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2011.08.25

「ムーディーズ、日本国債格下げ」←今、財政再建なんか出来るわけが無いだろう。馬鹿。

◆記事:日本国債格下げ、プライマリーバランス黒字化遅れが要因=ムーディーズ(ロイター)(2011年 08月 24日 20:20 )

ムーディーズ・インベスターズ・サービスは24日、日本政府の債務格付けを

Aa2からAa3に引き下げたことについて、プライマリーバランスの黒字化の遅れが要因で、

電力の供給力低下も日本の経済成長に逆風との見解を示した。

1ノッチ格下げの根拠については、財政赤字、政府債務、弱い成長戦略の見通しを織り込んだとしている。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスのソブリン・リスク・グループ・シニア・ヴァイスプレジデント、

トーマス・バーン氏が24日開催した「日本国債格付メディア説明会」で明らかにした。

今回の格下げの根拠についてムーディーズは、多額の財政赤字の増加、

2009年の世界的な景気後退以降の政府債務の増加、

債務残高の対国内総生産(GDP)比上昇の抑制を困難にしているいくつかの要因がある、と指摘。

まず、過去5年にわたり首相が頻繁に交代したことが、長期的な経済・財政戦略を効果的に

かつ一貫した政策として実行に移す上での妨げとなったと指摘。

また、3月11日の地震と津波、その後の東京電力福島第1原子力発電所の事故の発生が、

2009年の世界的な景気後退からの回復を遅らせ、経済成長の見通しも弱まらせたとみている。

これらの要因が、政府による赤字削減目標の達成と「社会保障と税の一体改革成案」

の実施を一層困難にさせたとの認識も示した。

日本の格付け見通し「安定的」としたことに関して、バーン氏は

「日本政府の信用力がおそらく18カ月維持される。それを下支えする要因は、

国内投資志向の存続によりファイナンスコストを低く抑えられること」と指摘。

「仮にネガティブに変更する格付けアクションがあるとしても、その可能性は大変小さい」との見方を示した。

民主党代表を控えた時期に格下げを発表したことについて、

バーン氏は「政局の動きとはまったく関係ない。格付け見直しを開始してほぼ3カ月たっており、

ムーディーズの方針として、見直しをする際には3カ月あるいは90日をめどに結論を発表することにしている」

と述べた。

急激な円高に関しては「日本の経済、成長にはマイナス。

ただ、円高進行による産業の空洞化はただちには起きていない」との見解を示した。

ムーディーズでは、影響は一部にすぎず、大企業には見られないとしている。

世界的金融危機の期間、3月の地震に続く数カ月、世界市場で新たな混乱が生じた最近においても、

日本国債は安全な投資対象として引き続き極めて高いパフォーマンスを示した。

バーン氏は「世界的な信用市場における動揺があったとしても、重要な点は、

銀行を含めて民間が保有している対外純資産を持つことにより、

かなり大きなバッファーがあるということ。

このバッファーにより、ユーロ圏における問題が波及することはない」との認識を示した。


◆コメント:今、プライマリーバランスどころではないですよ。

プライマリー・バランスは基礎的財政収支とも言います。

アンチョコから引用すると、

国の財政の健全性を見る指標の一つで、歳入(国債などの借金を除く)から、

歳出(過去に発行した国債などの元利払いに充てる国債費を除く)を差し引いた数字。

プライマリーバランスともいう。毎年度の一般会計歳出を税収だけで賄えれば収支は均衡する。

しかし、日本はバブル経済崩壊後、景気低迷で税収が減少する一方、

景気対策のため歳出が膨らんだ結果、収支が大きく悪化した。(共同通信社)

ということなのです。


ムーディーズとスタンダード&プアーズが世界の2大格付け機関で、

スタンダード&プアーズは、8月5日に米国債を格下げしました。

その時に、
2011.08.09 「S&P、米国債初の格下げ 赤字削減が不十分 」←格付け機関の無責任。

で書きましたが、そもそも、今日の世界経済の混乱を招いた元凶がこの2大「格付け屋」

なのです。アメリカの低所得者層向け住宅ローン、「サブプライムローン」を債券化した、

モーゲージ担保証券に、最上級格付けを付けておいて、いきなり18段階も格下げしたのです。

おかげでリーマンが潰れたようなもので、その時各国政府は、システミックリスクといって、

それぞれの国の銀行が資金繰りが付かなくなり、世界金融恐慌に陥るのを防ぐ為に、

大量の公的資金を、民間銀行に注入しましたが、それ以来、不景気です。


漸く今年のはじめのころ、景気のどん底から抜け出したかな?と言うときに

日本では、震災が起きました。


御存知のように、復興や被災者支援の為には国が多くのおカネを出さなければならない。

その間、赤字が増えるのは仕方が無いです。

プライマリー・バランスを均衡させる、つまり、赤字で無くさせるためには、

財政支出を減らして、国庫の歳入を増やす。つまり増税です。だから消費税引き上げとか

なんとか政府が焦ってますが、この景気の悪いときに、財政出動をやめたら、

被災地のがれきも片付けられないし、二重ローンの免除も出来ないし、

インフラの再整備もできません。

そして、皆がものを買わずに物価が下がり続けるデフレーションが続いている最中に

増税など実行したら、家計の可処分所得は減りますから、悪循環です。


少なくとも、今の未曾有の緊急事態が起きた日本に、財政を健全化する見通しがたっていない

のは当たり前です。

長期的にどうすれば良いかというと、アメリカの経済学者でノーベル経済学賞受賞者、

クリーグマンという人が前から仕切りに言うのですが、インフレ・ターゲットを設定して

景気を良くしてから、増税すれば良い、という意見があります。


これは、日銀は嫌がっているのですね。そもそも物価の安定が日銀の大きな使命の一つなのに

よりによってその日銀がインフレ目標を設けて、少しずつ通貨供給量を増やしたら

つまり、量的緩和でデフレを止めて、物価を上昇させること、

とクリーグマンはいうのですが、

通貨供給量が増えたら、自動的に物価が上昇するとは限らない。

たとえを用いるならば、そこらの床にガソリンを撒いたところで、それだけでは

何も起こりません。それに火を点けるマッチが必要ですが、

金融政策では、そういう手段はないのです。

そして、何かがきっかけとなり、インフレ、つまり物価が上がり始めたら、

散々通貨供給量を増やしてますから、今度はすごいインフレになるかも知れない。

日銀はそれを恐れているのですが、クリーグマンは「何をグズグズしているのだ」

と言わんばかりです。元来日本がこれほど長期的にデフレになる時が日本銀行の

出番というより、インフレが起きたら、金利を引き上げるなどの手段で、

それを抑えるのが日本銀行の使命だという意識が日本銀行には伝統的にあるので、

かつて、実行したことがない、故意にインフレにする、ということに非常に

抵抗感があるようです。


民主党からも、自民党からも日本銀行にインフレ・ターゲット政策を採用しろ

という圧力はあるのですけれども、仮にそれを実行して、インフレが急加速したら

絶対「日銀の責任を問う」とか、白川総裁の責任にして自分達は知らん顔をする

ことは、ほぼ、100パーセント明らか。だから、なかなか決められません。


インフレターゲット政策はさておき、日本政府はムーディーズに対して、
今、格下げしなくても良いだろう。今はプライマリーバランスどころじゃないのだ。

ぐらい、言ってやっても良いと思います。スタンダード&プアーズに格下げされた

アメリカは、スタンダード&プアーズに、「どういうつもりだ」と言っています。

とにかく今は、ムーディーズに踊らされて、焦り狂って、財政支出削減、増税、などと、

現政権が決めないことです。自民党も大人しくしてなさい。

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