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2011.02.22

「月例報告:景気は足踏み状態脱しつつある-2カ月連続で上方修正」←そうですかねえ・・・・。

◆記事:月例報告:景気は足踏み状態脱しつつある-2カ月連続で上方修正(ブルームバーグ)(2011/02/21 19:04)

与謝野馨経済財政担当相は21日午後、2月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。

報告は「景気は持ち直しに向けた動きがみられ、足踏み状態を脱しつつある」とし、

判断を2カ月連続で上方修正した。

アジア向けを中心とした輸出や自動車などの生産・販売が持ち直しつつあることが主因。

生産については9月末のエコカー補助金の終了で落ち込んだ自動車生産について

「持ち直しの動きがみられる」とし、前月の「下げ止まりの兆しがみられる」から

2カ月連続で判断を引き上げた。

輸出の判断も、アジアだけでなく欧米向けの輸出数量は昨年11月に前月比1.5%増と増加に転じ、

12月には同3.3%増と2カ月連続増加。前月の「緩やかに減少している」から、

「持ち直しの動きがみられる」へ判断を2カ月ぶりに上方修正した。

与謝野馨経財相は月例報告公表後に記者会見し、

景気判断を2カ月連続上方修正した背景について、

「冬のボーナスや個人消費が振るわないなど心配な点はあるが、

輸出や国内自動車販売に持ち直しの動きが出ていることを受けて

生産に回復調傾向が見られ始めたことなどを踏まえた」と説明した。


◆コメント:「上方修正」といっても相対的な話である。

国が、日本経済をどのように判断しているか、を示す2大レポートは、

日銀が毎月の金融政策決定会合の翌日に公表する「金融経済月報」と、

内閣府が公表する「月例経済報告」である。



日本銀行の最新の金融経済月報は、

2011年 2月16日 金融経済月報(2月) [PDF 3,344KB]

である。一方、「月例経済報告」は内閣府のサイトの、

月例経済報告関係資料に掲載される。

今月号はこれである。月例経済報告 (平成23年2月)

「金融経済月報」も「月例経済報告」も長大かつ詳細なレポートだが、

結論が冒頭に記載されている。ただし、単月の「結論」だけを見ても意味がなく、

前月からどのように変化しているか、が、ポイントである。


日銀「金融経済月報」の「結論」を「基本的見解」、

月例経済報告の「結論」を「基調判断」というが、

それらが過去からどのように変化しているかを見るためには、

本社はアメリカにある、金融情報専門メディアの「ブルームバーク」

日本版がまとめている。

日銀:金融経済月報-過去の基本的見解(表)

月例経済報告は、
月例経済報告:過去の基調判断(表)

である。

今日(21日)夕方に発表された月例経済報告の基調判断は、
2月 景気は、持ち直しに向けた動きがみられ、足踏み状態を脱しつつある。ただし、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。

であった。過去2回分を見ると、
1月  景気は、足踏み状態にあるが、一部に持ち直しに向けた動きがみられる。ただし、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。

12月 景気は、このところ足踏み状態となっている。また、失業率が高水準にあるなど厳しい状況にある。

言葉をよく読むと、確かに相対的には「改善」しているが、最後にはかならず、
ただし、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。

との記述が残る。

メディアはこぞって、日銀も内閣府も景気見通しを上方修正した、と騒ぐけれども、

その「上方修正」の実情はこの程度である。


最も新しい、1月29日に発表された重要経済指標を見ると、12月の完全失業率は4.9%。

「5%を下回ったのは10ヶ月ぶり」などと、メディアはあたかも政府に媚びるような

表現を用いているが、5%も4.9%も大差ない。また、厚生労働省が発表する

有効求人倍率といって、求職者1人につき何件の求人があるか、を示す数字は12月は0.57であり、

依然として1.0を下回っている。つまり仕事に就けない人がどうしてもいる、ということだ。


GDPの約6割を占める個人消費だが、12月は前年同月比マイナス3.3%。前年同月比マイナスは3ヶ月連続。

個人消費が減っているということはモノが売れないということで、それは即ち物価の下落に繋がる。


事実、12月の消費者物価指数は、前年同月比マイナス0.4%で、前年同月比マイナスは22ヶ月連続。

明らかにデフレが続いており、多少下落幅が小さくなったからと言って、

景気が回復の兆しを見せ始めているかのような表現はミスリーディングである。

今や、財政健全化の為に消費増税必至、という風潮だが、ただでさえ、家計の財布の

紐が固くなっているときに、消費税率をアップしたら、消費そのものが抑制され、

税収が却って減少する恐れがある、ということをメディアは指摘するべきだ。


◆結論:メディアの「上方修正」「改善」などの見出しを鵜呑みにしてはいけない。

どうも、最近の大新聞は、経済専門紙である日本経済新聞まで、政府の宣伝機関のように、

嘘ではないけれども、わずかな「改善」を誇張する傾向にある。

本当に、景気が改善した、と判断するためには、個人消費が増え、

モノやサービスが売れて、消費者物価指数が前年同月比プラスになり、

しかもそれが、一回だけではなく、数ヶ月に亘って続くことを確認しなければ

ならないのである。現在の状況下での増税には賛成出来ない。

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