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2010.06.29

「<向精神薬>過量投与に注意促す…厚労省が日医などに初通知」←徒に通院回数を増やす気か?

◆記事:<向精神薬>過量投与に注意促す…厚労省が日医などに初通知 (6月25日19時26分配信 毎日新聞)

医療機関で処方された向精神薬を飲んで自殺を図る人が増えている問題で、厚生労働省は、処方する際に長期、

多量となるのを避けるなど細心の注意を払うよう日本医師会(日医)などの関係団体や自治体に通知した。

厚労省によると、国が自殺予防の観点から医療機関に向精神薬の過量投与に注意を促すのは初めて。

通知は24日付で、都道府県や政令市のほか、精神医療にかかわる日本医師会、

日本精神科病院協会、日本精神神経科診療所協会など8団体の責任者にあてて出された。

厚労省研究班が遺族との面接を通じて自殺者76人について調査したところ、

半数が死亡前の1年間に精神科か心療内科を受診。このうちの約6割が、

直接の死因でない場合も含め、処方された向精神薬を自殺時に過量服薬していた。

通知はこうした調査を基に、患者が自殺する可能性を考慮して向精神薬の投与日数や投与量に一層の配慮をするよう求めている。

向精神薬を巡っては自殺や自傷目的で大量に飲んだとして消防が救急出動した件数が、

データのある札幌市、東京都、大阪市、北九州市の4都市で08年までの10年間で

約2倍に増えていたことが毎日新聞の調べで判明している。【江刺正嘉、奥山智己】


◆コメント:毎日新聞社会部は、どうしてこう的外れなバカなんだ。

また、毎日新聞である。

また、といっても多くの方は御存知無いだろうが、3年前精神科で処方される薬の中で、

抗うつ薬ではないけども、うつ病を抱えながらも働かなければならない私のような患者に

欠かせなかった中枢神経賦活薬で商品名リタリン(一般名:メチルフェニデート)という薬の処方箋を乱発する

個人クリニックが東京にあり、ここで同薬を入手した若者が依存から錯乱状態に陥り、高いところから飛び下りて

亡くなった、という極端な濫用のケースを誇大に強調したため、販売元のノバルティス・ファーマという会社が、

会社のイメージの悪化を恐れ、自ら、リタリンの適応から「難治性・遷延性うつ病」を外してくれと言い、

厚労省の薬事審議会も一回、形式的な議論をしただけで、アッというまにうつ病患者に対するリタリン処方を禁止し、

この薬を真面目に服用して、何とか働いていた、私を初めとする遷延性うつ病患者が大変苦しんだことが、ある。


リタリンの取材をしていた、毎日新聞社会部「精神医療取材班」は実質「リタリン撲滅班」であったような印象を受ける。


一体どういう利害が絡んでいたのかしらないが、リタリンのうつ病患者に対する処方が、忘れもしない、

2007年10月26日以降認められなくなったのを見届けるようにそれ以来、「精神医療取材班」の記事を読んだことは、

やせ薬を巡る報道で一度目にしただけである。しかし、何かというと「向精神薬」(精神科で処方される薬)の

マイナス面だけを強調したがる悪い癖が、確かに、毎日新聞社会部には、ある。

当時私は批判的な記事をここに書き、毎日新聞への問い合わせを4回行ったが何の返事も返ってこなかった。

2007.09.22 毎日新聞「リタリン報道」の恣意性。リタリン乱用入院者、15例(06年)アルコール依存症は、入院外来合計1万7千人(02年)

2007.12.07 毎日新聞宛質問状「リタリン報道について。患者が仮処分申し立てを行ったことを何故報道しないのか?」 

2008.02.11 2月11日(月)21時02分付 毎日新聞精神医療取材班へのメール--リタリン報道に関して(注:3回目)

2008.05.05 毎日新聞社会部「精神医療取材班」への四度目のメール全文

世間では少し話題になったが、殆どの人々は精神科の治療を受けずに生活していて、従って、

向精神薬(狭義には精神科で処方される薬物のこと。広義には、人間の精神状態に影響を与える物質、例えば「アルコール」を含める。)に

大きな関心は無いだろう。よしんば、毎日新聞社会部、精神医療取材班に最初は問い合わせが殺到した、と仮定しても、

翌年の5月に問い合わせても答えが返ってこないのは誠に不思議である。

毎日新聞社会部のリタリン報道は、過去の記事を読んで頂くとわかるが、外部の識者によって構成された、

「開かれた新聞委員会」の4人の委員のうち3人から「偏向している」という趣旨の批判を受けている。
これに対して、社会部長は、
リタリンの乱用による副作用被害は極めて深刻です。その背景には、

患者を多く集めるために安易に処方する一部の医療機関の存在があります。リタリンをはじめ

、向精神薬の乱用に歯止めをかけるにはどうしたらいいのか、医療機関や製薬会社、

行政に有効な対策を求めていくことが報道の狙いです。

80年代以降、リタリンが、うつ病に効くという臨床試験の結果はなく、

うつ病への適応削除を決めた厚生労働省の審議会でも異論は出ていません。

とはいえ、「リタリンによって何とか日常生活を送っている」という患者が少なくないのも現実です。

乱用防止はもちろんですが、こうした人たちの苦しみに応えるためにも精神医療、

薬物治療はどうあるべきかをさらに掘り下げていこうと考えています


【東京本社社会部長・斉藤善也】(注:色太文字は引用者による)

と、「模範解答」を提示しているが、その後毎日新聞社会部が、
「リタリンによって何とか日常生活を送っていた人達の苦しみに応えるために、精神医療がどうあるべきかを更に掘り下げ」

た記事を載せたことは無い。ウソツキである。

殆どリタリン撲滅キャンペーンのような報道を続けていた毎日新聞は、

精神科医の中には、
「遷延性、難治性うつ病にリタリンが有効だ」

という意見の持ち主もいたのに、全く取材せず、もっぱらリタリンの依存性、濫用の危険性を強調したがる、

自分達に都合の良い専門家の発言ばかりを載せた。実にいい加減な新聞である。


◆今回もまた、向精神薬で病気が回復している患者のことを取りあげない。

今回、毎日新聞が問題視しているのは、一度に大量に向精神薬(抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬等々)を処方する医者がいるので、

自殺企図がある患者がその薬で自殺を図ることがあるから、厚生省が、処方量を加減しろと現場の医師に命じた、

ということだが、少し考えればわかることだが、意味がない。記事によれば、

厚労省研究班が遺族との面接を通じて自殺者76人について調査したところ、

半数が死亡前の1年間に精神科か心療内科を受診。このうちの約6割が、

直接の死因でない場合も含め、処方された向精神薬を自殺時に過量服薬していた。

これでは、まるで、抑うつ状態になっても精神科医の診察を受けない方がいい、といいたげではないか。

そして、自殺者76人の半数の約6割(22人である)が自殺時に、

直接の死因でない場合も含め、向精神薬を過量服薬していた、と。

直接の死因になったものは何人いるのか分からないではないか。

日本では、12年連続、年間3万人を超える人間が自殺しているが、最近、

自殺者の7割が精神科を受診していて、向精神薬を服用していた、とのデータから、

抗うつ剤の副作用で希死念慮が生じるのではないか、と主張する人が増えているが、

あくまでも仮説であり、因果関係は立証されていない。


私は10年間抗うつ薬を飲んでいるが、飲んでいる時期に希死念慮が生じたことは無い。

危ないのは、面倒臭くなって抗うつ薬を飲むのを暫くサボってしまった時期である。

一日ごとに気分が憂鬱になっていく。慌てて抗うつ薬の服用を再開したら、ピタリと収まった。


自分が患者になって分かったが、薬と患者には「相性」がある。ある人にはとてもよく効く薬が、

別の患者には全くなにも効果がない、というケースはザラである。多分今、日本で使える抗うつ薬は

20種類近いと思うが、それは、人により相性が異なるからだ。

自分に合う薬を見つけるまではドクターと患者とで、相談しながらの試行錯誤の連続だが、

一旦、合う薬が見つかれば、随分と楽になる。抗うつ薬はまずその主作用があるからこそ、

存在している。

大量に服薬したところで、例えば自殺と言えば睡眠薬だが、あれは昔のバルビツール系という

睡眠薬で、大量に服用すると、脳幹の呼吸中枢の働きを抑制してしまうから「死ねた」が、

今、処方されるのはベンゾジアゼピン系といって、例えば2週間分を一度に飲んでも、

ヘロヘロになって翌日起き上がれなくなるだけで、残念ながら(?)死ねない。


◆一回当たりの処方量を減らしたって、何度も通って貯めたら同じ事だろう。バカ。

厚労省は、医師に適量の処方を心がけるように指示したというが、そうするとなにが起きるか。

今まで一ヶ月分処方されていた患者に、1週間分しか処方出来なくなったら、毎週通院しなければ

ならなくなる。精神科の診察料は高く、再診でも一回1,400円である。

安定している患者は、一週間程度では症状に大した変化はない。徒に経済的負担が増える。

患者の通う頻度が全体として高まれば、精神科はいつも大混雑となろう。必然的に患者1人に

割ける時間は短くなる。

精神科で処方される薬で、大量に服用すれば自殺可能なものがあると仮定しよう。

一回の処方量を減らしても、何度も通い、薬を飲まずに大量に貯めておいて、一度に飲んだら、

結局自殺出来てしまうではないか。

それに、希死念慮がある人にヒントを与えてはいけないので具体的には書かないが、

向精神薬以外にも、大量に飲んだら生命を落とすかも知れない物質は他にもあろう。


それぐらいの事は少し考えれば分かる。

抗うつ薬(特に古いタイプ)は主作用を実感する前に、口渇、便秘などの副作用が出ることが多い。

薬の血中濃度がある程度高まらないと、主作用(抗うつ効果)は感じられない。

しかしそれでも、主作用の恩恵が副作用のデメリットを上回るから処方薬として残っている。

毎日新聞の記事は、まだ精神科を受診したことがない、しかし、治療を要する患者に

精神医療に対する、不必要な恐怖感を与え、早期治療の機会を減じてしまう効果の方が恐ろしい。

特殊なケースを、それが一般的であるがごとく誇大に強調するべきではない。

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