【東北地方太平洋沖地震】現実がにわかに信じられません。
◆岩手・宮城、その他被災した方にお見舞い申しあげます。
今日の昼過ぎ、休憩しつから、空を見たら、何だか変な雲が広がっていて、
気持が悪かったのをはっきり覚えております。科学的に「地震雲」は意味が無いのかも知れませんが、
今日の経験から、大地震の前には、やはり何か前兆があるのだ、と思いました。
私は東京ですが、こんな揺れは、50年以上生きてきて初めてです。
不規則なゆっくりとした、しかし、大きな揺れが何分も続く間の恐ろしさ。
私の勤め先では、キャビネが倒れたり、壁が崩れたり、ということは一切無かったのですが、
場所や建物によって、随分、揺れの感じ方がちがったようです。
それはともかくとして。
一瞬にして、町全体が津波にのみ込まれたり、大規模火災が起きている地域の方に
心よりお見舞い申し上げます。
◆千代田区の勤め先から杉並区の自宅まで20㎞以上の道のりを5時間歩き、なんとか帰宅しました。
地震の全体像というか、科学的な見地からの分析とか説明は私には出来ません。
ただ、このような揺れは、半世紀以上生きてきて初めてです。
最初は小さな揺れでしたが、みるみるうちに恐ろしいほどの揺れ幅となり、
その揺れの周期が、非常に長いので、非常に不気味でした。
東京で生まれ育って、半世紀を超えていますが、あのような大きな、特異な揺れを
感じる地震は初めてです。
私の勤務先は東京都千代田区神田にありますが、
建物の被害(損傷)はなく、周囲のビルにも異変はなかったのですが、
1階(オフィスは9階)に避難しました。道やインフラも大きな問題はないようでしたが、
通勤に使っているJRが終日、運転を見合わせると言います。
タクシーは拾えないでしょうし、拾えても大渋滞に巻き込まれるでしょう(実際そうでした)。
会社は早退を許可しました。歩いて帰るしかありません。
こういう場合に備えて、会社から職員全員に、スニーカーが配布されています。
在職中に使うことになる可能性はもちろんゼロではなかったけど、想像していませんでした。
それがいきなり現実となりました。
千代田区神田の会社から、杉並区の自宅までの道のりは約20㎞。
最初はいいのですが、すごい人でした。
ケシカランと思ったのは、いくら道路が壊れていないからといっても、
余りにも一般車両が多かったことです。
こういう時には、緊急車両を優先的に走らせるために、
なるべく車は使うべきではないのに、非常に車が多く、
都心では緊急車両が立ち往生している光景を何度も見ました。
私は結局20kmを5時間かけて、全部歩いて帰りました。
新宿付近までは、比較的元気がありましたが、新宿を過ぎてから、
足が棒のようになり、思うように動かなくなりました。
荷物が軽ければいいのですが、私の癖で、何でも色々と
鞄に入れるので非常に重いです。それが災いして、
両腕も痛くてちぎれそうな感覚になります。
家族も自宅も、そして心配だったデスクトップパソコンは、
落ちていませんでした(PCデスクの右端においてあるのです)。
本当に息も絶え絶えですが、途中色々と気がつきました。
1.大地震の後は、たとえ道路に異常がなくても、一般の車の使用は自重するべきであること。
2. 歩いて帰宅する人々にとって、コンビニが開いていることが大きな救いになっていること。
3. 日本人の民度の高さ(歩いて帰る人でイライラしたり、人を押しのける人はいません)。
4. 日本人の職務に対する使命感の強さ。
4.は具体的には、公的な立場の人(警官、自衛官など)、インフラ(電気・水道・ガス)の
保守に携わっている人々。そしてコンビニや飲食店の店員さん。
自分だって、出来れば帰りたいに決まっている。しかし任務を全うしている。
これがもし、イギリスやアメリカならば、恐らく「仕事どころでは無い。」と言い
自宅にさっさと戻ってしまう事でしょう(イギリスに地震は起きませんが仮定上の話です)。
コンビニの店員さんはアルバイトの若い人なのに、実に普段と変わらず勤勉でした。
災害時(直下型で全てが倒壊したら別ですが)に、歩いて帰宅する人々に安心感を与えていたのは
コンビニの存在です。殆ど「公器」としての役割を果たしている。道を訊くのはお巡りさんですが、
それ以外に公的な機関で、心のよりどころになるものはありません。
20㎞、歩いて帰宅する経験は貴重と言えば貴重ですが、望むらくは
もうやりたくありません。
しかし、なんというすさまじい地震でしょう。
総務省消防庁によると、岩手県陸前高田市は壊滅状態。
宮城県仙台市若林区で水死とみられる200~300人の遺体が発見され、
更に増える可能性がある。
遂に夜通しニュースを見ていましたが、「太平洋沖」とは無関係に
夜中、新潟や長野北部で震度6の地震が2階も起きる。
東北太平洋側だけではなく、北海道、本州・四国・九州、
日本の海外沿いには全て大津波警報・津波警報・津波注意報が発令されています。
2004年12月26日のスマトラ島沖地震はM9.3のすさまじさで、
余震が一年続きました。私どもも覚悟しておいた方が良さそうです。
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