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2011年8月

2011.08.31

「菅氏は日本政治の犠牲者、首相退陣は能力の問題ではない―SP華字紙」←全部ではないけど同感です。

◆記事:菅氏は日本政治の犠牲者、首相退陣は能力の問題ではない―SP華字紙(Record China 8月30日(火)5時7分配信)

2011年8月29日、シンガポール華字紙・聯合早報(電子版)は、

「菅直人氏が退陣したのは能力の問題ではない」と題した記事を掲載した。

以下はその内容。


菅氏は在任中、「能力が低い」「権力に執着している」とさんざんな言われようだったが、

退陣表明の際に「やるべきことはやった」と言い切った時、真摯で誠実な人物に感じた。

菅政権が歩んできたこの1年3カ月を振り返ると、本当に大変だったと思う。

特にこの3カ月、「なかなか辞めない」と皮肉られながらも「退陣3条件」を掲げ、

内閣が崩壊寸前という悪条件の下、

「平成23年度第2次補正予算案」「特例公債法案」「再生エネルギー特別措置法案」を成立させた。

震災復興や原発依存からの脱却など、後任が仕事をやりやすい環境を整えた形。

それはまるで大義のために自らを犠牲にしたかのような潔さだ。

わずか数万円の政治献金問題で逃げ出した閣僚や、

寝ても覚めても頭の中は権謀術数ばかりの老練政治家より、

菅氏の去り際の方がよほど清々しい。


菅氏の退陣は能力の問題ではない。

昨年6月4日、鳩山由紀夫氏から首相の座を引き継いだ時は6割を超える支持率を誇っていた。

多くの人が民主党の希望と日本の未来を彼に託したのだ。だが、良い時は長く続かなかった。

菅氏は消費税引き上げを頑なに主張し、民意を喪失。

さらに、党の大物である小沢一郎氏の政治資金スキャンダルにより内閣改造を余儀なくされた。

その後の参議院選挙で民主党は敗北。「ねじれ国会」が生まれ、菅内閣はどんどん窮地に追い込まれた。

東日本大震災は起死回生のチャンスだったが、党内抗争は一向に止まず、

足の引っ張り合いが続いた。

このような環境では首相がどんなに能力があっても、それを発揮するのは至難の業だ。

菅氏は日本政治の新たな犠牲者にすぎない。

犠牲者は彼が最初ではないし、最後にもならないだろう。

日本は長い間、議会民主制をとってきた。

首相は直接選挙ではなく、衆議院選挙で勝った政党から推薦される。

首相、衆議院、参議院という複雑さが、政治を権力闘争の場にする元凶ではないのか。

安倍晋三氏から菅氏まですでに5人の首相が「ねじれ国会」にやられている。

政権交代という歴史的な快挙を果たしても、こうした政治生態は変わっていない。

首相短命の原因はこうした制度にあるのではないか。

日本は5年間で6人目の首相が間もなく誕生する。

だが、議会民主制と現行の選挙制度を根本から改革しない限り、

今度の内閣も短命という不運から逃れられないだろう。(翻訳・編集/NN)


◆コメント:全面的に賛成ではないが、明らかに正しい指摘を含んでいる。

この記事を掲載したRecord Chinaと言う会社は、その名称から勘違いされやすいが

リンク先の「会社概要」を見ればわかるが、日本の会社である。


少し、菅・元首相を褒めすぎの感を免れないが、

大筋に於いては、弊日記・ブログ記事、

2011.06.03 内閣不信任案で遊んでいる場合ではない。

に書いたことと、ほぼ同趣旨である。

東日本大震災以降、確かに菅首相に至らぬ面があったとしても

野党やメディア、世論の与党並びに菅首相批判は異常である。


あたかも、福島原発の圧力容器と格納容器が破損していたことも、

東電管内で節電を余儀なくされたことも、株価が下がり、震災以前に回復し始めていた

日本経済が再び低迷しはじめたことも、日本国債が格下げされたことも、

「全ては菅直人が悪いのだ」と言わんばかりであった。


しかし、レコード・チャイナの記事にあるとおり、今回のような巨大地震と原発事故が

同時に発生する、という人類史上初めての、極めて異例な状況下では、たとえ誰が内閣総理大臣

だったとしても、完璧な対応などあり得なかったであろう。放射能汚染された区域を調べ、

何故、もっと速く避難させなかったといっても、何しろ未曾有の出来事だ。結果論である。


さらに、このような国家緊急事態に置いてさえ、民主党の中では小沢の顔色ばかりを見て行動する議員がいて、

菅政権が自体の迅速に対応出来なかったことを自民党が、鬼の首を取ったように責め立てているが、

あの、青びょうたんの谷垣が首相だったら、全てが問題なく処理されたとは到底思えない。


想像を絶する多くの被災者が悲嘆に暮れ、将来の展望に絶望しているときに、国権の最高機関たる

国会の構成員の頭の中にあったのは、なんとかこ日本存亡の危機を利用して、

自分がまた、国会議員として当選するメドをつけることだった、といっていい。

レコード・チャイナの結論は極端で、議会制民主主義と選挙制度を見直すべきだというが、

それこそ、今はそれどころではなく、被災地のがれきを撤去し、日本の国土が放射能に汚染され続けている

現状に対して、一刻も速く、方策を講じなければならない。下らない人脈など無視して、

さっさと小出裕章京都大学原子炉実験所助教を、ブレーンとして内閣に招き、指示にしたがうことだ。

とにかく、この数ヶ月のもたつきは、地震と原発を最優先にするべきなのに、それらを憂える振りをして、

なんとか私欲を優先させようとした国会議員たちと、それを放置した有権者に原因があるのだ。

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2011.08.29

<民主代表選>小沢元代表、戦略破綻 主流派の分断失敗←民主党代表選が小沢の顔色伺いであること自体が間違いだろう。

◆記事:<民主代表選>小沢元代表、戦略破綻 主流派の分断失敗(毎日新聞 8月29日(月)21時36分配信)

29日投開票された民主党代表選は、「当選圏外」(渡部恒三最高顧問)とさえ評された野田佳彦財務相が、

党内最大勢力を擁する小沢一郎元代表の支援を受けた海江田万里経済産業相を決選投票で逆転して当選を果たした。

基礎票で優位に立つ海江田陣営に対し、他の陣営は決選投票での逆転を目指して2位争いを展開。

元代表側は当初、グループ内に代表候補を欠くため「2、3位連合」を画策していたが、結果的に

「反小沢」の主流派と中間派が「2位以下連合」を結成して勝利した。元代表の戦略の破綻が鮮明に表れた。

「177票は立派な数字だが、負けは負けだ」

投票終了後、小沢グループの選対会合で元代表は「敗北」を認めた。

(引用者注:以下省略。全文は「ウェブ魚拓」(WEBキャッシュ保存サービス)参照


◆コメント:「民主党代表選=小沢の顔色を伺うこと」の構造自体が正しくない。

どのメディアも、民主党代表選は、民主党内の「親・小沢派 VS 反小沢派」の「戦い」であったことを

何の疑問も無く伝え、その詳細(一回目の投票から決選投票までの票の流れなどを

こと細かく報じて、それが「政治ニュース」になっているが、そんなことは本来間違っている。

民主党は与党で、その代表はほぼ自動的に内閣総理大臣になるのである。

民主党党員資格停止処分を受けている人間の顔色を見るのではなく、

東日本大震災の復興及び福島第一原発関連の処理を初めとする、「政策」を

聴いて、多少はマシなのを選ぶのが本道である。

民主党代表選のあり方は正しくない。というメディアが何故存在しないのか。

現実に、民主党員は小沢に睨まれるのが怖いが、それでもどちらを選ぶか

を判断しているのが「実態だ」と言いたいのだろうが、ならば、その実態が

よろしくないのである。


◆その報道を見聞きして、のほほんとしている有権者も正しくない。

メディアが何故、「政局」すなわち「政治家ニュース」と「政治ニュース」を混同するかというと、

それを視聴している有権者が何も言わないからである。


殆どの有権者は

民主党はダメだ

菅直人はダメだが、他に誰が(総理に)なっても同じだろう

と、したり顔でのたまうが、そのダメな民主党に政権を取らせたのは、他ならぬ

我々有権者である。

そういうと、
そんなことを言っても、前回の衆院選の時、これほどダメだとは思わなかった。

という。しかし、大人で、仕事をしたことがある人間ならば、

そんな言い訳は成り立たないこと、

つまり、仕事(選挙ならば、投票行動)は結果だけが評価の対象になることを識っているであろう。

「ダメかもしれないけど民主党に一度、政権を取らせてみよう」と判断した、我々有権者の「人を見る目」が

無かったのである。

ならば何が正解だったのか。そんなことは分からぬ。政権交替の時間にタイムスリップして、

やり直すことは不可能なのだ。

ただ、「駄目な民主党」が政権を握っている、その責任は究極的には

主権者である国民に帰する。それが代議制民主主義である。

それが不服ならば、直接民主制に国家体制を変換(出来るものなら、だが)するしか、ない。

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「鬼平犯科帳」(池波正太郎著)のすすめ。

◆本のおすすめをタイトルにしたのは初めてかも知れません。

拙日記・ブログを御愛読下さっている方々は御存知のとおり、

私は、今まで、随分と音楽に関して「お薦め」を書きましたが、本については

殆ど全く書いてません。

それは、特に積極的な理由があってのことではないのですが、先日、

うつ病からの回復--10年ぶりに本が読めた、ということ。

で書いたとおり、長い間本が読めなかったためだとおもいます。

病気になる以前は、若い頃から本を読むのが好きでしたが、

読めなくなってから、過去の本の話を書くのはなんとなく辛くて

避けていたのでしょう。そして、まず、難しいのですね。

新聞や雑誌にしばしば書評がのっていますが、その本の中身を引用せずに

読者に「読みたい」と思わせるような文章を書くのは大変難しい。

ですから上手く書けるかどうかわかりませんが、

故・池波正太郎氏が長い間文藝春秋社の「オール読物」に連載し、

文庫本になっている「鬼平犯科帳」(全24巻)

お薦めしたいのです。


◆名文句の宝庫。登場人物の個性。

「鬼平犯科帳」は機械的に分類すれば、「娯楽・大衆時代小説」ですけれども、

池波正太郎氏ご自身の豊富な人生体験があるからこそ書けた、

大変に味わい深い。分かりやすく言うと思わず膝を打ちたくなるような

「名文句の宝庫」なのです。それが、しみじみと伝わる。説教じみていないのです。

今は「デジタル」な世の中というのは短絡でしょうが、

何事も0ぁ1か。白か黒か。善か悪か。損か得か、の二分法になりがちですが、

「鬼平」を読むと、人間はそれほど単純では無い、という当たり前のことを

思い出します。これは、主人公である火付盗賊改方(ひつけ・とうぞく・あらためかた)、

長谷川平蔵の生い立ち(若い頃、継母に虐められてグレて下町で散々飲むわ、買うわ、チンピラと

ケンカをするわ。だったのですが、あるときから真面目になるのです)も関係するのですが、

人間というやつ、遊びながらはたらく生きものさ。善事をおこないつつ、知らぬうちに悪事をやってのける。悪事をはたらきつつ、知らず識らず善事をたのしむ。これが人間だわさ。(文庫版第2巻「谷中いろは茶屋」より。)

とかね。こういうのはザラなのです。


登場人物も極めてユニークです。

鬼平(書き忘れましたが「鬼の平蔵」の略です)の手下は無論、火盗改方(かとうあらため:火付け盗賊改の略称)

の部下である役人(同心ですね)がおりますが、その他に元・盗人(ぬすっと)だった者が大勢います。

彼ら(女もいます)は鬼平に捕まったものの、その人柄に惚れこんで、かつての仲間を裏切ることになる

(従ってそれがバレたら殺される)のを承知で、鬼平の密偵(いぬ)となっているのですが、彼らはしばしば、
盗人の風上にもおけねえ

という台詞を吐きます。鬼平犯科帳の世界では、「一流の盗人の掟」が存在します。それは、

(盗みに入るとしても)

    ・人を殺してはいけない。

    ・女を犯してはならない。

    ・盗まれてこまるような貧乏人からは決して盗まない。

これは「鉄則」であり、「急ぎばたらき」といって、強盗殺人をやるような

盗人は、「盗人の名を汚す外道」なんですね。


「一流の盗人」は、ある大店に泥棒に入ろうと決めたら、まず手下の一人を「情報収集」のために

その店の奉公人として送り込みます。その者は勿論非常に真面目に働いて、主人の信頼を得る。

それで、建物の間取り図をきちんと作成し、親分に渡し、犯行日には、内側から予定の時間に

鍵を開けて、一味の家宅侵入を補助する。親分はじめ一同は、金蔵から大金を頂くわけですが、

絶対、誰も気がつかないぐらい静かにやるのですね。で盗んだ後に、

「自分は○○という盗賊で、ちょっと金庫から頂戴しました。失礼。」みたいなメッセージを

残す。これぞ、「おつとめ」(窃盗のことです)の王道であります。


自分達が盗賊のころは、この掟は神聖不可侵だったのに、

「最近の盗人の野郎どもは」平気で人を殺傷するので、頭にきてるんです。

それで、今や、絶対の忠誠を「長谷川様」に誓っているのです。


◆やはり「説明」では限界があるので、引用させて頂きます。

音楽と同じですね。いくら「この曲は楽しいですよ」と書いてもなかなか、

聴いて頂けません。音楽を載せるようになってから、

読者の方からのコメントやメールをしばしば頂戴するようになりました。


文学でも、これは本当は「反則」ですけど、一部読んで頂いた方がはやい。

鬼平犯科帳の捕り物シーンよりも、鬼の平蔵が世の中「善悪だけでは割り切れない」と

考えていることが良く出ているシーンがあります。


これは、文春文庫ですと、鬼平犯科帳〈5〉に収録されている

「兇賊」という作品です。

設定は、長谷川平蔵が,ある夜、ぶらりと,町の中の芋焼酎の看板のある小さな居酒屋に入る。

(鬼平は時々夜の江戸を浪人風の格好をして見回るのです)。

その居酒屋の親父、鷺原の九平(さぎはらのくへい)は、もう老人ですが、昔は「一人ばたらき」(単独犯行専門)の盗賊です。

今は、「芋酒」や「芋なます」が売り物の堅気ですが、「おつとめ」の興奮が忘れ難く、

今でもときどき金持ちの家に忍び込み、「盗人の掟」を遵守して小金を頂戴してます。

さあ、その盗人の居酒屋に火付盗賊改方の「長官」長谷川平蔵が来ました。

「おやじ。熱い酒(の)をたのむ」

ふらりと入って来た中年のさむらいがあった。

ひとめで、

(浪人だな)

と九平は見た。

薩摩がすりの着ながしに紺献上(こんけんじょう)の帯。

小刀は帯びず、大刀を落しざしにしている風体から、そうみたのであるが、

月代(さかやき)もきれいにそりあげているし、顔つきも、

(品のいい・・・・)

さむらいなのである。

「うわさにきいていたが、ここの芋酒は逸品だというじゃねえか」

くだけた口調で、そのさむらいは、

「あとで、もらおうか」

「へい、へい」

「すこし腹がへっている。なにか口へ入れるものはねえかえ?」

「芋なますがございます」

「喰ったことがねえな。おもしろい。だしてくれ」

「へい」

さっそくに例の九平得意の芋なますが出て、これを口に入れるや、

「うむ・・・・・」

深くうなずいたさむらいが、

「お前、若いときに修業をしたな」

ずばりといった。

「へ・・・・へい、へい」

二十一のときから二年ほど、九平は芝・大門の「八百蓑」(やおみの)という料理屋で

はたらいていたことがある。

「うめえぞ。こいつを女房のみやげにしたい。何か入れものにつめてくれ」

さむらいは金一分を九平にわたした。一分といえば現代の一万円以上になろう。

「それで、足りるか?」

「とんでもござんせん。いま、おつりを・・・・・」

「いらねえよ」

浪人のくせに

(大様(おおよう)なもんだ)

九平は、すこし、おどろいた。

このさむらいが、火盗改方の長官(おかしら)・長谷川平蔵の

巡回中の姿だとは九平、おもいもよらない。

「鬼の平蔵」の名は知り尽くしていても、その顔を

見たことがない九平にしてみれば、当然のことといわねばなるまい。

そこへ、

「じいさん。熱くしておくれよ」

と、柳原土手をまわって客の袖をひいている夜鷹(引用者注:娼婦)の

おもん、が顔を見せた。

おさだめりの縞もめんの着物に深川髷(まげ)。茣蓙(ござ)を

片手に抱えた姿で入って着て、

「おさむらいさん、ごめんなさいよ」

頬かむりの手ぬぐいをとった顔は、しわかくしの白粉に

塗りたくられ、灯の下では、とてもまともにみられたものではない。

おもんは、もう四十に近い年齢なのに、客の袖をひいているのである。

すると・・・・

「おそくまで、たいへんだな」

平蔵が、こだわりもなくおもんへ声をかけ、九平に、

「おやじ。この女に酒を・・・・おれがおごりだ」

と、いったものだ。

「あれ・・・・・」

と九平よりおもんがびっくりして、

「すみませんねえ」

気味の悪い色目を使いはじめる。

九平は苦笑をした。はじめは、

(この浪人さん、おもんみてえな化けものを抱くつもりかえ?)

そうおもったからである。

「おれも年でな。そっちのほうはもういけねえのさ」

平蔵は、おもんに語りかけて、

「ま、だからよ。体があったまるまで、ゆるりとのんで行きな」

声に、情がこもっている。

「すみませんねえ」

おもんの目から「商売」が消えた。

そのかわり年齢相応の苦労がにじみ出た。

しんみりとした口調になって、

「旦那、うれしゅうござんすよ」

「なぜね?」

「人なみに、あつかっておくんなさるからさ」

「人なみって、人ではねえか。お前もおれも、このおやじも・・・・・」

見ていて聞いていて、九平は

(この浪人さん、てえしたお人だ)

いっぺんに平蔵へ好感を抱いてしまった。

このようなさむらいを、六十になった今まで、

(見たことがねえ)

九平だったからである。

半刻(はんとき=一時間)も、平蔵はおもんと世間ばなしをした。

おもんが先に出て行くとき、

「はなし相手になってくれて、おもしろく時がすごせた。ありがとうよ」

平蔵は、おもんへ、いつの間にしたものか紙へ包んだ金をわたしてやった。

「こんな、旦那……すっかり御馳走になった上に……」

「いいから、とっておいてくれ。お前はそれだけのことをしてくれたのだよ」

おもんは泪ぐみ、深ぶかとあたまを下げ、土手の暗闇へ消えて行った。

「いいことをしておやんなさいました」

九平がいうと平蔵はこともなげに、

「当り前のことさ。あの女は、おれの相手をしてくれたのだ」

と、いった。

という調子です。火盗改方は司法機関です。おもんという夜鷹は

吉原の女郎よりももっと劣悪な条件、ござを敷いて、土手で客を引く、

遊女ですね。社会の最底辺です。本当は違法なのかもしれませんが、

昔、散々悪いことをして遊び世間を識っているこの火盗改方のお頭は、

この時代、そういう運命に生まれついた女はそうやって生きていくしか無い、

ことを熟知していて、せめて、ゆっくり飲んであたたまっていけと、

そういうシーンです。

ここだけ読むと分からないのですが、鬼平は本当の悪党には情け容赦無いのです。

散々強盗を働いた盗賊などは逮捕したら翌日には、はりつけにするし、

必要とあらば拷問も厭わない。悪い奴にはこれほど怖い人はいないのですが、

その合間に見せるこういう人情味の溢れた場面。

さらに、鬼平は人を殺傷していなければ、犯罪者にすら、情を見せることがあります。

そのコントラストが見事です。人の世は単純に割り切れる者では無い。

それが、よーく分かります。


因みにこれはフジテレビ系列で中村吉右衛門が鬼平役で長く続きました。

(この凶賊のテレビ版では、「おもん」を若村麻由美さんが演じました。綺麗すぎます(笑))

あれは、必ずしも原作どおりではない。大抵原作を尊重していますけれども。

映像から入ってもいいのですが、原作には池波正太郎氏特有の文体、

表記法の特徴があって、それが、作品の魅力の一要素になっています。


今思い出しましたが、過去なんども書きましたが、

元、メリルリンチ上級副社長、その後出雲市長、衆議院議員となった

岩國哲人(いわくに・てつんど)氏を私は最も優秀な国会議員だったと思っています。

岩國さんを重用しなかったのが今の民主党の最大の失敗なのです・・・

まあ、今はそれはさておき、その岩國さんが、大の鬼平ファンなのでした。


本のお薦め、やはり難しいです。騙されたと思って鬼平犯科帳読んで下さい。

どうしても面倒臭い方は、第一シリーズから全部DVDになってますから、ご覧下さい。

人間、このような「情」がなければいかん、とつくづく思います。

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2011.08.27

絶対面白い。【音楽・映像】「ダニー・ケイとニューヨークフィルハーモニックのゆうべ。」(日本語字幕付)

◆半年に一回ぐらいの頻度で載せていますが、今までと違う映像です。

ダニー・ケイ(Danny Kaye 1913-1987)は24年も前に他界しましたが、

アメリカの、本来コメディ俳優です。しかし、そのエンターテイナーとしての才能は

天才的です。クラシックが大好きで、但し楽譜は読めないのです。


でも、ニューヨーク・フィルハーモニックを振っていると、ものすごく表現してます。

この「ダニー・ケイとニューヨーク・フィルハーモニックの夕べ」はかつてVHSビデオ

の時代はそこら中で売っていまして、レーザーディスクというものが出来てまだ

残っていましたが、いつまで待ってもDVD化されません。

こんなに楽しい、オーケストラコンサートは滅多に見られるものではない。

速くDVD化して欲しいのです。


今までに4回、映像を貼り付けましたが、今回は日本語字幕付。

しかも過去4回では、見られなかった映像もあります。


これは、絶対に面白いです。


なお、ダニー・ケイはこれと同じようなコンサートを全米各地のオケとやっているのです。

全部チャリティーだそうです。

エライものです。

岩城宏之さんが感心してました。

彼(ダニーケイ)は「俺は、楽譜が読めないから、適当なんだ」というが、

身体で音楽を表現する才能は、そこらの本物の指揮者よりも優れている。

ホント。ニューヨーク・フィルハーモニックの面々、ちゃんと棒を見てますもんね。

ゴタクはこの辺で止めます。早速ご覧下さい。


◆ダニー・ケイとニューヨークフィルの夕べ

10のファイルに分かれています。

一部のファイルでは、

特定のサイトでの再生が制限されています

という表示が出るかも知れませんが、その場合はその画面をクリックしてください。

別のウィンドウが開いて見ることができます。


さて、始めます。最初だけ、この当時の音楽監督だった、ズービン・メータが「こうもり序曲」を振ります。


ダニー・ケイとニューヨークフィルの夕べ 01






次の映像からダニー・ケイが登場します。


ダニー・ケイとニューヨークフィルの夕べ 02






ダニー・ケイとニューヨークフィルの夕べ 03





ダニー・ケイとニューヨークフィルの夕べ 04






ダニー・ケイとニューヨークフィルの夕べ05







ダニー・ケイとニューヨークフィルの夕べ06







ここで休憩が入り、第二部になります。ダニー・ケイが燕尾服から普通のジャケットに着替えました。

運命のフィナーレを振り、「ハエ叩き」で「熊ん蜂の飛行」を振ります。


ダニー・ケイとニューヨークフィルの夕べ07






ダニー・ケイとニューヨークフィルの夕べ08





コンサートが終盤となり、次の映像で、ダニー・ケイが聴衆に語りかけます。

そのスピーチが大変、心温まる素晴らしいものなのです。自分の言葉で語りかけています。


ダニー・ケイとニューヨークフィルの夕べ09





最後は「星条旗よ永遠なれ」です。


ダニー・ケイとニューヨークフィルの夕べ10






楽しいですね。こういう人を「エンターテイナー」というのでしょう。

かなり長時間のコンサートだと思いますが、最後まで聴衆を飽きさせず、

オーケストラのプレイヤーまで楽しませたり、笑わせたり。しかし、根底には

音楽と音楽家への深い愛情が流れていることがよく分かります。

こういう素晴らしい映像は、映像の権利関係とかさっさと処理し、

早くDVD化して欲しいですね。

週末は天気が悪いそうです。ごゆっくりお楽しみください。

それでは。

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2011.08.26

【音楽】久しぶりにジャーマン・ブラスです。

◆世界最高の金管アンサンブルです。

私がこの団体を知ったのは4年前で、随分ハマりました。

次々にCDをご紹介したのですが、その後すっかり品薄になり

廃盤になってしまったものも多かったのでもうダメかと思いましたが、

今年が創立30周年らしく、かなりの数のCDと数は少ないけどDVDがあります。

この団体は、皆、クラシックのオーケストラで首席奏者クラスの名人ばかり。

当然、クラシックはまともに演奏出来るのです。


いや、まともにというか、唖然とするほどの上手さです。

多分、金管楽器による演奏で、世界最高のレベルだと思います。

DVDがあります。Bach for Brass

HMVにもあります。同じものです。『バッハ・フォー・ブラス』 ジャーマン・ブラスです。

バッハが音楽監督を務め、バッハのお墓があるライプツィッヒ、聖トーマス教会での演奏です。



7月28日、バッハとヴィヴァルディの共通の命日にご紹介しましたが、

ヴィヴァルディのソロ・ヴァイオリン・コンチェルト、RV 230をバッハが

チェンバロ独奏曲に編曲した、BWV 972。それを一番活躍するトランペット奏者で、

かつ、ジャーマン・ブラスの編曲を担当する、マティアス・ヘフス氏が

ジャーマン・ブラス、オリジナルのアレンジを施しました。



Bach BWV 972 after Vivaldi Violin Conceto RV 230







大変上手いことはおわかり頂けたかと思います。

もう一曲。バッハのオルガン曲で、冒頭だけは、皆知っている

「トッカータとフーガ」です。これは、合奏技術がすさまじいです。


J.S.Bach Toccata and Fugue BWV 565







トランペットを吹いていたマティアス・ヘフスがはじめの方でホルンみたいな楽器を

吹いていますが、コルノ・ダ・カッチャ(狩りのホルン)という楽器です。似たような形の

ポスト・ホルンはまた別です。あれは「郵便が届きましたよ」という合図に使った楽器です。


◆これだけだと、クソ真面目に見えますが・・・。

実際はこの人達は音楽は何でもやるのです。

ディキシーランドから、ベニー・グッドマンの「シング・シング・シング」から

ラテンだろうが、ボサノバだろうが、何でもありです。

おまけにJourney Through 3 Decades of B [DVD] (2005) というDVDでは

まあ、ふざけるふざける。全員ど派手な衣装に着替えて、サーカス小屋で演奏したり。

その一曲。これは音だけですけど、ディキシーランドのノリです。


Bourbon Street Parade







ドイツ人というと、堅苦しいと思われがちですが、まるっきり偏見ですね。

これは、残念ながら日本国内では品切れなのです。

ジャーマン・ブラスのサイトでネット販売している、German Brass - Essentialsには

クラシックもジャズもラテンも収録されています。12.90ユーロということは今、ユーロ安で111円だとして、

送料別ですが、1,400円ぐらいです。



次にYouTubeで見つけた、ジャーマンブラスの映像ですが、

これは、驚きました。トランペット奏者が、普通のトロンボーンよりオクターブ又は2オクターブ高い、

ピッコロ・トロンボーンという楽器を演奏しています。
German Brass







これは、難しいですよ。トランペット吹きはスライドの練習なんか

したことがないのですから。


次も偶然発見した、Sing,Sing,Sing,です。


Sing, Sing, Sing







バッハを吹いていたのと同じメンバーです。
(共同通信)g

最後にYouTubeのGermanBrass公式サイトに載っていたから、いいでしょう。


EL PASODOBLE Y OLE'







このように、あらゆる音楽に対応出来る柔軟性と、それは各プレーヤーが

本当に上手いからこそ、なのですが、ジャーマンブラス以外に知りません。

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2011.08.25

「ムーディーズ、日本国債格下げ」←今、財政再建なんか出来るわけが無いだろう。馬鹿。

◆記事:日本国債格下げ、プライマリーバランス黒字化遅れが要因=ムーディーズ(ロイター)(2011年 08月 24日 20:20 )

ムーディーズ・インベスターズ・サービスは24日、日本政府の債務格付けを

Aa2からAa3に引き下げたことについて、プライマリーバランスの黒字化の遅れが要因で、

電力の供給力低下も日本の経済成長に逆風との見解を示した。

1ノッチ格下げの根拠については、財政赤字、政府債務、弱い成長戦略の見通しを織り込んだとしている。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスのソブリン・リスク・グループ・シニア・ヴァイスプレジデント、

トーマス・バーン氏が24日開催した「日本国債格付メディア説明会」で明らかにした。

今回の格下げの根拠についてムーディーズは、多額の財政赤字の増加、

2009年の世界的な景気後退以降の政府債務の増加、

債務残高の対国内総生産(GDP)比上昇の抑制を困難にしているいくつかの要因がある、と指摘。

まず、過去5年にわたり首相が頻繁に交代したことが、長期的な経済・財政戦略を効果的に

かつ一貫した政策として実行に移す上での妨げとなったと指摘。

また、3月11日の地震と津波、その後の東京電力福島第1原子力発電所の事故の発生が、

2009年の世界的な景気後退からの回復を遅らせ、経済成長の見通しも弱まらせたとみている。

これらの要因が、政府による赤字削減目標の達成と「社会保障と税の一体改革成案」

の実施を一層困難にさせたとの認識も示した。

日本の格付け見通し「安定的」としたことに関して、バーン氏は

「日本政府の信用力がおそらく18カ月維持される。それを下支えする要因は、

国内投資志向の存続によりファイナンスコストを低く抑えられること」と指摘。

「仮にネガティブに変更する格付けアクションがあるとしても、その可能性は大変小さい」との見方を示した。

民主党代表を控えた時期に格下げを発表したことについて、

バーン氏は「政局の動きとはまったく関係ない。格付け見直しを開始してほぼ3カ月たっており、

ムーディーズの方針として、見直しをする際には3カ月あるいは90日をめどに結論を発表することにしている」

と述べた。

急激な円高に関しては「日本の経済、成長にはマイナス。

ただ、円高進行による産業の空洞化はただちには起きていない」との見解を示した。

ムーディーズでは、影響は一部にすぎず、大企業には見られないとしている。

世界的金融危機の期間、3月の地震に続く数カ月、世界市場で新たな混乱が生じた最近においても、

日本国債は安全な投資対象として引き続き極めて高いパフォーマンスを示した。

バーン氏は「世界的な信用市場における動揺があったとしても、重要な点は、

銀行を含めて民間が保有している対外純資産を持つことにより、

かなり大きなバッファーがあるということ。

このバッファーにより、ユーロ圏における問題が波及することはない」との認識を示した。


◆コメント:今、プライマリーバランスどころではないですよ。

プライマリー・バランスは基礎的財政収支とも言います。

アンチョコから引用すると、

国の財政の健全性を見る指標の一つで、歳入(国債などの借金を除く)から、

歳出(過去に発行した国債などの元利払いに充てる国債費を除く)を差し引いた数字。

プライマリーバランスともいう。毎年度の一般会計歳出を税収だけで賄えれば収支は均衡する。

しかし、日本はバブル経済崩壊後、景気低迷で税収が減少する一方、

景気対策のため歳出が膨らんだ結果、収支が大きく悪化した。(共同通信社)

ということなのです。


ムーディーズとスタンダード&プアーズが世界の2大格付け機関で、

スタンダード&プアーズは、8月5日に米国債を格下げしました。

その時に、
2011.08.09 「S&P、米国債初の格下げ 赤字削減が不十分 」←格付け機関の無責任。

で書きましたが、そもそも、今日の世界経済の混乱を招いた元凶がこの2大「格付け屋」

なのです。アメリカの低所得者層向け住宅ローン、「サブプライムローン」を債券化した、

モーゲージ担保証券に、最上級格付けを付けておいて、いきなり18段階も格下げしたのです。

おかげでリーマンが潰れたようなもので、その時各国政府は、システミックリスクといって、

それぞれの国の銀行が資金繰りが付かなくなり、世界金融恐慌に陥るのを防ぐ為に、

大量の公的資金を、民間銀行に注入しましたが、それ以来、不景気です。


漸く今年のはじめのころ、景気のどん底から抜け出したかな?と言うときに

日本では、震災が起きました。


御存知のように、復興や被災者支援の為には国が多くのおカネを出さなければならない。

その間、赤字が増えるのは仕方が無いです。

プライマリー・バランスを均衡させる、つまり、赤字で無くさせるためには、

財政支出を減らして、国庫の歳入を増やす。つまり増税です。だから消費税引き上げとか

なんとか政府が焦ってますが、この景気の悪いときに、財政出動をやめたら、

被災地のがれきも片付けられないし、二重ローンの免除も出来ないし、

インフラの再整備もできません。

そして、皆がものを買わずに物価が下がり続けるデフレーションが続いている最中に

増税など実行したら、家計の可処分所得は減りますから、悪循環です。


少なくとも、今の未曾有の緊急事態が起きた日本に、財政を健全化する見通しがたっていない

のは当たり前です。

長期的にどうすれば良いかというと、アメリカの経済学者でノーベル経済学賞受賞者、

クリーグマンという人が前から仕切りに言うのですが、インフレ・ターゲットを設定して

景気を良くしてから、増税すれば良い、という意見があります。


これは、日銀は嫌がっているのですね。そもそも物価の安定が日銀の大きな使命の一つなのに

よりによってその日銀がインフレ目標を設けて、少しずつ通貨供給量を増やしたら

つまり、量的緩和でデフレを止めて、物価を上昇させること、

とクリーグマンはいうのですが、

通貨供給量が増えたら、自動的に物価が上昇するとは限らない。

たとえを用いるならば、そこらの床にガソリンを撒いたところで、それだけでは

何も起こりません。それに火を点けるマッチが必要ですが、

金融政策では、そういう手段はないのです。

そして、何かがきっかけとなり、インフレ、つまり物価が上がり始めたら、

散々通貨供給量を増やしてますから、今度はすごいインフレになるかも知れない。

日銀はそれを恐れているのですが、クリーグマンは「何をグズグズしているのだ」

と言わんばかりです。元来日本がこれほど長期的にデフレになる時が日本銀行の

出番というより、インフレが起きたら、金利を引き上げるなどの手段で、

それを抑えるのが日本銀行の使命だという意識が日本銀行には伝統的にあるので、

かつて、実行したことがない、故意にインフレにする、ということに非常に

抵抗感があるようです。


民主党からも、自民党からも日本銀行にインフレ・ターゲット政策を採用しろ

という圧力はあるのですけれども、仮にそれを実行して、インフレが急加速したら

絶対「日銀の責任を問う」とか、白川総裁の責任にして自分達は知らん顔をする

ことは、ほぼ、100パーセント明らか。だから、なかなか決められません。


インフレターゲット政策はさておき、日本政府はムーディーズに対して、
今、格下げしなくても良いだろう。今はプライマリーバランスどころじゃないのだ。

ぐらい、言ってやっても良いと思います。スタンダード&プアーズに格下げされた

アメリカは、スタンダード&プアーズに、「どういうつもりだ」と言っています。

とにかく今は、ムーディーズに踊らされて、焦り狂って、財政支出削減、増税、などと、

現政権が決めないことです。自民党も大人しくしてなさい。

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2011.08.23

「福島原発は廃炉にできない」(Newsweek日本版)←民主党代表選とどちらが大事な話でしょう?

◆記事:福島原発は廃炉にできない(Newsweek日本版 2011年08月18日(木)13時08分)

福島の一角で巨大な事故を起こした原発が不安を与え続けている。放射能の塊を早く取り除いてほしい──

というのは、避難民や周辺住民のみならず、日本全体に共通した願いだ。

汚染水を海に投棄したときに抗議した隣国や、地球の裏側なのに甲状腺の被曝対策として

安定ヨウ素剤を買いあさった国があったことを考えれば、世界全体の願いと言ってもいい。

しかし放射性物質を外界に大量に放出した東京電力福島第一原発は、事故から4カ月を経た今になっても、

撤去の前提となる原子炉の安定すらできずにいる。

にもかかわらず、東電や政府関係者は確かな根拠があるとも思えない発言を続けている。

政府と東電は先週末、当初の目標としてきた「原子炉の安定的な冷却」に到達したという見解をまとめた。

菅直人首相は原発周辺の市町村長らに対し、来年1月の予定だった核燃料の熱を100度以下に安定させる冷温停止を

「前倒しで実現できるよう頑張りたい」と語った。

だが、冷却のために汚染水を浄化して循環させる「循環注水冷却」は6月末のスタートからトラブル続き。

先週も循環する水の量が低下するトラブルでシステムを一時停止した。

核燃料棒が溶けて塊になったり炉外へ溶け出していた場合、

冷温停止が困難を極めることは、多くの専門家の一致した意見だ。

燃料に水を行き渡らせ、効率的に冷やすことが難しいからだ。



福島原発の最終的解決は、すべての元凶である核燃料と放射性物質を取り除き、

原発を解体撤去する廃炉の実現にある。だが、それが実現するのはいつなのか。

政府は内閣府原子力委員会の中に廃炉検討チームを設置する方針だ。

廃炉に向けた政府と東電の中長期の工程表も近く明らかにされるだろう。

だが政府と東電は事故以来、事態が収束に向かっているように見せることにひたすらエネルギーを注いできた。

メルトダウン(炉心溶融)はおろか、それより深刻なメルトスルー(溶融貫通)が起きていたことも、

3カ月たってやっと認めたほどだ。

公表される廃炉スケジュールが「最悪の事態」を踏まえたものになるとは考えにくい。

前例のない事故を起こした福島第一原発には、今から廃炉に至るまでの過程にどんな専門家も

答えを知らない技術的難題が山積している。

廃炉には、事故を起こさなかった普通の原子炉でも30年程度の時間がかかる。

原子力委員会は福島の廃炉に要する時間を「数十年」と評しているが、

この「数十年」は限りなく100年に近い、

あるいは100年以上と考えたほうがいいかもしれない。



【建設より厄介な廃棄作業】

福島第一は破壊の程度がひどいため、事故処理にはほぼ永遠と言っていい時間がかかるだろうと、

京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は言う。

チェルノブイリ原発の石棺のように巨大な構造物で建屋を覆った上、

作業員の被曝を避け、放射性物質が外に漏れ出さないよう監視しながらの作業が必要だ。

「いま生きている日本人は誰一人、その終わりを見ることはないのではないか」

と、小出は言う。

福島第一は廃炉にもできず、放射能を閉じ込めた「悲劇のモニュメント」として半永久的に残る

──その可能性すら、政府や東電はまだ認めていない。


そもそも廃炉は原発から使用済み燃料を取り出し、構造物を解体撤去して更地に戻す廃棄作業だ。

原発を造るより長い時間と労力と巨額の費用が掛かる。

6月に国民投票で脱原発を決めたイタリアでは、

90年に停止が決まった福島と同じ型のカオルソ原発など4基の廃炉に取り組んでいる。

作業は2020年頃に完了する予定で、その費用は約7000億円に上る。

福島の場合、コストはその何倍にも膨らむはずだ。

廃炉は、これを請け負う原子力業界にとってはビジネスチャンスだ。

世界的な脱原発の流れも受けて、今後大きな市場になるとみられている。

「だが、福島だけは誰も手を出したがらないだろう」と、コンサルティング会社

ブーズ・アンド・カンパニーでエネルギー問題を担当するパウル・デュールローは言う。

「爆発した原発の廃炉が技術的に可能なのかどうかも分からない」

廃炉で最も重要なのは、核燃料を取り出すことと、

高濃度から低濃度まで放射能に汚染された廃棄物を処理することだ。

原発が冷温停止した後、放射線レベルが下がるのを何年も待ち、

低濃度のものから徐々に解体して最後に原子炉を撤去する。

その際、染み付いた放射性物質を分離・分類し、不純物を取り除いた上、

種類別にまとめて密閉容器に閉じ込めなければならない。

放射能を周囲に広げないための、原子レベルの超ハイテク技術だ。



だが爆発した原発の廃炉は、これまで誰も経験がない。

86年に爆発したチェルノブイリは廃炉にできず、今も放射能レベルが下がるのを待ち続けている。

設置から40年を経てコンクリートが浸食され、石棺はもはやボロボロの状態だ。

【日本版チェルノブイリに】

普通に運転停止した原発であれば燃料棒を束ねた燃料集合体を取り出せば済むし、

周囲の汚染も大したことはないと、かつて東芝で

原子炉格納容器の設計をしていた後藤政志は言う。

だが福島第一の場合は、大量の放射性物質が格納容器の外に漏れ出て、

建屋内部が放射能まみれになった。

「もはや普通の廃炉という概念は当てはまらない」と、後藤は言う。

燃料集合体は溶けてチーズのようになり、どこに流れ出したかも分からない。

周囲は壁まで放射能が染み付いている。

この状態からどうやって放射性物質を取り出すのか、もはや誰にも分からない。


物理的な障害も少なくない。

炉のふたに据え付けられている開閉用のクレーンは既に吹き飛び、

金属製のふたそのものも熱で変形していると考えられている。

ふたを開けるためだけに、専用クレーンを一から開発しなければならない。

「福島は廃炉にできない」と、後藤は言う。英科学誌ネイチャーは先週、

専門家の見解に基づく記事で、

数十年から場合によっては100年かかるとの見方を示した。

損傷した燃料を含めて原子炉内の放射性物質の除去に

長い時間がかかることなどがその理由だ。

記事は、放射能汚染の除去作業が2065年まで続く

チェルノブイリと似た状況になるだろうと指摘している。

福島第一原発の危機は、まだ現在進行形である可能性もある。

メルトスルーしたウラン溶融体が、地下深くに潜っていって

地下水を汚染する危険性を京大の小出は警告し続けている。

逆に炉心のすべてが崩壊していない場合は、

これからさらにメルトダウンが発生して

水蒸気爆発が起きる可能性もまだ否定し切れないという。

いずれの場合でも、今とは桁違いの放射能汚染が広がることになる。

廃炉もますます遠のくだろう。

事故の終わりは当面期待できず、待っているのは巨大廃棄物との果てしない戦いだけかもしれない。

汚染された原発周辺の土壌を完全に元に戻す技術も、人類は持ち合わせていない。

どれだけ巨大なふたで覆ったとしても、

「悲劇のモニュメント」は今後数代にわたって日本人を脅かし続ける。


◆コメント:状況は絶望的でも、真実を伝えるのがメディアの使命だ。

このニューズウィーク日本版の記事を書いたのは、日本人記者です。

この記事を読んで、暗澹たる気持になるのは事実ですが、私は知らないよりはいい、

と思いました。

日本政府も、東電も、本当は取材してニューズウィークと同程度のことは把握している

(もしかして、把握していない?)日本のマス・メディアは、情報を正しく国民に伝達していない

ということ自体が「不作為の罪」だと思います。


この記事が報じていることが、正確であるとすれば、単に福島原発を廃炉に出来るか

否か、という問題ではなくて、極端にいうと、このまま、この国に住んでいてよいのか?

という話になると思います。


◆このまま、日本に住んでいていいのか、という問題だと思います。

あまりにも問題が深刻すぎて、眩暈がするほどです。

しかし、ニューズウィーク日本版の記事を信じるならば、

最悪の場合、メルト・スルーして、地面をどんどん沈降していく核燃料が、

地下水を汚染し始めたら、直接核燃料が、地下水に触れるのですから、

猛烈な汚染が、拡がるはずです。日本中の地下水脈が全部繋がっているのかどうか分かりませんが

最悪の状況を想定するならば(それが危機管理の基本です)、やがて日本中の地下水、土壌は、

猛烈な放射能で汚染され、長期的には、ガンの発症者が増えることでしょう。

最早、日本で獲れた、農作物も畜産品も、魚介類も汚染されると考えるべきでしょう


私はもう、半世紀以上生きましたし、今まで、日本の原子力政策に全く関心を持たなかった。

そのために選挙における投票行動により、、原子力を推進する政党に政権を取らせていた、という

ことになり、議会制民主主義の原理から考えて、今の状況を招いた責任があります。

原子炉が日本中に54基も建つのを、傍観していた、ここ半世紀の全有権者に、

その責任があります。

だから、私は被曝しても、自業自得ですが、この間、投票権の無かった子供には責任は無い

のですから、若い世代は守る責任がある。


先日亡くなった、小松左京氏の代表作、「日本沈没」は、日本列島が火山活動の極端な

活発化により、「物理的に消滅する」という話です。

そのことが、避けられない現実であることが分かり、日本政府は

最も有能な外交官を世界の主な国に派遣して、全日本人を移住させるべく

「難民」として受け入れて欲しい」と依頼して飛び回る、という場面があります。

福島原発事故で、日本列島が物理的に消滅することは無くても、人が住めなくなる

可能性を考慮すると、実は、悪夢の用ですが、「日本沈没」と同じ事を考えなければ

ならないのでは無いかとおもいます。放射線を無効化する技術を人類が発見しない限り

論理的に、そういう結論になると思うのです。


◆日本国存亡の危機より「民主党代表選」が大切な馬鹿ども。

メディアのトップニュースは、リビアのカダフィ大佐がいよいよ追い詰められているという

話と、民主党代表選に、前原前代表が出馬する、と言う話が「ニュース速報」で表示されます。


あまりのくだらなさに、またまた眩暈がします。民主党も政界全体も、メディアも馬鹿です。

民主党の代表が誰になっても、放射線を無効化することは出来ません。

福島原発の状況は変わらないし、責めて復興支援をもう少し速くとか言いたいですが、

あの民主党の連中の顔を見ていると、

東日本大震災があったことを覚えてますか?

と、訊ねたくなります。

本音では多分、あの連中、被災地や福島原発の現状など、

「どうでもいいこと」なのでしょう。

あいつらにとって、一番大事なのは、次の衆院選で何とかもう一度当選して、

今と同じ、美味しい思いを享受することなのです。

代表を誰にするのか、に関してひじょうに真剣なのは、

現状、とにかく何事もすべて「菅直人が悪い」というような滑稽な世論になっている。

菅直人が代表のままでは、民主党員である、と言うだけで多分選挙で落選するから、

せめて、ダメージを最小限に食い止めたい、と、それしか考えていないからです。


いくら言っても無駄でしょうが、そんなことより、今、この瞬間も放射性物質を撒き散らしている

福島原発の核燃料をどうするか、にかんして、政党なんかどうでもいいから、専門家を呼んで、

ありとあらゆる世界中の専門家の意見を聞いて、国権の最高機関としての役割を果たして欲しい。

どうしようも無い、という結論ならば、真面目に、前段に書いた、全日本人移住大作戦を

考えるしか、方法はないのではないでしょうか。

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2011.08.22

「FXカリスマ主婦のファンクラブ会員が利益の大半失った理由」←以前から素人が為替に手を出してはいけない、と主張しています。

◆記事:FXカリスマ主婦のファンクラブ会員が利益の大半失った理由(NEWS ポストセブン 8月21日(日)16時5分配信)

FX(外国為替証拠金取引)で1億円を稼ぐことは可能か?

FXで8億円を稼いだカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子氏に、

その実現性を尋ねた。以下、池辺氏の談。

 * * *

私は、FXで1億円を稼ぐことは、誰にでもできると思っている。

これは、願望でも何でもない。私を始め、多くのFXトレーダーが実現している事実なのだ。

たしかに、私が大きく利益を上げることができた2000年代の前半は、

長期間にわたる円安トレンドが続いていた。

しかし、その円安トレンドが終了してからも、私は利益を上げ続けている。

また、円安が続いていた時期でも、当然1億円稼げなかった人はいる。

つまり、1億円稼げるかどうかは、単に相場によるものではないということだ。

私のファンクラブ(http://yukikofanclub.blog136.fc2.com/)の会員の方で、

昨年から今年にかけて、数千万円の利益を上げた人がいる。

しかし、先の震災直後の円高局面で、それまでの利益の大半を失ってしまった。

数千万円までは順調に利益を伸ばせても、1億円には届かない――そういう人が実に多いのだ。

そんなトレーダーに共通していることがある。資金管理がおろそかになっているのだ。

投資資金に比べて、大きなポジションを持ったままにしてしまい、

損切り水準もエントリーポイントのはるか下だったり、やっていなかったり……。

「そんな人がよく数千万円も利益を上げられたものだ」と思う人も多いだろう。

いや、そういう人たちも、当初は、きちんと資金管理や損切りをしていたのである。

だが、トレードが順調に行き、利益が積み上がってくると、

自分のトレードに自信が出てきて、いつしかその自信が過信、

慢心となってしまうのだ。

日頃、ファンクラブ会員の人たちには、「資金管理は本当に大事ですよ」と、

しつこいくらいにいっているのだが、慢心を改めることは非常に難しい。

過去の歴史を振り返っても、偉大なトレーダーは常に謙虚である。

ちょっとくらいトレードが上手くいっても、有頂天になってはいけないのだ。


◆コメント:要するにバクチなんですよ。

のっけから話が逸れますが、「カリスマ」という言葉が濫用されておりますが、

元来は、ドイツの社会学者、マックス・ウェーバーが、支配の社会学
で提唱した概念で、

人間世界の支配者の類型は、「合法的支配」「伝統的支配」「カリスマ的支配」の

三つに分類出来るという学説を唱えた所に始まります。「支配」に一類型ですから。

「カリスマ美容師」とか「カリスマ主婦トレーダー」とか「カリスマ・シェフ」など

昨今、「カリスマ」だらけですが、本来の意味を確かめてから使いましょう。

五月蠅いと思われるのを覚悟の上で私の死んだ親父が、生前しばしば口にしていた言葉を

記しておきます。

分からないときは、まず字引(じびき)を引くんだあ!

字引(じびき)等という言葉、最近の方は御存知無いでしょうが、狭義には「辞書(=辞典)」のことです。

「字」を「引い」て調べるから「字引」です。転じて、広義には「事典」「字書」の総称として用います。

(辞書、事典、字書の違いは、それこそ「字引を引い」て下さい。私はパソコンに広辞苑第六版を

インストールしています。正確を期そうと思ったら、「字引」はおカネを出して買うものだと思います)。

父親の思い出とダブルのでしょうか、私はこの言葉の響きが好きです、がそれは私事です。


本論です。


為替市場といっても直物為替、先物為替、デリバティブも含めれば通貨オプション取引なども為替ですが、

記事に書かれている、外国為替証拠金取引というのは直物為替(スポット為替ともいいます)

といって、ディーリングルームで取引する相場のなかでも、最も単純明快なのです。

要するに、「上がる」か「下がる」か、「動かない」。それだけです。丁半バクチと同じです。

通貨オプション取引などは、(例えば)ドルを対円で売る(買う)「権利」を売買するのです。

初めて聴いてもまず分からないので、説明は省略します。


さて、外国為替証拠金取引は、前述の通り、もっとも単純明快なスポット為替です。

単純明快であるから、素人でも理屈は直ぐに分かる。安く買って、高く売れば儲かる。

だから、経験が無い人が直ぐに始めますが、とてつもなく危険な市場なのです。

危険とは、普段はさほどではなくても、荒れた相場になると、物凄い勢いで乱高下(らんこうげ)

します。含み益が出ている(買った値段より相場が上がっている。売った時より下がっている)

状態。これをディーラー用語で「フェーバー(favorのつもりです)」と言います。


問題は逆に動き出したときです「アゲンスト(against)」と言います。

この時にプロなら、冷静に対処するのです。損失が無限にならないよう、損切りのポイントも

自分で決めています。怖いのは今までビギナーズラックで儲かっていた素人さんです。

絶対に冷静な判断力を失い。じっとしていれば良いときにまで、いたずらに売買を繰り返し

当初、主婦のお小遣い稼ぎだったはずなのに、旦那さんに黙って預金を取り崩してまで

全部失ってしまい。真っ青になる。


これは、まさしく、賭博の麻薬性に近似しています。

先ほど、スポット為替取引が丁半バクチと同じだ、と書きましたが、

それは、取引の内容のみならず、感覚として「賭博性」がある、という点でも共通しています。

賭博性がある、ということは麻薬性がある。損しても「今度こそ取り返してやる」と思う。

これが危ない。

特に今まで、そういう経験が無い人は、全く免疫がないので、すぐ「依存」になります。


◆私は、過去何度も素人が為替などやるものではない、と言っています。

自分の日記を調べたら、随分前から同じ事を繰り返しています。

最初は、2005年で、これは相場そのものの怖さというよりも、

当時は怪しげな取引仲介業者が多いことへの警告ですが、相場の危なさにも触れています。

2005.11.18 「組織的詐欺」と慰謝料も=外為証拠金業者に賠償命令-東京地裁 素人が外国為替に手を出してはいけません。

2007.02.18「外為取引で追徴100人、申告漏れ半年で計20億円」←為替なんかやってはいけません。

2008.10.23 株乱高下。素人はデイ・トレーディングなんて止めた方が良い。特に未経験者が今、株を始めるなど危険きわまりない。

3番目は為替ではなく株のデイ・トレーディングに関してですが、素人がやることではない、

という点において共通しています。

昨年からは、Twitterで何度も書いています。
2010年09月17日(金)私は、ずっと仕事で為替を見てきた人間です。素人には「止めろ」とアドヴァイスするのが、本当の親切だと確信しています。

2010年10月09日(土) だから、素人が入る世界じゃない。堅気の世界じゃなとさえ極論できる。マーケットとは、凡そ、そんな物だ。とにかく、素人が為替をやるのは止めなさい。

2010年11月06日(土) 素人で為替やっている人、止めた方が良いですよ。特別な情報を持っているのでは、ありません。一般論です。

2011年07月26日(火)今では素人がスポット為替(外為証拠金取引)をやるんだよね。恐ろしい世の中だ。「ガンガン稼いでいます」なんていってるOLのオネエチャン。絶対に本当の為替の怖さを知らないと思います。

2011年08月04日(木) ダメですよ?素人さんが為替なんかやっては。既に大勢やっているひとがいるけど、本当の怖さをしらないのですよ。

2011年08月20日(土) 為替に素人の一般人が参加することには大反対です。外為証拠金取引で大儲け、なんて、儲けた人しか紹介しないから、皆だまされるのです。

ですから、今日のコメントは、記事に
「震災直後の円高局面で、それまでの利益の大半を失ってしまった。」

人がいることを知り、初めて書いているのではありません。

一般に、「相場(市場)」の世界には、同じリスクがありますが、為替は、特に動きが速いので、アッというまに大損、

ということになりかねない。額に汗して働かずにあぶく銭を儲けようとするのは、感心しません。

銀行間市場のプロのディーラーは、物凄い取引回数を1日中こなしており、それ自体が心身をすり減らす重労働です。

プロとアマの差はここでも歴然としています。例えば、プロのスポット為替ディーラーは、

今日1日の何100件もの取引内容を全部覚えている。

それぐらい集中しないとダメなんです。まあ、自由経済、市場経済の国ですから個人の自由ですが、

外為証拠金取引会社のウェブ広告などにフラフラと惑わされてはいけません。

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2011.08.21

怠惰こそ、我が本質。

◆今、夏休みの最中なのです。

年に一度の連続休暇の最中です。

規定により、5営業日連続して休まなければならないのです。

月曜から金曜までの5営業日を休みにすると、土曜日から翌週の日曜日まで、

九日間休めます。休みの長さだけを考えるとそれが一番得ですが、私は、

17日(水)から23日(火)までを選びました。


休み明けが月曜日だと、その前日の日曜日の夜に極度の抑うつ状態になるからです。

火曜日まで休みならば、水曜から休み明けで、3日間勤めれば、また休めます。


◆自分は、骨の髄から怠惰な人間であることを改めて認識しました。

普段、私は、勤め先で勤務時間中、私語を交わすことがありません。

昼食は3分から5分で終わらせ、休憩は、約5分間のタバコ休憩を二回とるだけです。

だから、傍目には「仕事熱心な奴」に見えるようですが、それはとんでもない誤解です。


私が何故、そのような行動を取るかというと、本質がこれ以上考えられないほど怠惰だからです。

本当は、仕事とか会社とか嫌で仕方が無い。勤め人になって二八年目。

先日日数を計算したら、8月18日でちょうど10,000日でした。


いくら長く勤めても、仕事が面白いとか楽しいとかいうことは決してありません

だから、気を緩めたらいくらでもサボってしまうのです。

それを知られないように、半ば強迫的に仕事に没頭しています。

本来の都合の悪い自分を隠そうとする、フロイトの精神分析学で言う所の

自我防衛機構の中の「反動形成」に相当すると思います。


休みになった途端、放っておくと1日中寝ている自分がいます。

これは学生時代の夏休みの状態に酷似しています。


学生の頃もう少し覇気があったら良かったとおもいますが、

夏休みは毎日夜更かしをして、翌日午後というか夕方になって起き出す

気が向いたら、本を読んだり多少音楽を聴いたり、というような、

人間、ここまで怠惰になれるのだな、と自ら感心したほどです。


社会人になって、とりあえず仕事をしないとクビになって、食えませんから

仕方なく働いていますが、私の本来の性質は、究極の怠惰、無気力であることを

この休みで再認識しました。


ロンドン駐在員だった頃、夏休みにヨーロッパのあちこちに旅行しました。

スイスのツェルマットに行った時に、現地の日本人ガイドさんに

「何処か、何か遊ぶところはあるのでしょうか?」と訊ねたら、

「ヨーロッパの人達は、『何もしない』ことを『休み』というのです」

といわれて、あ、それは私の嗜好そのものではないか、と思いました。

今でもヨーロッパを懐かしく感じる理由の一つは、そこにあるのかもしれません。

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2011.08.20

うつ病からの回復--10年ぶりに本が読めた、ということ。

◆うつ病というのは、憂鬱なだけではなく、興味が無くなるのです。

17日、水曜日にいつもの大学病院の精神科外来に行ってきました。

1999年11月から2000年2月まで3ヶ月入院し、その後自宅療養を経て

復職し、通常よりも労働時間をやや短縮して勤務しています。


本論から外れますが、復職するときに、

きちんと、完全に治ってから出勤してください。

と、人事部が要求する企業があるらしいですが、それは無理です。

私も最初、それをやって失敗しました。


交通事故で骨折して、怪我が完治したから出勤するのとは訳が違います。

うつ病や、これが慢性化した気分変調症(昔の言い方だと抑うつ神経症)

は、何しろ見た目はおかしくないので、なかなか理解されにくいですが、

これだけ情報を簡単に検索できる世の中なのだから、部下にうつ病が出た上司や

部長さんは、少し調べれば分かると思います。


この病気は脳内神経伝達物質のうち、とくにセロトニンのバランスに

変調を来すようです。気分障害という分類から分かる通り、気が変になるのではなく、

気分が異常に沈滞する。同時に身体全体のエネルギーが極度に低下するのです。

だから最初からフルタイムで働くと、必ず、また具合が悪くなる。


出社して数日は何とか我慢したが、その後休み、また、出て来ては休む。

というのが一番、会社としても使い難い。

時短でもいいから、毎日出勤する、と言う方が、まだ何かを任せられます。



話を戻します。

エネルギーが極度に低下すると、

何事にも興味がなくなります。週末など、本当に何もしないでゴロゴロしている

だけになる。そういう自分が何だか情けなくなるのは大変よく分かります。

しかし、動かないことによって、次第にエネルギーが回復するので、本人も周りも

無理に出かける(旅行はまだ、とんでもないです)、とか、本当は出かけたくないけど

出かけるとか、なにか気分転換を図る、とか、しない方が良いのです。


◆音楽を聴くのにもエネルギーが要ることが分かりました。

私は、一番症状が重いときから8年ぐらい、音楽を聴けなくなりました。


この日記は2002年から書き始め、音楽のことも書いていますが、

初めの頃は、昔聴いた音楽とそれをどのように感じたか、という記憶を頼りに

書いていました。自分から聴けるようになったのは5年ほど前です、ブログに音楽を

載せ始めたころです。それまでの数年は全然聴く気になれない。

コンサートに行くどころか、CDを聴く気持になりません。


一般に音楽を聴くのは受動的な行為で、エネルギーなど不要に

思われますが、私はこの時の経験から、

「音楽を聴くにもエネルギーが必要である」

ことが分かりました。「聴く」のが苦痛なときは「聞く」のも苦痛です。

うつ病患者の部屋で、親切のつもりかも知れませんが、「癒やしの音楽」

などをみだりに流さない方がいいです。


私は2006年頃から漸くCDが聞けるようになりました。


生の音楽を聴きに行こう、という気持になるにはそれからさらに2年を要しました。

2008年10月に自宅近くの杉並公会堂で、オーストラリア(オーストリアじゃないですよ)

室内管弦楽団が、ベルリン・フィルの首席フルート、エマニュエル・パユをゲストに

呼んだとき、10年ぶりに生をききました。それでもそれからトントン拍子に回復した

訳では無い。若い頃、健康な頃に比べたら、全然、コンサート通いの回数は少ないです。


◆長い間本が読めなかったのですが、最近非常に久しぶりに読めました。

うつ病に罹り、もう一つ辛い、というか情けなかったのは、本が全く読めなくなったことです。

以前は本が好きで、買いすぎていたぐらいなのです。

特にミステリーなど、次々に読破するのが好きでしたが、とんでもない。という状態になりました。

この日記を書き始めたのは2002年です。その後、ニュースを取りあげて論評しています。

それなのに、何故?と思われるかも知れません。

ニュース記事の情報量は、本一冊の数100分の1です。

これぐらいの情報量なら、脳が処理できるのです。


そして、時事問題日記を「書いている」のに「本が読めない」のはおかしい、

と思う方がおられることでしょう。

ご尤もです。私も病気になって初めてわかりました。読むより書く方が簡単なのです。

文章を書く場合、あまりにも当たり前ですが、自分の知っていることしか書けません。

自分が理解できていることを文字にするのです。

しかし、読書は、他人が書いたことを理解する訳です。

他人の思考に自分の思考を同調させなければ、理解できません。

自分と同程度の知能の持ち主が書いた文章ならば理解は比較的容易ですが、

自分より頭の良い人が書いた文章を理解するためには、大変なエネルギーが要るのです。


また、「小説を読む」ことは、とても高度な情報処理が脳内で行われていると思います。

小説を読むためには、設定(登場人物に関わること。背景となる世の中の状況など)を

記憶し、さらに、読み続けている間、今まで起きたことを覚えていないといけません。

あまり、上手く説明できていないので、おわかり頂けるかどうか・・・。


とにかく、うつ病になってからこの10年、小説を読んでも頭に入らなかったのです。

それが最近、漸く少しずつ、昔好きだったミステリーの類が読めるようになりました。

10年ですよ。

結構長かったし辛かったです。

私はかなり例外的に慢性化してしまい、また、うつ病の全ての人が

本が読めなくなるわけでは無いのですが、ネットは色々な方がご覧になっていますから、

もしかすると、三年目、五年目あたりで、「もう疲れた」という方がいらっしゃるかと

思いました。 私のような例がある、と知ることにより、多少気が楽になれば、

と思い、文章にしました。ご参考になれば、幸いです。

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2011.08.18

「静岡・天竜川遊覧船転覆事故」←3社が運営しています。

◆記事:天竜川で川下り船転覆=2人死亡、男児ら3人不明―23人乗り、岩に衝突か・浜松(時事通信 8月18日(木)0時56分配信)

17日午後2時25分ごろ、浜松市天竜区渡ケ島先の天竜川で、

天竜浜名湖鉄道(同区)が運航する川下りの船が転覆したと同社から119番があった。

船には 23人が乗っており、愛知県豊橋市向山町、ダンス講師木村周子さん(67)と

堺市北区百舌鳥赤畑町の羽根洋子さん(74)が死亡した。

男児(2)ら客2人と船頭の男性(66)の計3人が行方不明で、5人の男女がけがをした。

静岡県警は消防とともに転覆現場付近で不明者を捜索した。

「船が岩にぶつかった」と話す乗客もおり、県警は事故原因の捜査を開始。

運輸安全委員会は船舶事故調査官3人を現地に派遣した。

県警によると、救出された乗客は事故時の状況について、

船が川の渦に巻き込まれたり、岩にぶつかったりして、

客が川に転落したと話しているという。

天竜浜名湖鉄道によると、転覆した船は1.3トンで、長さ約11.6メートル、幅約2メートル。

川下りは「遠州天竜下り」と呼ばれ、乗客は午後1時半ごろ、

同社のある天竜二俣駅から天竜区米沢の乗船場にバスで移動。

川下り船は乗船場から磐田市との市境にある飛竜大橋までの

約6キロのルートを下流に向かう途中に転覆した。

天竜川の流れは緩やかだが、転覆した場所はルート上で唯一、

急な流れになっているという。記者会見した名倉健三社長は

「いずれにしても船頭の操作ミスだと思う」と話した。

乗客が実際に救命胴衣を着けていたかははっきりしないという。


◆コメント:天竜川下りを運営している会社は3社。

マス・メディアは、事故直後の速報は仕方が無いとしても、

この時事通信の記事など、事故から10時間後に配信しているのであるから、

問題点を整理して報道して頂きたいですね。


天竜川下りを運営している会社は3社あります。

一番上流、(弁天~時又間)が、天竜舟下り株式会社

このフラッシュ映像でわかりますが、上流だけあって、かなり急な流れです。

この会社の万全の安全対策を見ると

ライフジャケットを必ず着用、年2回の救助訓練。弁天・時又で救助船が常時待機。

賠償保険加入、など念入りです。


二社目は、天竜ライン遊舟 有限会社による、「天竜ライン下り」

これは、天竜峡~唐笠間で約50分。やはり、安全対策のページがあり
ライフジャケット着用、救助訓練、運行訓練、など国交省の指導の下、対策を講じている

と書いてあります。また、船外機が付いていて、緊急時にはこれで事故を防げる、とのこと。

天竜下りの船に更に救命ボートが積んである、ということでしょうか。


三社目が、17日の転覆事故を起こした、天竜浜名湖鉄道株式会社ですが、

事故後、アクセスが殺到しているのかなかなか見られませんでした。

漸くアクセスできたら、緊急時の謝罪画面になっているので、

普段は、どのような安全対策を講じていたのか不明です。

但し、最も下流ですから、報道写真、ニュース映像をみる限り、

最も上流の豪快!天竜舟下りより、穏やかな流れに見えます。

それでも転覆するときはしてしまうということです。


◆天竜川下りでは、過去に少なくとも2回、事故。1987年には2名死亡。

Wikipediaの天竜川下り転覆事故に記述があります。

前回は、2003年5月には京都の中学生25人と教師2人、船頭2人、合計29名が

乗った舟が転覆して、全員転落してますが、全員助かっています。

しかもその現場は、長野県飯田市時又とありますから、最上流ですね。

それ以前、1987年に5月に、観光船が水面に出ていた丸太にぶつかり転覆して

2名が死亡する事故が起きていて、それ以来、ライフジャケット着用が義務づけられたそうですが、

ネット上で検索するとわかりますが、大人は「絶対着用」ではないのですね。

過去においては、安全性の高いライフジャケット着用を義務化したら、客からクレームがあった

とのことで、その真偽は確認出来ませんが、容易に想像出来ますね。


今回の事故で亡くなった方のご冥福を祈りますが、

得てしてこのような事故では、客=善で、会社=悪、になりますが

よく調べると、客がライフジャケット着用を拒んでいた、ということも

仮定上の話として、可能性はありますね。

絶対安全ということは、あり得ないでしょうね。

今後「絶対に」事故を起こさない唯一完璧な方法はただ一つ。

天竜川下りを禁止することです。

極論ですけれども、厳密に「絶対」を追及したら、天竜川の舟だけではなく、

自動車事故、鉄道事故、航空機事故、船舶事故を「絶対に」起こさせない

唯一の方法は、自動車、電車、飛行機、舟を未来永劫使わないこと、です。

論理的に「絶対」は、それ以外の方法では得られません。

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2011.08.17

NHK「渡辺謙 アメリカを行く--“9.11テロ”に立ち向かった日系人←これは感動しました。

◆10年前の911テロ当時の運輸長官、日系二世のノーマン・ミネタ氏の物語です。

私は、全然知りませんでしたが、

ノーマン・ミネタ氏のプロフィールは、Wikipediaをご覧頂いた方がはやい。

日系アメリカ人で、ハワイではなく米本土で初めて下院議員となり、日系人のみならず、

東洋人として初めて閣僚になった方です。

911テロが起きたのはブッシュ(ジュニア。あのアホの方)政権です。

ブッシュは共和党です。ミネタ氏は民主党です

(民主党のクリントン政権ではミネタ氏は商務長官)。

謂わば野党の大物なのに、わざわざ運輸長官に選ばれたのですから

如何に有能な人材かわかります。


さて。

このドキュメンタリーの概略は番組ホームページが残っています↓。

「渡辺 謙 アメリカを行く "9.11テロ"に立ち向かった日系人

8月15日に地デジNHK総合テレビで放送されましたが、実はそれに先だって、

BSプレミアムでは、7月に二夜に分けて放送されたのです。

番組ホームページに表示してありますが、このBSプレミアムは、9月11日に

再放送される、とのことですので、是非ご覧になることを薦めます。


◆戦争中、強制収容所を経験し、絶対に差別はいけない、という正義を貫いた人です。

ノーマン・ミネタ(日本名:峯田 良雄)氏は1931年にアメリカで生まれた日系二世です。

ご両親は静岡出身で、訳の分からないアメリカに移り住み、一生懸命働いて、

漸く保険の代理店を営むことができるようになった、というところで、

太平洋戦争に突入し、日系アメリカ人は皆、全米12箇所の強制収容所に

入れられてしまったのですね。財産も何もかも没収です。

その時のあまりの理不尽さに、憤りを覚えたノーマン・ミネタ氏は

差別のない平等な社会をアメリカにおいて構築するという志を抱き、

政治家になります。

1988年には、ミネタ氏の奮闘の結果、Civil Liberties Act of 1988(HR 442)という法案が

決議され、これはアメリカ政府に第2次大戦中、アメリカが日系人を強制収容所に閉じこめた

ことは、過ちであることをアメリカ政府に正式に認めさせ、謝罪させ、補償させ、日系人の名誉を

回復させ、同じ過ちを繰り返さないよう、学校教育で徹底する、という内容です。

レーガン政権の時です。大統領は本当に謝罪しました。


これだけでも立派ですが、911テロの後、アラブ系・イスラム系のアメリカ人が

嫌がらせを受けたり殴られたのを見て、ミネタ氏のみならず、日系人が立ち上がるのです。

自分達と同じ思いをアラブ系・イスラム系アメリカ人に経験させてはならない、

という意思の表明です。こういうときの日本人は本当に立派です。


ミネタ氏は運輸長官ですから、空の安全確保が一義的使命ですが、

アメリカの世論は、911の犯人は若いアラブ系の男性だったことは分かっていたので、

飛行機の乗客のうち、アラブ系、イスラム系の人達だけ入念に調べる

「人種プロファイリング」をマスコミ、政治家、所謂「識者」が提案し、

感情的になっている一般市民、つまり世論もこれを支持したのですが、

ミネタ運輸長官は絶対にダメだ、と言います。

アラブ系、イスラム系アメリカ人は、全ての国民と同じだけの尊厳と敬意をもって接せられます。外見や肌の色で、判断されることについて私は実体験として知っています。日本人が祖先である私の歴史は、両親の精神力と強い志、そして日系アメリカ人が直面した不当な扱いの数々から成り立っています。

これ、NHKさん、ちょこっと載せちゃダメ?直ぐ削除されてしまうかも知れないけど

その時の映像です。






実に立派です。

しかし、ミネタ氏が人種プロファイリングを否定したため、

マスコミや政界内部でも散々非難されるのですが、

ノーマンミネタ氏は一向に動じない。全く考えは変わらない。

CBSテレビの"60 minutes"という、有名なニュース番組に呼ばれ、

アンカーのスティーブ・クロフトが色々いうのですけど、全然。

それは、これです。






これも直ぐ削除されてしまうかもしれないから、英語と日本語で文字に

起こします。
Kroft: Are you saying at the security screening desks that a 70-year-old white woman from Vero Beach, Florida, would receive the same level of scrutiny as a ? a (note: this is the literal look of the hesitant stutter, a feature of transcription) Muslim young man from Jersey City?

Mineta: Basically I would hope so.

Kroft: We don’t know much about the people that hijacked those planes on September 11th, but we do know something. I mean, all 10 of them were young Arab or Middle Eastern men.

Mineta: But that doesn’t mean that we should be suspecting all Arab young men.

Kroft: That’s the only thing we know about these people.

Mineta: But that is not a characteristic that makes them a terrorist.

Kroft: Can you envision a set of circumstances from a security point of view where it would make sense to use racial and ethnic profiling.

Mineta: On just that question alone, I’d say absolutely not.

邦訳です。

クロフト:空港の安全検査で70歳の白人女性と若いイスラム教徒に対して、同一の検査をするべきだとあなたは考えるのですか?

ミネタ: 基本的には、そういうことです。

クロフト:我々は 911テロの犯人について、良く知りません。しかし、若いアラブ系の男性だとは、分かっているんです。

ミネタ: だからといって、全ての若いアラブ系の男性が疑わしいとは言えません。

クロフト:犯人について分かっているのはそれだけなんですよ?

ミネタ: それがテロリストの条件ではありません。

クロフト:安全性の観点から、人種プロファイリングを肯定できませんか?

ミネタ: その質問に対する答えは、絶対に「ノー」です。

この後、渡辺謙さんがミネタ氏に、
何故、それぐらい強い気持ちを以て、(人種プロファイリングを)「止めるべきだ」と言い切れたのですか?

と質問する場面があります。ミネタ氏の答えは、単純明快です。
こうするのが「正しい」ことなのです。そう考えたら、揺らいではいけません。あとに退かないのです。強い姿勢で立ち向かい、「私たちはこう感じている。このやり方でやる。」と言うべきです。全く退きさがりませんでした。多くの人が手榴弾のようでしたよ。耐えるしかないのです。これは「正しい」ことなのです。憲法に則って(のっとって)いるのです。

これが、本来の政治家のあるべき姿ではないでしょうか。

「こんなことを言ったら、世論の反感を買い、次の選挙で落ちるかもしれない」とか

「自分が所属する政党の中で責められ、ホサれるかも知れない」などどいう

「私欲」がノーマン・ミネタ氏には、全くないのです。

ただただ、「正義」を実現する。「正しい」と信じたことは、世間が何と言おうと変節しない。


ミネタ氏は政治家として公式に発言するときや、大事な話は勿論、全て英語ですが、

実は、すこしたどたどしいですけど、日本語も、普通に話します。

日本食が大好きで、特に、ご両親が静岡の出身なので、「ウナギ、大好き。」だそうです。

ノーマン・ミネタ氏は、アメリカ人です。来年、80歳になります。

現実には、無理とわかっていても、私は、ノーマン・ミネタ氏に、

日本の内閣総理大臣になって頂きたい、と思いました。

「正義」などという概念は、ハナから念頭に無くて、

私利私欲、党利党略ばかり考えている日本の政治家が、恥ずかしいです。

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2011.08.16

陸前高田の薪騒動の原因は何か。

◆あまりにも二転三転してますね。

陸前高田の被災地の松で作った薪を京都五山送り火で燃やす「プロジェクト」

に関しては、あまりにも状況コロコロ変わりますね。

前回、8月10日に、

「被災地薪の送り火中止、京都市が謝罪…苦情千件」←京都市民も知らなかった「送り火プロジェクト」。事実を正確に伝えよ。

を書いた後、

◆陸前高田の被災松、一転「送り火」に 京都「五山の送り火」(河北新報 8月11日(木)8時42分配信)

京都市で16日に行われる「五山の送り火」に陸前高田市の松を使う計画が中止になった問題で、送り火の各保存会でつくる「京都五山送り火連合会」は、陸前高田市から別の松の薪500本を取り寄せ、送り火で燃やす方針を固めた。京都市が10日、明らかにした。

と報じられたけれど、翌日にはまた、変わるのですね。
◆<五山送り火>陸前高田のまきからセシウム検出 使用中止(毎日新聞 8月12日(金)16時14分配信)

東日本大震災の津波で倒れた岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松から作ったまきを京都市の「五山送り火」(16日)で燃やす計画で、京都市は12日、まきの表皮から放射性セシウムが検出されたため計画を中止すると発表した。送り火の実施主体の五つの保存会は同日、市の決定に従うことを決めた。

すると、これとは別に、
◆陸前高田の松、成田・新勝寺へ=表皮はぎ、おたき上げで供養(時事通信 8月15日(月)10時15分配信)

東日本大震災の津波で流された岩手県陸前高田市の名勝「高田松原」の松の一部が来月、千葉県成田市の成田山新勝寺で供養される見通しとなったことが15日、分かった。同寺の僧侶が慰霊法要で被災地を訪れた際、宗派が同じ陸前高田市の金剛寺から依頼され、受け入れを決めた。

という報道がありますが、これは京都大文字で燃やす予定だった薪とは別の話ですね。

ただ、京都のすったもんだの後なので、同一のメッセージを書き込んだ陸前高田の薪と混同し易い。

違います。ところがこちらでも同じような騒ぎが勃発した、と。
◆「核廃棄物持ち込み許さない!」 マツ騒動、今度は成田山新勝寺に抗議(J-CASTニュース 8月15日(月)19時42分配信)

東日本大震災の津波でなぎ倒された岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」のマツの木を、

千葉県の成田山新勝寺で「護摩木」と共に焼いて供養することが報道されると、

「核廃棄物を持ち込むことは許さん!」などといった苦情が寺に押し寄せた。

陸前高田市のマツを管理するボランティア団体にも抗議が来ている。

陸前高田市やボランティア団体からは、市への非難や風評被害が広がるばかりで、

「もうそっとしてほしい」といった悲鳴が挙がっている。

■「皮は薪にはしないのに」と地元は憮然

市やボランティア団体は、マツを巡る騒動でバッシングに晒されていることに頭を抱えている。

今回の騒動のあらましはこんな具合だ。

陸前高田市のマツを管理するボランティア団体によれば、2011年6月に大分県の芸術家から、

京都「大文字」で使うマツの木切れが欲しいといわれ、市と協議して提供を決めた。

木切れに被災者の願い事を書いて欲しいという申し出については、

市民は復興で忙しい中、疑問もあったが、震災で亡くなった縁者を思い、

また自分達への心遣いに感謝して応じることになった。

「生まれ変わったらまたあなたと再会したい」などと書かれたものが400本近く集まった。

しかし、京都では放射能を心配する府民からの反発が出て、

大文字保存会は2011年8月6日、陸前高田市のマツは使わないと発表した。

すると今度は全国から、京都への非難が殺到したため、

一時は「大文字」をはじめとする五山の保存会が薪に使うと発表。

マツの放射能の検査が条件だった。

検査してみると表皮に1キログラムあたり1130ベクレルの放射性セシウムを検出、再び中止が決まった。

ボランティア団体によれば、最初の「大文字」で使うマツは

京都の関係者や自分達が検査しても放射能は出なかったという。

それは、マツの皮を取り、薪として使えるよう加工した後だったからだ。

次に行われた検査では、加工していないマツが運ばれ、

皮と内側を別々に検査。内側は大丈夫だったが皮から放射能が出た。

ボランティア関係者は、

皮は薪にはしないため、今回の検査でよかったのだろうか?」と首をひねる。

しかし、今回の検査で京都に対する非難が沈静化したのは確かだ。

■「燃やしても全く人体に影響はない」

ちなみに、放射線影響研究所に問い合わせてみたところ、

野菜や肉、魚などについては、放射性セシウムが1キロあたり500ベクレルを超えるものは

食用にしないという国の基準値がある。今回のマツの皮は

1キログラムあたり1130ベクレル。約2倍の数値だが、皮を食べることはない。

「不安だという気持ちはわかりますが、燃やしたとしても全く影響は出ないでしょう」

と話している。

そうした中、11年8月15日、千葉県の成田山新勝寺で

9月25日に行われる伝統行事「おたき上げ」で、願い事が書かれた札「護摩木」とともに

陸前高田市のマツがたかれると報道された。

すると15日の昼過ぎまでに新勝寺に30本近い問い合わせが来た。

批判が多く「核廃棄物を持ち込むことは許さん!」といった過激なものまであったという。

新勝寺によれば、マツを燃やすことを決めたのは京都「大文字」が話題になる前で、

同じ宗派である陸前高田市の金剛寺が「おたき上げ」でマツを供養することを知り、

賛同したことがきっかけ。マツは金剛寺から長さ90センチ、4.5センチ角のものを

20本から30本提供を受ける。批判が寄せられていることについて新勝寺では、

「まずは放射能の検査をします。検出されればマツは燃やしませんが、拝むという形になるかもしれません」
と話している。

この新勝寺の件で、再び陸前高田市のマツに対する非難が始まっている。

先のボランティア関係者の電話には、「どれだけ日本に放射能を拡散させたいんだ!」

などといった抗議が来ているという。


◆コメント:勝手に「送り火プロジェクト」を企画するからですよ。

私は、基本的に前回と同じ意見のままでして、要するに最後に引用したJ-Castだけが、

今回の騒動のあらまし」として書いている部分。

2011年6月に大分県の芸術家から京都「大文字」で使うマツの木切れが欲しいといわれ、市と協議して提供を決めた。木切れに被災者の願い事を書いて欲しいという申し出については、市民は復興で忙しい中、疑問もあったが、震災で亡くなった縁者を思い、また自分達への心遣いに感謝して応じることになった。

ここの説明不足が一連の報道の最大の欠陥でしょう。

大分県の芸術家、即ち、藤原了児が立ち上げた(と言っていいのか、すら疑問ですが)、
大文字送り火に陸前高田の松原ープロジェクト

が、大文字保存会(送り火は京都市が監督する事項では無いのですね)に相談しないで、

陸前高田に趣き、
京都「大文字」で使うマツの木切れが欲しい

といったのですね。陸前高田の人々も復興で忙しいけど、
「自分達への心遣いに感謝し」て応じることになった

と言うぐらいだから、最初から京都で燃やしてくれと言うつもりは無かったのですね。

京都大文字保存会も、陸前高田で話がまとまった後で、いきなり「送り火プロジェクト」とか

言われても困りますよね。ましてや京都市民はそんな動きは知らなかったというのですから、

京都の人はどうのこうの言われてもムッとしますね。

一つ京都側でまずいかな?と言う点があるとすれば、一旦断ったのを
「やっぱり、送り火で、陸前高田の被災地の薪を燃やします」

と言ったことでしょうか。断ったら断りっぱなしの方が良かったですね。

そして燃やすというなら、無条件で燃やせばいいのに、「放射性物質検査をしてから」

といって、皮からセシウムが検出されて、再度
「やはり、燃やしません」

というから、如何にも後味が悪いのですが、最初に企画した人、大分県の芸術家は

この二転三転の間、何をしていたのでしょうか。


大文字保存会も京都市も、早い段階で、公式に事実を発表したら良かったと思います。

「この話は大分県の自称アーチストから急にもちこまれたもので、大文字保存会に

陸前高田の被災地の薪を燃やす計画は、最初から存在しなかったのです」と。

陸前高田側だって、自分達から「大文字で燃やしてくれ」と

そんな発想は全然無かったのに、「大文字で使うから」と言われ、時間を割いたのに、

何だか、京都だけではなく、成田山の話まで、一緒くたに混同され、

世論から「放射性物質を撒き散らすな」といわれたら、それは怒りますよ。

そのようなつもりは、陸前高田には毛頭ないのですから。

怒るでしょうけど、ああ、あれは大文字保存会の申し出は無かったのか、

という事情が分かったでしょう。

少なくとも、京都全体が日本中から薄情者扱いされることは無かったでしょう。

京都一般市民は完全に「寝耳に水」だったのです。

この問題が分かりにくいのは、メディアが、

そもそも、この話は大分県の一「芸術家」が思いつきで始めたことで、

陸前高田も京都もいきなり言い出されて混乱している状態なのだ、

ということを書かないからです。だから、全然事情を知らないで、騒ぐ輩は、
陸前高田 VS 大文字保存会(又は京都市)

という図式が存在しているとおもっているのではないでしょうか。

特に読売新聞の書き方が非常に気になるのですが、

大文字保存会に事前に何も相談しないで、陸前高田に行って、

「大文字送り火に使う薪が欲しい」と掛け合った人物が問題の大きな原因と

なっていることは明らかなのに、それを書かないことです。

前回の記事にも書きましたが、論評するかどうかは二の次で、

報道機関は、「本当は、何が起きたのか」を細部まで正確に書くべきです。

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2011.08.15

日記を書かない方が良いときがありまして。

◆昨夜日記を更新しなかった訳。

元来、子供の頃からクヨクヨと心配しても仕方が無いことを心配してする性格です。

死んだ親父からは、しばしば、「そんなことを心配しても仕方が無いだろう」と

叱られましたが、心配性の人間というのは、そんなこと、分かっているのですよ。

しかし、「心配しても仕方が無いから、心配するのは止めよう」と決心して、「クヨクヨ」が

とまるなら、苦労はないので、理屈では、心配しても仕方が無いと理解していても、

どうしても心配になるから「心配性」って言葉があるわけです。

同様に「憂鬱になっても何も生み出さないから、止めよう」と決心したら

憂鬱感が吹っ飛ぶならば、うつ病などという病気は存在せず、精神科医もカウンセラーも

必要ありません。


前置きが長くなりましたが、夕べはどうもその「憂鬱さ」が普通の人の憂鬱と

質が違う、もっと頑固なもので、それは、私が遷延性のうつ病患者であることに

起因している、と判断したのです。

気分がそういう状態(うつ病は精神病では無く、気分障害という範疇に属します)では

世の中を冷静に判断出来ない。冷静に出来ないと言って興奮しているわけではないのですが

何もかも、世の中全体のことも自分のことも全て悲観的に解釈してしまいます。

そのような状態で、天下国家を論じても、あまり合理的な文章は書けません。

それで、止めました。


ただ、一つ気になっていることがあります。先日書いた、

「被災地薪の送り火中止、京都市が謝罪…苦情千件」←京都市民も知らなかった「送り火プロジェクト」。事実を正確に伝えよ。

は、その後、二転三転していますが、どのメディアも、私が

最初にかいた、大分の藤原了児氏の「大文字送り火に陸前高田の松原ープロジェクト」がことの発端であることを

きちんと伝えていないように思います(思います、と書いたのは日本中のメディアをチェックすることは不可能だからです)。

最初に京都の人々が、不当に非難されていたことに関して、メディアは何か言うことがあるのではないでしょうか。


また、この記事に関してブログには京都ご在住の方から大変丁寧なコメントを頂戴しましたが、

まだ、お返事を差し上げていないので、心苦しいのですが、決して他意がある訳ではございません。

だらしがなくて申し訳ありませんが、もう暫くご猶予を。

夜には、もう一度更新します。

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2011.08.14

【音楽】クラシック・サクソフォーンってあんまり知らないでしょ?

◆サクソフォーンはきちんと吹くと物凄く綺麗な音がします。

吹奏楽などで、「そんなこと、知っているよ」と言いたくなるでしょうが、

まあ、聞きなされ。


世の中を見渡しますと、やはりクラシックの世界というのは、

専攻する人が一番多いのは、今でもピアノですね。

ヴァイオリンもオーケストラを見るとあんなにいますけど、

習っている人は、ピアノより遙かに少ない。


それ以外、特に管楽器になると、一般には全く何も知られていない

と言っても過言ではない。


サクソフォーンは、1840年代にベルギーのアドルフ・サックスという人が

発明した楽器です。かなり新しい楽器です。

ラベルやプロコフィエフなどは、オーケストラにサクソフォーンを使っていますが、

何しろ、楽器が出来たのが西洋音楽の歴史全体からみると「最近」なので、

残念ながら、オーボエ、フルート、クラリネット、ファゴットなどは

モーツァルトや、歴史に名を残した大作曲家が作品をかいてくれましたが、

サクソフォーンには、それに匹敵するオリジナルの名曲がありません。

そして、むしろ、ジャズに使われるようになったら、それはそれでいいのですが、

この楽器の持つ、本来の美しい音をわざと壊すというか、粗い音が定着してしまいました。

クラシック・サックスというのは音楽全体から見ると非常にマイナーなのです。

だから、世の大多数の人は知りませんが、

本当は正しく吹くと、ものすごく美しい音色をもつ楽器です。


◆カナダのサックス奏者、ポール・ブロディー(Paul Brodie)のアルバムから。

などと、完全に知ったかぶり(いつものことですが)になっています。

私自身、ほとんど知らないのです。サックス奏者というとカラヤンがサックスを含む

オーケストラ曲を演奏するときに、必ず、エキストラとして呼んでいた、フランスの

ダニエル・ドゥファイエという人がいましたが、他は全くと言って良いほど、知りませんでしたが、

数年前に、ナクソス・ミュージック・ライブラリーで偶然聴いたのが

これからお聴き頂く、カナダの奏者ポール・ブローディという人です。既に故人です。

アメリカやカナダのWikipediaを読んでみたところ、「最も多くの録音を残したサックス奏者」

と言われているそうですが、余りにもマイナーなレーベルに録音しているのです。


クラシックですと、ドイツのグラモフォンとかロンドン・デッカ、あるいはSONYとかEMIとか

でかいレコード会社からCDを発表できるのとそうじゃないのとでは、歴然と差が付きますね。


以下ご紹介するのも、CDは遂に見つかりませんでした。

ClassicsOnlineというクラシックのmp3ダウンロード販売サイトで

漸く見つけました。

BRODIE, Paul / GOODMAN, Erica: Soprano Saxophone and Harp

音楽に限らずネットショップの常で、購入するには、まず無料の会員登録が必要です。


◆音楽です。チマローザ:オーボエ協奏曲、タイスの瞑想曲など。

はじめは、チマローザのオーボエ協奏曲です。最近の音楽学者の研究では、

チマローザの作品では無い、とのことですが、めんどくさいから、チマローザにします。

協奏曲だから本来、オーケストラ伴奏ですが、この録音はハープの伴奏で、

ソロ・オーボエをソプラノ・サックスで吹いています。

とにかく綺麗ですから、騙されたと思って聴いて下さい。


チマローザ:オーボエ協奏曲 (ソプラノサックスとハープ)ハ長調 第一楽章 ラルゲット







悲しくて切ない・・・。

間にアレグロが入ります。やや快活(アレグロだから当たり前ですけど)。


チマローザ:オーボエ協奏曲 (ソプラノサックスとハープ) ハ長調 第二楽章 アレグロ







次がたまらないのですよ。シチリアーノ。


チマローザ:オーボエ協奏曲 (ソプラノサックスとハープ)ハ長調 第三楽章 シチリアーノ







これは、悲しく切ないですね。何という美しい音楽だろう!と思ったので何度か

このブログでも紹介しているのですが、全然反応ないのです。まあいいや。

次。

お馴染み、ラフマニノフのヴォカリーズ。


ラフマニノフ:ヴォカリーズ






これは、元は歌ですけど、何の楽器で演奏しても美しいですね。

最後です。これもお馴染み、「タイスの瞑想曲」。


マスネ:「タイスの瞑想曲」(ソプラノサックス:ポール・ブロディー、ハープ:エリカ・グッドマン)







もう夏休みを取った方、これからの方、帰省中の方、旅行中の方、自宅でのんびりの方。

こういうの聴いてゆっくりして下さい。

それでは。

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2011.08.12

1985年8月12日18時56分28秒、日本航空123便が墜落しました。

◆文章を書き始めるまでに2時間かかりました。

私は、1年に2回、毎年々々、全く同じ歴史的事実について書き続けています。

前後しますが、1つは、11月13日。1989年、当時の島根医科大学第二外科が、日本で初めての

生体肝移植手術を行ったのです。長い間日本の医学界でタブーとされていた「移植」手術を行う

決断をした、勇気ある医師がいた。忘れてはいけないのです。

もう一つが、今日、8月12日のあの悲惨な事故です。

勿論1945年、8月6日と9日、広島と長崎に起きたことも忘れてはならない。

これはしかし、私が言うまでもない。


123便の墜落事故の年、私は既に社会人2年目でしたが、

26年前ですから、今、既に立派な大人となっている人達のかなりが、

事故当時はまだ幼かったとか、小学生だったので、良く覚えていないとか。

そういう時間が経過しました。


当時のことを覚えている大人の多くが、敢えて123便のことを忘れようとしているように思う。

余りにも悲惨で、思い出すと辛くなるようなことを意識から無意識に排除する人がいます。

そうでしょうね。たった5ヶ月前に起きた地震とそれによる原発事故のことすら、直接被災して

いない人は、特に原発のことは、考えないようにしている。

それはさておき、123便は忘れていけないと思います。

しかし、安易に軽佻浮薄にこの事故について語るべきではない。

さきほどからPCの前で2時間も考え込んでしまいました。


◆事故当時。

1985年8月12日は月曜日でした。私は仕事が暇で、珍しく早く退社し、

自宅最寄りの駅で電車を降りた後、自宅に向かう途中、昔はよく見かけた

個人経営の小さな本屋さんで、立ち読みをしていました。

店内には、小さなラジオがいつも付けっぱなしになっていました。

突然、NHKのアナウンサーが非常に緊迫した声色で、午後6時10分過ぎに

羽田を離陸して大阪伊丹空港へ向かっていた日本航空123便ボーイング747型機が

同6時50分過ぎにレーダーから姿を消した、という趣旨の原稿を読み上げました。

航空関係に関して素人の私にも、巨大な「ジャンボ機」がレーダーから姿を消した、

ということが、何を意味するか容易に推察出来ました。知り合いが乗っているかどうか

ということには考えが及ばず(乗っていなかったことは後にわかりましたが)

あまりのことの重大さに膝が震えたのを良く覚えています。

今、8月12日の18時45分です(夕べはどうしても、書けませんでした)。

26年前の今頃、高浜機長ら、コクピットクルーは

明らかに異常が発生し(後に123便は垂直尾翼が破壊されていたことが判明しましたが、

事故直後は、コクピットクルー(機長、副操縦士、航空機関士)も管制官もそれを

しりませんでした)、「操縦不可能」となった機体と「格闘し」ていました。

しかし、18時56分28秒。飛行機は、山に激突しました。

余りにも悲しい。


事故から15年後、2000年。それまでは音声を文字に起こしたものしか公表されなかった

CVR(コクピット・ボイス・レコーダー)の音声そのものを、TBSが入手します。

どうやら国は事故資料を破棄し、事実の隠蔽を図ったらしく、それに憤りを覚えた

当時の運輸省(現在の国交省)から内部告発があったのです。

8月8日の夕方のニュース番組で、この録音が電波に乗り、高浜機長の奧さんですら、

初めてこれを聴きました。一般国民は全員、愕然としました。

文字だけでは分からなかったこと。

それは、123便のコクピットクルー、高濱機長、佐々木副操縦士、福田航空機関士は

本当に最後の最後まで、何とか乗客の生命を守ろうと、冷静に、これ以上懸命になれないほど

懸命に、あらゆる方法で機体の姿勢を建て直そうとしたのでした。


CVRの音声が公表されるまでの15年間、高浜機長らの自宅には、卑怯な

嫌がらせ電話が殺到しました。


しかし、音声をTBSが公表したことにより、皆、機長らの無念をしりました。

それまで嫌がらせをしていた人が、謝罪をした例もありました。


事故当時中学3年だったというある男性は、事故で身内を失った訳では無いけれど

空の安全を守る人間になろうと、本気で決心し、航空管制官になりました。

123便のコクピットクルーのお子さん達、つまり、

高浜機長のお嬢さん、佐々木副操縦士と福田航空機関士のご令息はそれぞれ

キャビン・アテンダントと、パイロットになりました。

彼らは、自分達が一生、安全なフライトを続けることにより、

乗客を無事に目的地に運ぶ使命を果たせなかった、

父親の無念を晴らしたいのでしょう。


どうして、こういうことを書くかというと、123便の悲劇をメディアが

取りあげるときには、どうしても亡くなった乗客とその遺族ばかりが

操縦士、副操縦士、航空機関士を運航乗務員と言い、

当時で言う所のスチュワーデス達を客室乗務員と言いますね。

チーフ・パーサー1名、アシスタントパーサー7名。スチュワーデス4名。

12人の客室乗務員も亡くなった。その遺族の悲しみは乗客の遺族のそれと

違う訳がない。しかし、表向きは日本航空の社員=加害者側とみなされ、

慰霊登山もこっそりしなければならないのです。

(今は、確認していません。少なくとも事故後暫くは、そういう状態でした)。


◆ボイスレコーダーの音声と、123便の航跡をシンクロさせた、フラッシュです。

面白半分に聴き、見るのは言語道断ですが、

今日、現実世界を見ても、ネットを見ても、今日は誰も「日航123便」のことなど

話さないし、書かない。

何でもすぐに忘れてしまう日本人です。

このフラッシュと音声は、辛くても「見て」「思い出さなければならない」

と思います。



事故調査委員会発表を元にした、CVR音声と123便の飛行経路


1985年8月12日、JAL123便CVR音声と飛行経路



最後に。

123便に関係する本は無数にありますが、

茜雲 総集編―日航機御巣鷹山墜落事故遺族の二〇年

胸が張り裂けそうになります。正直に云うと本当に辛いです。暫く動けないほど、悲しくなります。

読むには、覚悟が要ります。しかし、多くの人に読まれるべきです。


26年前に亡くなられた520人のご冥福を祈ります。

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2011.08.11

【音楽】怒濤のカッチーニ。

◆カッチーニの「アヴェ・マリア」だけの日です。

昨年の5月に初めて取り上げてから、これでもかこれでもか、と、様々な楽器や

歌手、或いはコーラス(アカペラ)による、カッチーニの「アヴェ・マリア」を

集めました。いい加減にしろ、と言われそうですが、たまに無性に聴きたくなります。

昨夜も書いて、しつこいのですけど、8月10日は私の誕生日なので、まぁ、

赦しておくんなさい。順不同。思いつくまま。


◆色々な演奏家による、とにかく、カッチーニのアヴェ・マリア。

近年の音楽学者の研究によると、これはカッチーニの作品ではない、とのことですが、

これは、論文じゃないから、「カッチーニのアヴェマリア」のままにします。


宮本文昭(オーボエ)・笑里(ヴァイオリン)



お嬢さんの笑里さんのデビュー・アルバム、smile [Hybrid SACD]での父娘共演。






いいですねえ。実に実に美しい。


同じオーボエ族ですが、N響オーボエ奏者の池田昭子(いけだ しょうこ)さんのアルバム、

アヴェ・マリア~オーボエ作品集から。


池田昭子(コール・アングレ=イングリッシュ・ホルン)






音域が低くなる事によって、派手さは無くなりますが、物凄く心を慰められる音で演奏なさってますね。


次はヴァイオリンです。川畠成道さん。この人は、デビューして十数年たちますけど、

学生の頃から、圧倒的に美しい音に、ハッとしたのを良く覚えています。

英国王立音楽院に留学し、首席で卒業しただけではなく、同音楽院175年の歴史で

二人目となる、スペシャル・アーティスト・ステイタスの称号を授与されたすごい人です。


2007年に発売された、8枚目のアルバム、美しき夕暮れ Beau Soir から。


川畠成道氏(ヴァイオリン):カッチーニ: アヴェ・マリア







思い切り弾かないというか、控え目な弾き方の美しさが、如何にも英国風だと思います。

非常に上品だ。


同じ弦楽器群で、音域が下がります。チェロ。

N響首席チェロ奏者、藤森亮一氏の、ラルゴ--チェロ小品集IIから。


藤森亮一氏(チェロ):カッチーニ「アヴェ・マリア」







低音で演奏されると、グッと落ちつきます。どうやっても綺麗ですね。


もっと音域を下げましょう。コントラバス。元N響コントラバス奏者、池松宏氏の

5つのアヴェマリア

コントラバスで、美しい曲ばかり。お薦めです。


池松宏 (コントラバス):カッチーニ: アヴェ・マリア







しみじみと美しい。余韻に浸りますね。伴奏のハープが見事でした。同じN響の早川りさ子さんでした。


歌にします。

最初にカッチーニを取りあげたきっかけはこの人。ロシアのカウンターテナー、スラヴァ。

アヴェマリアだけを集めたアルバム、ave mariaから。

スラバ(カウンター・テナー):カッチーニ: アヴェ・マリア






男の声です。これぐらい綺麗だと、もう、性別なんか関係ないですね。

シンセサイザー伴奏なのが、ちょっと勿体無い気もしますが、まあ、面白い。

このアルバムにはストラヴィンスキーのアヴェマリアとか、ブルックナーのアヴェマリアとか色々。

面白いですよ。


次は、故・本田美奈子さん(1967-2005)。

残念なことに30代で白血病で夭逝なさいましたが、本田美奈子さんは、

アイドル歌手→ミュージカルを経て、クラシックにたどり着き

「(自分が探していたのは)これだ!」

と直感なさったそうです。既に歌謡曲やミュージカルでは地声で歌うクセが付いていますから

それを一度、全部取り払って改めて、ファルセット(裏声)で歌う声楽の勉強をしたのですから

絶対に大変だったと思いますが、驚くほどの努力をなさった。そして明らかにクラシックに相応しい

感性と声質をお持ちでした。このまま研鑽を積んでいたら、音色、音量、技術、全てにおいて、

どんどん向上なさったと思います。アルバム AVE MARIAから。


本田美奈子(ソプラノ):アヴェ・マリア







非常に上品なセンスの良い演奏だと思います。

全くの蛇足ながら、先ほど載せた、N響首席チェロの藤森さんは、本田美奈子さんの

大ファンだそうです。



楽器に戻ります。


金管楽器。トロンボーンです。アメリカ、ミルウォーキー交響楽団首席トロンボーン奏者、

神田めぐみさんのグロリア。



残念ながら、国内盤は廃盤のようですが、アメリカのAmazonにはあります。



神田めぐみ(トロンボーン):カッチーニ: アヴェ・マリア







実にふくよかな、美しい本来のトロンボーンの特性を生かしている。

トロンボーンの音は、勘違いしている方がいらっしゃいます。本来、柔らかいのです。


もうひとつ、金管。

先日、
【音楽】新しい才能の発見。ガボール・ボルドツキ(トランペット奏者)。非常に上手いです。

でご紹介したばかり。余りにも、皆さん、無反応だったので、

お気に召さなかったのかも知れませんが、これほど上手い人は最近珍しい。


ガボール・ボルドツキ(トランペット):カッチーニ: アヴェ・マリア







高音で音が堅くならないというのが、トランペットでは肝心です。上手い。


最後です。今日は完全に順不同です。私が日本音楽史上最高の声楽家と信じて疑わない

ソプラノの森麻季さんの最新アルバム、アヴェ・マリアから。


森麻季(ソプラノ):カッチーニ:アヴェ・マリア







音楽家は、自分の演奏に100%満足することは無い、といいます。

しかし、私には森さんの演奏には、「完璧」という形容詞しか該当する表現がない、と思います。

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2011.08.10

「被災地薪の送り火中止、京都市が謝罪…苦情千件」←京都市民も知らなかった「送り火プロジェクト」。事実を正確に伝えよ。

◆記事1:被災地薪の送り火中止、京都市が謝罪…苦情千件(読売新聞 8月9日(火)21時32分配信)

東日本大震災の津波に遭った岩手県陸前高田市の松で作った薪(まき)を「京都五山送り火」(16日)

で燃やす計画が中止された問題で、京都五山送り火連合会の事務局でもある京都市は、

9日の市議会で「被災された方々や京都市民、京都ファンのみなさんにおわびする」と謝罪した。

市や、中止を決めた大文字保存会に寄せられた意見は9日午後5時までに約970件に達した。

同市によると、約970件の意見は「批判的なものが9割9分」という。

「京都は被災者の気持ちを踏みにじった」などの批判や抗議に加え、

「風評被害を助長するような声に、放射性物質の検査をしながらなぜ屈したのか」

といった過剰反応を疑問視する声もあった。京都府庁にも9日午後5時までに、

127件の意見が寄せられた。大半は批判の声だった。


◆記事2:被災マツ、大文字使わず 「放射能不安」で一転(京都新聞 8月6日(土)10時39分配信)

東日本大震災の津波で倒れた岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」のマツを京都に運び、

五山送り火の「大文字」に使う計画が中止になったことが5日、分かった。

マツの放射能汚染を懸念する声が京都市などに寄せられたためで、

8日に陸前高田市で燃やす方針という。

高田松原のマツを薪にして販売し、復興支援に充てる活動を知った大分市の美術家が6月、

大文字保存会(京都市左京区)に打診し、7月中にも受け入れる準備を進めていた。

マツは当初約200本用意され、現地の人たちが犠牲になった家族や友人の名前、復興への祈りを記していた。

ところが、7月に入り、京都市文化財保護課や保存会にマツの放射能汚染を不安視する声が寄せられ、

インターネットの掲示板などにも反対意見の書き込みが続いた。

飼料の稲わらへの汚染拡大もあり、同課と保存会は同月下旬、全点のかけらを採取して検査した。

放射性セシウムは検出されなかったが、保存会全体では受け入れで一致できず、断念を決めた。

8日は保存会役員が陸前高田市に赴き、亡くなった人の精霊をお盆に迎える火として燃やすという。

陸前高田市で記入呼び掛けに協力した男性は「避難所でお願いすると進んで書いてくれ、

マツは400本近くになった。(中止の件は)正式には聞いておらず、今は話すことはない」という。

保存会の松原公太郎理事長は「書いた方の思いにできるだけ協力したかったが、残念です」としている。


◆コメント:読売新聞の記事はミス・リーディングです。

全国紙のようなマス・メディアにとって、一番大切なのは、

まず、「本当は何があったのか」を「正確に」世間に伝えることです。

記事1はその要件を満たしていない。

計画があって、中止になって、京都に抗議が殺到した。それは本当ですが、

そもそもこの計画は、京都市民すら、知らなかった。


mixi日記というのがありますが、京都の方が、この読売の記事だけではなく、同様の趣旨の報道に対して、

京都人が「人でなし」のように言われるのは悲しいし、心外である。「送り火計画」の存在すら知らなかった。

と書いておられます。1人や2人ではありません。


記事2をよく見て下さい。

8月6日付の京都新聞です。
東日本大震災の津波で倒れた岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」のマツを京都に運び、五山送り火の「大文字」に使う計画が中止になったことが5日、分かった。

こういうときには、Twitterは便利です。現地の方に伺うと、こういう計画があり、それが中止になったことを

京都市民が知ったのは、全国の他の地域の人々と同時だと思う。と。つまりこの京都新聞で初めて知ったということです。


そもそも、五山送り火の大文字は伝統行事なので、何処の薪を使うかというようなことはとっくに決まっていて、

今年の大文字に使う松の伐採は3月に行い、4月にはそれを薪に適した大きさに切って乾燥させて、保存するそうです。


一方、その伝統的手続きとは別に、大分市の美術家、藤原了児さん(61)が、
大文字送り火に陸前高田の松原ープロジェクト

とわざわざサイトまで立ち上げてますけど、時系列にことを整理すると、

まず、藤原さんが陸前高田で松を見つけて、京都の五山送り火の「大文字」に使って貰おう、と決めちゃうのです。

そして、被災地の丸太を薪にして、それから、京都へ行き、大文字保存会に、相談するのです。

ここから先は、mixiとTwitterから収集した話で100%正しいかどうか分かりませんが、

色々な人の話を相互に突合したことを書きます。

大文字保存会としては、五山送り火の「大文字」に使う木は決まっていて、前述のとおり

既に今年の薪の準備は終わっていたところに、陸前高田の薪を燃やしてくれないかと頼まれて、

困ってしまった。とりあえず、保留にしたのですが、

「プロジェクト」は、薪に書く文章の募集などを岩手の新聞に掲載したり先行してしまうのですね。

大文字保存会が断ろうとしたときにはもう、色々と文字を書いた薪が出来上がっていた。

断ろうとした理由が、放射能を気にした市民からのクレームということになっていますが、

先に書いた通り、一般京都市民は6日の新聞やテレビ報道を見るまで、このような計画があったことを

知らなかったというのです。これは、mixiとTwitter両方で何人もの方が書いている。

知らないことに反対は出来ません。

でも、あまり岩手の人ががっかりしてしまったので、大文字保存会の会長が

本当は今は、大文字前で一年で最も多忙な時期なのだけど、陸前高田に行って送り火をして謝罪した。

京都市という自治体は、本来、送り火「大文字」の運営とは関係ないのですが、

あまりにも世間の風当たりが強いので、謝罪した。

ということになります。


何度も書きますが、大多数の京都市民は、陸前高田の薪を大文字で燃やす計画が

あったことを知らなかったのです。

知らないことにたいして、賛成も反対もできません。

だから放射能うんぬんでインターネットの掲示版に反応があったとしたら、

一体誰が反応したのか。

計画を知っているとしたら、大文字保存会の面々でしょうが、

保存会は、銀閣寺前の商店主14~15人の集まりですから、

そういう人達が、ネットの掲示版に何度も書き込んで反対するでしょうか。

反対なら反対と集まりで言えば良いのですから、考えにくい。

謎が多いです。


◆結論:少なくとも、京都市民が結託して反対したのでは、ありません。

事実の全貌は明らかになっていません。

前段で私が書いたことにも、多分に推理が混入しています。


くどいと知りつつ、もう一度確認しておきたいのは、

この計画に関して一般の京都市民は全く関知していなかった。知らなかったのです。

計画があったことも中止になったことも、他の都道府県民と同時に知ったので、非常に驚いています。

mixiとTwitterでお互い知らない同士が口裏を合わせているとは、到底思えません。

ですから、その計画の存在を知っただけでもおどろきなのに、

冒頭に転載した読売新聞記事のように、まるで京都市民が放射能を恐れて

被災地の人々の心を踏みにじる「人非人」のように非難されても悲しいし、

当惑するし、腹立たしい。とにかく、京都の人々自身、「訳が分からない」

状態である。これは確かです。

その点、全国紙の記事は何だか、京都に対して非常に恣意的です。

一番最初に書いたとおり、マス・メディアは、

本当は何があったのか?

を正確に伝えるのが使命ですが、本件に関して、その使命を全うしているとは、

認められません。


最後に私事で恐縮ですが、本日8月10日は私の誕生日です。

51歳になりました。昨年あたりから、自分が半世紀も生きているにも関わらず、

精神というか人格が子供のように幼稚なので甚だ恥ずかしい次第です。

今後ともよろしくお付き合い頂きたく、

お願い申し上げます。

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2011.08.09

「S&P、米国債初の格下げ 赤字削減が不十分 」←格付け機関の無責任。

◆記事:S&P、米国債初の格下げ 赤字削減が不十分 (日経 2011/8/6付)

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が5日(現地時間)、

米国債の長期格付けを「トリプルA」から初めて1段階引き下げると発表した。

欧米の財政問題を背景に、欧州では株価が大幅下落し、

米国でも5日の株式相場は乱高下するなど国際的な金融不安が続いていただけに、

週明けも市場が一段と混乱する可能性がある。

日米欧7カ国(G7)は近く、財務相会議を緊急開催し、対応策を協議する。

S&Pは米国債の長期格付けを最上位の「トリプルA」から、「ダブルAプラス」に1段階引き下げた。

同社が米国債を格下げするのは1941 年の現行制度開始以来初めて。

S&Pは「米政権と議会が合意した財政健全化計画が、

政府の中期的な債務構造の安定に不十分と判断した」としている。

格下げはドルの信認にも影響が出る可能性が高い。


◆コメント:一民間企業の主観的評価に世界経済が翻弄されるべきではない。

もう半年以上前なので、忘れている方が多いでしょうが、

今年の1月27日、S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)は日本の

外貨建て・自国通貨建ての長期ソブリン格付けをAAからAA─に引き下げました。

そのときに、私は、格付け会社が如何にいい加減であるかを書きました。

「政府・日銀、国債格下げ契機に財政再建本腰が急務との声」←増税しやすくするための謀略ですか?

格付け会社というのは、ムーディーズとS&Pが最も「権威がある」ことに

なっていて、何かというと、この2つの会社の格付け、または、格付け見通しの

変更に翻弄されますが、「格付け機関」という訳し方は良くないです。

「機関」という言葉には「権威」を想起させる語感がありますが、

要するに単なる民間会社です。

そしてその判断が、絶対中立、公正無私であるかというと、全然そんなことはありません。

国債の格付けはソブリン格付けといいますが、格付け屋は、民間企業が発行する債券(社債)にも

ランク付けを行いますが、その評価対象から、手数料を受け取って評価を付けて収入にしている。

公平になるわけが無いのです。


今に至るまで世界経済低迷の原因となった、アメリカのサブプライムローンの破綻と、

それが原因となったリーマン・ショック、いずれにも格付け会社に大きな責任があります。


アメリカが不動産バブルで、土地に値段がうなぎのぼりだったころ、本来なら融資を受けられない

過去にローンを返済できなかったり、延滞したような世帯にまで、融資をしました。

2002年から2007年の間にアメリカの金融機関は3兆2000億ドルに及ぶサブプライム住宅ローンを

実行して、その「債権」をモーゲージ担保証券という紙の「債券」として売り出しました。

それは、S&Pとムーディーズの両方が、最高ランクの格付けを与えていたのです。

「この債権に投資すれば絶対安心」ということです。ところが、不動産価格が下がりはじめ、

多くのサブプライムローンが焦げ付き始め、あるとき、一番ひどいのになるとS&Pは、

「AAA」から一挙に18段階も格付けを下げたのですからたまりません。


世界中の投資家が債券価格の暴落で大損失を被りました。

リーマン・ブラザーズは、それが元で資金繰りに窮したのです。

このリーマンだって世界で四番目に大きな投資銀行だったのです。

S&Pは当然、「AAA」を付与していました。

本当は、リーマンの財務内容が悪化していることを知っていたはずなのに、破綻する

ときまで、最上位「AAA」のままでした。ところが2008年9月15日にリーマン・ブラザーズは

あっけないほど、アッというまに潰れてしまった。

リーマンの発行した債券や株が紙屑になり、世界中の投資家、特に銀行などが

巨大な評価損を計上することになりました。銀行は1つ潰れると、システミック・リスク

と言って、ドミノ式に世界中に影響しますから、世界金融恐慌を避けるために、

世界各国の中央銀行が、公的資金を民間銀行に注入して、資本を増強しました。

ヨーロッパ各国や日本や、アメリカは、リーマン・ショック前から財政赤字でしたが、

リーマンショックで、巨額の資本注入を行ったことで、さらに状態が悪化したのです。


スタンダード&プアーズ(S&P)や、ムーディーズは、元はと言えば自分達のいい加減な格付けと、

その急激な変更が原因なのに、日本や、欧州各国や、アメリカの財政状態がよろしくない、

といって、格下げしているのですから、盗っ人猛々しいのです。


S&Pが米国債を格下げした理由に、
米政権と議会が合意した財政健全化計画が、政府の中期的な債務構造の安定に不十分と判断した

とあります。その詳しい根拠は言わない。これは、数人のチームで会議を開いて適当に「判断し」ただけなのです。

極めて主観的で、根拠に乏しい。

とにかく私にはサブプライムローン債券にトリプルA(AAA)を付与していきなり、

18段階も引き下げるという(要するに前の格付けが間違っていたのです)ような無茶苦茶な

ことをする会社。自分達は何も作らず、何の付加価値を生み出すわけでもなく、

ただ、世界中の国債や社債に格付けして高収入を得ているような会社の活動は制限するべきだ、

と思います。

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2011.08.08

「プロ」と「アマ」の境界。

◆何があったというわけではないのですが。

私の中では繰り返し考えていることなのです。

ブログでも何度か文章にしましたが、いつも書いている透り、

こんな、市井の一中年男の主張など、だれも覚えていません。

特に強調したいことは、何度も繰り返し書くことが必要です。



近年、プロとアマの境目が曖昧になっているように思います。

それは、見ていて不愉快です。


音楽とかスポーツに限らず、働いている人は全て、その職業に関してプロであります。

プロは、自分の仕事に関して、アマチュアよりも圧倒的に豊富な知識・技術・経験を

持っています。しかし、それは当たり前のことです。プロなのですから。

プロがプロでいられる所以は、「他が素人だから」です。

英語の格言とか諺というほどでも無い、決まり文句に、

Everything is relative.(全ては相対的である)

という言葉があります。

学生時代、NHKラジオ「英語会話」(東後勝明先生)の頃に覚えたのです。

後にイギリス駐在となったときに、イギリス人相手に会話の中で使ってみましたが、

誰もがしっている言葉のようです。


「プロ」という存在は「絶対的にプロ」なのではなく相対的なものです。

分かりやすい話にしましょう。プロの音楽家がプロとして食べていけるのは、

世の中の圧倒的大多数は、仮に楽器や声楽を少々たしなむ人でも、プロとは比べ物にならない

ぐらい「ヘタクソ」でいてくれるから、プロの存在価値があるのです。

誰もがオペラ歌手のように歌えたら声楽科の存在価値は無いし、全国民が

リストの超絶技巧練習曲をパラパラ弾けたら、プロのピアニストの存在価値はありません。



プロに対する結論。音楽に限らず、あらゆる職業に就く人は、

自分はプロだから、上手くて当たり前。高度な知識や技術を習得しているのが当たり前です。

プロがアマチュアに向かって、
どうして、こんなにヘタクソなのですか。

こんなこともしらないのですか?

と、言うことは勿論、そういう気持が、表情、口調、態度や仕草に現れては

いけません。


◆フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルのプロ意識。

ずっと昔、フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル(以下”PJBE”)

という金管アンサンブルが存在しました。

現在、金管アンサンブルは珍しくも何ともありませんが、

それはPJBEが道を拓いてくれたからです。

フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルは私の世代のラッパ少年にとっては、

あたかも「黒船」のような衝撃でした。一人一人の演奏技術の高さ。

聴いた事も無い、バロック以前の音楽(ガブリエリとかね)。

金管楽器の合奏が究極的に洗練されたときの表現力。

それは、全く新しい体験でした。


日本の楽譜出版社が比較的容易に版権を獲得できたのか、P.J.B.Eの楽譜が全国で売られ、

皆が、真似をしました。


当時、TBSで「オーケストラがやってきた」というクラシック音楽啓蒙番組を

毎週日曜、山本直純さんの司会で放送していました(10年つづきました)。

あるとき、広島(か岡山か記憶が不明瞭です)で収録があり、たまたま来日中だったPJBEの

特集になりました。


その中で地元の中学生の吹奏楽部の子供達(オーディションで選んだのでしょう。

かなり上手い方でした)が、PJBEの代名詞、「スザート舞曲集」から「戦い」を

PJBEがいる、正にそのステージ上で演奏しました。

この曲です(これは勿論、P.J.B.Eです)。


スザート舞曲集:「戦い」







蛇足ながら、もっとP.J.B.Eを聴きたい方は、

どうして今までお薦めするのを忘れていたのでしょう。「フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル ルネサンス名演集」

をどうぞ。


さて、実をいうと中学生の演奏自体はあまり覚えていません。

私が非常に感動したのは、日本の子供の演奏を聴く、PJBEのメンバーの態度でした。

真剣そのもの。真摯で紳士的な態度。誰一人としてニヤニヤしたり、メンバー同士が目交ぜしてニヤリとしたり、

そういうことは一切ありませんでした。

P.J.B.Eは、自分達はプロであり、上手いのは当たり前であり、

日本の中学生が自分達のレパートリーを練習して一生懸命に演奏している。真剣に聴くのが、

プロのアマチュアに対する礼儀だという意識を端的に表していました。

あの映像が手にはいるものならば、皆さんに見せたくて仕方がありません。


◆アマチュアは、プロへの「敬意」を忘れてはいかん。

これは、音楽の分野を念頭に置いていますが、他の職業でも同様です。

アマチュア演奏家も、私が子供の頃に比べると信じられないほど上手くなりました。

色々と理論を勉強したり、作曲家に関する本を読んだり、

ときには、プロが知らない「作曲家のエピソード」をひけらかし、

プロが知らないと「え?そんなこともしらないのですか?」という無礼者が

いるようです。


楽器の演奏が少々上手かったり、知ったかぶりをしたくて仕方が無いアマチュアは

「所詮、自分はアマチュアであり、プロには次元の違う厳しさがある」ことを忘れては

いけません。アマチュア・オーケストラの「定期演奏会」でいくら大事なソロを間違えても、

職を失うことはない。生活に困ることは無い。

アマチュアが半年に一回の「定期演奏会」に備えますが、

プロは、3日に一度本番がある。どんなに難しい曲でもそれで、

お客さんに「カネを払っても聴きたい」と思わせる「商品」にしなければいけません。

プロは間違えてばかりだったら、「使い物にならん」と仕事が来なくなるのです。

職業とは、そういうものでしょう。その厳しさは、間違えても自分が恥をかくだけの

アマチュアとは、次元が違う。

アマチュアは、音楽家に限らずプロへの敬意を忘れるべきではありません。

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2011.08.07

放射能は絶対に無効化できないのでしょうか。

◆最近ほど、更新をサボる日が多いのは、初めてです。

私は、2002年4月にウェブ日記エンピツを書き始めました。

これが全記事の見出しです。

JIROの独断的日記ココログ版は、それから2年半後、2004年11月にアカウントを開きました。

エンピツもココログも内容は同じです。



エンピツにアカウントを開いてから最初の半年は、何を書いたら良いか、

要領が分からず、思いついたことを適当にかいておりますし、

元来怠惰なので、htmlのタグを全然知ろうともしなかったので、

改行など適当ですし、行間が狭く、実に恥ずかしいほど読み難い。

ただし、2002年10月、小柴・田中両氏が、それぞれノーベル物理学賞・化学賞受賞が

発表されたころから、急に、更新頻度が高くなり、途中随分サボってますが、

それでも「1年中、ほぼ毎日更新」することがさほど苦痛では無かったのです。



ところが、先月(2011年7月)から、「意地でも毎日更新しよう」という気持が

急速に薄れてきました。



◆大震災はともかく、福島原発事故を考えると何を書いても空しくなります。

東日本大震災が我が国に与えた被害は甚大です。

被災なさった方の絶望感は、とても私如きが簡単に「分かる」などと

書くべきものではない。しかし多くの日本人が、


もし、今回の震災の被害が、地震と津波によるものだけだったら・・・・

と思っています。

これほどの地震は1000年に一度だそうですが、過去の大地震や津波、

様々な自然災害に遭っても、日本は必ず立ち直ってきたので経験的に希望が持てます。



今回は違う。皆が、

原発事故さえなければ・・・。

と、思っています。

皆、考えないようにしているようですが、

私は、小出裕章 (京大助教) 非公式まとめを読んでいると、

「もう、日本はダメでは無いか」と思ってしまいます。放射性物質は福島だけでは無くて、

各地で検出されることになるだろう、と小出助教が話しています。

6月に東京都大田区の下水処理施設の中の空気を調べたら、毎時2.7マイクロシーベルトの放射線が検出され、

これは、通常の50倍だった。というので、毎日放送が例によって、小出助教にインタビュー

しています。
MC 今日は、東日本の下水処理施設の汚泥から、相次いで放射性物質が検出されているのですが、東京

都内の汚泥にもいろいろと問題が生じている、という話を伺いたいと思っております。その東京

の 汚泥処理施設での話なのですが、まず大田区にあります下水処理施設の中の空気を調べてみた

ら、毎時2.7μSvの放射線量が検出された、といいます。この数字をどうご覧になりますか。

小出氏: 高いですね。

MC:  高いですか。

小出氏: 普通だと、0.05μSv位しかない訳だから、50倍もあるという事ですね。

MC: 50倍の数字になりますよね。これは現在計画的避難区域になっている福島県の飯舘村でも、これ

位の高さが検出されている、と思うのですけれども。

小出氏: はい、そうですね。

MC: ただ、原発から230km離れた場所なのですよ。

小出氏: でも、下水処理場の汚泥というのは、物凄い濃縮されて出て来ますので、その位の事は、たぶん

あちこちで出て来ると思います。

MC:  これは、今回の東京の大田区の話だけではなくて、もっと、あるいは距離のある、こちらの関西に

関してもあり得る話なのですか。

小出氏: そうですね。関西でももちろん下水処理場の汚泥というのは、それなりの濃度の放射能を含ん

で出て来ると思います。

MC:  それは、どうしてなのでしょうか。

小出氏: 空気中を飛んで放射能があちこちに汚染を拡げた訳ですけれども、それは結局下水に流れ込んで

来るものが、もちろんある訳で、下水処理場というのは、そういう流れ込んで来た物質を水の中

から取り分けて、水を綺麗にするという、そういう施設ですので、取り分けれた放射能は、汚泥

の方に物凄い倍率で濃縮されてしまう訳です。

福島原発から放出された放射性物質は既に全世界に飛散し、つまり日本全土の大気に含まれている。

それが、自然に地表に落下したり、雨に混じって地表に降りて来て下水に混入し、下水処理施設は、

小出助教のコメントにあるとおり、下水の中の物質を取り除く。その中に放射性物質が当然凝縮されて

含まれているので、遅かれ早かれ、全国の下水処理施設には高濃度の放射性物質を含む汚泥が溜まるでしょう。

その汚泥を処理するといっても、海中などにとすてられないのです。捨てるどころか汚泥の8割は、セメントや

肥料の材料として使われているのです。

このまま行くと、放射性物質を含んだ汚泥から作られたセメントを道路の舗装や建物を建設するときに使えば

その道路や建物はずっと放射性物質を撒き散らすのです。


国は今までのところ、汚泥をセメントや肥料の材料として用いてはならぬ、という通達をだしていないので、

既に、何処かの道路工事で使われている可能性があるのです。



こういうことを毎日毎日調べていると、憂鬱にならない方がおかしいと思います。


◆このままでは、日本人は放射能の中で生きるしかなくなるではないですか。

今のままでは、日本人全体が常に被曝しながら暮らさなければならない

ということになります。

前述しましたが、私は最近ブログを書こうとしても書けないことがしばしばあります。

原発事故が招いた結果が、余りにも絶望的だからです。

今まで書いたことから、最悪の状況を敢えて考えると、

日本列島は、道路も建物も放射能を発散している、人が住めない

場所になってしまうのではないでしょうか。


今まで、我々が日本で経験したことは、結果的には、

そのうちなんとかなるだろう。

という範囲で収まっていましたが、今回は、時間が解決してくれません。

「環境」に、あたかもパソコン(Windowsしかしりませんが)OSの「復元ポイント」

のようなものがあって、311前に戻せたら、などと空想したくなります。

そういうことを、私はどうしても考えてしまいます。すると、政治も経済もへったくれも

ないではありませんか。ブログを書く気力が失せてしまうのです。


◆放射能を無効化する技術は、絶対に発見・開発不可能なのでしょうか。

絶望的な状況の前提は、放射能を無効化する技術を人類が所有していないことに

起因しています。無論、事故が起きず、放射性物質が大気や土壌を汚染しなければ、

そのような技術は要らなかったのですけども、現実にそういう世の中になっている。

今のままでは、汚染が拡がるのを、人間はボーッとみているしかありませんが、

原子力や、とにかく何だかしりませんが、専門分野の方に教えて頂きたいのです。

放射性物質を無効化する技術を開発することは、


  1. 理論的に絶対不可能。

  2. 開発しようと研究しているが、まだ答えがみつかっていない。

  3. 今まで、何らかの方法を考案したけれども、有効ではなかった。

  4. 今まで、実は、誰も本気で研究したことがない。

1と3だと、ますます絶望的ですが、もしも2か4ならば

まだ、あがく余地はある。どうもそれが気になるのです。

「放射能は無効化出来ない」という大前提があまりにも当然になっていて

それに対して誰も疑問に思わないのでしょうか。

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2011.08.06

【音楽】新しい才能の発見。ガボール・ボルドツキ(トランペット奏者)。非常に上手いです。

◆「モーリス・アンドレの後継者」(南ドイツ新聞)

ガボール・ボルドツキ(Gabor Boldoczki)という、ハンガリーのトランペット奏者です。

こちらにプロフィールが載ってますね。
既に何度か来日して、日本のオーケストラと協演しているので

御存知の方はとっくに御存知でしょうが、それは特にラッパに関心がある人でしょう。

私もつい最近まで知らなかったのですが、これはHMVさん、さまさまです。

お知らせメールに「モーリスアンドレの再来と呼ばれるトランペット奏者」として

CDが紹介されていたので飛びつきました。


HMVを"Boldoczki"で検索した結果です。

私は既に上から4枚は全部買いました。

上手いです。確かに上手いですね。モーリス・アンドレとイコールでは無いかもしれないが、

技巧的には、ほとんど、モーリス・アンドレのレベルです(非常に五月蠅い事をいうとやや劣ります

それは、ボルドツキ氏が下手なのではなく、アンドレが如何に不世出の名手であったか、ということを

物語っているのです)。

しかし、十分に上手い。ほとんど天才的です。

「上手い」は、ラッパをコントロールするテクニックは勿論ですが、音楽性を含めて

評価しています。 4枚のCDそれぞれから、と言いたいところですが、

勿体ないので、今後、何度かに分けて(連続して、ではありませんが)紹介します。


◆「グローリア~オルガンとトランペット(ボルドツキ、ビルグラム)」より。

今日は、グローリア~オルガンとトランペット ボルドツキ、ビルグラムです。

トランペットとオルガンはよく合う(音の相性が良いということです)ので、アンドレも演ってました。

ビルグラムというオルガニストは、アンドレとも共演した人です。

色々な作曲家の作品が録れてありますが、いい選曲です。

少し中身を引用させて頂きます。

先日、

【音楽】7月28日はバッハとヴィヴァルディの命日。BWV 972=RV 230。

に、載せた、ジャーマンブラスが吹いたBWV 972ですが、それを

オルガン伴奏のトランペット・ソロで吹いています。第三楽章。


バッハ:BWV 972 (原曲:ヴィヴァルディ、ヴァイオリン協奏曲 RV 230)より第三楽章






上手いですね。

曖昧な音がなく、細かい音もきちんと美しい音で鳴らしています。

途中、16分音符が連続するところは、ジャーマン・ブラスと違って分散和音ですが、

これは、大変難しい音型です。

上手いけれど、テクニック誇示にならずに、細やかな神経が行き届いています。

2曲目。


パーセルの「妖精の女王」というオペラが原曲なんですが、

ここでは「トランペットとオルガンのためのそなた」にしてあります。


ヘンリー・パーセル:トランペットとオルガンのためのソナタより「エア」






あのね。この人、非常に丁寧なんですよ。音楽家だから当たり前なのですが、実際に音を出す前に

譜面をよーく読んで、構成を考えているのがよく分かります。華やかではあるが粗野にならない。

非常に上品な、トランペットの演奏です。


次はきれいですよー。「カッチーニのアヴェマリア」。

話が逸れますが、私はこの曲にすっかりハマりまして、過去何回か「カッチーニのアヴェマリア」だけで「特集」を組んだほどです。
【音楽】カッチーニの「アヴェ・マリア」ばかりを集めました。

【音楽】まだまだ続く「カッチーニのアヴェマリア」。今日は復習(?)とコントラバス。

【音楽】まだまだまだ、続くカッチーニのアヴェマリア。今日は「歌」ばかりです。

この曲は、どの楽器で演奏しても美しいですね。圧倒的に美しいです。

ところが、トランペットが無かったのです。モーリス・アンドレは見つからない。

如何にも録れそうな、元・チェコ・フィルのミロスラフ・ケイマルって人がいますが、

私は知らないのです。

今回漸くトランペットによる「カッチーニのアヴェマリア」の名演を聴けました。


カッチーニ:アヴェ・マリア







丁寧に旋律を歌う、真摯な演奏でした。またこれも、緻密に計算されていまして

最初は、ヴィヴラートをかけているのですが、ほとんど気がつかないぐらいです。

もっとも曲が盛り上がるところへ向かっていくクレッシェンドでは、意図的に、

ヴィヴラートの振幅をやや大きめにとります。そして、こういう曲は、トランペットで

気を付けなければならないのは、ソプラノやテナーの歌手と同じ気持ちで音を張り上げると、

音量が大きくなりすぎて品がなくなるのです。

ボルドツキーは、そうなる一歩手間のフォルテで抑えていて、

この曲のロマンチシズムを維持しています。


最後はスタンリーという英国のオルガニスト兼作曲家が書いた

「トランペットテューン」などと呼ばれる曲です。

このCDでオルガンを弾いているビルグラムは、前述のとおりアンドレと共演しています。

この曲をアンドレ以外の演奏で聴くのは初めてです。


スタンリー:トランペットとオルガンの為のソナタ ニ長調 Ⅰトランペット・ヴォランタリー







これは、良い曲だとおもいますね。勇気を与えられるようです。

この曲は、聴いているとさほど難しく無いようですけれども、

トランペットにとって、相当な高音域です。高音域で音が堅くならない。

キンキンしない、というのが、このようなバロックをトランペットで吹くときにはkg
特に大事です。モーリス・アンドレは思い切り高らかに吹いていました。

ボルドツキーは、それより、ちょっと控え目、抑えめに吹いている野です。

それは、解釈の違いです。私はこの演奏はとても良いと思います。

全般的に、この人はやはり卓越しています。

上手いトランペット奏者に出会うと最早自分では吹けませんが、

大変に嬉しく思います。私は、どうにもトランペットが好きなのです。

他のアルバムも少しずつご紹介出来れば、と考えています。

皆様、良い週末を、また夏休みをお過ごし下さい。

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2011.08.04

福島第一原発の「10シーベルト」に、不気味なほど無反応な日本(人)。

◆「10シーベルト」の扱われ方の軽さ。

専ら小出裕章京都大学原子炉実験所助教の著書と発言を参考にしている。

一般人の一年間の被曝量の限度は、1ミリシーベルト(0.001シーベルト)が

限度と言われている。小出助教のような原子力の専門家は

年間20ミリシーベルト(0.020シーベルト)まで、ということになっているが、

原子力に関わる人の身体が一般人よりも、被曝の影響を受けにくい、特別な

構造をしている筈も無く、ただ、「便宜上」、そう言うことになっている。

しかし、小出助教は、「原発のウソ」その他の著作で

繰り返し説明しておられるが「安全な被曝量」は存在しないということである。(「原発のウソ」69ページ)。

アメリカ科学アカデミーの中に放射線の影響を検討する委員会

(BEIR=Advisory Committee on the Biological Effect of Ionizing Radiations=電離放射線の生体影響に関する諮問委員会)

があって、それが、2005年に7番目の報告を出しました。

その結論部分にはこう書いてあります。
利用出来る生物学的、生物物理学的なデータを総合的に検討した結果、

委員会は以下の結論に達した。被曝のリスクは低線量にいたるまで直線的に存在し続け、

しきい値はない。最小限の被曝であっても、人類に対して危険を及ぼす可能性がある。

こうした仮定は「直線、しきい値なしモデル」と呼ばれる。

「しきい値」(閾値)というのは、症状が出始める最低限の被曝量のことです。

つまり、「この量以下の被曝なら安全ですよ」という値です。低レベルの被曝は人体に

害がないという考え方は、この「しきい値」が存在するという前提で成り立っています。

しかし、BEIR報告が結論づけているように、そんなものは存在しません。

低線量の放射線でも必ず何らかの影響がでるし、そしてそれは存在しつづけます。

どんなに少ない被曝量であってもそれに比例した影響が出る。このような見方を、

「直線、しきい値なし」(LNT=Linear Non-Threshold)モデルと呼びます

要するに、小出助教は、被曝というのは、本来全くあってはならないのである、

ということです。年間1ミリシーベルトが日本の大人の年間被曝量の上限で、

これは、1万人に1人がガンで死ぬ確率がある、という数字です。

福島原発の作業員は「緊急時の作業員」で被曝限度量が100ミリシーベルトだったのに、

250→500→1000ミリシーベルト(1シーベルト)にしようというのが国の方針で

それだけでも、怒り心頭なのに、1時間で10シーベルトが計測された。というのは、

多分小出助教にとっては気絶するくらいひどい数字でしょう。

それぐらい、とんでもない状態なのに、その状況のひどさを伝えようとしているメディアは

毎日放送の「たね蒔きジャーナル」だけで、国民ものほほんとしている。

怖いことからめを逸らしたいのは、人情かも知れませんが、

多くの一般市民は、何にも論理的に関係ないけれども、

節電していれば、放射能は国が何とかするんじゃない?

という程度にしか考えていないように見受けられます。

私は、それは、正しくない、と思います。

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2011.08.02

「福島原発で毎時10シーベルト以上の放射線量」←人間は7~10シーベルトの被曝で死亡します(小出助教)

◆記事:福島原発で毎時10シーベルト以上の放射線量 過去最大(日経電子版)(2011/8/1 23:09更新)

東京電力は1日、福島第1原子力発電所で、毎時10シーベルト超の放射線量を計測したと発表した。

計測したのは1~2号機主排気筒の地面近くにある屋外配管の表面で、

これまでに同原発で計測した放射線量では最高値となる。

事故発生直後に格納容器から排気(ベント)した際に、

放射性物質が漏れて配管内に付着した可能性がある。

7月31日に作業員ががれき撤去作業後に発見し、1日午後2時半に計測機で調べた。

毎時10シーベルトは計測機で測れる上限で、これ以上を測れる計測機は同原発に無いため

正確な数値はわからないという。

これまでの最高値は1号機原子炉建屋1階の毎時4シーベルトだった。

毎時10シーベルトは原子炉の圧力容器内部と同じ放射線レベルで、

1時間浴び続けると命を落とす恐れがある。

今回計測した作業員は現場にいた時間が短く、

被曝(ひばく)した放射線量は最大4ミリシーベルトにとどまった。

ただ、ほかにも放射線量の高い場所があれば、収束作業に影響する恐れもある。

東電は配管の周囲を立ち入り禁止としたうえで、今後鉄板などで遮蔽するとしている。


◆コメント:10シーベルト=1万ミリシーベルト。一般人の年間被曝限度は1ミリシーベルト。

福島第一原発に関して、大多数のメディアは、政府や東電の発表をそのまま伝え、

あたかも事態は収束しつつあるかのごとき、錯覚を抱かせるが、

大阪毎日放送MBSラジオのRadio News『たね蒔(ま)きジャーナル』は大したもので

毎日、「今日の福島原発」(という名称のコーナーはないけれども)とでも言うべき時間があり、

東電や政府の報道向け発表をそのまま伝えるのではなく、MBSラジオにはラジオ独自の報道部があるそうで、

その方針によるのであろう、発表された内容に関して、連日小出裕章京都大学原子炉実験所助教のコメントに

電話でインタビューしている。

さらに、一般の方が、非常に熱心にこれを録音し、

小出裕章 (京大助教) 非公式まとめにアップして下さる。

大変有難い。


今日のニュースに関しては、まだブログにはアップされていないようだが、

YouTubeで「小出裕章」を検索すれば、「たね蒔(ま)きジャーナル」による、

小出助教のコメントを発見できる。以下、今日のインタビューを載せるが、

予め、認識しておくと良いことを箇条書きにする。


  • 1シーベルト=1,000ミリシーベルト=100万マイクロシーベルト。

  • 一般人の年間被曝量の限度は1ミリシーベルト、原子力関係者でも20ミリシーベルト。

  • 記事にある10シーベルト毎時とは、一般人の年間限界的被曝量の1万年分が1時間で放出されている。

  • 人間は、7~10シーベルトを被曝すると、通常2週間で死亡する。

  • 1999年JOCの臨界事故では、一番ひどく、18シーベルトの被曝をした作業員を日本の医学界がなんとか助けようとしたが、83日後に亡くなった。


20110801 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章



小出裕章京都大学原子炉実験所助教は今までも、

自分は40年間、このような事故が起きないように活動してきたが、結局防げなかった。

という、悔恨と苦渋を滲ませておられたが(先生の責任ではないのに。)、

今日の声は何とも暗い。

事態が深刻であるほど隠そうとするのが東電だが、いい加減に「分かっていること」は

全て公表するべきだ。

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2011.08.01

すみません。体調が悪いわけでも何でもありませんで。

◆ここのところ更新をサボりがちなんですが。

全部書くと良いわけがましくなりますので、

最新の状況を書きますと、日曜日に携帯をついにスマートフォンにしたのです。

キャリアを従前と同じドコモのままなのですが、ハードは、SONYのXperia acroに

したのです。

大体分かりましたけど、最初はやはり、あのインターフェースに馴染むのに時間がかかります。

仕事の都合で、色々な新しい情報を常に知る必要があるのです。

最近各省庁も最新情報をTwitterで発信しているのですが、会社のパソコンからは

Twitterや、ブログ形式になっている情報に接することができず、

かつ、今までの携帯では、あまりにも、画面が小さくて読みづらい。

ゲームとか、カメラとか音楽とか、オモチャ部分はどうでも良いのですが、

そういう理由で新機種にしました。

それをいじっていたり、途中寝てしまったりしまして、今、1日の朝5時半ですが、

こんな時間に更新しているのです。

スマートフォンは便利そうですが、昨今の「エコ・ブーム」で、

紙の取扱説明書がないのですね。

ドコモのサイトからPDFファイルをダウンロードするか、スマートフォン自体から読むか、

しかできない、と言う状態なのです(PDFは200ページ以上ですから、プリントアウトしたら

大変な事になります)。


このような状況に置かれると、電気も何も無くても読める紙の印刷物が如何に便利か痛感します。

プライベートでも一番大事な諸情報は、紙に記録しておいた方がいいですね。

そのような訳でバタバタしておりますが、今月もよろしく御願い致します。

ブログにコメントを多数頂戴しながら、レスが遅れて申し訳ありません。

全然他意はないのですが、要領というか、段取りが悪いのです。

もう少し、ご猶予を。

それでは。

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