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2012.01.26

「大阪市音楽団の存続、橋下市長「一から考える」」←音楽に親しんで育った人々が妬ましいのでしょう。

◆記事:大阪市音楽団の存続、橋下市長「一から考える」(日本経済新聞 2012/1/20 1:52)

日本で最も古い交響吹奏楽団とされる「大阪市音楽団」(大阪市中央区)について、

同市の橋下徹市長は19日、「一から(あり方を)考える。存続という結論ありきでは考えない」と話し、

運営の見直しを示唆した。

1923年結成の大阪市音楽団の楽団員約40人は大阪市の職員

市は人件費など年間約4億円を支出しており、

橋下市長は活動意義を認めながらも、文化行政見直しの一環として

「お金の使い方を抜本的に見直さないといけない」と話した。

同楽団は定期公演のほか、中学や高校の生徒を対象とした講習会を実施。

甲子園球場(兵庫県西宮市)で開催される選抜高校野球大会の入場行進曲を演奏し、

録音していることでも知られる。

橋下市長は「色々な意見が出ると思う。最終決定は行政の反論とか意見を聞いてから」と述べた。


◆コメント:また、大阪ですか。

大阪市音楽団とは、日本最古のプロの吹奏楽団である。

Wikipediaの説明(冒頭のみ抜萃)

大阪市音楽団(おおさかしおんがくだん、Osaka Municipal Symphonic Band)は、日本の吹奏楽団。略称は市音。

大阪市の直営であり、日本で唯一の地方自治体が持つ専門吹奏楽団として活動しており、

1923年(大正12年)に誕生した日本で最も長い歴史と伝統を誇るプロフェッショナルな交響吹奏楽団。

前身は大日本帝国陸軍第4師団軍楽隊。定期演奏会などのコンサートのほか、

CD「ニュー・ウィンド・レパートリー」シリーズで吹奏楽のレパートリー拡大にも努める。

国内では東京佼成ウインドオーケストラと並び称される最高峰の吹奏楽団であり、「東の佼成、西の市音」という言葉もある。

どうして、これを廃止して平気なのか。どこから説明しても分かろうとしない人には分からない。

橋下大阪市長は先月、市長就任直後から文化事業への補助金支出を全面的に見直す

といい、まず、大阪フィルハーモニー交響楽団への補助金カットの意思を表明した。

私は3日続けて、反対意見を書いた。
2011.12.11 <大阪フィルハーモニー>橋下氏「補助金見直し」に危機感←大フィルは大阪だけのものではない。/ドヴォルザーク「コントラバス協奏曲」

2011.12.12 大阪フィルハーモニー交響楽団は、毎年9月に無料のコンサート「大阪クラシック」を続けている。

2011.12.13 3日続けて「大阪フィルハーモニー交響楽団」←大阪の人、どうでもいいの?

吹奏楽も管弦楽も、「儲ける為の組織ではないが、必要だ」という点において、共通している。

オーケストラも吹奏楽も、自由経済・市場経済という経済構造が出来る前から存在している。

したがって、本質的に、資本主義自由競争に於ける民間事業会社と同様の目的、

即ち「収益の極大化」を目指す為に存在するのではない。


記事には、
市は人件費など年間約4億円を支出しており

と書いてあるのに、「40人で4億円って、一人年収1千万かよ?」と書いている馬鹿がいる。

確かに人件費はかなりの部分を占めるが、大阪市音楽団は一流の吹奏楽団なので

秋山和慶(特別指揮者・芸術顧問)、小松一彦(2007年 -  首席客演指揮者)など

オーケストラの世界でも有名な指揮者が指揮台に立つ。指揮者のギャラは音楽家よりもべらぼうに高い。

では、安い指揮者にしろというのは、音楽を何も知らない馬鹿である。


さらに、費用は「人件費など」である。プロの演奏団体は、

ティンパニ、各種打楽器などは、楽団が購入する。この楽器のメンテナンスにも費用が要る。

また、移動が多いから、運送費も馬鹿にならぬ。小さい楽器は奏者が手で持てるが、

ティンパニや、他の打楽器、テューバなどは傷付けないよう。楽器専門の運送業者に

搬送を依頼する。

勿論、プレイヤーの移動費も、演奏が仕事なのであるから、

屋内でコンサートを開くなら、一回百万単位の料金を取られる。

そして。大阪市音楽団のCD群をみると分かるが、吹奏楽では、

現存する作曲家の作品を演奏する場合が多い。演奏するごとにJASRACに著作権料を支払う。


オーケストラやプロ吹奏楽団事務局経験が皆無の私ですら、これぐらいのことは、

少し考えれば分かる。大阪市長を支持する連中はこの程度の計算が出来ないほど馬鹿なのか。


◆人はパンのみにて生くる者に非ず(新約聖書 マタイによる福音書)

この言葉を持ち出すのはあまりにも、ありふれているので、今まで

書かなかったが、橋下市長や、彼と同意見の輩は、あまりにも教養、品性のかけらも感じられない。

もしかすると、新約聖書、マタイ伝(マタイによる福音書)の

人はパンのみにて生くる者に非ず(人は物質的満足を求めて生きるのではなく精神の充実をはかることが大切である。)

すら、知らないのではないかと思った。


「音楽は無くても誰も死なない」から「音楽団」は要らない、は

如何にも野蛮かつ、無教養である。本能のみで生きている。動物と変わらない。

人間は、自己保存本能(食欲)、種族保存本能(性欲)のみに従って

生きる存在ではない。

空気と水と食べ物があれば、人間は肉体的には存在できる。


しかし。それで満足ならば、次の事実を如何に説明するのか。

東日本大震災後、5月にピアニストで、日本人としてはただ一人、ショパン・コンクールと

チャイコフスキーコンクールの両方に、しかも留学経験なしで、入賞した小山実稚恵さんが、被災地の

避難所になっている体育館で、主として子供に音楽を聴かせた。

子供達は静かに聴いていた。


元・ケルン放送交響楽団首席オーボエ奏者で、まだまだ吹けるのに、2007年3月31日を以て、

引退し、後進の指導と、指揮者としての活動に専念していた宮本文昭氏は、

被災地の管弦楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団に教え子がいて、

地震の後しばらく、公演継続不可能に陥っていたので、何かできることはないか?

と尋ねたら、弟子は、「先生、いらっしゃって(オーボエを)吹いて下さい」

と言った。宮本さんは、それで人々が幾ばくかでも、慰められるならば、と

「禁」を一度だけ解くことにして、仙台フィルと演奏した。

家族、住居、財産、仕事等々をなくして、途方に暮れている被災者が大勢音楽を聴き

涙ぐんでいた。


食べ物と水は足りていた。それ以外の「音」は生きるのに必要不可欠なものではないなら、

被災者は音楽家に「とっとと帰れ」と言うはずだ。

人間には、肉体的生存に必要な最低条件以上に、精神的な充足が必要であること、

つまり聖書の言葉が正しいことを、震災後の歴史的事実が物語っている。


大阪フィルも、大阪市音楽団も何故、何十年も存続しているか。

聴く人がいるからである。YouTubeで「大阪市音楽団」を検索するといい。

屋外の市民の為の無料コンサートに、人が集まっている。

たべものではない。聴かなくても死なないものを、無料である、というだけの理由で

聴きにくるはずがない。殆ど本能的に人々は「美しいもの」を希求する。

人生において、人間が代々受け継いできた美しいもの、優れたものに対する

「畏れ」を抱かない人間は傲慢である。



橋下知事は、私心がないようなことを言っているが、

根底には嫉妬やコンプレックスが垣間見える。

自分が音楽や文楽を理解できないから、それらが分かる人間や、

まして子供の頃から楽器に慣れ親しむなどという恵まれた境遇にある人々を

彼らが職人であること。職人となるためにどれほどの努力を続けたことか、

など、考えようともしない。自分が分からないものは存在価値がない、

という偏狭さは如何にも幼稚で大阪都もへったくれもない。

これほど傲慢な指導者に投票した大阪市民も馬鹿だ。

馬鹿が五月蠅いので、この記事ではコメントもメールも受け付けない。

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