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2010.08.02

「失敗すれば全員クビ」-ゼロ金利解除への助走、日銀00年上期議事録←結果はさておきこれほど真剣な議論だとは・・・・。

記事:「失敗すれば全員クビ」-ゼロ金利解除への助走、日銀00年上期議事録(ブルームバーグ)(2010/07/30 08:50)

日本銀行は30日午前、2000年1-6月の金融政策決定会合の議事録を公表した。

当時は同年8月のゼロ金利解除へと向かう助走期間。学者出身の植田和男審議委員が

「失敗すれば全員クビという感じもある」と述べるなど、政策委員らは必死の思いで議論を重ねたが、

解除後の景気後退によって半年あまりで再び金融緩和に追い込まれ、日銀はその後厳しい批判にさらされた。

(以下省略。全文はWebキャッシュ保存サービス、「ウェブ魚拓」に保存しました。アドレスは、

http://megalodon.jp/2010-0802-0137-04/www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aarOF6Gr8OwE

です。)


◆コメント:原則的に仕事は結果が全てなのですが。

大人で真面目に仕事をしたことがある人ならば、誰でも知っているとおり、職業人になる

つまり、或る仕事の「プロ」になったら、少なくとも世間の評価は仕事の「結果」のみが対象となる。

それまでの「努力」とか「過程」は問題ではない。

学生さん、特に中学生ぐらいまでなら、

点数はまだ悪いけど、今度の期末試験はよく頑張ってお勉強したね。いい子、いい子。

という評価があるが、大人の仕事は、甘くない。結果が全てである。


原則的にそうなのだが、日銀が7月30日に公開した、金融政策決定会合議事録等(2000年1月~6月開催分)

を読むと、金融政策決定会合のメンバーの真剣さに、一種の感銘を受ける。

金融政策決定会合は当時、速水日銀総裁、二名の副総裁、6人の審議委員から構成され、

経済指標の詳しい分析結果などを説明するために、日銀の企画室長、調査統計局長なども同席する。

当時の大蔵省、経済企画庁からもオブサーバーが出席している。メンバーはどの議事録でもはじめの方に載っている。

例えば2000年1月17日開催:議事録を見ると分かる。


誰がメンバーだったか、というよりも中心となる10人足らずのメンバーが日本の金融政策を決め、

それは、一つ間違えば、日本全体を不景気をもインフレをももたらすのである。

その責任の重さは想像を絶する。これを読むと、結果だけで日銀を責めるのはあまりにも過酷だと思う。


◆ゼロ金利解除の結果、不況になったと言うが・・・・。

1999年2月にゼロ金利政策を導入したが、当時の速水総裁は出来るだけ早くゼロ金利は止めたい、

と思っていた様子である。何しろゼロ金利では、これ以上金融緩和の余地が無い。また、

一瞬油断をするとインフレになる。そして、低金利政策下では、最終的な負担は家計に及ぶ。

何しろ、銀行に預金をしても全然利息が付かない(に等しい)のであるから。

ずっと後、今は国会議員を止めてしまったが、元メリルリンチの上級副社長であったのに、故郷の出雲市長になり、

市長選で掲げた110の公約を一年で全て実行し、後に民主党衆議院議員になった。

岩國さんは、2005年1月25日、衆議院予算委員会で当時の福井日銀総裁に質問している。それは、

「日銀、ゼロ金利を解除…年0・25%に」←ゼロ金利が異常だったのです。

載せたが、核心部分だけ、再録する。
岩國委員:このゼロ金利政策の結果として、過去十年間に日本の一般家庭の貯蓄が得べかりし利子が幾ら奪われたのか、それを端的に金額で御説明ください。

福井参考人: お答えを申し上げます。いろいろな計算の仕方があろうかと思いますけれども、国民所得統計で、日本の家計の受取利子というものが過去の金利の低下でどれぐらい減ったか。平成五年、一九九三年と比べますと、十年間ということになります、毎年の受取利子の減少額を足し合わせますれば、累計で百五十四兆円ということになります。

ゼロ金利を続けることは、国民の「得べかりし(得られたはずの)利益の喪失」をもたらすのである。


ゼロ金利解除後、景気後退が訪れ、半年後、日銀は再びゼロ金利に戻らざるを得なくなり、厳しい批判に晒されたというが、

その結果論は、あまりにも酷である。

「プロは結果が全て」が原則だが、これほど、国家中枢に関わる人々で真剣に議論している例を知らない。

金融政策決定会合議事録等(2000年1月~6月開催分)1月分だけでもPDFファイルで91ページに及び、

6月分まで全部は読み切れないが、記事に載っている、
植田和男審議委員が「失敗すれば全員クビという感じもある」

は、1月17日開催:議事録の73ページで確認出来る。

ブルームバーグが書いているように、日銀政策委員の議論の真剣さは、半端ではない。

政治家は日銀に介入したがるけれど、これは高度に専門的な分野で素人が口を出すべきではない。

だから、日銀法では、日銀の独立性が明記されている。

日銀の政策委員は、純粋に国全体の経済、マクロ経済を考えて議論しているのであり、

私利私欲のために駆け引きばかり考えている国会議員や天下り先の確保に血眼になっているキャリア官僚は、

これら議事録を読んで、日銀政策委員の真剣さを見習って貰いたい。

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