジネスアイの記事の通りです。一応検証するのが大事です。

内容を見るのは面倒ですが、要するに一般市民は今後半年、暮らし向きは悪化するだろうと考えている人の方が、

良くなると考えている人よりもずっと悪いことを示している。ということは、財布の紐は固くなるでしょう。

おカネを使わないんですからものが売れない→物価が下がる→企業収益が悪化する→従業員の収入は減る、

という「デフレスパイラル」が続くことを予感させます。

政府の経済見通しはわざと楽観的にすることが多いですが、政府の景気に対する認識を示す、

「月例経済報告」も芳しくありません。
●日本経済「持ち直してきているが、自律性に乏しい」 1月の月例経済報告、基調判断据え置き(1月20日16時39分配信 産経新聞)

菅直人経済財政担当相は20日、1月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出。

景気の基調判断を「持ち直してきているが、自律性に乏しい」とし6カ月連続で据え置いた。

景気を下押しするリスクから、前月まで明記していた「金融資本市場の変動の影響」を削除。

円高一服や株価上昇を踏まえ、市場が安定に向かっているとの認識を示した。

これは、内閣府の、月例経済報告関係資料で、平成22年1月を見るのです。

最初に、産経新聞が記事に書いている通り、
景気は持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。

これも、何だかよく分からない言い方です。景気は持ちなおしているが、自律性に乏しいと。

ということは、他律的だということですか。他から刺激しないと良くならないということですか。

そういう状況を「景気は持ち直してきている」と言えるのでしょうか?

21日(木)には日本銀行主要銀行貸出動向アンケート調査(1月)を発表しました。

新聞はこのように伝えています。
●企業の資金需要が5年半ぶりの弱さ=日銀調査 (1月21日10時57分配信 ロイター)

日銀が21日発表した1月の主要銀行貸出動向アンケート調査によると、

資金需要の強さを示す資金需要判断DIは、企業向けがマイナス17(前回調査はマイナス14)とマイナス幅が拡大した。

2004年7月調査(マイナス18)以来、5年半ぶりの弱い水準。

資金需要減少の理由については、大企業向け、中小企業向けともに「設備投資の減少」がもっとも多かった。

日銀が12日発表した12月銀行・信金計の貸出平残は前年比1.0%減と2006年1月以来47カ月ぶりにマイナスに転じたが、

設備投資の減少が資金需要の弱さや貸出の減少につながっている状況があらためて浮き彫りになった。

企業が設備投資の為の資金を必要としていない、ということです。

それは、例えばメーカー(製造業)ならば、新しく工場や設備を建てても、消費者の購買意欲がないのだから、

売れるはずが無い。下手に設備投資の為に銀行からおカネを借りても売上げが減る一方で儲けも減っているのだから、

返せないかも知れない。滅多なことじゃ設備投資資金など借りることは出来ない、ということです。


個人消費の弱さを端的に示しているのが、コンビニ・スーパー・デパート売上高です。
●昨年のコンビニ売上高、2年ぶり減=「タスポ効果」の反動で(1月20日19時0分配信 時事通信)

日本フランチャイズチェーン協会が20日発表した2009年の主要コンビニエンスストアの既存店売上高は、

前年比0.2%減の7兆3047億円と、2年ぶりにマイナスとなった。

消費不況に加え、たばこ目当ての来店客が増えた「タスポ効果」が前半で一巡し、反動減となったのが主因。

新店を含む全店ベースでは0.6%増の7兆9043億円とプラスを確保した。

コンビニでは、たばこ自動販売機に成人識別カード「タスポ」が08年3~7月に導入されたのを機に、

たばこの売り上げが急増。同時に他の商品を購入する「ついで買い」も起こり、

既存店売上高は08年に9年ぶりに前年を上回った。

09年も5月までは好調を維持したものの、6月に既存店売上高がマイナスに転落。

消費者の節約志向の強まりも追い打ちとなり、7月には前年同月比7.5%減と

過去最大の落ち込みを記録するなど、コンビニを取り巻く環境は急速に厳しさを増している。

小売業で唯一儲かっていたコンビニですが、昨年は前年比マイナスです。

記事はもっぱらタスポ(自動販売機でたばこを買うときに必要なカード。作るのが面倒なので、

自販機で買う人が減り、コンビニで買う人が増えたのが一昨年。昨年はその分普通に戻ったので、

前年比マイナスになった、というのですが、タスポなんて今でも作っていない人は大勢いる。

状況は一昨年も昨年も変わらないと思います。つまり、コンビニで余計なものまでつい、買ってしまう、

という行動を消費者が控えた結果と思われます。


デパート・スーパーも苦戦しています。
●百貨店、過去最大の落ち込み=スーパーは21年ぶり13兆円割れ―昨年売上高 (1月22日20時1分配信 時事通信)

日本百貨店協会が22日発表した2009年の全国百貨店売上高は6兆5842億円となり、既存店ベースでは前年比10.1%減少した。

08年秋のリーマン・ショック以降、消費者の節約志向が一段と強まり、下落率は過去最大を記録。

ピークの1991年に9兆7130億円だった百貨店売上高は、バブル経済以前の84年(6兆5865億円)の水準まで落ち込んだ。

また、日本チェーンストア協会が同日発表した09年のスーパー売上高は12兆8349億円と

21年ぶりに13兆円を割り込んだ。既存店ベースでは4.3%減で、前年実績を下回るのは百貨店、スーパーともに13年連続。

デパートは、ずっと低迷してますが、昨年一年の売上高は前年比約1割落ちこんで、この下落率は過去最大だと言うし、

スーパーの昨年1年間の売上げは、前年比マイナス4.3パーセント。スーパーの売上げが3兆円を下回るのが21年ぶり、

とここでも「何十年ぶり」が出ます。


このように、日本国内の経済指標は、どれを取っても不況が全然改善していないことを示しています。


◆オバマ米大統領が発表した新たな金融規制案

そして、これはかなり専門的になるので、簡単に書きますが、

21日(日本時間22日(金)未明)、米国のオバマ大統領が金融業界にたいして、新しい規制を

設定する、と発表しました。具体的な規制の中で一番キツいのは、

銀行の自己勘定取引を禁止。

という項目でして、銀行が自分の儲けをプールしたおカネでディーリングをしてはいかん、というもの。

これで儲けている銀行が多いですから、相当思い切った規制です。

恐らくオバマ大統領は、サブプライムローンへの投資などを自由に銀行にやらせていたのが、

金融危機の発端になったのだから、これを止めるべきだ、と言うのでしょう。

気持は分かるのですが、これを本当に実行すると、アメリカの金融機関は、リスクも大きい代わりに、

上手くやれば大儲けできた、業務を止められるわけです。すると、米国の金融機関は収益が悪化し、

また、潰れるのではないかと思惑が生じかねません。リーマン・ショックは巨大な証券会社一社が潰れた、

というだけで、世界経済が恐慌寸前にまで陥りうることを示しました。

第2のリーマンを出さない為に、というのがオバマ大統領の新規制案で、過度のリスクテイクを

禁ずるというのはわかりますが、少し一挙に締めすぎている感を否めません。


◆民主党小沢幹事長記者会見:調べられた方が「私は悪いことをしています」という訳がないでしょ?

小沢幹事長に関わる問題の概要に関しては一昨日書きましたココログ)。

そして、23日(土)、小沢一郎は東京地検から事情聴取を受けて、その後会見が開かれました。

●小沢氏聴取、関与否定=虚偽記載「把握せず」-「裏献金は事実無根」・東京地検(1月24日0時9分配信 時事通信)

小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」による土地取引をめぐる事件で、

東京地検特捜部は23日午後、小沢氏を任意で事情聴取した。

小沢氏は終了後に会見し、供述調書2通に署名したことを明かした上で、

政治資金収支報告書への虚偽記載について「把握していない」と関与を全面否定。

ゼネコンからの裏献金は「事実無根だ」と述べた。

聴取は東京都千代田区のホテルで、午後2時ごろから4時間半にわたり行われた。

特捜部は今後、小沢氏の供述内容を詳しく分析した上で、同氏の事件への関与について捜査を進めるもようだ。

特捜部は市民団体から告発を受けたため、黙秘権を告知した上で被疑者(容疑者)聴取した。

記者会見や聴取終了後に配布した文書で小沢氏は、収支報告書への記載内容について、

「相談や報告は受けていない。帳簿や報告書を見たことはなく、内容を一つ一つ確認したことはない」と述べた。

陸山会の土地購入に充てられた4億円の原資については、自宅を買い替えた際に差額として残った2億円など、

1989年から2002年までに銀行口座から引き出した総額5億6000万円のうち、

土地購入時に個人事務所で保管していた4億数千万円から貸し付けたと説明した。

ゼネコンからの裏献金については、「水谷建設からもほかの会社からも、不正な金はもらっておらず、

秘書や元秘書も受け取っていないと確信している」と述べ、特捜部にも同様の説明をしたという。

「土地取引をめぐり、政治資金規正法に違反した行為をしているのではないか?」と思われたから東京地検に聴取されたのです。

その調べを受けた側の記者会見です。「私は何らやましいことをしていない」というに決まっています。

東京地検としても、雑誌のインタビューじゃないのですから、小沢の説明をただ、
はあ、そうなんですか。

と、世間話のように聴いたわけではなく、土地購入の原資などについて、小沢氏の説明はこれまで何度か

変化しているようなので、今日、検察に喋ったことのウラを取ろうとするでしょう。

怪しければ、また呼ばれるでしょう。

とにかく「調べられた側」の記者会見を長々やったって、あまり意味がありません。

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