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2011.11.09

「監視委がオリンパスを本格調査、虚偽記載の疑いで=関係筋」←6年前に岩國哲人氏が警告してました。

◆記事:監視委がオリンパスを本格調査、虚偽記載の疑いで=関係筋(ロイター 11月8日(火)13時29分配信)

オリンパス<7733.T>が過去の損失計上を先送りしていたと発表したことに関連し、

金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで、

証券取引等監視委員会が本格的な調査に乗り出すことがわかった。

関係筋が8日、明らかにした。監視委は、個別の事案へのコメントは控えるとしている。

複数の関係筋によると、オリンパスが設置した第三者委員会がまとめる調査結果なども踏まえ、

必要に応じて関係者に事情を聴くなどの調査を進める。悪質性が高いと判断すれば、

検察当局への刑事告発を検討する可能性もある。

監視委は夏ごろにはすでにこの問題に関心を寄せており、

金融商品取引法に照らして適切な対応がとられたかどうか、

開示面を軸に検証を進めていたことが明らかになっていた。

オリンパスは同日、不明朗な資金の流れが指摘されていた過去のM&A(買収・合併)に関し、

1990年代ごろから有価証券投資などの含み損を先送りし、

その穴埋めのために買収資金などを利用していたことが判明したと発表した。

森久志副社長執行役員が損失計上先送りに関わっていたとし、同日付けで副社長執行役員を解職した。


◆コメント:元衆議院議員、岩國哲人氏が危惧したとおりです。

オリンパス株式会社は東証一部上場企業です。

東証一部上場企業とは、財務的に信用がおける日本を代表する企業であり、

従って、その企業の株式は安心して取引出来る。

勿論、株式「相場」ですからあがったり下がったりしますが、

一定の基準を満たした、安定した企業の株だから

少なくともある日突然潰れて株券が紙屑同様になることはない、

と皆、思っているのです。だから東証一部上場企業とは一流企業の

代名詞、と長い間、誰もが何も疑いを抱かずにいました。


ところが、7年前。西武鉄道が飛んでもないことをしていたことが発覚しました。

◆記事:西武鉄道 上場廃止 来月17日付(2004年11月17日 読売新聞)

東京証券取引所は16日、西武鉄道の株式を12月17日付で上場廃止にすると発表した。

コクドなど大株主の持ち株比率を有価証券報告書に47年間にわたって虚偽記載し、

「投資家の市場に対する信頼を損ねた」(鶴島琢夫・東証社長)と判断した。

東証では、上場廃止基準のうち、

〈1〉虚偽記載を行い影響が重大

〈2〉公益・投資者保護のために廃止が必要――

の2点に該当すると説明している。

不適切な情報開示を理由とする上場廃止は極めて異例だ。

東証は、投資家に上場廃止決定を知らせるため、

現在、監理ポストに割り当てている西武鉄道株を11月17日に整理ポストに移し、

12月16日までは売買できるようにする。

その後は、同社株は東証を通じた取引ができなくなる。

上場廃止決定を受け、西武鉄道は同日、

新興企業向け市場ジャスダックに上場する準備に入ったと発表した。

また有価証券報告書への虚偽記載問題が相次いでいることを受け、

東証は、全上場企業に親会社の経営に関する情報を適時開示するよう

義務づけるなどの東証規則改正案も正式発表した。

経営トップに財務などに関する公表内容が正確であることを誓約させるほか、

上場廃止となる少数株主の持ち株比率を

現在の80%超から75%超まで下げることなども盛り込み、2005年1月をめどに改正する。

とんでもない話で、上場基準を満たさない株、違法は株が東京市場で取引されていたのです。

既に政界を引退してしまいましたが、私が僭越ながら何度も
「全ての国会議員のなかで最も優秀な人材」

と書いた、元・メリルリンチ(当時世界最大の証券会社)米国本社上級副社長で、

故郷の出雲市に乞われて、出雲市長になり、110の公約を1年で全て実行し、

その後、民主党衆議院議員に当選した、岩國哲人(いわくにてつんど)氏は

何しろ、証券のプロですから、事態を重く見て、当時の伊藤達也金融担当相に

国会で厳しく質問しました。


◆2005年2月7日衆議院予算委員会会議録より抜粋

その時の質疑応答です。

【引用開始】

○岩國委員 総務大臣、厚生大臣、お忙しいでしょうから、どうぞお引き取りいただいて結構でございます。

次に、西武鉄道の株式の問題について質問させていただきます。

西武鉄道の株式取引について、違反状態で長年取引が継続されておったということは大変残念なことであります。

こうした点について、金融庁としては、いつから違反状態が発生し、その結果として不測な損害をこうむった投資家は、投資金額はどれぐらいなのか、徹底的にこれは調査すべきじゃありませんか。

きょうも、この瞬間も、違反状態にある株式が東京証券取引所で取引されているんじゃありませんか。

そういう疑惑の中で、取引所の中で取引されているものには違反状態にあるものはないんだという潔白宣言がいつできるのか。どうぞお答えください。

○伊藤国務大臣 委員が御指摘をされた事例も含めまして、昨年の秋以来、不適切な事例が続いております。

私どもといたしましては、証券市場の信頼性を確保するためには、適切なディスクロージャーが極めて重要であると考えておりまして、

こうした観点から、国民のディスクロージャー制度に対する信頼を確保していくために、その対応策を昨年の十一月、そして十二月に公表をさせていただいたところでございます。

その中の対応策の一つ一つを強力に進めていくことが重要だというふうに考えておりまして、今、その違反状況を是正していくことが重要だというお話がございました。

この対応策の中でも、開示企業すべてに対して、有価証券報告書の正確性、これを自主的に点検をしていただきたい、その要請をさせていただいて、

すべての開示企業から報告をいただいたところでございます。


その報告の内容を私どもとして精査をして、そして適切なディスクロージャーをさらに進めていくための対応策というものをさらに進めていきたいと考えているところでございます。

○岩國委員 私がお伺いしているのは、潔白宣言がいつまでにできるというめどは全くないのかどうかということ。もう一度お答えください。

○伊藤国務大臣 今、答弁をさせていただきましたように、昨年の十一月、そして十二月に公表させていただいたこの対応策、その一つ一つを強力に推進していくことが重要だというふうに考えております。

先ほど来お話をさせていただいているように、まず開示企業の自主的な点検、これを要請させていただいたところでございますし、

また、各取引所においても、その上場のあり方について、これを見直していただくことを要請させていただいて、その要請を踏まえて見直しについて実施をされているところでございます。

そうしたさまざまな施策というものを展開しながら、委員から見ても、そして投資家から見ても、日本の証券市場の信頼性というものは間違いないものである、

そういうふうに信頼性というものを確保できるために、私どもとしても一生懸命努力を続けてまいりたいと考えております。

○岩國委員 私の質問に二度も答えていただけなかったということは、要するに、潔白宣言はきょう現在も出せないし、しばらくの間、疑惑の、違反株式の取引はきょうもあしたも続けられるということですね。

【引用終わり】

岩國議員は、西武鉄道と同じように、本来上場してはいけない株が、

発見されずに売買されているかも知れないのだから、

監督官庁である金融庁(証券取引等監視委員会は金融庁内の機構です)である金融庁が

上場している全ての企業の財務状態その他上場基準を満たしているかどうか、

調査するべきだ、といっているのに、金融相の答弁は唖然とする内容です。

役所が調べるのではなく、株を上場している企業に自分で有価証券報告書を

点検して、ウソ、偽りがないか報告せよ、と命じています、という趣旨でした。


この答弁のバカさ加減は、分かりますよね?

インチキしている企業が、金融庁に「粉飾決算してませんかー?」と尋ねられて

「ハーイ、ウチは、粉飾でーす」って言う訳がないでしょ?

それをしかし、当時の伊藤金融担当相は大真面目に答えて、

岩國哲人議員は、開いた口が塞がらなかったことでしょう。


岩國議員の懸念はやはり、現実化しました。東証一部上場、あのカネボウが

粉飾決算をしていたこと、それに、何と虚偽を指摘すべき会計監査法人、

中央青山という監査法人がインチキに加担していたのです。

粉飾決算を指南していたというのですから、もう眩暈がするほどひどい話でした。

カネボウは当然、上場廃止となり、2007年に会社は解散しました。

今もカネボウという化粧品が存在しますが、あれは「カネボウ」の商標権(ブランド)を引き継いだ

花王株式会社の子会社「株式会社カネボウ化粧品」という、旧カネボウとは別の企業の商品なのです。

日本最大の監査法人だった、中央青山監査法人も、粉飾の手助けをしていたので、

業務停止命令が出され、何処の企業も監査を頼まなくなりました。

このため、中央青山は他の3つの監査法人に監査業務を移管し、解体されました。


◆このような最悪の例が2回もあったのに、総点検していなかった金融庁。

西武鉄道の有価証券報告書虚偽記載の後、岩國議員が懸念したとおり、

カネボウは違法に上場していました。

それから、また6年も経って、1990年頃からオリンパスがインチキをしていたことが

バレた、と言うわけです。

この他に、粉飾決算、有価証券報告書虚偽記載をしている会社は存在しない、

という証拠はどこにもありません。


こういうことが続くと、東京市場で取引されている株式全体が「怪しい」と

見なされてしまいます。日本人同士はなんとなくインチキ臭くても売買するかも知れませんが

海外投資家が、これに呆れて一斉に日本株を売りに出たら、東京市場は暴落します。

すると、それらの株に投資している投資家に大きな評価損が生じ、最悪それが原因で倒産します。

個人投資家も、勿論、インチキ株が新しく出たら、株券は紙屑になります。

悪夢のような負の連鎖となります。東証一部上場企業の信用が低下・消失したらおしまいです。


やはり、岩國議員の言うとおり、手間がかかっても当局が全部の株を点検するべきでした。

話が逸れますけれども、こういう指摘をした国会議員は岩國議員だけです。

私は2005年郵政民営化選挙のときに、お前はどの政党を支持するのか?と読者に訊かれたので、

岩國議員が党首にした民主党が出来たら、支持しますと答えました。

2005.09.04 「お前はどこの政党の誰を支持するのだ」とのお訊ねがありましたので(既に書いてるんですが)。

今さら書いても詮無いことながら、やはり民主党の最大の失敗は、岩國哲人氏を重用しなかったことです。

岩國さんが内閣総理大臣になっていたら、と思うと、残念です。

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