« 2010年8月 | トップページ | 2010年10月 »

2010年9月

2010.09.30

「アングロ・アイリッシュ銀の政府負担、最悪ケースで300億ユーロ超=新聞」←ギリシャとは違うけれどもかなり、ヤバいのです。

◆記事:アングロ・アイリッシュ銀の政府負担、最悪ケースで300億ユーロ超=新聞(ロイター 9月29日(水)16時5分配信)

[ダブリン 29日 ロイター] アイリッシュ・タイムズ紙は29日、アイルランド政府が救済のため国有化した

アングロ・アイリッシュ銀行について、最悪の「ストレス・シナリオ」では、15年間かけて清算する最終費用が

300億ユーロ(404億ドル)を大きく上回る可能性があると報じた。

同紙は情報源は明示していないが、費用が膨らんだとしても、前日に米格付け会社のスタンダード&プアーズ(S&P)の

アナリストが示唆した350億ユーロは下回る見通しだとしている。

最悪の場合のシナリオを除くと、資金調達を行うファンディングバンクと資産を回収する銀行に分割する費用が推定で

280億─290億ユーロになるという。

アングロ・アイリッシュ銀の最高経営責任者(CEO)は今月、ロイターとのインタビューで、

救済費用が300億ユーロに達する可能性があるとの考えを示していた。

アイルランド政府は、同行の分割・清算にかかる資本コストについて30日の市場終了後に公表する見通し。

アイリッシュ・タイムズ紙は、政府がアライド・アイリッシュ・バンクス

の資本増強に関する概要も明らかにする可能性があると伝えている。


◆コメント:国有化した銀行の資本増強にEU(ECB=欧州中銀)の救済が必要かもしれないのです。

ギリシャ危機は、簡単に言うと、EU諸国に課せられた財政赤字基準を、遙かに超えていたのに「粉飾していた」ということでした。

EU各国は財政赤字をGDPの3パーセント以下に抑えなければならない、というルールがあるのですが、ギリシャは実際は10パーセントを

超えていたのが発覚し、周辺諸国からおカネを借りて、何とか国債の期限にこれを償還することが出来たのです。

国債は国の借金ですから、期日に返すべきお金が無いと、デフォルト(債務不履行)ということになり、国の信用力がゼロになるのです。


アイルランドはそうではないのですが、財政赤字を何とか小さくしようとして緊縮財政政策を取り、経済成長率が予想以上に低くなって

しまいました。国債の償還に関しては、資金を確保しているのですが、この記事にある、アングロ・アイリッシュをはじめとする銀行の

救済に、よそからの助けを頼むことになるのではないか、といわれていたのです。

とにかく、まず、アングロアイリッシュがどうなるか、に市場が注目していたら、案の定、巨額の資本注入が必要らしい、と。

アイルランド政府は、アングロ・アイリッシュだけではなく、他の銀行の救済も含めると、1,000億ユーロが必要ではないか、

とも言われています。そうなると、欧州金融安定機関(EFSF)というところからおカネを借りなければならないだろうとも

考えられています。国の信用力に関わる問題なので、2日ほど前からアイルランド国債が債券市場で大量に売られていて、

その減少だけを見ると、ギリシャ危機(とは原因が異なるのですが)直前とそっくりなのです。

EUは運命共同体なので、アイルランドだけの信用に留まらない。また欧州経済危機が取りざたされている訳です。


また、アメリカも最近発表された経済指標が、予想を下回っていて、再び金融緩和を行う、と予想されています。


日本は、昨日、日銀短観という数字が発表され、景気の現状は3ヶ月前よりも良い、と答えた大企業(特に製造業が注目されます)

が多いのですが、3ヶ月後はどうか?という問いには、多くが「悪化するだろう」と答えていて、そう考えている以上、経済活動が

活発になるとは思えない。日銀は10月5日から金融政策決定会合をやりますが、そこで、更に金融緩和(後は量的緩和ぐらいしかないのですが)、

するだろうと考えられています。

このように、世界中、景気が悪いので、所謂「二番底」が到来するのではないか、という恐怖が経済の世界では広がっています。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.29

「金1、銀3で日本3位=国際地学五輪」←何度も書くが、何故「良いこと」を「小さく」報じるのか。

◆記事:金1、銀3で日本3位=国際地学五輪(時事通信 9月27日(月)21時4分配信)

文部科学省は27日、インドネシアで開かれた第4回国際地学オリンピックに日本の高校生4人が参加し、

金1、銀3のメダルを受賞したと発表した。17カ国・地域の計63人が参加したうち、日本は国別順位で3位だった。

成績上位1割が対象の金メダルを受賞したのは、広島学院高(広島市)3年野田和弘さん(17)。

野田さんは問題3部門のうち、天文・惑星科学部門の得点がトップだった。

同2割が対象の銀メダルは、

聖光学院高(横浜市)3年武内健大さん(17)、

静岡県立磐田南高3年川島崇志さん(17)、

白陵高(兵庫県高砂市)2年大西泰地さん(17)。 


◆コメント:社会面のベタ記事扱いなんですよ。

7月に同じ事を書きました。
2010年07月14日(水) 【文章訂正】「金2、銀3で国別7位=日本の高校生ら―国際数学五輪」←W杯は1面トップで、国際数学五輪はベタ記事で載せる大新聞。ココログ

2010年07月17日(土) 「過去最高に並ぶ金1、銀3=日本代表の高校生―国際生物学五輪」←偉い。ココログ

正直に書くと私も全てを書き損ねた。今年はこの他にも、
◆記事:国際情報五輪:日本、「金」2「銀」2(毎日新聞 2010.08.22)

文部科学省は21日、カナダで開催され、各国の高校生らがコンピュータープログラムの作成を競う「第22回国際情報オリンピック」で、

開成高(東京都)1年の村井翔悟さん(15)と、筑波大付属駒場高(同)2年の原将己さん(17)が金メダルを獲得したと発表した。

更に、
◆記事:国際化学オリンピック:日本代表、金銀各2個(毎日新聞 2010.07.28)

世界の高校生が化学の知識と応用力を競う「第42回国際化学オリンピック」が27日閉幕した。

日本代表4人のうち栄光学園高(神奈川県)3年の遠藤健一さん(17)が昨年に続く2回連続の金メダル獲得の快挙。

灘高(兵庫県)2年の斉藤颯(はやて)さん(17)=京都市=も金メダル。滋賀県立膳所高2年の浦谷浩輝さん(16)と

筑波大駒場高(東京都)3年の片岡憲吾さん(17)の2人も銀メダルで、7年連続で代表全員が受賞

金、銀各2個は03年以来8回目で最高の成績

そして、物理学でも。
◆記事:国際物理オリンピック:日本代表4人がメダル(毎日新聞 2010.07.26)

文部科学省は25日、各国の高校生らが参加しクロアチアで開かれていた「国際物理オリンピック」で、

日本代表5人のうち栄光学園高(神奈川県)3年の浜崎立資(りゅうすけ)さん(18)=神奈川県=が銀メダルを、

3人が銅メダルを獲得したと発表した。

銅メダルは南山高女子部(名古屋市)3年の真野絢子さん(17)=愛知県

▽大阪星光学院高(大阪市)3年の益田稜介さん(17)=大阪府▽灘高(神戸市)2年の山村篤志さん(16)=兵庫県。

灘高3年の沢優維(ゆうい)さん(17)=兵庫県=も、メダル受賞者以外の成績上位者に贈られる「入賞」だった。

要するに、理科五輪五科目で、日本人高校生がメダルを獲得しているのである。

スポーツのオリンピックで金メダルを獲ったら、一面トップで報じられるのに、

勉強のオリンピックで金メダルを獲ってもベタ記事扱い、とは、一体大新聞は皆、どういう料簡なのだ。

日本の子供が「ゆとり教育でアホになった」と嘆くフリをする癖に、大手メディアはこのような「快挙」はどうでも良いらしい。


学問で一面トップになるのは、ノーベル賞ぐらいだろう。

勿論、ノーベル賞は科学者にとって最高の栄誉であり、その受賞者は国の誉れの人であるが、これから育つ若者が学問で頑張っているのに、

これを大きく褒めてやらないのは、間違っている。無教養である。


◆学問だけではない。31歳の日本人が、名門、スイス・ロマンド管弦楽団の首席指揮者に就任した。

そんなの、誰も知らないでしょう。

毎コン(日本音楽コンクール)を創設した毎日新聞がこのような小さく取りあげるようではいけませんね。

◆記事:スイス・ロマンド管弦楽団:山田さん、首席客員指揮者に(毎日新聞 2010.09.24)

【ジュネーブ伊藤智永】ジュネーブのスイス・ロマンド管弦楽団は22日、日本人の山田和樹氏(31)=写真=を首席客員指揮者に迎えると発表した。

12年9月から年10公演以上行い、契約は3シーズン。

山田氏は東京芸大卒業。在学中に「横浜シンフォニエッタ」を結成し、09年には若手指揮者の登竜門である

フランスのブザンソン国際指揮者コンクールで優勝した。

最近では小澤征爾氏が病気療養中の代役を務めるなど、広く活躍している。

同楽団は6月に山田氏に音楽監督への就任を要請したが、初の首席客員指揮者のポストを置くことになった。

スイス・ロマンド管弦楽団は1918年に名指揮者のアンセルメが創設。

作曲家ドビュッシーやストラビンスキーらの作品を初演するなど、約半世紀かけて世界的な名門に育てたが、

その後は多くの指揮者が交代で指揮している。

記事に書いてあるが、スイス・ロマンド管弦楽団はアンセルメという元数学者の指揮者が初代指揮者ですけど、

その後は、N響で(特に私の世代のクラシックファンには)お馴染みの、サヴァリッシュ氏、ホルスト・シュタイン氏ら

超一流の指揮者ばかりが、呼ばれるのです。31歳で呼ばれ、新しい首席客演指揮者というタイトルまで

スイス・ロマンドに作らせた山田和樹氏は余程見込まれたのでしょう。聴いたことがないので、断言できませんけど、

とにかく、スイス・ロマンドってのはそれぐらいのオーケストラなんです。


新聞もテレビも悪いこと、世の中の事件、理不尽なことは確かに報道しなければいけないけれども、

「良いこと」を「小さく」報じなければならない理由があるのであろうか。有るのならば教えて欲しい。

我々読者の所為でもあるのだけどね。つまり、これらの「良いこと」を一面で報じてもテレビは視聴率が取れないし、

新聞は売れない。だから小さく取りあげる。国民の教養の程度が現れる。

しかし、敢えて良いことを大きく報じることも必要ではないかと思う。

悪いことばかりを大きく報じると、我々は世の中悪いことだらけ、という錯覚に陥る。

実際には現実社会では、喜ばしいこと、嬉しいことが起きている筈である。

それらを捨象し、ネガティブな情報ばかりを、毎日々々聞かされ、読まされると、

気持がネガティブになる。経済において物価が下がり続ける事をデフレスパイラルというが、

世の中の雰囲気も同じ事で、「悪いことスパイラル」に陥っているように思う。


◆折角だから、スイス・ロマンド(アンセルメ)の演奏を聴いて下さい。

私は、アンセルメ=スイス・ロマンドで真っ先に思い出すのは、ドリーブという作曲家のバレエ音楽、

「コッペリア」組曲(バレエ音楽を、オーケストラ・コンサート用にしたもの)なのです。

以前、紹介しました。このCDです。コッペリア(抜粋)、シルヴィア(抜粋) アンセルメ&スイス・ロマンド管

この中から冒頭。


「コッペリア」第一幕 前奏曲とマズルカ







音質があまり良くない、と言う人多いでしょうが、53年前の録音ですからな。

私も生まれていませんよ。私は覚えていないのですが、

母の証言によると、私は幼い頃、「指揮」という概念すら知らなかった筈なのに、

この「マズルカ」の景気の良い3拍子を聴くと、立ち上がって棒きれをもって(←指揮棒のつもりだったのね)

三角を振っていた(三拍子の指揮って、三角でしょ?)そうです。その話だけ聞くと天才のようですが、

何のことはない、ただのオヤジになってしまいました。

それでは。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.09.28

【フィナンシャル・タイムズ翻訳】「中国の目論見は裏目に出るかも知れない」←冷静に論じています。

◆昨日、The Economistの拙訳でお分かりの通り、海外のインテリは冷静です。

日本のマスコミは自虐的というか、海外の新聞は必ずしも

日本はだらしがない。

と書いている訳ではないのに、そういう部分だけを抽出しています。

元々、反日的なニューヨークタイムズですら、原文を読むと、

「中国が得たものはない」と述べています。しかし、夕刊フジ(だから仕方ないですけどね)は
「日中間意地比べでの屈辱的退却」 NYタイムズ

と報じています。確かにそう言うセンテンスもあるのですが、一方的に中国を支持しているわけではないのです。

これは、ニューヨークタイムズの25日付社説の一部です。NYT紙は同時に、
中国が得たものは何も無い。
と、はっきり書いています。タブロイド紙といえどもあまり無責任な記事を

載せて欲しく無いですね。「中国の駄駄っこぶりも困ったものだよ」というのが、

欧米のインテリの多くが感じていることではないかと思います。

今日はフィナンシャルタイムズの記事を翻訳し、その証拠として提示させて頂きます。


◆【翻訳】フィナンシャルタイムズ「中国の目論見は裏目に出るかも知れない」

原文は、"China’s tactics risk backfiring"。要有料購読ですが、URLは

http://www.ft.com/cms/s/0/5050a0e8-c7fa-11df-ae3a-00144feab49a.html

です。

日本政府は、中国漁船の船長を逮捕・拘留したあと、急に中国との外交上の緊張が高まったため、

早期に船長を解放し、問題に目を瞑るように見えた。

しかし、船長を釈放した直後から、日本政府には、「中国の圧力に屈し」たことに関して、

国内から厳しい非難が集中した。


しかし、中国政府のあまりにも強引な対日政策は、逆効果だったのではないか。

アジア周辺諸国は、「世界第二位の経済大国」に成り上がった中国の強引さに警戒を強めている。


日中関係の悪化は、中国と周辺諸国との関係にも微妙な亀裂を生み始めている。

今週(訳注:先週)温家宝首相が、日本と領有権で争っている尖閣諸島を「(中国の)聖なる領土」と

述べたことは、中国が、これまでになく領土権の主張に関して強い態度を取る姿勢を露わにしたものと

言えるからである。


アメリカのシンクタンク、ニクソン・センターの中国問題専門家は、
中国は今までよりも一層攻撃的・恫喝的になり、交渉・妥協の余地を狭めている。

といい、その結果、他のアジア諸国は、安定性と秩序を求め、今までよりも親米的になりつつある。

と説明する。

東南アジア諸国の中でもとりわけ南シナ海で領土権をめぐって中国と揉めているのは、

ベトナム、マレーシア、台湾、フィリピン、そしてブルネイである。

これらの国が不平・不満を募らせることは、アメリカがこの地域の外交・安全保障問題に干渉するチャンスを与えることになる。


事実、クリントン米国務長官は7月、ハノイで開かれたASEAN地域フォーラムで、
南シナ海の紛争を平和的に解決することは、米国の国益に係る。

と発言し、大いに中国を困惑させた。

さらにオバマ大統領は今週末、ニューヨークで開かれたASEAN首脳との昼食会の席上、

南シナ海問題について関係各国首脳と討議した。


一方中国は、ここ1年半、インドと事務レベル協議を繰り返し関係強化を図っているが、

韓国の哨戒艦が北朝鮮の魚雷攻撃で沈没させられた事件に関しては、北朝鮮を非難しなかった。


アナリストの意見も分かれており、最近の強硬な態度は2012年の中枢部の入れ替えを念頭に置いたものだ、

という見解がある一方、経済発展を国際政治に於けるステータスの向上と外交上の影響力の増大に結び付けたいのだ、

と分析する人もいる。


日本は日本で、アジアに於ける政治的ポジションを変化させようとしているようである。

昨年政権を奪取して以来、民主党は対中関係の改善に尽力してきた。外交上の慣例を無視して、

習近平副主席を日本の天皇に紹介するという極めて例外的なお膳立てまで整えたのである。



ところが、中国漁船船長拘束に対する、あまりにも激烈な中国の反応は、民主党内を分裂させ、

前原前国交相(現・外相)は、親米路線を重視する。安全保障上、それが得策だというのだ。


中国人船長の釈放は、日本はアジアにおいて相対的に受け身の態度を取る国だ、という印象を

世界に与えている。安全保障をめぐる対米依存、今なお、相対的には突出した経済力のわりには

強硬な外交姿勢をとることが無いからである。

外交評論家の岡本行夫は、日本は他国の圧力に屈しやすい弱い国だというイメージを作ってしまったことは、

間違いない、と言いきった。

当たり前のことですが、私は英語のプロでも翻訳のプロでもありません。

辞書を引きながら、時間をかけて読んでも、良く意味が分からないことがしばしばあります。

そういうときには、前後関係から「大体こんなことを言っているのだろう」と勝手に解釈して

体裁を整えています。翻訳の精度はあまり高くない、とお考え頂いた方が良いかと思います。


【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.27

【翻訳】中国の日本との揉め事---動きはあったが、終わってはいない。(The Economist)

◆日本が世界の笑いものになっているわけではありません。The Economistはかなり中国に対しても辛辣です。

アメリカの新聞は、元々あまり公平ではなく(特にニューヨーク・タイムズ東京特派員は、日系人の癖に

日本や日本人の事をボロクソに書くので有名です)、昨年来鳩山宇宙人が、普天間で、あーでもない、こーでもない、

とやってしまったので、冷たいのです。

英国のメディアが全て公平とは言えませんが、フィナンシャル・タイムズの社説や、経済雑誌のThe Economistは、

かなり客観的であると思います。

その「エコノミスト」誌の記事を翻訳しました。

かなり久しぶりに翻訳したので、分かりづらい日本語になってしまいましたが、

ご容赦のほど。


◆The Economist:Out but not over(Sep 24th 2010)

遂に、日本と中国の揉め事は、経済からナショナリズムへと発展してしまった。

両国の経済的関係の悪化が懸念されるが、それは両国にとって同じ様な損失である。


事の発端は、9月7日、中国漁船が日本の海上保安庁の巡視船に体当たりを食らわせたことだが、

これは両国ともに、自国の領海であると主張する海域で起きた事故である。


日本は24日(金)、日本の巡視船に故意に接触した公務執行妨害容疑で取調中だった中国人船長の

釈放を決定した。世界の外交関係者は、一応この措置にホッとしたけれども、この争いを

どのように見るべきであろうか?


一見、日本は中国の恫喝に屈したように見える。しかし、この事件に関する中国の反応の

すさまじい獰猛(どうもう)さは、究極的には中国にとってマイナス要因である。

このような国がアジアの「責任あるステークホールダー(利害関係者)」として

信頼出来ない、という印象を他国に与えたことは否めない。


日本の通信社、共同通信によると、那覇地検は、

「船長の行動に計画性が認められない」

ことを、不起訴処分の理由としているというが、本当のところは、

中国漁船の乗組員と船長が逮捕された後の中国のすさまじい反応によるものと思われる。

中国人が逮捕されてから、中国政府は日本に、「船長と乗組員を早く帰せ」と何度も

繰り返し圧力をかけ、しかもそれはどんどんエスカレートしていった。


中国は、日中間の閣僚級以上の交流を中止し、更に、4名の日本人を軍事地区での違法な

映像撮影を行った、という理由で拘束した。

また、中国は日本に対して、ノート・パソコンから自動車まで、製造に必要な、

レア・アースの輸出を禁止すると通告しが、これはとりわけ不法な行為に思われる。

23日(木)、中国政府は(レア・アースの)輸出を禁止した事実はない、と、しきりに強調したが、

それは本当かも知れない。つまり「公式の」輸出禁止令は発しなかったのかも知れない。

だが、中国のように非公式のルールが沢山存在する国では、輸出業者は、とりわけ政府が日本と

揉めているときに、逆らわない方が無難だ、と感じたであろう。



本質的には、尖閣諸島をめぐる争いだけが問題なのではなく、中国は日本以外の

中国と領土問題を抱えている国々(特に南シナ海で)に対して、恫喝的メッセージを発したのだろう。

南シナ海の領有権に関して中国は、台湾、フィリピン、ブルネイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム

と争っているのだ。

そして、中国は日本の菅直人政権に、人も住んでいない小さな尖閣諸島の領有権をあくまで主張するのか

長期的視点から中国との経済関係をとるのか、難しい決断を迫ったつもりなのだろう。日本は

中国との間で、領土問題に関して屈したわけではない、といいたいようだが、

今回のご都合主義の決定は、かなり長く尾を引くであろう。



中国にとっても今回の行動は、本人達は分かっていないようだが、一つの試金石であった。

中国の態度は、国際社会における責任ある国家としての未成熟度を露呈してしまったし、

国是としている「平和的発展」が口先だけのものであることが明らかとなった。


領土問題を解決するときには国際社会のしきたりをキチンと守る、他の諸国は皆、中国の態度を

不快に感じている。

中国の日本に対する通俗劇のような反応は、尖閣諸島問題は彼等にはまだ処理しきれない不釣り合いな

難題であることを示すと共に、両国がお互いに納得の行く結論に到達することを不可能にしてしまった。

とりあえずに危機は去ったが、この解決法は日中両国に暫く冷え切った関係をもたらすであろう。



最近まで、日中両国は互いに貿易関係を促進し、両国共に景気が良かった。2009年から中国は日本にとって

最大の輸出国であった。そして政権交替が実現し、民主党は最も親中国的な政党だった。

これら全ての友好的関係は、失われた。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.26

【音楽】Fly Me To The Moon--フランク・シナトラから加護亜依まで。

◆中国の話はちょっと待って下さい。

昨日書いた後、事態は御存知の通りで、ますます中国が図に乗ってきているのですが、

昨夜、腹が立ちすぎて、気分が悪くなりました。血圧が急に上がってしまったのです。


それに加えて、今朝(25日朝)中国が謝罪と賠償を要求していることを知って、今現在、冷静な文章を書けません。

フィナンシャルタイムズが、こういうとき、客観的な社説を載せるのです。

China’s tactics risk backfiring (中国の目論見は裏目に出る危険がある)

という見出しがあるので、記事本文を読んで翻訳したいのですが、どうやら中国からアクセスが殺到しているらしく、

ずっと、サーバーのキャパシティを超えている、とエラー表示が出るので、読めないのです。

少し、待って下さい。


◆Fly Me To The Moonの続き。

少し気分を落ち着けるために、敢えて音楽にします。

"Fly Me To The Moon"(私を月へ連れて行って)は良い歌です。

何度も書いていますが、ものすごい数に歌手がカバーしているので、選択に迷います。


しかし、まず、定番からもう一度参ります。フランクシナトラから。

この歌がヒットしたのは彼の功績が大きいですからね。

なお、英語の歌詞と日本語訳を、このページの下に載せてあります。ご参考まで。


Frank Sinatra - Fly Me To The Moon







ノリの良さと、バンドの上手さが引き立ってます。

次は、ボサノヴァで、アストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto)です。「イパネマの娘」で有名な、ブラジル生まれのアメリカ人。


アストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto)Fly Me To The Moon







お聴きのとおり、シナトラとぜーんぜん、違います。ボサノヴァだから、けだるそうなのですね。

次は、宇多田ヒカルさん、です。前奏から歌ってます。


宇多田ヒカル "Fly Me To The Moon"







丁寧な歌い方ですが、今の子らしい独自の世界ですね。


時代が前後しますが、昨年、弊ブログを御愛読下さっている、てんけいさんからお薦め頂いたものです。

てんけいさんは、惜しくも夭逝した本田美奈子さんの熱烈なファンでいらっしゃいまして、以前、私が本田美奈子さんが歌った

ヘンデルのオペラ「リナルド」から「私を泣かせて下さい」を絶賛したことがあり、そのころからお付き合いさせて頂いております。

大変多趣味で、思考が柔軟な方でして、本田美奈子さんもお好きですし、私がご紹介するクラシックも聴いて下さいます。


そのてんけいさんから1年前教えて頂いたのが、ブレンダ・リー(Brenda Lee)です。

日本語のウィキペディアの説明はこの程度ですが、英語版は詳細を極めております。



Brenda Lee "Fly Me To The Moon"







勿論、好みはあっていいのですが、独特ですね。Brenda Leeさん、他の歌も聴きましたが、

どれも、「Brenda Leeだ。」と一瞬で分かるのです。ジャンルを問わず、演奏上の個性は極めて大切です。


さて。

次は驚かれるかも知れません。椅子から転がり落ちないようにお気を付け下さい。

なんて書いては悪いですね。元「モーニング娘。」の加護亜依さんが、復帰して初めてジャズ・アルバムを出したのですね。

AI KAGO meets JAZZ



あの、モーニング娘。ってのは、プロデュースのつんく氏がこれだけは譲れない、という基準があったのでしょうか、

一人ずつ聴くと、歌は上手いのです。少なくとも音程がいいのです(勿論、それなりに、です)。

加護亜依さんも、センス良いです。ジャズは雰囲気が大事ですけど、それを感じるセンス。



加護亜依 Fly Me to the Moon







良いとおもうのですよ。iTunes StoreのURLは、

http://itunes.apple.com/jp/album/ai-kago-meets-jazz-the-first/id362478620

です。


さて、最後はインストゥルメンタル(器楽)ですね。前田憲男さん。

この方はすごいですね。ピアノも編曲・作曲(理論ですね。)も独学だというのですから。

センスは、抜群ですね。天才だと思います。

ピアノ・トリオ(ピアノ、ベース、ドラムス)です。大人の世界です。


前田憲男 Fly Me To The Moon







良いですね-。iTunes StoreのURLは、

http://itunes.apple.com/jp/album/piano-plus-one/id288230354

ですが、Moraとか音楽配信サービスの至る所でダウンロード購入できます。

如何ですか?それぞれ、いいですよね。まあ、ひとまず、落ちつきましょう。


◆原曲の歌詞と訳詞(Verseを含む)。

この唄の英語の歌詞と日本語訳を添えます。

Fly me to the moon 作詞:Bart Howard 訳詞:橘 結希

Poets often use many words to say a simple thing.

簡単なことを伝えるために、詩人はいろいろな言葉を使う



It takes thought and time and rhyme to make a poem sing.

その詩を囁くために、思案して、時間をかけて、音を乗せる



With music and words I've been playing.

音楽と言葉を添えて、私はそうしよう



For you I have written a song

あなたのために私は歌を書いた



To be sure that you'll know what I'm saying,

私が何を言いたいのか、わかってくれると信じてる



I'll translate as I go along.

進むにつれて、解き明かしていくでしょう



(注:普通はこの後から歌い始めます)


Fly me to the moon

私を月へ連れてって



Let me sing among those stars

星々の間で歌わせて



Let me see what spring is like

On Jupiter and Mars

木星や火星の春がどんな様子か私に見せて



In other words, hold my hand

つまりね・・・手をつないで



In other words, darling(baby) kiss me

つまりね・・・ねぇキスして



Fill my heart with song

歌が私の心を満たす



Let me sing for ever more

ずっと、もっと歌わせて



You are all I long for

あなただけが私にとって何ものにも代えられない、



All I worship and adore

あなただけが大切で尊いもの



In other words, please be true

つまり、「真実(ほんとう)にしてほしい」ってこと



In other words, I love you

言い換えると・・・「愛しています」


ロマンティックですね。いいですね。

それでは皆様、どうぞ良い日曜日をお過ごし下さい。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2010.09.25

司法が「今後の日中関係を考慮」しては、ならない。

記事1:那覇地検の説明要旨(共同通信)(2010/09/24 17:54)

当庁は本日、公務執行妨害容疑で拘置していたセン其雄船長を、処分保留のまま釈放することを決定した。

さらに確認すべき事項もあり、手続きにも時間を要するので釈放の具体的日時等は未定。

事件については、ほかの検察庁から応援をいただくなどして万全の捜査態勢を組み、本日まで石垣海上保安部とともに捜査を行った。

これまで収集した証拠によっても、わが国の領海内で適正な職務に従事していた石垣海上保安部所属の巡視船「みずき」に乗船していた

海上保安官らから停止を求められた際、セン船長が、操船していた漁船の左舷側約40メートルの海域を並走していた「みずき」に向けて左に急転舵して、

故意に同漁船左舷船首部を「みずき」右舷船体中央部等に衝突させたことは明白だ。


また、セン船長の行為は「みずき」に航行障害を発生させる恐れや、

「みずき」甲板上の乗組員らが海に投げ出される恐れがある危険な行為だった。

他方、「みずき」に現実に発生した損傷は、ただちに航行に支障が生じる程度のものではなく、

また、幸い「みずき」乗組員が負傷するなどの被害の発生もなかった。

セン船長はトロール漁船の一船長で、本件は「みずき」の追跡を免れるためとっさに取った行為と認められ、

計画性等は認められず、かつ、セン船長には、わが国における前科等もないなどの事情も認められる。

加えて、引き続きセン船長の身柄を拘置したまま捜査を継続した場合のわが国国民への影響や、今後の日中関係を考慮すると、

これ以上身柄の拘束を継続して捜査を続けることは相当でないと判断した。セン船長の処分は今後の情勢を踏まえて判断する。

なお、この件については、本日、福岡高検及び最高検と協議の上で決したことである。


記事2:検察判断で釈放決定、政府は追認…官房長官(読売新聞 9月24日(金)22時34分配信)

仙谷官房長官は24日夕の記者会見で、「検察が捜査を遂げた結果、処分保留という現在の判断で身柄を釈放するという報告を受けたので、

それはそれとして了とした」と述べ、検察の判断で釈放を決め、政府はそれを追認したと強調した。

検察が釈放理由に外交的な配慮を挙げたことについては、

「検察官が総合的判断の下に処分を考えられたとすれば、そういうこともあり得る」と語った。

中国側がフジタの社員4人を拘束したこととの関連については、「結びつけるのは強引過ぎる」と述べた。

「粛々と国内法に基づいて手続きを進めた結果だ」と強調し、圧力に屈したという見方を否定した。

さらに、

「日中関係が悪化する兆候が見えてきたことはまがう事なき事実だ。日中の戦略的互恵関係の中身を豊かに充実させる方途を、

両国とも努力しなくてはならない」

と語り、関係改善への期待を示した。

柳田法相は24日、「法と証拠に基づいて適切に判断したものと承知している。指揮権を行使した事実はございません」とする談話を発表した。

しかし、野党からは「中国の圧力に屈した印象を持たれるのはよくない」(谷垣自民党総裁)という批判の声が上がっている。

沖縄の米軍普天間飛行場移設問題を巡って日米同盟関係が揺らぐ中、中国に足元を見られたという指摘もある。


◆記事3:邦人調べ、中国政府から通報=漁船衝突との関連否定―仙谷官房長官(時事通信 9月24日(金)10時28分配信)

仙谷由人官房長官は24日午前の記者会見で、中国で準大手ゼネコン・フジタの日本人社員4人が拘束されたことについて、

中国政府から23日夜、中国の軍事施設保護法と刑事訴訟法に基づき、4人を河北省石家荘市で居住監視していると

通報があったことを明らかにした。その上で「詳細は中国大使館を通じて確認中だ」と述べた。

沖縄県・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件との関係については「適用法令からすると関連はないと考えている」と語った。


◆コメント:すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。(日本国憲法第76条第3項)

コメントのタイトルに憲法の条文を用いたことはあまりないが、本来、これが全ての「有るべき姿」を示している。

即ち、「司法の独立」を定めているのがこの条文である。


司法は、憲法と法律に則り(のっとり)、それ以外のこと(政治・外交)を考慮すべきではない、という意味である。

従って、記事1で那覇地検が、中国漁船の船長を釈放した根拠として、

今後の日中関係を考慮すると、これ以上身柄の拘束を継続して捜査を続けることは相当でないと判断した。

のが本当ならば(この決定が政治的圧力と無関係に為された、と本気で信じるのは、かなりオメデタイ人だ)、

憲法76条3項に反している。「裁判官は良心に従って、憲法と法律のみに拘束される」べきであり、

「今後の日中関係を考慮」すること自体が間違っている。それは政治的・外交的事項であり、

政府(行政府)の問題であり、司法が日中関係を考慮してはいけないのである。


しかし、これは司法だけの問題ではないだろう。

記事2で官房長官が強調しているのは、内閣(行政府)が検察(司法)に圧力をかけて、

中国船長を釈放するように命じたわけではない、というのだが、到底信じられない。


三権分立は近代国家の基本だが、それは理想であり、日本だけではなく、完全に司法が独立している、と言いきれる国は少ない。

日本は、そもそも憲法第六章「司法」(第76条から第82条)を読めばすぐに分かるが、実質的には

「二権分立」である。


最高裁判所長官を「任命」するのは天皇ですが、候補を提示するのは内閣である。
日本国憲法 第6条 第2項 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

そして、最高裁長官以外の裁判官の任命権は、行政府たる内閣にある。
第79条 第1項 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。

地裁、高裁の裁判官も、内閣が任命する。
第80条 第1項 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。(以下略)

今日、中国人船長の釈放を決定したのは検察だが、その長たる検事総長の任命権も内閣が持っている。
検察庁法 第15条 第1項  検事総長、次長検事及び各検事長は一級とし、その任免は、内閣が行い、天皇が、これを認証する。

裁判官は内閣が任命するけれども、憲法を読む限り、罷免権(辞めさせる権限)を持っていないが、実際はそれほど簡単ではない。

中国人船長の釈放から話が逸れるが、国家が敗訴するような判決を下した裁判官が、

その後、家庭裁判所などに回され、一生ドサ回りをさせられ、二度と裁判官席で判決文を読むことなく

生涯を終えた、という類の話は、知っている人は知っている。司法は行政から独立していると言えない。

今日の那覇地検の決定に、政府(内閣=行政府)から何も圧力がなかったとは到底信じられない。

だとしたら、行政府の意気地のなさが、この国辱をもたらしたのである。


どのように言い回しを変えようが、世界のどこから見ても、日本が中国の圧力・脅迫に屈して、

国内法に則った正規の取り調べを途中で放棄し、中国人船長を解放した、と解釈されるであろう。


しかし、検察が、フジタ社員拘束の件が明らかになったから、中国人船長解放を決めたとは考えにくい。あまりにも速すぎる。

恐らく、日中間の水面下の交渉で、今日、那覇地検が船長を解放する「握り」になっていたのであろう。

中国は、恐らくその時には何も言わず、予め、船長が解放される前日に、フジタの日本人社員4人を拘束したのだろう。

それによって、「日本に勝った」優越感を中国国民にアピールすることが出来る。

中国の何も知らない一般庶民は、これで暫く、反政府運動を起こさないだろう。

それが中国の狙いである。対日外交の弱腰は、中国国内で容易に反政府運動に結びつくからである。


外交に関して海千山千の欧米諸国ならば、こういう時に、相手から交換条件を引き出すはずである。

つまり、今回の件なら、船長を解放して、「中国が勝った」感をあたえてやるから、その替わり北朝鮮をなんとかしろ、

とか、一方的なこちらの譲歩では終わらない筈である。日本政府の外交筋も、もしかすると、裏取引で

何らかの「日本にとっていいこと」を約束させているかもしれない、と考えたいが、

全然、何も無くて、これが全てだとしたら、世界の笑いものになるであろう。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2010.09.24

【暫定版・音楽】毎年恒例の Fly Me To The Moon なのですが、明日追加します。

◆恒例の音楽記事というのがございまして・・・・。

えー。時事問題を書くのを止めた訳ではございません。

尖閣諸島問題に関しましては、論ずるのもアホらしい。全銀協の会長が商売に差し支えるから、

速く何とか解決して欲しいと政府に要望していましたけれども、関係無いですね。

そういうことで、速く片付けないと不味いから(内閣支持率が下がるから)中国に謝って終わらせちゃおう

というのは、絶対にダメです。それをやったらお仕舞いですが、クリントン国務長官は尖閣諸島の領有権が

どの国にあるか、アメリカは態度を明確にしないけれど、前原外相によると

(クリントン国務長官は)尖閣諸島が米側の日本防衛の義務を定めた日米安保条約第5条の適用対象になるとの見解を表明した。

といいます。矛盾するんですけど、もう少し様子を見ましょう。


それは、さておき私のブログには毎年、この日にはこれを取りあげないと、どうも気持悪い、というのが

ありまして、音楽ですと、3月31日のハイドンの誕生日とか、12月5日のモーツァルトの命日とか、

例によって、クラシックが殆どなんですけど。例外的に中秋の名月の前後は、ここ数年、

"Fly Me To The Moon"特集をやらないと、どうにも落ち着かないのです。

ところが、先ほど驚いたのですが、iTunes Storeで、"Fly Me To The Moon"を検索したら、

昨年比、爆発的に増えてまして、ちょっとどれを取りあげるか判断に迷っています。

で本格的にやり出すと朝になってしまいそうなのですが、考えてみたら、今日、金曜は会社が

あるのですね。


というわけで、あまり拙速にまとめたくないので、明日差し替えますが、毎年定番の二人を

載せます(明日は、これにもう少し加える、ということです)。


私が気に入ってるのは、この曲を一挙に有名にした、フランク・シナトラと、日本人では宇多田ヒカルさんなのです。

明日はもう少し上等の音質のを載せますが、今日は暫定的にYouTubeで見つけたのを貼り付けます。


Frank Sinatra - Fly Me To The Moon Lyrics







いいでしょ? 宇多田ヒカルさんは、ヴァース(Verse)と呼ばれる序奏部分から歌っています。


Utada Hikaru - Hikki - Fly Me to the Moon







同じ曲ですけど、見事なまでに独自の解釈ですね。

原曲の歌詞と邦訳は、ますます恐縮乍ら、今日は、昨年の記事をご覧下さい。

検索すると分かりますが、この歌をカヴァーしている歌手は内外に驚くほど大勢いるのです。

また、ピアノ独奏もありますし、金管アンサンブルもありますし、ビッグバンドとヴォーカル(シナトラもそうですけど)、

或いはボサノバ、とものすごく、演奏者によって違うのです。

すいません。あした、まともにもう一度取りあげます。

いい歌ですよね。何だか、昔からとても好きなんですよ。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.23

実は「ゲゲゲの女房」にハマっています。

◆何となく書きそびれておりましたが・・・・。

何時も、「クラシック音楽は」とか「音楽とは」とか、知ったかぶりをしております。

勿論、音楽は一番好きなのですけど、以前から弊日記・ブログを読んで下さっている方は

覚えておられるでしょうか。実は、私はそうとうミーハーであります。

30代ぐらいだったら、平気で書くのですけどね。この前五十になったオヤジですから、

ちょっと書くのが気恥ずかしいのです。

しかし、実際に、私は、そういうことを書き出したら、恐らく皆さんから驚嘆されるほど

(又は呆れて、軽蔑されるのではないか、と思うほど)役者、タレントなどの経歴とかエピソードや、

テレビドラマとか、詳しいのです(因みに家内はもっと詳しいのです)。

それは、そればかりに夢中の「本職」には負けるでしょうが、まあ、いい年したオヤジにしては

やはり、ちょっと恥ずかしい。だからあまり「テレビドラマ」のことなど書かないのですけど。


前回、NHKの朝ドラに関して書いたのは、貫地谷しほり主演の「ちりとてちん」のときです。

2007年12月26日(水) 貫地谷しほりという役者は天才である、という確信を抱きつつあります。 ココログ

です。

今回は、脚本が秀逸だったと思います。また、「ゲゲゲの鬼太郎」が少年マガジンに連載され、

テレビアニメ化された時代は、私は小学校低学年で、非常に懐かしいのですね。

また、主演の松下奈緒さんが、東京音大ピアノ科卒で、家内の後輩にあたります。

後輩なんてもんじゃないですね。私たちの娘でもおかしくない。松下さんは、1985年生まれの25歳。

話がそれますが、この頃こっちが年を取ったから当たり前なんですが、1980年代生まれの人がすっかり大人だ

という事実を目の当たりにする度に、大袈裟に言うと頭がくらくらします。私が社会人になったのが

1984年ですから、その後に生まれた人達が、活躍しているというのが何だか、とても不思議なのです。


自分が若い頃、おっさんたちがそういうことを言うと、
当たり前ではないか。

と、思いましたが、自分が当時のおっさん達の年齢になると分かります。


◆久しぶりに「終わって欲しく無い」と感じました。

良い話(シーン)が多いのです。脚本の山本むつみさんという方、秀逸です。

水木しげる夫人の武良布枝(むら ぬのえ)さんの著書「ゲゲゲの女房」が原作ですが、

これは、半生記。エッセイですから、芝居として面白く見せる脚本を書く才能が必要です。


ドラマでは、「村井布美枝」としていますが、朝ドラのヒロインとしては近ごろでは珍しく

地味というか、自分で事業を興すとか、「夢の実現に向かってひた走る」とかではなく、

旦那の村井茂(向井理氏が演じています)を支える、昔ながらの、「夫を支える妻」というパッシブ(受け身)の

存在に見事に光を当てている。そこが人気の秘密の一つでしょうね。

従来のヒロインは、お芝居ですから良いのですけど、エネルギッシュで、積極的で、前向きで、

自己主張が強くて、反対されても、あくまで「自分の道を生きる」という、ステレオタイプが多かったですね。

これは、カッコイイのですが、視聴者は、私を含む、「一般庶民」でありまして、特に晴れがましい思いをしないまま、

生涯を終える人が大部分ですから、どことなく鼻白むのですが、

「ゲゲゲ~」は、旦那こそ押しも押されもしない大漫画家ですが、今まで全然知られていなかった

奧さんが、実に一般庶民なんですね。そういう人に光を当てた。


シナリオのことは専門家ではないから、的確な評価かどうかわかりませんが、半年の間飽きさせなかった

山本むつみさんという方のシナリオは、「明日も見たい」と思わざるを得ないような

終わり方をするのです。


何しろ、ドラマ「ゲゲゲの女房」は、全てのテレビ局の全てのジャンルを含む視聴率のトップを

私の知る限り、7月以降ずっと維持しています。常に20%を超えている。

この数字が本当だとすると、最近珍しい。ミーハーだと書きましたけど、私とて、

「ちりとてちん」の間は、一度も見ない朝ドラが続いていたのです。

朝ドラだけではありません。見たいと思うドラマなどありませんでした。

今回は積極的に

明日も見たい

と毎日思わせるのですから、これは大変なことだと思います。

後3日で終わると思うと実に残念です。

そう思っている人はネット上で色々読ませて頂いていますが、ひじょうに多い。

私も「『ゲゲゲの女房』放送終了後抑うつ状態」にならないか心配であります。

今まで、全然見ていない方、DVD(3回に分けて発売されますが、既にPart1は売ってます)を買ってでも

(勿論、無理にとは申しませんが)ご覧になることをお薦め致します。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.22

「郵便不正事件証拠改竄」に関する所感。

◆記事1:最高検、主任検事を証拠隠滅容疑で逮捕 郵便不正事件(朝日新聞)(2010年9月21日21時51分)

郵便割引制度を悪用した偽の証明書発行事件をめぐり、押収品のフロッピーディスク(FD)のデータを改ざんしたとして、

最高検は21日夜、大阪地検特捜部でこの事件の主任を務めた前田恒彦検事(43)を、証拠隠滅の容疑で逮捕した。

朝日新聞が21日朝刊で疑惑を報じたことから、最高検が捜査に乗り出していた。

朝日新聞が入手した特捜部の捜査報告書などによると、FDは昨年5月、厚生労働省元局長の村木厚子氏(54)=一審・無罪判決=の元部下の

上村(かみむら)勉被告(41)=虚偽有印公文書作成・同行使罪で公判中=の自宅から押収された。自称障害者団体が同制度の適用を受けるため、

上村被告が2004年6月に発行したとされる偽の証明書の作成日時データなどが入っていた。 (注:色太文字は引用者による。)


◆記事2:厚労省局長を逮捕 証明書偽造の疑い、部下に発行催促か 郵便不正、当人は否認=続報注意(朝日新聞)(2009.06.15)

自称・障害者団体「凛(りん)の会」(現・白山会)を郵便割引制度の適用団体と認めた証明書を不正に発行したとして、

大阪地検特捜部は14日、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長の村木厚子容疑者(53)を虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで逮捕した。

厚労省によると、同省局長が逮捕されるのは初めて。

村木局長は容疑を否認し、「凛の会や証明書のことは知らない。私はこの件に関与していない」と述べているという。

障害者団体向けの郵便割引制度が企業のダイレクトメール(DM)発送に悪用された一連の郵便不正事件は、

制度適用を審査する立場にある厚労省幹部の逮捕にまで発展した。特捜部は15日午前、厚労省の局長室や埼玉県和光市の自宅を家宅捜索した。

また特捜部は14日、証明書発行のための決裁文書を偽造した同容疑で逮捕していた元部下で障害保健福祉部企画課係長の上村勉容疑者(39)らも

共犯容疑で再逮捕した。係長は「村木局長から証明書を早く発行するよう催促された」と供述しているといい、特捜部は局長を追及する。

ほかに再逮捕されたのは、凛の会元会長で白山会代表の倉沢邦夫容疑者(73)

▽凛の会元幹部の河野克史容疑者(68)。再逮捕の3人は容疑を認めているという。

特捜部の調べによると、村木局長は、障害保健福祉部の企画課長だった04年6月初め、上村係長ら3人と共謀。

凛の会に障害者団体としての実態がないにもかかわらず、企画課長の公印のある偽の証明書を作成。

河野元幹部らが6月10日、企業の不正DMを発送するため当時の日本橋郵便局(東京都中央区)に提出した疑いがあるとされる。

証明書は5月28日付に日付をさかのぼって作成されていた。


◆コメント:村木局長逮捕も証拠改竄も朝日新聞が「スクープ」として伝えている。

時系列的には記事2のほうが、先である。村木局長が逮捕された記事で、この記事だけでは分からないが、

この時に、朝日新聞は、結局冤罪と判明した郵便不正事件を自社がスクープしたと得意気なのである。

それは、「朝日新聞 会社案内 2010」という、昨年、朝日新聞への入社を志望する学生に配られた

パンフレットで明らかである。


「朝日新聞 会社案内 2010」には、「特報--調査報道・スクープ」という箇所に、

「調査報道・スクープ」の実例として、郵便不正事件を取りあげている。

郵便制度の不正利用の実態を特報

というタイトルの文章では、一連の事件は
朝日新聞が取材を重ね(中略)調査報道で明らかにしました。

と、得意気で、さらに、
報道を受けて、大阪地検特捜部も2009年2月、強制捜査に乗り出しました。

そして、
厚労省の職員と局長も逮捕しました。

と、要するに、「郵便不正事件」が明らかになったのは朝日新聞の検察担当記者の手柄なのだ、

と鼻高々なのである。ここまでぶち上げておきながら、つい先日、9月10日、大阪地裁が村木元局長に無罪判決を下した次の日の

朝日新聞社説は、次の通り。
◆(社説)村木氏無罪 特捜検察による冤罪だ(2010.09.11 東京朝刊)

あらかじめ描いた事件の構図に沿って自白を迫る。否認しても聞く耳をもたず、客観的な証拠を踏まえずに立件する。

郵便不正事件での検察の捜査はそんな強引なものだった。

大阪地裁は昨日、厚生労働省の局長だった村木厚子被告に無罪を言い渡した。

村木被告は、郵便割引制度の適用団体と認める偽の証明書をつくり、不正に発行したとして起訴されていた。

村木被告は大阪地検特捜部に逮捕された当初から容疑を否認し、一貫して無実を訴えていた。

判決は証拠とかけ離れた検察の主張をことごとく退け、「村木被告が偽証明書を作成した事実は認められない」と指摘した。

検察は、ずさんな捜査を深く反省すべきだし、村木被告の復職をさまたげるような控訴はすべきでない。

偽証明書は、村木被告が障害保健福祉部の企画課長の時、障害者団体として実態がない「凛(りん)の会」に発行された。

企画課長の公印が押されており、村木被告の容疑は、部下だった係長に偽造を指示したというものだった。

係長は捜査段階で容疑を認めたが、公判では村木被告の指示を否定した。

取り調べで係長は、偽造は自分の判断だと訴えたが、検事は取り合わなかった。参考人だった厚労省職員らも公判で強引な取り調べの実態を証言した。

大阪地裁は係長らの調書を信用せず、証拠として採用しなかった。検察側の立証の柱はもはや失われていた。

特捜部が描いた構図は、「凛の会」会長が民主党の国会議員に口添えを依頼し、厚労省では「議員案件」として扱われていた、というものだ。

だが、議員会館で口添えを頼んだという当日、その議員はゴルフ場にいたことが公判で明らかになった。特捜部はそんな裏付けすら怠っていた。

検察の捜査をめぐっては、東京地検特捜部が1993年に摘発したゼネコン汚職で、検事が参考人に暴行を加えて起訴されるという不祥事が起きた。

その後も、特捜部に摘発された被告らが「意に反した調書をとられた」と公判で訴えるケースは少なくない。

特捜検察に対する国民の信頼が揺らいでいるということを、検察当局者は真摯(しんし)に受け止めるべきだ。

特捜検察はかつてロッキード事件やリクルート事件などで、自民党長期政権の暗部を摘発した。

政権交代が可能になったいまでも、権力の腐敗に目を凝らす役割に変わりはない。

冤罪史は「自白」の強要と偏重の歴史である。今回の事件もその列に加わりかねなかった。

検察は、これを危機ととらえねばならない。弁護士や学識経験者も加えた第三者委員会をつくって検証し、

取り調べの可視化などの対策を打つべきだ。それとともに報道する側も、より客観的で冷静なあり方を考えたい。

これには驚いた。自分達が村木被告人を間違って罪人扱いしたことへの反省の言葉がただの一言もない。

ただひたすら、検察だけを(検察が悪く無いとは勿論言わないが)責めている。


更に更に、開いた口がふさがらないどころか、顎が外れそうになるくらい驚いたのが記事1である。

特に色太文字で強調した部分。
朝日新聞が21日朝刊で疑惑を報じたことから、最高検が(証拠改竄の)捜査に乗り出していた。

自分達が冤罪の素地を作ったことは棚に上げ、検察による証拠改竄をスクープしたのも、我が朝日新聞だ、というのである。

検察による証拠改竄が本当ならば、勿論、もう検察など無い方が良いのではないか、というほど、超弩級の大失態だが、

なにか、村木元局長の無罪が決定してから、11日目の朝から、突然、検察としては本来隠蔽したいはずの大失態、

証拠改竄の詳細が一斉に報じられていたのが、奇妙な気がする。


司法かなにか知らないが、国家中枢の誰かの保身の為ではないか、という気がするのである。

そもそも、元東京地検特捜部検事だった人の話では、今回、村木元被告人の控訴断念は、検察としては、

それだけで大変なことだそうだ。つまり、殆ど同じ証拠関係で村木元被告人の共犯とされていた倉沢被告人は、

既に今年の4月に、やはり無罪判決を受けているが、これに関しては大阪地検は、既に控訴しているのである。

殆ど同じ証拠を元に村木被告人の控訴を断念したら、倉沢被告人の控訴を維持出来ない。

検察の立場としては、これ以上みっともないことはない、「控訴取り下げ」をしなければならなくなる。

高裁、最高裁までいって、無罪判決なら、検察としては主張が裁判所に受け入れられなかっただけだが、

控訴取り下げとなったら、要するに「間違って控訴しちゃいました」と天下に宣言することになるわけで、

検察、それも特捜の威信もへったくれもない。前代未聞の大失態。大恥である。

そうせざるを得ない、という理由を作る為に、
検事の一人が、つい暴走して証拠をでっちあげちゃったんです。

と、前田恒彦検事はトカゲの尻尾切りに使われてませんかね。

いずれにせよ。今回はバレたから、最高検はとことん調べます、といっているが、

この分だと、過去どれほど冤罪があったのか。もしかして冤罪で死刑にされた人もいるのではないだろうか?

と勘ぐられても仕方有るまい。

日本は法治国家といえるのだろうか。国家が、国家にとって都合の悪い人間を、証拠をねつ造して

犯罪者にでっち上げ、牢屋にぶち込んだり、死刑にするのでは、旧ソ連や、今の北朝鮮などを笑えない。

近代国家の体を成していないことになる。暗澹たる気持だ。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2010.09.21

「漁船衝突 日本、対応変えず…日中閣僚交流停止」←それで良いのです。

◆記事:漁船衝突 日本、対応変えず…日中閣僚交流停止(毎日新聞 9月20日(月)9時40分配信)

中国漁船衝突事件を巡り、中国政府が閣僚級の交流停止という対抗措置を発表したことで、

菅直人首相は米軍普天間飛行場移設問題に加え、新たな日本外交の“火種”を抱え込んだ。

だが、日本側は「中国側による日本の法体系無視」(外務省幹部)として一歩も引かぬ構え。

胡錦濤国家主席来日が予定されている11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までに沈静化できるかどうかが焦点となる。

「違法行為に対しては法に基づいて冷静に対応するということだ。粛々とやる以外、方法はない」。

中国側が態度をエスカレートさせる中でも、外務省幹部は従来と変わらない立場を強調した。

日本政府からすれば、今回の事態は、日本領海における公務執行妨害事件の処理でしかない。

別の外務省幹部は「現場海域付近には、当該漁船以外にも何十隻も船がいて、不用意に日本領海に入って魚をとっている。

海上保安庁が臨検すれば、ほとんどの船は出て行くが、今回の船はそうではなかった」と述べ、

逮捕・送検された中国漁船船長の違法行為が極めて悪質だったと訴えた。

日本側が恐れるのは、今回の事件を「外交上の配慮」を理由に中途半端な形で処理した場合、

同様の事件が再発した時の対処がより困難になることだ。

同幹部は「『日本は法律の枠内で適切に処理する国』ということを中国に知らせる必要がある」と語り、

中国側に粘り強く理解を求める考えを強調した。

前原誠司外相も日中両国間の関係悪化を懸念。前原氏は19日、東京都内で記者団に

「良好だった日中関係に波風を立てるのは、お互いの国益にならない」と述べ、中国側に改めて冷静な対応を呼びかけた。


◆コメント:中国漁船が日本の領海を侵犯したのが悪いのですから、日本がオタオタする必要はありません。

今回は、日本政府の対応は粛々と国際法と国内法に則っており、なかなか落ちついていて良いと思います。

日本政府のスタンスを簡単にまとめると、

そもそも、日中間に領土問題は存在せず、領海内の違法行為には、当然、日本の国内法を適用する。

ということで一貫しているのが良い、と思います。

中国側が激しく抗議してきたからといって、「外交的配慮」で中国漁船の船長を逮捕しなかったり、

ロクに調べないで解放したら、それこそ、ナメられます。

中国が、丹羽駐中国大使を何度も呼びつけているのは、慌てふためいているのです。

中国政府は、対日強硬路線を強調しないでおくと、中国人の反日運動が、反政府運動に容易に転化しうるからです。

日本は弱腰なのではないのです。従来なら「中国漁船の船長乗組員を、簡単な取調の後、なるべく早く国外に退去させる」という

形式主義でしたが、今回はまともに取り調べるために船長の拘束期間はいつもより長い。


そもそも、領海侵犯した中国漁船は海上保安庁の巡視艇に故意にぶつかってきたのです。

そのビデオが残っていて、まだ公開していませんが、これはまだ、勿体ないから奥の手として取ってあるのでしょう。


いずれにしても海上保安庁の対応は、国際法に従い、非常に「紳士的」です。

海保は当初、領海外への退去を警告しました。

中国漁船が逃走を始めた後はマイクや電光掲示板などを使い中国語で停船を呼びかけ、

危険で無い程度に前方に回り込んだり、放水も行いました。それでも、中国漁船が止まらないので、

漁業法など国内法の規定に従い、7日午後1時頃、強行接舷(せつげん)しましたが、乱暴なことはせず、

一人のけが人も出していません。


一方、中国漁船の動きは危険極まりなく、逃走を開始したときには、巡視船「よなくに」にぶつかり、

逃走途中では、別の巡視船「みずき」と接触しました。ビデオには、漁船の前方を併走する「みずき」に

接近し、明らかに故意に衝突する、中国漁船の様子が記録されているそうです。


中国政府は、自国の漁船が、予想外に乱暴に日本の巡視船にぶつかってしまったことや、

それに対して日本が、動ぜず、国内法を適用し、しかも、いつものように簡単に船長の取り調べを止めないので、

何も知らない(尖閣諸島が中国領であると教育されている)中国国民の反日感情が、急速にエスカレートし、

これを制御出来ていないのです。それで慌てふためいて、何度も丹羽大使を呼び出したり、

今度は日中閣僚交流停止だそうですが、このままでは、11月に横浜で開かれるAPECに胡錦涛主席が来日する筈ですが、

それで、日中首脳会談をしないという訳にはいかないでしょう。

日本は今のままで良いと思います。そのウチに中国側が妥協してくるはずです。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.20

【音楽】名旋律集。

◆「N響アワー」でドヴォルザークの名旋律を特集していました。

本日(2010年9月19日)のN響アワーは、

「郷愁の名旋律~メロディー・メーカー ドボルザーク~」

でした。私もちょうど一週間前に、
 【音楽】ドヴォルザーク色々。「ユーモレスク」から「チェロ協奏曲」まで。ココログ

を書きました。ドヴォルザークのメロディメーカーとしての才能は万人の認めるところです。

先日のブログでも書きましたが、現代の前衛的な作品を遺した故・武満徹氏のような専門家ですら、
ドヴォルザークは、旋律が素晴らしいですよ。ああいうものに現代の専門家がてれちゃっているというのが、だめだと思うんですよ。不健康だ。

といっているほどです。

今日のN響アワーを聴いて「やられた」と思ったのは、先日私も取りあげた「チェロ協奏曲」で、

私も実はどちらにすべきか、迷ったのですが、第三楽章を載せました。本当に美しい旋律は第一楽章、

ホルンが奏でる第二主題なんです。独奏チェロがまだ何も弾かないウチにこんな美しい旋律をだしてしまっていいの?

というぐらい。この部分です。


ドヴォルザーク チェロ協奏曲 第一楽章 第2主題







私は最初にドヴォルザークのチェロ協奏曲を聴いた時、悪いけれど、チェロ独奏より、

このホルンのあまりにも美しいメロディーの方が強烈に印象に残ってしまったほどです。


◆もう一度「ドヴォルザークの名旋律」では、二番煎じですから、他の作曲家も含めた「名旋律集」

今まで、私の日記では、随分色々な曲をご紹介しましたが、これは音楽ブログではないのです。

つまり、既にクラシック好きな方に読んで、聴いて頂いても嬉しいのですが、私は、

「今まで、クラシックなど関心が無かった」という食わず嫌いの方が、多少なりともクラシックに

興味を持って頂きたい、という気持ちを強く持っています。


ですから、小難しい曲はなるべく避けて親しみ易い曲を意識的に選びました。

「親しみ易い」条件には色々ありますが、まず、メロディーが美しい、或いは楽しい

ことだと思いました。

今日は、今までご紹介した曲の再録ばかりですが、随分沢山の曲をご紹介したので、

忘れられている場合もあると思います。「ああ、そういえば、こういうのがあったな」

と思い出して頂ければ幸いですし、初めての方も勿論歓迎です。

アトランダムに並べてもいいのですが、便宜上、時代の古い方から並べます。


◆バッハ。

バッハは毎週日曜日に教会で行われる礼拝の為に、都度「カンタータ」という曲集を作曲していて、

これが200曲もあります。これは、じっくり聴くと名旋律の宝庫なんですが、最初から、それをやると

マニアックなので、まずは、チェンバロ協奏曲BWV 1056ヘ短調の第二楽章「ラルゴ」。

これをオーボエ協奏曲にしていますが、どのような楽器で演奏しても美しい。

ここでは宮本文昭さんのオーボエでどうぞ。引用元は「ドリーミング・ストリーム」



バッハのアリオーソ







伴奏のハープは桐朋で宮本さんと友だちで、NHK交響楽団のハープ奏者を長く務められた、

篠崎史子さんです。これは新しく高音質にしたCDですね。最近何でもこれですな。最初のはもっと安くて、

CDジャケットに若かりし頃の宮本さんが載っていて面白かったんですけど。


◆ヘンデル。

バッハだけでもいくらでも名旋律があるのですが、断腸の思いで一人一曲にします。

ヘンデルは何と言っても、歌劇「リナルド」から昔は「私を泣かせて」、最近では「涙の流れるままに」と

訳されるアリアです。私が、日本音楽史上最高の声楽家と信じている森麻季さんの演奏で聴いて頂きます。

引用元CDは、麗しき瞳よ~ヘンデル・アリア集です。


≪リナルド≫ 涙の流れるままに







これは、あーだこーだ、言わない方がいいですね。


◆テレマン。

トランペット協奏曲 ニ長調より第一楽章をモーリス・アンドレがカラヤンの伴奏で演奏しています。

引用元は、トランペット協奏曲集です。


テレマン:トランペット協奏曲 ニ長調 第一楽章。







トランペットの輝かしい高音が旋律の美しさによく合っています。

これは、トランペットに取っては大変な高音でして、誰にでも、このような音が出せるわけではありません。


◆カッチーニ。

数ヶ月前、カッチーニのアヴェ・マリアだけの特集を組んだほど。

宮本文昭・笑里さん親子の共演で。引用元はsmile



カッチーニ「アヴェ・マリア」







この曲を聴いて、「汚い」と思う人は、いないのではないか、と思います。


◆マスカーニ。

このブログで、このように最初に音を載せたのがこの曲でした。

今日の最後はこれで。演奏は、カラヤン=ベルリン・フィルです。アダージョ・カラヤン・ベスト


マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲







クラシックを好きじゃ無くても、それは一向に構わないのですが、

このような美しい旋律を知らないで、無闇に「クラシック」と聞いただけで、一種の「敵愾心」を抱くのは、

もったい無いと思うのです。

今日、ご紹介したのは、ほんの数曲ですが、クラシックでは、こういう美しい作品が

多分、一生かけても聴き切れないほどあるのです。

今日もまだまだ、載せたい曲が沢山あって、不本意なのですが、また、続きをやります。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2010.09.18

「補正、野党と事前協議=「有言実行内閣」と命名―菅改造内閣が発足・首相会見」←出来ないことは「出来ない」理由を説明した方が良い。

◆補正、野党と事前協議=「有言実行内閣」と命名―菅改造内閣が発足・首相会見(時事通信 9月18日(土)0時23分配信)

菅改造内閣は17日夕、皇居での閣僚認証式を経て発足した。

菅直人首相は同日夜、首相官邸で記者会見し、追加の経済対策を盛り込んだ2010年度補正予算案の提出を検討していることに関し

「野党の希望も入れた形で組むことができれば国会の審議も順調にいく」と述べ、事前に野党と協議する意向を表明。

同時に「合意形成の可能性は十分ある」と述べ、次期臨時国会を念頭に野党の賛成を得ての成立もあり得るとの見方を示した。 

首相は、民主党政権発足後の1年間を振り返り「試行錯誤を繰り返した」とした上で、これを教訓に

「具体的な事柄を実行していく『有言実行内閣』を目指す」と表明。第1の課題として景気・雇用対策を挙げ、

「経済に関しては一歩たりとも緩めることはできない」と力説した。また、首相は、消費税を含む税制の抜本改革に関し

「社会保障と財源を一体的に議論する場を超党派でつくることが可能なら、他党と話し合いたい」と強調。

自民党など野党との連立の可能性については「あり得ない、考えないということではなく、

まずは政策的な協議を進めることから努力する」と語った。

これに先立ち、政府は初閣議で「昨年の政権交代の原点に立ち返り、

国民に約束した政策を政治主導・官邸主導で実現する」とした内閣の基本方針を決定。

経済・財政・社会保障の一体的立て直しに取り組むため

「直近の円高・デフレ状況に緊急な対応を行う」ことを確認した。

首相は、仙谷由人官房長官や野田佳彦財務相らを留任させ、民主党幹事長に外相の岡田克也氏を起用。

後任の外相に国土交通相の前原誠司氏を横滑りさせるなど、党と内閣の要職に小沢一郎元幹事長と距離を置く実力者を据えた。

一方で、小沢氏の議員グループからは閣僚に一人も登用しないなど、「脱小沢」路線を一層鮮明にした。

ただ、首相は会見で、一連の人事について「どこかのグループを外したとか全く念頭になく、

客観的にもそういうことはない」と強調した。


◆コメント:本当に実現出来そうなことは「有言実行」でいいが。

菅直人内閣総理大臣の記者会見に一問一答は(編集していない、という確証はないが)

首相官邸ホームページ菅内閣総理大臣記者会見(平成22年9月17日(金))

確認することができる。ここでの発言は首相官邸ホームページは消さない筈だが、各自記録しておくことが、大切である。


首相記者会見といっても新しい総理大臣ではないから、それほど目新しい内容はない。

ただ、こういう時、とかく政治家は、「あれもやります。これもやります。」という。

しかし、時間が経つにつれて、「あれは、無理そうです。」「これも駄目そうです」となる。

だから、内閣支持率の世論調査推移を見ると、どの政権でも必ず発足直後が期待感から最も高く、

時間の経過と共に、殆ど必ず低下する。


勿論、内閣を改造して心機一転、本格的に政治に取り組もう、というときに、

内閣総理大臣が最初から、「これはできません。」「あれも無理です」と言うことばかりを羅列したら、

じゃあ、あんた。何のために総理大臣になったのかね?

と思われてしまう。このため、最初の(今回内閣改造後、最初の)記者会見では、ある程度「景気の良い」ことを

プロパガンダ風にぶち上げないと、サマにならぬ。それはわかる。


現状、日本にはありとあらゆる分野で問題があるけれども、一番国民の関心が高いのは、

あまりにも長く続くデフレによってもたらされる、景気の低迷を、菅政権はどうするつもりか、

ということであろう。この件に関して、菅首相は、
「追加の経済対策を盛り込んだ2010年度補正予算案の提出を検討していること」

を説明したり、
「経済に関しては一歩たりとも緩めることはできない」と力説した。

とのことだ。勿論、何もしなくて良いとは言わないが、今の景気の悪さは、

こう言ってしまうと実も蓋もないが、「どうしようもない」状態である。


何故かというと、世界中、景気が悪かったり、財政危機の不安があったり、

景気の良い中国も、はっきり言って相当ものすごい不動産バブルで、近い将来にバブルが崩壊したら、

景気が後退することが、目に見えていて、要するにどこも安心出来るところが無いからである。


日本国内の需要が低迷していても、世界の景気が良ければ、輸出で企業業績の改善を期待できる。

ドル円為替を日銀介入によって、円安にするのも、円高のままだと輸出企業の収益を圧迫するからだが、

日本は円安にしたくても、他の国々は、それをあまり喜んでいないから、介入自体に無理がある。

さらに、仮定上の話として、市場介入が予想以上に奏功して1ドル=90円台が定着したとしても、

アメリカもEUも景気が悪いのであるから、例えば自動車を輸出しても、飛ぶように売れることは期待出来ない。

アメリカの経済指標を見ると、依然としてリーマン・ショックの後遺症から雇用が安定しない。

このため、あれほど大衆の熱狂的支持を受けて大統領に就任したオバマ大統領も、直近の世論調査では、

遂に、「不支持」が「支持」を上回った。


つまり、日本政府が追加経済対策を実行し、日本銀行が現在0.1%である無担コールオーバーナイトもの金利の

誘導目標を完全に0にして(ゼロ金利政策)、かつ、非常に例外的な金融政策と前回はいわれた「量的緩和」の

両方を実行するという「大決断」をしたところで、市場は資金不足ではないのだから、急に設備投資や個人消費が

増加し(つまり内需が拡大し)、日本経済がみるみるウチに好転する、ということは、期待出来ない。


それは、どう考えても期待出来ない状況にあり、その責任は日本政府や日銀にあるのではない。

繰り返すが、世界中の経済が後退したり、不安定な状態なのが原因で、その大元はリーマン・ショックにある、

ということを、国民に説明することは、経済学など勉強したことがない私ですら、このように何とか

出来るのであるから、日本政府に出来ないはずはない。


無理なものは、無理なのである。しかもこれは何十年に一度というぐらい特殊な状況なのだ、

ということを説明するのは「言い訳」ではない。

現状を国が説明しないで、ただ、何とか景気が良くなるように、最大限の努力をします、と言うばかりなので、

「努力します」は当たり前で、現状を把握出来ていない多くの国民から、不要な誤解を招くのである。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.17

11ヶ月前には、全くピアノに触った事が無く、楽譜が読めなかった人の演奏。

◆家内が、ピアノをおしえているのです。

家内は、今、評判のNHK連続テレビ小説、「ゲゲゲの女房」で主役を演じた、

松下奈緒の先輩になります。

つまり東京音大ピアノ科卒なのです。自宅でピアノを教えています。

これは、独身時代からやっていることなので、年季は入っています。


レッスンは家内の仕事で、私は直接、その仕事に関係ないから、レッスンを

見学したことはないのです。

他人の楽器のレッスンを面白半分に覗くものではありません。

しかし、

どんな具合に教えとるのかね?

という興味は、ずっと持っていました。私はご承知の通りクラシックが好きですから。


◆ある人がピアノを習う決心をしました。

昔は、街の「ピアノ教室」の生徒は子供ばかりでしたが、最近は少子化で、

子供が少ないし、特に私の住んでいる辺りは、少ないらしく、最初は広告用チラシに

子供から大人まで

とかいていたのを、今では、成人専用にしました。

大人になってから初めてだけど、習いたい人。

子供の頃習っていて、ある程度までは進んだけれど、止めてしまい、何十年ぶりの人。

保母さんとか小学校教員試験を受ける人(何とかソナチネ程度弾けなければならない)。

などに、生徒募集の対象を絞り込んだら、漸く何人か、生徒さんができました。


これからご紹介するのは、20代前半の女性で、それまでずっとバンドで「ヴォーカル」担当だった方です。

どういう歌を歌うのか、聴いたことがないので分かりませんが、とにかく見よう見まねでやっていたらしい。

会社に就職しておらず、女性にしてはハードな運送業などのバイトで生計を立てています。

バンドはその人にとって、決して「お遊び」ではないのです。


ある時、彼女は「将来、自分で歌を作曲したい。」と考えるようになりました。

しかし何しろ、まず、楽譜が読めないし、音楽の理論的なことは勿論全く分からない。

基礎的な音楽的素養が全然無い。これでは、ダメだ、と彼女は思い立ちました。

まずはピアノが弾けなければ。同時に音楽の基礎的なことも教わらなければ。


そして、たまたま見つけたのが家内のピアノ教室のチラシだったのです。


◆その生徒さんは、驚くほど熱心に勉強しました。

生徒になる前に、当然、教師である家内は話を聴くわけです。過去の楽器経験の有無。

やっていたことがあるのなら、以前はどの程度まで弾けていたのか、というようなことです。

この生徒さんの話を最初に聞いたとき、家内は驚いたようです。全く楽譜も読めず

将来「作曲」したい、というのですから。そこで作曲するにしても何でもとにかく、

音楽を本気でやるのならば、それがクラシックであろうがなかろうが、基礎から固めなければ、

どうしようもない。バイエルから始めるが、やる気はありますか。と尋ねました。

その生徒さんは、非常な熱意で「はい」と答えました。その言葉にウソはなく、毎週ものすごく

さらってくるし、前回、指摘されたことを必ず守るので、驚くべき速さでバイエルの上巻など、

一週間に10曲ぐらいできてしまいます。同時に家内は、音楽の基礎的素養として、ソルフェージュとか

リズム・ソルフェージュ、聴音などを教えました。聡明な子で、これらの必要性を直感的に理解したようです。

全て真面目にさらってきます。その生徒さんは驚くべき速さで上達しました。


◆先日、発表会がありました。

習い始めて11ヶ月目で、家内が友人でやはりピアノ教室をしている人と合同で発表会を行いました。

家内の生徒さんで出たのは、上述した人以外にも二人いますが、以前にもピアノ経験のある人達です。

ここでは、全く音楽の基礎的な素養がゼロだった人が、11ヶ月でどれ程上達したかを聴いて頂きます。

普段は教則本をみっちりやらせますが、こういう時の曲は、必ずしも純クラシックでなくても良い、

というのが家内の方針で、自由に選ばせたら、フランスの国民的シャンソン歌手、エディット・ピアフの映画か何かを

見て感激した、生徒さんは「愛の賛歌」をピアノ用に編曲した楽譜を見つけてきました。

この通り、かなり難しいのです。

T_pianolesson001_3

T_pianolesson002_2

T_pianolesson003_2

T_pianolesson004_2

本番で、多少のミスはありましたが、当の生徒さんは弾いたんですね。

平日に行われたので、私は録音しか聴けません。DVDですが映像を載せる訳にもいきません。

音質が悪いですが、音声だけお聴き下さい。


愛の賛歌







お聴きの通り、ミスタッチもあるし、音符の数が違っていたり、指が回っていないところなどはありますが、

感性が良いと思います。勿論家内がある程度指導していますが、ルバートとか、ダイナミックスのかなりの部分は

この生徒さんの裁量に任せているのです。曲終盤にかけて、アッチェレランドとクレッシェンドなど、本人が

やっているのです。「演奏で表現したいもの」をかなりはっきり頭の中で描いている訳ですな。


これは、相当ものすごい努力です。十分に賞賛に値する。20歳過ぎてピアノを習い始めて、11ヶ月です。

やる気になれば、人はこういうことができるのだな、と私は大変感銘を受けました。

あなたもできるかもしれません。本気になれば。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2010.09.16

「リーマン・ショックから2年目」に「6年半ぶりの日銀介入」。

◆記事1:米経済に今も傷跡=住宅市場、回復に遅れ―リーマン・ショック2年(時事通信 9月13日(月)15時32分配信)

証券大手リーマン・ブラザーズが住宅バブル崩壊のあおりで破綻(はたん)してから、15日で2年。

金融危機で冷え込んでいたウォール街(米金融街)のビジネスは、企業合併・買収(M&A)が増加するなど活気が戻りつつある。

ただ、住宅市場の回復は遅れ、中小金融機関の破綻も後を絶たない。リーマン・ショックの後遺症は今も残っている。

ウォール街をにぎわすM&A。調査会社ディーロジックによると、8月の買収総額は世界全体で2834億ドル(約24兆円)に上り、

前年同月から倍増した。米金融当局による事実上のゼロ金利政策のおかげで、資金調達コストが低下していることが背景にある。

だが、ウォール街の復調とは裏腹に、家計や中小企業の資金繰りは厳しい。

不況の長期化と雇用情勢の冷え込みが原因だ。金融機関も「焦げ付きを警戒して、既存の顧客以外には貸したがらない」(米金融関係者)。

とりわけ住宅ローンには慎重で、住宅市場が回復しない一因となっている。


記事2:82円台突入で円売り介入=財務相「急激な円高、看過できず」―日本単独6年半ぶり(時事通信 9月15日(水)10時52分配信)

政府・日銀は15日午前、急激な円高を阻止するため、東京外国為替市場で円売り・ドル買いの為替介入に踏み切った。

これを受け、15年3カ月ぶりの高値となる1ドル=82円台後半で推移していた円相場は、一時85円台まで急落した。

介入は1000億円を大きく上回る規模とみられる。為替介入は2004年3月16日以来、6年半ぶり。

米欧の通貨当局との協調はなく、日本単独で実施した。

野田佳彦財務相は介入実施直後に緊急記者会見し、

「足元の動きは経済、金融の安定に悪影響を及ぼし看過できない問題だ」とした上で、

「過度な変動を抑制するため為替介入を実施した」と明言。

さらに、「必要な時には介入も含め断固たる措置を取る」と改めて市場を強くけん制した。

米欧は輸出拡大を狙って自国通貨安を容認しており、日本が介入する場合は海外通貨当局の理解が不可欠と見られていた。

これについて野田財務相は、日本単独で実施したことを認めた上で、

「必要な関係当局と緊密な連携は取っているが、それぞれどういう反応を示しているのかはコメントを差し控えたい」と明言を避けた。

白川方明日銀総裁もほぼ同時に、「為替市場における財務省の行動が為替相場の安定的な形成に寄与することを強く期待している」

との談話を発表。

日銀としても「今後とも金融市場に潤沢な資金供給を行っていく方針だ」とし、

介入により市場に放出された円資金を利用し、強力な金融緩和環境を維持する姿勢を示した。

具体的には、本来、金融調節で吸収すべき円資金を市場に放置するとみられる。

菅直人首相はこれまで、「円高の急速な進行と長期化は経済・金融の安定に悪影響を及ぼすため看過できない」

との政府見解を表明。「必要な時には為替介入を含む断固たる措置を取る」と述べ、介入も辞さない構えを見せていた。


◆コメント:奇しくもリーマン・ショックからちょうど2年後に、6年半ぶりの為替市場介入となった。

日銀は東京市場に続き、ロンドン、ニューヨーク市場でも介入を続けている。

流石に、6年半ぶりの介入初日は、マーケットに「耐性」が無いから、ドル高・円安となった。

しかし、問題の根源は、「ドル売り」である。記事1に示したとおり、今日(9月15日)は、

アメリカの巨大証券会社、リーマン・ブラザースが破綻した「リーマン・ショック」からちょうど2年目である。

アメリカの景気は好転しないが、結局、リーマン・ショックの影響が残っている。不動産価格が低迷したままなので、

サブプライムローンを組んだ人々は、所有する不動産を売っても、ローンを返済できない。

このため、アメリカでは普通の事である、、職を探して自由に国内を移動する、ということができないので、

雇用を失った人が、他の土地へ言って職を見つけることができず、失業したままとなる。この雇用情勢の悪さが、

アメリカ経済の回復をさらに遅らせている。


2年前、リーマン・ブラザーズが破綻した際、こんなことをしたら影響が大きすぎると書いた。

「米証券大手リーマン、破産法適用申請へ」←三菱UFJか三井住友か、みずほが潰れたようなものです。超一大事です。ココログ

それはともかく、8月10日のFOMC(Federal Open Market Committee=連邦公開市場委員会)で、反対するメンバーもいたが、

最後は議長のバーナンキの決断で、アメリカは追加的金融緩和を決めた。


日銀は8月30日に臨時の金融政策決定会合を開き、金融緩和策の強化を発表した

しかし、円高は収まらず、民主党代表選が終わるのを待ちかねていたように、今日(9月15日)

為替市場介入を実行した。昔の介入は、介入したかどうか、旧大蔵省も日本銀行も、はっきり言わなかったが、

今日は記事2に書かれているとおり、介入開始後、財務相が記者会見を開き、

白川日銀総裁が、「総裁談話」を発表した。

このような介入の仕方は、初めてである。しかし、それは枝葉末節である。


介入が効果を持続できるか。

多分、無理であろう。問題の本質は米国経済が好転しないことよる「ドル売り」である。

また、欧州財政危機への不安から来る「ユーロ売り」である。

日本とて、デフレを克服できず、決して世界で唯一景気が良い国でもなんでもないのだが、

相対的にリスクが少ないと思われている。

さらに、アメリカもEUも自国通貨が安くなった方が、輸出企業にとって有利である。

日本の輸出企業に取っては円安が有利であることと同じ原理である。

1ドル=80円では、1台1万ドルの自動車は80万円だが、円安で、1ドル=100円になれば、

同じ1万ドルが100万円になる。


アメリカやユーロ圏の輸出企業にとっては、円高・ドル安或いは、円高・ユーロ安、の方が

有りがたい。従って、皆自分の事しか考えていない訳だが、日銀が介入により、極端に円安に

しようとしても、邪魔するだろう。


久しぶりの介入なので、マーケットは反応したが、やがて慣れてくる。

謂わば、日銀介入に「耐性」ができるのである。

一旦円安に転じた相場もやがて再びドル安・ユーロ安・円高に戻り、80円を割り込み、

歴史的安値、79円75銭を更新する可能性が高い。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.09.15

民主党代表選って時間の浪費でしたね。

◆そもそも代表選をやる必要があったのか。

どうもよく分からないことばかりである。

6月2日に鳩山首相と小沢幹事長が辞めて、参院選で民主党が敗北したのは事実だが、

それは、菅直人内閣総理大臣の「消費税発言」だけが原因ではなく、それ以前の

8ヶ月、主に普天間をめぐって鳩山内閣があまりにもフラフラと方針が定まらなかった

頼りなさに、国民が失望したことも大きな理由である。

小沢は民主党の実質的な最高権力者だと、自他共に認めているが、

鳩山がフラフラして、政権が危うくなりそうなときには、

お任せしている。

と、全く助言せず、どうして、代表選になったら雄弁になるのか。


官僚主導政治からの脱却、と言う点では小沢も鳩山も菅も一致している。

ならば、代表選になる前に、というか、参院選前に3人で話せばよかったではないか。

◆小沢は説明不足。

政治とカネ、という言葉が出てくると、どうも皆、そこで思考が停止してしまう。

陸山会の件は色々な見方があるが、検察がやや強引であると言われる。

要するに政治資金収支報告書を訂正すれば済む話らしい。

しかし、いずれにせよ、小沢は

検察がお調べになって何も出て来なかったのだから、これ以上何も言うことはない。

つまり、やましいことは何も無い、と言いたいのだろうが、それならば、実質小沢のカネを管理していた

秘書が起訴されているというのに、それに関して「不当だ」というべきではないだろうか。

秘書は見捨てて「私は潔白」であることばかりを強調するから、何か怪しげに見える。

潔白ならどう潔白なのか、説明しないとダメだ。何時までもマスコミのネタになる。


小沢の態度を見ていて、皆が不愉快になるのは、彼が
どうせ、バカどもに説明しても分かるまい。

と思っているからである。彼の政治カルチャーは古くは、田中角栄方式で、

要するに政治は力だ。力とはカネと人事を抑えることだ。という理念である。

小沢は、そう言うことに関しては恐らく一番手練手管を持っていて、鳩山や菅の「坊や」に

任せてはおけない。俺が一人で苦労してカネを集めているんだ、という思いがあるのだろう。


◆菅直人の特長。

菅直人内閣総理大臣は、頭は良いけれども、カリスマ性に欠ける。

民主党員を「よーし」という気分にさせる、人間的な魅力が無いのだろう。

鳩山はあまりにアホで、コロコロと言うことを変え、何も実現出来ず自滅した。

勿論、辞めてくれてよかったのだが、辞意を表明した、民主党の両院議員総会に於ける

スピーチを聴くと、訳の分からない「宇宙人ぶり」は菅直人よりは、一種のカリスマ性を

鳩山にもたらしていたかも知れない。

菅直人は、頭が良いのだが、良すぎて若い議員などアホに見えるらしい。

党内の集まりで、若い議員があるアイデアを提案したら、虫の居所が悪かったのか、

菅は、その議員の提案の不備を、「ここまで言うか?」というほど、徹底的に

指摘して、暫く若手議員が立ち直れなくなるほどだったという。

なるほど。そういうところで、小沢待望論が出て来たのか。


◆民主党内部のことは「私事」なのだから、協力して仕事をしろ。

菅直人は、総理に就任してからの6日間の臨時国会に出ただけで、

いくら何でも、新総理に交替したのでは、世界から、

日本はどうなっとるんだ?

と思われる。海外紙を読むと「1年で3人目の日本の総理大臣を見ることができるか」など

散々茶化されている。だから、菅直人ならそれでいいが、ねじれ国会で野党とやり合うためには、

長年、自民党の権力の中枢にいて、野党との交渉やらなんやら、おどろおどろしいことは

小沢が何でも知っている。菅直人内閣総理大臣がいくら国会で「正論」を論じても、

自民党のヤジきこえるばかりである。この数週間、新聞の政治面に載っていたのは、

民主党という一政党、私的団体の内部抗争の話だけだったと言って良い。

これは「政治ニュース」ではなく、「政治家ニュース」だ。

いい加減、「政治」そのものに専念しろといいたい。国会議員には1人1日、40万円の

税金が使われているのである。

新聞は、「まずは円高対策だ」といっているが、これは民主党代表が誰になろうとも、

どうしようも無い。79円75銭の歴史的安値を更新するまでは、ドルが反騰することは

無いだろう。

日銀の金融政策で、景気を浮揚させるのは無理だ。

それは兎も角、国会は与党を野党がからかって遊ぶ所ではない。何とかしろ。

その為に小沢も「最後のご奉公」として菅に入れ知恵してやれ。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.13

中国漁船が日本領海内で、海上保安庁の巡視船と接触した問題について。

◆記事1:中国漁船が海保巡視船に衝突=尖閣付近海上、警告に逃走図る―けが人なし(時事通信 9月7日(火)12時6分配信)

海上保安庁に入った連絡によると、7日午前10時15分ごろ、尖閣諸島の久場島の北北西約12キロの日本の領海の東シナ海で、

第11管区海上保安本部の巡視船「よなくに」(1349トン、全長約89メートル)が中国のトロール漁船「※(※=門ガマエに虫)晋漁5179」と接触した。

漁船は逃走し、約40分後には同島の北西約15キロの海上で、

同本部の別の巡視船「みずき」(197トン、全長46メートル)と衝突した。けが人はいないという。

漁船はさらに逃走を続けたが、同島の北西約27キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で午後0時55分ごろ、

みずきなどから海上保安官12人が乗船し停船させた。海保は漁業法違反(立ち入り検査忌避)の疑いで捜査している。

同庁によると、よなくにが、久場島付近で操業していたトロール漁船を発見。

領海外に退去するよう警告したが、漁船が網を上げ終えて逃走する際、漁船の左舷船首が、よなくにの左舷船尾に接触した。

よなくには船体後尾の甲板上の手すり1本が折れた。漁船は逃走し、みずきなどが追跡。

みずきが漁船の左舷前方約70メートルで停船命令を繰り返していたところ、漁船が急に左に旋回し、みずきの右舷と接触した。

みずきの右舷中央が長さ約3メートル、高さ約1メートルにわたってへこんだ。

また、右舷中央から後方にかけ手すり5、6本が曲がった。


◆記事2:<中国漁船接触>逮捕の船長、石垣島に移送(毎日新聞 9月8日(水)13時37分配信)

沖縄県・尖閣諸島の久場島(くばじま)北西の日本の領海内で逃走した中国漁船を立ち入り検査していた

石垣海上保安部(沖縄県石垣市)は8日未明、船長の中国人、※其雄容疑者(41)を公務執行妨害容疑で逮捕した。

日本の領海内での操業を海上保安庁の巡視船に発見されてから逃走しており、同保安部は不法操業についても捜査する。

逮捕容疑は、7日午前10時56分ごろ、同島の北西約15キロの領海内で、中国籍の大型トロール漁船

「☆晋漁5179」(166トン)のかじを突然左に大きく切らせ、立ち入り検査のために停船命令を出し

追跡中の海保の巡視船「みずき」(197トン)の右舷中央部に衝突させ、海上保安官の職務を妨害したとしている。

停船命令に従わず船を巡視船に衝突させる行為を公務執行妨害ととらえるのは異例。(☆は門構えに虫、※は憺の右側)


◆記事3:菅首相、厳正対処を強調(時事通信 9月8日(水)18時47分配信)

菅直人首相は8日夕、尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件について、

「わが国の法律に基づき、厳正に対応していく。法律に基づいての対応をきちんとやっていくということだ」と述べ、

逮捕した中国人船長の扱いを含めて国内法にのっとり対処する考えを強調した。首相官邸で記者団の質問に答えた。


◆記事4:中国漁船の“暴挙”にも海保は沈着「国際的に適切」 けが人出さず(産経新聞 9月8日(水)21時5分配信)

沖縄・尖閣諸島付近の日本領海で違法操業の疑いのある中国漁船の船長、●(=擔のつくり)其雄(たん・きゆう)容疑者(41)

が逮捕された事件。漁船は再三の警告を無視した上、船体を海上保安庁の巡視船に接触させる“暴挙”に及んだ。

一方、海保側は国内法に基づいて冷静に対応。中国側は逮捕に反発するが、専門家は「国際的に見ても適切な対応」と太鼓判を押す。

「わが国の領土である尖閣の領海で起きた事件。国内法にのっとり厳正に対応すべき事案だ」。

8日の定例記者会見で、海保の鈴木久泰長官は強調した。

漁船は7日午前、尖閣諸島近くの日本領海内で見つかった。網を上げる様子を巡視船が確認、違法操業の疑いは明白だった。

海保は当初、領海外への退去を警告。逃走後はマイクや電光掲示板などを使い中国語で停船を呼びかけ、

危険でない程度に前方に回り込んだり、放水も行った。漁業法など国内法にのっとった上で、

同日午後1時ごろに強行接舷(せつげん)するまで穏便な対応を貫き、1人のけが人も出していない。

一方、漁船は危険な動きを繰り返した。逃走開始時には巡視船「よなくに」と接触。逃走中に「みずき」とも接触した。

カメラには、前方を並走するみずきに幅寄せするように接近、衝突する漁船の様子が写っていたという。

海保関係者は「意図的でないと考えられない動き」と明かす。

この衝突が公務執行妨害の直接の逮捕容疑となり、海保に強行接舷を決断させた。

漁船への同容疑適用は異例だが、「それだけ悪質な事案」(海保幹部)という。

「韓国は何千隻と中国漁船を拿捕(だほ)しているし、いきなり威嚇射撃という国もある。

むしろ真面目すぎるほど国際ルールを順守した対応で、非難のいわれはない」。

東海大の山田吉彦教授(海洋政策)は、海保の対応をそう評価する。


◆記事5:中国駐日大使、中国人船長拘束事件で日本政府に抗議(サーチナ 9月8日(水)18時18分配信)

中国の日本駐在大使・程永華大使は7日夜、日本が尖閣諸島海域で中国人の漁民と漁船を拘束したことについて

日本外務省の関係者に厳重な申し入れを行った。中国国際放送局が伝えた。

程永華大使は「釣魚島(尖閣諸島の中国名)および周辺の島は古くからの中国の領土」としたうえで、

中国は日本の巡視船が中国の漁民と漁船を違法に拘束したことに抗議し、

日本が直ちに中国の漁民と漁船を解放し、事態をさらにエスカレートさせないよう日本政府に要求した。


◆記事6:漁船船長逮捕 中国、丹羽大使に抗議 反日団体、尖閣上陸検討も(産経新聞 9月9日(木)7時59分配信)

沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近の日本領海で、中国トロール漁船が海上保安庁の巡視船に接触して逃走した問題で、

中国外務省は8日、丹羽宇一郎駐中国大使を呼んで抗議した。

また同日、北京の日本大使館前で反日民間団体が抗議デモを行ったほか、

香港や台湾でも旭日旗を燃やすなどの抗議活動が展開された。


◆記事7:中国外相、丹羽大使にまた抗議 漁船接触事件(産経新聞 9月10日(金)12時23分配信)

沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近の日本領海で、中国トロール船が海上保安庁の巡視船に接触し逃走した事件で、

中国の楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)外相は10日午前、丹羽宇一郎駐中国大使を外務省に呼び、日本の対応に抗議した。

事件発生後、中国側が丹羽大使を呼び出したのは、少なくとも3度目となる。

日本大使館によると、楊外相は改めて、中国の立場を丹羽大使に説明した。楊外相の詳しい発言内容は明らかになっていないが、

尖閣諸島が中国古来の領土であるとの主張を繰り返し、公務執行妨害で逮捕された船長の早期釈放などを求めたとみられる。

これに対し、丹羽大使は「今回の事件は日本の領海内で起きた中国漁船による違法操業事件であり、

船長の取り扱いを含め、厳正に国内法に基づき、粛々(しゅくしゅく)と対応することになる」と回答。

また、「中国側が冷静かつ慎重に対応することを期待する」と述べ、

中国側が漁業巡視船を尖閣諸島海域に派遣したことを牽制(けんせい)した。


◆記事8:<中国漁船衝突>中国・国務委員、丹羽大使を未明呼び出し(毎日新聞 9月12日(日)7時53分配信)

沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近で日本の海上保安庁巡視船と中国漁船が衝突した事件で、

中国の戴秉国国務委員(副首相級)は12日午前0時(日本時間午前1時)、丹羽宇一郎駐中国大使を緊急に呼び出し、

中国政府の「重大な関心と厳正な立場」を表明した上で、中国漁船と漁民の即時引き渡しを要求した。

中国側が丹羽大使を呼び出したのは10日の楊潔※外相に続き4度目

国際的にも政府首脳が未明に外国大使を緊急に呼び出すのは極めて異例だ。

中国外務省によると、戴国務委員は「日本側に情勢判断を誤らず、賢明な政治判断をし、

直ちに中国漁民と漁船を送還するよう促した」としている。

丹羽大使は日本政府に直ちに報告すると表明したという。


◆記事9:未明の大使呼び出し、外務省「非常に無礼」(読売新聞 9月13日(月)11時52分配信)

東シナ海の日本領海内で海上保安庁の巡視船と衝突した中国船の船長逮捕を巡り、

中国の戴秉国(たいへいこく)・国務委員(副首相級)が丹羽宇一郎・駐中国大使を呼び出して抗議したことに、

日本政府内からは不快感が示された。

ただ、事態のエスカレートを避けるため、冷静に対処したい考えだ。

仙谷官房長官は13日の記者会見で、中国が船長逮捕を受けて東シナ海ガス田開発の条約交渉延期を発表したことについて

「捜査当局の対応は適正かつ適切で、問題の筋が違う話だ。ぜひ、早期に(日時を)設定していただきたいと中国に申し入れる」と強調。

船長以外の乗組員を中国に帰還させることに関連し、「違った状況が開けてくるのではないか」との期待も示した。

外務省幹部は「未明に大使を呼び出すのは外交上、非常に無礼だ」と指摘。

別の幹部は「船長の逮捕を許した中国政府に対して中国国内世論の反発が高まっているので、国内向けのポーズだ」との見方を示した。


◆コメント:尖閣諸島の領有権は日本にあり、日本の領海を侵犯した漁船を逮捕するのは、国際法上、合法的な行為です。

長々と記事を引用しましたが、こういう風に流れが分かるようにしてある新聞とかブログって、無いでしょ?

今まで、この問題に関心が無かった人にも分かるようにしたのです。


さて、問題は大きく二つあります。

一つ目は、「尖閣諸島はどの国のものか」ということです。

国家がある土地に対する領有権を取得するために必要な法律上の根拠を、「領有の権原」といいます。

伝統的には、割譲、先占、時効、併合、征服、添付、の6種類の権原が認められています。

このうち「添付」は自然現象により領土を取得する場合。

例えば、領海内で海底火山の噴火によって、新しい島が出現した、というようなケースです。タナボタですな。

その他の5つの権原はいずれも何らかの国家の行為に基づくものです。

「割譲」は複数国家の合意による領土の移転です。「併合」と「征服」は、一国が他国の領土を強制的に自国の領土にしてしまうことです。

現代国際世界では、国連憲章により他国を武力攻撃することは許されていませんから、「併合」と「征服」はあり得ません(あってはならないのです)。

「先占」というのは、

どの国家の領有にも属していない無主の土地に対し,国家が他の国家に先んじて支配を及ぼすことによって自国の領土とすること。

です。尖閣諸島は、1895年に日本が、どこかの国に属していないか、領有状況を調べたら、

どの国にも属していないということが明確になったので、沖縄に編入したので、正にこの「先占」の典型です。

太平洋戦争後、沖縄がアメリカの占領下におかれたので、尖閣諸島もアメリカ領となりましたが、

1972年の沖縄返還と共に、尖閣諸島も再び日本領になりました。これが、客観的・歴史的事実です。

中国と、台湾は、ずっと尖閣諸島に対する領有権を主張することなど無かったくせに、

1968年に学術調査で、尖閣諸島付近には海底油田があることが分かり、突如、目の色を変えて「自国の領土だ」と言いだしたのです。

あまりにも魂胆が見え透いてい可愛いぐらいです。しかし、それは彼らが勝手に主張しているのであり、国際法上尖閣諸島は日本の領土で

周囲は日本の領海です。


問題の二つ目は、中国船の船長を海上保安庁の巡視船が、公務執行妨害で逮捕したことが、問題かどうか、

ですが、公海ではなく、或る国家(今回の場合は勿論日本ですが)の領海内で違法行為が行われた場合、

その国家の国内法に基づき、手段を講じることになります。日本領海ですから日本の刑法が適用されるのは、

論じるのもアホ臭いほど当たり前のことで、丹羽宇一郎・駐中国大使を何度も、しかも最後はなんと夜中に呼び出すなど、

言語道断。外務省の役人が怒っても仕方がない。内閣総理大臣が胡錦涛国家主席に抗議すべきです。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

<振興銀破綻>債務超過1804億円 提携交渉望み絶たれ←債務超過の銀行は潰すべきだと小泉に進言していた木村剛。

◆記事:<振興銀破綻>債務超過1804億円 提携交渉望み絶たれ(毎日新聞 9月10日(金)22時12分配信)

経営再建中の日本振興銀行(東京都千代田区)は10日、経営破綻(はたん)し、東京地裁に民事再生法適用を申請した。

8月末時点での債務超過額は1804億円。民間調査会社の帝国データバンクによると、3月末の負債総額は6194億円。

江上剛(本名・小畠晴喜)社長ら取締役5人は退任を申し合わせた。

元金融庁顧問の木村剛被告=今年8月に銀行法違反(検査忌避)の罪で起訴=らが中小企業融資に特化して設立した銀行は、

6年半で行き詰まり、預金の元本1000万円とその利息までしか保護しないペイオフが初めて発動された。


◆コメント:小泉政権時代、竹中金融相のブレーンで、不良債権を抱えた銀行はどんどん潰すべきだと主張していたのが、木村剛

2001年、小泉政権が発足し、小泉が所信表明演説を行った、2001年5月7日、

日経平均株価は14,529円だった。

小泉首相の経済政策は明確に二つの項目が示されていた。それは、

国債は絶対に30兆円以上発行しない。(緊縮財政)。

企業の破綻処理を薦める(不良債権処理)

だった。2番目の政策は、つぶれそうな企業は、潰す。という意味であり、エコノミストの中には猛反対する声もあったが、

反対されると実行してしまう小泉首相は、現実に破綻処理を薦めた。

その結果、所信表明演説から約2年後、2003年4月28日、日経平均株価は、7,607円と約半分。

金融恐慌ギリギリのところであった。


◆そうなった原因は竹中金融相と、政策を進言した、ブレーンの木村である。

2002年8月竹中平蔵が金融担当大臣になった直後、ニューヨークタイムズのインタビューに答えて、

「銀行の破綻もありうる」と発言したため、日本の金融市場では金融恐慌の可能性が現実味を帯び、

それが、株価の下落を引き起こし、2003年4月の7000円台という目も当てられない状況を呼び込んだのである。


◆小泉政権が経済政策の完遂に失敗したおかげで、その後景気は回復したのだ。

竹中は、木村剛の意見を取り入れ、アメリカ風に「金融機関に自己責任を負わせる」方針を名言した。


2003年3月決算において、りそな銀行は国内営業を行うため、最低必要とされる自己資本比率4%を割り込み、本来破綻するところだった。

そうなったら、世界の金融システムは一つの巨大なネットワークになっているから、りそなが潰れたら金融恐慌が起きるところだった。

小泉政権が当初の公約通り、「破綻処理をすすめ」ていたら確実にそうなるところだった。


しかし、現実には、小泉政権は、公約を破棄し、りそなに公的資金を注入して救済した。

小泉政権が公約を破棄し、「潰れそうな銀行も潰さなかった」が為に、その後の景気回復が

始まったのである。


◆銀行の自己資本に組み込む、「繰り延べ税金資産」の問題。

この時問題となったのが、銀行の自己資本に繰り入れる繰り延べ税金資産

(先に払った税金が、不良債権の処理状況によっては、還付される)であった。

竹中金融相のブレインの一人であった木村剛は、

自己資本に計上する繰り延べ税金資産は最大1年分だといっていたが、

りそなは3年分の繰り延べ税金資産を自己資本に組み込むことにより破綻を免れたのである。

1年分しか繰り延べ税金資産を計上しなかったら、確実にりそな銀行は潰れていたのである。


◆結論:小泉経済改革が破綻したから、景気が回復したのである。

2003年4月の7千円台から次第に株価は値を戻し、8月18日に1万円台を回復した。

この頃、世間は「小泉改革路線の成果だ」ともてはやしたが、そうではない。


小泉経済改革が破綻したから、金融危機を免れたのである。

木村剛、竹中平蔵の当初の路線を継続していたら、金融恐慌だったのである。

木村が、小泉政権の金融行政ブレーンを辞めて、銀行を作りたい、といったら、

担当大臣の竹中はあっさり認可した。木村は元日銀マンで秀才で通っていたらしいが、

中央銀行でいくら優秀であっても、民間銀行を経営するセンスは、全く違う種類のものだ。

とうとう日本振興銀行は破綻した。

ペイオフの発動により、預金全額が戻らない預金者が3,423人もいる。

自見金融担当相がいうとおり、当時、安易に銀行免許を与えた竹中の責任は、確かに存在する。

竹中はマスコミの取材に対して、知らぬ、存ぜぬを繰り返しているらしいが、このままで済ませていいのか。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.12

【音楽】ドヴォルザーク色々。「ユーモレスク」から「チェロ協奏曲」まで。

◆時事問題で書くことが無い訳ではありませんが・・・・。

多くの人はアメリカで当時「同時多発テロ」と呼ばれたあの大惨事が起きたことは、覚えているでしょうが、

5年前、2005年9月11日(日)に、所謂「郵政民営化選挙」が行われ、あのころから、日本がガタガタになり始め

張本人の小泉純一郎はトンズラし、当時金融担当大臣だったのが竹中平蔵で、そのブレーンが昨日、破綻した、

日本振興銀行を作ったものの金融庁検査忌避で逮捕された、元日銀職員の木村剛でした。


あのことに付いて書くと、どうしても愚痴になります。


2005年8月8日に郵政民営化法案が参議院で否決され、小泉は解散権を濫用して衆議院を解散しました。

私は、205年8月の日記9月投票日当日の日記まで

繰り返し、「如何に小泉の主張が間違っているか」をこれでもか、これでもか、と書きましたが、

結果は小泉の歴史的大勝でした。あの時以来、実は私は時事問題を書いても、どうにも空しいのです。

所詮正しい事をかいても個人のブログなどではどうにもならない。

という「諦念」を抱いています。僭越ですが、大新聞の社説よりも私の方が言うべき事を、

正しく主張している、と思うことがしばしばありますが、所詮、マス・メディアには勝てません。

何度日記・ブログを止めようかと思いましたが、何とか書き続けています。

しかし、今日は天下国家を論じようとしても仕方がない。

既に書いてしまいましたが、延々と愚痴になりますから。


◆9月8日は、ドヴォルザーク(1841年9月8日 - 1904年5月1日)の誕生日でした。

私は、音楽書の類は滅多に読まないので、ドヴォルザークの生涯に関する詳しいことや、

作曲技法的に、どのような特徴があるのか、専門家のように分析することはできません。

詳細については、ウィキペディアをご覧下さい。



ドヴォルザーク=「新世界より」では、あまりに気の毒です。

あれは、あくまでも私見ですが、彼の交響曲の最高傑作ではない、と思います。

特に終楽章は、はじめにホルンとトランペットで提示される第一主題があまりにも繰り返され、

本来、メロディーを次から次へと思い付く「ドヴォルザークのドヴォルザークたる所以」が、

生きていないと思います。勿論好みの問題ですが。


「新世界より」に関して議論するつもりは全くありません。

それよりも、早く曲を紹介しなければ。


◆小品。「ユーモレスク」をヴァイオリンとチェロで。

最近の「クラシック通」はドヴォルザークの「ユーモレスク」が好きだなどとは、

死んでも言いたくないのでしょう。珍しい曲ばかり探して喜んでいる人が多い。

それはそれで、結構です。知られていない中にも意外な名曲があるかもしれません。


しかし、だからといって、ドヴォルザークの旋律の美しさが色褪せることにはならない。

過去、何度かご紹介した、「赤川次郎のばっくすてえじトーク」(音楽之友社)では、

赤川氏と、故・武満徹氏の対談に、こういうくだりがあります。(単行本、191ページ)
赤川:武満さんがこの前、尹伊桑(ユン・イサン)さん(引用者注:1917年韓国生まれ、日本、フランス、ドイツで勉強し、

旧西独に帰化し、ドイツで活動した作曲家。1995年没。)となさった雑誌の対談の中で、チャイコフスキーはすごいとおっしゃっていたんで、

ああ、よかったと思いましたね。僕もチャイコフスキーは好きだから。


武満:チャイコフスキーはものすごいですよ。


赤川:ご専門の方から見るとまた違うのかもしれないけれども、何となく言いにくいところがありますよ。

一番好きな作曲家はチャイコフスキーとかドヴォルザークと。今、マーラーとかブルックナーと言わないと

何となくクラシック・ファンじゃないような感じがあるから。


武満:ドヴォルザークは、旋律が素晴らしいですよ。ああいうものに現代の専門家がてれちゃっているというのが、

だめだと思うんですよ。不健康だ。(注:以下略)

というわけで、ドヴォルザークが好きであることは武満氏の言葉を待つまでもないのですが、

恥ずかしい事でも何でもない。とんでもないことです。


そこで、ドヴォルザークの数多くの作品の中でも、最も可愛らしく美しく、懐かしい音がする、

「ユーモレスク」がちょうど2ヶ月前、
【音楽】ヴァイオリニスト、川畠成道氏のアルバムを薦めます。ココログ

でご紹介した、ヴァイオリニスト川畠成道のアルバム、美しき夕暮れ Beau Soir に収録されているので、

もう一度お聴き頂きます。


ドヴォルザーク: ユモレスク







実に美しい旋律を美しく演奏してくださいました。


これを、チェロとヴァイオリンで演奏したら、どうなるか。

当代随一の名人ヨーヨーマの、ドヴォルザークばかりのアルバムで聴けます。

ヴァイオリンを弾いているのは、これも知らない人はいない、イツァーク・パールマンです。

ドヴォルザーク: ユモレスク(チェロとヴァイオリン編)






譜面が優しくても、ユーモレスクをユーモレスクらしく弾く、というのは、

「易しい曲であるが故の難しさ」があるようです。


◆室内楽。弦楽四重奏曲 第12番「アメリカ」

ドヴォルザークは室内楽曲も沢山かいておりまして、室内楽の代表格、弦楽四重奏曲だけでも14曲書いています。

最も知られているのが「アメリカ」とタイトルの付いた第12番です。

12番と13番がカップリングされた、ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 Op. 96, 第13番 Op. 106 が手頃ではないかと思います。

それでは12番「アメリカ」の第一楽章です。


弦楽四重奏曲 第12番 へ長調 「アメリカ」Op.96 第一楽章







13番も良いです。ピアノ五重奏曲も良いのですが、室内楽というのは、クラシックの中でも

最も取っつき難い分野かも知れないので、最初聴いてあまり面白くない、と思っても、別に気になさることはありません。

私も以前は、ドヴォルザークに限らず、殆ど聴かなかったです。ある程度、年をとってから漸く少し聴き始めたかな、という程度です。

ドヴォルザークの特集なのに、なんですが、一番最初は、モーツァルトの「クラリネット五重奏曲」が良いのではないかと思います。


◆管弦楽曲。スラブ舞曲集からいくつか。

これは、ブラームスのハンガリー舞曲集と共に、聴き易い曲集です。ピアノ連弾用に作曲したのを、

後にオーケストラ曲に編曲した、というところまで、ブラームスと同じです。

ジョージ・セル=クリーブランド管弦楽団による、

ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集(全16曲)  ジョージ・セル=クリーブランド管弦楽団

がお薦めです。全部で16曲ありますが、特に有名な3曲を。まず第一番。景気いいですよ。


スラヴ舞曲第1番ハ長調







躍動感が命です。続いて第8番。これも賑やかです。


スラヴ舞曲第8番ト短調







最後に打って変わって、メランコリックな10番です。旋律の美しさはドヴォルザークの面目躍如です。


スラヴ舞曲 第10番 ホ短調







綺麗でしょう?こういうのは、指揮者のセンスが出ますから、色々聴き比べるのも一興です。


◆チェロ協奏曲 チェロ協奏曲で最も演奏回数が多いはずです。

メンデルスゾーンの彼の有名はヴァイオリン協奏曲を、略して「メンコン」などいいますが、これは許せる。

これに対して、ドヴォルザークのチェロ・コンチェルトを「ドボコン」といいますが、

私、この略し方が嫌いなのです。音が汚いでしょ? しかしそれは、私の「好み」の問題なので、

これ以上書きません。


さて、チェロは、コンチェルトを書きたがる作曲が大勢いそうなのですが、意外に少ないです。

ピアノやヴァイオリンの協奏曲に比べたら、「数えるほど」といっても過言ではない。

いや、作品の質を問わなければ、こんなにあるのです。

ウィキペディア「チェロ協奏曲」から「おもな作曲家と作品」を見ると、数はある。

しかし、大部分は全く演奏会のプログラムに載ることはないのです。

ドヴォルザークの他は、ハイドン、ボッケリーニ、シューマン 、サン=サーンス。

協奏曲ではないですが、チャイコフスキーの ロココ風の主題による変奏曲。

など、十分、両手で数えられるほど。しかも、その中でも群を抜いて演奏回数が多いのが、

ドヴォルザークのチェロ協奏曲なのです。


第三楽章だけお聴き頂きますが、できれば全曲聴いてみるといいですな。

ホルンで提示される第一楽章の第二主題は、実に綺麗です。
本当は全曲、ここに載せたいぐらいなのです。

音源は、先ほど、「ユーモレスク」でご紹介ししましたが、

チェロ協奏曲、他 ヨーヨー・マ、マズア&ニューヨーク・フィル、他です。


ドヴォルザーク チェロ協奏曲 ロ短調 作品104 より第三楽章







カッコイイでしょ? この曲がチェロ協奏曲の中でも群を抜いて演奏される機会が多い理由が

分かる気がします。

本日は以上です。皆様、良い日曜日をお過ごし下さい(ご参考までに。月曜日は「新聞休刊日」です)。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.10

【差替】【音声追加】「N響ほっとコンサート。本仮屋ユイカがTrb.を演奏。」「陸上自衛隊のトランペット奏者がボストンポップス」

◆実は「手抜き更新」で、mixi日記の転用です。

ちょうど一週間前に書いたのですが、どうも木曜日が一番疲れるようで、更新できずに寝てしまいました。

但し、私はmixi日記も書いておりまして、これは、結果的にブログの「下書き」になることもあるのですが、

今日のは、そのパターンではありません。急場しのぎです。ですが、「いい話」でmixiでは「友人のみ公開」

だったのをここに転用します。一昨日と昨日書いた文章で、文体が違うのです。本当は直さなくてはいけないのですが

時間がないので、そのまま載せます。

コメントへのレスも滞っておりますが、今晩書かせて頂きます。

いずれに関しても、ご容赦のほど。


◆N響ほっとコンサートで、本仮屋ユイカがTrb.を吹いた。

8月1日に行われたN響恒例の「N響ほっとコンサート」は、吹奏楽、弦楽合奏、オーケストラと3部から構成されていました。

その様子は先週土曜日にNHKBShiで全部放送されたので、録画しておいたのを、今週見たのです。



司会を務めた女優の本仮屋ユイカという子は、2004年公開の映画「スウィング・ガールズ」で実際に演奏するために、

一度トロンボーンを基礎から(促成栽培だが)習っていたけれど、その後は楽器から遠ざかっていたそうだが、

今回司会をするに際して、どうやらNHK側から「せっかくだから、一緒に吹きませんか」と言われたらしい。

2ヶ月ほど猛練習を重ねたと本人が言っていた(注:これはNHK教育の「N響アワーで」)。

それで、「吹奏楽の部」のアンコール、アルフレッド・リード作曲:「吹奏楽の為の第一組曲」より「ギャロップ」を、

「N響吹奏楽団」のトロンボーンセクション(首席の右隣、通常、2ndTrb.の席)を臨時に空けて貰って、

他の4人のプロ達と、吹いたのですが、いや、これは本当にものすごく練習したのだな、とすぐに分かった。


コンサートの始めに初心者を装って、「初めて音をだす」ことを首席の新田幹男さんに教わる、という演出があったが、

バズィングでも、楽器をつけても、「まともな」音がでていたから、この時点で練習していたことは分かった。

(完全に初めてだったら、簡単に音は出ない)。

しかし、アルフレッド・リードの「吹奏楽の為の第一組曲」より「ギャロップ」となると、勿論プロは簡単だろうが、

結構素早いスライド・アクションを要求される。あれは第6ポジションぐらいまであるのではないかしら。

本仮屋ユイカさんは、きちんと吹いてましたよ。楽器の構えで、大体分かるし、スライドを一度も間違え無かったのは、

トロンボーンセクションはほぼユニゾンなので、隣の栗田さんと動きが合っていたことで、明らか。

そして、その動きを見ていると、死ぬほどさらったのであろうことも、明らか。よどみがないんですよ。

ユイカさん、嬉しそうだった。 それは嬉しいだろう。しかし、N響の中で素人が吹いたら普通ガッチガチに

緊張して吹けないだろうに、そこはやはり役者になるぐらいの子だから、度胸が良いのですな。

「人前でパフォーマンスをする」こと自体には、慣れていて、それが原因でアガっている様子は無かった

(勿論、多少は緊張したでしょうけどね)。

見ていて微笑ましく、羨ましかったですな(笑)。

何か見ているだけで嬉しくて、涙腺が緩んでしまいました。トシですな。


◆【追加】せっかくなので、「N響ほっとコンサート」の音声の一部をお聴き下さい。

本当は本仮屋ユイカさんが、演奏している映像をご覧頂きたいけど、デジタル放送はコピーできませんので

音声だけ拾いました。

一つのファイルにまとめてしまいましたが、最初は、ユイカさんが「スウィング・ガールズ」撮影後は、

トロンボーンを吹いていない、という事情を説明をした直後。

「じゃ、レッスンして貰いましょうか?」

と言っているのは、指揮の現田茂夫さん。その後登場するのは、音声からでも分かりますが

N響首席トロンボーン奏者の新田幹男さんです。ここは演出です。何年も楽器から遠ざかっていて、

いきなりマウスピースでまともな音は出ないし、真ん中のB♭の音も無理です。

この時点で、既に本仮屋ユイカさんが、練習していたことは明らかです。


さて、「レッスン」の後、一曲N響吹奏楽団が演奏するところは割愛して、アンコールの部分から。

何だかんだいって、始めから、本仮屋ユイカは演奏することを依頼されていたのでした(笑)。


トロンボーン、レッスン/アルフレッド・リード作曲「吹奏楽のための第一組曲」から「ギャロップ」。






本当に嬉しそうなんです。N響の人々も思ったより、ずっと上手かった(少なくとも変な音を出さなかった)

ことに感心しているのが、わかります。映像を私の手でお見せできないのが残念ですが、

NHKの番組をネットで有料配信しているNHKオンデマンドで315円払うと24時間だけ見ることができます。

N響ほっとコンサート2010ですね。

但し、NHKオンデマンドを見るためには予め無料の会員登録が必要です。登録は無料です。

ほっとコンサートを315円で買うと、24時間だけ見ることができます。

ご参考までに(こんなの、コピーできないようにして少なくともダウンロード販売したら良いとおもうのですけどね)。


◆本仮屋ユイカ=N響で思い出したけど、陸上自衛隊音楽隊のトランペット奏者がボストンポップスで吹かせて貰った話。

「N響ほっとコンサートにおける本仮屋ユイカさんのトロンボーン演奏」を見て、大いに感動した私ですが、

それでふと思い出しました。

随分前ですが、TBSの「さんま・玉緒のお年玉あんたの夢をかなえたろかスペシャル」という番組で、陸上自衛隊の「中央」ではないと思ったけど、

とにかく何処かの陸上自衛隊音楽隊でトランペットを吹いている青年が、「一度で、良いからボストン・ポップスで吹いてみたい」

という夢を叶えて貰ったことがあります。



ボストン・ポップスというオーケストラが存在するのではなくて、小澤征爾さんが長い間音楽監督を務めていたボストン交響楽団が、

夏のシーズン・オフの間、「ボストン・ポップス」と名前を変え、ベルリン・フィルのヴァルトビューネのような、

ポピュラー名曲コンサートを行うのです。 その時だけボストンを指揮するのが、故・アーサー・フィードラーという人で、

アーサー・フィードラーが「トランペット吹きの休日」その他で有名な、ルロイ・アンダーソンを見出し、

この、夏のボストン・ポップスコンサート用に、あの短い曲の数々を書かせたのです。



そういう「由緒ある」オーケストラです。演奏するのは、聴く分には気楽な「ライト・クラシック」ですが、

何しろ実体は「ボストン交響楽団」なのですから、いくら一回だけ一緒に吹かせて欲しいといっても、

あまり下手だったら、門前払いです。



この陸上自衛隊の青年はまだ若くて(少年と青年の中間ぐらい)、はっきりいうと、ものすごく上手くはない。

依頼を受けたボストン側としては、本音をいうと「もうちょっと上手いと問題ないのだけどな」というギリギリの所だったようですが、

はるばる日本からやってきて、あまりにも「ボストン・ポップス」に憧れている青年を見て、

最後に、ルロイ・アンダーソンの「そり滑り」の最後でトランペットが馬(トナカイ?)の「いななき」を「効果音」として吹くのですが、

それをやってみてくれ、と。



なかなか、あれは難しいのですが、自衛隊音楽隊の青年は何とか「いななき」を吹きました。

そうしたら、「そり滑り」一曲だけ、演奏に加わることが許されました。

最後のいななきは勿論、自衛隊の彼が吹くのです。ボストン・ポップスは親切でした。

お客さんに

わざわざ、日本からやってきて我々と演奏したいという青年がいる。今日のスペシャルゲストだ。

と紹介してくれました。

本番では、自衛隊の彼は相当緊張していましたが、何とか吹き通しました。

「いななき」にも成功しました。演奏終了後、答礼の機会を与えてくれました。

あまりの感激に泣いているトランペット青年をみて、ボストン交響楽団の人々は

「そんなに喜んでくれたのか」ともらい泣きしていました。



とてもいい話で、上手い番組製作者がまとめれば、あの話だけで2時間ぐらいのドキュメンタリーになったと思います。

「さんま・玉緒」では20分ぐらいに、短くまとめてしまいましたけど。もったいないほど良い話でした。

N響ほっとコンサートで本仮屋ユイカさんが演奏した後の周囲のプロの音楽家達の暖かい拍手と、

自衛隊音楽隊のトランペット奏者がボストン・ポップスで一曲吹かせて貰ったあとの、ボストン交響楽団の面々のそれは、

とてもよく似ていた。それで思い出したのだろうと思います。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2010.09.09

【音楽・映像】9月6日は二人の指揮者、岩城宏之さん(1932-2006)、スヴェトラーノフさん(1928-2002)の誕生日でした。

◆偶然ですけど、4歳違いで、同じ年齢で亡くなっています。

音楽年表を見て、ウィキペディアで調べて、驚きました。

音楽そのものとは、何の関係もないのですが。

岩城宏之さんは、1932年9月6日生まれ、2006年6月13日没)。

スヴェトラーノフさんは、1928年9月6日生まれ、2002年9月6日生まれ、2002年5月3日没。


命日も1ヶ月ほどしか違わないので、スヴェトラーノフさんと岩城さんは、ちょうど4歳違いで、

殆ど同じ長さの人生だったのですね。

それが、どうした?

と言われると、実も蓋も無いのですが、偶然とはいえ、面白いです。

二人の共通点は、N響と縁があったことです。勿論、岩城さんの方が遙かに長いけれども。

二人の生前の映像をYouTubeで発見したので、ご紹介します。


◆1960年11月、岩城宏之指揮、NHK交響楽団、外山雄三作曲「管弦楽の為のラプソディ」

1960年11月ということは、私は生後3ヶ月でしたが、そんなことはどうでも良い。


この年、NHK交響楽団は、NHK放送開始35周年記念「世界一周演奏旅行」を敢行しました。

ウィキペディアのNHK交響楽団の「年表」「戦後」に書かれています。

68日間で、12カ国(インド→ソ連→スイス→オーストリア→チェコスロヴァキア→ポーランド→西ドイツ→イタリア→ユーゴスラビア→イギリス→フランス→アメリカ)24都市で公演を行った。

岩城、外山雄三らが率い、堤剛(引用者注:チェリスト)、当時16歳の中村紘子が帯同。

当時としては非常な、英断というか冒険です。日本人が西洋音楽を演奏する、などということを

想像だにしなかった西洋人の方が多かっただろうと思います。

しかも、指揮者の岩城宏之さんも、指揮者・作曲家の外山雄三さんも、N響の「指揮研究員」ですから、

当然、世界的には全く無名。西洋音楽を東洋のオーケストラが西洋で、演奏する初めての出来事でした。


私とて、前述のとおり、生まれたばかりでしたから、後から知ったのですが、この1960年のN響の海外公演で、

西洋人たちは大袈裟ではなく、「驚嘆し」ました。
極東の島国にこれほど優秀なオーケストラがあったのか!

という、初歩的感動です。考えてみると凄いことです。明治元年は1868年。西洋音楽の勉強を日本人が本格的に

始めるのはもう少し後ですから、1960年の時点では、西洋音楽を輸入して、100年経っていないのです。

それなのに、西洋人を驚かせるほどのオーケストラができたいた。日本人はやはり「とてつもない」のかもしれません。


さて、この世界一周演奏旅行の際、アンコール用に外山雄三氏が日本の民謡を色々取り入れて、見事なオーケストレーションを

施して作曲したのが、「管弦楽のためのラプソディ」です。

YouTubeで1960年11月10日に、岩城宏之さんが昔のNHKホール(内幸町にありました)で演奏した映像がありました。

演奏旅行から帰国してすぐです。当然ながら岩城宏之さんの若いこと。N響の懐かしい人々の姿。

ご覧下さい。


管弦楽のためのラプソディ(外山雄三) Rhapsody for Orchestra(Yuzo Toyama)







ホルンの千葉馨さんとかね。サブ・コンサート・マスターは、海野義男さんでしょう。

最後、八木節でどんちゃん騒ぎになる前、信濃追分をフルートが吹きます。

長いソロですが、吉田雅夫先生といって、今のフルート奏者達の先生の先生(の先生)ぐらいの方です。


◆エフゲニー・スヴェトラーノフという「ソ連」時代に全盛だった指揮者。N響も何度も振りました。

たまたま、岩城さんよりも4年早く生まれて、岩城さんより4年早く亡くなった、ロシアというか、

旧ソ連時代にソヴィエト国立交響楽団の指揮者でした。ソ連が崩壊する前に手兵のオーケストラと来日して、

NHKホールで「悲愴」を演奏しましたが、第一印象、何か悪かったのです。

あまりにも自信に満ちあふれていて、ステージに現れるなり、両腕を一杯に拡げ、ふんぞり返って、

どうだ!これからお前らに本物のチャイコフスキーを聴かせてやる。

という感じでした。良く覚えてますが、旧ソ連政府には気に入られていたらしく、肩書きがまたすごいのです。
ソヴィエト社会主義共和国連邦功労芸術家、社会主義英雄

でした。


しかし、人は見かけによらないものです。後年(1993年~2000年)何度か来日してN響を指揮しましたが、

N響のプレイヤー達の評判は非常に良いのです。既に退職されましたが、30年も第1ヴァイオリンで弾いて

おられた鶴我裕子さんが、著書「バイオリニストは肩が凝る」で書いておられます。

124ページ。
スヴェトラーノフが死んだ日

今年(2002年)5月7日の、成田空港の出発ロビーで、

「スヴェトラ、死んだねぇ」

「ああ、つまんなくなっちゃったなあ」

「どうしても死ぬんなら、9月に来てからにしてくれよー」

「楽しみにしてたのに」

「喪に服したいから、黒来てきたんだ」

「ただのTシャツじゃねえか」

我々はその日、デュトワ指揮で、韓国の合唱団と「第九」をするために、ソウルへ出発するところだった。

本来、指揮者はプレイヤーのカタキだ。人につらいことを全部押しつけておいて、手柄は横取りする、

嫌われて当然の存在なのだ。それなのに、オケの「みんな」が、その死を知ってショックを受け、

本気で悲しむなんて、めったにあることじゃない。


「ダイアナ=プリンセス・オブ・ウェールズに捧げます」---あの声を忘れない。

名演だったチャイコフスキーの第5番の2楽章に入る前だった。客席は水を打ったようになり、

こちらも涙が込み上げそうになった。超ロマンチストだったスヴェトラ。あらゆるメロディを、

これでもかというほど遅くして、歌わせたスヴェトラ。しかし、チャイコフスキーの第4番の2楽章では、

ソロを吹くオーボエに「何もするな」と言ったスヴェトラ。注文は1回きりしか言わないので少しこわかったスヴェトラ。

口数の少ない、でも練習の途中で、ポツリポツリと、ショスタコーヴィッチの棺桶をかついだ話などしてくれたスヴェトラ。

(注:以下略)

スウィトナー、サヴァリッシュ、マタチッチ、などに比べたら、N響と実際に接した時間は短いけれど

鶴我さんがこれほど絶賛する指揮者は、他には殆どいません。鶴我さんが書いている4番の2楽章を

N響で振っている画が欲しかったのですが、あいにく見つかりません。

N響を指揮するようになるよりずっと前だと思いますが、ソヴィエト国立交響楽団で、

チャイコフスキーの交響曲第4番、終楽章を指揮している映像を見つけましたのでご覧下さい。

1985年です。スヴェトラもまだ若い。エネルギーが満ちています。

かなりのテンポですが、ソヴィエト国立交響楽団は乱れませんね。

それから、やはり、ロシアのオーケストラの「馬力」とでも言いましょうか。

すごい迫力。チャイコフスキーの交響曲第4番、終楽章です。



Tchaikovsky Symphony No.4 (4) - Sveltanov, USSR Symphony






次いで、鶴我さんが書いている、「プリンセス・オブ・ウェールズに捧げます」とスヴェトラが言った、

チャイコフスキーの交響曲第5番2楽章。これは、序奏部に続き長ーいホルン・ソロがあるのです。

綺麗なのですけどね。吹いている方がこれだけ長いと、やはり何度演っても、緊張するのではないでしょうか。

4番の終楽章と同様、燕尾服着てますけどお客さんいないのですね。録音用の演奏と見えます。


Tchaikovsky: Symphony No.5 (Svetlanov) (2nd Movement)







最後はせっかくですから、スヴェトラがN響を振る姿です。

1999年の演奏で、御存知、グリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲です。




Glinka Ruslan and Ludmila Overture by Svetlanov, NHK-SO (1999)





この曲など何百回指揮したか分からないでしょうに、丁寧な指揮です。

残念ながら、鶴我裕子さんはこの日は降り番(休み)だったようです。



岩城宏之さんのCDは沢山あるのですが、意外にも「管弦楽のためのラプソディ」が見つからない。

外山雄三さんご自身が指揮したのが、外山雄三:オーケストラ作品集1 です。

スヴェトラーノフはCDもDVDも沢山あります。ソヴィエト国立交響楽団来日公演のDVD、

N響でチャイコフスキーの5番を振ったCDもお薦めです。


岩城さんもスヴェトラも、直純さんもヤマカズ(山田一雄)さんも、カラヤンも、みんないなくなってしまって、

仕方ないですけどねえ。寂しいもんですな。

とはいえ、録音が残っているのはうれしいことです。

お薦めします。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.08

日常生活の雑事ですが、ご参考までに。エアコン室内機からの水漏れ。

◆実は、この3日間、イライラしてました。

猛暑が続いてますから、エアコンの故障は、大袈裟に言うと、生命に関わります。

私は冷却機能は壊れなかったのが不幸中の幸いでしたが、実は金曜日の深夜にエアコン室内機の送風口から水滴が

ポタリポタリと垂れ始め、今日、やっと直ったのですが、その間ずっと落ちつかずロクに眠れませんでした。

また、部屋にいるときにはずっとエアコンを稼働していて、その間、常に水がピチャピチャと、

雨漏りのような音を立てますから、それを聞き続けていると実にイライラし、大袈裟に言えば、発狂寸前でした。

私事ですけど、もしかすると同じような現象が、皆様のご家庭でも起きるかも知れませんから、

ご参考までに、経緯を記録します。


◆カスタマーサービスにすぐに電話をして正解でした。

この事態の原因は、後に書きますが、不可抗力で、製品の品質の問題ではない。

メーカーの責任ではないので、メーカー・製品名を出しますが、私が使っているのは、2006年製の三菱電機、「霧ヶ峰」です。

9月3日(金)の22時頃から、ポツリポツリと、割と規則的に水が滴るような音がするので、

様子を見たら、エアコンの室内機の下の部分から、少しずつではありますが、水滴が落下していたのです。


この猛暑ですから、エアコンの修理依頼が殺到しているに違いない、と考え、水漏れに気付いた約3時間後、

9月4日(土)の午前1時20分、24時間受け付けている、三菱電機のカスタマーサービスに電話をして、

点検と修理を依頼しました。早く電話して良かったです。その時点で最も早く来られるのが

今日、7日(火)だと言うので、その場で予約しました。7日の午前中に、当日何時頃来るか連絡する、とのことでした。

それは良かったのです。土曜日の午前中にもう一度カスタマーサービスに電話して、

もう少し早く来て貰えないか、と尋ねましたが、やはり、次から次へと修理依頼が殺到しているようで、

その時点で予約を取ったら、8日(水)が最速だ、といいます。しかたがない。


早く連絡したのは正解でしたが、修理担当の人が来るまで、3日半、何とか凌がなければなりません。

狭い部屋で、エアコンのすぐ下にはベッドと、テレビがあるので、バケツを置くわけにはいかず、

ゴミ捨て用の袋を写真のように貼り付け、下に水が垂れないようにしました。

T_t_p1000135small

しかし、水が溜まりすぎて袋が破けたりしたら、悲惨なことになるので、定期的にプラスチック製のスポイト

(30ccの巨大なものです)で、袋に溜まった水を吸い出さねばなりません。

全く眠れない、というほどではありませんが、熟睡していなかったようです。

特に、2日(日)の夜から3日(月)の早朝までの水漏れは量が多く、頻繁に袋に溜まった水を

抜き取る必要があり、気になるので、2時間しか眠れませんでした。


◆結露した水を排出するドレーンが水垢で詰まっていたのが原因でした。

今日は、私の狭くて、物が散乱している部屋を片付けて、修理担当の人の作業スペースを確保

しなければならないことは明らかだったのですが、これを家内に任せると、必要な物を勝手に捨てたり、

何を何処に臨時に片付けたか、分からなくなりますから、自分でやらなければなりません。

本来、こんなことでは仕事を休んではいけないのですが、普段、風邪などで休むことは全く無いので、

1日だけ、休暇をとりました。

午前中にカスタマーサービスから電話があり、13時頃、来宅するというので午前中に部屋を片付けました。


連絡通り、13時に担当の人が二人でやってきて、点検したところ、エアコンの結露水を外に排出するパイプ(ドレーン)が、

水垢で詰まったので、水が室内に漏れていた、という、典型的な状況でした。


結露水とは、暑い時にコップに冷たい水を入れると空気中の水蒸気が冷やされて、コップの外側に水滴ができる、

あれと同じ事で、エアコンは熱交換機で空気を冷やすのでその時に同様の現象が起きるわけです。

それを常に室外へ排出するためにドレーンがあるので、ここが詰まったら、結露水は出口を失い、

一時的に結露水を貯めるお皿のような部分に溜まったところから、水が室内にこぼれ落ちるのです。


担当者が、室内機内の水の排出口と、ドレーンを、プロ用の道具で掃除してくれ、1リットルほど汲んだ水を

流したら、ちゃんと流れました。これで、手入れは終了。室内機からの水漏れはピタリと止まりました。


結露水の排出口を自分で定期的に掃除するべきか、尋ねましたが、私の部屋の場合、相当複雑なので、

素人が下手にいじらない方が良い、という話でした。空気の取り入れ口のフィルターのホコリなどは、

説明書に、洗い方が書いてありますから、あれは素人でもできますが、ドレーンの部分は数年に一度ですから、

触らない方がよさそうです。水垢の溜まりが極端、ということでも無いそうで、要するに「不可抗力」です。

保証期間は過ぎていますから実費ですが、6,000円程度でした。数年に一度ならば仕方ないでしょう。


水漏れが全くなくなり、また、ついでにエアフィルターも洗ってくれたので、部屋の空気はよく冷えています。

ここ数日、落ちつかず、熟睡できていなかったので、業者さんが帰った後、片付けた物を元の位置に戻し、

めでたし、めでたし、となったらどっと疲れが出て、夕方から20時頃まで寝てしまいました。


明日からまたいつものような記事を書きます。今日は、雑事ですが、

業者さんの話では、私と同じ状態の「修理」(実際にはどこも壊れてはいなかったので「修理」というより「手入れ」ですが)

は、かなりあるらしいのです。皆様のご家庭でも、起こりうることなので、

ご参考になれば、と考えて、つまらん話ですが、記事にしました。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.09.06

滑稽に感じたこと。ドラマ「ゲゲゲの女房」を見て、漫画「総員玉砕せよ」を読み、「平和のありがたさを噛みしめ」ている人。

◆すぐに流行り物に感化される人って、いますねえ。

誰のもの、とは言わないけれど、以前から、「憲法9条を改正し」「自衛隊を軍隊にし」、

「日本の集団的自衛権を認め」「日本も核武装」すべきだ、と日記(若しくはブロウ)で、

書いていた人がいる。

要するに「日本はまた、いつでも戦争ができるようになるべきだ」という思想の持ち主だ、

と、思っていたのだが、この人物が先日書いた日記のタイトルを読んだだけで、

思わず笑ってしまった。

「総員玉砕せよ」を読んで噛みしめる、戦争の不条理。

という「趣旨」のタイトルだったのである。

ふーん。あれほど、日本再軍備とか言ってたのに、漫画1本で思想が変わるとは・・・・。

因みにドラマ「ゲゲゲの女房」では、第21週「戦争と楽園」で、

水木しげる氏が「総員玉砕せよ」を描くに至ったいきさつが、分かる。

ドラマを見て水木氏の「総員玉砕せよ」の存在を知る人が多かったのでしょう。

特に華々しい(?)空中戦などではなく、一般庶民が徴兵され、南の島で「玉砕」を命じられ

死にたくもないのに死んでいった、ということが赤裸々に描かれている。


しかし、こういう風に具体的に絵で見ないと、戦争が悲惨であることが分からないのだろうか?


◆思想が変化してはいけない理由は無いけれど。

人間の思想が時間が経過するにつれて、或いは色々な体験をしたり、知識を得ることより、

変化するのは別に不思議ではない。

しかし、上の日記を書いているような人物は、暫く時間が経つと、「戦争の虚しさ」など

すっかり忘れて、「憲法九条を改正すべし」と言いそうな気がする。


私がそう思うのには根拠がある。

この日記を書いている男は軽薄で、以前は私の反小泉論を「2ちゃんねる」に転載し

嘲笑ったり、クラシック音楽記事もバカにしていた癖に、ソプラノの森麻季さんの事を書いたときから、

森麻季さんが美人だと分かるやいなや、それまでシャンソンが好きだったはずなのに、

ある日突然「ずっと前から森麻季さんの大ファン」で

「JIROの独断的日記」の音楽評論をいつも楽しみにしている、などといけしゃあしゃあと書く男なのである。

だから、「戦争の悲惨さ」などといっているが、ドラマ「ゲゲゲの女房」の放送が9月下旬で終了し、

松下奈緒を毎朝、見られなくなったら、恐らく、再び戦争肯定論者に戻るような予感がするのだ。

こういう人物は要するに「思想」「定見」「見識」が無いのである。


◆私はこの問題に関しては、一貫して同じ事を書いている。

水木しげる氏の戦記ものの漫画を読み、本当に反戦論者になるなら、それはそれで、結構だが、

私は、終戦から15年後に生まれた人間で、直接に戦争を知らない。

しかし、大正14年生まれの私の父は学徒動員で、「にわか海軍少尉」にさせられ、

出征した。幸い生き残ったので私が存在するが、原爆が投下される一週間前まで、

広島にいた、というから、少し日程がずれたら、私は間違いなく存在しなかった。


私が子供の頃の「大人」は親も小学校の先生も皆、戦争体験者だったから、

自分が体験したことがなくても、戦争が如何にアホらしいか、殆ど本能的に理解できるつもりだ。

自分が体験しなくても話を聴いたり、本を読めば、当時南方に送られた人々が、如何に酷い目にあったか

すぐに分かる。そもそもアメリカと戦争を始めることを決めた連中は万死に値する、と思っている。


私の母は、昭和3(1928)年生まれだから、太平洋戦争が始まった時には、今の学校制度で言えば、

中学1年の生徒だった。母は文学や歴史は好きだが、政治・外交・軍事などには関心が無かったが、

日本がアメリカと戦争を始めたと昭和16(1941)年12月8日にラジオで聴いたときは、

エーッ!アメリカと戦争なんかして、勝てるわけがないじゃない!

と思ったという。

母が特に頭脳明晰だったわけではない。常識で考えれば、一般庶民にすらあまりにも明らかなことだったのである。

そして正にその通りになり、日本は本土まで爆撃され、原爆を2回も投下され、沖縄の悲惨な歴史はあまりにも有名だ。


終戦からわずか60余年しか経っておらず、水木しげるさんのように、骨の髄から戦争の苦しさを味わった人も

まだ、健在であるのに、安倍晋三政権では、国民投票法を強行採決し、憲法改正の手続きまで容易してしまった。


そもそも総理大臣が改憲を口にすること自体、違憲である。日本国憲法第99条の文言は次の通り。
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

内閣総理大臣は当然、国会議員であり、国会議員はこの憲法を「尊重し擁護する義務を負ふ」のだから、

内閣総理大臣が「改憲」を言い出すなど、問題外である。


私は、この件に関してはずっと同じ事を書き続けている。

憲法第9条を変更して日本の交戦権を認めるのはもってのほか。

集団的自衛家の行使は違憲である。交戦中の同盟国への後方支援ですら集団的自衛権の行使と見なすべきで、

決して認めてはならぬ。核保有に至っては問題外である。


最近は来ないが、安倍晋三政権の頃、憲法改正に関する世論調査やアンケートが、

インターネットでも送られてきた。その度に私は、

原則的に憲法第九条を変更することは反対だが、本当に「改正」(正しく改める)するならば賛成だ、

と答えた。

つまり、今の憲法九条はまた手ぬるい。もっと具体的に戦争放棄の立場を明記するべきだ、

と考えている。憲法学者が読んだら用語法をはじめ、文言としてはまだまだ不十分だろうが、

今一度書く。
【JIROの憲法改正草案】(注:憲法9条に追加する)

第9条

第3項 (集団的自衛権行使の禁止)我が国が、他国から、武力による威嚇、また、武力の行使を受けていないとき、日本と軍事同盟関係又は緊密な関係にある他国が、第3国から武力攻撃を受けた際、または、第3国と戦争状態に陥った際に、これを我が国への武力攻撃と同一視し、或いは我が国が戦争状態に陥ったと見なし、同盟国を支援することを「集団的自衛権」の行使と定義し、我が国の「集団的自衛権」の行使は、永久にこれを認めない。なお、「同盟国を支援すること」とは、直接的な武力行使のみならず、戦争状態の同盟国に対する後方支援(武器・弾薬の供給、その他、物的、人的支援の一切を含む)、及び同盟国が第3国を攻撃する際に有利となる軍事的その他の情報の提供をも含む。

第4項(核兵器の製造、保有等の禁止)我が国が、核兵器を製造・保有すること、核兵器又は、その部品、原料となる物資を製造し、他国に提供すること、核兵器を保有する同盟国が核兵器を用いて第3国を攻撃する場合の拠点として、我が国領土内の施設利用を許可することは、永久にこれを認めない。

第5項(9条不可侵の原則)本条の各項の変更は、96条(憲法改正の手続き)にかかわらず、永久にこれを認めない。

この昔の事をすぐに忘れる国民にはこの程度厳しく締め付けてちょうど良い、と考えている。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.09.05

文章は、最初から最後まで、途中を跳ばさずに読みましょう。

◆タイトルとは無関係ですが、JIROの独断的日記ココログ版の「コメント」に関する説明。

エンピツだけの読者の方には無関係で恐縮ですが、少々、ご辛抱下さい。

私は同じ文章をウェブ日記、エンピツブログサービスココログに載せています。

JIROの独断的日記ココログ版は、ブログですから、記事に対してご意見・ご感想を「コメント欄」に書いていただけますが、

コメント欄の説明(ココログが設定しているのですが)がこうなっています。

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

この日本語が実に分かり難いのですが、「記事投稿者」とは「ブログ記事本文の投稿者」、即ち、私のことです。

JIROが承認しないコメントは表示されませんよ、という意味です。様々なブログサービスで、スパム・コメントが

自動的に表示されないよう、ブログ主の設定で「承認制」にできるシステムにしているのです。


しばしば、コメントを(特に初めて)書き込んで下さる方が、2回も3回も同じコメントを「送信」しておられます。

「記事投稿者」を、ご自分の事だと勘違いなさっているのだと思います。

確かに分かり難い説明なので、以前、ココログの管理元、@niftyに、
あの表示は、ミス・リーディングだ。「記事投稿者」ではなく「ブログ管理人」にすれば誤解を避けられるだろう。

と、進言したのですが、全く何の回答もありませんでした。


コメントをお書き頂くのは有難いのですが、すぐには表示されず、私が「承認」(というと偉そうですが)

して初めてブログに表示されるシステムですので、慌てて二度も三度も同じコメントをお書きになりませんよう、

ご承知おきください。以上は「庶務事項連絡」です。


◆文章は最初から最後まで読むものです。

急に何を言い出す?とおもわれるでしょうが、

ブログコメントで、しばしば、ブログ記事本文全体を読まずに、たまたま目に付いた所だけ適当に読んで、

よく考えもせず、コメントを寄せる(多分若い)方がいます。

その殆どはIPを調べると、携帯から書き込んでいるのです。


携帯からでもPCからでも、まともなコメントなら良いのです。

確かに、私の文章は、自分で読んでも、概して冗漫で、徒に長いものが多い。

我ながら、つくづく「俺は頭が悪いな」、と自己嫌悪に陥るのですが、

それでも、兎にも角にも、毎回、記事を書くために、資料を調べたりする時間も含めると、

数時間を費やしています。


それを、読者の方がそれをどこで、どのように読もうが本来自由ですが、曲がりなりにもコメント欄で

反論や質問を書く前に、記事本文を最初から最後まで読むべきだと思います。

おこがましい物言いですが、それは最低限のマナーだと考えております。


他人が一生懸命書いた文章を携帯で「なんとなく」読んで、全体の論理を理解しようとせず、

ごく一部だけを抽出して「揚げ足取り」をしたり、

よく読めば記事本文に答えが書いてあるだろう?

と言いたくなるような「質問の形式の反論」を読むのは、正直言って

不愉快です。

携帯からでも何でもいいですけど、日本語の横書きの文章は、左から右に、

上から下に一文字ずつ読むのです(←こういうのを、日本語で「皮肉」といいます)。

一回読んで疑問が生じたらもう一回読みます。


それでも分かり難いことがあれば、それは文章を書いた人間の問題ですが、

真面目に(というか、「普通に」)読んでいれば、このようなコメントを書ける訳がない、

というケースは、IPを調べると携帯からのアクセスである場合が圧倒的に多いのです。

つい先日書いた記事にも、
一体、あなたは、何処を読んだの?

といいたくなるようなコメントが、有りました。

これは、私のブログですので、その類は承認しませんし、当然返事も書きません。

何だか、私が独りで勝手に怒っているわい、とお思いの方がいらっしゃるかも知れませんが、

今日、急に思い付いたのではなく、ずっと前から感じていたことです。

ただ、私の駄文をわざわざ時間を割いて読んで下さっている読者の方々に、
私の文章をもっときちんと読め。

とは書き辛いので、今まで書きませんでしたが、要するに、

堪忍袋の緒が切れた、ということだと、お考え下さい。

せっかくの土曜日に、飛んだお目汚しで、申し訳ございません。

皆様、どうぞ良い日曜日をお過ごし下さい。

また、猛暑が続いております。どちら様もご自愛下さい。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.09.04

【音楽】(やっと)デニス・ブレインです。

◆わずか36歳で亡くなってしまった、天才ホルン奏者です。

デニス・ブレイン(1921-1957)は、イギリスのホルン奏者です。

私の生まれる約3年も前に、わずか36歳で夭逝し、亡くなってから53年を経た今でも、史上最高のホルン奏者と言われています。



ちょっと失礼な物言いですが、生前それほど高い評価を受けていたわけでもないけれど、

若くして亡くなると「伝説」になってしまう、ということがあります。


デニス・ブレインの場合はそうではない。これから、デニス・ブレインが演奏する

曲を聴いて頂きますが、その曲を書いたモーツァルト。たまたま気が付きましたが、

デニスと同じく36年の生涯でしたが、

モーツァルトは、早死にしたから実力以上の歴史的評価を受けているのだ。

と考える人はいないです。本気でそのように主張する「自称・クラシック通」がもし、

あなたの前に現れたら、もうそれだけで、「ああ、こいつは馬鹿だ」とお考えになって構いません。


デニス・ブレインも同様です。人生の長さの問題ではない。勿論もっと長生きして欲しかったけど、

とにかく、非の打ち所がない。これほど完璧にホルンをコントロールできるホルン吹きはいません。

先は知りませんけど、少なくとも後にはいない。


尤も、好みはあるかもしれません。

イギリスのホルン吹きと、旧東ドイツのホルン吹きでは、明らかに「ホルンの音」の観念が全く違う。

フランスやロシアのホルンもまた、ちょっと違う。


デニスのように、絶対にビブラートなどかけず、ちょっと聴くと、何の小細工もせず、

真っ直ぐに吹くホルンよりも、シュターツカペレ・ドレスデンの首席ホルン奏者だった、

ペーター・ダムの方が好みだ、という人がいます。

それは、いいのですが、好みとは別に、
デニス・ブレインほど上手いホルンはいない。

というのは、殆ど「客観的事実」と断言しても構わないと思います。

知ったかぶりはこの辺でやめときます。


◆モーツァルト ホルン協奏曲第3番 変ホ長調 K.447全曲をどうぞ。

デニス・ブレインのホルン協奏曲のCDと言えば、カラヤン指揮=フィルハーモニア管弦楽団

伴奏のこれに尽きるのです。

私は、録音の良し悪しとか、再生装置(オーディオ、ですね)には殆ど関心がないのですが、

デニス・ブレインだけは、ちょっと残念なのです。アナログレコードしかなかった時代には、

EMIから、このCDと全く同じジャケットのLPでデニス・ブレインのモーツァルトを聴きました。

それがCD化されて、驚いたのは、あまりに音質が悪くなっていることです。

こればかりは、いくら普段は鈍感な私でも気になります。半世紀前のアナログ録音で、

同じようにCD化されても、殆ど全く同じ音質を保っているのがあるのです。


しかしながら、今あるのを聴くしかないのです。ノイズはありませんから、

想像力で補いながら、聴いて頂きたいのですが、本来素晴らしい音なんです。


今までに何度もデニス・ブレインによる、モーツァルトのホルン協奏曲(四番まであります)を

聴いて頂きましたが、全て断片で一曲丸ごと、ということはありませんでした。

そして、三番をご紹介することも無かったと思います(特に理由はありません)。


今日は三番を丸ごと聴いて頂きます。


モーツァルト ホルン協奏曲 第3番変ホ長調 K.447 第1楽章 Allegro







どうですか?

この演奏がそんなに上手いの?普通に吹いてるだけじゃん。

と思いませんでしたか?

それがこの人の天才たる所以です。如何なる楽器や、他の人間のやることでも同じですが、天才は

難しいことをあたかも非常に易しいことのように聴かせて(見せて)しまうのです。
こんなのなら明日から、ホルン習い始めて、半年ぐらいで自分も吹けそうだな。

という錯覚に陥ります。これこそ天才だけがなせる業です。

曲の途中でした。


モーツァルト ホルン協奏曲 第3番変ホ長調 K.447 第2楽章 Romance:Larghetto







どの音域の音でも、完全に鳴りきっているのです。発音の際に余計な雑音は入らないし、

高い音から低い音まで、完璧に安定した、完成した音が出ます。

続いて、終楽章です。


モーツァルト ホルン協奏曲 第3番変ホ長調 K.447 第3楽章 Rondo:Allegro







あまりにあっさり吹いてしまうので、「それで?」と皮肉っぽくおっしゃる方もいます。

本当はですね。並のホルン吹きによる演奏と比較すると、デニス・ブレインの偉大さがよく分かるのですが、

それをやったら、他のホルン奏者に対してあまりに失礼ですから、止めときます。


うーん。もう少し音質が良ければなあ。レコードのときはこんな霞がかかったような再生音じゃなかったのですけどね。

最近の人が「デニス・ブレイン」と言ってもあまり興味を示さないのは、LPレコードの良い音(この録音に関して、ですよ)

で聴いたことが無い為ではないか、と思うと残念です。

残念なまま終わりにしたくないので、「続・デニス・ブレイン」を書くかもしれません。

お付き合い頂けると幸いです。


余談ですが、N響の首席ホルン奏者を長く務めた名手、故・千葉馨氏(1928-2008)は、

デニス・ブレインのお弟子さんです。

兵庫県立明石南高等学校の放送部が、2004年10月4日、千葉馨氏にその頃の話を電話インタビューした記録を

千葉馨インタヴュー(2004年10月4日)で読むことができます。

大変に興味深いです。

それでは、皆様、良い週末をお過ごし下さい。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.09.03

木曜日が一番疲れを感じるみたい・・・・。

◆更新できませんでした。

木曜日になると「よし、あと、もう一日!」となりそうなものですが、

実際には「まだ、あと1日あるのか」と考え、ぐったりします。寝てしまい、日記・ブログ更新できませんでした。

すみません。


昔、猛烈に仕事熱心な部長がいて、後に副社長にまで出世したほどですが、その人が、部長時代、ある木曜日に、

疲れるなあ・・・。木曜ぐらいになると、もう、クタクタや。金曜になったらヤケクソで、「今日1日だけ、やったるかー」と思うけどな・・・。

と言うので、「へえ。この人でも、そんなこと思ってるんだ。」と「感動し」たことが強烈な印象となり、覚えています。

今夜は、デニス・ブレインにします。悪しからず。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.09.02

小沢氏が民主党代表選に出馬するならば、代表選を延期し、その前に衆院解散・総選挙で民意を問うべきである。

◆今日は、デニスブレイン(ホルン奏者。今日が命日)特集のつもりでした。

何週間も前から、9月1日は恒例の「デニス・ブレイン」特集にするつもりでした。

デニスブレイン(Dennis Brain 1921-1957)は、人類史上最も上手い、伝説のホルン奏者です。

53年前、1957年9月1日、デニスブレインは、英国スコットランドの首都、エディンバラでのコンサートを終えて、

徹夜で車を運転して(大のカーマニアでした。運転も上手かったそうです)、

ロンドンの自宅に帰ろうとしていましたが、どうやら居眠り運転で街路樹に激突し、

わずか、36年の生涯を閉じましたが、デニス・ブレインが無くなり半世紀以上経つというのに、

今でも、デニスこそ、空前絶後、最高のホルン奏者と言われています。

彼のことを書き、演奏をご紹介するのは明日に延期します。


◆記事:「小沢首相」想像できない=菅氏が挑発―民主代表選(時事通信 9月1日(水)20時31分配信)

「どういう首相になるつもりかお示しいただき、国民が判断できるようにしてほしい」。

民主党代表選立候補者による1日の共同記者会見で、菅直人首相は小沢一郎前幹事長にこう求めた。

隠密行動が目立ち、説明不足が指摘される小沢氏の政治スタイルを意識し、菅氏が小沢氏を挑発した形だ。

菅氏はさらに、「長い間予算委員会に(首相として)小沢さんが座っている場面が想像できない」と追い打ち。

冗談めかしながらも、衆院本会議をしばしば欠席し、「国会軽視」と批判される小沢氏の「適性」を問題視した。

苦笑いしながら聞いていた小沢氏は、中曽根内閣の自治相を務めた経験を振り返り

「長時間予算委に座っていろいろな質問に答えてきた」と反論。

「特別心を入れ替えて、というつもりはない。自分自身の持ち味で誠実に淡々と役職をこなしていく」とマイペースを宣言していた。


◆コメント:記事はどうでも良い。小沢が代表選に出馬するなら、その前に衆院解散総選挙すべし。

菅直人内閣総理大臣が何を言おうが、それはどうでも良いのです。

とりあえず、いつものように、何か冒頭に記事を掲げなければ形にならないので、

適当に、目に付いた時事通信の記事を転載しただけです。


先日も書きましたけれども、鳩山由紀夫前首相は6月2日に首相を辞任する意思を表明し、

それは、政治とカネの関係の問題で、ダーティなイメージになってしまった民主党を

建て直すためで、政治献金に絡み、不起訴になったけれども、如何にも胡散臭い小沢幹事長に、

「幹事長を辞めてくれ」とたのみ、小沢一郎も承諾した、と、鳩山がウソをついておらず、かつ、

新聞がウソを書いていなければ、そういう話でした。


不起訴になったとはいえ、小沢一郎というのは、昔から何を考え、一体何をどうしたいのか、

さっぱり分からない。鳩山辞任以前の世論調査でも7割を超える有権者が小沢氏は幹事長を

辞めるべきだ、と考えていたし、辞めた後の世論調査では、約8割の回答者が、

「(小沢一郎氏は幹事長を)辞めて当然」と反応していました。


つまり、主権者たる国民が小沢氏は、現在与党である民主党の重職から退くべきだ、

と考えていたことは、あまりにも明らかです。


それを、本人が知らない訳が無い。けれども、小沢氏は「政治献金に関して不起訴になった。潔白だ」

ということを理由に、自分が民主党代表になりたい、と。それは即ち内閣総理大臣になる、ということです。


これは、おかしい。

日本国憲法によれば、日本国の主権者は国民であり、その主権者が、小沢氏は幹事長すら辞めるべきだ、

との意思を表明しているのです。幹事長職に留まることすら、許せない、という人物が、内閣総理大臣になるかもしれない。

民意を、つまり、主権者の意思を全く顧みていない、ということです。


現在、仮に民主党が野党であるならばまだしも、現実に与党なのですから、そういう人物を内閣総理大臣にしていいのか。

これに関する国民の意思を確認するためには、民主党代表選挙は延期して、

まず、衆議院を解散して総選挙を実施し、民主党が与党として相応しいか、つまり、

小沢が民主党代表=内閣総理大臣になることに、主権者が同意しているか否かを確認するべきです。

日本は、代議制民主主義で、国民が直接、内閣総理大臣を選ぶことは制度として不可能なのですから、

解散総選挙で民主党が再び政権を信託されるかどうか、を見極めてから、民主党代表選を行うべきです。

難しいことを述べているわけではありません。当然のことだと、思います。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.09.01

「日経平均株価 325円安、ドル円、84円06銭。15年ぶりの円高」←「効果ないだろう」と書いたでしょ?

◆記事1:東証大引け、大幅反落、全面安で年初来安値 09年4月以来の水準。 (日本経済新聞 8/31 15:20)

31日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反落した。終値は前日比325円20銭(3.55%)安の8824円06銭で、

25日の8845円39銭を下回って年初来安値を更新した。2009年4月28日(8493円77銭)以来の水準で、

下げ幅は6月7日(380円39銭)以来の大きさとなる。

前日の米株式相場の下落や円相場の上昇を嫌気して安く始まり、その後も円高などを懸念した売りが止まらず全面安の展開になった。

前日に日銀が追加金融緩和を、政府が追加経済対策の基本方針を決定したが、

東京市場で1ドル=84円台前半と円高に歯止めがかからないことも売りに拍車をかけた。

トヨタやみずほFG、東芝など主力株で年初来安値の更新が相次いだ。

政府・日銀による経済・円高対策はおおむね事前の予想通りの内容で、当面は政策面の好材料が出そうにないとの見方や、

今後発表が相次ぐ米経済指標への警戒感が株売り・円買いを加速させた。後場は一段の地合い悪化を警戒し、

株式投資を手じまう目的の換金売りが下げに拍車をかけたとの声も聞かれた。

あす9月1日に民主党代表選の告示を控え、市場では「政局が混乱する可能性があることも買いを見送らせた」

との指摘があった。


◆記事2:外為17時 円、大幅反発し84円台前半 東京市場でも15年ぶり高値 (日本経済新聞 8/31 17:32)

31日の東京外国為替市場で、円相場は大幅反発した。

17時時点では前日の同時点に比べ91銭の円高・ドル安の1ドル=84円20~23銭近辺で推移している。

日銀の追加緩和策が市場予想の範囲内にとどまったことや、内外の株安を手掛かりに円買い・ドル売りが広がった。

月末とあり国内輸出企業による円買い・ドル売りも加わり、

円は一時84円06銭前後と東京市場の動きとしては1995年6月以来およそ15年2カ月ぶりの円高水準まで買われた。

米景気の先行き不透明感を背景に、前日の米株式相場は下落し、日経平均株価も300円超の大幅安となった。

アジア諸国・地域の株式相場も総じて下落し、投資家がリスク回避姿勢を強めたため、資金の退避先として円を買う動きが加速した。

ロイター通信は31日夕、池田元久副財務大臣の発言として

「急激な変動には断固たる措置をとらなければならない」と報じた。

政府・日銀による円売り介入への警戒感が高まり、買い持ち高を縮小する目的の円売りが出て、上げ幅を縮めた。

9~17時時点の円の安値は84円66銭近辺で、値幅は60銭程度だった。


◆コメント:日銀が追加金融緩和しても、効果は期待出来ない、と書きましたでしょ?

昨今の円高、株安は、まず円高が先行し、円高だと輸出企業の収益を悪化させるので輸出関連株主導で、

株価が全面安になっているわけです。

日曜日の夜に、日経などが、
「30日(月)、日銀が臨時金融政策決定会合を開き追加緩和策決定へ」

と、報道しましたが、私は、そんなことをしても円高は止まらないだろう、と書きました。
2010年08月29日(日) 「<日銀>30日に臨時の金融政策決定会合 追加緩和策決定へ」←あまり効果は期待できません。ココログ

更に言わせて頂くならば、その前にも「『日銀の対応が遅れたから円高になったのだ』、という批判は正しくない」

という趣旨の記事を書きました。
2010年08月24日(火) 円急伸、15年ぶり83円台=円高対応の遅れ突く―ロンドン外為」←対応しようがありません。80円を割り込むと思います。ココログ

私は占い師ではありませんので、予想が当たったといって自慢するためにこの記事を書いている訳ではありません。

自明なのです。


そもそも日銀ばかり批判される筋合いはない。同じ事を繰り返す事になりますが、

今の円高は、円に積極的な「買い材料」があるから、ではありません。

「円買い」ではなく、「ドル売り」「ユーロ売り」なのです。

アメリカ経済が先週、今年のGDP予想を下方修正しました。

リーマン・ショックは2008年9月15日でしたから、そろそろ2年が経つのに、

米国経済は、本当に回復していません。まだ不動産価格は上がらず、不良債権を抱えた

アメリカの地方銀行は今年に入ってからだけでも既に100行以上潰れています。


EU(欧州連合)もまだ、不安定です。ギリシャ財政危機だけであれほど大騒ぎになりました。

ギリシャのGDPがEU全体のGDPで占める比率はわずか2%とか3%とか、せいぜいその程度です。

しかし、ギリシャは「粉飾決算」していたのですね。

EUの財政規律ではEU加盟各国は、財政赤字をGDPの3%以下に抑制すること、

という義務が課せられてます。ギリシャの当初の統計ではどうなっていたか不明ですが、

とにかく「財政赤字はGDPの3%以下」の条件を満たしていたはずなのに、

本当は、規定の4倍、12%だったことが判明したのです。

こういうことが一度あると、EU全体への評価が落ちます。スペインも財政危機なのでは、

などという噂がありましたが、スペインのGDPはEU全体の約10%ですから、もし、スペインが

財政危機に陥り、ギリシャ危機のように、他国が穴埋めすることになったら、EU全体がガタガタに

なる(あくまで仮の話ですが、可能性がゼロではありません)。


このように考えると、円はリスク回避先として「相対的に」まだマシということです。


だから、日銀が緩和するといって、臨時会合を開いても、
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.1%前後で推移するよう促す。

で、これは今までと変わらない。0.1%ですから、下げようがない。ゼロ金利政策を採用してもわずか0.1%しか下げられない。

それで、資金供給オペの額を10兆円上乗せするということしかできなかったのですが、

何度も書いている通り、日本の金融市場は資金不足で困っている訳ではありませんから、

この程度では焼け石に水。それは白川日銀総裁も分かっているけど、政治的圧力がかかり、

とにかく何か、ポーズを取らなくてはいけないので、こういう結果になったのです。


◆政治家が、民主党の代表選選びの方に血道を上げていることが問題です。

31日付の日経1面で、編集委員が特別コラムを書いていました。目に留まったのは、

民主党内は消去法のような代表選びに忙しく、経済への関心は著しく低い。だが日本はなお世界3位の経済大国なのだ。

渡辺博史元財務官は最近会う海外の要人たちが「日本の現状に、いらだちよりも恐怖を感じ始めている」という。

日本が低迷しているだけなら反面教師で済むが、いずれ経済・財政の破綻につながり、世界経済の混乱の火種になりかねない。

非常に尤もな話で今日も菅直人内閣総理大臣は、小沢一郎に「代表選出馬を止めろ」と頼みに言ったけれど、

結局小沢は出るという結果です。小沢以前に、民主党内の内輪もめが政治家達の最大の関心事で、

これだけ、円高、株安が進行しているのにもかかわらず、あたかも、
今、それどころじゃない。

と言わんばかり。自分達は民主党代表選で忙しいから、為替と株価は日銀さん、よろしくね。

というその姿勢です。世界第3位の経済大国である日本がもし、ボヤボヤして財政危機などが、

コントロール不可能になったら、世界経済の破滅に繋がると言っても過言ではない。

小沢は民主党代表選出馬を決めたそうですが、政治資金問題に関してグレーだから、

6月2日に幹事長を辞めた奴が、何を考えているのか。政党は公的存在ではあるけど、要するに、

政治家共の内輪の事です。小沢と鳩山は引っ込み、菅直人内閣総理大臣には、経済政策に

注力して頂きたいですね。今日、経済相が家電のエコポイントを年末までのはずだったのを、

来年3月まで延長する、とか言っていましたが、小手先じゃダメです。

理論的には、効果は無いのですが、こうなったら、日銀はゼロ金利政策をとり、更に大規模量的緩和を

行う。

同時に、菅直人内閣総理大臣は、景気が回復し、デフレが止まるまでは、

所得税、住民税、消費税率をそれぞれ思い切って、暫定的に引き下げる、

という、常識では考えられないぐらいのことを発表して世界をアッと言わせないと、

状況は悪化する一方でしょう。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年8月 | トップページ | 2010年10月 »