« 本日、休載。 | トップページ | 「<原発>40年廃炉、一転「60年」容認へ 政府が方針」←まだ、分かっていないのですなあ。 »

2012.01.17

【音楽】怒濤の(トランペットによる)「ホラ・スタッカート」。

◆ものすごく上手い人を発見しました。

NHKの衛星放送、BSプレミアムでは毎週月曜日から金曜日まで、

朝6時から55分間「クラシック倶楽部」という、コンサートやリサイタルの番組を放送してます。

これは、かなり興味深いのが多いのです。ちょっとマニアックかもしれませんが、こんなの商品化されることは絶対ないだろうけど、

極めて貴重な、名人の名演が聴けます。

ご覧になれる方は一応録画しておいて、仕事が終わった後や、週末にご覧になると良いでしょう。


この番組で、今年になって間もなく、5日に、

オーレ・エドワルド・アントンセン トランペット・リサイタル-

が放送されました。ノルウェーのトランペット奏者です。

とっくに御存知の方がおられるかもしれませんが、私は初めて聴いて、

1,2分聴いた所で、天才的に上手い人だ、と感じました。

調べたら、随分前から何枚もCDを出していたのですが、いかんせん、北欧。

北欧はどういうわけか金管の名人が多いですが、

やはり西洋音楽の中心はドイツとかオーストリアで、あの辺まで降りてこないと

なかなか売れません。


◆アントンセンのCD(又はiTunes Store)でたまげました。

この人のCDは、前述の通り何枚か出てはいるのですが、

20世紀のトランペット協奏曲とか北欧の現代作曲家の作品とかつまんないのが多く、

クラシックのトランペット吹きなら、まず、ハイドンとフンメルを聴かせて欲しいです。

(本当のところは分かりません。とっくに録音したが、絶盤になっているのかもしれません。

いろいろと探している間に、

Antonsen Golden Age of the Cornet(コルネットの黄金時代)(クリックするとiTunesStoreの該当ページ)

を見つけました。ここで、元来、ヴァイオリンの神様、ヤシャ・ハイフェッツの十八番、

「ホラ・スタッカート」が収録されていることに気がつきました。


まずは、原曲、ハイフェッツの映像。ヴァイオリンの弓を持つ右手に注目して下さい。

一弓で(1音ごとに弓を上下させずに)、ミリ単位で弓のバウンドをコントロールしてます。




Jascha Heifetz plays Hora Staccato

埋め込み不可なので、こちらのリンク先でご覧下さい。



これは、これで、驚嘆すべきテクニックなのですが、書くと長くなるので保留しておきます。


さて。

私が知る限り、「ホラ・スタッカート」をトランペットで吹いて、録音を残しているのは、

全部で5人です。

最初の吹いたのは、旧ソ連のチモフェイ・ドクシツェル(故人)、という人です。

1970年代後半にこの人のレコードがいきなり現れて、

日本のラッパ吹きはプロもアマも腰が抜けるほど驚いたのです。


チモフェイ・ドクシツェル:ホラ・スタッカート







ドクシツェルが初来日し、芥川也寸志さんと黒柳徹子さんが司会するクラシック番組に

やってきて、これを吹きました。演奏後、あの黒柳さんが、あまりの上手さに、

一瞬絶句するほど驚いていたのを覚えています。


その後長らくドクシツェルと同じように吹く(吹ける)人がいなかったのです。

モーリス・アンドレとナカリャコフは、吹いてはいるけど、

これが、「ホラ・スタッカート」の冒頭部分ですが、赤い枠で囲ったところ。

20120111horastaccato

レラファラ・レラファラ・レラファラ・レラファラ

をその通りに吹きません。

モーリスアンドレは、
レレララ・ファファララ・レレララ・ファファララ

と。彼なら譜面通りに吹けそうですが、誤魔化してます。


モーリス・アンドレ:ホラ・スタッカート







これだけ上手いのですから、楽譜通りに吹けるとおもうのですが。どうも意図がわかりません。


さて、それから大分たって、ロシアの今はオッサンですが、かつては美少年だった天才的なトランペット奏者、

セルゲイ・ナカリャコフという人(NHKの朝ドラ、須藤理彩がヒロインだった「天うらら」のオープニングで、

小六禮次郎さんのオリジナル曲を吹いた人です)。この人も紛れもなく天才ですが、ホラスタッカートは感心しない。

音源は、ヴェニスの謝肉祭 ミラクル・トランペットです。

もう一度書きますが、本当は、
レラファラ・レラファラ・レラファラ・レラファラ

です。レからラまで五度上がって、ファまで三度下がって、またラまで三度上がって、レまで五度さがる。

このジグザグな音型が難しいのです。ナカリャコフは
レファラファ・レファラファ・レファラファ・レファラファ

と音の順番を置き換えました。インチキです。

本来の音型より演奏が易しくなります

(とは言っても彼は上手いので、折角なら譜面通りに吹いて欲しかったのです)。


ナカリャコフ:ホラ・スタッカート







それから、かなりの間、トランペットで「ホラ・スタッカート」を吹く人がいなかったのですが

(少なくとも、CDで聴ける範囲内では)、ジャーマンブラスの、マティアス・ヘフスが、

Trumpet Acrobaticsで吹きました。

ドクシツェルに次いで二人目の楽譜通りです。


マティアス・ヘフス:ホラ・スタッカート






上手いです。余裕があります。これでしばらく出ないかな?と思ったらいました。

ノルウェーのトランペット奏者、オーレ・エドヴァルド・アントンセンがコルネットで吹いていました。

「コルネットの黄金時代」というアルバム(iTunes Storeにも)。


オーレ・エドヴァルド・アントンセン:ホラ・スタッカート






この人、限りなく天才に近いです。

アントンセンは、知っていた、という方がいらっしゃるでしょうが、

私は、今まで知らなかったので、久々に新しい才能を見つけた気分で、

大変喜んでおります。

非常にマニアックな特集に最後までお付き合いいただきまして、有難うございました。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

|

« 本日、休載。 | トップページ | 「<原発>40年廃炉、一転「60年」容認へ 政府が方針」←まだ、分かっていないのですなあ。 »

クラシック」カテゴリの記事

クラシック音楽」カテゴリの記事

トランペット」カテゴリの記事

金管楽器」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事