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2010.05.26

「ユーロ急落、8年半ぶり安値=世界株安連鎖、ダウ1万ドル割れ」←よく考えると意味不明ですね。

◆記事1:東証大引け、連日で年初来安値更新 5日間の下落幅は782円に(日経 5/25 15:38)

25日の東京株式市場で日経平均株価は5日続落し、連日で年初来安値を更新した。

終値は前日比298円51銭(3.06%)安の9459円89銭で、5日間合計の下げ幅は782円(7.6%)に達した。

9500円割れは昨年11月30日以来約半年ぶり。欧州の金融不安の再燃や北朝鮮情勢の緊迫化で投資心理が悪化した。

外国為替市場での円高・ユーロ安進行も嫌気され、輸出関連株を中心に幅広い銘柄が売られた。

東証1部の下落銘柄数は全体の8割を超え、ほぼ全面安となった。

スペインの中央銀行が経営危機の地方銀行カハスールを管理下に置いたことをきっかけに、

欧州の金融システム不安が台頭。投資家が比較的リスクが高い株式を手放す動きにつながった。

在韓米軍と韓国海軍が大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)に基づく海上封鎖訓練の準備を始めるなど、

北朝鮮情勢が緊張し、地理的に近い日本への影響を懸念する見方も広がった。

このところの相場下落で個人投資家が信用取引で買っていた銘柄に追加の証拠金が必要となる

「追い証」が発生し、後場は手じまい売りも増加。日経平均の下げ幅は一時300円を超えた。


◆記事:ユーロ急落、8年半ぶり安値=世界株安連鎖、ダウ1万ドル割れ(5月26日1時5分配信 時事通信)

25日のロンドン外国為替市場では、欧州を震源とする信用不安が一段と拡大し、

欧州単一通貨ユーロが主要通貨に対し急落、対円で一時、2001年11月末以来8年半ぶりとなる1ユーロ=108円台をつけた。

米欧の主要株式市場も軒並み大幅下落するなど、世界的な株安連鎖が継続。

米株の代表的指標であるダウ工業株30種平均は再び1万ドルを割り込み、年初来安値を更新した。

ニューヨーク市場に入ってからのユーロ相場は、米東部時間25日午前10時半(日本時間同日午後11時半)現在、

対円で109円60~70銭(前日午後5時は111円58~68銭)。対ドルでも1.2240~2250ドル(同1.2366~2376ドル)に下落している。

一方、東京株式市場の急落を受け、米国や欧州の主要株式市場は朝方から下落幅を拡大している。

ダウ平均は一時、前日終値比292.09ドル安の9774.48ドルまで下落。

取引時間中としては、昨年11月4日以来約6カ月半ぶりの低水準となった。

欧州ではロンドン時間午後4時(日本時間26日午前0時)現在、英FT100種平均株価指数が2.57%安で5000の大台割れ。

仏CAC40種指数は3.25%安、スペインの代表的指数IBEX35指数も3.96%安となっている。


◆コメント:こういう市況記事の解説は「後付け」が多いのです。現場のトレーダーは「理屈」で売買していません。

今日は、東京株式市場で日経平均株価が前日終値比、298円51銭安の、9,459円89銭でした。

終値が前日より安いとその日の市場は、「下げる」と表現されますが、これで5日間連続の下げです。

何故売られたか、ということに関して、記事1では、欧州の金融不安や朝鮮半島情勢の緊迫を理由に挙げています。


しかし実際は、あまり関係無いですね。

スペインの中央銀行が経営危機の地方銀行カハスールを管理下に置いたことをきっかけに、

欧州の金融システム不安が台頭。投資家が比較的リスクが高い株式を手放す動きにつながった。

といいますが、ギリシャの他にスペインやポルトガルの財政難は以前から話題に上っていましたので、

それにともない、あまり信用力がないスペインの地方銀行が潰れないウチに政府の管理下に置いた、と。

だからといって、日本企業がそのスペインの地方銀行の株や債券を大量に保有している訳じゃないのですから、

日経平均が、これほど下がる理由にはなりません。要するに、日経平均が1万円の大台を割り込んでから、

マーケットのムードが完全に「売り」になっているのです。今のマーケットで買いから入るのは怖いです。

皆売りから入って、下で買い戻せば、儲かるでしょ? そうしている間に1万円の次にキリの良い9,500円を

突破したくなるのです。トレーダーという生き物は。


北朝鮮情勢の緊迫は将軍様のいつものブラフですが、
「韓国の聯合信によると、金正日総書記は人民軍および予備隊、保安機関に対して戦闘態勢をとるよう指示した。」

と甚だ物騒で、さすがにウォンが売られたり韓国の株が売られるのは関係があるでしょうが、これで、日本株が売られた、

という事ではないと思います。為替市場では円が買われ、また日本の国債も買われています。北朝鮮の「流れ弾」で、

日本が本当に「ヤバい」のならば、欧州金融不安よりも切迫しているのですから、ユーロ円は円が売られて円安・ユーロ高に

ならなければおかしいし、日本国債を買うのも理屈に合わない。

要するに、相場ものなんてのは、特に短期的にはムードで動きます。株や為替や債券のトレーダーは、いちいち

国際政治学的或いは、世界経済の見通しを考慮しながら売買しているのではありません。


ただ、新聞やテレビの人達というのは、マーケットの中にいるわけではないので、本当に雰囲気が分からないのです。

経済紙である日経の記者でも、それは同じです。彼らは、冒頭に転載したような記事を書く前に、

予め、情報源として知り合いになっている、証券会社や銀行のトレーダー、エコノミストに電話をかけてきます。
今日の市場はどうして、これほど売られたのですか?

と。トレーダーのホンネは、「皆、下がると思ったから、売りから入った」ということなのですが、

それでは新聞屋さんが解放してくれないので、予め「お手本」原稿を頭の中で考えておいて話すのです。

新聞屋さんたちは、あちこちの証券会社や銀行、外資系の投資銀行などに電話をして、

聞いた話を切り貼りして記事にするのです。


あまり楽観してばかりいられないのは事実ですが、欧州金融不安と言っても、5月19日にギリシャの国債償還が済み、

差し迫って、おカネがなくて、一国を争うという国は無いので、リーマン・ショックの相場とは異なります。

長期的には、ギリシャがEUの他の国から緊急融資を受けましたが、それが返せるかどうかということです。

そして、欧州の景気が落ちこむと、アメリカも中国も、輸出が減り、景気が悪くなる上、中国はバブル警戒で

金融引き締めをしています。中国の景気が落ちこむと日本は中国に中間財を輸出していますから、影響があります。

また、オーストラリアやブラジルは工業生産に必要な資源を欧州に輸出して稼いでいましたから、やはり、欧州の生産が

減少すると、景気に影響するわけで、確かにあまり良い材料は無いのですが、

ここ数日、日経平均が1万円を割り込んだ、とかニューヨーク・ダウが1万ドルを割ったとか、

為替でユーロ・円が110円台になり、これは何年ぶりだ、とか、この手の動きは、

リーマン・ショック後の金融恐慌寸前の状態とは明らかに異なるもので、ディーラーが

目先の利益を追いかけた、テクニカルな動きと解釈すべきだと思います。

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