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2010.01.12

日航の法的整理はきまりですが、どういう危険があるか、政府から国民に説明して欲しいですね。

◆記事1:日航法的整理へ 政府、透明性を重視(2010年1月8日 読売新聞)

日本航空の経営再建で、政府が「法的整理」に向けて大きくかじを切ったのは、裁判所の関与で厳格な手続きを進める方が、

国民に対して説明責任を果たせると判断したからだ。ただ、運航などへの影響を懸念する声は根強く、流動的な面も残されている。

今回の再建計画では、一民間企業の日航に、企業再生支援機構を介して3000億円の出資や4000億円の融資など

巨額の公的資金を投入することが想定される。仮に再建が失敗して国民負担が生じれば、政権の責任問題となる。

このため、政府としては、主要な債権者による話し合いではなく、裁判所が介在するという「透明性」を最重要視した。



支援機構も、金融債権のカットに限られる私的整理ではなく、簿外のリース債務なども幅広く対象に入る法的整理で

「過剰債務状態の日航をより身軽な状態にすることを望んでいる」(関係者)とみられる。

支援決定から原則3年間で、日航を抜本的に再生させなければならないからだ。

一方、金融機関側は「“倒産”の印象が強い法的整理では乗客が他の航空会社に流れ、

再建が遠のくだけ」として、私的整理による再建をぎりぎりまで主張する模様だ。

日航の事業価値が棄損してしまえば、債権放棄後に残った融資が再び不良債権となり、

追加の損失が発生しかねない。

「機構は、日航の経営が2年で回復軌道に乗るという甘いシナリオを描いている」(金融関係者)との不安も漏れる。


記事2:日航再建、土壇場でも溝 3メガ銀、減資含む私的整理案(NIKKEI NET)(1月7日 10:35)

日本航空の再建協議が大詰めを迎えるなかで、関係者の綱引きが激しさを増している。

取引銀行である3メガ銀は減資含みの私的整理案を7日までに策定。

事前調整型の法的整理を主張する企業再生支援機構や財務省とはなお深い隔たりがある。

再建策の行方は日航の企業年金減額に退職者の同意を取り付けられるかどうかに左右されるとの指摘もあり、

回答締め切り日の12日が次のヤマ場となる。 

▼目的地に行けない、日本に帰れない。1日平均1000~2000人強の欧州線利用者の大半がアフリカを含む現地で足止めも

▼他社便への予約変更ができず、航空券の再購入が必要に

▼手荷物が受け取れない

▼ジャルパックのツアーがキャンセルに……。

三菱東京UFJ銀行、みずほコーポレート銀行、三井住友銀行の3メガ銀による日航法的整理のシミュレーションには

驚くような事態が並ぶ。あくまでも法的整理を回避したい3メガ銀の危機感の裏返しと読める。(10:35)


◆コメント:政府は法的整理を決めたなら、大反対していたメガバンクのシミュレーションを明かして、説明して頂きたい。

先日から散々法的整理、私的整理という言葉が流れていますが、

法的整理=会社更生法や民事再生法などを裁判所に申請し、法律に基づいて再建を進める。裁判所主導のため透明性が高い。

私的整理=金融機関など主要債権者間で、任意に協議し、債権放棄額などを調整する手法だ。

ということになります。要するに裁判所が介入するか、当事者(銀行とJAL)の話し合いで何とかするか、

という違いです。私的整理は散々、3メガバンクとJALが話し合ったけれども、拉致があかない。

しかたがないから「お上」が介入する、と決められてしまいました。

記事にも説明がありますが、法的整理で適応されるのは会社更生法が、民事再生法ですが、後者は、

どちらかと言えば中小企業の時に適用を申請するのです。JALのような大企業だと、当然会社更生法の適用を申請する。

すると、これ、滅茶苦茶手続きが面倒臭いのですが、兎に角裁判所が選んだ、「管財人」のもとで立て直しを図る。

民主党ってのは、選挙のころから、なんでも「ディスクロージャー」(情報開示)ということを重視していましたから、

分からない訳ではないのですが、裁判所が介入すると何でも出来てしまうのですね。

早くも11日には、100%原資というニュースが流れました。
◆記事:支援機構、JAL100%減資と上場廃止検討=関係者(1月11日22時54分配信 ロイター)

本航空(JAL)<9205.T>の再建を準備している企業再生支援機構は、

会社更生法を活用した事前調整型の法的整理を利用するのに伴い、100%減資を実施し

JAL株の上場維持を断念する方針となりつつある。関係者が11日明らかにした。(以下、略)

これは、どういう事かというと、株主の権利よりもまず、債権者の権利を重視し、株主の権利は消滅させる

ということです。日航に融資していた銀行は、巨額の債権放棄を強要されるだけでなく、

皆、日航株を保有していましたから、この株が紙屑になる、ということですので、更に巨額の評価損が出る。

法的整理で管財人の元で整理が行われれば、確かに「透明性」は確保出来ますが、金融不安を呼ぶおそれがあります。


私が気になっているのは、記事2で触れている、

メガバンクが、政府に示した、法的整理を実行した場合のシミューレーション、です。

金融機関には航空機金融の専門家がいて、こういうことは餅は餅屋で極めて詳しいのです。

決して「脅迫」ではない、と思います。しかし、政府は国民に説明していませんよね?
銀行のシミュレーションによれば、法的整理を実行した場合、
▼目的地に行けない、日本に帰れない。1日平均1000~2000人強の欧州線利用者の大半がアフリカを含む現地で足止めも

▼他社便への予約変更ができず、航空券の再購入が必要に

▼手荷物が受け取れない

▼ジャルパックのツアーがキャンセルに……。

など「驚くような事態が並ぶ」と、日経も書いている、まだまだ、銀行はリスクを説明したはずです。

しかし、政府は、銀行から説明を受けているのに、その内容を全然国民に伝えていない。

法的整理にしても私的整理にしても、企業再生支援機構から公的資金が日航に注入される。

それは国民の税金です。

法的整理を続けた場合、どのような具体的リスクが、JAL利用者に及ぶのか、

3メガバンクから受けた説明を明らかにして欲しいと思います。

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