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2010.10.20

「基調判断を20カ月ぶり下方修正=10月月例経済報告」「問題は資金需要が出てこないこと=全銀協会長」

記事1:基調判断を20カ月ぶり下方修正=10月月例経済報告(ロイター 10月19日(火)14時8分配信)

政府は19日に発表した10月の月例経済報告で

景気は、このところ足踏み状態となっている。また、失業率が高水準にあるなど厳しい状況にある」とし、

基調判断を2009年2月以来、20カ月ぶりに下方修正した。

各論では生産と輸出を下方修正する一方で、住宅建設は上方修正となるなど、

景気は横ばい圏内での推移となっている。エコカー補助金の終了などに伴い、

先行きについては「当面は弱めの動きも見込まれる」としているが、持ち直しへの期待感も示している。

輸出については「このところ弱含んでいる」とし、前月の「このところ増勢が鈍化している」から下方修正した。

中国向け輸出は一進一退、その他のアジア向けは弱含みとなっている。

生産について同報告では「弱含んでいる」とし、前月の「緩やかに持ち直している」から下方修正した。

自動車の生産調整やアジア向け輸出の弱含みなどに伴い、10月の製造工業生産予測もマイナス見通しとなっている。

住宅建設は、「持ち直している」とし、前月の「持ち直してきたが、このところ横ばいとなっている」から上方修正した。

貸家の着工がプラスに転じたことなどが影響した。

海外経済については、判断に変更はなかった。(以下、略。色文字は引用者による。)


記事2:日銀の包括緩和、問題は資金需要が出てこないこと=全銀協会長(ロイター 10月19日(火)17時21分配信)

全国銀行協会の奥正之会長(三井住友銀行頭取)は19日の定例会見で、

日銀の包括的な金融緩和策について、すでに市場には潤沢に資金があり、

資金需要が出てこないのが問題だとの認識を明らかにした。

そのうえで、デフレを克服させるために実体経済を成長させることが重要だと語った。

奥会長は緩和効果について「量的な側面ではすでに資金が出ており、どれだけ効果があるのかという感じがする」と述べた上で、

「思い切ったメッセージを市場に与えたことが大事」と評価した。

包括緩和策が銀行経営に与える影響については、利ザヤが縮小する一方で長期金利低下による債券価格の上昇をもたらすとし

「プラスマイナスがあり、収益的な影響は限定的」と説明した。


◆コメント:月例経済報告とは。

月例経済報告とは、内閣府が毎月発表するレポートで、「政府が」日本経済をどのように認識しているか、

公式見解を示します。これが内閣府サイトのトップページです。

この中の、統計情報・調査結果 - 内閣府を下までスクロールすると、

「その他」の月例経済報告関係資料等からリンク先を見て、

更に、一番上、平成22年の10月をクリックすると

PDFファイルが開かれ、「月例経済報告」(平成22年10月)とありますね。

全部読むのは面倒ですが、結論に相当する「基調判断」が最初のページに書いてある。

記事1のとおり、

景気は、このところ足踏み状態となっている。また、失業率が高水準にあるなど厳しい状況にある。

とあります。こういう資料は単月では何も意味を為さないのです。記事1には、「下方修正」と書かれています。

過去の「基調判断」の推移は、金融情報専門のブルームバーグを見ます。

ここに、月例経済報告:過去の基調判断(表) が載っています。

2009年2月以来の下方修正といいますが、それはあまり重要ではない。

因みに前回の下方修正とは、
2009年1月「景気は、急速に悪化している。」

2009年2月「景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状況にある。」になった。

これは、この前年、2008年9月15日のリーマン・ショック以降、世界中の景気が、誰も経験したことのないような

勢いで後退していく最中ですから、不思議はないのです。


◆今回は、少し回復しかけた景気がまた、落ちこむかも知れない、という恐怖感があるのです。

前回の基調判断の下方修正は、日本だけではなく、世界中の景気が後退していたので、

別に不思議はなかったのですが、今回は、漸く少しだけ、景気の見通しが明るくなったかな?

と思い始めたところなのに、また、逆戻りするかも知れない、という不気味さを伴います。


日銀は、10月4日、5日の金融政策決定会合で、ゼロ金利政策を取ることと、市場への資金供給を

一層潤沢にする、という決定を下しました。

日本銀行 2010年10月 5日「包括的な金融緩和政策」の実施について(13時38分公表) (PDF, 177KB)

仮に金融緩和が効果をもたらすような状況だとしても、その効果が現れるのには数ヶ月を要します。

今日の月例経済報告とは直接結び付けられません。問題は日本銀行がゼロ金利政策と量的緩和に踏み切っても

今のままでは、景気浮揚効果、具体的にはデフレの克服に貢献しないであろうということです。


◆だーかーら。金融緩和しても総需要が増えないと、景気浮揚効果はない、と以前から書いています。

今月の日本銀行が一段の金融緩和を決定した後、私は、

2010年10月08日(金) 「円急伸、一時81円72銭に 米雇用者数が予想超え減少」←世界中が金融緩和政策を取ろうとしているのです。ココログ

で、
いくら、日銀が金融緩和しても、市場に資金が不足し、銀行が貸し渋るから不況なのではなくて、長らく不況で家計の支出が滞っている。

GDPの約60パーセントを占めるのは、個人消費なのです。

と書きました。記事2で全銀協会長が「問題は資金需要が出てこないこと」と言っているでしょう?

しかし、ではどうすれば企業の資金需要が増えるかというと、モノやサービスが売れて、

それに見合うように企業が設備投資をしなければならない、という状態にならなければいけません。

全銀協会長は、その為に何をすべきか、とはっきり言いませんが、法人税だけを下げて、

企業に資金の余裕が出来たところで、設備投資をしてまでモノを作っても売れなければどうしようもない。

最終需要、即ち家計の消費を増やすためには、

1.企業が従業員の給与を大幅に引き上げる。

2.減税によって、家計の可処分所得を増やす。

しか、方法はない。1.は期待出来ません。企業は収益が減っているのに従業員の給与を引き上げる理由が無い。

2.減税(所得税、地方税、消費税)により、総需要を増やすことが最も効果的だと思います。

政府は8日に5兆500億円の緊急経済対策を閣議決定しましたが、その内容は当然限りがあり、

(1)雇用・人材、(2)新成長戦略の推進・加速、(3)子育て、医療・介護・福祉等、

(4)地域活性化、社会資本整備、中小企業対策、(5)規制・制度改革となっていますが、

具体性に乏しく、総需要を創出する効果があるかどうか分かりません。減税は国家全体の家計の

可処分所得を増やすのですから、効果が大きいと思います。

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