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2011年12月

2011.12.31

「政府・民主、一体改革案を年明け決定=野田首相『消費増税法案、年度内提出』」←「消えた年金」はどうなったの?

◆記事:政府・民主、一体改革案を年明け決定=野田首相「消費増税法案、年度内提出」(時事通信 12月30日(金)20時41分配信)

政府・民主党は30日、消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げることを柱とする社会保障と税の一体改革の原案をまとめた。

野田佳彦首相は記者団に「非常に大きな前進だった」と強調。来年1月第1週の政府・与党の社会保障改革本部で、

一体改革の素案として正式決定し、野党に協議を呼び掛ける考えを示した。


資料:国会 会議録 国家基本政策委員会 両院合同審査会  平成22年02月17日

国立国会図書館:国会会議録検索システムにより、検索、引用します。

発言番号24:谷垣禎一君:(中略)

それで、予算審議でありますが、予算でありますが、私はおおむね五つの問題点があると、このように思っております。
まず、財政の中期展望、財政をどう維持していくかというその責任を示していくのが見当たらないというのが一つです。それから二番目、恒久施策に対応する恒久財源が用意されてないではないかということが第二点であります。それから第三点は、デフレ宣言をされましたけど、それに対する具体策がない、こういうことであります。第四点は、成長戦略ですね、これは予算編成後につくられた、予算にはこの成長戦略は反映されていない、単なる作文であると、こういうことであります。それから五番目、五番目は、これは暫定税率等を含めて数々のマニフェスト違反がある、こういうことが問題だと思っております。

 これを順次議論してまいりたいと思いますが、まず第一に総理に伺いたいこと。昨日の税法の審議でも議論がありましたけれども、総理は、まず徹底的に無駄を省くということを第一にすべきであって、そして消費税については四年間これをやらない、こういうふうに今まで何度も言明をされておりました。今も基本的なお考えはそうであると、こういう理解でよろしいでしょうか。
発言番号25:内閣総理大臣(鳩山由紀夫君)

政治の金の話で、先ほど企業・団体献金の禁止に対して谷垣総裁のお気持ちを尋ねたところでありますが、御返答がなかったのは残念でございますが、是非前向きに御検討をいただきたいと、重ねてそのことを申し上げておきます。

 さて、民主党に対していろいろとこの財政の話を含めて疑問があるというお話がございました。恒久財源という話の中で消費税という議論であろうかと思います。

 私がなぜ最初、消費税というものの議論もまだ早過ぎるということを申し上げたかといえば、やはり先ほど谷垣総裁からもお話がありましたように、今までの政権では余りにも無駄遣いが多過ぎたと、ここを徹底的にやはり無駄遣いをなくす、スリムな日本の予算というものを作り上げていかなければならないという発想でございまして、それが中途半端な中でいわゆる恒久財源、消費税の議論に入り込みますと、それが途中で増税ができればいいじゃないかという話になるとスリムな筋肉質な体形になかなかならない予算にとどまってしまう可能性がある。そこで、私はやはり消費税の議論というものは早過ぎると。

 したがって、私が政権を担うべき四年間の間は消費税の増税はしないということを申し上げてきたつもりでございますし、そこのところを変えるつもりは毛頭ありません。
(注:色太文字は引用者による)。

念には念を入れ、その会議録を私がブラウザで表示している所を画像として記録したので、引用者が会議録を改竄していないことを証明する。

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20100217diettanigakihatoyama02

ご覧のとおりである。


◆コメント:これは、公約違反だ。

日本国民は何でも直ぐ忘れるのは今に始まったことではない。

あまりにもしつこい、執念深い人間は、嫌な奴だが、日本国民は、いくらなんでも、全てを直ぐに忘れすぎる。

新聞の世論調査では、今回、

震災復興に必要なのだから、消費増税しかたないじゃないか。

という意見が多いようだが、国家は、増税以前に削れるコストを全然削ってないでしょう。

どの政党も選挙のたびに「国会議員の数を減らす」という。民主党が政権を獲ったときのマニフェストにも書かれているが

現状ですら、一票の格差に関して司法が
「違憲である。が、選挙そのものは無効としない」

と何度も判断している、Wikipediaに最高裁判決例一覧が載っている。

実際に減らすとなったら、どこの選挙区から減らすのか、簡単に決められるとは到底考えられない。

国会議員一人あたり、歳費(月給)が120数万円、文書通信交通滞在費が毎月100万円(非課税)、

政党に所属していれば立法事務費として、月65万円、ボーナスは変動があるが年間約700万円。

JRはどこまで、何度載っても無料。飛行機も月4回までは無料。


国会議員の数など減らさなくても、国会議員自身が自らの収入に関係する法令を変え、今の2分の1にしたら、

議員数を半分にしたのと同じ効果が、少なくとも単純計算上、瞬間的に得られる。


しかし、誰も言い出さない。

国民から預かった年金台帳の突合できないもの「宙に浮いた年金」について、

当時は自公連立政権だったが、安倍内閣の頃、安倍晋三内閣総理大臣と当時の小沢一郎民主党代表が

初めて「党首討論」を行ったときに、「1年で全件突合する」といったのが2007年5月である。


その後政権交替時、民主党は、民主党の政権政策Manifesto2009(PDF 4.8MB)で、
「消えた年金」「消された年金」問題の解決に、2年間、集中的に取り組みます。

と明記しているが、国民への報告を少なくとも私は、見ても聞いてもいない。

国民から預かった年金掛け金がどうなっているか分からず、いまだにどうなるか

全く説明がない。税の徴収は有能な官吏が担当し、預かる年金の木っ端役人は、

この世に「責任」という言葉があることを知っているのか? と言いたくなるほど、無能である。


取るものは取り、預かった金はどこかになくして、「知りません」という。

それでも、開いた口が塞がらないというのに、年金の「ね」の字も出さず、

「とにかく、消費税は増税する」というのである。

消費税に関しては、資料で掲げた通り、2010年2月17日の党首討論で、当時の鳩山代表は、
私が政権を担うべき四年間の間は消費税の増税はしないということを申し上げてきたつもりでございますし、そこのところを変えるつもりは毛頭ありません。

と述べている事が、公式の国会議事録に記録されている。

鳩山由紀夫元代表がその後職を辞し、現在は野田首相になったのは民主党の内輪もめの結果であり、

勿論国民の知ったことではなく、鳩山元代表の「公約」は有効であると見なされるべきである。


それをいけしゃあしゃあと、しかも、この年末、12月30日、国民が帰省やら仕事納めやらで、

バタバタして、ロクにニュースを見たり聞いたりしない時期を狙い、消費税増税を発表した。

こういうのを「詐欺」という。


このようなときに本気で怒らないから、政治家が国民をナメるのである。

今週発表された経済指標を見ると、家計の収入は減り続け、

それに伴い、GDP(国内総生産)の6割を占める個人消費が増えない。

それは、モノ・サービスが売れないということだから、需要と供給の原理に従い、

消費者物価指数が下がる。それはモノを作ったり、サービスを売る会社の収益を増やさない、

ということだから、企業はコストを抑える。一番のコスト=人件費を減らす。家計所得がまた減少する。

という典型的なデフレスパイラルに陥っている。

日本の中央銀行である日本銀行は、市中に資金を供給しているが、資金量が増えても

需要がなく、モノやサービスを買う人がいなければ、物価は上昇せず、経済活動は拡大せず、

景気は改善しない。

本来、家計の可処分所得を増やす為に、所得税、地方税、消費税を全て減税するべきである。

非常に限られた範囲だが、エコカー減税を実行したら、売上げが伸びたことからも、

家計(国民というか消費者)がおカネを使いたくなる状況を創出することが先である。

景気が浮揚しないまま、増税しても、税収増は見込めない。あまりにも明らかである。

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2011.12.28

「<南スーダンPKO>防衛相、陸自に派遣命令」「震災支援、自衛隊が全面撤収=発生から9カ月余―防衛省」逆でしょう。

記事1:<南スーダンPKO>防衛相、陸自に派遣命令(毎日新聞 12月20日(火)22時52分配信)

一川保夫防衛相は20日の防衛会議で、

南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)への陸上自衛隊施設部隊の派遣を命令した。

最大330人の隊員を派遣する実施計画が同日、閣議決定されたのを受けたもので、来年1月から隊員が順次現地入りし、

首都ジュバ周辺で道路整備などを行う。アフリカの資源外交への影響もにらんだ自衛隊による国際貢献で、

野田政権の「肝煎り案件」だが、補給や法律面など実務を担う自衛隊にとっては厳しい条件での派遣となる。【坂口裕彦、鈴木泰広】

「南スーダンの国造りに自衛隊が参加することは大変意義あることだ」。

一川氏は同日の記者会見で、7月に独立した同国への支援の重要性を強調した。

派遣期間は来年1月11日から10月末までで、4月中に活動を始める。

派遣延長により5年程度の長期的な活動を想定している。

野田佳彦首相は、就任間もない9月の国連総会で、派遣に前向きな姿勢を表明した。

政府高官は「野田政権への交代でこれまでの内向き志向からの脱却をアピールする狙いがあった」と明かす。

とはいえ、330人に加えて、国連などとの調整担当部隊40人も同国や隣国のウガンダ、ケニアに送る大がかりな派遣に自衛隊の負担感は重い。

とりわけ悩ましいのが重機や車両の輸送だ。ジュバから最も近い港湾拠点は約1900キロ離れたケニアのモンバサ港。

ジュバまで陸路で1カ月以上かかる道路状況の悪さに、定期コンテナ船や海自輸送艦による輸送は見送らざるを得なかった。

結局、日本からチャーターした超大型輸送機「アントノフ」でウガンダ・エンテベ空港にまず空輸し、

さらにジュバへ別の民間機などで運ぶことになった。

輸送費は派遣規模がほぼ同じハイチでの震災復興活動の2倍以上に膨らむ見通しだ。

民主党内にはPKO協力法が定める「参加5原則」をめぐり、武器使用基準の緩和を求める声もあったが、

首相は現行法の枠内での派遣を表明。隊員らは必要最小限の武器を携行することになった。


◆記事2:震災支援、自衛隊が全面撤収=発生から9カ月余―防衛省(時事通信 12月26日(月)18時50分配信)

防衛省は26日、同省内で災害対策本部を開き、東日本大震災の被災地に派遣している自衛隊の全面撤収を決めた。

最後まで活動していた福島第1原発事故に対処する部隊について、一川保夫防衛相が同日、福島県の要請を受けて撤収を命じた。

震災発生から9カ月余を経て、自衛隊は派遣された7道県での任務を全て終えた。

一川防衛相は対策本部の会合で「隊員、家族の労をねぎらい、感謝を申し上げたい」と述べた。

防衛省によると、被災地に派遣された隊員は、岩手、宮城、福島各県を中心に延べ約1066万人。

約1万9300人を救助したほか、各種の生活支援を実施し、給食支援は延べ約500万食、入浴支援は同約109万人に上った。


◆コメント:被災地よりスーダン?

どう考えても、プライオリティ(優先順位)が逆ではないでしょうか。

被災地の様子、最近テレビが映さないので、現地以外の日本人は、様子が詳細に分かりませんが

がれきの山が全然片付いていない所があるでしょう。あれは、ほったらかしですか。

また、

福島第1原発事故に対処する部隊について、一川保夫防衛相が同日、福島県の要請を受けて撤収を命じた。

とあるけれども、福島県がどうして撤収を要請したかしりませんが、

福島原発ってこれからまだ何があるか分からないわけでしょ?

1号機から3号機まで、メルトダウン、あるいはメルトスルーした核燃料がどこでどうなっているか、

確認出来ない。

これからまた、急に大量の放射性物質が拡散する可能性は、事故直後よりは大分低くなったけど、

小出助教が、以前から行っているとおり、核物質が大気に触れている状態がずっと続いている、

という「人類未体験ゾーン」の大変な状況なのに、

そちらは撤収して、何だか、世界にアピールするつもりなのか、南スーダンへ自衛隊を派遣する。

自衛隊が初めて海外に出たのは、1991年、イラクがクウェートに侵攻し、多国籍軍が出た湾岸戦争のあと、

機雷を除去する、掃海艇を出したときですが、これですら、当時の後藤田官房長官なんか大反対だった。

自衛隊は憲法上「軍隊」じゃないですけど、まあ、実質似たようなもので、鉄砲持った連中をうっかり

外に出して戦闘状態になったら、憲法違反ですよ。

イラクに派遣するときには、小泉自民党がイラク復興支援特別措置法を強行採決しようとするので、

当時野党だった、民主党は「違憲だ!」といって、殆ど殴り合いのケンカになっていたと記憶してますが、

自分が与党になったら、イラクのサマワなんかよりももっと物騒な場所に自衛隊をあっさり派遣ですか。

スーダン、相当危険ですよ。
◆記事:スーダン軍が反政府組織の指導者殺害と発表、大きな打撃との見方(ロイター 12月26日(月)17時27分配信)

スーダン軍は、西部ダルフール地方の主要な反政府組織「正義と平等運動(JEM)」の指導者、ハリル・イブラヒム氏を殺害したと発表した。

スーダン軍の報道官は国営テレビに対し、イブラヒム氏が南スーダンに入ろうとした際、

政府軍と交戦になったとし、同氏がJEMの他の司令官らと共に殺害されたと明らかにした。

一方JEMは声明で、イブラヒム氏が23日午前に空爆で死亡したと発表。

同氏を殺害した組織は数倍の報いを受けることになるだろうと強調した。

スーダン情勢の専門家は、イブラヒム氏が政治や軍事に関わる決定を下していた指導者だったとし、

同氏の死亡はJEMにとって大きな打撃となると指摘した。

記事1によると、330人もの自衛隊は、首都ジュバ周辺で道路整備などを行う

ということですが、費用がハイチの倍もかかると。財政再建といっているときに、

日本の被災地からは全面撤収して、特に緊急を要しない、スーダン首都の道路整備に、

非常にコストがかかる自衛隊派遣をして、それで消費税増税するぞと。

何だか全然納得できません。

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2011.12.27

「武器輸出三原則、緩和決定へ=官房長官談話で27日公表」どさくさ紛れに決めるな。

◆記事:武器輸出三原則、緩和決定へ=官房長官談話で27日公表(時事通信 12月23日(金)12時6分配信)

政府は23日、武器と関連技術の輸出を原則として禁じている武器輸出三原則の緩和について、

27日に官房長官談話で公表する方針を固めた。同日に安全保障会議を開いて決定し、閣議に報告する。

戦闘機などの国際共同開発・生産への参加や、国連平和維持活動(PKO)など平和・人道目的を「例外」として認める。

戦闘機などの先端装備品は高性能化・高価格化が進み、国際共同開発が主流となっている。

政府が航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)に選定したF35も、米、英など9カ国の共同開発によるものだ。

共同開発に参加すれば、最新技術の取得やコスト抑制が期待できる。

一方、平和・人道目的では、巡視艇やヘルメット、防弾チョッキなど、人を直接殺傷する可能性が低いものに限定する

自衛隊の海外派遣で使用した後の装備品を派遣先の国に供与することを想定している。


◆コメント:武器輸出三原則とは何か。

武器輸出三原則は、1967(昭和42)年、佐藤栄作内閣総理大臣が、

(1)共産圏諸国

(2)国連決議で禁じられている国

(3)国際紛争当事国

への、武器輸出を認めない、と国会で答弁したときに端を発するのです。

これを補強するかのように、1976年、三木武夫内閣が、
三原則以外の国にも武器の輸出を慎む。
ことを「政府統一見解」として発表しました。

さらに。外務省のサイトに今でも載っている、

2004年4月の、「日本の軍縮・不拡散外交」の、

第5部 通常兵器(732k)

「第一章 小型武器 第四節 日本の取り組み」には、こう書かれているのです。
(2)また、日本は、国連により開催されている小型武器に関する専門家会合や国際会議において重要な役割を果たし、この問題に積極的に取り組んできている。

   日本は武器輸出を原則的に行っておらず、輸出を前提とした軍需産業もないことから、国際社会をリードできる立場にあると言える。

これ、ものすごく重要な点ですよ。軍縮全体ではないにしても一般市民を殺傷する際に最も使われる

小型兵器(自動小銃、小型ミサイルなど、)を回収・廃棄するのが国際的に重要な課題なのです。

それで。

日本は国連の会合などで、こういう会議のリーダーシップを握っている。何故かと言うと

日本はかねてからの武器輸出三原則通り(とは書いてないけど、それ以外に理由がない)に、

武器を作って輸出する国ではないから、です。

日本は、他国に武器を売って人殺しの手助けは一切していないから、

堂々と、世界に「小型武器を廃止せよ」と言えるのです。

これが決まったのは、自民党の時代ですよ。自公連立政権になってからも、政府の公式見解は変わらなかった。


それを何ですか。野田政権は。

そもそも、民主党が政権を取った時、鳩山代表は「友愛政治」とか言いませんでしたか?

人殺しの道具作って売るのを、或いは戦闘機という人殺しの道具の開発に積極的に参加することを

民主党じゃ「友愛」ってんですか?


今年は地震と福島原発で人心が落ち着かない。

加えてこの暮れの「もう幾つ寝ると、お正月」で、みんなまともにニュースを

聴いたり、新聞を読んだりしない時期にどさくさ紛れに、平和憲法を持つ日本が

武器商人になります。と公式に発表するってんだから、

呆れてものが言えないです。


福島第一原発から飛び散った放射性物質は既に地球全体に拡散している。

ただでさえ、地球上の生物全体に迷惑をかけているというのに、

このうえさらに、「戦闘機などの国際共同開発」に参加するのですか。

どうして今、それをしなければならないのか。こんなことは国際的な貢献ではない。

27日(火)「発表」するそうですが、何故、その前に国民に説明がないのか、納得出来ません。

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2011.12.25

金管楽器のバッハ。直接関係無くてもクリスマスにはバッハが合います。

◆久しぶりにジャーマン・ブラスです。

ジャーマン・ブラスは一番最初は、ベルリン・フィルの金管首席奏者が

結成した金管アンサンブルで人数もさほどいなかったと思います。

その後、結成当初のメンバーは入れ替わり、現在は南米出身だけれどもドイツの音大で

勉強し、ドイツのオーケストラでの演奏経験があるエンリケ・クレスポという人がリーダーで、

但し、演奏上最も需要な役割を担うのは、こういうバッハものの編曲も担当する

トランペット奏者、マティアス・ヘフスという人です。


私は、2007年にこの団体を知りまして、以来、ちょっと偏りすぎ、というぐらい、

何度も集中的に「ジャーマン・ブラス」を取りあげてしまったので、

なるべく我慢しているのですが、本来、クラシックはクラシック(古典)であり、

名演奏のレコードは何度も聴くものですから、また取りあげます。

前回の日記で、ヘンデルの「メサイア」やバッハの「クリスマス・オラトリオ」か「ロ短調ミサ」から

抜萃を、と書きましたが、どうも難しいです。時間がかかるので今回はちょっと、パス。

忘れない内に、音源(引用元)を書いておきます。


Fascination Bach:, German Brassです。

それから、終わり二曲は映像ですが、これは、Bach for Brass [DVD]です。

Amazonは在庫一点限りだそうですが、

HMVにも(但し「お取り寄せ」)

TOWER RECORDSにも(これも「お取り寄せ」ですが)
あります。

以前は、これのDVDではなくて、同じプログラムのスタジオ録音版、“Bach In Brass”というCDがありましたが、

今日現在見当たりません。

しかし、このような金管楽器のCDとかDVDは在庫の状況がしばしば変わりますから「廃盤」と書いてあっても

復活することがあります。

それでは、音楽にします。


◆クリスマスに直接関係ないですけど、バッハはいつ聴いてもいいです。

最初は、オルガン協奏曲 イ短調 BWV 593 の第一楽章ですが、これはバッハがよくやる、

ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲(これは原曲は、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲 イ短調 RV 522)をオルガンやチェンバロ用に

編曲しています。イタリアの作曲家の手法を勉強するためだった、などと云われております。

他人の作品をアレンジして、自分の作品として発表しているので、今だったら著作権で大騒ぎでしょうが、

バッハの頃は互いに曲(の一部)を拝借するのは普通のことだったようで、例を挙げたらキリがありません。


オルガン協奏曲 イ短調 BWV 593 (原曲:ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲 イ短調 RV 522) 第一楽章







ヴィヴァルディの原曲と聴き比べると面白いのですが、あいにく手元にありません。

しかし、ヴァイオリン協奏曲、バッハ編曲のオルガン協奏曲、

マティアス・ヘフス編曲のジャーマン・ブラスで「こうも違うか」というぐらい違います。

楽器も編成も違うから、当たり前、と言ったら、実も蓋もありません。



次は、あまりにも美しいのであらゆる楽器がアレンジで演奏する曲です。


フルート・ソナタ 変ホ長調 BWV 1031 第二楽章 シチリアーノ

(フルートソナタ全体の主調は変ホ長調ですが、第二楽章シチリアーノはト短調です。)






これは、本当にかつて、この「シチリアーノ」だけを特集したことがありますが、

ありとあらゆる楽器が演奏します。ピアノとかなんとか当たり前で、マリンバ、ハーモニカ、

ハープ、ギター、トランペット、と驚くほどです。気持はわかりますね。ぞっとするほど美しい

と思います。


カンタータ BWV 29 「神よ、われら汝に感謝す」 より シンフォニア。



バッハのカンタータというのは200曲あります。この一曲が『カンタータ」ではなくて、

こういう数分の曲が10曲ぐらいで一つのカンタータなのです。

それをバッハは毎週1つ礼拝用に書いていたのです。






次はオルガン曲。「トッカータとフーガ」は一曲ではありません。

トッカータとフーガ ニ短調 「ドリア旋法」 BWV 538







この曲の冒頭の音などよく聴いて頂きたいのですが、金管=ラッパといってもその音色は常に明るい「パッパラパー」ではない。

実に悲しい音も出せる。悲しい、暗い、金管の音、というのも、ラッパの魅了の一つであります。


次は、私もびっくりしたのですが、ピアニストの旧約聖書とかなんとか言われていて、

弾く人は必ずしも「大好き」では済まないですが、聴いている分には大変快い、

平均律クラヴィーア曲集をブラスアンサンブルに編曲したものです。これは、

第一巻の第2番です。これは最初にリヒテルの演奏で原曲を聴いて頂きます。


平均律クラヴィーア曲集 第一巻 第2番 前奏曲とフーガ(原曲:ピアノ=リヒテル)







細かいウニョウニョした音の動きは、何だか不安感を煽り立てられるようですが、

それはそれで綺麗です。

しかし、これを金管アンサンブルに編曲しようという発想は、普通は浮かばないとおもいます。

マティアス・ヘフス氏の編曲。ジャーマン・ブラスによる演奏です。


平均律クラヴィーア曲集 第一巻 第2番 前奏曲とフーガ(ジャーマン・ブラス)







最後は映像付。管弦楽組曲3番の「エア」通称「G線上のアリア」。

引用元は、Bach for Brass [DVD]です。


BWV1068Air







因みに、これを演奏している場所は、バッハが長年音楽監督を務め、バッハのお墓がある、ライプツィッヒの聖トーマス教会です。

ちょっと間が悪い更新で申し訳ありませんが、

今日でも明晩でもゆっくりお聴き下さい。

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2011.12.24

クリスマスから年末・年始。日本とイギリス両方の経験。/【音楽】クリスマス。

◆まず、最初に、お騒がせしたお詫びを申しあげます。

エンピツでは11月23日付で、

【追加】私事で恐縮ですが、予めおことわり。/明日アルゲリッチの超名演DVDが発売です。

ココログですと(同内容ですが)、
【追加】私事で恐縮ですが、予めおことわり。/明日アルゲリッチの超名演DVDが発売です。

という「記事」を書きまして、

読者の方々から、誠にご親切なコメント、メールを頂戴いたしました。

心より御礼もうしあげます。


しかし、同時にお騒がせを致しましたお詫びを申しあげねばなりません。

1ヶ月前、リンク先の記事で、
私と血は繋がっていないけれども「身内」で、末期ガンで今年中には間違いなく死ぬのが1人おります。

(中略)

もう1人は、必ず死ぬか分かりませんが死んでもおかしくない。

脳内に動脈瘤が見つかったけれども、緊急オペを要するほどではない。しかし、破裂したら、死ぬ。

とかきましたが、

ガン患者は、どうもそこまで余命が短くなかったようでございます。

キチンと確認してから書かなかった私の失敗でございます。

余命何「年」ではないのですが、今年中、つまり、あと一週間以内に・・・、ということになる可能性は

殆どございません。


また、もう1人、動脈瘤は、色々検査した結果、絶対安全ではないけれども、瘤が脳の他の部位に

癒着している可能性が高く、開頭手術を行うと、術後他の障害が出る可能性が高い。高齢だし、

経過観察、ということになりました。


つまり、2人の病人の問題は「先送り」されただけでありますが、年末年始の最悪のタイミングで

という事態はさけられそうです。お騒がせいたしました。


言い訳がましいですが、もしかすると、特に若い読者の方は、
こいつ、人が死ぬことを何とも思っていないようだ。なんという冷酷な・・・。

と、お感じになったかもしれません。

確かに、冷たい人格なのかも知れませんが、半世紀以上生きていることと、私個人特有の事情でしょうが、

子供の頃から何度も親戚や他人、そして父親の死まで経験しておりますので、そんなにオタオタしないのです。

これを書くと長くなるので、またいずれ。


◆年末・年始。今年はスッキリしませんが、日本が良いです。

これは、私個人の感覚です。

更に細かく述べるならば、クリスマスの直前までは、ヨーロッパが良いです。

日本では、12月の頭から、特に都会では、至る所で「ジングルベル」や「サンタが街にやってくる」が、

何だか、安っぽいアレンジで、ガラガラのスピーカーから聞こえてきます。非常に軽佻浮薄な感じです。

これは、アメリカに近い。さらに信仰心など全然関係無くやるから、一層、軽薄です。


以前、書きましたが、ロンドンで驚いたのは、クリスマスが近づくと、街の至る所でアマチュアの金管四重奏が

讃美歌を演奏しているのです。

やや、マニアックな話で恐縮ですが、金管四重奏といっても、オーケストラの金管セクションにいる、

トランペット、トロンボーン、ホルン、テューバ、ではなくて、サクソルン族という、柔らかい音をだすラッパの

系統です。19世紀、ベルギーにアドルフ・サックスという楽器製作者がいました。

サクソフォーンという木管楽器は彼の発明ですが、このサックス氏が金管楽器群でも

オーケストラでは使われないのを発明したのです。サックスのホルンだから「サクソルン」です。

厳密には違うのですが、コルネット、アルトホーン、ユーフォニアム(というか、バリトンというか)、

テューバ(というかバスというか)という編成が多いです。ときどき大人数の金管だけのバンド、

文字通りの「ブラス・バンド」が、こちらでもあちらでも街角で演奏しているのです。


それはあたかも、柔らかく美しい金管楽器のハーモニー、金管楽器の音のお風呂にゆったりと身を浸している

かのようです。それを人々が静かに聴いている。私にとっては、イルミネーションで飾られた街の風景と共に、

あたかも、この世に突如、天国が現れたか、というほど、美しい光景でした。


それは良いのですが、クリスマス・イブとクリスマスは、本当に街から人が居なくなります。

イブの午後から電車の本数も極端に少ない。ロンドン名物のタクシーも捕まらなくなる。

会社のイギリス人は完全にクリスマス・モードに切り替わって、職場で酒を飲んでます。

日本人だけ、ムキになって働いているのが、彼らには非常に変に見える。

これはどうしようもない。


そして、クリスマス当日というのは、イギリス人にとっては、家族が集まり、

「家で」楽しく、あるいは静かに過ごす日です。外食で済ませるという発想は無いです。

全部手作り。

警察とか消防とかには、人がいますけれども、超例外的であり、食料品店、スーパー、全部休業です。

世の中全体がクリスマスです。

だから、日本人にとっては、ちょっと寂しいのです。

キリスト教文化圏は多分どこも似たり寄ったりです。海外赴任の初心者の日本人には、

先輩が、「23日頃までに、食料品や日用品は買いそろえておくように」とアドヴァイスするべきで、

何も知らないと、ホントにシャレになりません。飢えてしまいます。


そして、クリスマスの翌日からは、もう日本人になぞらえると「正月休み明け」です。

平常モード。ところが日本人は、ここから大晦日→元旦と三が日が(勿論、その間休めない方も多いですが)

本当の休みですよね? ロンドンにいても、餅は買えるし、日本食品店にいけば、そこそこおせちを買ったり、

作ったりできるのです。紅白歌合戦も見られます。元旦は欧米でも休みですが、

断じて、日本の「お正月」ではありません。2日からは仕事です。

これは、慣れますけど、ちょっと寂しかったです。


私のように、年末年始は怠惰にゴロゴロし、初詣の人混みに行くことなど決してしない

人間ですら、そのように感じるのですから、賑やかなことがお好きな方はもっとつまらないことでしょう。

私はロンドンがとても好きですが、勝手なことを言うと、正月だけは、やはり日本人は、日本にいた方が、

落ちつきます。


◆【音楽】明日はもう少し本格的なのをやりたいと思いますが。

本格的というのは、ヘンデルのオラトリオ「メサイア」とかバッハの「クリスマス・オラトリオ」とか

まあ、そういうのから、キレイな曲を選んでと。考えているのです。

ただ、結構迷うので、明日になるか明後日になるか・・・。


今日は、毎年同じで恐縮ながら、まあ、クリスマスの定番は定番でよろしいでしょう。


長年弊日記・ブログをお読みいただいている方々は、

何だ。また、あれかい?

と、お感じになるでしょうが、有難いことに毎年、新しい読者がおられますので、

ここは一つご容赦のほど。

音源は、ナクソスのVery Best of Christmas です。

CDはお急ぎ便では買えませんが、MP3ダウンロード版のページがここにあります。1曲ずつ買えるのはiTunes Storeと同じです。

iTunes Storeでは、

The Very Best of Christmas(←クリックするとiTunesが起動します)です。


この中からいくつか。

The First Nowell。ノエルはフランス語でクリスマスのことです。



The First Nowell






次は「もろびとこぞりて」。英語だと、"Joy to the World"です。



Joy to the World







ヨーロッパで、クリスマスにいちばんよく聴くのがこれかもしれません。

メンデルスゾーン作曲の、Hark! The Herald Angels Sing



Hark! The Herald Angels Sing 作詞:Charles Wesley







これをですね。クリスマスのロンドンでは金管合奏がそこら中で演奏してますよ。実に美しい。


これは、プロですが、ジャーマンブラスが、バッハのクリスマス・オラトリオの一番最後、

第64曲を演奏してます。映像と一緒にどうぞ。


German Brass Christmas Oratorio BWV248_No 64







いいでしょ?

ちょっと遊び。ニューヨーク・フィルハーモニックの各金管の首席がニューヨークの街角で演奏してる映像を発見。

これは如何にもアメリカね。


New York Philharmonic Principal Brass Quintet play the UWS Apple Store







聖歌隊に戻ります。Very Best of Christmas のコーラスは全て

ウースター大聖堂聖歌隊(Worcester Cathedral Choir)です。こういうのが、ヨーロッパは至る所にいるわけですな。

次も御存知の筈。


O Come, All Ye Faithful






今日の最後です。なまじ説明しない方がいいですね。"Silent Night"



Silent Night(きよしこの夜)







毎年、これも同じことを書いてしまいますが、ボーイ・ソプラノの声というのは

月並みですけど、正に「天使の歌声」ですね。女声合唱とも絶対に違いますね。

ボーイソプラノでしか聴けない清らかさが、聴き手の心を優しく慰めます。

明日以降、本格的と書いてしまいましたが、まあ、あまり期待しないで下さい(笑)。

それでは。

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2011.12.23

首相が「冷温停止宣言」を発表した日の夜のNHK「時事公論」水野解説。文字になりました。

◆NHKは、必ずしも、「大本営発表」ではありません。

3日前、

【映像/音声】NHK「冷温停止宣言」野田首相記者会見中継を打ち切られた部分←ビデオニュース・ドットコム神保氏の質問に答えていない。

で書きました。

先週金曜日に、野田首相は福島原発「冷温停止宣言」をしました。

首相の発言の後、質疑応答があり、ビデオニュース・ドットコムの神保哲夫氏が、
「外に出た燃料がどのような状態になっているかは、実は誰にも分かっていない。」ということは分かっている。

にも関わらず、今ここで「冷温停止」或いは「収束宣言」をされるのは、拙速のような印象を受けるのですが、

何故、敢えて、今、ここで、「収束宣言」など---燃料がどうなっているか分からない状態で---

収束宣言をされるのか、その辺のお考えをお願いします。

と質問したのに、首相は答えず、千代田内閣広報官が「それでは次の質問」と行って誤魔化した。

その部分の映像はNHKでは放送されず、YouTubeに載っているのですが、この動画のタイトルが、
「NHK「冷温停止宣言」野田首相記者会見中継を打ち切られた部分」

になっていて、あたかもNHKが政府と結託して、首相にとって都合の悪い、ビデオニュース・ドットコムの質問の

部分を視聴者に見せないようにした、と言いたげです。言いたいこと分かります?

私はそれは、ちょっと恣意的な解釈では無いかと思うのです。何故なら、NHKはNHKで、野田首相の

「冷温停止宣言」の妥当性に関して、原子力を専門とする水野倫之(みずの のりゆき)解説委員が「宣言」当日夜の

ニュース解説番組「時事公論」に於いて、疑問を呈していたからです。そのことも私は書きました。
「野田総理、冷温停止を宣言」←「冷温停止とはほど遠い状態です。(NHK 水野解説委員)」水野解説が正しい。

これは、再放送されませんし、録画してYouTubeにアップしても、即座にNHKから削除依頼が出て消されてしまうのです。

但し、今日現在はまだみられるので(アップして下さった方がおられます)、埋め込んでおきます。



時論公論 「原発事故収束宣言 今後の課題」


話が逸れます。

確かに放送内容を、ネット上にアップすること自体を単純形式的に解釈するならば、

著作権の侵害で、純然たる「違法行為」なんですけど、

あくまでもNHKが著作権を死守することと、原発事故問題の解説を広く国民に知らしめることの意義の大きさ、

という両側面から考えて貰いたいものです。


そういっても、NHKの削除依頼で、この映像と音声を視聴できなくなるのは時間の問題でしょう。


幸い、22日(木)、時事公論のサイトに、水野解説の内容が(文字で)掲載されました。
時論公論 「原発事故収束宣言 今後の課題」2011年12月16日 (金) 水野 倫之 解説委員

次々に新しいニュース解説が入るので、このページもやがては削除されるでしょう。

ですから、記事を引用させていただきます。
NHK 時論公論 「原発事故収束宣言 今後の課題」2011年12月16日 (金) 水野 倫之 解説委員

東京電力福島第一原発の事故から9か月余り、

野田総理大臣はきょう、原発が冷温停止状態に達し、事故そのものは収束したと宣言。

原子炉の冷却が進み、放射性物質が大量に放出される恐れはなくなったと説明していますが、

現場が完全に安全になったわけではなく、収束と言えるのか。

炉内の状況はきちんと把握されず、たびたび汚染水が外部に漏れ出すなど、

不安定な要素が多く残っているのが現状。

また今後は、3基の原子炉から溶けた燃料を取り出すという、世界のどこも経験したことのない難題が。

今夜の時論公論は、事故収束宣言後の課題について水野倫之解説委員。


政府と東電は冷温停止状態の条件として、原子炉の底の温度が100度以下になることと、放射性物質の放出が大幅に抑えられることを主な条件に掲げて冷却作業。

その結果、原子炉の底はきょう現在、38°から68°と、いずれも100度を大きく下回っている。また放出される放射性物質も最大で1時間当たり 6,000万Bqで、

事故直後の1,300万分の1にまで減り、敷地境界での被ばく線量は年間で0.1mSvと1mSv以下に。

冷却システムにはバックアップのポンプや電源が備えられており、

今後余震などがあってもバックアップに切り替えることで冷却は維持できるとして、条件の達成を宣言。

確かに事故直後の危険な状態は脱出し、放射性物質が大量に放出される恐れはなくなってきているように見えるが、

原発が完全に安全になったわけではなく、事故は収束したという言い方には疑問を感じざるを得ない。

そもそも冷温停止とは、原子炉やそれを覆う格納容器、燃料が健全な原発が運転を止め、

冷却水が冷えて放射性物質の放出がなく、安全な状態を言う。


これに対して今回は3基とも原子炉や格納容器に穴があき、

放射性物質の放出もわずかながら続いており、冷温停止とはかけ離れ。

政府は冷温停止に“状態”をつけて言い換え、収束という表現も使うことで

安全をアピールしようという狙いがあると見られるが、

いまだに不安定な要素が多く残っていることに注意。

 
今、一番知りたいのは溶けた燃料や冷却水の温度。

しかし1号機では、燃料の大部分が格納容器にまで落下して、

原子炉にはほとんど残っていない可能性が高い。

この状態で、原子炉の底の温度にどれほどの意味があるか。

本来ならば格納容器の底の温度で判断すべき、ここには温度計がない。

東電は格納容器の底に20~30センチ水がたまっているとみられること、

格納容器内の温度が40°程度であることなどから燃料は冷却されているとしている。

しかし肝心の水の量については、底から30センチにある配管に水が流入してこないことを根拠。

水位計で測ったわけではなく、溶けた燃料の一部は水から露出しているかも。

また2号機では先月、核分裂が連続する臨界の再発が疑われる事態。

溶けた燃料がどういう状態にあるのか把握できていないことが改めて浮き彫り、不安を与えた。

ただ新たに取り付けられた格納容器内のガスの検出器で調べた結果、臨界が起きていないことが確認。

燃料が再び溶けたり、再臨界が起きれば放射性物質やガスが発生、

格納容器のガス検出器は異常事態の発生を知る上でかなり有効。

しかし1号機ではまだ試運転中、3号機は放射線量が高いためまだ取り付けられてない。

燃料の温度を直接測れない現状ではより多くのデータで炉内を推測しなければならず、

建屋内の除染作業を早く進め、ガス検出器の設置を急ぐ必要。

そして温度などほかのデータとともに放射性物質濃度に関する

リアルタイムのデータを、一般の人にもわかるように公開してほしい。

さらに要となる冷却システムからは今月も相次いで汚染水が漏れ出し、一部は海に流出。

システムはホースなどを使った仮設のもの。

早めにステンレス製の本来の冷却システムに近いものを設置するなど、

原発の安定と安全に向けた対策を急ぐ必要。

ただ原発を完全に安全な状態にするには、溶けた燃料を取り出さなければ。

3基の原子炉には事故当時あわせておよそ1500体の燃料が。

メルトダウンして原子炉や格納容器の底にたまっており、

廃炉に向けては世界でも初めてとなる様々な困難が予想。

さらに困難なのが溶けた燃料の取り出し。
格納容器の上から遠隔操作できるロボットアームのような器具をおろして取り出すことが考えられている。

ただ格納容器は高さが35mもあり、燃料を取り出すにはつかんだり削り取ったりする作業が必要。

参考になるのは1979年にアメリカのスリーマイル島原発で起きた炉心溶融事故。

これは当時原子炉から取り出された溶けた燃料の一部。

直径7センチほどのかたまりのうち、黒い部分の多くはウラン。

そして白く見える部分はウランを包んでいた金属のさやや制御棒などで、

全体がまじりあって岩石のように。当時はドリルを使って削って取り出された。

またこちらのように砂利のように堆積していたものもあり、掃除機のようなもので吸い出して回収。

実はこの燃料のかたまり、研究のため日本がアメリカから譲り受けたもので、

今も、茨城県の研究機関のプールで厳重に保管。当時その組成や放射能量などの調査は行われたが、

固さについてはデータがない。燃料取り出しのためにどんな器具を開発したらよいのか参考にするためにも、

この燃料をあらためて調査することを検討する必要。

しかし世界初のことも多く日本だけで対応するには限界。

政府や東電は、原子炉の解体まで40年かかり、

費用も1兆1,500億円と見積もっているが、作業が長引けば数兆円になる可能性も指摘。

実際にスリーマイルやチェルノブイリを経験したアメリカやロシアだけでなく

古い原発の解体が進むヨーロッパにはロボットなど多くの技術あり。

日本はこうした技術をうまく利用して効率よく燃料の取り出しを進めるためにも

世界に向けて協力を呼び掛け、IAEAなども巻き込んで

国際的な体制のもとで進めていくことを検討すべき。

その過程で開発された新たな技術は、今後各国での廃炉にも生かすこともできる。

そのためにも政府や東京電力は福島第一原発の現状や事故原因究明の途中経過について

世界に向けて情報を公開し、丁寧に説明して失った信頼の回復し、協力体制を築きあげていってほしい。(水野倫之 解説委員)

水野解説委員が話したことをそのまま文字にした方がいいですね。

内容は省略していないのに、無理に箇条書きのように「体言止め」をするから、

エラくぶっきらぼうな日本語になってます。


◆コメント:NHKの解説委員が政府の見解を批判する勇気。

本来、ジャーナリズムは国家権力に迎合するのではなく、これを監視し、

一般大衆に正しく考えるヒントを道しるべを与えること。

勿論、その前提として、自ら取材し、「本当は何が起きているのか?」を

確認して報道することが使命ですが、

実際の世の中は理想通りにならず、NHKなどは政治家や役人も見てるでしょうから、

水野解説委員は、淡々と解説していますが、こういうことをはっきりと述べるには、

この番組制作に携わった全ての人が肚を据えなければなりません。


NHKがそれでも敢えてこの放送をしたのは、評価されるべきだと思います。

なお、水野解説委員や他の解説委員が、放送では言えないような、厳しい意見を

述べているのが、緊急解説! 福島第一原発事故と放射線 水野 倫之, 山崎 淑行, 藤原 淳登

です。5月に出た本ですから、今は又随分と状況は変わっていますけれども、

「この事故は防げなかったのか」水野解説と山崎解説が対談している部分は

今でも、参考になります。

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2011.12.22

【音楽・映像】2005年のN響「第九」終楽章。アシュケナージ指揮、ソプラノが森麻季さんです。

◆今年も残すところ旬日余となりまして。

年末というと、別にクラシック音楽など関心がない方も御存知の通り、

ベートーヴェン作曲、交響曲第九番 ニ短調「合唱付き」作品125を

日本の全てのオーケストラが演奏します。

私も以前は、随分何度も聴きましたが、多少クラシックに詳しくなり、

生意気盛りの年頃になりますと、年末の「第九」だけを聴く人がいる、

とか何とか言って、自分はそういう「ド素人」とは違うんだい、

一緒に聴けるか、という気取りが出て参ります。


しかし、それから更に数十年の時を経ると、やはり、これは

特別な作品だと思います。これだけが、音楽史上最高傑作ということではないけれど、

何度も聴いて殆ど、覚えているのに、そして演奏者がどうあれ(少々ヘタクソでも)

感動します。作品そのものの力があまりにも偉大なのでしょう。


第九は、歌のソリストたちとコーラスが加わる第四楽章だけではなく、

本当はやはり第一楽章から第三楽章を聴いた後に第四楽章を聴くものだと

思いますが、あまり五月蠅いことは言わずに、第四楽章を聴きましょう。


◆2005年のN響。アシュケナージ指揮、ソプラノ・ソロ、森麻季さん。コーラス、二期会です。

今まで何十年にもわたって、色々な指揮者がN響の「第九」を振ってます。

これは6年前。まだアシュケナージが音楽監督の時ですが、

ちょっと珍しい部類です。


ご承知のとおり第四楽章では、歌のソリスト(ソプラノ、アルト、テナー、バリトン)と

コーラスが演奏に加わります。

この年は、アルト、テナー、バリトンは、外人さんで、ソプラノだけ天下の森麻季さんです

(4人とも日本人、ということの方が多いです)。



また、N響の「第九」のコーラスは、たいてい、国立(くにたち)音大なのですが、

この年は二期会。つまりプロです。音大とて、声楽専攻の学生ですから、

上手いのですが、やはりプロは違います。バランスが絶妙なのです。


Beethoven - Vladimir Ashkenazy - Symphony No.9 Mvt.4 (1/3)







Beethoven - Vladimir Ashkenazy - Symphony No.9 Mvt.4 (2/3)







Beethoven - Vladimir Ashkenazy - Symphony No.9 Mvt.4 (3/3)







この楽章でいつも聴いていて気になるのは、コーラスもソリストも音域が高すぎるのですね。ちょっと。

御存知のとおり、ベートーヴェン先生は聴覚に障害があり、それは、交響曲第1番を作曲したころから、

症状が出始めていて、第九の頃は殆どきこえなかった、と。しかし、ベートーヴェンに限らず、作曲家というのは、

いちいちピアノで音を確かめながら書くのではなくて、生来抜群に良い音感を持っているひとたちなので、

頭の中で本当の演奏と同じように音を鳴らせるのですが、それにしても、全然きこえない状態がかなり続くと、

影響があるのでしょう。


スコアをよく見ると、ハッとするのですが、この「交響曲第九番」、第一楽章、第二楽章、そしてこの第四楽章の終わりは、

総休止(すべてのパートが休符)になっていまして、しかもその休符にフェルマータついてます。


慣習的に出来上がっちゃってますからいいのですが、第九って大抵、最後の音が鳴った瞬間に「ブラボー」が飛びますが

ベートーヴェン先生は、最後の音の後に静寂があり、それを含めて「音楽」だったのでしょうね。

今度はもう少し自分でまともな音源を探してきます。

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2011.12.21

人間は、やはり「横になって」寝るのが大事ですね。

◆一昨日、昨日とブログ更新中に寝てしまいまして・・・。

今年は日記・ブログ更新をサボる日が多かったので、

年末までは何とか、毎日更新、などと考えていたのです。

ところが、風呂上がりに記事を書いておりますと、あっと言う間に猛烈な

睡魔に襲われ、日曜日の夜も、昨夜も、書いている途中でパソコン前の椅子の上で

座ったまま寝てしまい、目が覚めると4時とか5時。そこから更新を済ませて、

それからベッドで「ちゃんと」眠った時間は2時間あるか無いかなのです。

そうしますと、椅子の上で3~4時間寝てますから、単純に睡眠時間の合計は

6時間弱で、それは私にとって、極端な寝不足ではないのですが、

今日になって疲れてきました。


やはり、人間は眠れば良いというものではなく、横になって寝ることが

大事なようです。

今日も時事問題を取りあげるつもりでしたが、また、先ほど眠りかけました。

部屋は暖かいので風邪はひきませんが、どうも昼間に眠くなるのです。

本当に身体が休んでいないのでしょう。

と言うわけで、今日は、これはインチキ更新ですね。

本来の時事問題を取りあげられない理由を書いて、

形式上は空白を作らない、ということです。

恐縮乍ら、今夜はこれにて休みます。

申し訳ありません。

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2011.12.20

「北朝鮮情報、収集の限界露呈=死去から2日、発表で把握―日本政府」←そうかな?

◆記事:北朝鮮情報、収集の限界露呈=死去から2日、発表で把握―日本政府(時事通信 12月19日(月)20時43分配信)

日本政府が金正日北朝鮮総書記死去を知ったのは、

北朝鮮当局が公表した19日正午からの国営テレビの特別放送でだった。

2日間以上、金総書記死去という重大事実を把握できていなかったことになり、

北朝鮮に関する情報収集の限界を露呈した。

同放送によると、金総書記が死去したのは17日午前8時半。

藤村修官房長官は19日午後の記者会見で、

政府が死去をどう確認したかを問われ、「あくまで北朝鮮による放送だった」と明かした。


◆コメント:日本だけですか?

国家間のインテリジェンス(諜報)の世界って、それほど単純ですかね。


いくつかの段階に分けて考えることが出来ます。


1.2日間の空白が本当だとしても、それは日本だけだろうか。

ジェームズ・ボンド、007で有名な英国の諜報機関MI5やアメリカのCIAとて、

果たして、金正日の死去を2日前から知っていたと証明する手立ては無い。

北朝鮮にとって、絶対権力者で外交が上手い(国力が弱い国は駆け引きが上手いのです)

金正日の死去は、最大レベルの極秘事項であろうから、死去を真っ先に知ったのは、

ものすごく猜疑心の強い金正日が信用し、常に傍にいた人間でしょう。

死去と同時にそれを知るには、そういう奴をこちら側のスパイとして取り込んでいないと

無理(他国では例があるのです。先に書いた英国諜報員の最高幹部が何十年も旧ソ連のスパイだったとか)。


2.仮に知っていたとしても、今日初めて知ったというのが常識。

仮に奇跡的に北朝鮮にスパイを飼っていて、金正日が死んだ時の様子を知っていた、

としても、マスコミにそんなことを話すわけがないでしょう。

それをやったら、北朝鮮はスパイは誰だ!と激怒して見つけ出すでしょう。

そしたら、その大事な情報源(スパイ)は殺されますよ。

だから、仮に、あくまでも仮にですよ。2日前に事実を知っていたとしても、

今日初めて聴いて驚いたフリをする。それぐらいの芝居が出来なくてどうする?

また、日本が知らなくて、アメリカや他国が情報を掴んだとしたら、軍部がクーデターを

起こすとか、後継者が示威行動として、ミサイル発射とか、やりかねない。

まさかとは思うけど、在日米軍基地か、その直ぐ近くに落下するようなミサイルを撃つ気配を

アメリカが放っておく訳が無い。必ず日本政府には言うでしょう。


3.結論

金正日の死去、という事実をただちに把握するのは、極めて困難であり、

仮に何らかの手段により、それを知り得ても、手の内は全て見せないのが定石である。

ということです。


◆しかし、何らかの情報はあったような気がします。

今となって書くのは、後付けで狡いのですが、先日ちょっと気になる記事を読みました。

新聞・通信社がこぞって報じていた↓です。

◆記事:北朝鮮看板アナ、50日以上姿見せず 10月19日以後(朝日新聞)(2011年12月15日17時25分)

北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の動静を力強い口調で語る朝鮮中央テレビの看板アナウンサー、リ・チュンヒさんが10月19日の番組でニュースを伝えたのを最後に姿を見せてない。ラヂオプレスが伝えた。50日以上に及ぶ不在は異例だ。

リさんは1943年生まれで、アナウンサーとしては最高の地位を表す「人民放送員」の称号を持つ。他の女性アナウンサーと違って、いつも民族衣装のチマ・チョゴリで登場。北朝鮮で最も重要なニュースとされる金総書記の動静を主に伝えていた。

リさんと面会したことがある北朝鮮関係筋によると、リさんは映画演劇大学の出身。元々は放送作家の志望だったが、アナウンサーとして配置されて成功した。普段は物静かな口調だが、金総書記の動静については「一番重要なニュースだから、格調高く伝えるよう心がけている」と語っていたという。

これを読んだとき、なんとなく「もしや?」という気がしたのです。

北朝鮮の発表によれば、金正日は17日に死去、ということですが、実は

それよりも前に亡くなっていたか、或いは北朝鮮の発表どおりの「急死」ではなく、

しばらくの期間、病床にいた可能性があります。

と、思ったのですが、繰り返しますが、その時に書かないとダメですね。

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2011.12.19

【映像/音声】NHK「冷温停止宣言」野田首相記者会見中継を打ち切られた部分←ビデオニュース・ドットコム神保氏の質問に答えていない。

◆野田首相が金曜日に冷温停止宣言を発表したときの映像。

これは、NHKテレビで放映されたが、実は、NHKが放映しなかったけれども、

ビデオニュース・ドットコムの神保哲夫氏が、問題の核心を突いた質問をぶつけているが、

野田総理の答弁は通り一遍のもので、重ねて質問しようとしたら、

内閣官房の役人に遮られた。その様子がはっきり記録されている。


NHK「冷温停止宣言」野田首相記者会見中継を打ち切られた部分





ひどいものである。


◆職場でYouTubeを見られない方が多いでしょうから、文字起こしします。

前段でアップした、NHKが放映しなかった(私自身はそれはみてないのですが)

という、ビデオニュース・ドットコム、神保哲夫氏の質問と、野田首相の答弁を、

文字に起こします。
千代田内閣広報官:それでは次の方。えーとそれでは神保さんどうぞ。

神保:ビデオ・ニュースの神保です。総理、春に作成したロードマップの定義に則って、このたび「冷温停止状態」を宣言される、ということですが、春の段階ではですね。まだ東京電力も統合本部も原子炉がメルトダウン及びメルトスルーをしているということは、認めておりませんでした。つまり、この段階では、圧力容器の中に核燃料が入っているということを前提としていた定義が、そこでいう「冷温停止」だった訳ですね。その後、メルトダウンが起きてメルトスルーが起きていると言うことまで認めていて、今現在圧力容器の中には、核燃料が殆ど入っていない、或いは全く入っていない可能性すら言われているときに、圧力容器の底部の温度が100℃以下になったので「冷温停止」、と言う定義は、非常に違和感を持つ方も多いと思うのですが、それは総理、どう考えているか。あるいは、「外に出た燃料がどのような状態になっているかは、実は誰にも分かっていない。」ということは分かっている。にも関わらず、今ここで「冷温停止」或いは「収束宣言」をされるのは、拙速のような印象を受けるのですが、何故、敢えて、今、ここで、「収束宣言」など---燃料がどうなっているか分からない状態で---収束宣言をされるのか、その辺のお考えをお願いします。

野田首相:あのー、圧力容器の底部の温度だけではなくて、格納容器全体の温度も、それぞれ色んな場所、測りながら出している結論で、圧力容器底部も勿論でありますけれども、格納容器全体も冷温状態になっている、100℃以下になっている、しかもそれが「安定的」である、ということを確認したことが、今回の「ステップ2」になってて、別に圧力容器の底部だけの話では、もともとロードマップにも書いてもございませんで、あの、格納容器の全体の話も含めて、そういう判断をした、ということでございます。

千代田内閣広報官:(注:間髪を入れず)次の方どうぞ。

神保:(注:重ねて質問しかけるが聴きとれない)。

千代田内閣広報官:次の方どうぞ。次の方どうぞ。じゃムラオさんどうぞ。

神保他:燃料棒、答えてないでしょ?

千代田内閣広報官:済みません、円滑な進捗にご協力願えますか? それではムラオさんどうぞ。

神保:(注:微かにしか聞こえない)燃料棒答えてない・・・

ムラオ:読売新聞のムラオと申します。

◆コメント:マスコミ同士揉めている場合ではない。

この映像をYouTubeの映像をアップした方は、

NHK「冷温停止宣言」野田首相記者会見中継を打ち切られた部分

というタイトルをつけている。NHKが真実の隠蔽に協力したような、印象を受けるが、

それは、違っている。前回の記事
「野田総理、冷温停止を宣言」←「冷温停止とはほど遠い状態です。(NHK 水野解説委員)」水野解説が正しい。

に書いたとおり、NHKの水野解説委員は、「冷温停止宣言」の日の夜に、

「時事公論」というニュース解説番組で、「冷温停止ではない」と

その理由も含め丁寧に説明して結論を述べている。

NHKがビデオニュース・ドットコムの質問が始まった瞬間に

スタジオに画面を切り替えていること自体は、どうでも良い、といいたいが、

要するに記者クラブの会員であるとか、ない、とかが問題になるらしい。

TwitterでフリーランスのジャーナリストのTweetを読んでいると、ニュースそのものよりも、

記者クラブの正会員である「大マスコミ」、つまり全国紙やテレビ各局の横暴さに腹が立てていることが

分かる。

政治家が、国難に乗じて政局争いに明け暮れるのは問題外だが、マスコミもこの際、

下らない「メンツ」や「スクープ合戦」の意識は捨て去り、

こと震災や福島原発関係の記事に関してはお互い、自由に引用していい、

但し、ネタ元は明示するとかなんとかできないだろうか。

つまり、日本のマスコミは「ロイターによりますと」とか「アメリカのCNNによりますと」というのは、

本当は自分で取材出来ないことを白状しているのであって、恥ずかしいことなのだが、平気でやっている。

ならばいっそのこと、国内のメディア同士、例えばNHKが「ビデオニュース・ドットコムによりますと」とか

その逆があってもいいではないか。ブンヤ(「しんぶんや」の略。新聞社のこと。転じてマスコミの総称)

のメンツや縄張り争いよりも、多くのメディアがお互いの情報を共有することによって、重要な情報が

より早く、広範に知られる可能性が高まるのであって、それが本来彼らの使命である。

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2011.12.17

「野田総理、冷温停止を宣言」←「冷温停止とはほど遠い状態です。(NHK 水野解説委員)」水野解説が正しい。

◆記事:ステップ2の冷温停止状態を宣言(NHK 12月16日 17時0分)

野田総理大臣は、政府の原子力災害対策本部であいさつし、東京電力福島第一原子力発電所の事故について、

「原子炉は『冷温停止状態』に達した」と述べ、

事故の収束に向けた工程表の「ステップ2」を完了したことを宣言しました。

(以下、省略。全文は、ウェブキャッシュ保存サービス参照。


◆コメント:内閣総理大臣が見え透いたウソをついてはいけない。

NHKの記事は、更に続くのだが、最初の段落で引用を終わりにしたのは、

これ以上は、意味が無いからである。

意味が無い、とは、「冷温停止状態」になる訳がないからである。

野田首相の言っていることは、ウソだ。野田首相とて、本気で福島原発事故が

収束した、と考えるほどのノータリンとは思えない。

何がウソかというと、小出裕章京都大学原子炉実験所助教の著書や発言、

NHK 水野倫之解説委員(NHKでただ一人の、原子力を専門とする解説委員)の解説を

今まで注意深く聴いて来た方々に、多くを語る必要はないであろう。

二人とも知らない、という方も拙日記・ブログの約2週間前の記事をお読み頂くと、

直ぐに、分かる。

2011.12.01 「溶融燃料、コンクリ床浸食=格納容器内で最大65センチ―東電が推定公表・福島第1」←だから、ウソをつくなよ。

小出助教とNHK水野解説委員は、お互いに面識があるかどうか知らないが、

今の福島第一原発、少なくとも1号機のように、圧力容器が破損している状況で、

「冷温停止」もへったくれもない、という結論が完全に一致している。


小出助教は1970年から40年間、反原発を専門家の立場から訴え続けていたのに対して、

水野解説委員は、原発の可否については、公共放送の解説委員という立場があるから、

少なくともNHKで話すときは中立の立場である(あらざるを得ない)。


この立場の違う専門家が、今の福島第一に於いて冷温停止など、あり得ないのだ、

という同じ結論に達していることに着目するべきである。

水野解説委員は、野田首相が「冷温停止宣言」を発表した16日(金)23時50分から

10分間のニュース解説番組、「時事公論」に於いて、現在の福島原発は、
冷温停止とは、ほど遠い状態です。

と、はっきり言った。時事公論における発言は約1週間後に、

時論公論 | 解説委員室ブログに掲載されるだろう。

それを待たずとも、NHK科学文化部のブログ、NHK「かぶん」ブログには、

多分水野解説委員が書いたと思われる記事が既に載っている。
2011年12月16日 (金) 注水続く・・・圧力容器の温度は(福島第一原発1~3号機)

福島第一原発の事故について、政府はきょう12月16日、「原子炉が冷温停止状態になった」と発表しました。

しかし、メルトダウンが起きた1~3号機で核燃料を水で冷やす作業が続いていることに変わりはありません。

東京電力の解析(MAAP解析)では、1号機は、最悪の場合、燃料のすべてが溶け落ち、

相当の量が原子炉圧力容器を突き破って格納容器に落下したと推定しています。

また、2号機・3号機でも、最悪の場合、それぞれ57%と63%の燃料が溶け落ち、

その一部が格納容器に落下したとしています。格納容器に落下した燃料付近の温度は測定できていません。

確かにこれなら、素人にもわかる。本当に「冷温停止」なら、何故、今でも核燃料に水をかけて

冷やさなければならないのか、つじつまが合わない。

小出裕章京都大学原子炉実験所助教は、半年以上も前から、福島1号機は圧力容器が破損しただけではなくて、

圧力容器の外側の格納容器の底も穴が開いているのではないか、と言っていた。それは、
ビデオニュース・ドットコム インタビューズ (2011年05月19日) 核燃料露出の1号機は既に人類未体験ゾーンへ

が会員以外の人も無料で聞ける。その主な部分を私が文字起こししたものが、
2011.12.01 「溶融燃料、コンクリ床浸食=格納容器内で最大65センチ―東電が推定公表・福島第1」←だから、ウソをつくなよ。

にあるが、「冷温停止」に関わる部分は、次の通りである。
「冷温停止」というのはですね、原子炉圧力容器がまだ、そこに形として存在してですね、

そこに入口側と出口側の配管があって、冷却水をぐるぐる回せて、原子炉の炉心を100℃以下にすると、

いうのが「冷温停止」という概念なわけですけれども、実はもう原子炉圧力容器というものが、

底が抜けてしまっているわけで、核燃料そのものもそこにあるかどうか分からない、という状況になっていますので、

もう「冷温停止」なんていうそんな言葉を使えるような状況では既に無くなっているのです。

これは、4月17日に政府が「ロードマップ」(工程表)を発表し、

とにかく「冷温停止」を目標に設定した(だから、首相はそのロードマップ通りに、ことが進んでいることを

強調せねばならず、今日の「冷温停止宣言」になったのである)ことを指して、

最初から「ロードマップ」の無意味さを批判していたのである。


政府は、メルトダウンした核燃料の熱(約2,800℃に達する)で圧力容器の底には穴が開いたが、

格納容器の底にはコンクリートがあって、辛うじてその部分を熱で溶かしてはいるものの、

なんとか留まっている、と主張するが、それならば、壊れた圧力容器の上から注水し、

核燃料を冷やし、汚染した水が格納容器のさらに外側の原子炉建屋の地下に何千トンも

溜まっている、という状況が説明出来ない。

格納容器も溶かして底に穴が開いているからこそ、どんどん下に漏れているのだろう、

と考えるのが自然だ。


悪い事実こそ、全て真実を発表するべきだ。

本当は、放射能が強すぎて近づくことができないから、格納容器の底に核燃料が残っていると

政府の主張どおりだとしても、その温度を測ることができない。

圧力容器の温度計が100℃以下になっているのは、核燃料がメルトダウンして、

圧力容器にはないのだから、当たり前で、圧力容器内の温度が下がったから冷温停止だ、

というのは、全く何も意味を為さない。


福島第一原発事故が起きた後、小出助教の著書が何冊も出て、

今や一般国民は、以前より遙かに、知識を身につけているのだから、

首相の「冷温停止宣言」を文字通りに信じる人はいない。

国政の最高責任者は、状況が悪いならば、はっきり「悪い」ことを国民に説明するべきだ。

本当はどうなっているのか分からないならば、分からない、とそのまま発表すればいいのだ。

小手先のウソで国民で安心すると、本気で思っているのだとすれば、日本政府は、

随分と国民を見くびっている。一旦ウソをつくと、必ず後でつじつまが合わないことが起きるので

それを誤魔化すためにされにウソの上塗りを重ねることになる。


茶番は、終わりにして頂きたい。

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2011.12.15

「復興デパートメントプロジェクトがスタート……東北の物産をEコマースで全国へ」←大地震があったこと、覚えてます?

◆記事:復興デパートメントプロジェクトがスタート……東北の物産をEコマースで全国へ(RBB TODAY 12月14日(水)20時52分配信)

東日本大震災で被害を受けた東北地域の物販を支援するため、「復興デパートメント」プロジェクトが14日、スタートした。

復興デパートメントをスタートさせるにあたり、ヤフーやソフトバンク、インテリジェンスなどの

参加企業の代表が銀座TSビルにおいて記者発表会を開いた。

発表会には、ヤフーCOO喜多埜裕明氏や「ふんばろう東日本支援プロジェクト」代表の西條剛央氏、

ソフトバンクモバイルの池田昌人氏や参加する店舗の代表者らがプロジェクトの概要や期待を述べた。

事務局長を務めるヤフーの喜多埜氏は、「我々がお金以外の別の形で支援できることを考え、

この復興デパートメントプロジェクトを立ち上げた。被災地の方が自分の力で売っていけるように

みんなでお手伝いしていきたい。インターネットのショップ運営を通じ、東北の雇用を生み出していきたい」

と述べ、Eコマースの人材を創出することで、長期的に復興支援が出来る環境を作っていくとした。

若松米味噌醤油店の若松真哉氏は、「被災地には頑張ろうと思っても頑張れない人たちがたくさんいます。

その人たちの背中をプッシュしたいという想いで参加した」と述べ、

自ら行動することで自立した復興を後押ししたい考えを語った。

また、西條氏は「この復興デパートは、現地にとって希望の星である。

被災地はすべてが流されてしまってお金がないので、被災地の中でモノを売ろうとしても

安くなってしまいお金が回らなくなる。被災地の外でモノが売れる場があることはとても大きなこと」とし、

糸井重里氏の言葉を引用し「義足のように、立ち上がることをサポートしてくれる。

現地の企業が最も望んでいる支援のありかた」と述べた。

本プロジェクトは、ヤフー上にショップを立ち上げ、東北に支部を設置し、

ITとインターネットを活用した物販支援を行うもの。

出店料、ロイヤリティ共に当初は無料。

今後、復興支援プランとして出店料は無料、

売上の3%をロイヤリティとして支払うプランを用意する。

現在は、5支部(岩手県、南三陸、石巻、南相馬、会津若松)が生産者の取りまとめ、

販売代行やストアの構築・運営などをサポートし、今後も支部の数は増やしていく。

今回はスピードを重視し東北3県(岩手、宮城、福島)のみだが、茨城県なども対象とする予定。

プロジェクトでは、ECストア運営の基礎教育が受けられる育成機関や人材派遣機関を構築するとともに、

実地研修を行い、全くノウハウがない企業でも売れる体制を整える。

教育に掛かる費用は当面無料で、今後、

出店企業側が過度な負担にならない程度に費用負担をお願いするとしている。


◆コメント:地震のことを忘れようとしていませんか。

引用した記事は、被災地の商品があまりに売れないのでナントカしようという話だ。

福島原発事故が起きたこと。日本に54基もの原子炉が建っているのは、その間、

それを看過した、全ての有権者にも究極的な責任がある。

福島原発で最も取り返しの付かないことになってしまったのは、いうまでもなく

福島県だが、福島をそのような状況に陥れた責任は、日本のエネルギー政策を容認

というか、何も考えて来なかった全ての有権者にある。


そんなことは、少し考えれば分かる筈だが、人間は勝手な生き物で、

自分さえ、少しでも安全なら、福島がどうなろうが、知ったことではない、

というのが「本音」である日本人が多いに違いない。


私は東京に住んでいるが、職場の人々や、街をノーテンキな顔で歩く老若男女を見ると、

皆、地震のことを忘れている(又は、忘れたふりをしている。又は、忘れようとしている)な。

と感じる。根拠はなく私の直感である。

東京ですら、この有り様だから、関西以西など、もっと無関心に違いない。

今なお、被災地では「行方不明者」がいる。

地震や津波で全てを失った人。津波で、自分以外、両親も兄弟も皆亡くなり、

一瞬にして、天涯孤独になってしまった子供は大勢いて、今この瞬間も

将来、一体自分はどうなるのであろう、と考えているに違いない。


被災地以外の人間とて、日常を営まなければならないから、24時間、毎日

地震や被災者に思いを馳せろ、とは言わないが、今は、忘れすぎである。


原発の処理の困難さや、被災者のことなどを考えるのは、確かに辛いが

それでも、考えなければならないのである。


冒頭の記事で紹介されている、復興デパートメントなど出来る前から

私は福島県のお米屋さんに直接電話して、福島県産の米を買って、食べ続けている。

復興デパートも、記事を読んだ直後、南相馬の栄泉堂さんの九曜まんじゅう(9個入り)

ネットで買った。無論、どうするかは、個人の自由意思に基づいて決めることである。

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2011.12.14

【BBC】「日本の驚くべき『弁当』」←余程、驚いたようです。

◆記事:Close-up: Japan's amazing lunchboxes(BBC 11 December 2011 Last updated at 01:08 GMT)

http://www.bbc.co.uk/news/magazine-16069217
学校へ行く子供が持って行く昼食をパックしてやる、という風景は世界共通です。

しかし、ここ日本で独特なのは、味や栄養のみならず、見た目にもこだわる、ということです。

この国では、古来、食べ物の盛りつけを非常に重んじるが、それは、こどもの「キャラクター弁当」

にも反映されています。弁当がパンダやテディ・ベア、ときには、人の顔そっくりに盛られているのです。

東京特派員が詳しくレポートします。

動画を含むページ


◆コメント:食べ物に対する繊細さ、では日本は多分、世界一だろうと思います。

この記事を元に、gooニュースの記事が書かれています。長いので、ウェブキャッシュを保存しました。

(cache) 英BBCが「日本のすごいお弁当」に注目 少しずつ戻ってきた平常モード(gooニュース・JAPANなニュース) - goo ニュース(1/2)

(cache) 英BBCが「日本のすごいお弁当」に注目 少しずつ戻ってきた平常モード(gooニュース・JAPANなニュース) - goo ニュース(2/2)

震災と関係無いニュースをBBCが流すようになったのだなあ、というのは、このgooニュースの記事をお書きになった、

加藤祐子さんという方の切り口で、まあ、それはともかくですね。BBCが驚くのも無理はないのです。

この記事からリンクされている写真がいつまで見られるかわからないので、いくつかを直接貼っておきます。

一つは、
イギリスで子育て中のイギリス人友人に確認したところ、この写真のあたりが、イギリスで子供に持たせる平均的な「packed lunch」ではないかと。

と言う部分。これですね。

Packedlunchbox604_0

これはですね。全然、平均的では無いと思います。

こんな、「弁当らしい弁当」は、まず、あり得ません。

これは、弁当らしい感じがしますが、実際は、もっとすごかったです。

BBCは日本の弁当に感心してくれているのに、悪いのですけど、実際に私がロンドン駐在時に見たのは、

チョコレート・バー(スニッカーズの類)と、生のニンジン(細くて小さいのがあるのです)とか、

ポテト・チップ(イギリスでは、ポテト・クリスプス=potato crispsといいます。イギリスでチップスというと、

フィッシュ・アンド・チップスというように日本で言う所の「フライド・ポテト」になります)一袋だけ、とか

むしろ、親が子供の弁当を「作る」という感覚がないです。

これは、イギリスは実質的に階級社会ですが、あまり階級とは関係が無いと思います。

多分、バッキンガム宮殿の中でも普段は、マッシュポテトとソーセージとベークド・ポテト(でっかいジャガイモを

二つ割りにして、焼いてバターを乗せたり、せいぜいチーズを乗せたりしたもの)などを

一年中、食べている。

一般の大人も質素というか、およそ食べ物への関心が日本人の目から見ると無きに等しいのです。

一生独身、という人がけっこう多いのですが、そうなると朝・昼・晩、全部シリアル(コーン・フレークですね)

という、ちょっと日本人からすると、「えっ!」という食生活、食文化です。


仮に、皆さんの家に日本通ではない、普通のイギリス人が来る、ということになったとしても

食事に関しては全く心配要りません。日本でごく普通のもの。子供がすきなもので上等です。

つまり、カレーライス、ハンバーグ、コロッケ、シューマイ、ギョーザ、とか。冷凍やレトルトでも十分。

カレーライスをカツカレーにしたら、多分、三日ぐらい続けてだしても喜ぶと思います。


別に馬鹿にしているのではなく、私、この目で見ましたから。

カツカレーなんて、私がを食べるのを見て(日本人夫婦でやっている店があるのです)、

彼らにとっては、かなり勿体ない金額(といっても5ポンドかな?)なんですが、試したら、

殆ど、「随喜の涙」をこぼしてました。


政治家がよく「国際貢献」と称して憲法違反が疑わしい自衛隊派遣をしますけども、私は、あんなのより、

日本人の食べているものを世界に広めたら、世界の日本に対する印象が変わると思います。

印象どころか、完全に「日本ファン」になる人が続出すると思います。

たまたま、日本に来たドイツ人の学者だったかエンジニアだったか、

「ラーメン」を食べたら、完全にハマり、ラーメン屋で修業して、ドイツに帰り、

本格的な「日本のラーメン屋」をドイツ人相手に開いた、という話も見ました。

日本のラーメン屋のオジサンみたいにタオルで鉢巻きしてですね。あの独特の手網で

麺を茹でた後、お湯を切る動作とか、真剣そのものでした。


アメリカ人も同じですね。トム・クルーズなど、ラーメンを食べたいが為にしょっちゅうお忍びで

日本に来ていたけど、もう我慢できなくて遂に専属ラーメン屋さんを雇ったり。


そのようにして、本来の日本食じゃなくてよいので、とりあえず広めておいて、

少しなれてきたら、松坂牛のステーキとか食わせてご覧なさい。

もう、日本でしか食べられないもの無しでは、生きていけない

という人々が世界中に続出すると思います(これは真面目な話です)。

すると、日本を攻撃して、壊滅させたら、何も食べられませんから、絶対に攻撃できなくなります。

武器など使わずに、頭を使えば、日本の安全保障に貢献します。

美味しいものを食べて、世界は喜ぶ。日本は安泰。めでたしめでたし、となるのですが。

どうして、誰も本気で主張しないのかな・・・。

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2011.12.13

3日続けて「大阪フィルハーモニー交響楽団」←大阪の人、どうでもいいの?

◆「大阪クラシック」を教えて下さった方のコメント。

昨日、大フィルの「大阪クラシック」を教えて下さった、

弊ブログ読者のお一人、take-5さんから、コメント引用のお許しを得たので、

まず、ご紹介させて頂く。

これは、

<大阪フィルハーモニー>橋下氏「補助金見直し」に危機感←大フィルは大阪だけのものではない。/ドヴォルザーク「コントラバス協奏曲」: JIROの独断的日記ココログ版

に、寄せられたコメントである。

お久しぶりです。以前大阪に住んでいたので、こうしたニュースには敏感です。

シンプルな考え方として、引用記事文中の「60年間の経営の累積赤字が6400万円」という数字が果たして本当に「悪い数字」と言えるか、甚だ疑問です。

もっと短期で、もっと高額の赤字を計上し、赤字をカバーするに相応しい社会的役割も果たしていない公共事業が山ほどあると思います。

大フィルはむしろ、「健闘している」と評価すべきかと。

そして、補助金に胡座をかいてのうのうと活動しているオーケストラでも決してないと思います。

具体例として、大フィルは毎年9月初旬に「大阪クラシック」というイベントを行っています。

「コンサート・ホールに普段行けない人達に音楽を」という趣旨で、一週間かけて飲食店・企業のロビー・駅・弁護士会館・市役所などで計60公演以上のコンサートを行うのです。

この間の出演者は指揮者も含めて全てボランティア。

入場料も、無料か500円程度の公演が殆どとなっています。

赤ちゃんから高齢者の方々までが同じ空間で、大フィル団員によるベートーベンやラヴェルやバルトークの弦楽四重奏に聴き入るという光景が随所に見られます。

初年度(2006年)の最終公演は、大阪市役所の玄関ホールでチャイコフスキーの「交響曲第四番」全曲が演奏されたのですが、隣にいた高校生の男の子二人組は感動の涙を流していました。

オーケストラは単なる私企業ではないことは明らかで、大フィルの団員もそのことを自覚して、プロの演奏家として日々奮闘しています。

橋下市長のもとでも、また市役所の玄関ホールに交響曲が鳴り響く日が来ることを信じたいです。

take-5 | 2011.12.11 08:51

全く同感である。

しかし、大阪クラシックを聞ける大阪の人々は、これがどれほど有難いことか、

分かっているのだろうか?

地方にお住まいの方から、よく、
東京には、オーケストラが沢山あるし、外来公演も多い。室内楽や、リサイタルなども数え切れない。良いですね。

と言われるが、実はそう簡単では無い。オーケストラ・コンサートの会場となるホールは、随分増えたが、

私の個人的な話をすると、どれもこれも、「よくぞ、これほど行き難い所にばかり、建ててくれました」という場所にあるし、

まして、18時半開場、19時開演に間に合わせるのは、平日は不可能であることが多い。

take-5さんのコメントから抜萃させて頂くが、
「コンサート・ホールに普段行けない人達に音楽を」という趣旨で、一週間かけて飲食店・企業のロビー・駅・弁護士会館・市役所などで計60公演以上のコンサートを行うのです。

これは、正直、心底羨ましい。東京には、日本オーケストラ連盟の正会員が8団体、準会員が2団体あるが、

「大阪クラシック」に相当する催しは、存在しない。

東京は恵まれているように見えるだろうが、コンサート、リサイタルは無数に行われているにも関わらず

行けない、というのは、却って辛いものだ。


大阪の人々はオーケストラが自分達の所に来てくれるという。

どれほど恵まれているか、多分分かっていないのではないか、と思う。


◆「星空コンサート」

「大阪クラシック」だけでも羨ましいが、take-5さんのお話では、

「星空コンサート」という屋外コンサートがあるという。

大フィルのボランティア活動としてもう一つ挙げるべきは、毎年4月下旬に行う「星空コンサート」ですかね。

大阪府を代表するオーケストラが、大阪府を代表する文化財の前(大阪城公園)で、オーケストラの音楽監督の指揮で野外コンサートをする、という企画です。

天候にもよりますが毎年、一万人近くの聴衆を動員しています。

東京で言えば、東京都交響楽団がエリアフ・インバルの指揮で代々木公園で野外コンサートをするようなものでしょうか。

これは、ベルリン・フィルのヴァルトビューネによく似ている。

日本でこのようなことが行われているのを、私は知らなかった。

メディアが取りあげたのを見たことがない(東京で、少なくとも私は)。kg
映像があった。2つほど貼ろう。

神崎悠実さんのソロで、チゴイネル・ワイゼン。



大阪フィル星空コンサート2006 9-5







見事ですね。


もう一つ、そもそも「星空コンサート」を提案した音楽監督、大植英次氏のコメントと

後半は、バーンスタイン、「キャンディード」序曲。


大阪フィル星空コンサート2006 9-1







人間、勝手なもので、有難いことでも、毎年普通に行われていると、その有り難さが

分からなくなるのだろう。

星空コンサートを楽しんだ聴衆は1万人だそうだ。今までの延べ人数は

大変な数だろうに、大阪府知事や大阪市長が大フィルへの補助金をカットしたり、

減らしても誰も何も言わなかったのであろうか。

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2011.12.12

大阪フィルハーモニー交響楽団は、毎年9月に無料のコンサート「大阪クラシック」を続けている。

◆昨日の記事を読み、教えて下さった方がおられました。

昨日、

<大阪フィルハーモニー>橋下氏「補助金見直し」に危機感←大フィルは大阪だけのものではない。/ドヴォルザーク「コントラバス協奏曲」

を書きましたが、読者の方が教えて下さいました。

そこで、私は、自分で調べましたが、大フィルはものすごく立派な活動をしています。

大阪クラシック。


コンサートホールでのコンサートへ行けない人や、まだクラシックに馴染みが薄い人々の為に、

大フィルは、音楽監督・大植英次氏の発案により、2006年から毎年9月の初旬に、

大阪クラシックという、無料のコンサートを(有料もあるようですが、500円程度。破格の安さ)

行っている。橋下知事に云われるまでもなく「行政の力を借りずに音楽の素晴らしさを人々に広め」ている。


Wikipedia項目には簡単な説明しかありませんが、

それでも「2007年以降の公演」を見ると、驚嘆します。
2007年 9月2日-8日   15会場  60公演 延べ入場者約28,000人

2008年 9月7日-13日   17会場  66公演 延べ入場者約37,000人

2009年 8月30日-9月5日 22会場  100公演 延べ入場者約50,700

年々規模は拡大している。もう一つのウェブを発見しました。
大阪クラシック“非公式”情報サイト

全部がフル・オーケストラではないですよ。団員による室内楽や金管アンサンブル、各楽器のプレイヤーのリサイタル等々

プログラムを見ただけで、私はワクワクします。

大阪の人が羨ましい。

大阪市民、大阪府民は、大フィルを誇りに思うべきです。

世界中見渡しても、多分、ここまで良心的、献身的な活動をしている団体は存在しない。

大フィルの音楽家は云うまでもなくプロなのです。本来プロの演奏をタダで聴くものでは無い。

それは本当は、失礼なことなのです。

毎年、述べ何万人が「大阪クラシック」を楽しみながら、

大阪府知事が大フィルへの補助金をカットしたときや、

その大阪府知事が大阪市長になり、また、補助金を減らそうとしているのに

抗議をしないとしたら

(抗議をしているかしていないかわからないので、悪い方の仮定に基づいて書きます)

それはあまりにも、姑息であり卑怯です。

大フィルへの補助金をカットしようとしている大阪市長と、

大阪クラシックで音楽に親しんだ市民が、大阪市長の意向を、見て見ぬフリをするのなら、

私はその人達を、軽蔑します。

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2011.12.11

<大阪フィルハーモニー>橋下氏「補助金見直し」に危機感←大フィルは大阪だけのものではない。/ドヴォルザーク「コントラバス協奏曲」

◆記事:<大阪フィルハーモニー>橋下氏「補助金見直し」に危機感(毎日新聞 12月9日(金)17時50分配信)

大阪市の橋下徹・新市長が、文化事業への補助金支出を全面的に見直すと表明していることに対し、

運営補助金を受けている大阪フィルハーモニー交響楽団(事務局・同市西成区)が危機感を強めている。

市の補助金は楽団の年間予算の1割を超える1億1000万円。

楽団は人件費削減や会員企業への会費増額要請に取り組んでいるが、自助努力には限界があり

「何とか補助金を維持してもらいたい」と訴えている。【出水奈美、原田啓之】

大阪府と大阪市による大阪フィルへの補助金は1960年度に始まった。ところが、

橋下氏が知事時代に文化行政を見直し、計1億2300万円あった府の補助金と貸付金が08年度末で廃止された。

府が運営していた大阪センチュリー交響楽団(現日本センチュリー交響楽団)も運営補助金を打ち切られ、

民営化の道を歩んでいる。

橋下氏は市長選当選後も、これまでの文化行政を「補助金を出す先の評価もなく、今まで出していたから出すというだけ」

と批判しており、大阪フィルを含む文化団体などへの運営費補助を全廃して事業ごとの補助に切り替える方針。

新たな会議「アートカウンシル」を設置し、文化行政での公金投入の在り方を検証する予定だ。

大阪フィルの年間予算は約10億円。府の補助金などの廃止を受けて、支出全体の5割を占める人件費の削減に着手しており、

楽団員の平均年収は約500万円(平均年齢45歳)となっている。

一方、法人会員離れは深刻。92年には373社あったが、関西企業の本社機能移転や円高、

東日本大震災の影響を受け現在は207社にとどまる。チケットを値上げしたが、

14年まで続く府の貸付金と利子の返済が経営を圧迫しており、

昨年度末現在で楽団の累積赤字は約6400万円となっている。

鈴木貞治・楽団事務局長は「60年余り大阪で官民一体で育ててもらった。

何とか補助金を維持して、今後も大阪の文化として成長させてほしい」と話している。


◆大阪フィルハーモニー交響楽団は大阪市民、大阪府民だけが聴くのでは無い。

橋下大阪市長は、

「文化は行政が育てるものではない」

と、大阪府知事時代から公言し、これを支持する世論がある。

育てろ、とは言わないが、既に育っている優れたオーケストラの存続を行政が潰していいとは思えない。

これは、大阪の財政だけの問題ではなく、日本全体の文化の問題でもある。

多分、オーケストラ・コンサートなど生まれて一度も聴いたことがない、橋本市長や彼の同調者は全く分かっていないが、

大阪フィルハーモニー交響楽団(以下、「大フィル」)のファンは、私のように日本中にいるからである。

大阪市は、2007年に経費削減のため、大阪市消防団音楽隊を廃止した。

このとき、日本全国からネットで反対署名が集まったし、私もブログで訴えた。
2007.01.08 大阪市消防音楽隊が経費削減の為、廃止されかけている。議員の政務調査費を減らしたらどうですか?/【変更】署名受付延長

結局、この声は、無教養な行政に届かず、大阪市消防音楽隊は38年の歴史を閉じた。

私のJIROの独断的日記ココログ版のトップページ左側には、

そのときに、短い間であったが、知り合った当時の大阪市消防音楽隊の方々のリンクを切れたままのこしてある。

大阪市が音楽隊の廃止を決めた理由は、
年間1億8000万円程度の経費が必要なため、市の危機的な財政状況を踏まえ廃止を決めた。

とのことであった。私は、大阪市議会議員は通常の給料の他に、「政務調査費」を毎月60万円支給されていた。

(詳細はリンク先の当時の記事をご参照いただきたい)。

現在も似たようなものである。大阪市議会のサイトで、
政務調査費(平成22年4月から平成23年3月交付分)収支状況総括表

を見ると、交付額合計は5億5,595万円。大阪市議会の定数は86人だから、単純に平均すると、1人の議員が、

年間、約651万円、12で割ると月額54万円となる。繰り返すが、給料とは別に年間651万円の税金が大阪市市議会議員に支払われている。


それに対して、記事にあるとおり、大フィル団員の平均年収は500万円であるという。


それでも、橋下市長は「音楽など人間に『必要な』ものではない」といって、にべもない。

橋下氏に投票した大阪の有権者も同じようにかんがえているのであろうか?

大阪市は昼間人口が日本で3番目に多い大都市。当然政令指定都市である。

日本で初めてのアリーナ・シアター形式(ステージを客席が取り囲む)の本格的な音楽ホールは、

1982年、朝日放送創立30周年記念事業のひとつとして建てられた、ザ・シンフォニーホールだ。

東京のサントリーホールのオープンは1986年である。

ザ・シンフォニーホールの方が4年も早い。


その大阪市という街、大阪市民がこれほど、芸術に理解をしめさない人間を市長に選ぶとは皮肉な話である。


橋下市長は苦学の末、国家試験の最難関、司法試験に合格し、プロの法律家になったほど知性の持ち主だが

はっきり言って、苦労人の中には「クラシック」という言葉を聞いただけで、異常なほどの敵愾心を示す人がいるが、

その典型に見える。

音楽も美術も映画も、演劇も文学も全てが無くても人間は死なないが、だからといって、

「必要がない」と断じるのは短絡である。

夏目漱石が「草枕」の冒頭で語っている。
あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。

住みにくき世から、住みにくき煩いを引き抜いて、ありがたい世界をまのあたりに写すのが詩である、画である。あるは音楽と彫刻である。

芸術の集団はもうからないように出来ている。欧米では行政が支援するのが当たり前で、そのために税金が使われる事に

文句をいう納税者はいない。ウォール・ストリートでアメリカ人の失業者が、「反格差デモ」を行ったが、

「ニューヨーク・フィルハーモニック(管弦楽団)がなくても困らないから、潰せ」といったものはいない。

これが民度の違いである。


大阪府知事や大阪市長は、大フィルが大阪にとってかけがいの無い、無形文化財であることを

認識するべきである。

本来、大阪が世界に対して誇りに思うべきものを「税金の無駄」としか見なせないのは、恥ずかしい事だ。


◆【音楽】ドヴォルザーク「コントラバス協奏曲」/ゲリー・カー、朝比奈隆=大フィル。

大フィルの話だから、交響曲などの方が良いかもしれないが、

この録音は大変に珍しい。


ドヴォルザークの「コントラバス協奏曲」は存在しない。

ドヴォルザークの書いた協奏曲で最も有名で傑作な「チェロ協奏曲」ロ短調を

ゲリーカーというコントラベス奏者が、なんとコントラバスで弾いた。

1893年6月20日、ザ・シンフォニー・ホールに於いて。

ライブ録音が今でも売られている。こんなことをやったのは

ゲリーカー、朝比奈=大フィルが世界で初めてである(その後誰かが演ったかどうか、私は知らない)。

音源は、

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104: ゲリー・カー(コントラバス、1611年製アマティ), 大阪フィルハーモニー交響楽団, 朝比奈隆指揮

である。第三楽章だけ。


ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104(コントラバス版) 第三楽章







ソロも上手いが、伴奏の大フィルの壮大で厚い響きが、我々の心を動かす。

この素晴らしさ。橋下氏も是非自分で聴いてから判断するべきだ。

子供の頃から毎日厳しい練習を続けて、プロの音楽家になるのは容易なことでは無い。

音楽大学に行けたのは「金持ちのウチのこどもだったからだろう」と僻むべきではない。

それ以上の苦労があったのだ。

そのようにしてもプロの音楽家になれるかどうかは、分からないし

プロの音楽家をただ100人集めれば、大フィルの替わりが直ぐに出来るのではない。

オーケストラが成熟するには時間がかかる。

どのようなものでも潰すことは一瞬で出来るが、創り上げる方が余程大変なのだ。

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2011.12.09

70年前、アメリカと戦争して勝てる、と本気で思った人々が大勢いましたが、命がけで反対した軍人もいたのです。

◆13歳の女学生ですら、「エーッ!アメリカと戦争して勝てる訳がない!」と思いました

私の母(いまでも健在ですが)は、昭和3(1928)年生まれですから、

昭和16(1941年)12月8日の真珠湾攻撃の「大本営発表」を聴いたのは13歳。

今の学制に当てはめると、中学一年生の「女の子」だったので、「何が起きたか」は

完全に理解できました。母は特に頭がいい訳でもないし、国際政治・外交に関心など無く、

小説や歴史の本が好きな普通の「女の子」でしたが、

「日本がアメリカとイギリスを相手に戦争を始める」と聞いて、

瞬間的かつ直感的に、「勝てる訳がない」と思ったと証言しています。

同世代の方、一般庶民の多く。普通の知能と常識のある人間は、皆そう思った。


勿論当時はテレビがありませんから、アメリカに関して得られた情報は

今とは比べ物にならないほど少なかったけれども、世界地図は当然ありますね。

アメリカと日本と大きさを比べます。それに大日本帝国海軍の「師匠」に当たる

英国が同盟なのですから、ゴタゴタ理屈を加えなくてもどうなるか分かる。


そう。それが常識的判断なのですが、それが、本来優秀なのに時折信じられないほど

バカになる日本人の民族性で、後年、倫理学者の和辻哲郎先生は著書

鎖国―日本の悲劇 (岩波文庫) の序文でその傾向を非常に見事に表現しています。

和辻哲郎「鎖国 日本の悲劇」序文

 太平洋戦争の敗北によって日本民族は実に情ない姿をさらけ出した。この情勢に応じて日本民族の劣等性を力説するというようなことはわたくしの欲するところではない。

 有限な人間存在にあっては、どれほど優れたものにも欠点や弱所はある。その欠点の指摘は、人々が日本民族の優秀性を空虚な言葉で誇示していた時にこそ最も必要であった。今はむしろ日本民族の優秀な面に対する落ちついた認識を誘い出し、悲境にあるこの民族を少しでも力づけるべき時ではないかと思われる。

 しかし人々が否応なしにおのれの欠点や弱所を自覚せしめられている時に、ただその上に罵倒の言葉を投げかけるだけでなく、その欠点や弱所の深刻な反省を試み、何がわれわれに足りないのであるかを精確に把握して置くことは、この欠点を克服するためにも必須の仕事である。

 その欠点は一口にいえば、科学的精神の欠如であろう。

合理的な思索を蔑視して偏狭な狂信に動いた人々が、日本民族を現在の悲境に導き入れた。がそういうことの起り得た背後には、直観的な事実にのみ信頼を置き、推理力による把捉を重んじない、という民族の性向が控えている。

 推理力によって確実に認識せられ得ることに対してさえも、やって見なくては解らないと感ずるのがこの民族の癖である。それが浅ましい狂信のはびこる温床であった。またそこから千種万様の欠点が導き出されて来たのである。

(色太文字は引用者による)

余談ですが、この本では「日本人の欠点」が醸成された背景として、欧米人が科学的思考の精神を、

約300年を費やして発達させていった正にその間、日本は国を世界に対して閉ざしており、

いきなり近代になってから、300年の成果を急激に取り入れようとして消化しきれなかったことに

関係がある。300年の間欧米人が何をしていたのか、その間の歴史を概観する必要がある、

といって、欧米人特に白人がこの間に何をしていたか、詳細に書かれています。

それは、科学的精神の獲得だけではなく、今で言う所の発展途上国に対して行った蛮行も全て

書いてあるのです。「鎖国」が書かれたのは、まだ占領軍が日本にいる最中で、この本の内容を知った

GHQが頭に来て、執筆を止めるように和辻先生を恫喝したのですが、和辻先生は

「自分は歴史的事実を書いているだけだ」といって全然相手にしなかったのです。


◆真珠湾攻撃の総責任者、山本連合艦隊司令長官は誰より開戦に反対でした。

阿川佐和子さんの父上で志賀直哉のお弟子さん、阿川弘之氏の三部作、

山本五十六」「米内光政」「井上成美」は、最初は少し取っつき難いかも知れませんが、

是非、一読を勧めます。

戦前ですから、日本国憲法第九条など存在しない。

帝国陸海軍は国民が納めた税金で軍艦や飛行機や戦車を造り、

いつでも戦争ができるように訓練していた時代ですが、この3人は英米相手の戦争など

絶対反対、という主張を命懸けで通した人達です。

山本五十六は、若い頃、ワシントンに駐在武官というのが昔はいたんですね。

大使館に、軍人が駐在していた。当然英語は堪能だし、山本は好奇心旺盛で、

アメリカ中を旅して見て回ったぐらいですから、アメリカの工業力が如何に日本と

桁違いにものすごいか、よく分かっていました。

たまたま、開戦時に連合艦隊司令長官だったから、開戦といわれたら、

職業軍人として、闘うことを考えなければいけない。奇襲攻撃を行って、

なるべく早くアメリカと講和に持って行くよう外交努力で収めるしかない、

ということにしたのですが、真珠湾の計画を立て、細部を詰めながら、

海軍の親友に戦艦長門から手紙を書き、

「自分の思想(対米開戦などもってのほか)と正確に180度反対の事に全力を注ぐのは誠に変な気持ちだ」

という意味のことをはっきり述べています。


米内光政海軍大将は内閣総理大臣になった人ですが、本当はそんなのなりたくなかった。

元来寡黙な読書家で論理的・合理的な思想の持ち主でした。

日独伊三国同盟も、対米英開戦にも大反対で、今で言う閣議の席上、

「本当に開戦となったら、勝敗は海軍にかかっているが、勝てるか」と訊かれたら

勝てる見込みは、ありません。そもそも日本海軍は米英を敵に回すように建造されておりません。独・伊にいたっては、問題になりません。

と言いきった人です。この頃世間の合理的思考の出来ない、特に右寄りの人が

毎日、海軍に押しかけて「お前らそんなにアメリカが怖いか!」とものすごい剣幕で、

米内のような発言をすると「国賊」と見なされて、生命の危険があったのですが、

絶対に対米英戦争には反対、と言い続けました。


井上成美は、過激なほどのリベラリストかつ合理的・論理的思考をする人でした。

あまりにも海軍上層部がアホなので、もしアメリカ・イギリスと戦争になったら、
「敵は本土爆撃が可能。帝国海軍は恐らく全滅。アメリカは新兵器(原爆)の開発が可能。」

と結果的に全部が的中するわけですが、そういう趣旨の論文を執筆して、提出したら、

予想通りに、上から睨まれ、現場の第一線から遠ざけられ、

江田島の海軍兵学校の校長になります。

戦争が始まり、英語は敵性語だから、英語の授業は廃止しよう、と

部下の教官たちが会議で決めて、最後に校長たる井上に「これでよろしいでしょうか?」

と井上に意見を求めたら、それまでずっと黙って聞いていた井上は、
全くよろしくない。米英軍と戦火を交えることになっても、

依然として英語は世界共通語である事実に変わりは無い。

そもそも、世界の何処に、英語が分からない海軍士官がいるか。

英語一つ習得しようとしない人間を、海軍は必要としない!

と机を叩いて主張し、英語教育が続行されたというエピソード。

さらに終戦時米内光政が天皇陛下から直々に海軍大臣になってくれと言われ、

米内が次官は井上しかいない、というので、教育に情熱を持ち政治には関わりたくない

井上成美を説得したのですが、そうしたら、本来海軍の先輩であり、上司である

米内大臣に次官の井上が、特に特攻攻撃が行われるようになってからは

顔つきが変わり、
大臣、手ぬるい!一刻も早く戦争を終わらせないと。このような悲惨なことが許されると思ってるんですかっ!

と怒鳴りつけたそうです。正しいと思ったら絶対遠慮しないのですね。

そんな井上ですが、終戦後は「責任を感じる」と言って横須賀の漁村で

子供達に英語と音楽を教え、奧さんにもお嬢さんにも先立たれて

30年間の長い間、極貧のまま(年金も辞退したのです)、一切公の場に姿を

現しませんでした。「他人様の前に出られる立場ではない」というのです。

生命を賭して、戦争を止めようとした軍人がいた、のですね。

今思い出しましたが、「硫黄島からの手紙」の栗林忠道陸軍大将もまた

山本と同じようにアメリカ駐在武官でした。如何に空しい戦争であるか知りながら

玉砕せざるを得ない運命に追い込まれたというのは山本五十六も同じです。

この三冊の本は、勧めますねえ。

特に米内光政。一番穏やかですが、肝心なところは見ているのです。

毎年「理想の上司」のアンケートがあり、芸能人がトップにきますが、

もしも、若い人全員が「米内光政」を読んだら、絶対、米内が一番になると思います。

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2011.12.08

<泊原発>北電1次評価書「津波15メートルまで安全確保」←全原発廃炉にするべきだ。

◆記事:<泊原発>北電1次評価書「津波15メートルまで安全確保」(毎日新聞 12月8日(木)0時48分配信)

北海道電力は7日、定期検査中の泊原発(北海道泊村)1号機について、安全評価(ストレステスト)の1次評価報告書を

経済産業省原子力安全・保安院に提出した。全国4番目で、設計時に想定した地震(マグニチュード8.2)の1.86倍、

津波は想定(9.8メートル)の1.5倍の15メートルまで安全性が保たれると結論づけた。

ただ、やらせ問題もあって再稼働に向けた地元自治体の同意が得られるか不透明だ。

テストは東京電力福島第1原発事故後の緊急安全対策を織り込んで実施した。

その結果、地震の揺れは加速度1023ガルで分電盤が故障し、高さ15メートルの津波で分電盤や非常用発電機が浸水する。

全停電では、移動発電機車で原子炉と使用済み核燃料の冷却機能を約20日間維持し、

冷却機能を失うと仮設ポンプによる海水くみ上げで142日間冷却できる。

今後、保安院が報告書の妥当性を審査する。さらに、原子力安全委員会のチェックを経て、

地元合意の状況を見ながら政府が再稼働の是非を判断する。保安院審査は2~3カ月程度かかるとみられ、

断層連動型地震による影響評価の結果によっては報告書の再提出となる可能性もある。

泊原発では唯一稼働している3号機が来年4月に定期検査に入る。北電の阪井一郎原子力部長は

「3号機停止までに再稼働したいが見通しは立たない」と説明し、再稼働が遅れれば原発3基とも停止する可能性もある。


◆コメント:原発を残したい電力会社自身の「評価書」に意味がありますか?

今までにも、九電のやらせとか、各電力会社のストレステスト云々というニュースは

何度も流れたが、あまりのアホ臭さにいちいちコメントしなかった。

しかし、一度は書いておくべきだろう。


「あまりのアホ臭さ」と書いたが、それ以前に、福島原発でこれほど甚大な被害が出ているのに、

まだ、原発を維持しようとする電力会社と国に呆れてものが言えない。

福島原発一つ、原子炉が壊れて、今だにどう収束させていいか専門家さえ途方に暮れている。

アメリカの専門家は「訓練された10万人規模の人員」を投入しなければ、福島を廃炉にできないだろうという。

これ以上、原発54基を残し、日本中どこでも大地震が起きる可能性があるのだから、

もうひとつ、原子炉圧力容器、格納容器、或いはパイプの接続部分がこわれて、

大気中に放射性物質が放出されるような事故が起きたら、もう日本は終わりではないか。


この記事は北電の柏原発だが、中部電力の浜岡もそうだが、何故か原発への脅威のトップが「津波」に

なっている。そうじゃないでしょ?

福島第一原発の原子炉は、津波が来る前、つまり地震そのものにより、既に圧力容器が

破損していた可能性がある、といわれている。

福島第一原発は東日本大震災の震央から180キロも離れていたにも関わらず、である。

小出助教は40年前から原発廃止を訴えているが、それは津波ではなく、

地震そのもので原子炉が破損し、核燃料が剥き出しになる

危険を指摘していたのである。

巨大地震が原発を襲うとき 2008年10月26日(日)京都大学・原子炉実験所 小出裕章

要するに浜岡原発は以前からいつ起きるか分からないと言われている東海地震の想定震源域のド真ん中に

建っている。運転を止めているが、圧力容器の核燃料がなくなったのではない。もしも、浜岡原発の直下を震源とする

マグニチュード8クラスと言われている東海地震が起きたら・・・という問題なのに、

勝手に問題の所在を「津波」に置き換えてしまって「高さ十数メートルの津波が来ても」とかなんとか、

冒頭記事の北電も中部電力も他の電力会社もムキになっているが、そうではなくて、まず地震そのもので

原子炉圧力容器、その外側の格納容器、さらに原子炉建屋が福島のように壊れたら、

核燃料が大気に接して、さらに日本中に放射性物質を撒き散らす。


もっと怖いのは、世界一巨大な新潟の柏崎・刈羽原発で、原子炉を7基備えている。

2007年7月16日に起きた新潟県中越沖地震(M6.8)ですら、変圧器が発火したり、消火栓配管が壊れて、

放射性物質で汚染された水が5,000トンも漏れた上、7基の原発全ての使用済み核燃料プールから水が溢れた。

この水は海中に流出した。放射性ヨウ素が排気管から大気中に吹き出した。


東日本大震災と福島原発以前からこのような事故が起きていたのにも関わらず

「原発は安全だ」と電力会社と原子力安全・保安院は言い続けていたのである。

柏崎・刈羽直下には、真殿坂断層がある。ここを震源とする大地震が起きたらどうなるか。


こんなものが日本全体で54基もあるのだから、本気で心配したら発狂しそうな

おそろしさである。

東日本大震災など、全く予想されていなかった。地震は起きないとされていた地域で1000年に一度の

大地震が実際に起きたのだから、明日、柏崎・刈羽直下大地震が起きる確率がゼロであるとは誰も言えない。

世界一巨大な原発が福島のようなことになったら、どうしようも無い。日本列島全体が人間の住めない場所に

なるであろう。

東海原発は老朽化のため、2000年から廃炉作業を始めたが終わるのは2020年である。

すっかり、国民も政治家も暢気になっているが、本当は真っ青になり、1秒でも早く、

全ての原子炉を廃炉にする作業に取りかかることが、国家の最重要事項である。

欧州経済危機とて深刻だが、所詮はカネの話である。

原発がこわれたら、いい加減分かるだろう。

絶対に消すことができない放射能に、永遠に苦しめられるのだ。

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2011.12.07

【音楽】12月5日はモーツァルトの命日です。

◆今年はどうしようかと思ったのですけどね。

というのは、毎年「12月5日は~」をかいているのですが、

毎年、アクセスが減るのです。


去年はショパンの生誕200年、今年はフランツ・リストの生誕200年。

だいぶ、格がさがるけど、映画音楽で有名だけど、前衛的な作品を書いた

ニーノ・ロータの生誕百年。


世の中、難曲、大曲、珍曲(今まで無名だった作品を掘り起こす)ブームですね。


例えばピアノならば、

モーツァルトなんか、子供でも弾けるわ。それより、ラフマニノフ、リストが面白いぜ。

ということになるし、オーケストラでは、

近年、オーケストラを聴くよりもアマチュア・オケで自分で演奏する素人が、

増えているわけです。そうすると、モーツァルトの交響曲をプログラムのメインにすると、

金管楽器(特にトロンボーン、テューバ)や打楽器(ティンパニ以外)の出番が無い。

必然的に大編成で、本当は素人には分不相応なマーラーやブルックナー、

ショスタコーヴィッチの「大曲」を選ぶ。


すると、聴く時にもそれが中心になるでしょうね。


◆モーツァルトは人間的にある程度成熟(円熟)しないと分からないようですね。

それを強く感じたのは、あの天才ヴァイオリニスト五嶋みどりさんが、若い頃に、

モーツァルトって、つまんない。みんな同じなんだもの。

と、全くこの通りかどうか確認できませんが、そういう趣旨の言葉を発したそうです。

ふーむ。あの大天才ですら、やはりモーツァルトが分かるには「年月」が必要なのか、

と思い、同時に昔のヴァイオリン教師、カール・フレッシュという大先生が、

ヴァイオリン演奏の技法 上巻 ヴァイオリン演奏の技法 下巻

の「下巻」だったと思いますが、
ある音楽家の教養の程度は彼のモーツァルトに対する関係で分かる。

相当の年にならねばモーツァルトを理解することができない、というのは、よく知られた事実である。
若い人たちは、モーツァルトを単純、単調、冗漫だと思う。

人生という嵐によって純化された人だけが、単純さの中の崇高さと、霊感の直接性を理解するのである。

と書いていたことを、思いだし、「なるほど」とおもいました。


私は、ヴァイオリン弾きではありませんが、学生時代音楽に夢中になって、

とにかく何の楽器の先生だろうが、指揮者だろうが、作曲家だろうが、色んな人の書いた

文章を夢中になって読み漁っていた時期があります。

カールフレッシュのこの言葉も、そのような過程で、偶然見つけたのですが、

中学生か高校入りたてでした。カールフレッシュさんの言う言葉の意味が、

何となく分かるけれど、実感としては勿論、全く分からない。

しかし、五嶋みどりさんの言葉を知ってなるほど、と思いました。

確かに苦労を重ねるほど、殆ど、長調で書かれているモーツァルトの音楽に

一見明るい音楽に、悲しさ、を感じるようになりました。


◆モーツァルトのピアノ協奏曲のような「本当の」音楽の素晴らしさは誰にでも分かる訳ではない。私たちごときの作曲がもてはやされるのは、そのおかげです(ブラームス)

この言葉は音楽評論家の吉田秀和氏の本で知ったのですが、古今東西、

自らも天才の名をほしいままにした、大作曲家、文学者、学者たちが、

モーツァルトに最大級に賛辞を惜しみ無く贈っています。それを一冊にした、

モーツァルト頌(しょう)という本があります。

大抵芸術家なんて、変人が多いですから世間がいくらすごいと言っても

「いや、おれはそうは思わん」と、ムキになる、或る意味幼稚な人も多いですけど、これほど

ありとあらゆる天才達の評価が一致するモーツァルトという人は、厳密に人類誕生から現在まで、

本当の「天才」、「天」「才」を選ぶとしたら、彼では無いかと思います。

アシュケナージ=フィルハーモニアの弾き振りで、ピアノ協奏曲23番の第一楽章をお聴き下さい。

これが音源です。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番&27番



ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488 第一楽章







同じ、アシュケナージのCDでも聞けるのですが、最後のピアノ協奏曲27番、K.595には、

本当はワルタークリーンという名ピアニストとN響との伝説的名演があるのですが、

「これこそ観たい」という映像に限ってDVD化もせず、テレビで再放送もしない。

NHKには、多いに文句を言いたいのですが、直ぐにどうなるものでもないので、

ワルター・クリーンのモーツァルト協奏曲集(全曲ではありません)があります。

モーツァルト:ピアノ協奏曲集(第12、14、16、17、18、21、23、24、26、27番)です。

アメリカのミネソタ管弦楽団、指揮はN響を何度も振っている、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキーです。

このピアノ協奏曲27番第3楽章の主題を使って、モーツァルトは3日後に「春への憧れ」という歌曲を書きます。

ワルター・クリーンは「春への憧れ」をカデンツァに丸ごと取り込んでいます。



モーツァルト:ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595 第三楽章







柔らかく、非常に一つ一つが明瞭な音の粒がきれいにならんでいます。

今のETVで「ワルター・クリーンのスーパー・ピアノ・レッスン」を放送したこともあります。

余り知られていませんが、ソナタ全集(これは全曲です)も出していて、お薦めです。


◆正しく演奏しようと思ったら、これほど易しく、しかも難しい音楽は他にないのだ。(ギーゼキング)

ワルター・ギーゼキング(Walter Wilhelm Gieseking, 1895年11月5日 - 1956年10月26日)という名人がいまして、一種天才なのです。

ほぼ間違いなく。この人がかいた「ピアノ演奏の技法」という本には、

一度弾いた曲を練習するのは、無意味である。既に弾けるのだから、それ以上練習する必要は無い。

などと書いてありますが、普通のピアニストは何度も弾いた曲でも特に協奏曲などは、練習するのですけど、

ギーゼキングは、ジーッと楽譜を見ていきなり弾いて、弾けるらしいのです。

それで「ハイ、一丁上がり」の感覚なんでしょうね。一般には彼の助言は役に立たない。

但し彼の言葉。
逆説的に響くかも知れないが、モーツァルトのピアノ音楽に関する私の意見は、次のように言うしかない。

正しく演奏しようと思ったら、これほど易しく、しかも、難しい音楽はないのだ。

は、その天才ですら、モーツァルトには一目置いていたことを伺わせます。


イングリット・ヘブラーの演奏です。


ピアノソナタ 10番 K.330 ハ長調 第1楽章







素人が聴いても単純に技術的にはラフマニノフとかリストと比べたら易しいだろう、ということは

わかりますけど、超絶技巧を弾ける人が、そのままモーツァルトのピアノ・ソナタを弾いても必ずしも、

ピンと来ないのです。


◆あとは、思いつくまま。

どうも、作曲家や演奏家の言葉を引用してから曲を載せると、

キリがないというか、収集が付かなくなるので、ここからは好きなのを

全く脈絡ないのですが、載せさせて頂きます。


歌、です。森麻季さんの見事なソプラノ。

森麻季/ピエ・イエス~祈りを込めてから、

モテット「喜べ躍れ,幸いなる魂よ」 アレルヤ







ヘルマン・プライで、オペラ「フィガロの結婚」からあまりにも有名な「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」。

音源は、オペラ・アリア集 プライ、ヴァイル&モーツァルテウム管



「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」







最後はオーケストラです。


そのフィガロの結婚序曲。ちょっと意外ですが、ロシアのムラヴィンスキーです。

ムラヴィンスキー & レニングラード・フィル モスクワ公演(1965) から。

歌劇「フィガロの結婚」序曲







最後の交響曲。第41番「ジュピター」第四楽章。

天下の大天才、モーツァルトの作曲技術の粋を凝縮した楽章です。

ベルリン・フィルのコンサートマスターを四半世紀も務めた

安永徹さんの「指揮」による、オーケストラ・アンサンブル金沢。



モーツァルト:交響曲 第41番 K.551 ハ長調 「ジュピター」第四楽章。







作品も演奏も見事です。

うーむ。どうもモーツァルトは毎年、失敗しますね。

まとまりが、なさ過ぎる。

なんか「テーマ」を設定すればいいのでしょうけど。

まあ、勘弁して下さい。

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2011.12.05

ボーナスが出た日の夕食が立ち食い蕎麦とコンビニおにぎりって惨めですね。

今日はボーナスでした(ボーナスの出ない職業、立場の方、済みません)。

全盛期、健康なころの四分の一ぐらいしかでないのですが、1年間結構頑張って働いた甲斐があり、

前年対比数万円増えました。



しかし。間が悪い。

今年中に死ぬかも知れないカミさんのオヤジさん。どうも、女房の説明が要領を得なくてよくわからないのだけど、

想像で補うと、脳内に動脈瘤があるのだけれども、そんなに今すぐ生命に関わりそうでは無い。

しかし、瘤である以上、破裂するかもしれない。先日、

2011.11.23 【追加】私事で恐縮ですが、予めおことわり。/明日アルゲリッチの超名演DVDが発売です。

を書いたら、私の書き方が悪いのですが、過剰に深刻な印象を読者の皆様に与えてしまい、

ご親切なコメントやメールを頂戴して恐縮しております。


「いつ、死んでもおかしくない」というのは

ドクターの言葉ではないのです。あくまでも危機管理上、

最悪の事態を想定すると、思いがけず早く、動脈瘤が破裂する可能性を

考慮に入れなければならない、という私の心づもりを書いたのであります。


話が逸れました。


家内からの伝聞なので、正確な情報かどうか検証出来ないのですが、

義父は、明日そけい部からカテーテルを入れるので、準備もあり、

今日から入院しています。


義父の最初の奧さん、つまり、私の家内の母親は1984年に40代で胃がんで亡くなり、

義父は、ずっとやもめだったのですが、10年ほど前、家政婦と内縁になり、

カミさんは面白くない。死んだカミさんの母親はいいとこのお嬢さんで、

写真を見ると偉い美人なんです。

義父の二人目の(内縁の)妻は、会って見ると、何だか人の事を品定めするような目つきの

感じ悪い人で、義父の前妻とは比べ物にならない。

更に、家族のことを話したがりません。

なんか怪しげな(と思われても仕方が無い)のです。


だけど、父親の面倒(炊事・洗濯)は一応やるので、仕方が無いから、

家内は我慢していたののです。その女に会いたくないから、帰る実家が

無くなってしまった。


そしてその元・家政婦、今内縁の妻は、義父の動脈瘤が見つかって

検査入院という直前、自ら転んで大腿骨骨折で全治何ヶ月なんです。

偶然だから仕方が無いとはいえ、如何にも「間が悪い」でしょ?


私の経験でもこういう人って、いるのですよ。

故意犯じゃないのだけど、「ここ一番」って大事なときに

決まって病気で寝込んでいたり、役に立たない人。

義父の内縁の奧さんもそういう人なのね。多分。

だから、今日、明日、明後日ぐらいまで毎日女房は、朝早くから出かけるので、

明日の朝飯はコンビニカレーパンだそうです。

昼もコンビニおにぎり(私は時短勤務なので、ゆっくり外でめしを食うことなど、

心理的に出来ないのです)です。

夜は、今日は帰り道に立ち食い蕎麦(小諸そば)で、ミニカツ丼セット(カツ丼ともりそば)を食べたのだけど、

今になってハラが減ってしまって、車でコンビニに行ってカップラーメンやらおにぎりやら買って来てたべました。

僅か数日の事だし、誰が悪いと言うわけでも無いとはいえ、

サラリーマンにとって(しかも奧さんが働いていない)は、

ボーナスの出た日というのは、半年間の労苦が報われた、という日なのです。

しかも去年より随分増えたのに、家内は今は、自分のことしか関心がない。

その上、勤め人を経験していないから、外で働く苦労がわからないのです。



事情が事情だから、コンビニおにぎりでもいいよですよ。

でも、ちょっとひとこと「すまないわねえ」と言ってくれるかどうかで随分違う。

そういうデリカシーが全くない。

家内は、
今日は、一日父親に付き添って疲れた。明日もそうしなければならず、それもあの役に立たない、後妻(内縁)の所為だ

と言うことしか頭に無い。家内は、遂に最後まで、「すみませんでした」

ともいわずに、さっさと寝てしまいました。

私は、子供の頃、こんなに雑に、ないがしろにされたことがない。

何だかとっても自分の人生が惨めに思えます。

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「首相、1月上旬に訪米へ 武器輸出三原則緩和表明に意欲」どさくさ紛れに変なことするな。

◆記事:首相、1月上旬に訪米へ 武器輸出三原則緩和表明に意欲(産経新聞 12月1日(木)1時47分配信)

野田佳彦首相は通常国会開会前の来年1月上旬に米ワシントンを訪問し、

オバマ大統領と会談する方向で米側と調整に入った。

複数の日米関係筋が30日、明らかにした。国際会議を伴わない首相の訪米は民主党政権で初めてとなる。

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に向け、

環境影響評価(アセスメント)評価書を年内に沖縄県に提出した上で、

首脳会談で移設に向けた日本の前向きな姿勢を強調する考え。

首相は30日の国家基本政策委員会合同審査会(党首討論)でも

「年内に提出する準備をしている」と明言した。

また、首相は武器輸出を事実上全面禁止している「武器輸出三原則」の緩和も表明する考え。

米側は以前から三原則緩和を求めており、これに応じることで日米同盟強化につなげたいようだ。

政府は副大臣級の検討会議を11月28日から発足させており、年内に緩和案を取りまとめる方針。


◆コメント:国内でやることが山積している時に、アメリカの顔色をうかがわなくて、よろしい。

先日まで、この季節にしては妙に暖かい日が続いていたが、

12月になった途端。東京ですら、前日から10度も気温がさがり、

被災地では氷点下になったという。


テレビであの仮設住宅を見ましたか?

あれは、家じゃないですよ。コロンビア大学の政治学のジュラルド・カーティスという、

現代日本政治研究の第一人者は、日本語を自由自在に話せるので、自ら被災地に行って、

被災者の住んでいる仮説住宅を見て、東京に戻り、テレビに出演し、

あれは、「住むための家」ではない。とりあえず寝るための「箱だ」

と、憤りを抑えきれない様子で言っていた。

アメリカ人の学者が心配しているのに、日本の首相が被災地(者)よりも

オバマの「期待に応える」べく奔走する必然性は、全くない。

まして、それが憲法の規定とも密接に絡む、武器輸出三原則の見直しだという。

そんな大事なことは、「今は地震で忙しいから、後。」と言えばいいのだ。

オバマが色々いうのは、アメリカの国内経済が「格差抗議デモ」が起きるほど、悪く、

このままでは、絶対次の大統領選で再選が無理だから、日本相手に無理な要求をして

国民にパフォーマンスをしているだけである。


野田首相もTPP交渉に参加するといったり、アメリカに武器の技術供与なんていって、

アメリカの顔色を窺っている場合ではない。

「今は、日本が非常事態だ。無理なものはむりなのだ」と言い続ければ

良いのである。黙っていうこときくと、外人はどこまでもつけあがる。


我々一般国民も、被災地以外、東京近辺はみな何ごとも無かったような顔をしている。

この分では関西以西は恐らく
あれ?そういえば大地震があったのだっけ?

と言う気分で、いつものようにこれから忘年会で吐くまで飲む奴が大勢いるのだろう。

被災地では、津波で大勢の人がなくなり、311の朝まで親兄弟と楽しく暮らしていたこどもが、

一瞬にして、自分だけが生き残り、これから一生、どうなるのだろう、

と悲嘆に暮れている。具体的な「誰か」を知っている訳では無い。

余程のバカでないかぎり、想像すれば分かることだ。

彼らの悲しみや苦しみを思い出すことをわすれていいのだろうか。

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2011.12.02

欧州経済危機とは何か(その2)

◆EU(欧州連合)とユーロ圏とは一致しません。

「その2」と書いたとおり、一度簡単に説明しております。

2011年09月15日(木) 欧州経済危機とは何か。(ココログ)

このときには、ギリシャの問題を中心に書きました。

もう少し丁寧に説明します。


まず、EU(欧州連合)という共同体があります。27ヶ国がメンバーです。

ドイツが第一次、第二次いずれの世界大戦でも負けて、凋落してしまい、

ヨーロッパがアメリカのドルに支配されるのを危惧して、もっぱら最初はドイツが

音頭を取って、EU(欧州連合)というものを作った訳です。


そして、EUの共通通貨がユーロです。

ユーロ導入国は23ヶ国です。


すこしややこしいのですが、EU加盟国27ヶ国のうち、17ヶ国がユーロを自国通貨としています。

EU加盟国で、ユーロを導入していないのは、
イギリス、デンマーク、スウェーデン、チェコ、ポーランド、ハンガリー、リトアニア、ラトビア、ブルガリア、ルーマニア

の10ヶ国です。これらは、従来からの自国通貨を維持してます。


また、EUに加盟していないのにユーロを自国通貨としている国があります。

通貨同盟を結んでいた相手国がユーロに参加したため、一緒に加わったという、

いずれも人口数万人というぐらいの小さい国です。それ(EU加盟国ではないけど、ユーロを導入している国)は、
アンドラ、モナコ(フランスと通貨同盟)、

サンマリノ、バチカン(イタリアと通貨同盟)、

アンドラ(スペインと通貨同盟)

の4ヶ国。

それからコソボ共和国と独立を宣言している国があります。

ドイツマルクを自国通貨にしていましたが、ドイツがユーロを導入したので、ユーロを自国通貨にしました。

コソボはセルビアの一部で国連加盟国193国のうち、コソボを独立国家として承認しているのは、85ヶ国です。

承認していない国々はコソボをセルビア領土内の一地域、と見なしている。

ややこしいですが厳密にいうとそう言うことです。

そして、さらに、モンテネグロという国は一方的にドイツマルクを自国通貨にしていました。これもユーロに移行です。

EU加盟国であり、ユーロを自国通貨としているのが、17ヶ国。

それに、アンドラ、モナコ、サンマリノ、バチカン、コソボ、モンテネグロ、の

6ヶ国を加えるので、ユーロ導入国は23ヶ国です。


◆ユーロ導入している国が次々にヤバいのです。

単一通貨ユーロを導入すると、ユーロ圏では、両替をしなくていいので、コストが削減され、

また、為替変動リスクを気にせずに済むようになるので、ユーロ圏内では相互に貿易が盛んになり

経済活動が活発化します。


ところが、逆にデメリットがモロに出ているのが今の状態です。

ユーロ圏内は経済的運命共同体なので、一国でもいい加減なのがいると、

ユーロを導入している地域全体の信用問題になるのです。


ユーロ導入国であり、かつEU加盟国であるギリシャは、EU加盟の条件で

本当は財政赤字をGDP(国内総生産)の3パーセント以内に収めていなければならないのです。

しかし、9月に説明したように、ギリシャは、オリンパスじゃないですが、粉飾決算をしていたのです。

2009年10月に政権交代があり、今のパパンドレウ新政権のもと、旧政権が財政赤字を隠蔽していたことが

明らかになりました。旧政権は財政赤字はGDPの4パーセントぐらいだと言っていましたが、新政権が調べたら、

なんと3倍以上、GDPの13パーセントもあることが判明しました。

そこから、欧州ソブリン(国債など国家が発行したり政府が保証している債券)危機が始まりました。

それはそうでしょう。国家の発行する債券は、本来、最も安全でなければならないのに、本当はEUに参加出来ないような

ギリシャが財政赤字を誤魔化してEUのメンバーになっていたのですから、

「ユーロ圏は信用出来ないな」と思われてしまう。そうすると、世界の他の国が

ユーロ圏の債券を買わなくなる。資金が調達できなくなるから、ますます財政赤字が膨らむ、

という悪循環になるのです。


◆南欧諸国の財政状況の悪さも明らかになりました。

ギリシャの財政赤字は、身から出たさびですね。

ギリシャの公務員は、全労働人口の20%以上に当たる100万人以上もいて、

公務員給与と年金が政府支出の40%にも及ぶというから無茶です。

因みに2010年にOECDが発表した2007年のデータによると、公務員人件費の対GDP比率は、

資料を提出した23ヶ国中、日本は最も低く6.2パーセント。人口1000人あたりの公務員の人数は、

日本は32人で、フランス、アメリカ、イギリスの半分以下。

国家公務員に限ると、なんと日本はフランスの10分の1です。


それはともかく、ギリシャ人のデモを見てると全然分かっていないですね。

ギリシャのソブリンリスク、国家としての信用が暴落したので、

ギリシャ国債に投資していた、他のヨーロッパ政府やヨーロッパやアメリカの金融機関が

大きな評価損を計上せざるを得ない状況です。全然ギリシャ人は分かっていないです。

全労働人口の5分の1にあたる公務員。彼らは5時間の昼休みを取ります。

年金支給額が現役の給与とほぼ、同水準。それを減らすと言ったら、デモですよ。


ギリシャだけならまだしも、イタリア、スペイン、ポルトガル、アイルランドが

どうも、自力で財政再建不可能らしいということで、既に投資不適格の格付けになっている国もある。

問題は、特にイタリア、スペインには、同じユーロ圏のドイツ、フランスが多額の投資をしている。

従って、イタリア、スペインが極端な話、デフォルト(債務不履行)などおこしたら、

イタリア、スペインの国債は紙屑となり、両国の銀行などの株・債券の価格が暴落し、

フランス・ドイツを巻き込み、さらにその結果アメリカや日本の投資家も評価損を計上することに

なるかもしれない。

そういう漠然とした、しかし、十分あり得る事態が鮮明になってきたので、

11月30日には何と、日本銀行の白川総裁が夜の11時から記者会見を開き、

日本銀行、カナダ中銀、英国中銀、欧州中銀、フランス中銀、スイス中銀の総裁が相談して、

それぞれの国で外貨、とくにアメリカドルの流動性資金が不足しそうなときは、余っている国から

融通する「スワップ取極」という制度があるのですが、その時タダじゃないのですね。金利を取ったり

取られたりするのですが、その金利を下げることにした、と発表したのです。

これによって世界の主だった国や、その国の金融機関が資金繰り難に陥るのを防ぐ。

その意思をヨーロッパ時間に合わせて同時に発表することによって、マーケットに、

ひとまず、安心感を与えましたが、白川日銀総裁は、11月30日夜11時からの記者会見で、

これは、けっして欧州財政危機の根本的な解決にはならないのであって、

財政に問題を抱えるユーロ圏で、対策を考えて貰わないと、リーマン・ショックのような

ことになりかねない(これは、昨夜ではないと思いますが、そういう趣旨の発言はしています)、

と言っていました。


◆全く予断を許さない、きわどい状況です。

11月30日、6ヶ国中央銀行の意思表明の結果、12月1日には、

ひとまず安心感から株が買われましたが、あくまでも「ひとまず」です。

日本の中央銀行総裁が夜の11時から記者会見をして世界に安心感を与えなければならないほど、

きわどい状況なのか、ということが、私には、むしろショックでした。

相当、ヤバい。下手をすれば、リーマン・ショック以上ですね。

民間企業ではありませんから。今、問題になっているのは。

G7といって、世界経済の最も主要な7ヶ国のうち、フランス、イタリア、

場合によってはドイツまで、デフォルトするかも知れないというのは、

もしそうなったら・・・・ちょっと想像が付かないですね。

世界大金融恐慌とそれによる、ものすごい大不況の到来ということでしょうか。

そんなことで済むかな?というほどの問題が起きる可能性が現実にある。

一般の方々が考えておられるよりも事態は遙かに深刻です。

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2011.12.01

「溶融燃料、コンクリ床浸食=格納容器内で最大65センチ―東電が推定公表・福島第1」←だから、ウソをつくなよ。

◆記事:溶融燃料、コンクリ床浸食=格納容器内で最大65センチ―東電が推定公表・福島第1(時事通信)

東京電力福島第1原発事故で、東電は30日、炉心溶融(メルトダウン)が起きた1~3号機について、

溶けた核燃料の位置の推定を公表した。

データ解析の結果、1号機は「相当量」、2、3号機は一部の溶融燃料が原子炉圧力容器から格納容器に落下したと推定。

床面のコンクリートを1号機では最大65センチ浸食した可能性があるが、

いずれも格納容器内にとどまっており、注水で冷却されているとしている。

東電の松本純一原子力・立地本部長代理は同日の記者会見で、

「燃料の状況はほぼ推定できた。冷温停止状態の判断に変更はないが、

10年先、20年先の燃料取り出しはこうした条件を加味して考えないといけない」と述べた。

原子炉内の状況は直接確認できないため、東電は核燃料の崩壊熱などを基に計算。

経済産業省原子力安全・保安院が開いた「炉心損傷推定に関する技術ワークショップ」に同日提出した。

東電の解析によると、非常用炉心冷却装置が十分機能せず、注水停止時間が長かった1号機では、

ほぼ全ての燃料が本来の位置から溶け落ち、圧力容器底部を破損したと推定。

燃料が全て格納容器内に落ちたと仮定すると、高熱で格納容器床のコンクリートを最大65センチ浸食するという。

ただ、床の厚さは最も薄いところで約1メートルあり、東電は容器を突き抜けていないとみている。

また、一定時間冷却が続いた2、3号機では、燃料の約6割が溶け落ちたと推定。

そのまま格納容器に落ちたとしても、床コンクリートの浸食は2号機で最大12センチ、

3号機で同20センチにとどまるとした。


◆コメント:これほどの大事故を起こしておきながら、ウソをつくな。

東電が30日に核燃料がどうなっているか発表するというので注目していたが、

まさか、この期に及んで、まだ楽観的な推測をしている。。

今までの東電を見ていると不思議ではないけれども、

どうも、東京電力という企業は、

まず、控え目な発表をしておいて、事実がもっと深刻なら謝ればいい。

という、「慣習」が骨の髄まで沁み込んでいて、どうしても最初から事実を

発表することができないようだ。


事故からまもなく9ヶ月。このブログでも何度もご紹介した、小出裕章京都大学原子炉実験所助教は、

5月12日、東電が「圧力容器の中に冷却水は残ってなかった。と発表した日と

その7日後、ビデオニュース・ドットコムの神保哲生氏による電話インタビューに応じて

この時点で、格納容器は損傷しているだろうと、言っている。

30日の東電は、核燃料はまだ格納容器内にある、という。
誰も直接みることが出来ないので、本当のことは分からない。

但し、非常に不思議なのは、圧力容器が損傷しても格納容器の底に

穴が開いていないのならば、格納容器のさらに外側の、

「原子炉建屋」の地下にに汚染水が溜まったのは何故なのか。

と言うことである。

5月19日ビデオニュース・ドットコム。

映像と音声はYouTubeにアップされている。


小出裕章氏:核燃料露出の1号機は既に人類未体験ゾーンへ






これをアップしているのは深夜というか早朝の4時なので、

朝起きてから発見なさってもゆっくり見ていれれないでしょう。

勤務先では観られない方が多いでしょう。

そこで、インタビューの途中からですが、音声だけを載せます。


核燃料露出の1号機は既に人類未体験ゾーンへ(音声のみ)






映像も音声も勤務先ではアクセス不可という方もいらっしゃるでしょうから、


全部じゃないのですが、重要な所を、文字起こししたものを載せます。(私がやりました)。


(文字起こし始め)
神保:(東電の発表によれば、)圧力容器はもう冷却水が殆ど入っていない。若しくは全く入っていないかも知れない。だから、先生は 圧力容器に大きな穴が開いていて、核燃料は、圧力容器から下の方に落ちていると。



小出:はい。





神保:しかし、テレビ報道を見ているとですね。何故か原子炉の絵で圧力容器のしたの方に水が入ってまして、水の中にアンパン状になった、核燃料が浸かっていると。その根拠として、東電としては、 圧力容器の温度が100℃から120℃で、かつ原子炉内部の圧力がある程度保たれているから、そこまで完全に穴が開いて、すっからかんになっているわけではない。というのですが、先生は この説明はどのようにご覧になりますか?



小出:私は、圧力というそのデータ自身がですね。本当かどうかということにも、眉に唾を付けています。 元々は東電はずっと原子炉の中に水がある、と言ってきたのですね。燃料のある炉心部というところの半分までは、水がある、と、これまでずっと二ヶ月近く言い続けて来たわけですが、それが5月12日から「炉心部に水は全くありませんでした」といって、データを変更してしまったわけです。でもその水位計のデータが変更されたけれども、圧力データのほうは、何の変更も無いまま・・・・、



神保:温度と圧力のデータは変更ないまま、ですね。



小出:そうです。いったい、どのデータがどこまで正しいのか、ということが、私にはさっぱりわからなくなってしまっているわけです。しばらくしたら、今度はまた、圧力データも間違っていました、とかですね、温度データもこれは実は違うのです、と、言い出すのかな?と今は思っています。



神保:先生、それで、正に原子炉の専門的な部分なので小出先生に伺いたかったのですけれども、あれだけ水をどんどん入れても、あったとしても圧力容器の底のほうにちょっとあるだけ、或いは全くない、ような状態にあるということは、東電はなんだか、「大きな穴」という言い方はせずに、小さい穴が複数開いている、みたいな言い方をしているのですが、いずれにしても穴が開いて、あれだけの水を入れてもすごい勢いで水が漏れていることは分かっているのに・・・・



小出:ということですね。



神保:それなのに、あれだけの圧力が残る、ということは、原子炉の構造上あり得ることなのですか?



小出:私は「あり得ない」と思っていまして、炉心部に水が全く届かないぐらい、抜けて落ちている、ということは、東電が言うような小さい穴ではなくてですね、かなり大きな穴が開いているのだろうと思いますし、もし、そうだとすれば、炉心は溶けて落ちている、と、東電自身が言っているのですから、その炉心もその穴から更に格納容器に落ちているだろう、と私は推測しているのです。そうなると、圧力データも実は何か間違っているのではないかと、今私は思っています。



神保:なるほど。格納容器も、実は現時点では、1号機ではどれぐらいあるか確認されていませんね。



小出:そうです。水棺ということをやろうとして、水を大量に注いだ訳ですが、一向に格納容器の水位が上がってこなかったのですね。それで東京電力は水棺という作業を断念した、と言っているわけですけれども、一方で原子炉建屋の地下に、4,000トンもの水が既に溜まってしまっていると言っているわけで、それはつまり格納容器に入れたつもりの水が、全部どこからか出てしまって、原子炉建屋に流れ落ちているのですね。そのことを考えると、溶けた炉心の一部が既に格納容器の底に落下して、格納容器を既に壊してしまっている可能性が高いと私は思います。



神保:なるほど、では格納容器の更に外に出ている可能性もある、ということですか?



小出:そうです。格納容器の外に出て、原子炉建屋に溜まっているわけですね。



神保:これはもう、外に出ると、原子炉建屋の土台になっているコンクリートしかないのですか?



小出:ありません。



神保:ははあ。で、これが外に出ている、ということの意味なんですけどね、先生。まあ、あくまでも東電やテレビの解説では、まだ炉心は圧力容器の中に残っていることになっているのですが、実際には場合によっては、格納容器も突き破って、原子炉建屋まで出ているとするとですね、



小出:はい。



神保:何か、我々の認識、今まで東電から聞いてるようなこととは違った認識を持たないといけない部分というのはありますか。



小出:えーと、例えば東京電力が4月の17日にロードマップというのを出したのです。それは、原子炉を「冷温停止」にとにかく持っていきたい、と。言うことを基本にしているのですが、「冷温停止」というのはですね、原子炉圧力容器がまだ、そこに形として存在してですね、そこに入口側と出口側の配管があって、冷却水をぐるぐる回せて、原子炉の炉心を100℃以下にすると、いうのが「冷温停止」という概念なわけですけれども、実はもう原子炉圧力容器というものが、底が抜けてしまっているわけで、核燃料そのものもそこにあるかどうか分からない、という状況になっていますので、もう「冷温停止」なんていうそんな言葉を使えるような状況では既に無くなっているのです。



神保:はい。



小出:ですから、今のこの事態というのは、原子力を利用し始めた人類が、初めて遭遇する事態になっているわけで、これをいったい、どうやって収束できるのかということが、本当に未知の領域に入ってしまっている、ということになります。



神保:これは、核燃料というものが、完全に大気中に露出した状態に鳴っている可能性がある、ということですね。格納容器から外に出てしまっているというのは。



小出:そうです。ですから問題はですね、大気中に放射性物質が飛び出してしまうような状況かどうかということが、被曝ということに関してはものすごく重要なことなのですが、多分今現在は、格納容器の鋼鉄製の容器はなにがしか、既に損傷している、と私は思っているのですが、その下には原子炉建屋の分厚いコンクリートがあるのですね。それでそこにも何らかの損傷があるが故に、格納容器に注いだ水が原子炉建屋の地下に溢れているわけですけれども、ただ分厚いコンクリート全体が破られているとは、私はまだ思っていないのです。そうであれば、大気中に大量の放射性物質が出てくるということは、今現在はないのだろうな、と思っています。 これもっともっと溶けた炉心が下に沈んで行くと思うのですけれども、下に沈んでいくといつか地下水と接触すると思います。そういう場合でも大気中に放射能が飛び出ていくというよりは、むしろ地下水に放射能が流れていって、それが海を汚染するという可能性が高いと私は思います。



神保:なるほど。先生、やっぱりこの格納容器を突き破っているとすれば、あれだけ冷やしてきたとしても、もう地下水までは要するにコンクリートを溶かし、土を溶かし地下水脈くらいまでいってしまうことはもう、ほぼ確実なんですか?これは?



小出:うーん・・・・。よく分からないのですが、本当に未知の状況に私達は直面しているのですね。ですから溶けた炉心がどこまで落ちていくのかということは、申し訳ありませんが私には正確に判断が出来ません。



神保:できない。



小出:なんとか地下水に接する前に、どこかで止まってくれればいいなというふうに、今は思います。



神保:先週、先生は溶けた核燃料は恐らく「アンパン」のような状態になっているだろう、と仰有って、中は熱くて柔らかく、外側が少し固まっているような状態--これは、水に浸かっていることが前提ですね?



小出:そうです。 格納容器の底に水が「あれば」ということですね。



神保:はい。で、その状態であれば、一番外側はそれほど熱くないということですか



小出:そうです。水がありますので、そんなに熱くないと思います。



神保:熱くないと。じゃ、水から露出してしまっているかどうか、ということが、非常に重要なポイントになるわけですね。



小出:そうです。その場合でも、水があったとしてもですね、周辺が冷えて固まったとしても内部は熱伝導が悪くなりますので、内部は溶けた状態だ、と私は思っている訳です。アンパンの「あんこ」の部分ですね。でもその「あんこ」が、格納容器の鋼鉄に接してしまうのだとすれば、格納容器の鋼鉄も溶ける、と私は思っていて、原子炉建屋の地下に大量の水がすでにある、ということは、多分、格納容器に穴が開いているのだろう、と今は思っています。



神保:なるほど。じゃ、その次は原子炉建屋の地下の水に落ちていく可能性もあるわけですね。



小出:はい。ただ、原子炉建屋の地下というのはですね。サプレッション・チェンバーというドーナツ状になっているのですね。で、燃料が落下する部分というのは、むしろそのドーナツのド真ん中に落下している筈で、そこは分厚いコンクリートです。ですからそのコンクリートを何処まで破壊していくか、ということがこれからの事故の進展のネックだと思います。



神保:サプレッション・チェンバーはドーナツ型で、真ん中はコンクリしか、ないわけですね?



小出:そうです。そうです。



神保:ははあ、なるほど。そうか、じゃちょっと今、どこにあるのか、どういう状態なのかは、現状では、1号機も全く分からない・・・・



小出:はい、すいません。私には分かりません。



神保:それでですね、今回工程表の見直しというのが行われて、結局、圧力容器の中を循環されるとか、というのはもう断念したし、しかも、格納容器を水棺するのも諦めたんだけど、今度は、原子炉建屋に溜まった水を循環させるというようなことを、今言っています。まあ、これも、何処に核燃料があることを前提にしているのかが、定かで無いのですが・・・



小出:そうですね。



神保:これは、現実的に可能なんですか?



小出:要するにですね。水を注入する場所は圧力容器しかないのです。そうすると圧力容器には穴が開いているので、格納容器の底に落ちてくるのですね。ですから私は、従来は格納容器の底に落ちた水をくみ上げて、原子炉圧力容器の中に戻すという循環ラインを私は想定していました。で、その途中に熱交換機と浄化系なんかを入れればいい、という風に思っていたのですが、東京電力のほうはさらに一歩踏みこんだのですね。もう、格納容器も壊れていて、原子炉建屋のほうにつながっちゃっているのだから、原子炉建屋から水を汲み出すしかない、という風に、東京電力が言っている訳で、ですから、むしろ私が思っていたよりも、東京電力の思っている方が、事故としては深刻なことを予想してるんですね。格納容器が既に破れて、そこから水が原子炉建屋とツーツーになっている、と言う風に彼らは言っている。 もしそれが本当であれば、 東京電力が言っているようにやる以外にありません。



神保:これは、結局、建屋の中に核燃料を落として---落としてっていうと変だけど---落ちた状態を前提にして、それをひとつの、なんというか、「容器」のような扱いにして水を回していくということになりますね。



小出:そうです。但し、私、先ほどから何度も訊いて頂いているとおり、既に格納容器という鋼鉄の容器が壊れてしまっていて、溶けた炉心がコンクリートの中に既にもう入っているとすると、これからそのコンクリートを全部破壊して、地下に潜ってしまう可能性もある訳ですから、そうなるともう、循環式の回路も何も、もうありません。 もう多分手の打ちようが無いので・・・・



神保:冷やすこともできなくなっちゃうと・・・



小出:そうです。それはもう、どうにもならないので、原子炉の建屋ごと、何か石棺の中に閉じこめるとかですね、新たな方策を考えなければいけなくなる、と思います。



神保:うーーん、なるほど。これを東電の工程表では、当初の予定どおり、6ヶ月から9ヶ月でとにかく収束させるのだ、と言ってますが、最初に(工程表を)出した時から明らかに1号機だけをとってしても、これだけ状況がちがう、というか、悪くなっていると



小出:そうですね。



神保:分かっているにもかかわらず、タイムテーブルは同じままでいける、と言ってますが、小出先生のそこの見極めは、どうですか?



小出:どうなんでしょう、このロードマップというもの自身がですね、元々は東京電力の方から出たのではなくて、私は政治のほうからですね、とにかくロードマップを示せ、と言われて、もう東京電力としてはしょうがなくて、本社の人達がですね、綺麗な説明資料を作って出した、というものではないか、と推察しています。

(文字起こし終わり)。

本当に取り返しが付かない事故を起こしてしまったのですから、

いい加減な発表だけは、もう止めていただきたいですね。

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