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2010.10.14

【加筆】日本のメディアが一日中、「チリ鉱山落盤事故、○人目救出」を伝える必要はない。

◆「10人目救出、11人目救出」と報じる必要はない。

今日は全てのテレビが朝から地球の裏側のチリで、鉱山の落盤事故のため地下700メートルに閉じこめられた33人を

69日目に、地上に連れ戻したという話で持ちきりだったが、何故、日本のテレビがそのことを逐一報ずる必要があるのか

理解に苦しむ。

確かに、こんな状況は、非常に珍しく、私も半世紀生きてきた初めての出来事だが、

要するに、地下に閉じこめられた33人が元気にしていることは分かっていたし、

救出の準備が出来たことも、それがまず間違いなく、成功することも予め分かっていたはずである。


無事だったのは何よりだが、1人目が地上に現れた、と報じられたのは13日(水)の正午過ぎである。

それから、2人目が、3人目と逐一放送し、14日(木)に日付が変わっても、

◆記事:<チリ落盤>16人目の作業員を救出 ペース上がる(毎日新聞 10月14日(木)0時54分配信)

【コピアポ國枝すみれ】チリ鉱山落盤事故で地下700メートルに閉じ込められた33人の救出作戦は

13日昼過ぎ(日本時間14日未明)も継続され、16人目の作業員が救出された。

まだやっている。いい加減にしたらどうか。

無事なんだから。報道するなら、はじめの1人が救出されたときと、最後の1人が救出されたときに

それを短く報じれば良いではないか。チリの救出劇の最中にも、日本では色々なことが起きているのだ。


◆今日の主なニュースからいくつか。

まず、朝一番で発表された経済指標。

内閣府が8月の機械受注を発表。前月比10.1%増と予想を上回った。

しかし、機械受注を大型案件が数件あると、大きくぶれる。また、リーマンショック後、

物凄く落ちこんだので、相対的に改善するのは、当然である。前月比で機械受注が約10パーセント増は

事実だが、この先、生産が増えなければ機械受注は再び、減少する。手放しで喜べない。


また、日本銀行が、9月の貸出・資金吸収動向(速報)を発表した。

前年同月比、マイナス1.8パーセント。10ヶ月連続の減少である。

これほど金利が低いのに、貸し出しが増えないのは、日銀が書いている通り、

企業の運転資金と設備投資の需要が低迷しているからである。

先日、

「円急伸、一時81円72銭に 米雇用者数が予想超え減少」←世界中が金融緩和政策を取ろうとしているのです。

で書いた通り、いくら日銀が金融緩和策を実行し、ゼロ金利政策と資金供給をしても、

企業に需要がない(資金を必要としていない)のであるから、金融政策でデフレを止めること、

その前提として総需要を増やすのは無理なのである。


経済が続いて恐縮だが、一瞬、我が目を疑ったニュース。
◆記事:自国通貨安はG20協調から外れる、中・韓も責任ある行動を=首相(ロイター 10月13日(水)11時29分配信)

 菅直人首相は13日午前の衆院予算委員会で、為替介入などによる自国通貨安誘導について

「G20で為替の過度の変動は好ましくないとの合意を得ている。

自分の国だけ低いところに(為替水準を)人為的に誘導するのはG20全体の協調からは外れている」と指摘。

中国や韓国など為替介入を繰り返してる国に対して「韓国、中国にも共通ルールの中で責任ある行動をとってほしい。

日本も為替介入をしており、言い方は難しいが、(日本の)姿勢を示していく必要がある」と語った。

西村康稔委員(自民)の質問に答えた。

首相自身「日本も為替介入をしており」と述べているが、日銀による市場介入は、

自国通貨(=日本円)安に市場を誘導しようとする行為に他ならず、

記事にようなことを述べるなら、「あの介入は何だったのか?」と突っ込まれたら、

答えようがないのである。


それから、これも感心しませんねえ。
◆臨界前核実験を先月実施=オバマ政権初―米ネバダ州(時事通信 10月13日(水)7時49分配信)

米政府が核爆発を伴わない臨界前核実験を9月15日にネバダ州で実施していたことが12日分かった。

オバマ政権下では初めてで、2006年8月以来、約4年ぶり。核戦力を維持するのが目的。

オバマ大統領は核廃絶を提唱しているだけに、批判を浴びそうだ。

エネルギー省傘下の国家核安全保障局(NNSA)によると、ニューメキシコ州のロスアラモス国立研究所の科学者が

地下約300メートルの核実験場で行った。高性能火薬を爆発させ、その衝撃波によるプルトニウムの反応を確認した。

地上への放射能漏れはなかったとしている。米国の臨界前核実験は通算24回目。

NNSAは「保有する核兵器の信頼性と安全性を維持するために必要な情報を得るのが目的」と説明している。

オバマ大統領が「核廃絶」を訴えて、昨年のノーベル平和賞を受賞したことは世界中が知っている。

そうはいっても、瞬間的に世界中が「せーの」で核兵器を無効に出来るのならまだしも、現実的には無理である。

オバマ自身、「自分が生きている間に(核廃絶を)実現するのは難しいかも」という趣旨の発言は平和賞受賞前から

言っていることで、この実験も専門家に訊けば色々と「言い訳」が可能なのだろうが、批判が既に噴出している。

そうなるでしょうなあ。


この他にもまだまだ、ニュースはある。

チリの鉱山から何人救出された、ということを伝える前に、日本のメディアが報道すべきことは、

いくらでもあった。

事の軽重を判断出来ないようなメディアばかりでは、困るのだ。

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コメント

wolfyさん、コメントをありがとうございます。

>受け手に事の軽重を判断出来ないように誘導するのが、
>メディアのメディアたる所以であると聞いたことがあります。

ははあ、これは強烈な皮肉ですね。
本来、判断の選択肢を提示することと、
事の軽重が分からない大衆にそれを示すのがマスコミの仕事のはずですからね(笑)。

投稿: JIRO | 2010.10.21 21:56

jiro様へ
受け手に事の軽重を判断出来ないように誘導するのが、メディアのメディアたる所以であると聞いたことがあります。

投稿: wolfy | 2010.10.15 08:54

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