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2010.03.18

「ロシア旅客機墜落、原因は機長の飲酒」←ロシアのフラッグ・キャリア、「アエロフロート」の恐ろしさ。

◆記事:ロシア旅客機墜落、原因は機長の飲酒(3月17日8時24分配信 日本テレビ)

08年9月にロシアの旅客機が墜落し、88人が死亡した事故について、16日付のロシアの新聞は、機長の飲酒が原因だったと報じた。

着陸直前に機長が「私は操縦なんかできない」と話す音声がボイスレコーダーに収められていた。

さらに、機長の遺体からはアルコールが検出されており、事故の捜査委員会は、原因は「機長の飲酒」と断定したという。


◆コメント:アエロフロートは怖いのです。

日本テレビは何故か航空会社名を出しませんが、2008年9月に死者を出した航空機墜落事故は一件しかない。

英語のサイトですが、世界の航空機事故を記録しているAir Safe.comというサイトで調べると分かります。

やはり、アエロ・フロートでした。


アエロ・フロート(ロシア語表記は訳がわかりませんが、英語だと、"Aeroflot"です)という旧ソ連時代から、現在まで、

ロシア連邦の国営航空会社ですが、これは、ソ連時代は隠蔽されていたでしょうし、現在も全ての墜落事故が、

公表されているかどうか分かりません。


まず、予備知識を得るために、ウィキペディアのアエロフロート・ロシア航空

英語が読める方は、英語版WikipediaのAeroflotを読んで下さい。


リンク先に書いてありますが、この航空会社の出鱈目さは眩暈がするほどなのです。

余りにも事故が多いので、アエロフロート航空墜落事故という独立した項目が立てられているほどです。

これによると、アエロフロートは、1953年から1991年(ソ連が崩壊した年)までの38年間に、

127件の人身死亡事故を起こしており、6875名の犠牲者を出している。

単純に平均すると、この38年間に、ロシアはその国営航空会社の墜落事故で、毎年平均、180人の犠牲者を出している、というわけです。

日本テレビのニュース原稿には「ロシアの旅客機」としか書いてありませんが、「ロシア→飛行機→墜落」という文字を見たら、

アエロフロートしかありませんから、調べました。


Air Safe.comには、当然記録されています。

また、日本語のウィキペディアの中に、独立した項目があります。アエロフロート821便墜落事故です。そこには
事故原因は調査中だが、右翼エンジンの技術的欠陥によって爆発したとの報道がある

と記述されていますが、日テレの報道の通り、ボイス・レコーダーが回収されていたなら、

事故原因はとっくに分かっていたはずですから、何故、昨日急に公にしたのかは、不明です。

しかし、それは本題では、ありません。


2008年9月、アエロフロート821便墜落事故の原因が、機長の「酔っ払い操縦」らしいというので、今日のブログで

この事故の事をかいておられる方が多く、大変尤もだと思います。私もさすがに呆れましたが、一方で、
さも、ありなん。

とおもいました。アエロ・フロートは更にとんでもない原因で、墜落したことがあるのです。


1994年3月22日、アエロ・フロートのエアバスA310-308が高度10,000メートルから、失速し、制御不能なスピン状態に陥り、

シベリアの標高400メートルの山に墜落し、乗員・乗客75名全員が死亡しました。

この事故は、なんと、機長が自分の息子と娘をコクピットに座らせ、操縦桿を握らせたことが原因でした。

ウィキペディア(日本語)にアエロフロート航空593便墜落事故として詳細な解説が載っています。

ごく簡単に言うと、子供が操縦桿を30秒以上継続的に動かしてしまったので、エアバスの仕様で、自動操縦装置が解除され、

機体が右に傾き始め、ドジな機長がその原因に気付かず放置したため、次第に右傾斜が大きくなり、失速したのです。

その上、失速し、急降下した機体が、高度を回復しようと機首を上げ始めたときに、焦った副操縦士が更に操縦桿を引いたため、

機首が上がりすぎ(仰角が大きくなりすぎたということです)再度失速し、墜落した、という、目も当てられないほどの悲劇です。


旅客機の機長が、パイロットの資格を持たない素人、しかも15歳の息子をコクピットに入れ、操縦席に座らせ、操縦桿を握らせる

という空前絶後の超弩級大不祥事でした。


この事故が起きた当時、私はたまたまロンドン駐在員でした。ヨーロッパでは大きくこのニュースが取りあげられたのですが、

その直後、日本からロンドンにやってきた知人にこの事故の話をしたら全く知らなかったのですが、日本ではニュースにならなかったのでしょうか。


要するに運航管理体制もへったくれもない、キャリア(航空会社)なのです。


今日のニュースを読んで、1994年にあれほどのとんでもない事故を起こしながら、

アエロフロートのいい加減な体制は、その後も全然変わっていなかったのだな、と思いました。


◆国際線も飛ばしていますが、利用するのは止めておいた方がいいですね。

ロシアの国内線だけではなく、国際線も運航しています。日本語のサイトがあります。

モスクワ行きばかりではなく、成田-ヒースロー便などヨーロッパ各地まで飛びます。今、それほど特別安くありませんが(ユーロになったので)、

私がロンドンにいた頃、我々駐在員が一時帰国するときなどは旅費が出ますから、「まともな」チケットを買えましたが、

留学中の学生さんなどは「安いから」といって、アエロフロートに乗る人が、けっこういました。

国際線はさすがに他国人を乗せて墜落したら大問題になりますから(ロシア国内線で乗客が亡くなるのも勿論問題ですが)、

多少、まともに管理しているのかもしれませんが、とにかくロシア国内では、ひどい状況ですから、使わない方がいいですね。

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コメント

あつし様、いつもコメントをありがとうございます。レスが遅くなりまして、申し訳ありません。

そうなんです。何しろ、旧「ソ連」の国営航空会社ですから、推して知るべしですが、

それにしても命がけで、公表されている38年で6,000余名は、実際の墜落事故のほんの一部ではないか、

とすら思います。

>また、乗りたくない航空会社、日本にもありました。相次ぐ不祥事で問題になっている
>格安運賃の航空会社で、機長の安全判断に対してその判断を認めず、会社の都合で
>運航を強行させるような会長や社長が経営する会社です。もっと驚いたのは、飛行中のコクピット内で
>機長と副操縦士が揃って振り返り、運航乗務員の重要な業務の一つである外部監視が出来ない状態で、
>「はい!ピース」と写真撮影をしていたことです。

おっしゃるとおりで、このニュースを読んだときには、言語道断と思いましたが、何と、25日、
全日空パイロット酒気帯びというニュースがありました。

【引用開始】

◆副操縦士からアルコール、福岡発全日空便に遅れ(3月25日15時49分配信 読売新聞)

全日空の福岡発羽田行き240便(ボーイング777―300型機、乗員乗客502人)で25日午前、
副操縦士(61)がフライト前の飲酒検知を受けた際、社内基準を上回るアルコールが検出され、
出発が定刻の22分遅れとなった。

【引用終了】

遂に我が国のエアラインが、アエロフロートと同次元になってしまいました。

パイロットに限らず、私の父の世代、高度成長期の日本人には、どのような職業の人にも、

強い使命感があり、「仕事を全うする」という美意識があったのに、

それが、どんどん、薄れていくように思います。

投稿: JIRO | 2010.03.26 04:11

アエロフロート、本当に事故の多い航空会社なのですね。紹介のあった「アエロフロート航空墜落事故」を見たのですが、機材によるもの、パイロットのミスや安全運航に対する責任感のなさによるもの、不適切な管制によるものなど驚くばかりです。アエロフロートでロシア国内(国際線でのロシア領空内飛行も含めて)を飛ぶのは、それこそロシアンルーレットをやっているようなもので、絶対乗りたくないですね。
また、乗りたくない航空会社、日本にもありました。相次ぐ不祥事で問題になっている格安運賃の航空会社で、機長の安全判断に対してその判断を認めず、会社の都合で運航を強行させるような会長や社長が経営する会社です。もっと驚いたのは、飛行中のコクピット内で機長と副操縦士が揃って振り返り、運航乗務員の重要な業務の一つである外部監視が出来ない状態で、「はい!ピース」と写真撮影をしていたことです。安全管理体制どころか安全運航に対する責任感すらなく、いくら格安運賃とはいえ乗りたくない航空会社です。また、運賃だけで航空会社を選んでもいけないのではないでしょうか。コスト削減を優先するばかりに、安全管理体制をおろそかにするような会社があること自体、問題だと思います。

投稿: あつし | 2010.03.18 15:09

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