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2012.03.12

「震災から1年」報道各社特集、強制的リマインダーとしては機能したであろう。

◆マスコミ各社どこかしこも「震災から1年」でキリがないので。

キリがないので、今日は、特定の記事を掲載しない。

あまりにも全ての新聞、テレビ、ネットメディア、その他が、

東日本大震災から一年経った今日、各地で追悼行事が行われました。

と報じていた。

中には、意図的に悲劇性を演出しているような番組も多く、それは不愉快だったが、

流石に今日、東日本大震災を取り上げない訳にはいかないだろうし、

不愉快分を差し引いてもやはり、「震災から1年」があらゆるメディアに溢れたことは、

それなりに意味があったと思われる。


◆あまりにも多くの「非被災者」が地震を忘れ(ようとし)ている。

小出助教によれば、福島原発の1号炉など、核燃料がメルトスルーしてしまった

ので、一体、核燃料がどこにあるのか、どういう状況にあるのか誰にも分からない

という。この核燃料が今この瞬間も環境を汚染しているのだから、これを何とか

固めてしまうとか、しなければならないが、何しろどこにあるのか分からないし、

現場はものすごい被曝環境なので、核燃料の場所探しで長時間人が近寄ることすらできない。

それに加えて4号炉には使用済み核燃料プールがあるが、これの補強が十分ではない。

今は、どうやら冷却水の中に核燃料が浸かっているが、もし、大きい余震などにより、

使用済み核燃料プールにヒビが入り、冷却水が一挙にうしなわれたら、使用済み核燃料が

自らの崩壊熱で溶け出し、場合によっては、爆発するかもしれないそうだ。

そうなったら、もう、本当に東京都民が全員避難しなければならないかも知れない、

というほど、危険な状態なのに、それを伝えるのは毎日放送ラジオ報道・情報番組の

「たね蒔きジャーナル」だけである。


私の東京の勤め先の様子をみても、被災地がどうなっているのだろう?

ということを口にする人が全くいない。仕事場で言わないだけで、実は関心をもっているなら、

気配でわかるものだが、そういう様子はない。ましてや原発で日本に住めなくなるかも知れない

など、考えたくもないから、小出助教の本すら読まない。


小出助教が「たね蒔きジャーナル」で以前話していたが、小出助教の勤務先、

京都大学原子炉実験所は大阪にあるが、小出氏が観察する限り、

大多数の関西人にとって、「たね蒔きジャーナル」のスタッフは別として、

東日本大震災は既に「終わった過去の出来事」と考えているかのようだ、

という。

勿論、中には真剣に考えている人もいるに違いないが、ごく一部だろう。

何ごとも直ぐに忘れる、或いは「忘れたがる」のは日本人に特に顕著な心理的習性である。

その意味では、今日、全てのメディアが「これでもか」というほど、被災地の今の様子、

被災者の状況、気持ちを伝え続けたのは、日本人全員に、まだあの震災は

終わっていないことを強制的に意識させる「リマインダー」(思い出させるもの)としては

有効だったろう。


◆NHK、「3月11日のマーラー」は白眉であった。

被災地、被災者の話ではなく、秀逸なドキュメンタリーは、3月10日(土)、

23時からNHK総合で放送された、「3月11日のマーラー」だろう。

震災当日、コンサートの多くは中止となったが、敢えて実行したのは、

新日本フィルハーモニー交響楽団だった。プログラムは葬送行進曲で始まる

マーラーの交響曲第5番だった。

再放送がきっとあると思うが、今は分からない。

NHKオンデマンド | 3月11日のマーラーでは、今すぐに見られる。

そこに書いてある「番組概要」。

2011年3月11日、多くの音楽会が中止される中、新日本フィルの定期演奏会は決行された。演奏されたのは、マーラーの交響曲第5番。

世界的な指揮者ハーディングがタクトを振った。葬送行進曲に始まり、壮大なフィナーレに至る70分の演奏会。

悲しみ・祈り・希望・深い感情が込められ結晶となり、94人のオーケストラ、

105人の観客、誰もが忘れられないものとなった。

残された記録映像をもとに、奇跡の夜を再現する。語り(語り手) : 袴田吉彦

マーラーの5番はトランペット・ソロで始まる。この極限的な状況。

東京でも余震が続いていて、もしかすると、天上から何かが落下して命に関わったかも知れない。

しかし、首席トランペット奏者・服部孝也さんのソロはあまりにも見事だった。

本当は映像の一部だけでもアップしたいが、絶対に削除要求がNHKからくるのは明らかなので、

ほんの一部、プレーヤー、事務方などへのインタビューを交えた音声をお聴き頂きたい。



3月11日のマーラー






文字通り、「命をかけた演奏」である。

ソロの後のコメントは、コンマスの崔 文洙(チェ・ムンス)さん、服部さん、事務局・五島励二さん、

最後はヴィオラの醍醐紀子さん、である。

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