【音楽】9人のトランペット奏者による、フンメル:トランペット協奏曲 第三楽章。
◆私事で恐縮ですが、ちょっとバタバタしておりまして。
と言っても、特別な事とか不慮の事故とか、身内に不幸があった
ということではありません。息子の受験の関係です。
それで、少々神経が苛立っております。こういうときは時事評論を書いても、
世相に関するエッセイを書いても、自然と不機嫌な嫌な文章になりがちです。
気を鎮めようと思ったら、ゆったりした音楽、とは限りません。
自分が一番好きな音楽を聴くのが良いと思います。
良いと思います、といっても、ピリピリ、カリカリしているのは私だけで、
読者の皆様にお付き合い頂くのは甚だ心苦しいのですが、
フンメルのトランペット協奏曲。ハイドンと並んでトランペットを勉強する人は
絶対に避けて通れない曲です。特に第三楽章のロンドは大変演奏が難しく、
なかなか、本当に満足する演奏には出会いません。
9人のプロの演奏を並べてみます。
◆ベートーヴェンと同時代のピアノの名手だったそうです。
フンメルは1778年~1837年。ベートーヴェンが1770年~1827年ですから、同時代の人ですね。
フンメルとベートーヴェンは当時のヨーロッパの「二大ピアニスト」だったらしい。
そのフンメルがどうして「トランペット協奏曲」を書こうと思ったのか分かりませんが、
そういうのは珍しいことではなく、チェリストが書いたフルート協奏曲や、
ヴァイオリニストが書いたトロンボーン協奏曲など、色々あります。
◆演奏です。(順不同)
それでは、フンメル作曲:トランペット協奏曲 変ホ長調(本当はホ長調)より、
第三楽章を、色々な演奏者で聴き比べます。まず、不世出の名手、モーリス・アンドレ。
モーリス・アンドレ
次は、最近の若い人が「最も上手いトランペット」に挙げることが多い、
元ウィーン・フィル首席トランペットのハンス・ガンシュです。
ハンス・ガンシュ
悪いけど、大分違います。
次は、元ニューヨーク・フィルハーモニックの副首席トランペット奏者でしたが、
指揮者に転向したジェラード・シュウォーツ。この人は上手いと思います。
ジェラード・シュウォーツ
もう一人、アメリカ人。エンパイア・ブラスという金管アンサンブルのリーダー、
ロルフ・スメドヴィック(ROLF SMEDVIG)という人です。かなり上手いと思います。
ロルフ・スメドヴィック(ROLF SMEDVIG)
次は、天才少年と言われたロシアのトランペット奏者、セルゲイ・ナカリャコフ。
かつて、NHKの朝ドラ「天うらら」のオープニング曲(小六禮次郎作曲)を吹いた人。
セルゲイ・ナカリャコフ
上手いですけど、ちょっと粗いです。この人だけB管で吹いています(他は多分、全員E♭管です)。
次は、英国人。元・フィルハーモニア管弦楽団、首席トランペット奏者、ジョン・ウォレス。
シノーポリ=フィルハーモニア管弦楽団の、マーラー「交響曲第五番」の冒頭のトランペットはこの人です。
ジョン・ウォレス
オーケストラだと、あれほど上手いに・・・・というのが正直な感想です。
次は女性です。英国人のアリソン・バルサムという人。こういう人がラッパ吹きだとは
普通、想像できませんよね。
アリソン・バルサム
もう一人、女性。かつて、
【音楽】新しい才能の発見。女性トランペット奏者、Tine Thing Helseth(ティーネ・シング・ヘルセス)。
で取りあげました。今回ご紹介する奏者の中では一番若いです。この人は才能ありますね。かなり上手い。
ティーネ・シング・ヘルセス
最後、この人はCDを持っていないので、YouTubeから持ってきます。非常に音質が悪いのですが
悪しからず。本来、ジャズ・トランペット奏者のウィントン・マルサリス。
Wynton Marsalis
上手いことは抜群に上手いのですけど、何かあまり吹いていてもたのしそうじゃないですね。
以下は私の主観です。
何人か聴いて頂きましたが、モーリス・アンドレに匹敵する人、いないのです。
このフンメルの第3楽章は、他の曲はパラパラ吹ける人でも相当難渋します。
これを聴くと、腕のほどが分かります。確かにかなり上手い人はいますが、
モーリス・アンドレほど易々と、軽快に、あたかも簡単な曲であるかの如く聴かせられる人は、
他にいません。やはり、好き嫌いはあっても、モーリス・アンドレこそ不世出の名手なのでしょう。
【読者の皆様にお願い】
是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。
◆家内のピアノ教室、生徒さん、募集してます。
詳細は、
2010.11.20 【音楽・映像】11ヶ月前、ゼロからピアノを始めた方の演奏。/家内のピアノ教室、生徒さん、募集してます。
をご参照下さい。
◆【お願い】コメント記入の際、「名前」だけは(勿論仮名で結構ですので)お書き下さい。
コメントを記入して頂く欄に名前もメールアドレスも(任意)となっています。
メールアドレス必須にすると、プロバイダーのアドレスを入れる方が(失礼ですが、特に年配の方に)多いので、
それを避けるために、メール入力を不要にしておりますが、
ココログの仕様で、コメント欄に「名前・メールアドレス記入必須」にするか否かの設定は可能なのですが、
「名前は必須」「メールは任意」という設定ができないのです。このため、「名前」を空白のまま、
コメントを書いて下さる方がいらっしゃいますが、レスの時、なにも仮名が無いと、困るのです。
「名無し」でも「ABC」でも「匿名1124」(日付ですな)でも、あるいは単に「匿名」でもいいので、
何か、埋めていただき、コメントを記入して頂けると幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
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コメント
マイスターフォークさん、こんばんは。
度々、ご丁寧なコメント、恐縮です。
>僣越です私の紹介ですが全日本に度々参加します吹奏楽団でクラリネット演奏して35年程なります。
>楽器始めてからは50年近くなり創業メンバーで指揮を10年くらい兼任してました。
誠に羨ましい。私に人間には、仕事運とか、金運とか、色々言いますけど、「楽器運」と「合奏運」があるとおもいます。
私は東京都杉並区という、手前味噌ですが、さほど野蛮ではない、むしろ、比較的知的な人が多い所で生まれ育ちました。
ところが、この行政区画は不思議なほど、音楽教育に不熱心で、なんと、小学校にも中学校にも「吹奏楽部」が存在しませんでした」。
それでも、私はどうしてもトランペットが吹きたかったので、個人レッスンでトランペットを吹き始めました。
日本で「素人」で「トランペット」を「個人レッスン」から始めた人というのは、かなり珍しいと思います。
おわかり頂きたいのですが、これは自慢ではなく、そうせざるを得なかったということです。
高校では漸く、吹奏楽部自体は存在しましたが、吹奏楽コンクールなど、「雲の上」どころか「成層圏の外側」の世界と言うくらい、
全く、お話にならないほどヘタクソ(基礎が全然出来ていないのです)で、私は、指揮者のOBに、
「こんな状態で、曲なんか練習しても仕方が無い。それ以前の段階で、皆、そもそも正しく楽器を鳴らせていない。
まず、個人レッスンにつくなりトレーナーを頼んで、ロングトーンとスケールに1年か2年を費やすべきだ」と非常に当然のことを
言いました。今でも絶対、私が正しいとおもいますが、指揮者やその他と相容れず、一年ほどで退部しました。
社会人になってからは朝は七時半に出社し、帰宅は午前零時以降ですから、楽器どころではない。
ですから私のように「楽器を続けたくても続けられない」「良い合奏体に縁が無い」人間からすると、
正直いって、 マイスターフォークさんやご令息に嫉妬を覚えざるを得ません。
自分で演奏できないフラストレーションをなんとか聴くことや、知識を蓄えることで、補っているというか誤魔化していますが、
楽器を続けている方々に対して、ものすごい劣等感と嫉妬を覚えているのが本当の私でして、実につまらない人間です。
私は、現在51歳でまだ、昔ほど忙しくは無いけれども会社員です。
今から一念発起してトランペットを買って師匠について練習する気力もなくなりました。
非常に悔しいのですが、音楽を演奏したいのに、結局できないまま生涯を閉じることになりそうです。
マイスターフォークさま、ご令息はどうか演奏をお楽しみになり、充実した人生をお送り下さい。
なんどもくどくて申し訳ありませんが、私は残念ですがもう、諦めました。
投稿: JIRO | 2012.01.03 00:23
管理人さん 返信ありがとうございました。
明けましておめでとうございます。
僣越です私の紹介ですが全日本に度々参加します吹奏楽団でクラリネット演奏して35年程なります。
楽器始めてからは50年近くなり創業メンバーで指揮を10年くらい兼任してました。
昨年秋発売した私達楽団のCDはYAMAHA銀座店のベスト5くらいを維持してるみたいです。
息子はtrpを小学校6年から隣りの県プロオケの方に預かっていただき地元美術大学卒業後に自衛隊音楽隊で演奏し除隊後、福祉会社で三交代しながらアマオケで演奏楽しんでます。
私達は大変田舎な地方ですが昔から吹奏楽がとても盛んで全日本トップ目指す県ですが私が楽器始めた中学校は吹奏楽部は20人くらいで野球部応援の為に応援団にありました!
木製の楽器は進学してから見ました…こんな状況なので全てが未知で知りたく、バイトしながら楽譜や楽器買うとか、専門家レッスンや音大講座などに夜行列車で通う時代もあり、その後上京して大学通いながら演奏続けて地方に戻り現在の楽団を立ち上げる仲間に恵まれ何とか至ってますが、好きこそモノの上手、下手の横好きは私にはどちらも当たります。。(笑)
楽器のコンディションは妥協しないで睡眠時間削りながら練習しなければ行けないし私はその為に酒煙草は一切やらなくなってしばらくなります。
息子も以前は同じ楽団で全日本に一緒に4回参加したのは少し誇りです。
アマチュアですが70人の団員の前で1番難しい処を1人で演奏させられる楽団です…大変です!
ギュットラ―東独のアンドレと呼ばれた30年以上前に何故か地方にベルリン室内合奏団のソリストで来た時に聴きました。
長身揺らし折り曲げながらマルチェルロ等ドイツスタイルのピッコロトランペットはObかソプラノSaxのリ―ドついてるような艶やかで伸びやかな歌でした。
ガンシュは隣県オケに招かれハイドン、フンメル、ロシア・アルチェニアンのコンチェルト一晩に3曲でした。
午前中にリハーサルで全部とうし…
朝から見学しましたがミスらしいミスも無く柔らかい幅広い音でピストンより演奏が難儀なB管ロ―タリィで聴かせて頂きました。
音楽も全く古典の中での自在でした。
長くなりましたが管理人さんの知識の蓄積、情熱本当に素晴らしいと思います。音楽楽しんで愛して下さいね!
是非これからも拝見させて下さいよろしくお願いします♪
投稿: マイスターフォーク | 2012.01.02 16:20
マイスターフォークさま、
あけましておめでとうございます。JIROです。
ようこそおいで下さいました。
元旦に、私が本当はこの世でもっとも好む、トランペットに関する記事にコメントを頂戴して、
大変、嬉しく思っております。ありがとうございます。
>ガンシュ氏はハイドンとフンメルはB管ロ-タリです。
>ちなみにウィ-ンpoのオ-ディションも義務付けられてます。
そうなのですか。ロータリーかピストンかはさておき、オーケストラのオーディションで、ハイドンとフンメルが
課題の場合は、B管というのは、ウィーン・フィルもそれ以外も、また、洋の東西を問わず、同じようですね。日本のオケも、オーディションのハイドンは、
必ずB管だそうで・・。
>アンドレも初来日から聴いてますが彼が居らなかったら、此所まで世界のlevelは上らなかったでしょうが、
>彼の音色、音程、スタイルは典型的ソリストでしょう。
全く同感です。
話が逸れますけれども、アンドレを初来日から、と仰有るところで、私と同年代か目上の方かと思います。
今では、アンドレを初めて聴いたときのあの、驚嘆を語っても、若い人には当然通じませんので(笑)。嬉しく思います。
アンドレは完全なソリストですね。オーケストラであの吹き方をしたら、大変です。しかし「トランペット・ソロ」などという分野に
光が当たるようになったのは、アンドレや、ハーセスは、アドルフ・シェアバウムを尊敬しているといいますが、
ソリストの地位を確立したのは、ひとえにアンドレの功績であることは、論を待ちませんね。
>今の世界のベスト3人はやはりガンシュ、マチアス・ヘフス、ラインホルト・フリ-ドリッヒ…を挙げる方が多いですし
>私もいろんな公演や音楽性・音域と音色の安定・ラッパには大切なスタミナ等を考慮すると
>以上の3人が良い仕事しておりますが、いかがでしょう。
マティアス・ヘフス、ラインホルト・フリードリッヒ両氏に関しては全く異論ございません。
ラインホルト・フリ-ドリッヒは、アバドのブランデンブルク全曲のDVDがありますが、
2番に於ける、フリードリッヒ氏の演奏の見事さは、驚嘆するべき物があります。
ガンシュ氏に関しては、正確に述べますと、判断するほど十分聴いていないのです。
ヘフス氏とガンシュ氏が一緒に録音しているCDの存在を知り、入手しようとしたのですが、
あいにくその時は品切れでした。
このフンメル三楽章だけを聴くとちょっと、タンギングの切れなどに関して疑問符が付きますが、
仰有るとおり玄人すじの評価が非常に高いので、もう少し色々聴きたい、と考えております。
年代は溯りますが、ギュトラー氏も大変優れたトランペット奏者と思っております。
また、よろしければ遊びにいらしてください。
有難うございました。
投稿: JIRO | 2012.01.01 23:36
管理人さん 楽しい企画です。
ありがとうございました。
ガンシュ氏はハイドンとフンメルはB管ロ―タリです。
ちなみにウィ―ンpoのオ―ディションも義務付けられてます。
アンドレも初来日から聴いてますが彼が居らなかったら、此所まで世界のlevelは上らなかったでしょうが、彼の音色、音程、スタイルは典型的ソリストでしょう。
プロや玄人筋は今の世界のベスト3人はやはりガンシュ、マチアス・ヘフス、ラインホルト・フリ―ドリッヒ…を挙げる方が多いですし私もいろんな公演や音楽性・音域と音色の安定・ラッパには大切なスタミナ等を考慮すると以上の3人が良い仕事しておりますが、いかがでしょう。
投稿: マイスターフォーク | 2012.01.01 07:40