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2011.08.17

NHK「渡辺謙 アメリカを行く--“9.11テロ”に立ち向かった日系人←これは感動しました。

◆10年前の911テロ当時の運輸長官、日系二世のノーマン・ミネタ氏の物語です。

私は、全然知りませんでしたが、

ノーマン・ミネタ氏のプロフィールは、Wikipediaをご覧頂いた方がはやい。

日系アメリカ人で、ハワイではなく米本土で初めて下院議員となり、日系人のみならず、

東洋人として初めて閣僚になった方です。

911テロが起きたのはブッシュ(ジュニア。あのアホの方)政権です。

ブッシュは共和党です。ミネタ氏は民主党です

(民主党のクリントン政権ではミネタ氏は商務長官)。

謂わば野党の大物なのに、わざわざ運輸長官に選ばれたのですから

如何に有能な人材かわかります。


さて。

このドキュメンタリーの概略は番組ホームページが残っています↓。

「渡辺 謙 アメリカを行く "9.11テロ"に立ち向かった日系人

8月15日に地デジNHK総合テレビで放送されましたが、実はそれに先だって、

BSプレミアムでは、7月に二夜に分けて放送されたのです。

番組ホームページに表示してありますが、このBSプレミアムは、9月11日に

再放送される、とのことですので、是非ご覧になることを薦めます。


◆戦争中、強制収容所を経験し、絶対に差別はいけない、という正義を貫いた人です。

ノーマン・ミネタ(日本名:峯田 良雄)氏は1931年にアメリカで生まれた日系二世です。

ご両親は静岡出身で、訳の分からないアメリカに移り住み、一生懸命働いて、

漸く保険の代理店を営むことができるようになった、というところで、

太平洋戦争に突入し、日系アメリカ人は皆、全米12箇所の強制収容所に

入れられてしまったのですね。財産も何もかも没収です。

その時のあまりの理不尽さに、憤りを覚えたノーマン・ミネタ氏は

差別のない平等な社会をアメリカにおいて構築するという志を抱き、

政治家になります。

1988年には、ミネタ氏の奮闘の結果、Civil Liberties Act of 1988(HR 442)という法案が

決議され、これはアメリカ政府に第2次大戦中、アメリカが日系人を強制収容所に閉じこめた

ことは、過ちであることをアメリカ政府に正式に認めさせ、謝罪させ、補償させ、日系人の名誉を

回復させ、同じ過ちを繰り返さないよう、学校教育で徹底する、という内容です。

レーガン政権の時です。大統領は本当に謝罪しました。


これだけでも立派ですが、911テロの後、アラブ系・イスラム系のアメリカ人が

嫌がらせを受けたり殴られたのを見て、ミネタ氏のみならず、日系人が立ち上がるのです。

自分達と同じ思いをアラブ系・イスラム系アメリカ人に経験させてはならない、

という意思の表明です。こういうときの日本人は本当に立派です。


ミネタ氏は運輸長官ですから、空の安全確保が一義的使命ですが、

アメリカの世論は、911の犯人は若いアラブ系の男性だったことは分かっていたので、

飛行機の乗客のうち、アラブ系、イスラム系の人達だけ入念に調べる

「人種プロファイリング」をマスコミ、政治家、所謂「識者」が提案し、

感情的になっている一般市民、つまり世論もこれを支持したのですが、

ミネタ運輸長官は絶対にダメだ、と言います。

アラブ系、イスラム系アメリカ人は、全ての国民と同じだけの尊厳と敬意をもって接せられます。外見や肌の色で、判断されることについて私は実体験として知っています。日本人が祖先である私の歴史は、両親の精神力と強い志、そして日系アメリカ人が直面した不当な扱いの数々から成り立っています。

これ、NHKさん、ちょこっと載せちゃダメ?直ぐ削除されてしまうかも知れないけど

その時の映像です。






実に立派です。

しかし、ミネタ氏が人種プロファイリングを否定したため、

マスコミや政界内部でも散々非難されるのですが、

ノーマンミネタ氏は一向に動じない。全く考えは変わらない。

CBSテレビの"60 minutes"という、有名なニュース番組に呼ばれ、

アンカーのスティーブ・クロフトが色々いうのですけど、全然。

それは、これです。






これも直ぐ削除されてしまうかもしれないから、英語と日本語で文字に

起こします。
Kroft: Are you saying at the security screening desks that a 70-year-old white woman from Vero Beach, Florida, would receive the same level of scrutiny as a ? a (note: this is the literal look of the hesitant stutter, a feature of transcription) Muslim young man from Jersey City?

Mineta: Basically I would hope so.

Kroft: We don’t know much about the people that hijacked those planes on September 11th, but we do know something. I mean, all 10 of them were young Arab or Middle Eastern men.

Mineta: But that doesn’t mean that we should be suspecting all Arab young men.

Kroft: That’s the only thing we know about these people.

Mineta: But that is not a characteristic that makes them a terrorist.

Kroft: Can you envision a set of circumstances from a security point of view where it would make sense to use racial and ethnic profiling.

Mineta: On just that question alone, I’d say absolutely not.

邦訳です。

クロフト:空港の安全検査で70歳の白人女性と若いイスラム教徒に対して、同一の検査をするべきだとあなたは考えるのですか?

ミネタ: 基本的には、そういうことです。

クロフト:我々は 911テロの犯人について、良く知りません。しかし、若いアラブ系の男性だとは、分かっているんです。

ミネタ: だからといって、全ての若いアラブ系の男性が疑わしいとは言えません。

クロフト:犯人について分かっているのはそれだけなんですよ?

ミネタ: それがテロリストの条件ではありません。

クロフト:安全性の観点から、人種プロファイリングを肯定できませんか?

ミネタ: その質問に対する答えは、絶対に「ノー」です。

この後、渡辺謙さんがミネタ氏に、
何故、それぐらい強い気持ちを以て、(人種プロファイリングを)「止めるべきだ」と言い切れたのですか?

と質問する場面があります。ミネタ氏の答えは、単純明快です。
こうするのが「正しい」ことなのです。そう考えたら、揺らいではいけません。あとに退かないのです。強い姿勢で立ち向かい、「私たちはこう感じている。このやり方でやる。」と言うべきです。全く退きさがりませんでした。多くの人が手榴弾のようでしたよ。耐えるしかないのです。これは「正しい」ことなのです。憲法に則って(のっとって)いるのです。

これが、本来の政治家のあるべき姿ではないでしょうか。

「こんなことを言ったら、世論の反感を買い、次の選挙で落ちるかもしれない」とか

「自分が所属する政党の中で責められ、ホサれるかも知れない」などどいう

「私欲」がノーマン・ミネタ氏には、全くないのです。

ただただ、「正義」を実現する。「正しい」と信じたことは、世間が何と言おうと変節しない。


ミネタ氏は政治家として公式に発言するときや、大事な話は勿論、全て英語ですが、

実は、すこしたどたどしいですけど、日本語も、普通に話します。

日本食が大好きで、特に、ご両親が静岡の出身なので、「ウナギ、大好き。」だそうです。

ノーマン・ミネタ氏は、アメリカ人です。来年、80歳になります。

現実には、無理とわかっていても、私は、ノーマン・ミネタ氏に、

日本の内閣総理大臣になって頂きたい、と思いました。

「正義」などという概念は、ハナから念頭に無くて、

私利私欲、党利党略ばかり考えている日本の政治家が、恥ずかしいです。

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