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2010年7月

2010.07.31

楽器屋での不愉快なこと。客商売の心得。

◆トランペットを始めた頃の話。

弊日記・ブログをいつもお読み頂いている方々は、ご承知かと思いますが、

私は、クラシック音楽全般が好きで、ピアノやヴァイオリンは勿論好きですが、

子どもの頃に、ホンの一時期ですが、「プロになりたい」と考えたことすらあるほど、

トランペットが非常に好きです。


日本で、トランペットを吹いたことがある人。吹いている人、プロになった人、の殆どは、

最初、小学校~高校の「吹奏楽部」(名称は色々でしょうが)で楽器に触ります。

ところが、私が生まれ育った東京都杉並区というところは、決して野蛮な場所でも非文化的な場所でも

ありませんが、私が通った公立小学校にも中学校にも何と「吹奏楽部」が存在しません。

杉並区でも学校によっては代々引き継がれた吹奏楽部がありますが、

あれは一体どういうことなのか、無い学校は校長も音楽教師も数年で替わるはずなのに、

今に至るまで、ありません。私はたまたま、そういう小学校と中学校に通いました。


それでもどうしても、トランペットが吹きたくて、親にせがんで、ヤマハの初心者用のを

買って貰いました。随分時間がかかりましたけど。それに吹けないのにいきなり買うのですから

良い楽器かどうか(現在は殆どそういうことがないようですが、昔は明らかに、「当たり外れ」が

あったのです。他の「道具」でもそういうこと、ありますよね。)分からないのですから、

乱暴でいい加減な買い方です。しかし、周囲に「トランペットについてアドヴァイスをくれる人」

などいなかったのですから(何しろ「吹奏楽部」が無いんです)、仕方がなかった。


念願の楽器を手に入れて嬉しかったけど、ちょっと試してみて、

これは、独学ではどうにもならない。

ことが分かりました。何らかの音はでますが「音楽に使える音」を出すためには、

つまり、まともに吹けるようになるためには、専門家に教わらなければならない、

と思いました。四方八方手を尽くして、豊島区大塚の「管楽教育研究所」で、

東京吹奏楽団(1963年、東京で初めて創立したプロの吹奏楽団)でトランペットを吹いておられる、

歴としたプロの先生に習うことになりました。


プロ・アマ問わず、日本でトランペットを最初から個人レッスンで始めた人間は少ないと思います。

別に自慢でも何でもありません。経緯をご説明したとおり、そうせざるを得なかったのです。

この先生は、最初から趣味で吹く、と言いました。プロは無理だと思いました。

あまり簡単に止められたら困る、と思ったのでしょう。先生は、弟子のレッスンを見学させてくださいました。

その時の生徒さんは、ものすごく失礼なのですが、はっきり言ってあまり上手くなく、しかし、プロになりたい

という意思でレッスンを受けていたので、先生の言葉は大変厳しいものでした。

今、思うと先生は、わざとそういう情景を子供の私に見せて、怯えて止めると言い出さないか

試したのでしょう。

レッスンで先生が発する言葉はとても厳しかったけれど、私は「怖い」とは思いませんでした。

却って「きちんと音楽を勉強するということは、これほど厳しいことなのだ」という事実に

感動してしまい、ますます、トランペットのレッスンを受ける決意をしました。

「管楽教育研究所」は良心的で、レッスン料も高くありませんでした。


◆レッスンは、厳しかったけど楽しかったのです。

先生は決してヒステリックではないけれど、趣味であろうが何だろうが、

「トランペットを吹く限り、いい加減な吹き方は許さない」

という姿勢でした。ミスが連続すると
君、そういうのをね。「デタラメ」っていうんだよ。

金管は吹いている間に呼気の水分が水滴になり管に溜まるので、頻繁に水抜きをする為のキーがあるのです。

吹くのに夢中で水が溜まったままでいると、
君さ。水抜きしなさいよ。そういう汚い音で吹いていて平気なのかな?

今のようなデジタルは勿論当時ありませんが、アナログのチューナーがありました。音程が揺れると

メーターの針が左右に振れるので、一目瞭然です。それに向かって長い音を伸ばす「ロングトーン」を

試したら、微妙に左右に振れているのです。そうしたら、
君、ロングトーンの練習が足りないよ。メロディーなんか、後だ。まずは真っ直ぐ吹けるようになりなさい。

レッスンで毎回注意されることの方が多かったけれど、それで嫌になったことは

一度もありません。むしろ「正しいトランペットの吹き方を教わっている喜び」の方が大きかった。

やはり、好きだったのだろうと思います。

ただ、暫くレッスンを受け、比較的安定した良い音がでるようになったとき、先生は
うん、男らしい、良い音だぞ。

と、初めて褒めて下さいました。あの時の嬉しさは忘れません。


◆死ぬ前に(大袈裟ですが(笑))もう一度、トランペットを吹きたい、と思いました。

その後の30年の紆余曲折を詳しく書いたら、長くなりすぎます。

簡単に書くと、社会人になったら、トランペットを続けるのは無理になってしまいました。

早朝から深夜まで仕事だし、何しろトランペットですから、練習場所が無い。

数年前、昔の実家をマンションに建て替え

(言っておきますが等価交換という方法を用いたので、私は「大家」ではなく、家賃収入はありません)

その一室に住んでいますが、各部屋の間取りは個別にオーダー出来るという特殊な形式のマンションで、

私は、家内がピアノを教えるので、かなり頑丈な防音室をつくりました。

今まで、病気(うつ病)で何もやる気がしなかったけど、1年ほど前、実に30年ぶりにトランペットの、

吹き口、マウスピースというものを買いました。これだけでも練習出来ます。

ある程度、昔の勘を取り戻すと楽器が欲しくなります。本当は息子が浪人中ですから、

おカネは温存すべきですが、「いつか、いつか」と言っていると、結局いつまでも何も出来ないものです。

勿論、何十年も楽器を吹いていないので、初心者同然です。昔、レッスンで、一から習ったので、

練習方法は分かっていますが、この年から再開しても絶対に上手くはなりません。

それでも、大袈裟ですが、死ぬ前にもう一度、トランペットで音を出しているときのあの快感を

味わいたい、と最近思うようになりました。


◆昨日、楽器屋に寄りました。

そこで、昨日、会社から帰る途中、お茶の水駅近くの管楽器店に入りました。名前は伏せます。

若い店員さんからすかさず、「いらっしゃいませ」の声がかかりました。他にお客さんがいなかったし、

話しやすい雰囲気だったので、その若い店員さんに事情をはなしました。

つまり、かつてはずっと吹いていたが、何十年もブランクがある。こういう場合どういう楽器を

選んだら良かろうか?というようなことです。本当はもう少し詳しく話したのですが、ラッパの世界の

話なので、それを書くのは省略します。若い店員さんはとても親切でした。


ところが、明らかにその店の店長と思われる、太った中年の男性は「いらっしゃいませ」も、言わず

私と店員さんの会話は聞こえているはずなのに、仏頂面のまま、何もいいません。不機嫌にすら見える様子。

お断りしておきますが、私は自分が客商売に長く携わっていたので、客に威張られる不愉快さは骨の髄から

知っています。ですから昨日も辞を低くして、若い店員さんと話をしていました。店長が不機嫌になるような

ことは言っていません。


店を出るときにも、若い店員さんは、

ありがとうございました。よろしくご検討下さい。

と、至って丁寧でしたが、太ったオールバックの、モミアゲの長い店長は遂に無言のままでした。

私は、馬鹿だなあ、と思いました。

中年のオヤジが、何十年ぶりかにトランペットを買おうか、と言っている。

いくら現時点では初心者同様でも、学生よりはおカネがあります。

うまく私をおだてれば、高い楽器を買うかも知れない。

絶好の「カモ」です。

こういう客に「いらっしゃいませ」も「ありがとうございました。」も言わず、

店内でも一言も口を利かない、というのは、やる気がないのです。


客商売というのは、よく言われるとおり、客の信頼を得るまでには大変な努力を要しますが、

一瞬の失敗で長年のお得意さんの信頼を失うこともあるし、新規の顧客の獲得に失敗するのです。

若い店員さんには悪いけど、もしも、私が本当に楽器を買うことを決意しても、あの店では買いません。


逃した魚は大きいぞ?

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2010.07.30

「民主両院総会 菅首相、消費税発言を陳謝 辞任要求噴出」←小沢一郎、政治家辞めろ。

◆記事:民主両院総会 菅首相、消費税発言を陳謝 辞任要求噴出(7月29日22時57分配信 毎日新聞)

民主党は29日、国会に近い憲政記念館で、参院選敗北を総括する衆参両院議員総会を開いた。

菅直人首相(党代表)は冒頭、自らの消費税増税発言について陳謝した上で、

「苦しい中での再スタートが新しい政治の地平を開いたと評されるよう、私自身、死力を尽くす」と述べ、

代表選に出馬し、続投する考えを表明した。

だが、小沢一郎前幹事長のグループを中心に首相の引責辞任を求める意見が噴き出し、混乱が続いた。

執行部はこの日の総会で総括に区切りを付け、再選への流れを作る意向だったが、逆に党内の対立が表面化し、

9月の党代表選に向けて首相が厳しい政権運営を強いられる状況が鮮明となった。(注:以下省略。色太文字は引用者による。)


◆コメント:政治とは政治家の縄張り(勢力)争いのことなのか。

民主党の両院議員総会の様子をテレビ各局が映していたが、民主党員はホントにバカの集まりだ。

菅直人内閣総理大臣が参議院選挙前に消費税を口にしたから、民主党は大敗した。

責任を取って、首相を辞めろと菅首相に詰め寄っているのは、小沢派の党員だ。

冗談ではない。


菅直人氏が第94代内閣総理大臣に就任したのは、6月8日。

7月30日時点で、就任後わずか52日。時間で換算すると1,248時間である。

今辞めて、だれが総理になるというのか。


小沢派の連中は小沢一郎が民主党代表選で立候補するべきだと考えているらしいが、

若年性認知症ではないか?もう忘れたのだろうか。

小沢一郎が昨年五月に代表を辞め、今年六月、鳩山由紀夫が首相を辞めると同時に幹事長を辞めた。

それは、小沢をめぐるカネの話がすっきり解明出来ず、世間の批判が高まり、選挙で票が減ることを

恐れたからである。


小沢一郎が幹事長を辞任した直後の世論調査では、90パーセントが、

小沢が幹事長を辞めて良かった。

と答えている。政治資金をめぐる疑惑がはっきりしない、何を目論んでいるのか分からない人間が

政治の中枢から離れたことを、国民は喜んでいるのだ。


今日の両院議員総会で菅首相の吊し上げを若手にけしかけたのは小沢であろう。

小沢派の若手は、九月に予定されている民主党代表選に小沢一郎が出馬し、民主党代表になり、

即ち、内閣総理大臣になることを願っている訳だが、それは主権者たる国民の意識を全然考慮していない。


国民は民主党に対する評価とは別に、とにかく何か悪だくみをしていそうな小沢一郎が

内閣総理大臣になることなど望んでいない。策士の小沢は、何を考えているのかわざと分からないようにして、

マスコミの関心を惹いている。そういうのは海千山千の小沢にとって簡単なことなのだろうが、

政権政党が内部分裂を起こしているようでは、ますます国民は不安になる。

小沢一郎は、一刻も早く、政界を去るべきである。

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2010.07.29

【音楽】7月28日はバッハとヴィヴァルディの命日です。

◆バッハとヴィヴァルディは同じ時代の人ですが、命日が同じなのです。

この話は過去にも取りあげた事がありまして。

何度も同じ事を書いて、長く弊日記・ブログを読んで下さっている方は、

またか。

と思われることでしょうが、ご辛抱下さいませ。

バッハの生涯は1685年-1750年。ヴィヴァルディは1678年-1741年です。

数年の差がありますけど、殆ど同じ時期に生きていた、ということです。


◆バッハがヴィヴァルディの作品をそのまま編曲したものがいくつもあります。

バッハはドイツ。ヴィヴァルディはイタリアはヴェネツィアの作曲家で、

バッハ先生は、イタリア風の音楽の勉強のつもりか、ヴィヴァルディの作品を

随分編曲しています。

それにバッハの作品番号、BWVが付いているので(後世のひとが付けたのですが)

なかなか大らかで楽しいです。「著作権」など無い時代なので、バッハとヴィヴァルディに限らず、

このような作品の「貸し借り」は普通に行われていたようです。今みたいにカリカリしてないですね。


◆ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲RV 230をバッハがチェンバロ独奏曲に編曲したBWV972を更に金管アンサンブル用に編曲したもの。

言葉で書くとややこしいですが、要するに、原曲は、

ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲 RV 230なんです。

因みにRV番号とは

デンマークの音楽学者ペーター・リオム(Peter Ryom)によって考え出された、

アントニオ・ヴィヴァルディの作品を整理される際に用いられる整理番号(ウィキペディア)

だそうです。まずそれを聴いて下さい。


ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲 RV230 第1楽章






これをバッハがチェンバロ又はオルガン用に編曲したのがバッハの作品番号で、BWV972です。

それをピアノで弾いたものを聴いて頂きます。



バッハ:BWV 972 第1楽章







ははあ、なるほどね。と思いますね。上手く編曲するものですね。

普通ここまででしょうが、かつて、散々ご紹介しましたけど、ドイツの金管アンサンブル、

ジャーマン・ブラスという団体がありまして、そのトランペット奏者、マティアス・ヘフスという人が、

BWV 972を金管アンサンブル用に編曲しました。


これが編曲、演奏共に実に見事です。ヴィヴァルディとバッハの融合。

それがラッパの集団でこれほどまでに輝かしくなる、というのが音楽の面白いところです。


Bach BWV 972 after Vivaldi Violin Conceto RV 230







良いでしょう? 実に音楽的な演奏です。

これは、DVD Bach for Brass / German Brassで見ることが出来ます。

他にもバッハのオリジナル作品をブラス・アンサンブルで演奏していますが、どれも大変に見事です。


今日はバッハとヴィヴァルディを同時にご紹介しました。

それでは。

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2010.07.28

【音楽】8月1日(日)N響ほっとコンサート のすすめ。

◆夏休み特別公演 N響ほっとコンサート 楽しいですよ。

コンサートまで時間が有りませんが、お伝えしないよりは良い。

8月1日、東京渋谷のNHKホールで、「夏休み特別公演 N響ほっとコンサート」があります。

これは、私の子ども頃には無かった。比較的新しい行事ですけど、とてもいいですね。

N響の管楽器のみによる吹奏楽の部、弦楽合奏の部、全員による管弦楽の部。

これだけでも楽しいけど、何と言っても「N響ほっとコンサート」で好評なのは、

本物のオーケストラの楽器に触らせて貰えて、試しに音を出す試みをさせてくれる、

楽器体験工房ですね。これはお子さんを連れて行かれると良いでしょう。

あまり幼い子供はだめですけど、小学生ぐらいから大人まで、毎年大変皆さん喜ぶのです。

但し、これはN響の英断です。


N響側からは言いにくいだろうから、私が書きますが、楽器は音楽家にとって命の次に大切なものです。

本来、素人に触らせるものではない。大サービスです。だから、大事に扱わなければいけません。

プロが横について教えてくれますけど、間違っても落としたりしないようにね。


私は、自分で触ったことが既にあるから、わざわざ行きませんが、

絶対に楽しいと思います。特に子供さんにとって、人生を変えるほどの感激を

もたらすことになるかも知れません。

お断りしておきますが、私はNHKともN響とも何も利害関係はありません。

オーケストラは、楽しい。それを多くの方に知って頂きたいのです。

まだ、空席ありますから、行ける方はいってらっしゃい。

オーケストラで実際に使われている楽器を目の前で見て、触らせて貰え、

そのあと、演奏を聴く。楽しくないわけがない。


◆弦楽合奏とオーケストラのプログラムから。

弦楽合奏の部で演奏される、ルロイ・アンダーソンの「ジャズ・ピチカート」と「 プリンク・プレンク・プランク」。

これは、いずれも弓で弦を擦るのではなくて、指で弦をはじく、ピチカートで演奏されます。

ルロイ・アンダーソンの自作自演盤で、



ジャズ・ピチカート







プリンク・プレンク・プランク







それから管弦楽(オーケストラ)の部にかいてある、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」から。

これは、音源はレナードスラットキン指揮:ミネソタ交響楽団なのですが、25年も前のCDで、今は絶盤のようです。


小序曲







トレパーク







最後に、

花のワルツ







生のオーケストラで聴いたら、もっと楽しいですよ。
N響ホッとコンサート。オーケストラに馴染みの無かった方こそ、行くべきです。

最後にもう一度書きます。

オーケストラは、楽しい

のです。

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2010.07.27

取り返しが付かないこと。ずっと私の日記を読んで下さった方が1年前に白血病で亡くなりました。

◆長い闘病生活の後、昨年7月25日に亡くなられた読者がおられます。

私がエンピツというWeb日記で「JIROの独断的日記」を書き始めたのは

2002年4月15日ですが、その1年2が月前、2001年2月から、ずっと闘病生活を送りながら日記を書き続けた方が

いらっしゃいます。ご本人の詳細なプロフィールは分からないのですが、

きゅっ。の日記のナカムラ・キュウヤさんです。

ナカムラさんの最後の日記はご家族が書かれたのでしょう。

2009年07月26日(日) この日記を読んでくれたみなさんへ

平成21年7月25日 午後5時27分 ナカムラ キュウヤ永眠しました…。

今まで応援していただき、ありがとうございました。

で終わっています。

私は医学の知識がないので、どういう病状・経過だったのか実感が伴いませんが、

ご本人が入院した直後、病状説明と治療計画を書いておられます。
2007年07月03日(火)病状説明と治療計画

病名:骨髄異形成症候群から移行した急性骨髄性白血病

10年前、初診時は低リスクと思われたが、最近、急速に急性骨髄性白血病に移行した。


【治療計画】

数種類の抗がん剤を組み合わせる多剤併用化学療法を行う。


化学療法の1サイクルが約1ヶ月。これを4~5回繰り返すことになるので、約半年以上の入院が必要。

この骨髄異形成症候群自体はガンではないのですが、

急激に急性白血病、特に急性骨髄性白血病に移行することが多い。

ナカムラさんの場合も正にそれでした。

最初は抗ガン剤による化学療法を試みますが、治療効果がはかばかしくないので、

骨髄移植を行うつもりであったところ、適当なドナーが不在で、

臍帯血移植に切り替えざるを得なくなります。ナカムラさんの骨髄は最早ガン化して、血液を造れない。

臍帯血の中の造血幹細胞が血液を造り出すことを期待したのです。

臍帯血移植を行ったのが2007年12月27日でした。


書き忘れましたが、日記を注意深く読むとナカムラさんはわたしよりも5つ年下、1965年生まれです。

臍帯血移植時は、42歳でした。

臍帯血移植後90日の検査では、ドナー細胞が99パーセントで、ブラスト(芽球)と言われる悪性の未熟細胞は

1.6%で殆ど無い、という状態(ブラストが増えると白血病の再発が疑われるのです)になり、

2008年4月26日、移植後121日目(入院305日目)には退院許可が出て、元々アスリート(スキーです)のナカムラさんは、
2008年05月02日(金) 移植後127日目。奥只見丸山スキー場に行く。

と日記に書いています。さぞや嬉しかったことでしょう。ところが・・・・。

2008年06月16日に検査を受けた2日後、2008年06月18日、主治医から電話があり、
末梢血にブラスト発見。再発の疑い。

を告げられます。2008年06月24日(火) 移植後180日目にはブラストの占める割合が30パーセントになり、

最早、白血病の再発は明らかとなりました。あまりにも残酷です。

以下、本来高度に専門的なことですから、内容を本当には理解できませんが、CAG療法という

抗ガン剤のシタラビン、抗がん性抗生物質、アクラルビシンを点滴又は皮下注射する化学療法や、

白血球の血液型、HLAが完全に一致しないドナ-、ナカムラさんは弟さんから造血幹細胞移植を受ける、

半合致移植という、最後の手段まで試みました(2008年11月21日)が、その後大変な頭痛に苦しみます。

読んでいる方が辛いです。


それ以降の病状の経過は、何だか興味本位になるようで、不謹慎なので止めます。


結局、ナカムラキュウヤさんは、最後まで頑張りましたが、奧さんとお子さんを残し、

2009年7月25日に亡くなりました。容態が良くないことは、分かっていたのに、

私は最後まで、ナカムラさんにメールを送れませんでした。

「頑張って下さい」とか「早く良くなって下さい」などという言葉は空々しいだけです。

ナカムラさんは最後まで、周囲の人々に気を配っておられます。

ご本人が亡くなる8日前に書かれた、最後の日記です。
2009年07月17日(金)マダマダツヅクヨコノミチハ

白血病を抱えたまま、人工透析患者に移行した。血中酸素濃度がきびしくなり、

人工呼吸機装着になるかもしれないということで、家族が呼ばれた。

症状としては、肺炎、心外膜水腫瘍、呼吸不全、尿が出ない。苦しかった。ツラかった。

それから、ずーっと付き添いをしてもらっている。助けてほしい、

その時に側にいてくれる人がいるなんて、なんて幸せなんだろうということを実感している。

もう一つ、自分自身に納得できる一日を過ごしている。明後日の希望を晴れやかに言うつもりなく、

いまは、今日を快適に凄し、少しでも明日の朝に、快適な今を引き継いでいくこと。今日もスタートだ!


最後まで「幸せだ」と書いておられます。私には絶対に真似できません。立派だと思います。

私は、この日記とご家族の最後の日記を読んだ時に、取り返しがつかないことをしてしまった。

と思いました。何でも良いからメールを送れば良かった。

願わくば、拙日記を読み、あるいは、ご紹介した音楽を聴いて、ナカムラキュウヤさんの気分が

束の間でも、少しでも和んだことを、今更ですが、祈るような気持です。

ナカムラキュウヤさんのご冥福を祈ります。

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2010.07.26

ストレステスト、二番底・株価20%下落を想定=欧州銀行監督者委」←確かにちょっと甘いシナリオですね。

記事1:ストレステスト、二番底・株価20%下落を想定=欧州銀行監督者委(7月24日0時0分配信 ロイター)

欧州銀行監督者委員会(CEBS)によると、欧州の銀行に対するストレステスト(健全性審査)は、

欧州で景気が二番底に陥り、2010年と2011年にかけて経済が3%縮小した場合を想定して実施された。

また、両年に株価が20%下落した場合、銀行が保有する証券化商品の格付けが4ノッチ引き下げられた場合も想定した。

CEBSとECBは、今回のストレステストが想定するシナリオが実際に起こる確率は20年に1度で、

米国で2009年に実施された銀行ストレステストよりも厳しい状況を想定したとしている。

米国のストレステストで想定されたシナリオが実際に起こる確率は7年に1度だった。


◆記事2:<健全性審査>検査基準「甘い」の声 市場の評価に注目(7月25日9時29分配信 毎日新聞)

欧州連合(EU)加盟国の金融監督機関で作る欧州銀行監督委員会(CEBS)は23日、

欧州20カ国の金融機関91行に対する健全性審査(ストレステスト)の結果を発表した。

「不合格(資本不足)」は、経営不安が指摘されていたドイツ不動産金融のヒポ・レアル・エステートなど

7行にとどまり、欧州政策当局は「健全性が証明された」と強調した。

だが、市場では検査基準が「甘い」との声も多い。真価は、週明け以後の市場で試されることになる。


◆コメント:ストレステストというのは普段から各銀行が自分でもやってるんです。

世界中の銀行は自国の企業の株や社債、国債、外国債などに投資をしています。

そして今の世界共通の会計制度は時価会計といって、決算の時に、株とか債券など、

価格が変動する資産が、購入時に比べて下がっていたら、評価損を計上し、場合によっては、資本を取り崩し、

その評価損の穴埋めに使うのです。


これ自体議論があるのですけどね。評価損というのは「評価損」であって、株や債券を売らなければ、

いくら購入時から価格が下がっていても「実損」はでないのですから、そんなに気にする必要があるのかいな?

と言う意見なのですが、何でもアメリカさんのゴリ押しが通る世の中で、アメリカが時価会計、時価会計と五月蠅いので、

だいぶ前から日本や他国で、企業は決算書にこの「有価証券評価益(又は評価損)を明記しなければいけないのです。


ストレステストというのは、何らかの原因により、株価や債券価格が急落しても、金融機関は資本を取り崩し、その評価損を

補填しても、まだ十分な自己資本が残るかどうか、仮定上の条件の下に調べるわけです。

ギリシャの財政危機後、欧州経済は極めて不安定で、国家がデフォルトになるかもしれない(ソブリン・リスク)があり、

また、国家さえ危ないなら、ヨーロッパの銀行は、潰れないのかと心配されていたので、

欧州銀行監督委員会というところが、EU内91行の財務状態を調べて、その結果を23日に発表すると

以前から言っていました。先週は、週末に、このストレステスト結果が発表されるので、色々な憶測を呼んだのですが、

まあ、大方大丈夫だろう、という楽観論が支配的でした。


◆リスクコントロールというのは最悪の事態を想定しないと意味がないですね。

世界中の銀行は国境を越えて資金の貸し借りをしていますので、

どこか1行でも資金繰りに窮すると、ドミノ式に世界中の銀行が資金を調達できなくなり、

潰れる危険があるのです。実際には、そうなりそうな気配があったら、各国の中央銀行が流動性資金を

市場に潤沢に供給して、絶対潰さないようにするでしょう。

2008年9月15日のリーマンショックの後は、世界中の中央銀行は臨戦態勢で、非常に緊張したと思いますが、

ヤバそうな銀行にはすぐに公的資金を注入する、潰さない、と各中銀がそれぞれの国で宣言したので、

金融恐慌になりませんでしたが、うっかり間違えたら大変ですよ。三井住友銀行や三菱東京UFJや、みずほの預金が

引き出せなくなったらどうします?

そうならないためには、最悪の事態でも何とかするような体制というか、行動のシミュレーションをしておく必要があります。

各国政府、金融当局が、です。

しかし、最悪と言っても、キリが無い。株の暴落って、無限に(株価0円になるまで)売られる可能性があるんですから。

ただ、それはさすがにあまりにも可能性が低い。

だけど、リーマンショックの後、1ヶ月足らずで、ニューヨークのダウは25パーセント、日経平均は32パーセントも急落したのです。

これが銀行の収益を極度に脅かし、銀行は業績を守るために、貸し出しに慎重になりすぎて、それで、企業が資金難に陥り、

世界景気は、白川日銀総裁の当時の言葉を借りると、

「崖から岩が転がりおちるような」という表現がそのままあてはまるものすごい速さで、(景気の)後退が進んだ

のです。

そういう歴史的事実があるのですから、記事1に書かれている、ストレステストのシナリオは、

確かに少々甘い。EU内91行のウチ不合格が7行だけ、という発表ですが、本当はもっと危ないのではないか、

という疑念が払拭されていないので、今週もあまり、マーケットは安定しないでしょう。

また、ストレステストとは異なりますが、先週木曜に、アメリカのバーナンキFRB議長が

米国経済の見通しに着いて上院の金融委員会で証言を行いましたが、何と言ったかというと、
「注意深く経済や金融の状況を見極めているが、米経済の見通しは異例なほど不透明だ」

と、言ったんですね。要するにどうなるか全く分からん、と悪く言えば金融政策の最高責任者が、

米国経済に何が起きるか予想出来ない、というのです。

歴代のFRB議長の議会証言で、このような言葉を初めて聴きました。

まあ、それが、最も本当の状況なのでしょう。

アメリカ景気がまた下降し始めたら、日本の車なども売れなくなります。

日銀や内閣府の月例リポートでも、日本の景気は緩やかに回復していると言えなくもないが、

アメリカの景気が落ちこむかも知れない「下振れリスク」を抱えていることを認めています。

これだけ、景気が悪く、しかもそれが長く続くのは、私は初めてです。

まだまだ、要注意なのです。

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2010.07.25

【音楽】まだまだまだ、続くカッチーニのアヴェマリア。今日は「歌」ばかりです。

◆口幅ったいようですが、私がある音楽にハマるとこういうことになります。

普段、ブログを書き終えて寝るのが3時か4時なので、平日は3時間睡眠です。

そのため、土日はほぼ一日中寝てます。ニュースを追いかけるのも面倒臭い。

音楽にします。


「またか」と呆れる方が多いでしょうが、またまた、「カッチーニのアヴェマリア」です。

今日は楽器ではなく、「歌」ばかりを集めました。

偉そうな言いぐさですが、一つの曲に夢中になる、というのはこういうことで、

これは私にとって珍しいことではありません。カッチーニのアヴェマリアは演奏時間が短いですけど、

例えば、以前モーツァルトのピアノ協奏曲23番 イ長調 K.488、にハマったときは、

やはり、そればかり色々な演奏を集めました。

こういう調子なので、私は「聴くレパートリー」が少ないのです。

次から次へと、世間で知られていない珍しい曲を探す人がいて、クラシックファンの一つの典型ですが、

私には、そういうことができません。勿論、人それぞれで構いません。


◆カッチーニのアヴェマリア。今日は「歌」だけ(過去と重複あり)。

カラヤンに認められて世に出た韓国のソプラノ、スミ・ジョー。

【音楽・映像】韓国のソプラノ、スミ・ジョー(Sumi Jo)がロ短調ミサの稽古でカラヤンに気に入られる瞬間。ココログ

YouTubeからです。


Sumi Jo - Caccini - Ave Maria







見事です。カラヤンの前で歌った時に比べると、当たり前ですが、大変な貫禄ですな。

但し、うーん。好みの問題かな。冒頭の伸ばす音、そして全体的にヴィヴラートの周期が短すぎる。

今までご紹介した楽器の演奏を聴き直すとわかりますが、皆、もっとゆったりとしたヴィヴラートをかけている。

その方が、長い音が美しく聞こえます。


次は、一番最初に紹介した、ロシアのカウンターテナー、SLAVAです。

色々な作曲家の「アヴェマリア」ばかりを集めた、Slava Ave Mariaが音源です。


Slava Caccini Ave Maria



きれいですね。伴奏、シンセサイザーでは無い方がもっと良かったと思いますが。


次です。

以前一度載せました、日本の女性アカペラ「アンサンブル・プラネタ」の演奏。


アンサンブル・プラネタ「カッチーニのアヴェマリア」







大変きれいですが、ソプラノの人、高音で如何にも声が細くて声量が乏しいですね。


次はイギリスのメゾ・ソプラノ、キャサリン・ジェンキンス(Katherine Jenkins)という人。

可愛いということで人気があるらしいですね。

音源はPremiereです。


キャサリン・ジェンキンス「カッチーニのアヴェマリア」







メゾ・ソプラノなので、ソプラノに比べたら、やや華やかさに欠けます。

特別天才的に上手、ということはありませんが、まあ、良いでしょう。

伴奏が少し、凝り過ぎ。オーケストラに加えて、ピアノが「グノーのアヴェ・マリア」を真似て、

バッハの平均律クラヴィーア曲集第一巻の一番最初のような分散和音を弾き続けてますが、

ピアノだけにするか、オーケストラだけにするかどちらかで良かったと思います。


次は、日本では、「ヘイリー」で活動している人だそうです。今回初めて聞きました。

本名は、ヘイリー・ウェステンラ(Hayley Westenra)といい、アイルランド系ニュージーランド人です。
純・クラシックではなくて、クロスオーバーの人。

音源は オデッセイ です。


ヘイリー「カッチーニのアヴェマリア」







きれいな声です。惜しむらくは、キャサリン・ジェンキンスさん同様、伴奏がオーケストラで、

その伴奏の響きが厚すぎると思います。この歌は、シンプルにピアノ伴奏で良いと思うのです。

そもそもオーケストラをバックにソロを歌うというのは、本来オペラ歌手の仕事で、オーケストラに

かき消されないだけの声量と良く通る声質を持っている人だけがやることなのです。

それから、この曲で一番盛り上がるところですが、最高音からの下降音型、6連符にしていますが、

必然性が認められません。さっきかきわすれましたが、スミ・ジョーも同じことをしていました。

8分音符のままで良いと思います。



次も初めて聴く方です。山田英津子さん。音源はCDでは入手できず、iTunes Storeです。

アヴェマリア-リミックス(←クリックするとiTunesが起動します)というアルバムで

SLAVAと同じように色々な作曲家の「アヴェ・マリア」を集めています。

山田英津子さんは経歴がよくわからないのですが、どうやら桐朋の声楽科を出ているようですね。

オーケストラ伴奏でR・シュトラウスの歌曲を歌ったり、かなり本道を進んでいたようですが、

どういう方面に進んだのかよく分かりません。兎に角、お聴き頂きましょう。


山田英津子 カッチーニのアヴェマリア







とても良い演奏です。今までで一番上手い。きちんと声楽の勉強をした人であることが非常に良く分かります。

無駄な力が抜けているので、最高音の伸びがとても美しい。聴いていて心地良くなる演奏です。


残念なのは、前奏でおばけの声みたいなのが

マリ~ア・・・・

と二度も入りますけど、「アベ・マリア」を歌うことは分かってんですから、余計です。

これは誰のアイディアか分かりませんが、再版で修正できるなら、消した方が良い。



最後ですが、残念なことに2005年に38歳で夭逝された、故・本田美奈子(1967-2005)さんの演奏です。

もっと若い印象だったけど、私より7年しか年下じゃないのですね。若いまま亡くなったので、「若い」という

印象が強いです。

音源は、AVE MARIA です。


最初にお聴き頂きましょうね。


本田美奈子 「AVE MARIA」より「カッチーニのアヴェマリア






この人は、とても「芸術的」なセンスがある。囁くように歌い始めますが、最初の音の発声の瞬間がはっきりしている。

そして、殆どストレートのロングトーンで次第にクレッシェンドし、最高音の、つまりこの曲で一番美しい所へ上昇音型を

歌うときのそのクレッシェンドの仕方とヴィヴラートの使い方が絶妙に美しく、最高音の声は澄み切っています。

これは、喉先で歌っていない。つまり、喉と全身の余分な力が抜けて、十分なブレスを持っているので、

聴き手が切なくて、胸が張り裂けそうな美しい響きになっています。

こういうテンポが遅くて、伸ばす音が多い曲は音程が悪いとすぐにばれますが、本田美奈子さんは、

耳が良かったと思います。それは同じアルバムに載っている、ヘンデルの歌劇リナルドの有名なアリア、

「私を泣かせて下さい」を聴いても明らかです。


カッチーニから外れるし、ファンに怒られるかもしれませんが、載せます。



本田美奈子:ヘンデル 歌劇「リナルド」より、「私を泣かせて下さい」





このヘンデルが実に見事で、あまりにも感心したので、

記事にしました。エンピツにしか残っていませんが、
2005年11月10日(木) 【音楽評論】 本田美奈子演奏、ヘンデル作曲歌劇「リナルド」よりアリア「私を泣かせて」

本田さんが亡くなった6日後に書いたのですが、亡くなったから特別に持ち上げてかいているわけではありません。

私は、そういう評価はしない。純粋に音楽的見地から書いたのです。

よりはっきり書くと、まだ、発展途上なんです。完成された歌ではないです。

しかし、承知の方も多いでしょうが、本田美奈子さんは、アイドル歌手として、つまり「芸能人」としてキャリアを開始しましたが、

テレビのインタビューで
アイドルではなくて、アーティストと呼ばれるようになりたい

と、言っていたのを良く覚えています。ミスサイゴンなどミュージカルもやりましたが、

晩年行き着いたのは、クラシックでした。

「AVE MARIA」を録音した時点では、はっきり書きますが、

最初から声楽を勉強していた人に比べたら、声量・技術ともに劣るのですが、

クラシックの声楽、彼女はソプラノですが、女声(女性じゃないですよ)は、

ファルセットで歌うのです。


本田美奈子さんは、歌謡曲やミュージカルでは、地声だったのですから、その癖を一旦取り払って、

声楽の勉強をするというのは、ゼロから始めるより大変です。

それを勘案すると、このヘンデルは驚嘆すべきレベルです。

技術的なことのみならず、本田さんが、「私を泣かせて下さい」の曲の本質、このアリアが持つ、

「敬虔さ」をよく分かって歌っている。その芸術的なセンスが素晴らしい、と思いました。

だから記事にしたのです。


「AVE MARIA」に収録されている曲には随分難しいのがあります。

例えば、フォーレの「ペレアスとメリザンド」から「シシリエンヌ」は、音程が難しい。

耳が良くないと絶対に正確に歌えませんが、本田美奈子さんは非常に音程がいいんです。

録音だから修正が効くけれど、題名のない音楽会で歌うのを聴いて、この人は本当に耳が良く、

音程が良いことがわかりました。よくここまで勉強したと思います。

この先、勉強を続けたら、一層高い境地に達していた事でしょう。

カッチーニから離れて、「本田美奈子評」になってしまいましたが、

改めて聴いたら、感心してしまい、長くなりました。

それでは、皆様良い週末をお過ごし下さい。

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2010.07.23

金賢姫元工作員来日 初めて面会した横田 めぐみさんの両親「新しい情報得られなかった」←何のために来たんだ?

◆記事:金賢姫元工作員来日 初めて面会した横田 めぐみさんの両親「新しい情報得られなかった」(7月22日12時12分配信 フジテレビ)

金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員と21日に初めて面会した拉致被害者・横田 めぐみさんの両親が22日朝、会見を行い、

「新しい情報は得られなかった」と話した。

横田 滋さんは「(金元工作員は)真摯(しんし)な態度での対応でした。

これまで聞いていたことと同じことで、特別新しいことはありませんでした」と話した。
横田 早紀江さんは「めぐみが近しいところにいたとわかって、お会いすることができたことが夢のようで、

(めぐみも)元気でいれば、成長してこんなふうになっているんだろうと。

細かい、もっと期待していたいろんなことは、ほとんどわかりません」と話した。

めぐみさんの両親によると、金元工作員は、めぐみさんが日本語の教育係を務めていたとされる女性工作員に誘われ、

めぐみさんと一度だけ会い、「とてもおとなしい人だった」という印象を持ったという。

また金元工作員は、この女性工作員から、

めぐみさんは猫が好きで、何匹か飼っていた。落語のようなユニークな表現で、周りを楽しませていた」

とめぐみさんの北朝鮮での暮らしぶりについて聞いたという。

会見で、横田夫妻は「面会で話を聞き、めぐみを含め、拉致被害者は生きているという確信を持ちました」と語り、

「拉致問題解決のために、自分たちでできることはやってきた。あとは政府に頑張ってほしい」とあらためて拉致問題の解決を訴えた。


◆コメント:金賢姫が「めぐみさんのご両親にお会いして伝えたいこと」はめぐみさんが猫好きだったということなんだな?

あまりにも腹が立つと、整った文章が書けない。

かと言って、腹立ちが収まるまでには、数日かかりそうだ(私が、である)。

今日は支離滅裂な文章(いつもそうだが、きょうは特に)になりそうだが、

ご容赦頂きたい。理性でコントロール出来る怒りを超えている。


金賢姫は1987年、大韓航空機を爆破し、115人の生命を奪ったテロリストである。

韓国の裁判で、1990年3月27日に死刑判決が確定したが、当時の盧泰愚大統領は「事件の生き証人だ」との

配慮から特赦した。

本来、日本国の法律では、実刑が確定した人間は入国出来ないのである。それは、出入国管理及び難民認定法第5条による。

第五条 (上陸の拒否)第一項 次の各号のいずれかに該当する外国人は、本邦に上陸することができない。

第四号 日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、一年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者。

ただし、政治犯罪により刑に処せられた者は、この限りでない。

つまり金賢姫の来日は超法規的措置である。


そもそも、日本の警察は過去何度も韓国に出向いて金賢姫を聴取しているが、横田めぐみさんの情報は何一つ得られていない。

金賢姫は拉致被害者の田口八重子さんから日本語を教わったことは、以前から判明しているが、金は横田めぐみさんについては、

「めぐみさんには、会ったことがない。詳しくはご両親に直接会ってから話す

と言い続けていた。10年間金賢姫の取り調べを担当した韓国の捜査員も、
「めぐみさんに会った話など、金賢姫から聞いたことが無い」

と発言している。新しい情報が出るとは到底考えられなかった。


ところが、何故か金賢姫は今年の1月、それまでの証言を翻した。
◆記事:北朝鮮・拉致問題:めぐみさん会った 金元死刑囚「証言」--韓国誌報道(毎日新聞 2010.01.19 東京朝刊)

【ソウル共同】韓国の月刊誌「月刊朝鮮」は18日発売の2月号で、大韓航空機爆破事件の実行犯、

金賢姫(キムヒョンヒ)元死刑囚が09年訪韓した日本政府の拉致問題調査チームに対し、

拉致被害者の横田めぐみさんと「(北朝鮮で)会った」と証言したと報じた。

同誌は、金元死刑囚が調査チームに当時の状況を詳しく説明したが、

内容は日韓両政府の間で秘密扱いになっているとして、具体的な証言内容には触れていない。

金元死刑囚が調査チームと会ったのは、09年3月に韓国南部の釜山市内で、

自分に日本語を教えたとされる拉致被害者の田口八重子さんの家族と面会した後という。

金元死刑囚は09年の同誌のインタビューでは、一緒に工作員教育を受けていた同僚が

めぐみさんから日本語を習っており、写真を見たことがあるが、自らは「会ったことはない」と述べていた。

日本政府の拉致問題調査チームが本当に2009年に、金賢姫から横田めぐみさんの情報を聞き出していたのなら、

また、やはり新たな情報がないことが明らかになったとしても、

日韓両政府の間で秘密にすべきではなく、横田滋さんと横田早紀江さんに真っ先に報告すべきだった。


一方、金賢姫が昨年、「日本で横田さん夫妻に会いたい」と言った後、北朝鮮では工作員により

金賢姫を暗殺する計画が浮上した。それだけ、会われては困る事情が北朝鮮にあるのだろう。

その計画は金賢姫も知っていた。韓国の哨戒艦が北朝鮮に撃沈されたことが明らかになった後、

金賢姫は、暗殺を恐れ始めた。金は家庭を持ち、子供までいるのである。

日本へ移動すれば、それだけ、暗殺者にねらわれ易くなる。


横田夫妻は、いつでも韓国へ行くと言っていたのに、超法規的措置まで用いて

金賢姫の来日に拘ったのは、中井洽拉致問題担当相だが、明らかにパフォーマンスである。

金は本当は何かを知っているに違い無いが、来日中に下手なことをいうと、

日本に潜入している北朝鮮の工作員に殺される危険が高まる。そのため、冒頭の記事に載っている
めぐみさんと一度だけ会い、「とてもおとなしい人だった」という印象を持った。

めぐみさんは猫が好きで、何匹か飼っていた。

しか、言えないのかもしれない。

金賢姫。

てめえそれが「めぐみさんの両親に会って伝えたいこと」だったのなら、張り倒すぞ。

と言いたい。

横田夫妻とて、「会って伝えたいことがある」、

と言われれば、もしかするとめぐみさんが生存している超重大情報を持ってくるのかと思う。

横田夫妻にとってあまりにも酷い仕打ちである。

これなら、横田夫妻が韓国の金賢姫を訪ねた方が有益だったかも知れない。


また、金賢姫を来日させた中井洽拉致問題担当相は、一体何をしているのか。

「洽拉致問題担当相」ならば、拉致問題解決が仕事なのに、何の成果も挙げていない。

この中井洽という男、国家公安委員長でもある。

今年3月、路上で銀座のホステスとキスしているところを週刊新潮にスッパ抜かれ、

さらに女に議員宿舎のカードキーを渡していたことが

発覚した、素行不良の輩である。こういう男に拉致問題に取り組む気があるのか。

拉致問題担当相に就任したのが鳩山内閣発足の昨年9月だ。

今まで具体的に、どのような方針で、何を、どうしたのか、報告して貰いたい。

やはり予想通り、乱文となった。

ご容赦頂きたい。

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2010.07.22

【音楽】まだまだ続く「カッチーニのアヴェマリア」。今日は復習(?)とコントラバス。

◆最初に取りあげたのは、5月8日。カウンターテナー、スラヴァでした。

私がカッチーニのアヴェマリアという曲(本当はカッチーニの作品ではないらしいですが、

そんなことはどうでもよろしい)にハマり始めたきっかけは、5月上旬のことでした。

2010年05月08日(土) 【音楽】1枚全部「アヴェ・マリア」。カウンターテナー、スラヴァ。これは美しい。ココログ

これで、特に「カッチーニのアヴェマリア」が気に入ってしまった私はなんと、次の日に、
2010年05月09日(日)【音楽】カッチーニの「アヴェ・マリア」ばかりを集めました。ココログ

で、色々な楽器での演奏をご紹介しました。


この時の中から、1曲だけ。特にきれいだと思われた、宮本文昭・笑里親子の演奏を再びお聴き下さい。

これは、宮本笑里さんのデビュー・アルバム、smileに収録されています。


宮本文昭(オーボエ)・笑里(ヴァイオリン)親子による、「カッチーニのアヴェマリア」







きれいですね-。笑里さんもとても良いけど、宮本文昭さんが引退なさったのが残念です。


◆その後追加した演奏。神田めぐみさん(トロンボーン)です。

その後も「カッチーニのアヴェマリア」への熱は冷めませんでした。

様々な演奏を漁るように探し求め、まず、ミルウォーキー交響楽団首席トロンボーン奏者、

神田めぐみさんのアルバムで見つけました。それは、
2010年06月27日(日) 【音楽】トロンボーン奏者神田めぐみさん「グロリア」のお薦め。ココログ

に書きました。そう言われれば思い出すでしょうけど、もう一度神田めぐみさんの演奏をお聴き下さい。


神田めぐみさんのトロンボーンによる「カッチーニのアヴェマリア」







実に落ちついた素晴らしい音、そして何よりも「歌心」。楽器で演奏するのであっても

テクニックがあっても、旋律を美しく歌う「歌心」がないと、演奏は美しくなりません。


◆先々週、ヴァイオリニスト川畠成道氏の演奏をご紹介しました。

これだけ美しい旋律は、何の楽器で演奏しても美しいですが、ヴァイオリンは欠かせません。

そこで、川畠成道氏を思い出したのです。それは、

2010年07月10日(土) 【差替・追加】私が音楽記事を書く理由。/【音楽】ヴァイオリニスト、川畠成道氏のアルバムを薦めます。ココログ

をご覧下さい。その時に載せた、カッチーニのアヴェマリアです。


川畠成道氏による、カッチーニのアヴェマリア







非常に繊細に歌いながら過剰に情緒的になるのをやや抑えた、大人の演奏だと思います。実に美しい。


◆新しくご紹介するのは、コントラバス奏者、池松宏氏です。「五つのアヴェ・マリア」から。

池松宏氏のプロフィールは、ウィキペディアのとおりで、

かつてはN響の首席コントラバス奏者を1994年から2006年まで務めた後、退団し、2006年からニュージーランド交響楽団首席コントラバス奏者です。

2005年に出したアルバム、5つのアヴェマリア。

は、アヴェマリアだけではなく、美しい旋律が満ちあふれています。

しかし、本稿の主眼は「カッチーニのアヴェマリア」ですので、まずそれをお聴き下さい。


池松宏氏のコントラバスによる「カッチーニのアヴェマリア」






前述のとおり2005年のCDですから池松さんがまだN響在籍中の時期。伴奏のハープは同じくN響の

早川りさこさんです。良く合いますね。低音は、とても気持が落ちつきます。旋律を歌う美しさは、

勿論、他の楽器と何ら変わりません。


折角なのでもう一曲だけ。同じくアヴェ・マリアですが、あまりにも有名なシューベルトです。


シューベルトのアヴェ・マリア







天上の調べ、とは、こういうときの為にある言葉ですね。

「5つのアヴェマリア」 は他の曲も良く知られた親しみやすい音楽ばかりです。

お薦めします。

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2010.07.21

「金賢姫元死刑囚 田口さん絶対生きている…長男らと面会」←拉致問題が解決しないのは我々有権者にも責任がある。

◆記事:金賢姫元死刑囚 田口さん絶対生きている…長男らと面会(7月20日22時8分配信 毎日新聞)

初来日した北朝鮮の元工作員、金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚(48)が20日、拉致被害者の田口八重子さん

(行方不明時22歳)の長男、飯塚耕一郎さん(33)と兄で拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さん(72)と、

長野県軽井沢町の鳩山由紀夫前首相の別荘で面会した。昨年3月に韓国で初めて会って以来の再会。

繁雄さんは会見で「金さんは改めて『(田口さんは)絶対生きている。そのうち帰ってくる』と言ってくれた。

大事な生き証人として今後も(交流を)つなげていきたい」と述べた。

耕一郎さんと繁雄さんによると、面会は午後3時45分から夕食をはさみ約2時間。

白いブラウスと黒のスラックス姿の金元死刑囚は、前回同様に健康そうだったが

「23年ぶりの国外に気持ちが高ぶって前夜は眠れなかった」と話し、少し疲れた様子だったという。

金元死刑囚は「この席に八重子さんがいたらどんなにいいか」と話し、さらに「八重子さんは帰ってくる」と繰り返し、

励ましたという。繁雄さんが持参した田口さんの兄弟らの写真を見て「目が八重子さんにそっくり」と目を真っ赤にする場面もあったという。

繁雄さんは「北朝鮮のやり方を知っている人がそうはっきり発言したことに、改めて強い期待を感じた」と語った。

耕一郎さんは「初めて会った時より大分穏やかな形で話ができた。今後も話をしながら交流を深めたい」と期待を込めた。

また金元死刑囚は北朝鮮との交渉について

「北朝鮮の意思を尊重した上で、プライドを傷つけないよう話をしていかないと解決にはつながらない」などと考えを語ったという。

(引用者注:以下省略)。


◆コメント:拉致問題が解決しないのは我々有権者にも責任がある。

金賢姫元死刑囚(このタイトル、何だか気に入らないので、以下本稿では「金賢姫元工作員」と記す)が20日早朝

来日して、向かった先は、鳩山由紀夫の軽井沢の別荘だという。あまりに広大な敷地で、門から屋内を見ることが

出来ず、報道陣をシャット・アウトするには、ちょうど良いらしい。鳩山由紀夫が初めて役に立った訳である。


そんなことはどうでも良い。

田口八重子さんの消息は無論重要だが、横田めぐみさんが無事なのかどうか、早く話せと言いたい。

無論、金元工作員が死刑判決後特赦を受けたのが20年前で、北朝鮮で最後に横田めぐみさんを見かけてから

あまりにも時間が経っているが、めぐみさんのご両親は、一秒でも早く話を聴きたいだろう。


日本政府は拉致問題を本気で解決する気があるのか、甚だ疑問である。

小泉の時に北朝鮮を訪問して5人が帰ってきて、それはそれで良かったが、あれを以て

はい、北朝鮮(による拉致)問題は、これで一応終わりで良いでしょ?

という態度に見える。

もっとはっきり書くならば、横田めぐみさんのご両親はご高齢なので、このままズルズルと問題を

解決するフリだけをしていれば、やがてご両親は他界するだろう。そうすれば政府にとって「五月蠅い」ことを

云う人がいなくなる。日本政府は、その時を待っているように見えるのは、私だけであろうか?


政府がそうなったのは、我々有権者にも責任がある。

先の参議院選挙で問題となったのは、要するに「消費税率の引き上げ」だけであった。

与党・民主党も、大きく議席を伸ばした自民党も、いきなり予想以上の議席を獲得した「みんなの党」も、

拉致問題解決を政策の重要課題として掲げていなかった。そして我々有権者はそれを問題視しなかった。

昨年、民主党が政権を獲ったとき、マニフェストに北朝鮮による日本人拉致問題の解決に関して、

確かにすこしばかり記述があったが、それで、政権を獲得したわけではない。

拉致問題とは、北朝鮮の拉致工作員が、日本国の主権を侵害して違法に我が国の領土に侵入し、我が国の

国民をさらっていった、というとんでもない話で、国連憲章など出来る前なら、それだけで日本が北朝鮮に

宣戦布告し、戦争になってもおかしくないほどの大問題なのに、あまりにも長い間事態が膠着したままのため、

日本国民は無関心になっている。

だから、どの政党も北朝鮮による日本人拉致問題の解決を政策の筆頭に掲げない。そうさせたのは我々の責任である。

拉致問題に重大な関心を持ち、この解決の為の具体策を提示出来ない政党には、票を投じない、という世論が形成されれば

政治家は動く。今は、何度も書くがその反対の状態で、有権者が無関心だから、政治家も「どうでも良い」と考えている。


横田めぐみさんのご両親の気持ちを想像する能力ぐらい、特に子供を持つ人なら、有るだろう。

横田さんご夫妻は、何十年も、いつ、めぐみさんから連絡があるか分からないからといって、外出もましてや旅行も

控えていたのである。悲惨すぎる。ひとごとだと思って、無関心でいてはいけないのだ。

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2010.07.20

【音楽】2010年7月18日(日)東京音楽大学付属音楽教室学外発表会で演奏された曲(第2部後半)

◆去年もやりましたが、どれほどすさまじいレベルの高さかをお教えしたいと思います

昨日の日記・ブログに書いた通り、私は東京音楽大学付属音楽教室学外発表会を聴いたのです。

あまりのレベルの高さ(技術的にも音楽的にも)に、聴いている途中、「音楽を聴くエネルギー」が

枯渇したのか、2度ほど失神しそうになりました。


目の前で起きている事が信じられない。中学生がどうしてここまで弾けるのか。

それは、ごく単純化すれば才能とものすごい努力の賜なのです。


世の中では、どんどん変な子供が増えていて、すぐ人を刺したり、訳の分からないことも

多いけれど、一方で、しごくまともな子供達もいることを知って頂きたい。

ピアノやヴァイオリンがここまで上達するということは、誰にでも出来ることではない。

はっきり言って才能が必要ですが、才能だけで弾けるようになるほど甘い世界でもない。

東京音楽大学付属音楽教室のレッスンの厳しさ、1週間にこなさなければならない課題の多さは

尋常ではない。お母さんもレッスンに立ち会って先生の指示を理解してメモしなければならないので、

その苦労は並ではない。短絡的な結論かも知れませんが、日本も捨てたものではありません。


昨日のプログラム全曲はとても無理なので、一番上手い、第2部後半(演奏順24番以降)で子供達が弾いた曲を

プロの演奏で載せます。


何時ものような「名曲案内」とは異なり、堅苦しい難解な曲もありますから、全部を順番に

一日でお聴きになるのは無理だと思いますが、出来れば聴いてやって欲しいです。

本当は子供達の演奏そのものを録音して載せたい気持ですが、それはさすがに控えます。

但し、子供達の演奏のレベルはここに載せるプロのそれと殆ど違わないです


◆2010年7月18日、東京音楽大学付属音楽教室学外発表会で演奏された曲。

演奏された順番に載せます。


◆ストラヴィンスキー:イタリア組曲より



序奏







セレナード







メヌエットと終曲





これは、そもそもオーケストラで演奏されるストラヴィンスキーのバレエ音楽「プルチネルラ」を

作曲者自身がピアノ伴奏のバイオリン曲に編曲したものです。

音源は、PARIS(ヴァイオリン:マヤ・コッホ)

マヤ・コッホは父がドイツ人、母が日本人で山本麻耶という日本名も持っているそうです。


次。


◆サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン



これは、あまりにも有名な曲です。ハイフェッツの演奏しか考えられません(昨日は勿論ピアノ伴奏ですが)。




やはり、ちょっとハイフェッツは別格です。神様ですから。

◆ラヴェル:鏡 - 道化師の朝の歌



音源は Oeuvres De Satie Et Ravelです。






これを弾いたのは中1の華奢な女の子なのですが、すごいフォルティシモを綺麗に弾くのです。

この教室は全員、「そんなの当たり前」のレベルです。最初に正しい奏法、無駄な力を可能な限り排除して、

身体のどこにも余計な力を入れない。指の形を崩さない(伸ばしてはだめなんですね)、

腕(特に肘から先)は出来るだけ水平に保つ、などの基礎を徹底的に叩き込むことにより、たとえ身体が小さくても

ものすごいフォルティッシモで速いパッセージを弾くことが可能になります。



◆ガーシュウィン:3つのプレリュード



音源は、Gershwin;Remembrance







3つのプレリュードなのですが、一曲の演奏時間が短いので、続けて聴いて頂きました。

これを弾いた中2の男の子は、昨年はグリークの組曲「ホルベアの時代」を弾きました。

ガーシュウィンは、それまで習ってきたクラシックとは異質ですが、非常に勘が良い子なのでしょう。

ガーシュウィン独特の雰囲気を醸し出していましたし、不規則なリズムやアクセントも上手にこなしていました。


◆ショパン:バラード第3番 変イ長調、Op.47



これと最後のバラード1番は、アシュケナージの演奏です。






これは、もう、完全にプロがリサイタルで弾く曲です。それを中3の女の子(3番)と男の子(1番)が

弾くのですが、余裕があるのですね。つまり「譜面をなんとかやっと音にしています。」というレベルは

とっくに終わっていて、自分の解釈をどう表現するかという次元でした。


◆リスト 「2つの伝説」 第2曲 波を渡るパラオの聖フランシス



中学3年生の女の子がリストですよ。これは「超絶技巧練習曲」では無いけど、

もっと難しいかも知れない。これに比べたら、「ラ・カンパネラ」は「易しい曲」に聞こえてしまいます。

音源は、Sonetti Del Petrarca







すごいでしょ。中3の女の子が雷鳴のようなフォルティッシモで楽器を鳴らすのです。

しかし、決して汚い音にならない。この曲あたりから、私は失神しそうになったのです。

次が最後です。


◆ショパン:バラード第1番 ト短調 Op. 23







昨日書いた通り、バラード1番を弾いた中3の男の子は、今すぐプロとして通用するのではないか

という技術と音楽性の持ち主です。これから音大附属高校、音大で後7年間、これ以上何を勉強するのだろう?

と思いました。


長くて、あまり「面白い」曲が無くて、申し訳ないのですが、

東京音楽大学付属音楽教室学外発表会に出演した子供達が全員、プロのピアニストを目指すかどうか。

また、目指しても、なれるかどうかは、分かりません。

ただ、プロになろうというような人は、今や、中学生でこのレベルに達していないといけないということです。

プロの演奏家になるのは、それほど難しいことなのですね。

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2010.07.19

【演奏会評】東京音大付属音楽教室(辻井伸行氏もここの出身) 発表会。2回目。

◆ちょうど1年前に同じ記事を書きました。

一年前に、このような記事を書いた。

2009年07月19日(日) 【演奏会評】東京音大付属音楽教室(辻井伸行氏もここの出身) 発表会。ココログ

そこで、東京音楽大学付属音楽教室とは何か。学外発表会とは何か、について書いてある。

それに今年も行ってきた。

これが昨年のプログラム。こちらが今日(2010/07/18)のプログラムである。



中学3年までしか出られない(それ以上本格的に勉強したい子は東京音大附属高校を受験するのである)ので、

昨年中3だった子は、今年は当然出ていないが、去年出た子のうちかなりの子が今年もまた出演している。

かつては彼の辻井伸行君もこの発表会の常連であった。原則的にプログラムの後に出るほど、程度が高い曲を演奏し、

特に第2部の後半は一番上手い子が出る。但しこれは「原則」である。

昨年第2部後半の最初にヴィエニアフスキーのヴァイオリン協奏曲を弾いた子は、

今年は1部後半の最後に、サンサーンスの協奏曲第3番第一楽章を弾いたが、明らかに格段に上達している。

そのうちに毎コンにでも出て来そうな迫力であった。

どの子も全然ミスタッチがなく、甲乙付けがたい。昨年も書いたが、辻井君は確かに上手いが、

この教室においては普通のレベルだったことが分かる。それほど「天才的に」上手い子ばかりを連続して聴いた。


昨日は国際生物学五輪の受賞者を讃えたが、今日「学外演奏会」に出場した子供達も、

非常に(特にピアノは、想像を絶するほどの)厳しいレッスンに耐えて練習を続けてきたのであり、

続けているだけでも立派である。


前述のとおり今年も特に第2部後半は甲乙付けがたく、まだ勉強中の子供達なので、

個別の評は控えるべきだが、どの演奏も音だけ載せて、「プロの演奏だ」と偽っても、

誰も疑わないであろうと思われる。トリ(一番最後)でショパンのバラード第1番を弾いた子は

中学3年というのがどうしても信じがたい(信じがたくても本当にそうなのだが)。

今すぐ毎コンを受けても全く不思議はなく、或いはどこかのオーケストラに呼ばれて、

ラフマニノフのピアノ協奏曲を弾けと言ったら、2番でも3番でも、少しさらえば、

すぐに弾けると思う。それほどのすさまじい才能を感じた。

バラード第一番の演奏は、既に自分の音楽観を持っており、自分の「解釈」で弾いている。

テクニックは完璧で、今日の演奏に関して言えば、アシュケナージよりも上手いかも知れない。

出来たら明日、第2部後半で演奏された曲を特集したい、と考えている。

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2010.07.18

「過去最高に並ぶ金1、銀3=日本代表の高校生―国際生物学五輪」←偉い。

◆記事:過去最高に並ぶ金1、銀3=日本代表の高校生―国際生物学五輪(7月17日22時55分配信 時事通信)

文部科学省は17日、韓国で開かれた国際生物学オリンピックに日本代表の高校生4人が参加し、

金1、銀3のメダルを受賞したと発表した。

金の受賞者は道立北海道札幌西高2年栗原沙織さん(17)で、個人順位は参加59カ国・地域計237人中、25位。

金1、銀3は昨年のつくば大会と並ぶ過去最高タイだが、個人トップは昨年の6位から後退した。


◆コメント:敢えて取りあげる理由は数学五輪の記事で書いたとおりです。

つい先日、国際数学五輪で、日本が世界7位に入賞した事実と、

こうしたニュースは大きく取りあげるべきだ、というコメントを書きました。

数学五輪だけを取りあげて生物学五輪(この他、化学、物理学が続きますが)を取りあげないのは

不公平なので、生物学五輪に付いても書きます。

本来大新聞が大きく取りあげるべきだと思います。

と思い、国際生物学オリンピック日本委員会(JBO)公式HPを見たら、

アクセス出来るのはトップページだけで、過去の成績など、詳細がわかりません。

アクセスが殺到しているのか、単にサーバーのテクニカル・プロブレムなのか分かりません。


金を受賞した北海道札幌西高2年栗原沙織さん、おめでとう。

時事通信は、

個人順位は参加59カ国・地域計237人中、25位。

金1、銀3は昨年のつくば大会と並ぶ過去最高タイだが、個人トップは昨年の6位から後退した。

と、嫌な書き方をしていますが、気にすることはない。

この記事を読んでいる私たちオジサンは、貴方の年齢の頃、国際生物学オリンピックが存在し

出場したとしても、誰も上位100位にすら入れなかった事でしょう。

今、共同通信の記事を見つけました、もう少し詳しい。
◆記事:日本代表、生物五輪で1人が金メダル 銀も3人(共同通信 2010/07/17 22:55)

文部科学省は17日、韓国・昌原で開催された、高校生らが生物学の実力を競う「第21回国際生物学オリンピック」で、

4人の日本代表のうち北海道札幌西高(札幌市)2年の栗原沙織さん(17)が成績上位約10%に贈られる金メダルを、

ほかの3人もそれに次ぐ約20%に贈られる銀メダルを獲得したと発表した。

銀メダルは

渋谷教育学園渋谷高(東京都)3年の坂本莉沙さん(18)、

ラ・サール高(鹿児島市)2年の三上智之さん(17)、

開成高(東京都)3年の水口智仁さん(17)。

今大会には59の国と地域から237人が参加、実験と筆記試験に挑戦した。

日本代表は昨年、茨城県つくば市で開催された大会でも金メダル一つ、銀メダル三つを獲得。

代表全員のメダル受賞は4年連続となる。

銀メダルの坂本莉沙さん、三上智之さん、水口智仁さん、おめでとう。

貴方達は立派だ。私はそんなに勉強しなかった。尊敬します。

これからも、生物学に拘らなくても良いから、すきな勉強を続けて、

大輪の花を咲かせて下さい。

君たちは、日本の誇りです。

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2010.07.17

【音楽】「両陛下がコンサートに チェロ奏者を鑑賞」←ベルリン・フィル・12人のチェリストたちによる「ラヴィアンローズ」

◆記事:両陛下がコンサートに チェロ奏者を鑑賞(共同通信)(2010/07/04 17:05)

天皇、皇后両陛下は4日午後、東京・赤坂のサントリーホールを訪れ、

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のチェロ奏者12人によるコンサート

「ベルリンフィル12人のチェリストたち」を鑑賞された。

両陛下は1993年にドイツを訪問した際などにも「12人のチェリスト」による演奏を聴いている。

コンサートの第2部から、観客の大きな拍手に迎えられて会場入りした両陛下は、

12人が奏でるシャンソンや映画音楽などに耳を傾け、コンサート終了時には立ち上がって拍手した。


◆コメント:4年ぶりに新譜を出したのでプロモーションで来日したんです。

「ベルリン・フィル 12人のチェリストたち」というチェロだけのアンサンブルは、昔からありますが、

メンバーは、次々に入れ替わっているようです。

全く偶然ですが、弊日記・ブログで5月に、初めて「12人のチェリストたち」をご紹介しました。

【音楽】三枝成彰氏がベルリン・フィル12人のチェリスト達のために、ビートルズを編曲したもの。ココログ

今回、「ベルリン・フィル 12人のチェリストたち」は、4年ぶりに新譜、「ばら色の人生~パリへのオマージュ」を出したので、

そのプロモーションも兼ねて来日公演をしたのです。


初日、7月4日のサントリーホールに両陛下がお出ましになった、とのこと。

天皇陛下はチェロを演奏なさいますから不思議はないですが、「ベルリン・フィル12人のチェリストたち」は、

有名ですけど、かなりマニアックな部類です。陛下は本当にこの「12人」とチェロがお好きなのでしょう。

余談ですが、今の陛下の即位の礼の記念式典には、ヨー・ヨー・マが呼ばれて、

お祝いに、バッハの無伴奏チェロ組曲第一番の1曲目「プレリュード」を演奏するのを、両陛下が嬉しそうに

お聴きになっていたのを記憶しています。


ひとつだけ、細かいことを書くのは野暮ですが、共同通信の見出に気なることがあります。

それは、
両陛下がコンサートに チェロ奏者を鑑賞(共同通信)

とかいてありますが、本当に日本のマスコミって、新聞もテレビもクラシックとなると

何も知らないのですね。嫌、「知っている」「知らない」という知識の問題というよりも、

国語力の問題です。日本語をよく考えればこういう見出しにならないでしょう。
「チェロ奏者を鑑賞」

というと陛下が、容姿端麗なチェリストを、ただ、立たせておいて、1時間ぐらい眺めて楽しんだ、という情景になります。

違うでしょ?「奏者を鑑賞」する人はいません(演奏者が美男美女なら、演奏と一緒に見とれることはありますけど)。

書くのならば、
両陛下、コンサートに。チェロ演奏をご鑑賞。

が正しい。しっかりして頂きたいですね。メディアの方。


◆「ばら色の人生~パリへのオマージュ」から。

その新譜のご紹介。なかなか、粋です。純クラシックばかりではありません。

やはり相当上手いですわ。この人たち。チェロに限らず一種類の楽器だけのアンサンブルって、

音域も音色も同じ(奏者により微妙に違うとか、厳密な話はおいといて。)ですから、バスと内声部と旋律担当に

分け難いですよね。ところがチェロは音域が広いので、それを最大限に活用しています。

メロディーを弾く人達は相当な高音域を余儀なくされます。


1曲目。アルバムタイトルになっている「ばら色の人生」って、何かピンと来ないと思ったら、

「ラヴィアンローズ」のことですね。エディット・ピアフという既に故人ですが、フランスの

「国民的」シャンソン歌手の代表的な歌の一つです。聴けば「ああ、あれか。」と思われることでしょう。


ラヴィアンローズ(La Vie en rose バラ色の人生)







粋ですねー。思い切り甘いですね。チェロの既成概念が変わりますね。


次の二曲は、アコーディオンで演奏されるワルツです。

アコーディオンでは、こういう曲、左手で早い三連符がつきものですが、それをチェロで弾いてます。

難しいでしょうが、ま、そこは、ベルリン・フィル。


パリの橋の下(Sous les poents de Paris)







上手いものです。チェロってこういう音も出せるのですね。



最後。曲名が「パリの空の下」で、二曲目と似ていますが、こちらは、

正式には「パリの空の下--セーヌは流れる」で、「巴里の空の下~セーヌは流る」という、

私は見たことがないのですが、1951年のフランス映画のテーマだそうです。

曲自体は、これもお聴きになったことが有る方、多いのではないか、と思います。


パリの空の下(Sous le ciel de Paris )







ロマティック・サウンド!ですね。ここでは甘い曲ばかり載せさせて頂きましたが、

CDには、ラベルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」もありますし、

中心となるのは、これは初めて聴きましたがプーランクの「人間の顔」です。

原曲は、6声の混声合唱二群(6つのパートで編成されるコーラスが二組ということです)の為に

書かれたそうです。かなり難しいでしょうねえ。オリジナルで歌うのは。

というわけで、非常にバラエティに富んだフランス音楽を「12人のチェリスト」が

見事に演奏しています。お薦めです。

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2010.07.16

【音楽】7月16日はカラヤン(1908~1989)の命日です。ハイドンとブラームス。

◆アンチ・カラヤンは、本当に色々聴いて、見ているのでしょうか。

ネットでブログや、最近流行のTwitterなど見ていると、昔からいますが、

「カラヤン」というだけで、敵愾心を剥き出しにする人を見かけます。


本当に分かっているのかな?と思います。私は、カラヤンが名マエストロだと思いますが、

これも、本当に分かってはいない。観念的に分かっているだけです。

分かる為にはそれなりの音楽的資質と、訓練を受けていなければならないと思います。


だから、私も、本当にカラヤンの音楽家としての能力や業績の偉大さを理解しては、いないのです。

しかし、凡人でも、明らかに凄い、と納得することはあるのです。

以前、紹介した、DVD「ドキュメント・カラヤン・イン・ザルツブルク」に収録されている、

ザルツブルク音楽祭前の、ウィーン・フィルとの「タンホイザー序曲」のリハーサルの様子です。


TannhauserOvertureRehearsal(1/2)





練習を始めてわずか6秒後、

1拍目の前に既に弾き始める人たちがいる。

その結果まだ弾いていない他の人といっしょになって全体がグリッサンドのようになってしまう。

と指摘し、さらに、
どの小節でも最後の二つの音を速く弾く人がいて1拍目に早く入ってしまう。これははっきりしている。

その結果1拍目にアクセントがついてしまうが、これは誰も 全く要求していないことだ。

白状しますが、私はを何度聴いても、カラヤンが指摘している問題点を認識することが出来ません。

プロの指揮者なら誰でも出来る、という次元ではない、と思います。

繰り返しますが、こういう映像を知らないで、「カラヤンはひどいから」などという若い人。

いけませんぞ。「有名だから」「金持ちだから」という先入観に囚われては。


カラヤンが「金持ちだから」その音楽は大したことはない、という主張はそもそも全く論理を成していません。

そんなことは、関係無い。単なる「嫉妬」に過ぎません。


◆カラヤンの十八番(おはこ)はR・シュトラウスやワーグナーばかりではありません。ハイドン。

R・シュトラウスの交響詩やワーグナーの楽劇は、確かにカラヤンが得意とする作品群ですが、

カラヤンのレパートリーは驚くほど広いのです。大編成でガンガン鳴るのは、カラヤン=ベルリン・フィルを聴く

醍醐味でありますが、カラヤンのバッハ、ハイドン、ヘンデルの演奏が素晴らしいことは意外に知られていません。

昨年はブランデンブルク協奏曲や、ヘンデルの合奏協奏曲のほんの一部を載せました。

これらは、またご紹介したいのですが、今日は、ハイドン。


ハイドン 交響曲第101番「時計」第二楽章。






この楽章など、技術的にはベルリン・フィルに限らず、プロのオーケストラならば、難しいことは無いでしょう。

しかし、私は、ずっと前にテレビのドキュメンタリー番組で、カラヤンがベルリン・フィルと、

この楽章を練習をしている映像を見たことがあります。カラヤンは「時計」の由来となった、

第二ヴァイオリンとチェロによる、ピチカートの「刻み」に注文をつけていました。

君たち(ベルリン・フィル)はこのシンフォニーの『時計』というニックネームをどう考えているのかね?

君たちのは、まるで「クオーツ時計」なんだよ

と。私の想像でしかありませんが、カラヤンは、
君たちは、あまりにも簡単で単純な譜面なので、あまり考えずに単純に繰り返しているだろう。

旋律をよく効けば、同じピチカートの繰り返しにはならないはずなのだ。

と言いたいのではないか、と思いました。

こんな簡単なことにでも、カラヤンはベルリン・フィルに注文を付けるのか、

と、感動したのを覚えています。

CDは、ハイドン:交響曲第94番&第100番&第101番です。


◆ブラームス 交響曲第一番 第四楽章

カラヤンはブラームスでも名演をのこしています。

ブラームスの交響曲第1番がコンサートのプログラムにあるとき、殆ど必ず書かれているのは、

ブラームスは、この交響曲を書こう、と決心してから完成させるまでに21年かかった、という話です。

よく言えば、彼は音楽に真摯であったということですが、普通に言えばクソ真面目なんですな。

彼の前にはベートーヴェン大先生が九つの交響曲の名曲を書いてしまったので、自分が書くからには、

それを凌駕するものでなくては・・・、と言うわけです。ブラームスの交響曲は4番までしかありませんが、

2番以降は、数年で書いています。

1番はそういう次第で、出来上がるまで大変だったのですが、それだけのことはあって、

今や「不朽の名曲」として誰もが評価しております。良かったですね。

ただし、ベートーヴェンに比べると少し取っつき難いかもしれません。

あくまで私の場合ですけれども、小学生の頃、初めてブラームスの1番を聴いた時には

「何て退屈な曲なのだ」と感じたのを覚えています。しかし、何度も耳にしているうちに

次第に好きになりました。そういうことは、ブラームスに限らず、色々あるものです。

それでは、お聴き下さい。


ブラームス 交響曲第一番 第四楽章







曲の終わりに近づくと、次第にテンポが速くなり、クライマックスで金管の荘厳かつ華麗なコラールが朗々と

鳴り響きます。ここで私はゾクゾクっとします。後はコーダですが、ティンパニの強打がズシンと肚に響きます。

最後は名演だと本当に感激します。素晴らしい名曲です。

CDは何とブラームスの交響曲4曲が全て収録されて2,000円台、

ブラームス:交響曲第1番&第2番&第3番&第4番がお薦めです。

今日はカラヤンの命日で、カラヤン特集ですが、ブラームスの交響曲は、星の数ほど録音がありますので、

お気に召したら色々な人の演奏と聴き比べるのも、また一興です。

ブラームスは勿論ドイツの作曲家ですが、フランス人の指揮者とオーケストラ、

シャルル・ミュンシュ=パリ管弦楽団のブラームス1番が、「不滅の名演」として有名です。

日付は既に金曜日。皆様、良い週末をお過ごし下さい。

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2010.07.15

【文章訂正】「金2、銀3で国別7位=日本の高校生ら―国際数学五輪」←W杯は1面トップで、国際数学五輪はベタ記事で載せる大新聞。

◆【お詫び】「コメント」において、言葉が重複していた箇所、訂正しました。

あまりにも、みっともない文章を十数時間、世界中に晒してしまいました。

優秀な人材こそ日本の資源こそ、貴重な日本の「資源」であるにも関わらず、嘆かわしいことだ。

あまりの恥ずかしさに文字通り赤面しました。昨夜はさほど疲れていなかったと思うのですが、

要は私の性格がいい加減で、きちんと読み返す癖が身についていないから、こういうことになるのです。

とんだお目汚しで失礼しました。


◆昨夜は(多分)システム障害の為、更新出来ませんでした。

原稿は昨夜、完成していたのですが、エンピツにアップしようとしたところ、アクセス出来ませんでした。

他のサイトにはアクセス出来たので、何らかのテクニカル・プロブレムがあったのだと思われます。

エンピツが更新出来なくてもココログ版はアップ出来ますが、エンピツにリンクを貼っているので、見合わせました。

更新が遅れて失礼しました。


◆記事:金2、銀3で国別7位=日本の高校生ら―国際数学五輪(7月12日18時4分配信 時事通信)

文部科学省は12日、カザフスタンで開かれた国際数学オリンピックに日本代表の男子高校生6人が参加し、

金2、銀3のメダルを受賞したと発表した。国別では7位。好成績だが、過去最高の金5、銅1で国別2位だった昨年を下回った

関数、幾何などの問題の難易度が全体としてかなり高かったという。

今回の大会には96カ国・地域から517人が参加。

成績上位12分の1に授与されるは、

久留米大付設高(福岡)3年岸川滉央さん(18)と

灘高(兵庫)3年井上秀太郎さん(17)が受賞した。

岸川さんは2年連続の金獲得。


続く上位12分の2に与えられるは、

灘高2年清水元喜さん(17)と

甲陽学院高(兵庫)2年越山弘規さん(16)、

灘高1年北村拓真さん(15)が受賞した。(注:色太文字は引用者による。)


◆コメント:日本の子供の学力低下を嘆いている癖に、どうして大きく報じない?

マスコミの不見識は今に始まったことではないが、今度も腹が立つ。

「ゆとり教育」の所為で、日本の子供達の学力が大きく低下した。

優秀な人材こそ貴重な日本の「資源」であるにも関わらず、嘆かわしいことだ。

という趣旨の社説かコラムをどの新聞も載せたことがあるはずだ。

しかし、このような「快挙」はベタ記事(社会面などの片隅に小さな活字で載る記事)で取りあげるのみだ。

サッカーのW杯は、朝・読・毎・日経が大見出しで取りあげる癖に。

日本にとって、サッカーの方が大切で、真面目に勉強する子供達はベタ記事で十分なのか。

事の軽重の区別が付かないのか。

新聞が学問関係で大見出しを付けるのは、日本人がノーベル賞を受賞したときぐらいではないか。

ジャーナリストの見識を、今更ながら疑ってしまう。


記事には、
国別では7位。好成績だが、過去最高の金5、銅1で国別2位だった昨年を下回った。

と書いてあるが、そういうことを書くならば、それ以前の成績の推移をきちんと伝えるべきだ。

数学オリンピック財団のWEBサイトで、IMO(国際数学オリンピック)における日本選手の成績を見れば

1990年まで溯ることが出来る。

1990年は、日本の国際順位は54ヶ国中20位だったのである。その後、日本の国際順位は、

  • 1991年 55ヶ国中12位

  • 1992年 56ヶ国中8位

  • 1993年 73ヶ国中20位

  • 1994年 69カ国中10位

  • 1995年 73ヶ国中9位

  • 1996年 75ヶ国中11位

  • 1997年 82ヶ国中12位

  • 1998年 76ヶ国中14位

  • 1999年 81ヶ国中13位

  • 2000年 82ヶ国中15位

  • 2001年 83ヶ国中13位

  • 2002年 84ヶ国中16位

  • 2003年 82ヶ国中9位

  • 2004年 85ヶ国中8位

  • 2005年 91ヶ国中8位

  • 2006年 90ヶ国中7位

  • 2007年 93ヶ国中6位

  • 2008年 97ヶ国中11位

  • 2009年 104ヶ国中2位

  • 2010年 96ヶ国中7位

となっている。確かに昨年は過去最高突出して好成績だったが、1990年から2002年までは

10位より上位に入ったことは2回のみであるが、2003年以降は次第に参加国が増える中で、殆ど毎年

一桁の順位である。それを書かずに去年より悪い、とだけ書くのは、ミスリーディングだ。

一般人の中にも
これがゆとり教育の成果か

などと嫌味な書き方をしている大人がいたが、過去の成績(順位)の推移を調べずに、

印象だけで、いい加減なことを書くな、と言いたい。


記事には、載っていないがIMOにおける日本選手の成績を見ると、

昨年高校3年だったので、今年はもう出ていないが、2007年から2009年まで、3年連続「金」を獲った

筑波大学附属駒場高等学校の副島君がいることを、記す(彼は2005年、中学2年で既に「銅」を獲っている)。


サッカー・ワールド・カップを1面で取りあげるのに、国際数学五輪は取りあげないのは、

大衆の関心にマスコミが迎合しているからである。

繰り返すが、ことの軽重を考えろ。これでは、子供達はどう思うか?
一生懸命勉強して国際数学五輪で金メダルを獲っても、世間は誰も褒めてくれない。やはりサッカーだ。

と思うであろう。これで、勉強しろ、学力の低下が嘆かわしいと嘆くのは、あまりにも無責任だ。

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2010.07.14

【号外】本日「徹子の部屋」ゲスト、森麻季さんです。/【音楽】2001年ベルリン・フィル、イスタンブール公演DVDのお薦め。

◆【号外・追加】本日(7月14日)テレ朝系、「徹子の部屋」のゲストは森麻季さんです。

こういうのを、英語で、"Sorry for short notice.”(直前の連絡で申し訳ない。)というんですけど、正にそれですね。

BSが見られる環境の方は数日遅れでBS朝日が夕方に「徹子の部屋」を放送していますので見ることが出来ます。

取り急ぎご連絡でした。


◆ベルリン・フィルに限りませんがヨーロッパの中は意外と狭いのです。

ロンドンに駐在員として住んでいたころ、ヨーロッパの色々な所へ行きましたが、

地図で見ているだけだと分かりませんが、お互いにとても近いのです。

私が経験した限りでは、ロンドンを基準にして一番遠かったのがアテネですが、

今はもう飛んでないのでしたっけ?日本の国内線でもよく使われたボーイング737という

あの比較的小さいジェット機で2時間ちょっと。パリなんか、1時間かからないし、

ドイツ、オーストリア、スイス。日本から行くのに比べたら近いのは当たり前ですが、

ヨーロッパがEUとして乱暴に言えば、「ひとかたまり」になったのは、行ってみると

分かる気がします。ヨーロッパ何処へ行くのも、日本の国内線の距離なんですから。

だからベルリン・フィルに限らずヨーロッパのオケは互いの国にしばしば行きます。

ロンドン公演なんて、ベルリン・フィルもウィーン・フィルも全然珍しくないです。

今日は2001年のベルリン・フィル・ヨーロッパ・ツアーでトルコのイスタンブールにおける

コンサートのDVDのご紹介です。
European Concert From Istanbul [DVD] [Import]

です。輸入盤ですが、新品でも2,000円ちょっと。中古だと(送料別ですが)1,500円台からあります。


◆ハイドン、モーツァルト、ベルリオーズ。指揮はヤンソンスです。

これは、私は最初、ハイドンの交響曲94番「驚愕」の映像をYouTubeで探していて、たまたま見つけたんです。

そのときは、元のDVDを知りませんでしたが、ちょっと調べたら分かりました。

プログラムは、

 指揮:マリス・ヤンソンス

・ハイドン:交響曲第94番「驚愕」

・モーツァルト:フルート協奏曲第2番 ニ長調 K.314 (フルート:エマニュエル・パユ)

・ベルリオーズ:幻想交響曲

です。どれも名曲の名演です。サブ・コンサートマスターが安永徹であるのも嬉しい映像です。

では、それぞれから一つの楽章だけ。


ハイドン 交響曲第94番「驚愕」第4楽章。


Haydn Symphony No94 Finale







モーツァルト:フルート協奏曲第2番 ニ長調 K.314 第一楽章



MozartFluteConcertoK314Ddur.







これはハ長調のオーボエ協奏曲をニ長調にしただけですが、細かい所、少し手直ししているそうです。



ベルリオーズ「幻想交響曲」第四楽章「断頭台への行進」


BerliozFantastic4thMovement







この楽章だけで、最弱音と最強音の差(ダイナミックレンジ)が凄いですね。

最初、ティンパニの6連符が繰り返されますが、ベルリオーズ先生直々の支持が書いてありまして、
「最初の音だけ両手で叩き、その後は片手で叩くこと」

ですと。その通りにやってますね。

1分50秒からの景気の良いマーチ。旋律はコルネットというトランペットによく似た楽器が

奏でますが、よく聴くと、トロンボーンが非常に低い音をただ伸ばす、しかもフォルティッシモで伸ばす。

低音のフォルティッシモは難しいです。このDVDでは、マイクのセッティング(位置)の関係か、

余りよく聞こえませんが、それでも聞こえるので良く聴いてあげてください。

一部しかご紹介できませんが、この後の終楽章も熱演です。


三曲とも、名曲の名演です。お薦め致します。

それでは。

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2010.07.13

消費税を上げない経済政策に関する一考察。

◆民主党が予想以上に負けすぎて、どのように論評したら良いか分かりません。

実は、月曜日は、久々に体調を崩しまして、会社を休みました。

勿論、それは選挙とは関係無いが、今後日本はどうするべきか、

なかなか考えがまとまりません。


一つの政党が衆参両院で過半数を獲得するのは、危険なので、所謂ねじれの状態は健全だが、

民主が負けすぎたので、自民が嫌がらせをして、何も決まらない可能性がある。

もたもたしていると、本当は格付け会社などというものの思惑を気にしたくないが、

ムーディーズとスタンダード・アンド・プアーズという世界の二大格付け会社が

日本の国債を格下げするかも知れないようなことをいってる。


◆景気を浮揚して、財政をたてなおすには、家計の負担を下げるしかないのではないか。

財政を健全化するには、歳出を減らして、歳入を増やせば良いのだが、

歳入を増やす為に増税すると、家計に一層負担がかかる。

それでは個人消費は伸びない。

法人税減税は、どうせアメリカの注文だろう。

海外の企業が日本で活動の場を増やせるようにすべきだ、というが、

日本市場に主に米企業が参入して、あわよくば日本企業を乗っ取ろうという思惑だろう。

やはり、個人消費を増やして景気回復戦略を考えるべきで、暫くの間でも暫定税率を適用。

つまり減税することで、家計の支出が増えれば、消費税率や所得税率を引き上げなくとも

総額としては税収増になるのではないか、と思われる。


菅直人内閣総理大臣は「増税しても、使い方を正しくすれば、景気は縮小しない」と主張し、

6月18日に「新成長戦略」を発表し、

増税によって得られた資金を今までのような道路などへの公共事業に使うわけでもなく、過度に市場原理に任せることもせず、

「第三の道」として

経済社会が抱える課題の解決を新たな需要や雇用創出のきっかけとし、それを成長につなげようとする政策

を提唱し、具体的には、
「グリーン・イノベーション」、「ライフ・イノベーション」、「アジア経済」、「観光・地域」を成長分野に掲げ、これらを支える基盤として

「科学・技術・情報通信」、「雇用・人材」、「金融」に関する戦略を実施する

と書いているが、こういうのは、社会主義における計画経済に近く、社会主義国ですら、

資金をどこにどのように投資するのが最も効果的か、分からなかったのであり、今の経済学者で完全に自信を持って、

「これだ」と云える人はいないはずなのである。構想としては一見美しいが、特定の産業分野に国家がテコ入れする

という、言い方をすることもできる。自由経済、資本主義経済の国家の経済戦略としては、

如何なものかと思う。

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2010.07.12

【参院選】最終結果がでていないが、所感。

◆5年前と3年前のちょうど逆だ。

つまり、2005年9月の郵政民営化選挙で、自民党が絶対安定多数を確保してから、

自公連立野党はすっかりツケ上がり、やりたいほうだい。

閣僚の失言や事務所費問題での農水相の自殺など、問題が相次ぎ、

前年から問題になっていた、宙に浮いた年金台帳に関して当時の安倍晋三内閣総理大臣は、

1年で5千万件の照合を終わらせる

と言ったが、自民党閣僚が年金掛け金の未納問題が発覚したり、スキャンダルが続き

7月29日の参議院選挙で、自公連立与党は大敗を喫したのである。

グラフで見ると一目瞭然。上が2007年参院選前の議席数。下が選挙後の

野党の躍進ぶり、与党の失墜を雄弁に物語っている。


Houseofcouncillorselection2004


Houseofcouncillorselection2007


今日の選挙ではちょうどその逆が起きたわけだが、最終結果が出ていないのでまだグラフには出来ない。

自公連立与党と民主党でことなるのは、自公の場合、2005年の衆院選から約2年を経てからの参院選だったのにたいして、

民主党は昨年8月に政権交替したばかりなのに、それからわずか11ヶ月後の参院選で惨憺たる有り様となったことだが、

これは偶然も重なっている。参議院の任期は6年で。衆議院は4年である。途中解散もある。

今回は政権交替の衆院選から1年も経たないうちに参院選があったので、与党の凋落ぶりが目立つ。


◆菅直人内閣総理大臣が辞めることはなかろう。

こうなると、明日の新聞記事は読まなくても分かっていて、民主党内部では執行部の責任を問う声が

あがり、大幅な人事の見直しを要求する声が高まり、そこで、小沢がしゃしゃり出てくる可能性がある、

というのだろう。


だが、そもそも民主党がここまで有権者に信頼を失った最大の原因は、あの何も決められない鳩山前首相であり、

ただでさえ、何を考えているか得体の知れない小沢一郎が、

秘書が政治資金規正法違反で逮捕された後も、知らぬ存ぜぬでとおし、幹事長に止まっていたからである。


本当かどうか知らないが鳩山前首相は自分が辞めるとき、小沢幹事長にも一緒に辞めて下さいと頼み、

小沢はこれを承諾した。ところが今日の選挙の結果を見て、先に書いた通り、また、小沢が勢力を盛り返すかも知れない。


もういい加減辞めろと言いたい。この何を考えているか分からない、人相の悪いのの所為で民主党は随分損している。


◆衆参で「ねじれ」が生じるのはむしろ好ましい。

先日書いたが、与党が衆参両院で過半数を占めると、二院制の意味がなく、与党が衆議院で可決した法案は、

参議院でまともに議論されずに可決されてしまう。安倍晋三政権下で教育基本法の改正案や、

憲法改正の手続き法である国民投票法が、強行採決されたのが良い例である。


参議院で野党が過半数を占めている状態こそ、健全である。

ただし、非常に容易に想像されるのは、昨年与党の地位から引きずり下ろされた腹いせから、

まともに審議に応じず、秋からの臨時国会で、単に民主党を困らせるために、

徒に審議を長引かせたり、審議拒否を行ったり、という幼稚な行動に出ることだ。

忘れないで欲しいが参議院議員に支払われる歳費その他は年間3千万円以上で、

それは、我々が納めた税金で賄われている。

国会は国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関である。(日本国憲法第41条)

し、国会議員は国家公務員であり、
すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。 (日本国憲法第15条第2項)

のであるから、地盤の利益を優先しないのはもちろんだが、自分達(国家議員)の既得権を守ることに固執するべきではない。

低金利政策下では、最終的な負担は家計に及ぶ。その状態がずっと続いている。

みんなの党がいうとおり、自分達も「生活が苦しい」という経験をしてみろ。

また、ここ数年、あまりに頻繁に総理がかわるので、全然状況が進展しない、北朝鮮拉致被害者の問題。

安倍晋三元首相が1年間で5千万件全件照合するといいながら3年経って、一体どれほどの進捗があったのか。

有権者も目先の「消費税」にムキになり、後の事を忘れてはいけない。

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2010.07.11

【追加】私が音楽記事を書く理由。/【音楽】ヴァイオリニスト、川畠成道氏のアルバムを薦めます。

◆NHKの参院選投票前日ドキュメンタリー番組を見ました。「文化・芸術」の「ぶ」の字も出ませんね。

たった今まで(現在7月10日の21時過ぎです)、NHK総合の「参院選特集「党首奮戦~密着 17日間の熱き戦い~」

というドキュメンタリー番組を見ていました。各党党首の選挙期間中の演説をまとめていました。

今は、特に景気が悪いから、そちらの話が中心となるのは、当然ですが、文化や芸術に関して一言でも言及した党首が

皆無であることを確認しました。


これは、今に始まったことではなく、選挙では「大衆」に分かり易く訴え、大衆が喜ぶようなアピールが必要です。

クラシック音楽が好きな人は日本にも大勢いますが、総人口約1億2千万の中での割合は、ごくわずかです。

政治家が「文化・芸術」のことなど全く考えない(少なくとも選挙演説では言及しない)のは、そんなことを訴えても

票に結びつかないからです。むしろ、地方の農村で「クラシック音楽」などと口にしたら逆に票を減らしかねない。


自民党のサイトを見るとわかるとおり、今の自民党は「いちばん」を
キャッチフレーズに

しています。

世界で一番の日本へ。

と書いてありますが、勿論GDPでは最早中国にも追い越されるのは時間の問題だし、なによりアメリカを超えて1位になるのは不可能です。

NHKの番組中での谷垣発言を聞いたら、「日本が世界で1番」という分野は沢山ある。

それをもっと増やそう、という趣旨のようでした。

それはいいですけど、谷垣さんに限らず、世界一のオーケストラ、ベルリン・フィルのコンサート・マスターを25年も務めた安永徹さんや、

世界最高峰のロイヤル・バレエで、プリンシパル(主役を踊れるダンサー)を務めてきた吉田都さんが、

6月29日の東京公演、プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」を最後に退団したことなど、

全く頭の片隅にも無いようです。

これは、有権者がそういうことに興味がないことを反映しています。


今は、確かに文字通り前代未聞の長いデフレ不況です。

しかしながら、あまりにも有名な、夏目漱石:「草枕」の冒頭には、こう書かれています。
山路を登りながら、こう考えた。

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。

人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。

ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。

人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。

越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容(くつろげ)て、束の間の命を、

束の間でも住みよくせねばならぬ。ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降(くだ)る。

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい



住みにくき世から、住みにくき煩いを引き抜いて、ありがたい世界をまのあたりに写すのが詩である、画(え)である。

あるは音楽と彫刻である。こまかに云えば写さないでもよい。ただまのあたりに見れば、そこに詩も生き、歌も湧く。

(注:色太文字は引用者による)

苦しいときに、美しい音楽に慰められることは、実際にあります。私は何度も経験しました。

どんなにおカネが無くとも、人間は美しいものに接することにより、慰められ、パワーを受けることがある。

本当は、政治家が全く芸術に言及しない、というのは残念なことです。

だから、と書いてはあまりにもおこがましいけれど、私はこの日記・ブログで、少しでも多くの方に

しかも、今まで「クラシック音楽」などに全然興味や関心が無かった、いや、嫌いだ、という方々にも、

美しい、楽しい音楽があるのですよ、ということを伝えたくて、音楽記事を書いています。


◆川畠成道(かわばたなりみち)という、素晴らしいヴァイオリニストがおられます。

今まで、色々な演奏家を紹介しました。ヴァイオリンでは、カナダのジェームス・エーネス氏を

取りあげた事が一番多いけれど、日本人にも無論、世界的なヴァイオリニストが何人もいます。

元ベルリン・フィルの第一コンサートマスター、安永徹氏に関しては、何度も書きました。

しかし、大変失礼ながら、今まで川畠成道氏のことを書くのを忘れていました。

全く他意は無く、単にうっかり忘れていたのですが、この人のヴァイオリンは素晴らしい。


川畠氏は1971年、東京・三鷹生まれですが、1990年、毎コンで3位に入賞しています。

私が彼のヴァイオリンを聴いて「オッ!」と思ったのは、この時が最初だと思います。

NHKは、毎コンに於ける各部門の本選やドキュメンタリー番組を放送します。

この頃彼はまだ学生で無名でしたが、多分予選の時。記憶が曖昧で申し訳有りませんが、

毎コンのテレビの音を聴きながら私はなにか別のことをしていたのですが、

ヴァイオリン部門の参加者で、あまりにも美しく、ものすごく楽器が良くなっている

素晴らしい音を出す人がいて、私は思わずテレビを振り返ったのを覚えています。

それが川畠氏でした。



川畠成道氏のプロフィールは氏の公式サイトに載っています。リンクを貼って良いかわからないので、

「川畠成道(かわばたなりみち)オフィシャルサイト」を検索し(最初に表示されます)、読んで下さい。

特筆すべきは、川畠氏は、桐朋音大で(その前からですが)故・江藤俊哉先生に師事したのち、江藤氏のすすめで

英国王立音楽院(Royal Academy of Music)に留学し、

1997年、首席で卒業しました。

この時に、四半世紀に一度催される、同音楽院にとって大変由緒ある記念コンサートでソリストに抜擢され、更に、
175年を誇る英国王立音楽院の歴史の中で2人目になる、スペシャル・アーティスト・ステイタスの称号を与えられ

ています。世界で一番の日本を強調する自民党の谷垣総裁をはじめ、政治家でこの歴史的事実を知っている人は・・・・、

いないでしょうねえ。


◆8枚目のアルバム「美しい夕暮れ」を薦めます。

川畠成道氏は、1999年12月に、ファーストアルバム 歌の翼に On Wings of Songs 以来、

10枚(正確な所、分かりません。DVDもあります)のCDを録音しています。

私は、全てを持っているわけではないのですが、彼の演奏は大変に真摯で、美しい。

聞かなくても全てお薦め、と書きたいところですが、それでは皆さん迷ってしまうでしょう。

今回は、2007年に発売された、8枚目のアルバム、美しき夕暮れ Beau Soir を薦めます。


選んだ理由は単純で、ご常連の読者の方は覚えて下さっているかも知れませんが、

最近、私は「カッチーニのアヴェマリア」にハマっておりまして、

先日もトロンボーンの神田めぐみさんのアルバムをご紹介しました。

2010年06月27日(日) 【音楽】トロンボーン奏者神田めぐみさん「グロリア」のお薦め。ココログ


次は、ヴァイオリンで、と考えたところ、川畠成道氏の「美しい夕暮れ」に収録されていることを

思い出したのです。


◆「美しい夕暮れ」から何曲か。

アルバムの表題、「美しい夕暮れ」は最初に収録されているドビュッシーの曲の名前なのです。

これも載せたいのですが、キリが無いんですね。

全て演奏が良くて、一つ一つのトラック、つまり演奏時間が短いので

「あまり、ヴァイオリン、聴いた事が無い」という方にも、詳しい方にもお薦めです。

それだけ、私は選曲に苦労しました。

誤解の無いように書き記しますが、ここで取りあげた演奏が特に素晴らしい、ということではなく、

「全て素晴らしい」のです。しかし、CD一枚丸ごと載せる訳にはいきません。引用という解釈ですから。

では、参ります。


どなたも御存知、ドヴォルザークの「ユーモレスク」ですが、実は全部で8曲あります。

その中で、第7番が突出して有名になり、単にドヴォルザークのユーモレスクと言ったら、

この曲を指すことになったんです。


ドヴォルザーク: ユモレスク






最近、こういう懐かしい曲を録音するヴァイオリニスト、少ないです。でも美しい。

世の中の「クラシック通」の中には、死んでもこのような泰西名曲が好きだ、などと言うものか。

とこめかみに青筋を立てている感じの人がいますが、そんなことは、関係無い。

N響で30年ファースト・ヴァイオリンを弾いてこられた鶴我裕子さんは、

著書、「バイオリニストは肩が凝る―鶴我裕子のN響日記 」の中で、

20年来愛聴しているレコード(CD)が二枚あり、一つはバリトンのフィッシャー=ディースカウが歌う、「R・シュトラウス歌曲集」、

もう一枚が、クライスラーの芸術で、特に、

クライスラーの(引用者注:クライスラーが弾く)「ユーモレスク」は、わたしにとっては「またたび」のようなものである。

と書いている。プロだってそうなんですから。

また、故・武満徹氏が、赤川次郎のばっくすてえじトークで言ってます。
ドヴォルザークは旋律が素晴らしいですよ。最近専門家が照れちゃって、こういうのを演らないのが良くない。不健康だ。

と。意外ですが、嬉しい言葉です。川畠氏は「健康」です。


リムスキー=コルサコフ: 熊蜂の飛行







これは何の楽器でも演りますが、要するにテクニック誇示、というか、

「速いパッセージも弾けますよ」で終わりがちですが、川畠氏は丁寧な弾き方です。

また、ヴァイオリンだと、「熊ん蜂」なのでもっと意図的に、ゴシゴシ弾く人がいますが、

川畠氏はその寸前で加減しています。

これ以上やると音が汚くなる、というギリギリのところを良く御存知だと思います。


次は、「シャミナード: スペイン風セレナーデ」です。

セシル・シャミナード(1857-1944)はパリ生まれのピアニストですが、作曲もする人で、

200曲ぐらい書いてます。これはヴァイオリンのためにクライスラーが編曲したのです。



シャミナード: スペイン風セレナーデ







曲の最後は、フラジオレットという、特殊な奏法の一種です。

ヴァイオリンは右手に弓を持ち左手は、弦を押さえて音程を変える訳ですが、

その左手で、ごく軽く触れる程度に弦を押さえることによって、倍音といって、本来よりも高い音を出すのです。

パガニーニとかサラサーテの作品で多用されてます。この曲の一番終わりは、フラジオレットの連続です。

一番最後の音。フラジオレットでギリギリのピアニッシモは、とても難しいだろう、と素人でも察しが付きます。



次は、「ブラームス ハンガリー舞曲 第7番」です。ブラームスのハンガリー舞曲をお好きな方多いでしょうが、

1番、5番、6番あたりが良く演奏されます。7番けっして珍しくはないのですけど、御存知無い方がおられても

不思議はないです。


ブラームス ハンガリー舞曲 第7番







これは、テンポを変化させないわけにはいかない曲ですが、演奏者のセンスが

モロに出ます。大変見事だと思います。


さて、最後です。「カッチーニのアヴェ・マリア」


カッチーニ: アヴェ・マリア







ハンガリー舞曲との音色の違い。曲想に応じて臨機応変です。しかも、カッチーニのアヴェマリアは、盛り上げようと思ったら、

もっと派手に弾くことも出来るでしょうが、あえて、それをしない控え目な弾き方が、品の良い音楽を実現しています。

素晴らしい。如何でしたでしょうか?

それでは。良い週末をお過ごし下さい。

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2010.07.09

「わが国の景気は、海外経済の改善を起点として、緩やかに回復しつつある。(白川日銀総裁)」←どうかなあ・・・。

◆記事 日銀総裁、経済は「緩やかに回復しつつある」(7月8日11時8分配信 読売新聞)

日本銀行の支店長会議が8日午前、東京都中央区の日銀本店で始まった。

白川方明総裁は冒頭のあいさつで、日本経済の現状について、

「海外経済の改善を起点として、緩やかに回復しつつある」との認識を改めて示した。

先行きについても、海外経済の改善や内需の持ち直しを背景に、「回復傾向をたどるとみられる」と述べた。

国内の金融システムについては、「全体として安定性を維持している」と強調した。

ただ、金融機関の収益力に対しては、「借り入れ需要の低迷による貸出残高の減少や、

貸し出し利ざやの縮小などから基礎的な収益力は低下を続けている」として懸念を示した。


◆コメント:景気が回復していると言えるのか、疑問です。

記事の通り、今日(7月8日)日銀の全国の支店長が集まって、各地域の景気を報告し、

日本全体の景気はどうか、というようなことを話したのです。これは定期的に行われ、

支店長会議の冒頭の日銀総裁挨拶は、総裁が日本経済をどのように認識しているか、を

示すので、ただちに公表されます。日本銀行のサイトに、

2010年 7月 8日 【挨拶】白川総裁(支店長会議)

があります。要旨ですが、白川総裁は確かに、
(1)海外経済をみると、先進国経済の回復が緩やかなものに止まる一方、新興国・資源国経済は力強い成長を続けている。

国際金融資本市場は、ソブリンリスクを懸念する動きなどから、一部に不安定な動きがみられている。

(2)わが国の景気は、海外経済の改善を起点として、緩やかに回復しつつある。輸出や生産は、増加を続けている。

企業の業況感は、引き続き改善している。設備投資は、企業収益が回復してきているもとで、持ち直しに転じつつある。

雇用・所得環境をみると、引き続き厳しい状況にあるものの、その程度は幾分和らいでいる。

そのような状況のもと、個人消費は、各種対策の効果もあって、耐久消費財を中心に持ち直している。

(3)先行きについては、輸出や生産は、増加ペースが次第に緩やかになっていくものの、海外経済の改善が続くもとで、増加基調を続けるとみられる。

また、国内民間需要は、持ち直しを続けると考えられる。このように、わが国経済は、回復傾向を辿るとみられる。(注:色太文字は引用者による)

といっているのです。立場がありますから、あまり悲観的なことは言えない、ということがあるとしたら、

非常に良くない。

「中央銀行の独立性」の問題です。

日本銀行のみならず、いずこの国でも本来中央銀行は、政治的な思惑から完全に独立していなければなりません。

しかし、実際には、政治家が何か言ってくる見たいですね。FRBのグリーンスパン前議長(だったと思います)が、

回想録で書いてましたが、アメリカのFRBでさえ、ホワイトハウスから四の五の言ってくる。

歴代のFRB議長で、完全にこのような政治的圧力に屈しなかったのは、ポール・ボルカー氏だけだった、と。


◆折りしも、今日は役所や民間企業、調査会社などからいくつもの経済指標が発表されました。

話が、横に逸れました。

本当に日本の景気は「回復傾向を辿っ」ているのでしょうか。

今日は色々な経済指標が発表されました。いちいち記事全文を載せたら大変な量になるので、

見出しだけを羅列します。


  • 5月機械受注、9.1%の大幅減=3カ月ぶり縮小―内閣府(7月8日9時0分配信 時事通信)

  • 5月経常黒字は1兆2053億円、前年比‐8.1%=財務省(7月8日9時18分配信 ロイター)

  • 6月銀行・信金計の貸出平残は前年比‐2.0%=日銀(7月8日9時44分配信 ロイター)

  • 都心オフィス空室率、過去最高5カ月連続更新 10%に迫る(11時56分配信 産経新聞)

  • 6月景気ウォッチャー現状判断は2カ月連続で低下(7月8日15時5分配信 ロイター)

  • 世界経済に下ぶれリスク=債務危機で先行き警戒―今年は4.6%成長・IMF(7月8日12時35分配信 時事通信)

手短に説明します。

内閣府が発表した機械受注。今日発表されたのは5月分です。先月発表された4月分は前月比+4パーセント。

その前の3月も前月比プラス3.6パーセントで2ヶ月連続プラスで、内閣府は基調判断を「持ち直しつつある」としたのですが、

今日発表の5月分は過去2回のプラス分を帳消しにするぐらいのマイナス9.1パーセント。これだけマイナスなのは約2年ぶりなのです。


次。経常黒字が前年比マイナス8.1パーセントです。貿易収支で輸出の増加率より、輸入の増加率の方が高かったのです。

日本は輸出で稼いでるのですから、輸出が減る、つまり海外でものが売れない、ということは景気にとって、マイナス要因です。


銀行の貸し出しが減っているというのは、借り手がいないからです。景気が悪くものが売れないので、設備投資資金を

銀行から借りる必要がない、という事です。


都心オフィス空室率が5ヶ月連続して過去最高を更新している。これは景気が悪く、

企業の収益が減っているので、高い都心のオフィスを引き払い、新たな借り手がいないということです。


景気ウォッチャー調査が現状判断は2カ月連続で低下。とあります。

街角景気ともいいますが、内閣府が全国の景気を敏感に感じ取るような商売の人に3ヶ月前と比べて、今は景気はどうか?

と訪ねるのが「現状判断」です。2ヶ月連続して、前より悪くなっている、と回答した人が増えている、ということです。


世界経済に下ぶれリスク--IMFというのは、7日にIMFが世界経済見通しをアップデートしたのです。

それによると、世界の景気は回復しつつあるのだけれど、ソブリン・リスク(ギリシャ危機のような国家の信用リスクです)や、

ユーロ圏の金融危機の可能性が増大しているのが懸念される、というようなことを書いてます。


以上を考えると、日本の内需が拡大しつつあるとも言えないし、では輸出で何とかなるかというと、

欧州の財政危機、金融危機のため、世界経済全体が落ちこんでいる。

従って、また、ドスーンと世界不況になってもおかしくない、ということです。


随分、悲観的な見方と思われるかも知れませんが、こういうことはリスク・コントロール(危機管理)の

一種でして、危機管理というのは、最悪の事態を想定して、それに対処する方法を考えるのです。

私は、政府の要人でもなんでもありませんが、その立場にあるひとは、危機管理能力が問われます。

危機管理担当者が楽観主義者で、「まあ、何とかなるだろ」という人だったら、たまったものではありません。

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2010.07.08

【参院選】肝心なのは、民主党単独過半数を許さないことだ。

◆民主党に参院でも過半数を獲らせたら、「公約を破っても良い」というに等しい。

今日は7日7日の七夕であり、全然関係無いが、作曲家グスタフ・マーラー(1860年7月7日 - 1911年5月18日)生誕150年なので、

マーラー特集にするつもりだったが、参院選投票日まで4日なので、今日はそちらを優先させることにした

(マーラーは明日以降に改めて取りあげます)。



7月11日投票の参議院選挙で大切なことは、民主党に単独過半数を許さないことである。

2010年06月22日(火) 「首相が消費税増税で「政治生命かける」 9党党首討論速報」←昨年の民主党のマニフェストでは「消費税5%維持」 ココログ

で書いた通り、民主党は昨年の衆議院選挙の際のマニフェストには「消費税は5パーセントを維持する」と明記した上、

今年の1月、当時の首相、鳩山由紀夫氏は今年1月19日衆議院本会議において、
今後4年間、消費税は引き上げない

と明言したにも関わらず、首相が菅直人氏に替わったらいきなり消費税率を段階的であり、

直ちにでは無いにせよ。「引き上げる」意思を表示しているのである。

消費税率を維持するとの公約を掲げて、衆議院選挙で大勝して、後から「やっぱり上げます」と宣言するのは、

国民新党の亀井静香氏が参院選公示の6月24日に、
国民生活全体が良くならないで税を取り上げるなんて、江戸時代の悪代官だってそんなことはしない。

と酷評しているが、正にその通りで、殆ど詐欺である。


報道を観察していたところ、参院選公示直後の世論調査では、
「民主党が改選議席54を超える勢い」

というので呆れた。それでは、有権者が政権政党に対して
マニフェスト(又は公約)を守らなくても構わないよ。

とお墨付きを与えるに等しい。公約を守らないということは、嫌な言い方をすれば、有権者を騙し、

裏切ったのであるから、それなりの制裁が与えられなければならない。


◆今日のロイターによると、改選議席を下回りそうだ。

午前中のロイターニュースに次のような記事があった。

◆記事:与党、参院過半数割れなら部分連合を模索か(7月7日11時52分配信 ロイター)

7月11日投開票の参院選は終盤戦に入り、過半数をかけた与野党の舌戦が激しさを増している。

国内メディアの情勢分析では与党の過半数獲得は難しく、民主党は改選議席の54議席に及ばず50台前半との見通しが強まっているほか、

50台を割り込む可能性も一部で指摘されている。

これで良いのである。


参議院の過半数は122議席である。

参議院は半分ずつ改選されるが、今回、民主党の非改選議席は62議席だから、もしも民主党が60議席を獲得したら、

単独で62+60=122議席。つまり単独過半数。こうなったら民主党のやりたい放題で極めて危険である。

安倍政権当時の自公連立与党がこの状態で、衆参両議院で過半数を持っていたため、

憲法の付属法と言われる教育基本法の改正や、何と憲法改正の手続きとなる国民投票法を強行採決する、

というとんでもないことをした。これでは全体主義国家である。



マスコミは「ねじれ」、という言葉を良く用いるが、「ねじれ」ていて、ちょうど良いのだ。

それを以て徒に政治家が、駆け引きの手段にするのは目に見えているが、全体主義よりはまだ、良い。


民主党と国民新党が合わせて56議席を獲得し、与党が過半数を確保した場合でも、

亀井静香氏が言葉を翻さない限り、消費増税に民主党が拘ったら、国民新党からも連立を解消される可能性が高い。

国民新党の亀井代表は6月24日、NHKの番組で、
「国民を裏切って閣議決定するなら、われわれとしたら連立政権にいるわけにはいかない」

と発言したのである。兎に角、民主党に改選議席数、54議席を獲らせてはいけない。

民主党は改選議席の54議席を維持出来たら、「国民の信任を得られたとみなす」と勝手に決めているので、

54議席未満にしたい。それでは、どの党に入れるか?


◆自分と完全に思想が一致する政党など有るわけ無いが、改憲、集団的自衛権を標榜する政党はダメだ。

もしも私が私自身の思想と完全に一致する政党を欲するならば、私が政党を立ち上げて立候補するしかない。

それ以外は、所詮他人なんだから、思想の完全な一致を求めるのは無理だが、重要な点を確認してふるいにかけることはできる。



今は、税制と経済政策だけに目を奪われがちだが、そこだけを見てはいけない。

憲法に関して各党は何を言っているか、をチェックするべきである。

皆が注目していない事に乗じているのかどうか知らぬが、改憲の意思を明確にしている政党がある。

参議院選挙2010 マニフェスト 政治改革・憲法 - Yahoo!みんなの政治を見ると一目瞭然。

民主党(憲法に関して言及していないが、前原現国交相は、改憲推進論者として有名。そういう人物を閣僚にしているからには改憲是認と見なす)、

自民党、公明党、国民新党、新党改革(舛添要一の党)、たちあがれ日本。

これらは、改憲するという。私はこの一点で支持しない。

その観点で決めると、社民党、共産党、みんなの党(憲法に関して言及していないので、少し怪しいが)しか残らない。


だが、今の経済状況では、現実問題として改憲どころではないだろうから、

騒がれている税制についての各党の政策を比べる。参議院選挙2010 マニフェスト 行財政・税制 - Yahoo!みんなの政治を見る。

消費増税を標榜する政党は、昨年の衆院選に於ける民意を無視しているわけで、民主党と同じく、論外。つまり、

民主、自民、公明、新党改革、たちあがれ日本、はダメ。
残るは、共産、社民、国民新党(改憲論者だから本当は嫌だが。)、みんなの党しかない。



無論、投票行動は各有権者が自らの思想と見識に則って決めるべきだ。

本稿は、私の個人的思想を表明しているに過ぎ無い。

もう一度繰り返すが、民主党が単独過半数を獲ることだけは、避けなければならない。

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2010.07.07

「月内の経緯報告要求=ゆうパック遅延問題で―総務相」←「報告」より早く届けさせろ、バカ。

◆記事:月内の経緯報告要求=ゆうパック遅延問題で―総務相(7月6日20時1分配信 時事通信)

郵便事業会社(日本郵便)の宅配便「ゆうパック」の大規模な集配遅延問題で、原口一博総務相は6日午前、

同社の鍋倉真一社長を総務省に呼び、郵便事業株式会社法に基づき、準備状況を含む問題発生の経緯、

公表が遅れた原因などについて今月末までに報告するよう求めた。総務省は報告を精査し、

業務改善命令などの処分が必要かどうか検討する方針だ。


◆コメント:どいつもこいつも、トップはポーズばかりだ。

原口総務相はアホではないか?

本当に報告書を読まないと、ゆうパックの配達が遅れた原因が分からないならば、白痴である。

遅れた原因は、国民は皆、既に分かっている。

よりによって、ペリカン便とゆうパックの統合を、仕事が忙しい、お中元の時期に行ったからである。

センスが無いにもほどがある。


郵政事業を民営化する、ということは、郵便局が商売人になる、ということだ。公的事業のときよりも、

サービスは良くなるべきなのに、逆の現象が起きている。

郵便事業会社の鍋倉真一社長は、「商売」をしたことがない。元総務審議官。

旧郵政省の役人が天下りで、「民間企業」の社長になったのである。

商売の競争の世界に身を置いたことの無い元キャリア官僚、鍋倉社長の頭の中で渦巻いているのは、

どうやって今回の件で、上手く逃げて立ち回るか、であって、彼の頭の中には、

お客様からご指定の日時に届けますと言ってお預かりした荷物を約束通りの日時に届けられず申し訳ない。

などという意識は(一応申し訳ないといっているが、言語があるだけだ)いまだに全く無いだろう。

同社長の発言を読むと、「自分が責任を取る」という意識が希薄であることは、あまりにも明らか。

毎日新聞の記事。
◆<ゆうパック遅配>準備不足の「見切り統合」 訓練1回(7月6日7時25分配信 毎日新聞)

集配の遅れが続いている日本郵政グループの郵便事業会社の宅配便「ゆうパック」をめぐる問題で、

ゆうパックとペリカン便の統合に伴う業務マニュアルが現場の一部に届いたのは直前の6月半ば以降だったことが5日、分かった。

宅配便の遅れは同日現在で32万個に増え、郵便事業会社は社員の「不慣れ」を強調するが、「準備不足」を指摘する声が強まっている。

郵便事業会社の東京都内の支店に勤める男性社員が、ペリカン便と統合後のゆうパックの作業手順を書いた

140ページにわたるマニュアルを受け取ったのは統合直前の6月半ばだった。

「訓練も1回だけ。わずか2週間で習得するのは無理。押し切った経営陣が現場に責任を転嫁するのはおかしい」。

男性はぶちまけた。都内の別の集配拠点の社員によると、マニュアルが届いたのは6月下旬だ

郵便事業会社は集配拠点で混乱が続いていると強調する。だが、拠点から荷物が配送され、各戸に届ける支店でも混乱していると男性は指摘。

「荷物の受領書などを発行する支店内の新システムは、7月1日の新サービス開始まで動かず、触れることもなかった」

(途中省略)

配達の遅れは、早期統合という経営課題を最優先させた結果、起こったとも映る。

だが、鍋倉真一社長は4日の会見で「いろんな研修や予行演習は行ったが、やや不慣れの人間が多かった」と現場の責任を強調

拠点での混乱が明白となった2日の時点で「土日の対応で正常化できる」(鍋倉社長)と判断したが、

結果的に「経営側の準備不足と甘い見通しによる見切り発車」(都内の支店に勤める社員)の感は否めない。

(以下省略。色太文字は引用者による。)

鍋倉社長の言い訳が如何にも役人上がりだ。
いろんな研修や予行演習は行ったが、やや不慣れの人間が多かった

異なる企業が合併し、システムを統合するのに事前に触ったこともないで、混乱は起きないだろう、

と考える人間がいることは、もはや、神秘的ですらある。

現場が不慣れなのは、分かりきっていることだった。

それでも、どうしても中元商戦の最中に合併するなら、数ヶ月前から猛訓練を重ねるのが常識。

鍋倉社長は「現場の責任を強調している」というが、現場に不慣れな従業員が多いまま本番を迎えてしまったのは、

取りも直さず、最高責任者たる社長の采配がなっていないからである。
「現場の混乱=社長の責任」

ということすらこの、元郵政役人は分かっていないのである。

その会社で起きたことの全ての責任は自分にあるのだ、という意識を全く持っていないのである。

こういう人間をトップに据えた、民主党政権による人事ミスの責任は重い。


原口総務相は、今回の配達遅延に付いて報告書を今月中に提出するように鍋倉社長に要求した、

とのことだが、そんなことをしたら、この、元役人である社長は、

「如何にして自分の責任を現場に転嫁し、体裁の良い報告書に仕上げるか」で頭が一杯になるだろう。

そうなったら、配達の遅延自体は、鍋倉社長にとって、二義的なことになるのだ。

総務大臣が報告書の提出を命じたのは、選挙前のポーズであることが分からないほど、

有権者はバカではない。余計に配達を遅らせる結果をもたらす。更に、
業務改善命令などの処分が必要かどうか検討する方針だ。

ときた。検討するまでもないだろう。バカも休み休み言え。

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2010.07.06

【参院選】景気回復の方策を講じる以前に消費税率引き上げが議論となるのは、やはりおかしい。

◆増税するつもりだったのにおくびにも出さなかった小泉より管さんの方がマシなことは確かだ。

いい年して、何時までも拗ねてるんじゃない、とお叱りを受けそうだが、私には、謂わば、

「2005年9月11日 郵政民営化選挙トラウマ」

の苦い記憶がある。郵政民営化法案が2005年8月8日、参議院で否決されたのを不服として、

小泉純一郎は、衆議院を解散し、
これは、郵政民営化の是非だけを問う選挙だ

と言い続けた。そもそも衆参両議院の決議が一致しないときは両院協議会を開いて話し合うのが、

憲法の規定で定められた手続きである。小泉はこの手続きを無視した。解散権の濫用だった。

そして、「郵政民営化の是非「だけ」を問う選挙だ」というのもウソで、自民党は選挙期間中、いまだに残っている、

自民党 政権公約2005をウェブサイトに公開していたのである。

そこには、「郵政民営化の是非だけ」どころか120もの項目が掲げられている。

少し読めば、小泉は選挙前から、将来増税するつもりでいたのに、口にしなかったことが分かる。

009. 歳出・歳入一体の財政構造改革を実現 を読むと、
税制の抜本的改革

19年度を目途に、社会保障給付全般に要する費用の見通し等を踏まえつつ、

あらゆる世代が広く公平に負担を分かち合う観点から、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する。

減税なら減税と書く。「税制の抜本的改革」という言葉は「増税」の婉曲表現である。

だから、私は2005年9月7日。投票日の4日前、
2005年09月07日(水) 【衆院選】自民党が勝利すると、こういうことが起きる。ココログ

を書いた。自民党の「120の約束」に書かれているとおり、2007年には小渕政権から続いていた

サラリーマンの暫定税率(普通より低い所得税率)が廃止され、住民税が引き揚げられ、実質増税になった。


このとき、ネット上の他人様のブログを読んでいたら、私のブログの事を書き、
2005年の衆院選の時点でこの度(注:2007年)の増税を予言していた人がいたとは驚いた。

と書いている人がいた。一応、お褒めに預かっているのだが、残念ながら私の書いたことは「予言」でも何でもなく、

自民党が公に掲げていた事なのである。

これだけではない。

私は選挙前の1ヶ月、単なる感情論ではなく、政策の問題・矛盾点を一つずつ丁寧に説明したつもりだった。

小泉というのは、いまだに分かっていない人がいるが、本当に狡い奴なのである。

それに比べれば、選挙前に公然と、「消費税率を段階的に引き上げるつもりだ」と言ってはばからない

菅直人内閣総理大臣の方が遙かにマシである、ということも出来る。

しかし、「正直である」ということだけで、無条件で支持するわけにはいかない。

子供ではないのだ。


◆増税よりも、まず、景気が回復しなければ、どうしようもない。

菅直人氏は、増税しても、それによって得た国の収入を正しく使えば、財政健全化と景気回復は両立できる

というが、経済学者でなくても、やはりこれは、順序が逆である、というか両立できる、つまり同時に出来ることではない。

消費税率なり、所得税率を段階的にであっても引き揚げる、という政策が決まった時点で、既に冷え込んでいる個人消費は、

心理的に圧迫され、更に落ちこむ。

消費税は、家計が所得を消費に回さないと、つまり、財・サービスを買わなければ、

課税出来ないのだから、消費が落ちこんだ状態では、消費税率の引き上げによって国の税収を増やす事は出来無い。


◆増税を実行する前にすべきことがある。

菅直人内閣総理大臣は、このままだと日本もギリシャのように財政破綻してしまう。

財政の健全化が急務だ、という。財政の健全化は確かに最終的には、実現するべきなのだが、

だからといって、いきなり増税が出てくるのは、「手順」として間違っている。

国が行うべきことの一つめは、経済成長率を回復させる成長戦略である。

経済成長が実現すれば、増税しなくても増収になる。


2番目は、国の資産の売却である。

日本国の負債は1,000兆円もある、ということばかりが強調されるが、

同時に国の資産が700兆円もあるのだ。しかも、その多くは天下り先の何とか法人の金融資産なのであるから、

ただちに売却することが出来るのである。これはしかし、役人が自分達のものだと思っているから売りたくない。

それだけのことである。売ろうと思えば500兆円ぐらいはかなり容易に売れる。

個人に例えるならば、バブルの頃は高収入で、避暑地に別荘まで買ったが、景気が悪くなり、

所得が減り、家計が苦しくなったら、まず、別荘を売るだろう。

政府はそういうことをしていない。

しかも、与党民主党は「脱・官僚政治」をスローガンにしていたはずである。

官僚の天下り先に提供する資金として温存している700兆円もの金融資産を売却しないのか。


3番目は、公務員の給与カットである。勿論まずは高給取りの国会議員や中央官庁の役人の報酬を減らす。

納税者たる国民は、収入が減っているが、それぞれの所得に応じて税金を徴収されている。

それが公務員の給与の財源となっているのに、公務員の給与が減らされないのは納得出来ない。


1~3をまず実行して、それでも足りないから増税したいがどうだろう?と国民に問うのが本来の姿である。

まだまだ論ずるべき点は残っているが、睡魔に襲われ始めたので、

今日の所は、ここで一旦擱筆することにした。

それでは。

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2010.07.05

「更正の場を…「千房」社長、刑務所に求人 元受刑者2人、晴れの正社員に 大阪」←いい話じゃないですか。

◆記事:更正の場を…「千房」社長、刑務所に求人 元受刑者2人、晴れの正社員に 大阪(7月1日15時7分配信 産経新聞)

過ちを犯し、罪を償って刑務所を仮釈放された後、約半年間にわたって大阪・ミナミのお好み焼き店で働いてきた男性2人が、

まじめな勤務ぶりが認められ、刑期満了となったのを機に1日、晴れて正社員となった。

不安を抱えながら踏み出した更生の道。2人は「社会人として成長し、まっとうに生きることが償いになる」と改めて心に誓った。



業界大手のお好み焼き店チェーン「千房」(本社・大阪市浪速区)の千日前本店(同市中央区)で働く日野顕正さん(29)と、

道頓堀店(同)の小柳拓哉さん(26)。1日午前、スーツに身を固め、引き締まった表情で中井政嗣社長(64)から辞令を受け取った。


日野さんは別の窃盗罪で執行猶予中にさらに窃盗事件を起こして懲役2年10月、

小柳さんは飲酒事故の執行猶予中に自動車盗を犯して懲役2年4月を科せられ、

民間が運営に参加する刑務所「美祢(みね)社会復帰促進センター」(山口県美祢市)で服役。

ともに、幼いころ親の愛情を十分受けずに育つなど、不幸な生い立ちを抱えていた。



一方、中井社長は平成20年末、同施設の運営に参画する企業の役員から、出所した元受刑者の雇用受け入れの打診を受けた。

元受刑者が出所し、社会生活に戻っても、定職に就けず再び罪を犯すという悪循環は、なかなか解消されない。

法務省によると、元受刑者の刑法犯再犯率は、16年以降の5年間で4割超。

元受刑者を積極的に雇用する「協力雇用主」は年々増えているものの、不況で採用数は減少している。



社内では反対もあり、不安もあったが、中井社長は「罪を償おうとする人にリセットの機会を与えてあげたい」と腹をくくった。


昨年5月、美祢社会復帰促進センターに求人を出した。

募集要項に「人生をやり直すくらいの気持ちを持って応募してください」と言葉を添えた。



面接では社長自身が向き合った。受刑者を対象に求人を出し、刑務所で面接を行った企業は全国で初めてだった。

両親の離婚と父親の死、崩壊した家庭…。

あまりにも不幸な2人の生い立ちを聞き、中井社長は「こんな人間に誰がした」と涙をこぼした。



 日野さんは昨年末、小柳さんは今年2月に仮釈放を許され、大阪での新生活を始めた。

身寄りのない2人に、会社では寮のほか新しい布団や衣服も用意した。



生まれて初めての定職。2人には戸惑うこともあったが、「強い気持ちが持てるようになった」。

中井社長にも「社会から犯罪を減らすためにも、この取り組みがこけるわけにはいかない」という思いがある。



6月までに相次いで刑期を終え、正社員となった2人。

小柳さんは「今までのように甘い考えでは行動できない。

大きな看板を背負っていることを頭に置いて、今まで以上にきっちりと生活したい」。



中井社長は、いつか2人が幹部となり、刑務所に採用面接に行く姿を夢見る。2人は「恩返しのため、社長の夢に報いたい」と話した。


◆コメント:全ての受刑者が同じようには行かないだろうが・・・・。

こういう話を取りあげると、早とちりをする人がいるから、最初に書いておく。

犯罪を犯して、服役した人間が、皆、日野さん、小柳さんのように、キチンと更正する、

或いは、更正しようとしている、と私は考えていない。


人間には根っからの悪党、生まれつきの嘘つき、人を殺しても平気な奴がいる。

こういう人間には、更正する機会を与える必要はない。

このまま生かせておいたら、何をしでかすか分からない、というのもいる。

だから死刑は存続するべきだと思っている。


但し、物事を一方の方向のみから考えるのは、正しくない。この産経新聞の記事は、最近のメディアの

記事で、滅多にお目にかからない良い話を取りあげている。


我々は一度罪を犯し、それを償った筈の人間が、また、同じような罪を犯した、

という記事を目にすることは多い。

しかし、本件に於ける日野さんや小柳さんのように(厳しいことを言うと数年間見守らないと結論は出せないが)

本気で、どん底から這い上がろうとしている人の話は知らない。他にもいるはずだ。

過去に過ちを犯した過去は消えず、仮釈放後も、日野さんと小柳さんは、偏見の目で

見られていただろうし、これからも見られるであろう。


しかしそれに耐えて頑張る人が確かに存在するという事実は記憶すべきだ。

「更正」は現実にある、という認識を持つべきである。


◆お好み焼きチェーン「千房」社長 中井政嗣さんは優しい人だ。

中井社長は、社内に反対があったにもかかわらず、元受刑者を正社員に任命した。

勇気が要ることだ。

どういう人かと思ってネットで調べた。中井社長ご自身は、無論まっとうな堅気の人だが、

子供の頃から貧しくて苦労している。しかし、とても優しい人だ。

受刑者の採用云々とは無関係に2009年11月、読売新聞関西版のインタビューを受けている。

お好み焼きチェーン「千房」社長 中井政嗣さん<上>

お好み焼きチェーン「千房」社長 中井政嗣さん<下>

そこを読めば略歴がある。次の通りだ。
なかい・まさつぐ 中学卒業後、乾物店で5年間、住み込みで働く。その後、レストランでコック修業をして、

1967年、大阪市住吉区でお好み焼き店を開業、73年に大阪・ミナミの千日前に「千房」1号店を出した。

現在、ハワイを含め62店舗。86年に40歳で高校を卒業した。青少年の教育にも熱心で、全国で講演を行う。(色太文字は引用者による)

「友愛」を理想とした政治とか言いながら、何もしなかった、比較的最近日本の内閣総理大臣を辞めた人がいた。

中井社長の爪の垢でも煎じて飲んでは如何だろうか?

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2010.07.04

「楽天 英語を12年中に社内公用語化」←アホか?

◆記事:楽天 英語を12年中に社内公用語化(6月30日21時38分配信 毎日新聞)

楽天の三木谷浩史社長は30日、東京都内で会見し、社内の公用語を12年中に英語に完全に切り替えると発表した。

三木谷社長は「世界企業に脱皮するには英語が必要と判断した」と理由を説明。

同時に発表した今後の国際事業戦略についても、英語で説明を行った。

三木谷社長は会見の冒頭、英語で「社内の公用語を英語に変えている最中であり、

(ここは)日本だが英語で説明させてもらう」と断ったうえで、同社の将来ビジョンを解説。

その後の記者らとの質疑応答では、英語の質問には英語で、日本語には日本語で応じた。

同社では役員会議などの資料を英語にし、役員会議や幹部会議などでの会話も、英語で行い始めている。

三木谷社長は「世界で事業を成功させるには、スタッフレベルの英語のコミュニケーションが重要になってくる。

海外の優秀な人材を得るためにも必要」と説明し、必要があれば本社機能の一部海外移転もあり得るとの考えも示した。

今後の国際戦略については、事業を現在の6カ国・地域から27カ国・地域へ拡大し、

グループの販売額を09年度の1兆円から将来的に20兆円まで伸ばす目標も打ち出した。

楽天以外の国内企業では、日産自動車が社内の経営会議などを英語で行っているほか、

カジュアル衣料のユニクロを展開するファーストリテイリングが12年3月から英語を社内公用語化する方針だ。


◆コメント:あまりにも幼稚。

あまりにも、単純・短絡的な思考である。三木谷社長という人、もう少し利口かと思った。

(というか、最後にもう一度書くが、自意識と自己顕示欲が非常に強いのだろう)。


三木谷氏に於ける「世界企業」の定義が頭の中でどのようになっているかしらないが、

仮に、「世界的に事業を展開する企業」と常識的に解釈するならば、

既に、トヨタ、ホンタ、パナソニック、SONYなどの製造業。

その他に伊藤忠商事、三菱商事等々総合商社の海外駐在員は戦前から世界中に飛んでいる。

これらの会社の内、日産は社長がゴーン氏になったとき仕方がないから書類を日本語と英語で作っているらしいが、

これはいうまでもなく、経営の最高責任者の日本語運用能力が、十分ではないから、英語を使わざるを得ない、

という、極めて特殊な事情による。


トヨタなど、今年はリコールで揉めたが、アメリカ人はあまりにも多くのトヨタ車が走っているので、

普段、"TOYOTA"が日本企業であることを意識していない、という。

これぞまさしく「世界企業」だ。しかし、トヨタ本社で、日本人従業員は日本語で話している。

あまりにもあたりまえである。


私は、トヨタ以外にも、上で掲げた日本を代表するメーカー(製造業)や総合商社などの本社を

何度訪ねたか分からないが、失礼ながら楽天などとは比べものにならない、日本を代表する「世界企業」で

英語を社内「公用語」にしている会社は、存在しない。


私の勤め先(具体的に企業名・業種は言えないが)も同様である。

私自身ロンドン駐在員だったことがあるけれども、一体世界にいくつ、

支店、出張所、駐在員事務所、現地法人を設けているのか、数えてみたら、

北米・中南米・中国・その他アジア、オセアニア(オーストラリアですな)、中東、ヨーロッパ、アフリカに、

規模の大小はあるけれども、合計54拠点だった。


世界中に営業拠点を設けて、それぞれの地で商売をしているのが「世界企業」だとするならば、

私の勤務先は「世界企業」だ、ということになるが、

東京本店で日本人同士が英語で会議を行うなどというバカなアイディアは誰も持ち出さない。

海外に拠点がいくつ有ろうが、あくまでも日本の企業なのであり、本店は日本にあり、主な従業員は

日本人なのだから、日本では日本語で仕事をすれば良い。あまりにも当然なことである。


◆人には得手不得手がある。

楽天の三木谷社長は、

世界で事業を成功させるには、スタッフレベルの英語のコミュニケーションが重要になってくる。

海外の優秀な人材を得るためにも必要。

といっている。

それはそうかもしれないが、それは、国際業務に携わる人間に、語学力を求めれば済む話である。

全従業員6,000人が海外業務に携わるわけでは無かろう。

日本国内の業務は、日本企業で有る限り依然として、最も大切である。

そして国内業務に関する会議まで英語で行う必要は全く無い。


三木谷氏は、
ハーバード大学経営大学院を修了し、MBAを取得したワンマン経営者

だそうだ。ハーバードでMBAを取得したのが、自慢なのかも知れないが、自分が英語が得意だからといって、

全従業員に後2年で英語を話せるようになれ、と言っても無理だし、無意味だ。


日本人が東京の会議室で英語で会議をするなど滑稽だし、余程、正しい英語を

教わらないと、皆が日本人特有のデタラメ英語を話すことになるだろう。

それでも日本人同士だから、意味は通じる。しかし、それは「英語もどき」を話しているに過ぎない。

そんなので得意になった社員が、本当にネイティブと話すことになったらみっともない。

人間には、「得手不得手」があって当然である。頑張っても語学な苦手な人はどうしても残る。

世の中全体もそうなっている。だから、通訳者、翻訳者という職業が必要なのである。

業務そのものに専念して貴重な企画を創造する才能はあるが、語学は苦手だ、という人もいるだろう。

そういうひとは、本来の仕事に専念すればいい。

そのエネルギーを、苦手な英語学習に注ぎ、無駄に使うべきではない。


三木谷という人は、こんなアホな決定を下し、かつわざわざ記者会見で発表した。

既に零落した「ホリエモン」と同じような、過剰な自意識と自己顕示欲を感じる。

この会社、大丈夫かしら?

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2010.07.02

【音楽】「ヨー・ヨー・マ プレイズ・ジャズ」←ほぼ「絶対に」楽しいです。

◆ヨーヨーマがジャズのピアノ・トリオと共演したアルバムです

今まで、ヨーヨーマのバッハは取りあげたことがありますが、どうしてこのアルバムを

紹介しなかったか不思議です。


これは、フランスのジャズピアニスト、作曲家、クロード・ボーリングを中心に、ベースとドラムスを加えた、

「ジャズの室内楽」の基本編成、ピアノ・トリオとチェリストのヨー・ヨー・マが共演した、

大変楽しいアルバムです。ジャケットを見たら1984年になってまして、私が社会人になった年、

26年前に発売されてすぐ買った、古いCDなので、わすれていたのでしょう。

しかし、大変人気があります。今でも普通に買えます。

Amazon:Suite for Cello & Jazz Trio

HMV:Suite For Cello & Jazz Trio

TOWER RECORDS:Bolling: Suite for Cello & Jazz Piano Trio / Ma, Bolling

慌てなくても大丈夫です。


◆全部で6曲なんですが、とにかく楽しいのです。

音楽を聴いているだけで、ヨー・ヨー・マの、あの笑顔が目に浮かぶようです。

へえ、ピアノ・トリオとチェロがこんなに合うとは・・・。

全部で6曲なのです。本当は全部載せてしまいたいけど、それは無理。でも2曲で十分楽しさが

お分かり頂けると思います。


まず、CDの最初に録れてある、「バロック・イン・リズム」


バロック・イン・リズム(Baroque In Rhythm)







いいでしょ?

次は最後の曲、「チェロ・ファン」(Cello Fan)



チェロ・ファン(Cello Fan)







楽しいでしょ?ヨーヨーマは、不自然にジャズっぽくスウィングして弾こうとしてないのに、

全体としては、楽しい音楽になっています。こういうのは

(こういうのでなくても、普段ご紹介している、純クラシックだってそうなのですが)、

聴いて楽しむのに、「勉強」することないですね。和声進行がどうだとか、主題呈示部がどうで展開部が、再現部が・・・、

というような理屈を、「お勉強し」て知っていないと、音楽(特にクラシックはそういう誤解を受けてますが)

を本当に「理解」したとは言えない、とか、大きなお世話なのです。最大の誤解です。


それは、音楽でメシを食う人々は分かっていないと困る(特に作曲家や編曲者や指揮者になりたかったら絶対です)。

しかし、お客さんが、音楽を聴くのに「理屈」は全く必要ない。それは、間違いない。

もしも、興味が出て知りたくなって、本を読みたい、と思ったらそれは勿論良いのです。

「必要」はない、と、私は言っているのです。

このCDで演奏しているヨー・ヨー・マもお客さんに全くそんなことは求めていません。

会ったことはありませんけど、訊かなくても100%わかります。


とにかく、このCDは特に「理屈抜きで」楽しい。

週末に向けてお薦めです。

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