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2010.11.05

「NHK、番組のネット配信本格化へ 会長が方針」←「アーカイブズ」をネットで利用出来るようにして頂きたい。

◆記事:NHK、番組のネット配信本格化へ 会長が方針(朝日新聞)(2010年11月4日)

NHKの福地茂雄会長は4日の定例記者会見で、インターネットへのテレビ番組配信にNHKが本格的に乗り出す方針を明らかにした。

すでに片山善博総務相らに放送法の改正を求めているという。番組をテレビ放送と同時にネットにも流すことを視野に検討している。

福地会長はネットへの番組配信は公共放送の役割という考えを示し、

「そのためには放送法改正が必要。準備を今から進めないと(2012年度にはじまる)次の経営計画はつくれない」と述べた。

放送法でNHKは、無線による放送が業務の核とされている。

放送済みの番組をネットに配信する有料サービス「NHKオンデマンド」は、

放送ではなく通信にあたるとしてNHK本体とは別会計で行っている。

福地会長は「放送とか通信とか、コップの中だけで競争している時代ではない。

視聴者に合わせた放送のあり方、番組のあり方があるのではないか」と強調した。


◆コメント:それはそれで、結構なことですが、昔の番組をネットで買えるようにして貰えないかな。

うーん。放送法では、無線が「放送」でネットは「通信」なのか。

記事の最後に載っているNHK会長の言葉のとおり、そんなことは利用者にとってはどうでも良い。


それより、気になるのは、福地NHK会長は「番組のネット配信本格化」へと言っているそうだが、

どうも念頭にあるのは、今現在、あるいは比較的近い過去に放送済の番組をネット配信することばかりを

考えているようだ、ということである。


今も過去の番組を視聴することは可能だが、そのためには、NHKアーカイブズという施設に

出かけなければならない。全国に少しずつあるようだが、最大のものは埼玉県のNHKアーカイブズ川口である。

東京から近いと言えば近いが、結構行きにくい場所だし、平日の営業時間(?)は9時~17時である。

当然週末に行くことになるが、混雑するのだろう。一人一回の使用時間は2時間まで、と決まっている。

私はとても行く気がしない。そこで、NHKの側から勝手に過去の番組を選び、放送したり、

現在のネット配信システム、NHKオンデマンドで公開しているが、

どの番組を載せるかは、NHKが決めている。


しかし、当然のことながら、人それぞれ興味が異なる。

私ならば、放送年月は忘れてしまったが、内容をはっきり覚えているのは、

私の尊敬する指揮者、ウォルフガング・サヴァリッシュ先生が毎年N響を振るために

来日していた現役バリバリの頃、NHK教育テレビで、ベートーヴェンの全ての交響曲を、一曲ずつ

スコアを見せながら、ピアノを弾きながら、極力素人にも分かるように解説して下さった番組である。

あんなのは、何十年経っても、サヴァリッシュ先生の生演奏を聴いたことが無い若い人でも、音楽家でも

興味深いに決まっている。


もうひとつ、音楽関係では、かつてNHK教育では夕方、毎週月曜から木曜まで、

何曜日がどの楽器かわすれたが、ピアノ、ヴァイオリン、フルート、ギターのレッスン番組があったのだ。

それは初級コースと上級コースに分かれ、今放送されているような、インチキ3ヶ月速成音楽番組ではなくて、

オーディションを合格した一般人の生徒(必ずしも音楽家志望でなくて構わない。むしろそうではない人が多かった)が

選ばれ、半年に亘って各楽器の大先生に習うのである。


ヴァイオリンなら、数多くの名演奏家(元・ベルリン・フィル、第一コンサートマスター、安永徹さんもお弟子さんの一人)を

育てた江藤俊哉先生が担当したことが何度かあった筈だ。あれは、ヴァイオリンを弾かない人間ですら興味深かった。

フルートなら、今のフルーティストの先生の先生ぐらいにあたる、昔のN響首席、吉田雅夫氏や、

私の年代にはお馴染みの小出信也氏、他。ギターは荘村清志氏、他

ピアノは、弘中孝氏、田村宏氏、井内澄子氏、安川加寿子氏、松浦豊明氏、宮沢明子氏、他

当時、目の眩むような大先生ばかりだったが、生徒も出来が良く、限りなく興味深かった。


現代史に関わるものでは、「バックミラーの証言 20人の宰相を運んだ男」

柄澤好三郎さん79歳(引用者注:番組放送=1981年8月当時)。彼は昭和2年から22年間、内閣総理大臣付のドライバーとして、

バックミラーにその時々の宰相の姿を見続けてきた。

テロと戦争をかいぐり現役を退いた彼が今初めて語る田中義一から片山哲までの知られざる宰相像。

この番組放送当時は当然すでに普通のおじいさんだったのだが、何しろ、自分の目で東条英機も鈴木貫太郎も米内光政も

見ているのだから。その証言は極めて興味深かった。

東条英機は朝食を摂らず、デミタスカップ一杯のトロトロの濃いコーヒー一杯だけだったとか、

まあ、そんなのは枝葉末節だけれども、NHKの映像には、殆ど資料というより、史料に近いものが沢山ある。

私は、先週、1年分の受信料、25,500円を支払いましたけどね。それ以外にこういう番組を

ネットで検索して、自宅で見られるようにして欲しいですね。それは別料金でも良いよ。情報はただじゃないから。

YouTubeなどにこうしたNHKの過去の番組を誰かがアップすると、どうやら見張っている担当者がいるらしくて、

アッというまに削除される。それは著作権法上正当な権利行使だが、NHKは著作「権」ばかりを主張する。

分かった。それは守るから、カネを払っても良いから、もっと自由に見られるようにしてくれ。

NHKオンデマンドの315円で24時間しか見られない(例外もあるが)料金設定も、どうかと思う。保存は勿論できないのだから、

視聴可能期間を延ばすか、料金を下げるか、どちらかにして欲しい。余程のことがないと利用する気にならない。

番組をネット配信するなら、我々のように真面目に(というか当然なのだが)受信料を納めている利用者のニーズを、

良く調べて欲しい。

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コメント

猫野さん、こんばんは。

コメントをありがとうございます。

>特に、N響のうんと過去のものから演奏映像を開放して頂きたいです。
>意地が悪過ぎはしないか? とさえ思っていました。
理解に苦しみます。

全くですね。過去の映像、例えば1950年代にカラヤンやストラヴィンスキーが来日し、一ヶ月以上も滞在して、N響を

指揮していますが、こういう映像をNHKはDVDにして売っています。

普段から真面目な視聴者は受信料を払って見ているのですから、もう少し融通が聴かないものか、と思います。

たまたま、今日(11月7日)の昼間、アポロ11号の月面着陸の様子を放送していましたが、これは、毎週「有名人」のリクエストに応えて、という形式です。

それはそれでも良いですが、お客(一般視聴者)をもっと大事にして欲しいものですね。

投稿: JIRO | 2010.11.08 01:54

JIROさん、こんばんは。
猛暑が続き疲弊しているところへいきなり冬のような冷え込む日もありますが、お元気でお過ごしでしょうか?

今回のニュース、同じように思います。

特に、N響のうんと過去のものから演奏映像を開放して頂きたいです。意地が悪過ぎはしないか? とさえ思っていました。
理解に苦しみます。

読売日響は「第2日テレ」の「深夜の音楽会」というコーナーで若干見せてくれているので良心があるように思います。

投稿: 猫野 | 2010.11.05 02:19

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