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2011.08.06

【音楽】新しい才能の発見。ガボール・ボルドツキ(トランペット奏者)。非常に上手いです。

◆「モーリス・アンドレの後継者」(南ドイツ新聞)

ガボール・ボルドツキ(Gabor Boldoczki)という、ハンガリーのトランペット奏者です。

こちらにプロフィールが載ってますね。
既に何度か来日して、日本のオーケストラと協演しているので

御存知の方はとっくに御存知でしょうが、それは特にラッパに関心がある人でしょう。

私もつい最近まで知らなかったのですが、これはHMVさん、さまさまです。

お知らせメールに「モーリスアンドレの再来と呼ばれるトランペット奏者」として

CDが紹介されていたので飛びつきました。


HMVを"Boldoczki"で検索した結果です。

私は既に上から4枚は全部買いました。

上手いです。確かに上手いですね。モーリス・アンドレとイコールでは無いかもしれないが、

技巧的には、ほとんど、モーリス・アンドレのレベルです(非常に五月蠅い事をいうとやや劣ります

それは、ボルドツキ氏が下手なのではなく、アンドレが如何に不世出の名手であったか、ということを

物語っているのです)。

しかし、十分に上手い。ほとんど天才的です。

「上手い」は、ラッパをコントロールするテクニックは勿論ですが、音楽性を含めて

評価しています。 4枚のCDそれぞれから、と言いたいところですが、

勿体ないので、今後、何度かに分けて(連続して、ではありませんが)紹介します。


◆「グローリア~オルガンとトランペット(ボルドツキ、ビルグラム)」より。

今日は、グローリア~オルガンとトランペット ボルドツキ、ビルグラムです。

トランペットとオルガンはよく合う(音の相性が良いということです)ので、アンドレも演ってました。

ビルグラムというオルガニストは、アンドレとも共演した人です。

色々な作曲家の作品が録れてありますが、いい選曲です。

少し中身を引用させて頂きます。

先日、

【音楽】7月28日はバッハとヴィヴァルディの命日。BWV 972=RV 230。

に、載せた、ジャーマンブラスが吹いたBWV 972ですが、それを

オルガン伴奏のトランペット・ソロで吹いています。第三楽章。


バッハ:BWV 972 (原曲:ヴィヴァルディ、ヴァイオリン協奏曲 RV 230)より第三楽章


Bach: Sonata For Trumpet & Organ In D, BWV 972 - 3. Allegro



上手いですね。

曖昧な音がなく、細かい音もきちんと美しい音で鳴らしています。

途中、16分音符が連続するところは、ジャーマン・ブラスと違って分散和音ですが、

これは、大変難しい音型です。

上手いけれど、テクニック誇示にならずに、細やかな神経が行き届いています。

2曲目。


パーセルの「妖精の女王」というオペラが原曲なんですが、

ここでは「トランペットとオルガンのためのそなた」にしてあります。


ヘンリー・パーセル:トランペットとオルガンのためのソナタより「エア」


Purcell: Sonata For Trumpet & Organ From "A Fairy Queen" - 5. Air



あのね。この人、非常に丁寧なんですよ。音楽家だから当たり前なのですが、実際に音を出す前に

譜面をよーく読んで、構成を考えているのがよく分かります。華やかではあるが粗野にならない。

非常に上品な、トランペットの演奏です。


次はきれいですよー。「カッチーニのアヴェマリア」。

話が逸れますが、私はこの曲にすっかりハマりまして、過去何回か「カッチーニのアヴェマリア」だけで「特集」を組んだほどです。
【音楽】カッチーニの「アヴェ・マリア」ばかりを集めました。

【音楽】まだまだ続く「カッチーニのアヴェマリア」。今日は復習(?)とコントラバス。

【音楽】まだまだまだ、続くカッチーニのアヴェマリア。今日は「歌」ばかりです。

この曲は、どの楽器で演奏しても美しいですね。圧倒的に美しいです。

ところが、トランペットが無かったのです。モーリス・アンドレは見つからない。

如何にも録れそうな、元・チェコ・フィルのミロスラフ・ケイマルって人がいますが、

私は知らないのです。

今回漸くトランペットによる「カッチーニのアヴェマリア」の名演を聴けました。


カッチーニ:アヴェ・マリア



Caccini: Ave Maria In F Minor



丁寧に旋律を歌う、真摯な演奏でした。またこれも、緻密に計算されていまして

最初は、ヴィヴラートをかけているのですが、ほとんど気がつかないぐらいです。

もっとも曲が盛り上がるところへ向かっていくクレッシェンドでは、意図的に、

ヴィヴラートの振幅をやや大きめにとります。そして、こういう曲は、トランペットで

気を付けなければならないのは、ソプラノやテナーの歌手と同じ気持ちで音を張り上げると、

音量が大きくなりすぎて品がなくなるのです。

ボルドツキーは、そうなる一歩手間のフォルテで抑えていて、

この曲のロマンチシズムを維持しています。


最後はスタンリーという英国のオルガニスト兼作曲家が書いた

「トランペットテューン」などと呼ばれる曲です。

このCDでオルガンを弾いているビルグラムは、前述のとおりアンドレと共演しています。

この曲をアンドレ以外の演奏で聴くのは初めてです。


スタンリー:トランペットとオルガンの為のソナタ ニ長調 Ⅰトランペット・ヴォランタリー



Stanley: Sonata In D For Trumpet & Organ - Trumpet Voluntary



これは、良い曲だとおもいますね。勇気を与えられるようです。

この曲は、聴いているとさほど難しく無いようですけれども、

トランペットにとって、相当な高音域です。高音域で音が堅くならない。

キンキンしない、というのが、このようなバロックをトランペットで吹くときにはkg
特に大事です。モーリス・アンドレは思い切り高らかに吹いていました。

ボルドツキーは、それより、ちょっと控え目、抑えめに吹いている野です。

それは、解釈の違いです。私はこの演奏はとても良いと思います。

全般的に、この人はやはり卓越しています。

上手いトランペット奏者に出会うと最早自分では吹けませんが、

大変に嬉しく思います。私は、どうにもトランペットが好きなのです。

他のアルバムも少しずつご紹介出来れば、と考えています。

皆様、良い週末を、また夏休みをお過ごし下さい。

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