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2011.09.12

「小出裕章が答える原発と放射能」←徹頭徹尾、絶望的な内容だからこそ必読の本。

◆小出助教は絶対に気休めを言わない。

小出裕章京都大学原子炉実験所助教の新刊、

小出裕章が答える原発と放射能(河出書房新社)

を、東日本大震災からちょうど半年を経た今日(2011年9月11日)に読んだ。

震災以降、小出裕章京都大学原子炉実験所助教の発言は、ビデオニュース・ドットコムで一部に知られる程度だったが、

40年間、原発推進に反対してきた原子力の専門家がこの事故を冷静・客観的に評価して下さる

というので、一般メディアを通じても、小出先生は広く日本中に知られることになったが、

小出先生の著書をまともに読み通した人が意外に少ないのでは無いかと思われる。

小出先生は、絶対に「安心出来る」ことを言わない。

しかし、徒(いたずら)に人心を攪乱仕様としているわけでは

勿論、ない。


ただ、入手出来る福島第一原発に関するデータ。事実を元に

理論的・論理的に必然的に到達する結論を述べているだけだ。

ただ、その結果小出先生の示唆する日本と世界の現状は眩暈がするほど絶望的だ。

◆「一億総オストリッチ・コンプレックス」か。

世の人々がリアルタイムで何を考え、何を話しているか。

これまでわからなかったが、近ごろ流行りのTwitterを眺めていると、

かなり、それが分かるようになる。


そして感じることは、人々が福島第一原発がもたらす、人類がかつて経験したことがない

困難な状況を、なるべく考えないようにしよう、としている現実である。


ダチョウ(オストリッチ)は、危険や困難な場面にさらされると、頭を地面に突っこむ、といわれている。

これを人間の心理に当てはめたのが、オストリッチ・コンプレックスという概念で、

アメリカの心理学者エリオット・ワイナー(Elliot Weiner)が提唱した。

オストリッチ・コンプレックス―あなたはダチョウ人間になっていないか?

私には、日本人の殆どが、福島第一原発がもたらす影響に関して、

オストリッチ・コンプレックスに陥っているように見える。

危険なこと、不吉なこと、嫌なこと、困難なこと、などは

見なければ、知らなければ、考えなければ、存在しないという訳だが、

勿論それは、心理的に現実を逃避しているだけであり、原発事故の影響は

確実に、今、この瞬間も、悪化の一途を辿っている。


◆知らなければ、どうしようも無い。

勿論、偉そうな事を言っても、私とて、福島第一原発の後、

常に、そのことを考え続けていたわけでは無い。

それを本気でやったら、多分、既に自殺していたと思う。

今も正直言って、出来ることなら、私だって知りたく無い。

全てが悪夢だったと思いたい。


しかし、専門家であり、原子力・放射能の怖さを全て知っている

小出先生は、もっと辛いはずである。

私は以前から、

「何とか世界中の叡智を結集させ、放射線を無効化する技術を開発できないのか」

と考えてきたが、どうやら、どのような専門家もその可能性を示唆しないところを見ると

無理であるらしい。

だとすると、小出先生が述べている事実、つまり、
福島第一原発から放出された放射性物質は世界中に拡がっており、最早地球上に被曝から逃れられる場所はない

ことを認識するしかない。我々はこの瞬間も被曝し続けている。

ただし、勿論、被曝量は場所によって差があるだろうし、

広島の爆心地に、一週間後からずっと住み、現地の水を飲み、広島で獲れた

野菜や米を食べ続けて、ヘビースモーカーで、酒を飲んで90歳を過ぎて生きている人が

存在するのも事実である(素人の想像だが、放射線の毒性に対する感受性に

個体差があるのだろう)。

そう考えて達観するか、あるいは(敢えて極端な例を挙げるならば)未来に絶望して一家心中するか。

各自の自由意思で決めるしか、ないだろう。

兎にも角にも、小出裕章が答える原発と放射能(河出書房新社)は、読むことを薦める。

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