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2010.11.17

「裁判員裁判初の死刑判決、裁判長が控訴勧める」←裁判員制度は、廃止すべきだ。

◆記事:裁判員裁判初の死刑判決、裁判長が控訴勧める(読売新聞 11月16日(火)12時4分配信)

裁判員裁判初の死刑判決となった法廷で、横浜地裁の朝山裁判長は

「あなたは法廷ではいかなる刑にも服すると述べているが、重大な結論ですから、裁判所としては控訴することを勧めます」と最後につけ加えた。

公判は事件を分割する「区分審理」が適用され、覚せい剤密輸事件などについては別の裁判員らが審理し、

10月14日に有罪の部分判決が出ている。今回は、部分判決も踏まえて量刑を決めた。

判決によると、池田被告は昨年6月、マージャン店の経営を巡って男性経営者(当時28歳)と男性会社員(同36歳)と

トラブルになっていた近藤容疑者の依頼で、2人を千葉県内のホテルに監禁。

男性経営者から現金約1340万円を奪った後、2人を殺害し、遺体を横浜市金沢区の海や山梨県鳴沢村の富士山麓に捨てた。


◆コメント:やはり、裁判は専門家に委ねるべきだ。

先日の「耳かき店員」殺人も、店員とその祖母を2人をナイフでメッタ刺しにして殺した男が、

裁判員裁判で無期懲役の反希有を受けた。当然検察は控訴すると思っていたらなんと、控訴断念で、

無期が確定してしまった。

◆記事:<耳かき店員殺害>控訴断念を遺族に説明 東京地検(毎日新聞 11月12日(金)21時21分配信)

 耳かきエステ店員の江尻美保さん(当時21歳)ら2人が殺害された事件で、殺人罪などに問われた

無職、林貢二(こうじ)被告(42)を無期懲役とした東京地裁判決(1日)について、

裁判員裁判で初めて死刑を求刑した東京地検は12日、控訴しないと発表した。

弁護側も控訴しない方針を決めており、控訴期限(15日)経過後に無期懲役が確定する。

信じられない。林貢二被告人は、耳かきエステ店員のみならず、その祖母の首をナイフで16回もメッタ刺しにした

男である。無期懲役は終身刑ではない。いずれ社会に戻る。こんな男を生かすのか、と私は義憤を押さえられなかった。


今日の横浜地裁では、裁判員裁判で初めての死刑判決が言い渡された。判決文で、朝山芳史裁判長は
あまりにも行為の残虐性が非人間的で、最大限酌むべき事情を考慮しても極刑は免れない

と断じておきながら、最後に、
重大な判断になったので控訴を勧めたい

と述べた。多分、裁判員などいなくて、法律のプロだけで判決を決めたら、このようなことは言わなかったであろう。

これは推測だが、裁判長が控訴を勧める、と言ったのは、裁判員の意見が割れ、

犯行内容を考慮しても、死刑は反対、と執拗に主張した裁判員がいて、その意見を配慮したのではないか。

だとしたら余計に困る。裁判員の1人が閉廷後の記者会見で次のように語っている。
50代裁判員「法廷で何回も涙」

裁判員6人のうち、50代男性1人が判決後記者会見に応じ「すごく悩みました。法廷で何回も涙を流してしまった。

今でも思い出すと涙が出る。それで察してください」と述べ、生死を分かつ判断の重みに苦悩した日々を振り返った。

池田被告の態度について「初公判では『おれは悪いことしたんだ、殺せ』と言っているように見えた。

だが、遺族の意見陳述を聞いているのを見た時、目が赤くなっているのが見えた。それを見て自分たちも泣いてしまった」

と言葉を絞り出すように話した。

プロの裁判官は、どんなに悲惨な事件でも、決して感情を顔に表さない、表さないだけでなく、理性で感情を制御する

訓練を受けている。裁判官が法廷で泣いたら、感情に流されて、冷静な判断力を失っているのではないか

という疑念が生じる。判決を下す人間は、公平であることが求められている。裁判官が法廷で泣くことは許されない。

裁判員は裁判官ではないが、判決を下すプロセスに参加するのであるから、その立場に置かれたら、

法廷でボロボロ泣いているようでは困るのである。


池田被告人は何をしたか。
◇池田被告人の起訴内容

池田被告は、東京・歌舞伎町のマージャン店の元経営者である近藤剛郎容疑者(26)=強盗殺人容疑などで国際手配=と

覚せい剤密輸を通じて知り合い、店の経営権などを巡り近藤容疑者ともめていた

経営者(当時28歳)と会社員(同36歳)の監禁などを依頼され

▽09年6月、経営者ら2人を千葉県のホテルに監禁=逮捕監禁罪

▽経営者の婚約者らに計約1340万円を持参させ奪った上、

首を果物ナイフや電動のこぎりで切断し2人を殺害=強盗殺人、殺人罪

▽遺体を切断し横浜市の海などに捨てた=死体損壊、死体遺棄罪。

しかも、池田被告人はなんと、命乞いをする2人を生きたまま電動のこぎりで切断し、殺害したのだ。

11月10日に行われた検察の論告によれば、
監禁した千葉県のホテル浴室で、会社員(当時36歳)が「最後に母と妻に電話させてほしい」と訴えるのを無視し果物ナイフで首を切り、

「せめて先に殺してから切ってください」と懇願する経営者(当時28歳)の首を電動のこぎりで切断したと述べた。

という。これで死刑にならないならば、死刑が存在する意味が無い。

所詮、初めて法廷という所に呼ばれ、初めて人を殺した人間を目の当たりにし、犯行現場の写真を見せられた

法律の素人がわずか数日で、冷静に判決を下すのは、無理なのである。

裁判員制度を始める理由として、法律専門家だけの裁判では、普通の市民感覚から乖離した手続きになってしまう、

ということが言われていた。

しかし、耳かきエステ店員殺害も今日の池田被告人も、市民感覚では当然死刑なのに、

無期懲役になったり、裁判官が控訴を勧めるなど、却ってプロだけによる裁判より、

市民感覚から乖離している。

これでは、意味がない。裁判員制度は廃止するべきである。

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コメント

名無しさん、IPアドレス 126.131.82.228の方。

コメント欄、確かに名前は(任意)となっていますが、何も書かないとこちらが返事に困ります。

また、他人のブログのコメントに初めて書き込むのです。

ここは、掲示版ではありません。わたしがネット上に占有する空間です。

最初に挨拶と自己紹介ぐらいすべきでしょう。 

いきなり、「林被告も池田被告も、市民感覚では死刑は当然とおっしゃいますが、」

と書かれると、不愉快です。 無礼ですよ。


あなたが死刑相応と思わないのは自由ですが、

そんなことを書いたってわたしの感覚は変わらない。死刑判決を妥当とする理由、

或いは、妥当ではないとする理由、それぞれ無限に思い付くでしょうから議論する気はありません。


裁判員制度の廃止に賛成というところだけ意見が一致しましたね。

それだけです。 

投稿: JIRO | 2010.11.22 00:45

  林被告も池田被告も、市民感覚では死刑は当然とおっしゃいますが、私は一「市民」として、2人に対する死刑を「当然」ということは到底できません。検察の主張ばかりを見るのではなく、罪を犯すにいたった背景や情状を考慮すべきです。2人とも深く反省しているのであり、人間性のかけらもない、何らの同情の余地もない人間ということはできません。とくに林被告は、強盗殺人や放火殺人ではなく、前科もなく、犯行は偶発的で計画的なものではなかったというのですから、むしろ死刑を回避するのが「当然」です。死刑の理由として再犯の恐れをあげておられますが、現在の無期懲役刑の運用では、仮釈放は極めて困難で、多くの人が獄中で命を終えるという状況を見逃しています。自分の意見に勝手に「市民」という仮面を着せないでください。
 ただし、裁判員制度の廃止を求めるという結論については私も共感します。

投稿: | 2010.11.21 13:32

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